住まいとお金の知恵袋 一覧(公開日順)

  • ”明るい廃業®”を掲げる新生銀行に ニッポンの経営者の本音を聞いた

    日本には、2021年6月時点でおよそ367万4000社の企業があります。(総務省・経済産業省による発表)そのうち中小・小規模事業者の数は99.7%を占めるといいます。 そして、2017年に中小企業庁がこんな予測を発表しています。「2025年までに経営者の平均引退年齢である70歳を迎える経営者が245万人、そのうち127万人が後継者未定(※1)」――経営者の高齢化が進み、127万社で後継者が不足する、たった3年後の未来が待っているのです。 (画像:新生銀行が作成) ーー企業の引継ぎと幕引きのためのバイアウトということですね。「事業の利益が小さい会社でも」と言いますが、赤字の会社でも利用できるのでしょうか。 はい。たとえ赤字が続いていても会社の純資産に価値が残っており、債務を全て返済可能な状態であれば、買収の対象となり得ます。その場合の資産の多くは、会社が保有する株式や不動産です。 もちろん経営者の方々が各自で資産を処分し廃業することもできます。しかし円滑な廃業のためにやるべきことは多数あるため、経営者が全てを行うのが難しいことも多いでしょう。そこでファンドが株式を引き取ったうえで様々な分野の専門家と一緒に、廃業を請け負うというイメージです。 ーーたしかに経営者にとって廃業は考えたくはない状況です。精神的にも重荷に違いないですね。 そのとおりです。仮に廃業することが合理的な選択肢であると頭でわかっていたとしても、気持ちの面で乗り越えるのが極めて難しく、ハードルが高い決断になります。また、廃業については周囲の専門家に相談しにくいことです。 2014年版中小企業白書によれば、経営者が廃業を相談する先の1位は「家族」。2位は「誰にも相談していない」。一族経営の場合は親族同士で意見が異なる場合もありますし、普段どおりにしている従業員さんにもこの話題は言い出しにくい。取引銀行にも切り出せない。会社の状況をよくわかっている税理士さんならアドバイスできるのでしょうが、なかなか…顧客である社長さんに廃業は勧められないものです。 ーー関係者がそれぞれの立場と責任感があるだけに、ほかの経営課題のように相談して進めにくいと。 そうですね。ですから本当はやめたいと思っていても言うに言えない社長さんがあるのではないかと考えています。表面化されない潜在需要はまだ多く、廃業支援に取り組む社会的意義は非常に大きいと感じています。 「廃業支援型バイアウト®」を利用すると、一般的には売却の難しい株式を譲渡することで現金化を図れることに加え、様々なメリットがあります。自主廃業よりも税務負担が軽いケースもありますし、時間と手間を省略でき、従業員の方々の再就職についても適切に支援が行われるといったことも重要です。 何よりも、通常の場合、オーナー経営者は株式を売却すると同時に経営から退任し、個人保証も解除され、赤字会社経営の負担から一切解放されることが大きいと感じています。 ”廃業支援型バイアウト®”の誕生秘話 新生銀行 事業承継金融部長 舛井正俊氏 ーーほかの金融機関では行っていないビジネスなのでしょうか? 不良債権投資のビジネスでは主たる競合先として金融機関系の投資家、外資系の投資家がありました。金融機関系の投資家は取引先等との関係もあり、廃業支援を打ち出すのはレピュテーションリスクがあると考えるようです。 また、外資系投資家にとって、廃業支援は手続きが複雑で、手間がかかるのでやりたがらない。だから競合不在と言い続けています。多くの金融機関が取引先の事業承継に力を入れていますが、廃業支援については新生と連携すると言っていただいている先もあります。 2013年6月に日本再興戦略が策定された際に、経済活性化のために新陳代謝が必要と言われ、開業率・廃業率いずれも10%台を目指すと宣言されました。ところが2020年度の開業率は5.1%、廃業率は3.3%です。(中小企業白書2022 第1-1-36図 開業率・廃業率の推移)。 適切な労働力の配置はマクロ的にも重要ですが、個別企業においても廃業が有効な選択肢となり得るものと考えています。とはいえ廃業という言葉に抵抗感もあると思いますので、私たちが提唱しているのは「明るい廃業®」という考え方です。 もちろん安定した利益が出ている会社であれば後継者も引き受けやすいでしょうし、適切な後継者がいなければM&Aで買いたいという会社は多数ありますから、第三者への事業承継も比較的容易です。その中で事業承継が進んでいないということは、将来に不安があって後継者を見つけづらい会社が相当多いのではないか、という問題意識を持っています。 将来の見通しが立たないとしても、長く続いてきた会社について廃業を決断できる社長さんは素晴らしいと思います。私たちも前例のない仕事のなかでひとつひとつ勉強を積み重ねている状況ですが、悩みながらも決断できる経営者がもっと評価されてしかるべきと強く感じます。 ”残念ながら、3年遅い”きれいに廃業できるタイミングとは  ーー廃業の相談はどんなルートで受けているのでしょうか。 主としてM&Aの仲介会社やアドバイザリー業務に携わる方からご紹介いただいていますが、「明るい廃業®セミナー」を開催したり、WEB広告をしたり、さまざまなチャネルを持っています。年々ご相談は増えています。 しかし残念ながら、廃業が望ましい選択肢である方に当方の取り組みを伝えることが難しいのです。相談にいらっしゃったときには手の施しようがない、という場合がとても多い。「もっと早く出会えていれば」と悔しい経験を何度もしています。 「廃業支援型バイアウト®」は利益が出ていなくても資産の価値を活かして解決を図る取り組みであるため、資産が底をついてしまい、本当に経営が切羽詰まってからではほとんど何もできないという現実があります。 ご相談いただいた事例で、この3年くらいの赤字で資産が底をついてしまっているということがとても多い。どうすれば3年前に出会えるのか。私たちにとって、もっとも大きな課題です。 ーーたしかに、いくらセミナーを開催しても、ギリギリで踏ん張っている社長さんほど、なかなか足が向かないでしょうね。 ええ。比較的お取引に繋がりやすいのは、先代が急に亡くなるなどで図らずも経営者になった方。それから後継者探しやM&Aに挑戦して良い結果に結びつかず、やり切った気持ちがある方です。私たちからすれば、いま困っている社長さんには「もう十分頑張りましたよ。ありがとうございました」と言いたい気持ちがあります。 事業承継は10年前から準備が必要と言われますが、事業承継が難しいと感じている経営者の方がギリギリまで頑張らずに、資産が尽きる3年前に専門家に相談できるような環境ができると良いと思います。 「やめてもいいよ」と言う人がいてもいい 

  • シニアが自宅売却と物件購入を同時に実現する難しさ

    シニアが自宅売却と物件購入を同時に実現する難しさ

    定年退職や子どもの自立などによって、現役世代とはライフスタイルが大きく変化する高齢者世帯は多いのではないでしょうか。ライフスタイルが変化すると、より快適な家を求めて住み替えを検討するかもしれません。 そこでこの記事では、現在持ち家所有者である60歳以上の男女104名を対象に、住み替えに関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 住み替えたい理由はリフォームでは対応できないから Q1. 住み替えたい理由を教えてください(複数回答可) 「建物の老朽化」と「間取りへの不満(広すぎる、狭すぎる)」がともに38%と、簡易なリフォームでは解決しにくい建物への不満であることがわかりました。これらの不満を解決するには建て替えや間取り変更を伴うリフォームが必要であるため、そういった手間や費用をかけるのであれば、自宅を住み替える選択をするのかもしれません。 住み替えで最も重視する点は利便性、最大の不安は資金面 Q2. 住み替えにあたって不安に感じることはありますか?(複数回答可) やはり「資金面」に不安を抱える方が最も多く、38%が不安を感じていました。次点は「荷物の整理・処分」で35%、「生活環境の変化」が30%と続いています。 Q3.住み替えで最も重要視するのはどこですか? 最も重視するのは「買い物、交通、病院などの利便性」の41%で他の選択肢を大きく引き離した結果となりました。シニア世代が普段の生活のしやすさを重視していることが分かります。一方で、住み替え先を選ぶ基準として、「家族との同居・近居」や「物件の資産価値」、「バリアフリー整備の充実」などの優先順位は低いようです。 約半数が住み替えの予定が立っていない、最大の理由は資金面 Q4. 実際に住み替える予定はいつですか? 「住み替え意向がある」にもかかわらず、「実際に住み替える予定は立っていない」人が45%となりました。「10年以内」というやや住み替えへの意識が低い方も含めれば、半数以上の人が住み替えへの目途が立っていないようです。 Q5. 住み替える予定が立っていないのはなぜですか? 住み替える予定が立っていない理由を見てみると、「希望に合う住み替え先がないから」が約半数という結果となりました。続いて、「住み替え費用が用意できないから」が36%となりました。 多くは住み替え先が見つからないためですが、資金不足が原因で積極的に情報収集に取り掛かれていないのかもしれません。なお、Q3でシニアが重視するのは圧倒的に利便性の高い物件でしたが、希望の利便性と購入可能予算内で物件を探すのは、シニアにとって非常に難しいことかもしれません。 住み替え資金を自宅の売却で考えるとハードルが高い Q6. 住み替えの費用をどのように捻出する予定ですか? 「自宅の売却」で住み替え費用を捻出しようとしている割合は約半数にのぼりました。 その一方、「住宅ローン」を利用しようとしている人はたった5%にとどまっています。 【考察】 一連のアンケートから、住み替え意向がある60歳以上の方の多くが、実際には”住み変えられない”という結果が得られました。約半数は希望に合う物件がないという理由でしたが、次いで資金面の課題が多いことがわかりました。 住み替え資金が用意できないという理由には、住み替え予算に自宅の売却資金を見込んでいることが原因でしょう。新居に自宅の売却資金を使うためには、新居の購入前に自宅を売却するか、購入と同時に自宅を売却することが一般的です。 上記のような一般的な売却を行うと、仮住まいが必要になってしまうこと、新居の選定か自宅の売却価格に妥協せざるを得ない場合があること、購入と売却のスケジュール調整が難しいことなど、いくつかの課題が発生します。これらがシニアの住み替えを難しくしている要因ではないでしょうか。 まとめ 住み替え意向がある60歳以上の人の約半数が、「実際に住み替える予定がない」という結果となりました。さらに、利便性を求めることで希望に合う住み替え先が見つからないほか、自宅の売却と住み替えの両立が難しいという理由で、住み替える予定が立たないことがわかりました。 資金面や仮住まいの問題のため住み替えが出来ないシニア世代の方々は、高齢者向けの住宅ローンであるリ・バース60やリースバックなどのサービス利用を検討してみましょう。既存のサービスでは実現出来なかった、スムーズで賢い住み替えができるかもしれません。 SBIシニアの住まいとお金で『住まいとお金ガイドブック』無料進呈中 60歳からの住み替え相談受付中 老後の住み替えに悩みや疑問をお持ちの方へお金の専門家が丁寧にサポートします。※SBIシニアの住まいとお金のWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説 老後に豊かな生活を送るには、ライフスタイルに合わせて住まいを選ぶ必要があります。しかし、住まいを選ぶ際には多くの選択肢があるので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 老後...記事を読む

  • 介護リフォームが必要な理由とは?費用の目安や利用できる補助金を紹介

    介護リフォームが必要な理由とは?費用の目安や補助金制度も紹介

    突然のケガなどによって介護が必要になる場面だけでなく、家族の中に高齢者がいると自宅のリフォームを検討するかもしれません。スムーズにリフォームを進めるには、事前に工事にかかる費用をある程度把握しておくことが大切です。また、利用できる補助金についても押さえておけば、いざというときに頼りになるでしょう。 この記事では、介護を行うために必要なリフォーム費用の目安や工事のポイントなどを解説します。 介護リフォームが必要な理由 介護を行うためにリフォームが必要な理由としては、被介護者を守るためだけでなく、介護者の負担を減らすためという点が挙げられます。介護を受ける側も行う側も気持ちよく過ごせる環境を整えるためには、必要なリフォームを実施することが大切です。 それぞれのポイントについて、さらに詳しく見ていきましょう。 被介護者を守るため 高齢者の視点から考えると家の中には階段や段差、お風呂場、トイレなど、ケガの原因となる場所が無数に点在しています。身体の状態にもよりますが、それまであまり気にならなかった小さな段差でも、つまずいて転倒につながるリスクは十分にあります。 介護が必要な状態といっても、その介護レベルは様々で、室内であれば問題なく自分で移動できるというケースも多いものです。そうした方にとっては、できるだけ自分の力で安心して行動できるような室内環境を整えることが、健康や自信を維持するためにも重要なポイントとなります。 上記のように、まずは「高齢者を守る」という観点から、バリアフリーを目的とした介護リフォームは重要です。 介護者の負担を減らすため 介護リフォームのもうひとつの目的は介護者側の負担をできるだけ減らすことにあります。介護を行うためには被介護者自身が快適と感じられるだけでなく、介護者にとってもサポートをしやすいと感じられる環境が求められます。 たとえば、被介護者の横について排泄のサポートをする場面を考えると、トイレには二人分のゆったりとしたスペースが必要です。十分な広さがなければ、介護者の身体に負担がかかるだけでなく、心理面においてもストレスを感じてしまう原因になります。 また、簡単に玄関や窓のカギが開かないような工夫をするなど、被介護者の安全を守る仕組みが、介護者自身の精神的な負担を軽減させてくれることもあります。そのため、介護リフォームを行ううえでは、介護者の目線からも快適と感じられる設計や工夫が重要です。 出典)「一般社団法人 住宅金融普及協会」 リフォームの需要は高齢者世帯に多い 介護リフォームについて考えるのは、ある程度の年齢を重ねてからとイメージされるでしょう。実際のところ、住宅におけるリフォームの需要は、若い世代よりも65歳以上の高齢者に多い傾向があります。 『住宅土地統計調査』(総務省・2018年)のデータによれば、2014年以降に増改築・改修工事などが行われた持ち家の件数901.4万戸のうち、施主が65歳以上のケースは532.9万戸であり、全体の60%近くを占めることがわかります。 一方で、65歳以上の高齢者が住む住宅2253万4千世帯のうち、一定水準のバリアフリー化が済んでいる世帯は955万6千世帯で、全体の42.4%とされています。 これらの結果から、リフォームの需要は加齢や築年数が古くなることに伴うが、介護に備えた「バリアフリー化」は思ったよりも進んでいないことがわかります。また、築年数が古いほどバリアフリー化率が低く、今後も介護リフォームの需要は高まっていきそうです。 出典)総務省「住宅土地統計調査」 介護リフォームにかかる費用相場 介護リフォームの費用は、どの部位を施工するかによっても大きく異なります。また、水回りの入れ替えを行う場合、新たに導入する設備のグレードによっても費用に大きな差が生まれます。 一般的な介護リフォームを行う場合、主な部位の目安金額は以下のとおりです。 リフォームを行う箇所費用の目安 洗面所の改装20~100万円 トイレ全体の改装20~100万円 システムバスへの交換60~150万円 手すりの設置1~20万円 廊下の改修20~100万円 和室→洋室(バリアフリー仕様)への改装70~300万円 段差の解消(床のかさ上げ)8~20万円 合計額199~790万円 上記のように、介護リフォームに必要な費用の目安には一定の幅があります。ただ、国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査報告」(2012~2014年度)によれば、リフォーム工事の価格帯は、500万円未満が全体の80%程度を占めるとされています。 太陽光発電システムの導入や基礎から行う耐震補強のように、あまり大がかりな施工を依頼しなければ、通常のリフォームより費用が安く収まるケースも少なくありません。ただし、リフォーム業者によって費用は変わるため、必ず「相見積もり」をとって複数の会社を比較しましょう。 出典) ・国土交通省 部位別リフォーム費用一覧 資料5-2 ・国土交通省 軽微な工事(リフォーム工事等)に関する対応の検討 失敗しないための介護リフォームのポイントを紹介 介護リフォームで失敗しないためには、それぞれの工事箇所で見落としがちな点を細かくチェックすることが必要です。介護のためのリフォームは初めてという方もめずらしくないため、一つ一つ確認をしていきましょう。 玄関のリフォーム 玄関のリフォームで意識したいのは以下のポイントです。 出入りがしやすい(車椅子でも入れる) 靴を履いたり脱いだりするときに座る場所がある 手すりがある 雨の日でも滑らない 段差がない まずは間口の広さに着目し、車椅子でも問題なく出入りができるかをチェックしましょう。玄関口と廊下には段差が生まれてしまうのが通常のため、上り下りを補助するための台や手すりを設置することも大切です。 また、意外と見落としてしまいがちなポイントとして、床の材質が挙げられます。雨の日の転倒事故を防ぐために、濡れても滑りにくい材質を導入しましょう。 トイレのリフォーム トイレのリフォームで意識したいのは以下のポイントです。 出入りがしやすい トイレ内が広い 用を足しやすい スリッパを履かずに済む トイレは場合によって、被介護者と介護者が一緒に入る可能性もあります。そのため、二人同時に入るケースを想定して、出入りのしやすさやトイレ内の広さを確保することが大切です。 また、便座の高さや向き、ドアからの動線を考慮して、用を足しやすいつくりを心がけることも重要です。被介護者の状態によっては、身体の向きを変えるだけでも苦労してしまうことがあるため、体勢を変えずに利用できる設計を検討しましょう。 つまずき防止を考えて、スリッパを履く必要がない床材を導入するのもコツです。 お風呂のリフォーム お風呂のリフォームで意識したいのは以下のポイントです。 出入りがしやすい 濡れても滑らない 浴槽に入りやすい 段差がない お風呂もその他のスペースと同様に、まずは出入りのしやすさを考えることが大切です。浴室は特に転倒しやすいスペースなため、少しの段差でもケガにつながることがあります。 車椅子を使うことも想定して、脱衣所との段差はなるべく解消しておきましょう。さらに、転倒防止の基本として床材を滑りにくいものに変更するのも重要なポイントです。 また、お風呂においては、浴槽の高さに目を向ける必要もあります。またいだときの転倒リスクを軽減させるためにも、浴槽部分を少し掘り下げて、床との高低差を小さく抑えることが大切です。段差が小さければ、介護者も入浴サポートがしやすくなります。 階段のリフォーム 階段のリフォームで意識したいのは以下のポイントです。階段は転倒・転落などの事故が起こらないように、安全面に目を向けることが大切です。 手すりがある 滑り止めがある 段差がゆるやかである 階段昇降機が設置してある まずは、上り下りでしっかりと身体を支えられるように、手すりを設置する必要があります。滑りにくくつかみやすい太さ・形状を心がけ、とっさのタイミングでもすぐにつかまれるようにしておくと安心です。 また、床には滑りにくい材質を用いるとともに、へりに滑り止めの加工を行うことも大切です。上記2つの施工内容であれば、それほど費用をかけずに実現できるため、優先的に取り入れたいポイントといえるでしょう。 そのうえで、階段スペースの広さを十分に確保できるのであれば、段差をゆるやかに設計し直すのもひとつの方法です。傾斜を抑える分だけ、階段のスペースは広がってしまいますが、上り下りの負担を軽減する有効な手段となります。 さらに、費用にゆとりがあるなら被介護者を乗せられる階段昇降機を設置すると便利です。費用は高額になりますが、レンタルを行っている会社もあるため、選択肢のひとつとして考えてみてもいいかもしれません。 介護リフォームは介護保険の補助金を活用しよう 介護リフォームに取り組む際は介護保険から受けられる補助を活用することが大切です。費用の一部に充てられるため、必要な介護リフォームをスムーズに進めやすくなるでしょう。 以下では介護保険を利用してリフォームを行う流れを解説します。 介護保険の支給限度基準額 介護保険制度では要介護者などが一定の介護リフォームを行うときに、必要な手続きを行うことで一定金額の補助を受けることができます。具体的には、最大で20万円の限度額を基準に支給される仕組みです。 ただし、実際には改修費用の1~3割は自己負担となるため注意しましょう。なお、介護リフォームのうち、介護保険制度の対象となるのは以下の工事です。 手すりの取り付け 段差の解消 床や通路における滑り防止のための材料の変更 引き戸などへの扉の取り替え 洋式便器などへの便器の取り替え 上記5つの施工のために必要な工事 また、国の制度である介護保険とともに、自治体独自の取り組みもあります。制度の仕組みは自治体によって違い、介護保険と併用できるかどうかも異なります。 たとえば、東京都の場合は「住宅改善事業」という制度が設けられており、細かな仕組みや運用のルールは市区町村ごとに決められています。 出典)東京都 住宅改善事業 介護保険を利用してリフォームを行う流れ 介護保険の支給制度を利用するためには、決められた流れに沿って手続きを行う必要があります。リフォームの前に行う「事前申請」と施工後に行う「事後申請」のどちらも必要となるため、全体の流れをきちんと把握しておきましょう。 なお、助成金の支給が行われるのはリフォームの工事完了後になる点にも注意が必要です。 ケアマネジャーへの相談 介護リフォームを検討したら、まずは福祉センターのケアマネジャーにどのような介護リフォームが必要であるかを相談し、ケアプランを作成してもらいます。ケアマネジャーが作成する「住宅改修が必要な理由書」がなければ、支給の申請自体が行えないため注意しましょう。 市区町村への書類の申請 介護保険制度を利用する際は、市区町村にて工事前に申請する必要があります。申請には以下の書類が必要となります。 支給申請書 工事費見積書 住宅改修が必要な理由書 住宅改修後の完成予定の状態がわかるもの(日付入り写真や住宅間取り図など) 工事費見積書については金額の妥当性を確かめるためにも、複数の施工会社での相見積もりが推奨されています。ケアマネジャーによっては介護リフォームを得意とする施工会社を紹介してもらえることもあるため、不安な方は相談しておくといいでしょう。 施工の開始・完成 事前申請が終われば、施工会社による工事が実施されます。工事の期間は作業内容や範囲によっても異なるものの、介護保険における補助金の対象工事にはそれほど大規模なものはないため、比較的短いスケジュールで完成します。 工事費の支払い 施工が完了してからは実際の状態を確認し、プランとの差異がないかを確認します。そのうえで、問題がなければ工事費の支払いへと移ります。 このとき、リフォームの工事費用は一度自己負担しなければならない点に注意が必要です。支払い時に受け取る領収書は事後申請時に必要なため、きちんと保管しておきましょう。 介護保険の申請と改修費の支給 工事費の支払いが終わり、改めて市区町村に必要書類を提出すると、介護保険の正式な支給申請として取り扱われることとなります。このときに必要な書類は以下のとおりです。 住宅改修にかかった費用の領収書 工事費内訳書 完成後の状態を確認できる書類(改修前と改修後のそれぞれの写真など) 事前申請で提出された書類との確認や、適切な工事が行われたかの確認が終わると正式に申請が受理され、改修費が支給されます。 出典)厚生労働省 介護保険における住宅改修 まとめ 病気やケガなどで家族の介護が必要になったとき、介護リフォームを検討することもあるでしょう。大まかな費用相場を把握していれば、必要なリフォームを進めやすくなります。 介護保険をうまく活用してリフォームを進めることで、経済的な負担を軽減できるはずです。基本的な流れをきちんと押さえたうえで、介護リフォームを進めてみましょう。 60歳からのリフォーム相談受付中 老後のリフォームに悩みや疑問をお持ちの方へお金の専門家が丁寧にサポートします。※SBIシニアの住まいとお金のWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ 住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリ...記事を読む

  • リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ

    住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリフォームを行うと、費用がいくらかかるのか気になる方も多いでしょう。 この記事ではリフォーム費用の目安や安く抑えるコツ、活用できる補助金などを解説します。 部位別リフォーム費用の相場 住宅のリフォームは、どこを工事するかによって費用は異なります。ここでは、工事の種類別にかかる費用の目安とポイントなどを、国土交通省が公表している「部位別リフォーム費用一覧」のデータをもとに解説します。 水回りリフォーム費用の相場 水回りのリフォームは、タンクレストイレやシステムバス、システムキッチンなどの住宅設備の交換などが挙げられます。それぞれの費用相場について解説します。 トイレ トイレのリフォームでは、8~16万円程度で温水式洗浄便座の設置ができます。タンクレストイレへの交換で30~50万円程度、トイレ全体の改修となると20~100万円程度を見積もっておく必要があります。なお、交換するトイレのグレードや床・壁の内装変更、手すりの設置などリフォームを行う箇所が多くなるほど費用は高くなります。 お風呂 お風呂のバスタブの交換は14~20万円程度が目安です。システムバスへの交換はマンションの場合で50~100万円程度、戸建てだと60~150万円程度がかかります。また、高効率給湯システムの設置には55~100万円程度がかかることを見込んでおきましょう。 洗面所 洗面所のリフォームは、洗面化粧台の交換が20~50万円程度、洗面所の改装を行うときは20~100万円程度を考えておきましょう。洗面所と脱衣所を兼ねている場合は、防寒対策として床暖房を入れたり、二重窓にしたりすることを検討することもあるかもしれません。作業工程が増えるほど、費用がかさんでしまうため注意が必要です。 居室リフォーム費用の相場 居室のリフォームは、フローリングへの変更や壁クロスの貼り替え、リビングそのものの全面改修などが挙げられます。それぞれの費用感について見ていきましょう。 リビング 壁クロスの貼り替えには6~30万円程度、段差の解消には8~20万円程度が必要です。リビングに収納棚を設ける場合は40~90万円程度がかかり、リビングそのものを全面改修するときは200~400万円程度を見込んでおく必要があります。 床 畳からフローリングに変更する費用は、広さにもよりますが15~60万円程度がかかります。床暖房を敷設する場合は50~150万円程度が必要です。使用する床材のグレードによって金額は大きく異なるため、予算にあった選択が重要です。 外装・構造リフォーム費用の相場 外装や構造のリフォームは、外壁や屋根の修理、雨どいの交換などが挙げられます。ここでは主に、外壁と屋根について見ていきましょう。 外壁 戸建ての場合、年月の経過によって外壁に劣化が生じてきます。そのままにしておくと、漏水の原因にもなるため、定期的なメンテナンスが必要です。 外壁材がモルタルなのか、サイディングなのかでも異なりますが、モルタルの重ね塗りには、壁の面積によって50~150万円程度がかかります。外壁材そのものを貼り替えるにはさらに費用が必要になるため注意しましょう。 屋根 屋根に関してはスレート屋根の塗り替えで20~80万円程度、金属屋根の重ね葺きで90~250万円程度かかります。瓦屋根の場合は、瓦の交換などで70~120万円程度を見込んでおく必要があるでしょう。 雨どいの交換を行うときは、5~40万円程度がかかります。屋根部分は自分でメンテナンスを行うのが難しいため、計画的にリフォーム費用を積み立てておくようにしましょう。 耐震補強 住宅の耐震補強を行う場合、金物を使用した補強工事なら20~60万円程度がかかります。基礎部分から補強工事を行う場合は、100~200万円程度必要です。 出典)部位別リフォーム費用一覧 全面リフォーム費用の相場 リフォーム費用は工事を行う箇所によって金額が違ってきます。住宅の全面リフォームを行う場合はまとまった資金が必要になるため、計画的に資金を積み立てていくことが必要です。 次のようなケースで全面リフォームを行った場合に、どれくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう。 リフォームを行う箇所費用の目安 太陽光発電システムの設置200~300万円 タンクレストイレへの交換30~50万円 システムバスへの交換60~150万円 耐震補強(基礎からの工事)100~200万円 スレート屋根の塗り替え20~80万円 内窓の設置6~12万円 壁クロスを珪藻土に変更18~30万円 システムキッチンの交換40~80万円 畳からフローリングに変更15~60万円 合計額489~962万円 上記のケースでは、489~962万円程度の費用が必要です。全面リフォームを行うには中長期の計画を立てて取り組んでいく必要がありますが、工夫次第でリフォーム費用を安く抑えることも可能です。 リフォーム費用を安く抑えるコツ リフォームを行う箇所が多いほど、費用はかさんでしまうため注意が必要です。リフォーム業者によって費用感は異なるため、実際に工事を行うときには複数の会社に見積もりを出してもらいましょう。そのほかに、リフォーム費用をできるだけ抑えるコツについて解説します。 設備や建材のグレードを見直す リフォーム費用を抑えるには住宅設備や建材のグレードを見直すことが重要です。質にこだわり過ぎれば、多くの予算が必要になるため、どのラインで妥協できるのかを検討してみましょう。 暮らしに必要な機能や性能を洗い出したうえで、それに見合った住宅設備や建材を選んでいくことが大切です。リフォーム業者と相談をして、既存の設備で再利用できるものがないかなどを細かく検討してみましょう。 複数の箇所をまとめてリフォームする 個別にリフォームを行うよりも、数ヶ所をまとめてリフォームしたほうが結果的に合計費用は抑えられます。たとえば、屋根と外壁のリフォームは工事を行うにあたって足場を組む必要があるため、別々に依頼をすればその分だけ費用がかさみます。 また、配管工事を伴う水回りのリフォームなども、まとめて行ったほうが費用を抑えられるでしょう。どのようなスケジュールで工事を進めていけば費用面での負担が少ないかをリフォーム業者に相談してみるといいでしょう。 補助金を活用する リフォームの内容によっては国や自治体などが設けている補助金制度を活用できる場合があります。費用の一部を補助してもらうことで、負担の軽減につながるでしょう。どのような補助金制度があるのかを次に紹介します。 リフォーム時に活用できる補助金 リフォームを行う際に活用できる補助金制度はさまざまあり、一定の条件を満たすことで補助金が支給されるケースがあります。補助金の種類や支給額、対象となる工事内容などを表にまとめると以下のとおりです。 補助金の種類対象となる工事内容補助額 こどもみらい住宅支援事業開口部・外壁・屋根・床などの断熱改修エコ住宅設備*1の設置子育て対応改修バリアフリー改修など対象のリフォームに応じて補助額が決定上限額60万円 既存住宅における断熱リフォーム支援事業高性能建材を用いた断熱リフォームリフォーム費用の3分の1まで上限額120万円 次世代省エネ建材の実証支援事業外張り断熱リフォーム内張り断熱リフォーム窓断熱リフォームリフォーム費用の2分の1まで外張り断熱:上限額400万円内張り断熱:上限額200万円窓断熱:上限額150万円 長期優良住宅化リフォーム補助金三世代同居対応改修工事子育て世帯向け改修工事防災性の向上改修工事などリフォーム費用の3分の1まで一定の性能向上が認められる場合:上限額100万円長期優良住宅の認定を受ける場合:上限額250万円 ※太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽など 上記のように多くの制度が設けられているため、リフォームを行うときには補助金の対象となる工事であるかを確認してみましょう。補助金の申請手続きなどに詳しいリフォーム業者を選んでみると、スムーズに進められるでしょう。 なお、制度ごとに下限額や上限額が細かく設定されているため、詳細は参考URLをご確認ください。 出典) ・こどもみらい住宅支援事業 ・既存住宅における断熱リフォーム支援事業 ・次世代省エネ建材の実証支援事業 ・長期優良住宅化リフォーム補助金 リフォーム減税制度の対象 リフォームを行うときは費用負担ばかりが気になりますが、一方で減税の対象となることも押さえておくことが大切です。住宅のリフォームを行ったときには確定申告をすることで減税対象となり、所得税の負担を軽減できます。 一口に減税といっても、投資型減税・ローン型減税・住宅ローン減税の3つがあります。それぞれの特徴についてまとめると、以下のとおりです。 減税措置の種類控除要件最大控除額控除対象期間 投資型減税ローン利用の有無を問わず25万円1年 ローン型減税償還期間5年以上のローンを利用62.5万円5年 住宅ローン減税償還期間10年以上のローンを利用140万円*10年 ※既存住宅のリフォームで、控除率0.7%、年間最大控除額の14万円が10年間適用された場合 出典) ・リフォームの減税制度 ・国土交通省 住宅ローン減税 上記の減税措置は家屋の条件や所得、工事内容などの要件をすべて満たすことによって適用されます。詳しい要件などは、国税庁のホームページなどで最新の情報を確認しておきましょう。 まとめ 住宅のリフォームは、工事を行う箇所が多いほど、費用がかさんでしまう傾向があります。複数の会社から見積もりを出してもらい、どの部分のリフォームから優先的に行うかを精査してみましょう。 できるだけ安くリフォームを行うには、事前に大まかな相場を把握しておくことが大切です。活用できる補助金や減税の仕組みなどについても理解しておけば、リフォームの計画を立てやすくなるでしょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 シニアがリフォームする際のポイントや間取り事例を紹介 年齢を重ねてくると、購入当時の住まいでは生活のしづらさを感じる場面が増えてくるものです。ライフスタイルに合った住環境を作るために、選択肢の1つとしてリフォームを考えることもあるでしょう。しか...記事を読む

    2022.09.07リフォーム
  • シニアがリフォームする際のポイントや間取り事例を紹介

    シニアがリフォームする際のポイントや間取り事例を紹介

    年齢を重ねてくると、購入当時の住まいでは生活のしづらさを感じる場面が増えてくるものです。ライフスタイルに合った住環境を作るために、選択肢の1つとしてリフォームを考えることもあるでしょう。しかし、実際にリフォームを行うとなると、どこから手をつければいいか悩んでしまいがちです。 この記事では、シニア世代がリフォームを行うときのポイントや間取りの事例、活用できる制度などを詳しく解説します。 シニアがリフォームを行う際のポイント 50歳以降にリフォームを考えるときには、老後の暮らしを見据えた住みやすい間取りにすることを念頭に置く必要があります。特に子どもが独立してからは、間取りはシンプルなほうが暮らしやすいでしょう。 加齢に伴う身体機能の低下やバリアフリー、生活動線やライフスタイルなどの点から総合的に考えていく必要があります。以下ではリフォームを行う際にポイントとなる部分をそれぞれ解説します。 1.玄関 まず、玄関のリフォームで重要な点は、安全に出入りができるかということです。間口が狭い場合は、車椅子がスムーズに出入りできるように広げることも検討してみましょう。 玄関付近で気をつけておきたいのは、敷居や玄関のアプローチなどの段差でつまずく転倒事故です。できるだけ段差をなくすようにして、スロープを設けると安心です。また、安全に通行するために手すりを設置することも安心につながります。 2.水回り設備 浴室や脱衣所、キッチンやトイレといった水回り設備は転倒につながりやすい箇所でもあるため、特に注意が必要です。浴室や脱衣所はイスやシャワーチェアを置くスペースを確保できるかを確認しましょう。 まず、浴室の床は滑りやすいタイルなどは避け、なるべく滑りにくい素材に変更しましょう。また、浴室と脱衣所の間にある段差の解消や、ヒートショック対策として暖房器具を設置するなどの対策を行いましょう。 次に、トイレは手すりを設置して、立ち座りの負担を軽減することが大事です。また、出入りをスムーズに行えるように、ドアは引き戸にするほうがよいでしょう。 最後に、キッチンは戸棚の位置を低くして、座りながら調理できるスペースを設けてみると負担が減ります。ガスコンロからIHに切り替えて、火の不始末が起こらないような工夫もしてみましょう。 3.生活動線・段差 室内の移動はちょっとした段差でもつまずきやすいため、できるだけ段差を解消しましょう。夜間は足元が暗くなるため、フットライトを取り付けておくと安心です。 廊下には行き来をするときにつかまりやすいよう、壁に手すりを設けておきましょう。車椅子を使用するときは、廊下の幅が85~90センチメートルほどは必要になるため、通行の妨げになるものがないかをチェックしておきましょう。 4.リビングのレイアウト リビングはくつろぐための空間であるため、日当たりや風通しに配慮したリフォームを心がけておきましょう。リビングからトイレや寝室までの距離は短くするなど、生活動線を考えた間取りの配置を考慮しましょう。 また、テーブルや食器棚などの家具の配置にも気を配る必要があります。一人掛けのソファなど、後から移動させやすい家具を選んでおくとよいでしょう。すぐに目につくように、家具の色はメリハリのある色づかいのものを選ぶのも良いかもしれません。 5.空調・採光・周辺環境 高齢になると室内で過ごすことが多くなるため、部屋の換気や採光に配慮しておくことが大切です。部屋ごとの室温に大きな差がないか、窓の開け閉めをしやすいかなどをチェックしておきましょう。 また、外に出るときのことを考えて、道路や車庫に出るまでのルートが安全であるかもチェックしておく必要があります。段差の解消や手すりの設置、フットライトの取り付けなど基本的な部分を点検してみましょう。 間取りごとのリフォーム事例を紹介 一口にリフォームといっても、物件の種類によって適した間取りは異なります。戸建てやマンション、二世帯住宅などそれぞれのパターンで、具体的な間取りの事例を見ていきましょう。 事例1:2階建て以上の戸建て 2階建て以上の戸建ての場合は、1階に寝室を配置するとよいでしょう。寝室とトイレの位置をできるだけ近くして、生活動線を考えた間取りの配置を行うことが大切です。 玄関にはイスを置けるスペースを確保し、階段下を収納として活用すると便利です。リビングにいる家族の気配が感じられるように、間口を広くしたり対面型のキッチンにしたりすると安心です。また、2階に上がる階段は転倒防止のために、手すりや滑り止めを設けておきましょう。 事例2:平屋・マンション 平屋やマンションの場合は、壁を取り払って広めのLDKにするのも1つの方法です。トイレと脱衣所、浴室などの水回りを1箇所にまとめてシンプルな設計にしてみると、移動がラクになります。 玄関は各部屋までの移動距離が短くなるように、間取りの中央部分にあるほうが望ましいといえます。ベランダやバルコニーは、外との出入りがしやすいように縁側やウッドデッキなどを設けると、採光や換気の調整も行いやすくなります。 事例3:二世帯住宅 二世帯住宅の場合は、それぞれのライフスタイルやプライバシーの確保に配慮した間取りにすることが重要です。トイレは年配の方が利用しやすい位置に配置し、玄関までの移動距離を短くするのがポイントです。 和室を作る場合は、ベッドが置けるように一部をフローリングにしてみるとよいでしょう。広々とした階段ホールに改良するなどして、各世帯の独立性を維持しながらも、ふれあえる空間を設けておくと良いでしょう。 リフォーム工事に活用できる制度 リフォームを行うにはまとまった費用がかかるため、各種ローンだけでなく国や地方自治体が設けている補助金制度を有効活用することが大切です。どのような補助金があるのか事前に把握しておけば、リフォームの計画を進めやすくなるでしょう。 ここでは、3つの補助金制度についてポイントを紹介します。 介護保険法にもとづく住宅改修(高齢者住宅改修費助成制度) 介護保険は40歳からの加入が義務付けられている保険制度であり、要支援・要介護認定を受けたときに、介護費用の一部を支援してもらえる仕組みです。住宅改修費用についても介護保険の適用が受けられるため、負担の軽減につながります。 自己負担割合は1~3割と決められていますが、最大20万円までの補助が受けられます。補助金の支給は実際に工事を行って、業者に代金を支払った後で償還される仕組みであり、利用する際はあらかじめ住んでいる自治体に確認をしておきましょう。 対象となる工事は開口部・外壁・屋根・床などの断熱改修やエコ住宅設備(太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽など)の設置、子育て対応改修やバリアフリー改修などです。 出典)介護保険における住宅改修 長期優良住宅化リフォーム推進事業 「長期優良住宅化リフォーム推進事業」とは、子育てに取り組みやすい生活環境の整備や住宅の長寿命化・省エネ化を推進するために行うリフォームに対して支援を行うものです。三世代同居対応改修工事や子育て世帯向け改修工事などの費用を支援してもらえます。 バリアフリー改修工事や高齢期に備えた住まいの改修工事なども対象となっており、幅広い用途で利用できる仕組みです。補助金の上限額は長期優良住宅の認定を受けない場合は最大100万円、認定を受ける場合は最大250万円となっており、工事費用の3分の1までが補助の対象となります。 出典)長期優良住宅化リフォーム推進事業 総合トップページ こどもみらい住宅支援事業 「こどもみらい住宅支援事業」は子育て世帯や若者夫婦世帯が高い省エネ性能を持つ住宅を取得したり、リフォームを行ったりするときの費用を補助する仕組みです。住宅の新規購入時は、省エネ性能に応じて60~100万円の補助を受けられます。 リフォームの場合は、すべての世帯を対象として最大30万円の補助金が交付されます。さらに、子育て世帯や若者夫婦世帯の場合、最大60万円まで上限が引き上げられるので活用してみましょう。 出典)こどもみらい住宅支援事業 まとめ 年齢を重ねてからも住みやすい環境を維持するには、必要に応じてリフォームを行うことが大切です。物件の種類によって間取りや生活動線などが異なるため、この記事で紹介したリフォームのポイントや事例などを参考にして、自分に合った住まいに作り変えてみましょう。 大がかりなリフォームになると、費用もそれなりにかさんでくるため、国が設けている補助金制度を上手に活用することが重要です。これから年を重ねていったときの暮らしをイメージしながら、早めに取り組んでみましょう。 60歳からのリフォーム相談受付中 老後のリフォームに悩みや疑問をお持ちの方へお金の専門家が丁寧にサポートします。※SBIシニアの住まいとお金のWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リフォームとリノベーションの違いとは?費用の目安も解説 建物の改装を検討するときには、リフォームとリノベーションのどちらが適しているのかを見極めることが大切です。この記事では、リフォームとリノベーションの基本的な違いについて解説します。 また、施...記事を読む

  • グリーンリフォームローンとは?利用条件やメリット、注意点を解説

    グリーンリフォームローンとは?利用条件やメリット、注意点を解説

    グリーンリフォームローンは、一定の基準を満たす省エネリフォーム専用のローン商品です。リフォームによって自宅の省エネ性能を高めれば、より快適な生活を実現できます。高齢者向けの返済特例もあるため、条件を満たせば高齢の方でも利用可能です。 この記事では、グリーンリフォームローンの概要やメリットと注意点、利用の流れについて詳しく解説します。 グリーンリフォームローンとは? グリーンリフォームローンとは、自宅の省エネリフォームに利用できるローン商品です。住宅金融支援機構が、令和4年(2022年)10月から取り扱いを開始します。 国は脱炭素社会の実現に向けて、住宅の省エネルギー性能の向上に取り組んでいます。既存住宅については、省エネリフォームの推進が不可欠です。そこで、既存住宅の省エネ推進を資金面から支援するためにグリーンリフォームローンが創設されました。 ローンは2種類 グリーンリフォームローンでは、リフォームの内容に応じて以下の2種類のローンが用意されています。 ローンの種類リフォームの内容 グリーンリフォームローン・省エネ基準を満たす断熱改修・省エネ設備の設置 グリーンリフォームローンS・ZEH基準を満たす断熱改修 いずれも、一定の基準を満たす省エネリフォームに対する全期間固定金利の融資です。省エネ性能を著しく向上させるリフォームには「グリーンリフォームローンS」が適用され、金利が引き下げられます。 ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)の略語です。外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅を意味します。 出典)環境省「平成30年度のZEH(ゼッチ)関連事業(補助金)について」 利用条件 グリーンリフォームローンの利用条件は以下のとおりです。 対象住宅自ら居住する住宅、セカンドハウス、親族が居住するための住宅 対象リフォーム断熱改修工事、省エネ設備設置工事 融資額最大500万円(リフォーム工事費が上限) 返済期間10年以内(1年以上、1年単位) 金利タイプ全期間固定金利(申込時点の金利を適用) 担保・保証不要 融資手数料不要 団体生命信用生命保険利用可能 現場検査工事要件への適合を確認(現場検査手数料がかかる) 申込者の主な要件・借入申込時の年齢が満79歳未満(親子リレー返済を除く)・総返済負担率の基準を満たしていること 省エネリフォームと一緒に行うその他リフォーム(キッチンの改修、外壁塗装、間取り変更など)もローンの対象です。ただし、その他リフォームの融資額の上限は、省エネリフォームに係る工事費の金額までとなります。 たとえば、リフォーム費用の総額が500万円かかったとしても、その内訳として、省エネリフォームが200万円、その他のリフォームが300万円、という場合には、融資の上限は400万円となります。 リフォームが省エネ工事の要件を満たしていることを確認するため、工事着工前に、適合証明の申請や工事家各内容の確認が必要なほか、適合証明検査機関による現場検査が必要です。 また、すべての借入に対して、総返済負担率(年収に占める年間合計返済額の割合)の基準を満たしていることが要件となります。年収400万円未満は30%以下、年収400万円以下は35%以下が基準です。 グリーンリフォームローンのメリットと注意点 グリーンリフォームローンには、以下のようなメリットがあります。 無担保・無保証で利用できる 全期間固定金利で家計の収支計画を立てやすい 団体信用生命保険を利用できる 住宅の省エネ性能を高められる 担保や保証が不要で、融資手数料もかからないため、比較的利用しやすいローンといえるでしょう。全期間固定金利は、借り入れたときに設定された金利が、完済するまで変わらないため、長期的な家計の収支計画を立てやすいです。団体信用生命保険は、死亡などにより支払いができなくなった場合、借入残高がゼロになります。また、リフォームで住宅の省エネ性能を高めれば、断熱性能に優れた住宅で快適に暮らすことができ、脱炭素社会の実現にも貢献できます。 一方で、グリーンリフォームローンは、工事要件を満たさなくてはならないのが注意点です。適合証明検査機関の現場検査を受けて適合証明書を取得する必要があり、検査手数料もかかります。 グリーンリフォームローンを利用する際の流れ グリーンリフォームローンを利用する際は、以下の流れで手続きを行います。 借り入れの申込み 適合証明の申請・工事計画内容の確認 融資の決定・工事着工 工事完了・現場検査 適合証明書の交付・提出 融資契約・資金受取 リフォーム工事着工前に、借り入れの申込みや適合証明の申請、住宅金融支援機構による工事計画内容の確認が必要となるので、注意しましょう。 適合証明手続の必要書類 適合証明申請時には、適合証明申請書のほかに工事内容に応じて以下のような書類を準備します。 リフォーム工事後の設計図書、計算書、平面図 断熱材の性能がわかる仕様書 設置する設備の性能がわかる製品カタログ 工事完了報告時には、住宅改良工事完了報告書を提出します。なお、報告書には工事前、工事中、工事後の写真を撮影し、添付する必要があります。 満60歳以上の方は高齢者向け返済特例が利用可能 高齢者向け返済特例とは、申込者(連帯債務者を含む)が亡くなるまでの間は利息のみを支払う返済方法です。元金は申込者全員が亡くなったときに、相続人が自己資金で一括返済するか、担保物件(住宅および土地)の売却代金より返済する仕組みになっています。いわゆる「リ・バース60」と同じ商品性です。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 特例を利用した場合と利用しない場合の違い 高齢者向け返済特例を利用した場合と利用しない場合は以下のような違いがあります。 高齢者向け返済特例利用あり利用なし 担保必要不要 団体信用生命保険利用不可利用可 申し込み上限年齢制限なし満79歳未満 毎月の返済額利息のみ元金と利息 その他ノンリコース型- 高齢者向け返済特例は、毎月の支払いが利息のみなので、月々の返済額を抑えられます。また、ノンリコース型であるため、申込人が亡くなったときに担保物件の売却代金が残債務に満たなくても、相続人が残った債務を返済する必要がありません。相続人に負担を掛けずに済むので、高齢者でも利用しやすいでしょう。 一方で、高齢者向け返済特例を利用する場合は、担保が必要な点と団体信用生命保険が利用できません。担保が必要となる点や、返済総額が膨らむことを踏まえると、特例を利用しないと融資基準に当てはまらない人のための制度といえそうです。 まとめ グリーンリフォームローンは担保や保証が不要で、融資手数料もかからないのが魅力です。工事要件を満たす必要はありますが、省エネリフォームを考えているなら選択肢となります。ノンリコース型の高齢者向け返済特例もあるので、資金不足でリフォームをあきらめていた高齢者の方も利用を検討してみてはいかがでしょうか。 出典)住宅金融支援機構「グリーンリフォームローンの取扱いを開始」 60歳からのリフォーム相談受付中 老後のリフォームに悩みや疑問をお持ちの方へお金の専門家が丁寧にサポートします。※SBIシニアの住まいとお金のWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ 住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリ...記事を読む

  • 期限の利益とは?意味や喪失事由、注意点について解説

    期限の利益とは?意味や喪失事由、注意点について解説

    期限の利益とは、住宅ローンを借り入れた際などに生じる債務者の利益のことです。債権者は期限が到来するまで履行を請求できず、債務者にとっては債務に猶予が生まれるため“利益”となります。一方で、契約どおりに返済を行わないと期限の利益を喪失し、債務の一括返済を求められる恐れもあります。 この記事では、期限の利益の意味や喪失事由、注意点について解説します。 期限の利益とは 期限の利益とは、借り入れなどの債務に期限がつけられることによって生じる利益のことです。民法では、“期限”について以下のように定めています。 (民法136条1項) 期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。 出典)民法(e-Gov法令検索) 住宅ローンの借り入れで考えてみましょう。「返済期間35年で融資額3,000万円、毎月10万円を返済する」という契約を締結したとします。仮に、債権者から「すぐに全額返済してほしい」と言われたとしても全額を払う必要はありません。債務者には期限の利益があるため、毎月10万円を支払い続け、35年で3,000万円返済すればいいのです。 期限の利益は放棄できる 一方で、債務者は期限の利益を放棄することもできます。民法では、期限の利益の放棄について以下のように定めています。 (民法136条2項) 期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。 出典)民法(e-Gov法令検索) 条文に「相手方の利益を害することはできない」とあるように、民法上は期限より早く返済されても、債権者は利息を受け取る権利があります。一方で、金融機関からの借り入れであれば、繰り上げ返済によって利息が減額されるのが一般的です。 期限の利益の喪失とは 期限の利益の喪失とは、期限の利益が失われることです。つまり、債権者は期限の利益によって猶予されていた債務の履行を、債務者に請求できるようになります。期限の利益の喪失事由は契約ごとに定められており、期限の利益を喪失すると、債務の一括返済を求められる場合があります。 期限の利益を喪失したとしても、必ずしも一括返済を求められるわけではありません。一方で、期限の利益を喪失した事由によっては、即時返済を求められる恐れもあります。そのため、期限の利益の喪失事由は必ず契約前に確認し、回避するようにしましょう。 法律上の期限の利益の喪失事由 期限の利益の喪失事由は、「民法上で該当するか」「契約書上で該当するか」の2つで判断されます。民法では、期限の利益の喪失事由について以下のように定めています。 (民法137条) 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。 一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。 二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。 三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。 出典)民法(e-Gov法令検索) 民法で定義されている喪失事由は、破産手続きの開始や担保の滅失・損傷など、いずれも債権回収が困難となる場合です。一方で、実務では民法上で定めている事由より広範に、喪失事由を定めていることが多くあります。 契約条項の期限の利益の喪失事由 住宅ローンなどで締結する金銭消費貸借契約では、「期限の利益の喪失条項」を定めます。確実に債権回収を行うため、民法の規定よりも幅広く喪失事由を定めていることが一般的です。具体例は以下のとおりです。 返済の滞納 重大な契約違反(虚偽の申告、資金使途違反など) 債務整理(任意整理、個人再生など) 差押え 民法の規定に加えて、返済の滞納や、虚偽の申告や資金使途違反といった契約違反が発覚すると、期限の利益を喪失します。 民法では自己破産について定めていますが、多くの契約では、自己破産以外の債務整理も期限の利益の喪失事由に含まれます。また、別の債権者に財産を差し押さえられると債権回収が困難となるため、差押えを受けたときも期限の利益を喪失します。 期限の利益の注意点 借入金の返済では、一度でも期日に遅れたら期限の利益を喪失することも珍しくありません。残高不足で返済が遅れることがないように、引き落とし口座の残高管理などを徹底しましょう。 例えば、住宅ローンが残っている自宅を、債権者の許可なく不動産投資に利用する行為も期限の利益の喪失事由となります。ただし、あくまで債権者に無断で行うことが違反であるため、やむを得ない事情がある場合は債権者が承諾してくれる可能性もあります。あらかじめ必ず金融機関に相談しましょう。 関連記事はこちら住宅ローンが残っていても自宅を賃貸に出せる? 他にも、不動産を担保に借り入れをしている場合、担保価値の変動が生じるような変更をする際は、あらかじめ金融機関の承諾を得るよう記載がされています。“担保価値の変動”というと、リフォームやリノベーションも該当する可能性もあります。 消費者との契約のあり方として、消費者の権利の制限は「必要性からみて合理的かつ必要最小限と考えられる範囲に止められるべき」という見解があります。相談の結果、全く問題がないことも考えられますが、あらかじめ金融機関に連絡しておいた方が無難でしょう。 出典)一般社団法人全国銀行協会「消費者との契約のあり方に関する留意事項」 まとめ 債務者には期限の利益があるため、住宅ローンなどでまとまったお金を借り入れたときに分割返済が認められます。ただし、返済期日に遅れると期限の利益を喪失し、債務の一括返済を求められる恐れがあります。金銭消費貸借契約を締結する時には必ず「期限の利益の喪失条項」を確認し、抵触しないように注意しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンが払えないときはどうすればいい?FPが解説 コロナ禍による収入減で、住宅ローンの返済に苦しむ人も増えているようです。住宅ローンの返済が厳しくなったときにできることは何があるでしょう? また、2020年12月から「自然災害債務整理ガイド...記事を読む

  • 2022年宅建業法改正のポイントを解説!不動産取引のデジタル化は進むのか?

    2022年に宅建業法が改正!不動産取引のデジタル化は進むのか?

    2022年5月に宅地建物取引業法が改正されました。押印義務が廃止され、交付書面の電子化が可能となったため、今後は不動産取引のデジタル化が進む可能性があります。今回の改正によって、不動産事業者にはどんな影響があるのでしょうか。 この記事では、不動産事業者向けに2022年宅建業法改正のポイントを解説します。 宅建業法が改正された背景 今回の宅建業法改正は、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(デジタル社会形成整備法)」に基づいて行われたものです。本法律は2021年5月19日に公布、2022年5月18日に施行されました。 デジタル社会の形成により、日本経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現に寄与することを目的としています。 不動産取引においては、改正前の宅建業法で義務付けられていた押印や書面手続きがデジタル化を阻む要因となっていました。そのため、デジタル社会形成整備法の施行に伴い、押印や書面交付に関する宅建業法の改正が行われました。 2022年宅建業法改正のポイント 今回の宅建業法改正のポイントは「押印義務の廃止」と「交付書面の電子化」の2つです。それぞれの内容を確認していきましょう。 宅地建物取引士の押印義務の廃止 不動産取引に必要な以下の書類について、これまでは宅地建物取引士の押印・記名が必要でした。 重要事項説明書 売買・交換・賃貸借契約締結後の交付書面 今回の法改正で押印義務が廃止され、今後は記名のみで可能となります。ただし、媒介契約・代理契約を締結したときに交付する書面については、引き続き押印が必要です。 交付書面の電子化 以下4つの不動産取引関連書類について、電磁的方法による交付が可能となりました。 媒介契約・代理契約締結時の交付書面 レインズ(指定流通機構)登録時の交付書面 重要事項説明書 売買・交換・賃貸借契約締結後の交付書面 依頼者の承諾は必要ですが、今後は紙による書面の交付が義務ではなくなります。電磁的方法による提供において、満たすべき主な基準は以下のとおりです。 依頼者が書面の状態で確認できるよう、出力可能な形式で提供する 電子署名等の方法で、記載事項が改変されていないことを依頼者が確認できるようにする 電磁的方法により書面を提供する場合、不動産事業者は依頼者が確実に受け取れるようにしなくてはなりません。 具体的には、電磁的方法の内容や記録方式を示した上で、出力可能な方法(電子メール、Web上での承諾など)や書面(以下、「書面等」という)で依頼者の承諾を得ます。たとえ事前に承諾を得た場合であっても、依頼者から書面等で「電磁的方法で受け取らない」と申出があれば紙の書面を交付する必要があります。 出典)宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 不動産取引のデジタル化のメリット 不動産事業者にとって、不動産取引のデジタル化は以下のようなメリットがあります。 取引にかかる時間や手間が省ける 不動産取引のデジタル化は、取引にかかる時間や手間が省けるのがメリットです。依頼者と対面で会う必要がなく、オンライン上で契約手続きを完結できるようになります。また、書類の押印や郵送が不要になるため、事務手続きの効率化が期待できます。 印紙税の節税になる 不動産取引では、取引金額が大きくなるほど印紙税の負担が増える仕組みになっています。しかし、書類を電子化して紙の書面を発行しない場合は印紙税が発生しません。不動産取引のデジタル化を進めれば、印紙税の節税になります。 コスト削減が期待できる 不動産取引では、さまざまな書類のやり取りが発生します。関連書類を電子化すれば、書類の郵送料や保管スペース、ファイリング業務が不要となります。閲覧したい書類は検索ですぐに見つけられるため、業務の効率化や書類管理コストの削減につながります。 宅建業法改正が不動産取引に与える影響 今回の宅建業法改正により、不動産取引のデジタル化が加速する可能性があります。ITを活用した重要事項説明(IT重説)は、すでに2017年10月から不動産賃貸で運用が開始されています。2021年4月からは不動産売買においても認められました。 従来はIT重説でも契約は対面や郵送で行う必要がありましたが、今回の宅建業法改正で交付書面の電子化が可能となり、不動産事業者との契約がデジタルで完結できるようになりました。不動産取引のデジタル化は「契約手続きの簡素化」「コストの削減」など、不動産事業者にとって大きなメリットがあります。 一方で、デジタル化を進めるにはITシステムだけでなく、業務のオペレーションの整備が必要です。個人情報の流出を防ぐため、セキュリティ対策にも取り組まなくてはなりません。ITのノウハウを持たない中小不動産業者の場合、自社だけでデジタル化を進めるのが難しいケースがほとんどでしょう。 また、不動産業界は対面での説明や紙の書面交付が一般的であるため、長年の商慣行が変わるか不透明な部分もあります。制度開始直後は、トラブルが起こる可能性もあるため、今回の宅建業法改正が不動産取引に与える影響を注視することが大切です。 なお、ITを活用した重要事項説明や書面の電子化については、不動産事業者に向けて国土交通省がマニュアルを公表しています。不動産取引のデジタル化を進める際の参考にするといいでしょう。 出典)国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」 まとめ 2022年宅建業法改正によって宅建士の押印義務が廃止され、交付書面の電子化も可能となりました。今回の改正によって不動産取引のデジタル化が加速するかもしれません。不動産事業者は変化にすばやく対応できるように、不動産取引に与える影響を注視しておくと良いでしょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 物件の仕入れは資金確保とネットワークが重要?! ーー不動産事業者インタビューvol.1(1) ひとくちに不動産業といっても、さまざまな事業分野があります。その中でも、不動産の物件の仕入れというのは、もっとも基本的かつ重要な業務といえるでしょう。どうすれば優良な物件を入手することができ...記事を読む

  • シニアのYouTube利用率は約9割、動画は文字より2倍好まれる

    シニアのYouTube利用率は約9割、動画は文字より2倍好まれる

    娯楽としてだけでなく、学習の際にも利用できるYouTubeですが、シニア世代がどれくらい利用しているかイメージがない方も多いでしょう。また、情報収集の際、シニアといえばテレビや雑誌から情報収集を行っているイメージがあるかもしれません。 この記事では、持ち家がある60歳以上の男女257名を対象に、YouTube利用や情報収集に関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 YouTubeの利用率は約9割 Q.YouTubeを視聴したことがありますか? 「はい」が87%という結果になりました。若い世代が利用するイメージが強いYouTubeですが、シニア層にも大いに浸透していることがわかります。 Q.YouTubeを視聴する際に最も使用する端末を教えて下さい。 「パソコン」が62%という圧倒的な結果となりました。続いて、「スマホ」が25%と続きます。テレビを好むとされるシニア世代ですが、テレビでYouTubeを視聴する割合は、現在のところ少ないようです。 シニア世代も情報収集はWEBメディアで行う Q.住み替えやリフォームなどの住まいに関する情報は、どこで収集しますか? 「WEBサイト」が38%となり、オールドメディアと呼ばれる「新聞・雑誌」(23%)、「テレビ・ラジオ」(13%)を大きく上回りました。シニア世代においても情報収集の手段としてすでにデジタルへ移行している結果となりました。 文字よりも動画のほうが約2倍わかりやすいという結果に Q.住み替えの情報に関する動画と記事があります。どちらがわかりやすかったですか? ※下記の動画と記事をそれぞれ閲覧いただき、ご回答いただいています。 【動画】 https://www.youtube.com/watch?v=iha5sJWK5oM 【記事】 関連記事はこちら仮住まいなしで住み替えをする5つの方法 「動画」(20%)、「どちらかといえば動画」(33%)の合計が全体の53%となり、記事を上回る結果となりました。次に動画のほうがわかりやすいと感じた理由を確認しましょう。 「情報が目で見て分かりやすく、必要な情報がコンパクトにまとめられていると感じたため」(62歳・男性) 「自然と内容が頭に入ってくるから」(77歳・女性) 「映像(動画)説明の方が、視覚による変化などを適格に捉えやすい」(69歳・男性) 一方で、記事のほうがわかりやすいと感じた理由は下記のとおりです。 「理解できるまで何度も繰り返し読むことができる」(70歳・男性) 「動画は早すぎるので、活字で自分のペースで理解していくほうが自身には合っていると思ったから」(64歳・女性) 【考察】 動画のほうが分かりやすいと感じた理由としては、情報を視覚と聴覚から得られること、コンパクトにまとまっている点が挙げられています。これらのことから、動画が必ずしも万人にとって良い手段であるとはいえないものの、動画は情報収集において有用なツールであると言えそうです。一方で、理解できるまで繰り返し確認できる点など、自分のペースで学べる点については記事の長所であるといえるでしょう。 YouTubeで情報収集したいと思った人は約半数 Q.今後、YouTubeで情報収集したいと思いますか? 「そう思う」(25%)、「どちらかといえばそう思う」(23%)が全体の48%と関心の高さが伺える結果となりました。今後、情報収集という場においてもシニア世代にYouTubeが浸透していくことは間違いなさそうです。 その理由としては下記のような回答が得られました。 「手軽に情報取集できる」(74歳・男性) 「視覚でわかるので、とってもわかりやすい」(60歳・女性) 「いいコンテンツが見つかれば楽に情報収集ができる」(63歳・男性) 「楽しい情報が得られそう」(74歳・女性) まとめ シニア世代のYouTube利用率は約9割となりました。視聴する端末はパソコンが多数を占め、スマホよりパソコンを好むというシニア世代の特徴が見受けられます。一方、テレビで視聴する方はまだまだ少数です。テレビを好むとされるシニア世代ですので、今後ネット動画対応のテレビが増えるにつれて、テレビでのYouTube視聴が増えていくのではないでしょうか。 また、住まいやお金に関する情報コンテンツを動画と記事でそれぞれ情報を取得してもらったところ、動画の方がわかりやすいという回答が2倍程度となりました。シニア世代の情報収集のツールとして、YouTubeがさらに拡大しそうです。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 終活の認知は高いが、実際に行っている人は約1割 近年、「終活」という言葉は様々なメディアなどで取り上げられています。一方で、終活に実際に取り組んでいる人がどれくらいいるのか、わからない人も多いでしょう。 そこでこの記事では、現在持ち家所有...記事を読む

    2022.08.03レポート
  • 相続土地国庫帰属法とは?制度の概要や相続放棄との違いなどを解説

    相続土地国庫帰属法とは?制度の概要や相続放棄との違いなどを解説

    「維持管理の費用がかかる相続した土地を手放したい」と悩んでいませんか。相続土地国庫帰属法の成立により、今後は相続した不要な土地を国に引き取ってもらえるようになります。ただし、対象となる土地には要件があるため、制度の内容を理解しておくことが大切です。 この記事では、相続土地国庫帰属法の概要やその制度を利用する際の条件、相続放棄との違いなどを解説します。 相続土地国庫帰属法とは 相続土地国庫帰属法とは、2022年4月28日に交付された「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」のことです。相続した不要な土地を国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。2023年(令和5年)4月27日に施行されます。 相続土地国庫帰属法が成立した背景 相続土地国庫帰属法が成立した背景には、「相続した不要な土地を手放したい」というニーズの増加があります。 都市部への人口移動や人口の減少・高齢化の進展などを背景に、相続によって望まない土地を取得したことで所有者の負担感が増し、管理不全を招くケースが増加しています。増加傾向にある所有者不明土地の発生を抑制するため、相続土地の所有権を国庫に帰属させることが可能となりました。 関連記事はこちら所有者不明土地の解消に向けた法改正とは?2つのポイントを解説 相続放棄との違い 不動産を相続したくない場合は、相続放棄をするのも選択肢のひとつです。しかし、相続放棄ははじめから相続人ではなかったとみなされるため、相続財産(資産および負債)のすべてを放棄する必要があります。そのため、不要な土地・建物だけを放棄することはできません。 また、相続放棄をすれば土地の管理義務がなくなるというわけではありません。他の相続人が管理を始められるようになるまでは管理義務を負うことになります。 一方、相続土地国庫帰属制度は相続放棄と異なり、「相続開始を知ったときから3ヵ月以内」といった制限はありません。制度を利用するために負担金を払う必要はありますが、相続土地を国庫に帰属させれば管理義務はなくなります。 相続土地国庫帰属制度の概要 相続土地国庫帰属制度は、相続または遺贈により土地の所有権を取得した相続人が土地を手放して国庫に帰属させることを可能にする制度です。土地の管理コストの国への不当な転嫁やモラルハザードを防止するため、一定の要件を設定し、法務大臣が要件審査をすることとなっています。 承認申請できる人 単独所有の土地は、相続等により土地の全部または一部を取得した人が申請権者です。 複数人で共有している土地は、共有者全員で共同して承認申請を行います。共有者のうち、1人が相続等により持分を取得していれば、共同して承認申請が可能です。 対象となる土地の要件 相続土地国庫帰属制度を利用し、土地を手放すためには、「通常の管理・処分をするにあたり、過分の費用や労力を要する土地」に該当しないことが必要です。 具体的には、以下5つに該当する土地は承認申請が却下されます。 建物のある土地 担保権または使用および収益を目的とする権利が設定されている土地 通路など他人による使用が予定される土地 土壌汚染対策法上の特定有害物質により汚染されている土地 境界が明らかでない土地、その他の所有権の存否、帰属または範囲について争いがある土地 たとえば、建物が残っている場合は取り壊して更地にしなくてはなりません。抵当権が残っていると申請できない点にも注意が必要です。 関連記事はこちら抵当権とは?根抵当権との違いや設定・抹消登記について解説 また、以下5つに該当する土地は不承認処分とされます。 崖がある土地で、通常の管理に過分の費用または労力を要するもの 土地の通常の管理・処分を阻害する工作物、車両または樹木などが地上にある土地 除去しなければ土地の通常の管理・処分ができない有体物が地下にある土地 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ通常の管理・処分ができない土地 上記のほか、通常の管理・処分に過分の費用または労力を要する土地 このように、相続した土地を国庫に帰属させるには一定の要件を満たす必要があります。却下・不承認処分のいずれも、行政不服審査・行政事件訴訟により不服申立てが可能です。 相続土地国庫帰属制度のメリット・デメリット 相続土地国庫帰属制度は、相続で取得して管理や処分に困っている土地を国に引き取ってもらえることがメリットです。土地の所有権が国庫に帰属されれば、相続した土地の管理から解放され、固定資産税の負担もなくなります。維持費のみがかかり、処分がしづらい山林なども制度対象です。 一方で、相続した不要な土地を引き取ってもらうには、10年分の土地管理費相当額の負担金が発生します。粗放的な管理で足りる原野で約20万円、市街地の宅地(200㎡)で約80万円が目安です。 また、制度対象となる土地が限定されるのもデメリットです。建物がある状態では引き取ってもらえないため、更地にしなくてはなりません。建物の構造や広さ、土地の状況によってはまとまった費用負担が生じる可能性があります。 相続土地国庫帰属制度の利用手続き 相続土地国庫帰属制度の利用手続きの流れは以下のとおりです。 承認申請 法務大臣(法務局)の要件審査・承認 負担金の納付 国庫帰属 まずは承認申請書と政令で定める額の手数料を納めましょう。法務大臣には調査権限があり、必要に応じて実地調査が行われます。申請が承認されたら、承認通知を受けた日から30日以内に負担金を納付します。期限までに納付しないと承認が取り消されるので要注意です。 まとめ 相続土地国庫帰属法の成立により、相続後に処分に困っていた土地を国に帰属させることができます。相続放棄とは異なり、土地だけに限定して処分ができることから、要件を満たせば維持管理に負担がかかる不要な土地を手放すことができるかもしれません。 相続した土地を手放したい場合は、相続土地国庫帰属制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。 出典)法務省「相続土地国庫帰属制度について」 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 不動産相続について徹底解説!知っておきたい手続きや費用 不動産を相続することになった場合、さまざまな手続きが必要になります。不動産相続では、相続税や遺産分割で、トラブルが発生することもあります。不動産相続をスムーズに進めるには、手続きの流れを理解...記事を読む

    2022.07.27制度