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  • 首都圏の新築戸建・中古マンションの価格は下落傾向!高額物件の購入はさらに慎重に

    アットホーム株式会社は、「首都圏の新築戸建・中古マンションの価格動向(2020年4月)」を発表しました。本レポートは毎月発表されており、首都圏の新築戸建・中古マンションの平均成約価格などを確認できます。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新築戸建や中古マンションの価格にどんな影響が出ているか気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「首都圏の新築戸建・中古マンションの価格動向(2020年4月)」のレポート内容や今後の新築戸建・中古マンション市場の動向について解説します。 アットホームの「首都圏の新築戸建・中古マンション価格動向」とは アットホーム株式会社の「首都圏の新築戸建・中古マンション価格動向」とは、同社の不動産情報ネットワークに登録され成約した、首都圏(1都3県)における新築戸建・中古マンションの成約価格についてのレポートです。不動産市場動向の調査・分析を行うアットホームラボ株式会社が分析し、アットホーム株式会社が毎月発表しています。公示地価などの公的な地価調査ではなく、成約価格を用いて調査・分析が行われるため、実際の取引価格に近い数字が示されているのが特徴です。また、毎月レポートが発表されているので、最新の新築戸建・中古マンション価格の動向がわかります。 新築戸建は2か月連続マイナスの一方で、プラスに転じるエリアも ここからは、本レポートの内容について解説します。まずは、首都圏の新築戸建の価格動向を確認していきましょう。 引用) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.5【PDF】 2020年4月の新築戸建の平均成約価格は3,433万円/戸です。前月比▲1.2%、前年同月比▲0.9%で、どちらも2か月連続のマイナスとなりました。価格推移を確認すると、前年同月比は2019年10月から下落傾向が続いているのがわかります。 引用) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.5【PDF】 エリア別では、東京23区の新築戸建の平均成約価格は4,651万円/戸、前月比▲6.8%で下落率が大きくなっています。この1年間、東京23区の新築戸建成約価格は5,000万円前後で推移していますが、直近一年は全体を通してやや下落傾向にあることがわかります。また、埼玉県と千葉県も、新築戸建の平均成約価格は前月比・前年同月比ともにマイナスです。 一方で、東京都下は前月比4.9%で5か月ぶりのプラス、神奈川県は前月比2.3%で6か月ぶりのプラスとなりました。新築戸建については、同じ首都圏でもエリアによって価格動向に違いが見られます。 引用) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.6【PDF】 新築戸建成約物件の価格帯別割合を確認すると、東京23区は5,000万円以上が前月比で▲19.6ポイントと大きく減少しています。それに対して、東京都下は3,000万円台が前月比17.7ポイント、神奈川県は4,000万円台が前月比6.8ポイント上昇しています。 中古マンションは4年4か月ぶりに2,400万円を下回る 次に、首都圏の中古マンションの価格動向について確認していきましょう。 引用) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.9【PDF】 2020年4月の中古マンションの平均成約価格は2,395万円/戸です。前月比▲10.3%、前年同月比▲7.8%で、前年同月比は3か月連続のマイナスとなりました。価格推移を確認すると、2020年1月は上昇していますが、直近一年は全体を通してやや下落傾向にあることがわかります。 その中でも直近二か月はコロナウイルスによる影響で、価格下落に拍車がかかっているものと考えられます。 引用) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.8【PDF】 エリア別では、東京23区の平均成約価格は3,309万円で、前月比▲16.3%、前年同月比▲10.6%と下落率が大きくなっています。また、東京都下も前月比▲31.4%、前年同月比▲29.4%と大きく下落しています。神奈川県と埼玉県も下落していますが、千葉県は唯一のプラスで、前月比13.1%、前年同月比16.6%となりました。 引用) アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4 月) P.10【PDF】 中古マンション成約物件の価格帯別割合を確認すると、東京23区は4,000万円以上が前月比で▲7.5ポイントです。その他のエリアにおいても、高価格帯の割合が減少しています。本レポートでは、首都圏の中古マンションの平均成約価格が下落した主因として、価格水準の高い東京23区で高価格帯の割合が低下したことを挙げていました。一方で、平均成約価格が上昇した千葉県では、4,000万円以上の価格帯割合が4.7ポイント上昇しています。 今後の新築戸建・中古マンション価格の動向は? 今回のレポートにより、首都圏の新築戸建の価格は下落傾向にあるものの、今のところ下落率は小さいことがわかりました。一方で、中古マンションの価格は、下落率が大きくなっています。エリアによって違いはありますが、新築戸建・中古マンションのどちらも高価格帯の割合が減少しており、高額物件の購入に慎重になっている方が増えていると考えられます。また、不動産価格は経済状況より遅れて現れるため、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済低迷が続くと、新築戸建・中古マンション価格は大きく下落する可能性もあります。5月25日に緊急事態宣言が解除されましたが、第二波などの懸念もあることから、経済活動や不動産価格への影響は依然として不透明なままです。今後も新型コロナウイルスや経済状況を確認しながら、不動産価格の動向を注視しておきましょう。 参考:アットホーム「アットホーム不動産情報ネットワークにおける首都圏の新築戸建・中古マンション価格(4月)」【PDF】 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 今回は、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント、戸建...記事を読む 仮審査( 不動産事業者専用 ) ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。

  • 新築マンションの2月着工件数は大幅減少、申込率と竣工件数は高水準

    株式会社マーキュリーでは、2020年5月に「月例新築マンション動向」を発表しました。「月例新築マンション動向」では、毎月発表される新築分譲マンションの供給戸数や申込率等を発表しており、新築マンション市場の需要と供給を読み取ることが出来ます。 新型コロナウイルスの感染拡大で、不動産業界をけん引する新築マンションの流動性や価格が気になる方は多い事でしょう。 まず「月例新築マンション動向」はどういったデータなのかをお伝えした後、2020年2月度のデータ結果の内容、今後の新築マンション市場の動向について解説していきます。 「月例新築マンション動向」とは 「月例新築マンション動向」は株式会社マーキュリーが運営する不動産業界向けのニュースサイト「Realnetニュース」に掲載される新築分譲マンションの動向を集めた独自のデータです。新築分譲マンションの供給戸数や申込率を始め、着工・竣工件数等の実績データを発表しています 株式会社不動産経済研究所においても毎月新築分譲マンション市場の動向を発表していますが、「月例新築マンション動向」では関東圏と関西圏の供給戸数・初月申し込み率・平均面積や坪単価・価格のほか市区別・駅別供給トップ10の地区を詳細にまとめています。 着工・竣工件数が分かるため今後の新築マンション市場の動向を予測する事が可能で、資料もグラフと表を用い分かりやすく提供されています。 株式会社マーキュリーは不動産業界向けのマーケティングシステム「サマリネット」を始め新築・中古マンションのポータルサイト等のサービスを展開しています。 不動産業界で約30年の実績があり4万棟(220万戸)の大規模データベースを保有しているため、「月例新築マンション動向」のようなデータを提供する事が可能です。 そのため、「月例新築マンション動向」は新築分譲マンション市場の供給と需要、今後の動向の見通しを示すデータとして不動産業界で注目されています。 (株)マーキュリー (株)不動産経済研究所 データの公表 3か月後の初旬※2月度実績が5/7に公表 翌月中旬2月度実績が3/17に公表 差別化のポイント 資料にグラフや表を用いわかりやすく提供されている 速報性が強み 市区別・駅別などの独自のセグメントがされている 価格別・間取り別などの独自のセグメントがされている 参考) (株)不動産経済研究所:首都圏マンション・建売市場動向【PDF】 (株)マーキュリー:月例新築マンション動向【PDF】 首都圏の供給戸数は減少する一方で、初月申込率が前年同月より増加 改めて2020年2月の新築マンションの分譲実績データを発表した「月例新築マンション動向」5月号の首都圏データを見ていきましょう。 供給戸数に関しては、前年の同月に比べ神奈川県下で67.9%減、埼玉県で69.3%減、首都圏全体でも37.3%減と減少しています。一方、初月申込率に関しては、神奈川県下で87.0%、埼玉県で86.0%、全体でも74.0%と高い申込率を維持し、いずれも前年同月比でプラスとなっています。 供給戸数が減少し、申込率が増加している背景には2018年以降の新築分譲マンション市場に関して、以下の動向が考えられます。 2013年に東京五輪が決定→東京都心では新規の宿泊施設が増加 宿泊施設の増加で建設用地がひっ迫、東京都心の住宅用の地価が大幅に上昇 神奈川・埼玉県等に分譲マンションの割安感が増加 東京都心に加え、周辺エリアの地価上昇、建築コストの高さにより供給戸数は減少 なお平均坪単価に関しては、全体で前年の同月と比べ10.6%上昇し、平均価格も6.6%上昇しています。 東京23区内での初月申込率が減少していますが、低金利により住宅ローンが組みやすいことや、首都圏の新築マンション購入時には仕事や子育てにおける利便性の高さを求める世帯が増加しているという国土交通省の調査結果もありますので、今後も都心の新築マンションの需要と価格が極端に下がる事はないでしょう。 今後の新築分譲マンション市場の動向は? 今回の調査により2020年2月の新築分譲マンション市場は初月申込率が増え、都心を含め近辺の需要が高く安定していることが分かりました。 一方で、マンションを建て始めた(着工)件数は東京23区が昨年の2月の64件から4件と大幅に減少、横浜・川崎も19件から5件と減少していますが、建築の終了した(竣工)件数が東京23区で74件、横浜・川崎で16件と多いことがわかりました。 これらのことから、コロナウイルスの与える影響として、マンション購入をする消費者サイドでは大きく変化がないものの、ディベロッパーサイドでは、すでに着手しているプロジェクトは進めているが、新規のプロジェクトに対する姿勢は消極的になっていることが考えられます。 今回竣工したマンションの申込率は2020年6月号の「月例新築マンション動向」3月分実績で明らかになります。 3月は新型コロナウイルスの感染拡大により全国で小・中学校が休校になり感染者数が増加し続けた時期です。上場企業の半数以上の企業が減益となりました。 3月には首都圏の平均価格が低下したというニュースも見られますので、今後も新築マンション市場の動向を注視していきましょう。 参考:経済産業省 「分譲マンション市場の動向」【PDF】 参考:みずほ総合研究所 「首都圏マンション価格は急落するのか 」【PDF】 参考:国土交通省 「我が国の住宅ストックをめぐる状況について 」【PDF】 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 今回は、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント、戸建...記事を読む コロナウイルスが東京の不動産に与える影響は?不動産価格の動向の今後 グローバル都市不動産研究所は、2020年4月に緊急企画として「コロナショックが東京の不動産に与える影響」というレポートを公表しました。不動産の売買や不動産担保ローンの利用を検討している方は、...記事を読む

  • コロナウイルスが東京の不動産に与える影響は?不動産価格の動向の今後

    グローバル都市不動産研究所は、2020年4月に緊急企画として「コロナショックが東京の不動産に与える影響」というレポートを公表しました。不動産の売買や不動産担保ローンの利用を検討している方は、コロナショックが東京の不動産にどのような影響を与えるか気になるのではないでしょうか。将来の不動産価格を正確に予測することはできませんが、レポートの内容を確認することで、ある程度の見通しを立てることは可能です。そこで今回は、グローバル都市不動産研究所の概要やレポートの内容、東京の不動産価格の動向について解説します。 グローバル都市不動産研究所とは グローバル都市不動産研究所とは、株式会社グローバル・リンク・マネジメントが2019年1月1日に設立した研究所です。「東京の魅力を世界に発信すること」「不動産を核とした新しいサービスの開発」を目的として、東京の都市開発や人の動き、消費性向、不動産価値などの調査・研究を行っています。 グローバル都市不動産研究所は、2020年4月14日に「コロナショックが東京の不動産に与える影響」という緊急レポートを公表しました。本レポートでは、リーマンショック時の不動産価格の動向を振り返り、今後の不動産価格を左右するポイントについて解説されています。レポートの内容を確認することで、東京の不動産価格の動向をある程度予測できます。 リーマンショック時の不動産価格の動向はどうだったのか 今回のレポートでは、コロナショックが東京の不動産に与える影響を予測する際の参考事例として、2008年のリーマンショックを挙げています。リーマンショックでは世界規模の金融危機が発生し、2009年の先進国経済の成長率は▲3.4%、世界経済は▲0.5%と過去60年間で初のマイナス成長となりました。 リーマンショック時の不動産価格の動向ですが、東京圏の公示地価の変動率は、住宅地が「2009年▲4.4%、2010年▲4.9%」であったのに対し、商業地は「2009年▲6.1%、2010年▲7.3%」でした。いずれも2009年より2010年のほうがマイナス幅は大きく、不動産価格への影響は経済状況に遅れて現れています。また、住宅地に比べて商業地の下落率が大きくなっています。また、新築マンションの分譲価格については、2009年が「東京圏▲1.2%、東京都区部▲6.4%」でしたが、2010年にはプラスに転じています。 (引用:グローバル都市不動産研究所「コロナショックが東京の不動産に与える影響」P3) (引用:グローバル都市不動産研究所「コロナショックが東京の不動産に与える影響」P4) これらの結果から、本レポートでは、リーマンショック時の東京の不動産価格の動向を以下のようにまとめています。 商業地価格に対する影響が出た 住宅地価格は商業地と比べて大きく下がらなかった 東京都内のマンション価格は6%程度の下落にとどまり、1年程度で回復した コロナショックが東京の不動産に与える影響は? リーマンショック時の不動産価格の動向を確認しましたが、今回のコロナショックは東京の不動産にどのような影響を与えるのでしょうか。本レポートにおける、コロナショックの影響についての見解をまとめました。 直接的な影響を受けるのは商業地価格 住宅地価格は商業地に比べてそれほど大きくは下がらない 東京のマンション価格は1~2年で回復する可能性あり 本レポートによると、今回のコロナショックはヒト・モノの移動制限により、観光業や飲食業、小売業などのサービス業が大きな痛手を受けているため、商業地の不動産価格は大きく下落する可能性があります。住宅地は居住という安定した実需があることから、商業地に比べて価格は大きくは下がらないと予測しています。また、コロナショックの影響がリーマンショック級に収まれば、東京のマンション価格は1~2年で回復する可能性があることも示しています。 一方で、コロナショックはリーマンショックとは質が違うことから、深刻な不況に陥って家計所得が大幅に低下すれば、住宅地価格への影響も避けられないとも言及しており、多くを見通せない状況です。 経済対策と東京オリンピック効果がポイントになる 本レポートでは、東京の不動産価格が今後どうなるかは、「経済対策」と「東京オリンピック効果」の2つがポイントになるとの見解を示しています。コロナショックは商業地価格に影響を与えると予測していますが、深刻な不況になれば住宅地への影響も避けられないため、政府の経済対策によって日本経済の腰折れを防ぐことが重要であることを強調しています。 また、東京オリンピックが延期になったことで、見込まれていた経済効果がどうなるかも気になるところです。本レポートでは、東京オリンピック延期に伴う経済効果について、以下のようにまとめています。 「東京五輪の延期に伴い、今年度に見込んでいた経済効果が失われると指摘するエコノミストがいます。例えばニッセイ基礎研究所は、今年度見込んでいた経済押上げ効果“2兆円程度”が剥離、第一生命経済研究所は開催年に期待される経済波及効果3.2兆円が失われると予測しています。 一方、永濱利廣・第一生命経済研究所首席エコノミストの見解では、「中止でなく延期であれば、五輪開催年の経済効果は先送りされ、失われることはない」、「当初予定された開催年の経済効果は、先送りされた“1年程度後”に出現することになる」としています。つまり、日本においては、1年延期となった東京五輪の経済効果によって、コロナショックで冷え込んだ経済をふたたび押し上げてくれる可能性も期待されます。」 (引用:グローバル都市不動産研究所「コロナショックが東京の不動産に与える影響」P5) これらのことから東京の不動産価格の動向は、政府による経済対策と延期された東京オリンピックの経済効果に左右されると考えられます。 まとめ ここまで確認してきたように、今回のコロナショックでは、商業地の不動産価格に大きな影響を与えると予測されています。コロナショックの影響がリーマンショック級に収まれば、不動産価格は数年で回復が期待できる一方で、深刻な不況に陥ると、商業地だけでなく住宅地の価格も低迷が続くかもしれません。今後の不動産価格の動向は、新型コロナウイルスの感染状況はもちろん、政府の経済対策や東京オリンピック効果にも左右されます。東京の不動産の売買や不動産担保ローンの利用を検討している方は、これらのポイントに注目しながら、不動産価格の動向を見極める必要があるでしょう。 参考:株式会社グローバル・リンク・マネジメント「グローバル都市不動産研究所」 参考:グローバル都市不動産研究所「コロナショックが東京の不動産に与える影響」【PDF】 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 今回は、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント、戸建...記事を読む

  • 平均変動率が一年ぶりのマイナス!実勢調査で見る首都圏の住宅地価格の動向

    野村不動産アーバンネット株式会社は、2020年4月に「第126回野村不動産アーバンネット実勢調査」の結果を公表しました。本調査では、首都圏をはじめとする主要都市の住宅地価格の動向がわかります。コロナウイルスの感染拡大に伴い、住宅地価格にどのような影響が出ているか、気になる方は多いのではないでしょうか。住宅地価格は、住宅販売価格はもちろん、不動産の担保評価にも影響を与えます。そのため、マイホームの購入や売却、不動産を活用した資金調達をする予定がある場合は、住宅地価格の動向を確認しておくことが大切です。今回は、野村アーバンネット実勢調査の概要や最新の調査結果の内容、住宅地価格の今後の動向について解説します。 野村不動産アーバンネット実勢調査とは 野村不動産アーバンネット実勢調査とは、野村不動産アーバンネット株式会社が独自に実施している価格動向調査です。1989年7月にスタートし、調査は毎年1月、4月、7月、10月の年4回実施されています。本調査は通常取引を想定して実勢価格を査定しており、実際の取引価格(時価)により近い数字が示されているのが特徴です。公示地価や路線価といった公的な地価調査に比べてタイムリーな価格動向を確認できるため、地価動向の先行指標として注目されています。 参考)ノムコム「各種価格等(実勢価格、地価公示、路線価格)や調査方法について」 第126回(2020年4月1日時点)の調査結果 2020年4月に公表された、第126回野村不動産アーバンネット実勢調査(2020年4月1日時点)の調査結果は以下の通りです。 引用)「野村不動産アーバンネット実勢調査による2020.4.1時点の首都圏「住宅地価格」の動向」 首都圏エリア平均の変動率は一年ぶりのマイナス 2020年1-3月期の住宅価格変動率は、首都圏エリア平均では▲0.0%で一年ぶりのマイナスとなりました。エリア別では東京都下(0.1%)、埼玉(0.0%)、千葉(0.0%)はプラスを維持していますが、東京都区部と神奈川は前回(2019年10-12月期)に引き続きマイナスとなっています。 年間ベースの変動率は、首都圏エリア平均で0.3%とプラスを維持しています。エリア別では東京都区部(0.3%)、東京都下(1.3%)、埼玉(0.0%)、千葉(0.5%)がプラスで、中でも東京都下の住宅地価格が上昇しているのがわかります。一方で、神奈川は▲0.6%と首都圏エリアでは唯一マイナスになりました。 2020年3月に入ってから、首都圏ではコロナウイルス感染拡大のペースが増加し、東京オリンピック延期についても言及されましたが(2020年4月に延期決定)、調査結果では住宅地価格に大きな影響は見られません。 住宅地点別の住宅地価格の動向 次に、首都圏における、住宅地点別の住宅地価格の動向を確認していきましょう。調査対象の住宅地点の変動率について、「値上がり」「横ばい」「値下がり」の割合をまとめました。 「値上がり」を示した地点:3.6%(前回7.7%) 「横ばい」を示した時点:91.7%(前回87.5%) 「値下がり」を示した時点:4.8%(前回4.8%) 値下がり地点は前回と同じですが、値上がり地点は減少し、横ばい地点は増加しています。東京都の住宅地で、2020年1-3月期の住宅価格変動率が高い地点をピックアップしました。 東京都区部エリアは以下の通りです。 中央区明石町(新富町駅):2.4%(年間5.0%) 目黒区鷹番1丁目 (学芸大学駅):1.5%(年間6.2%) 世田谷区太子堂2丁目(三軒茶屋駅):2.1%(年間2.1%) 世田谷区上野毛3丁目 (上野毛駅):▲2.2%(年間0.0%) 練馬区高野台3丁目 (石神井公園駅):▲2.2%(年間0.0%) 練馬区大泉学園町4丁目 (大泉学園駅):▲3.5%(年間▲3.5%) また、東京都下エリアは以下の通りです。 武蔵野市西久保2丁目 (三鷹駅):2.9%(年間12.2%) 三鷹市上連雀1丁目 (三鷹駅):2.7%(年間11.8%) 西東京市東町1丁目 (保谷駅):▲3.2%(年間▲3.2%) 西東京市南町5丁目 (田無駅):▲1.0%(年間0.0%) これらの住宅地の中でも、武蔵野市西久保2丁目と三鷹市上連雀1丁目 の三鷹駅北口エリアは、年間ベースの変動率が大きく上昇しています。武蔵野市は「三鷹駅北口街づくりビジョン」を策定しており、補助幹線道路の整備などの再開発が進む予定であることが、住宅地価格の上昇要因だと考えられます。このように、一部の住宅地では高い変動率が見られるものの、全体的には横ばい地点が大半を占めています。 参考)ノムコム「野村不動産アーバンネット価格動向調査(実勢調査)について」 参考)武蔵野市「三鷹駅北口街づくりビジョン」 住宅地価格の今後の動向は? 今回の調査結果で、2020年1-3月期の住宅地価格に大きな変動は見られないことが明らかになりました。しかし、コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の影響、東京オリンピック延期などの要因があるため、住宅地価格の今後の動向は不透明です。コロナウイルス感染拡大が長引けば、経済活動の停滞は避けられず、住宅地価格が大きく下落する可能性もあります。住宅の購入や売却、不動産を活用した資金調達などを検討している場合は、住宅地価格の動向を注視しておきましょう。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 今回は、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント、戸建...記事を読む 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...記事を読む

  • 【不動産事業者必見!】買取再販ローンとは?

    「買取再販ローン」という言葉を聞いたことはないでしょうか。買取再販ローンは不動産担保ローンのひとつで、利用者が特定の不動産事業者に限定されているのが特徴です。特定の要件を満たす不動産事業者であれば、通常の不動産担保ローンより買取再販ローンを利用するほうが、より有利な条件で融資を受けられる可能性があります。今回は、買取再販ローンの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。 買取再販ローンとは 買取再販ローンとは、住宅買取再販(中古住宅を買い取ってリフォーム後に再販)を行う不動産事業者(買取再販事業者)向けの不動産担保ローンです。不動産事業者が中古住宅を買い取る際に、その住宅を担保にすることで、住宅の買取資金とリフォーム資金の一括融資が受けられます。買取再販ローンを利用することで、中古住宅の仕入資金やリフォーム工事費用などをまとめて資金調達できます。 買取再販ローンの仕組み 住宅買取再販の一般的な流れは以下の通りです。 1. 買取再販事業者は中古住宅を買い取る 2. 金融機関は買取再販事業者に住宅取得資金とリフォーム資金を融資 3. 金融機関は住宅金融支援機構と住宅融資保険契約を締結 4. 買取再販事業者は買い取った中古住宅をリフォームして売却(ローン返済) ※1~3は同時進行 住宅ローンの「フラット35」を提供している住宅金融支援機構では、中古住宅の流通およびリフォーム市場の活性化に取り組んでいます。その取り組みの一環として、平成28年度から買取再販事業者向けのローンを、住宅融資保険の付保対象に追加しました。 住宅融資保険とは、民間金融機関のローンについて、ローン利用者から返済が予定通り行われず、債務不履行となった場合に、住宅金融支援機構が民間金融機関の損害を補填する保険のことです。買取再販ローンが住宅融資保険の対象になったことで、民間金融機関は買取再販を行う不動産事業者に対して融資しやすくなりました。買取再販ローンを利用すれば、不動産事業者は、買取再販に必要な資金をまとめて調達することが可能です。また、買取再販事業者が中古住宅をリフォームして売却する際に、住宅購入者がフラット35を利用する場合は、住宅の性能が一定の要件に該当する場合は金利引き下げが適用されます。 買取再販ローンのメリット 買取再販ローンのメリットは以下2つです。 ● 魅力的な金利で融資を受けられる ● 買取再販に必要な資金が一括融資される 買取再販ローンは、魅力的な金利で融資を受けられます。金融機関によって適用金利は異なりますが、年率2%前後の金利が適用されることが多いです。一般的な不動産担保ローンに比べて低金利で資金調達できるので、返済時の金利負担を軽減できます。 また、買取再販ローンでは、買取再販に必要な資金が一括融資されるのもメリットのひとつです。買取再販ローンを利用すれば、中古住宅の仕入資金やリフォーム工事費用などをまとめて調達できます。事務取扱手数料などは準備しなくてはなりませんが、必要資金のほとんどを融資でまかなうことができます。 買取再販ローンのデメリット 買取再販ローンは金利が比較的低く、必要資金が一括融資される一方で、以下のようなデメリットもあります。 ● 融資実行までに時間がかかる ● 利用者が特定の不動産事業者に限定される 買取再販ローンは、融資実行までに時間がかかります。買取再販ローンでは金融機関の審査に加えて、住宅金融支援機構の審査も追加されます。必要書類をすべて準備してから最短でも10営業日程度はかかるので、スケジュールに余裕をもって手続きをすることが大切です。 買取再販ローンは、利用者が特定の不動産事業者に限定されるのもデメリットです。買取再販ローンの対象になるには、「住宅関連事業の業歴が法人で1年以上」「宅地建物取引業免許の所有」といった条件を満たさなくてはなりません。また、融資金額や担保物件の要件についても、通常の不動産担保ローンに比べて細かく設定されています。たとえば、融資金額については、1事業者あたりの上限額が設定されており、他の金融機関で住宅融資保険付の借入残高がある場合は、その残高も合わせて融資金額が設定されます。また、担保物件については「リフォームが必要な中古住宅」「リフォーム工事後において新耐震基準を満たす」「住宅融資保険の付保承認が必要」といった要件があります。これらの条件・要件を満たさないと、買取再販ローンは利用できません。 まとめ 買取再販ローンは、融資実行まで時間がかかるデメリットがあります。また、利用者が特定の不動産事業者に限定されるので、特定の要件を満たさなければローンを利用することはできません。しかし、これらのデメリットを考慮しても、低金利で中古住宅の仕入資金やリフォーム工事費用をまとめて調達できるのは大きな魅力です。不動産事業を営んでいて、買取再販ローンの要件をクリアできる可能性があるなら、まずは金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。 物件の仕入れは資金確保とネットワークが重要?! ーー不動産事業者インタビューvol.1(1) ひとくちに不動産業といっても、さまざまな事業分野があります。その中でも、不動産の物件の仕入れというのは、もっとも基本的かつ重要な業務といえるでしょう。どうすれば優良な物件を入手することができ...記事を読む 仮審査( 不動産事業者専用 ) ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。

  • 地価上昇が続く歌舞伎町や渋谷!『地価LOOKレポート』で見る地価動向

    国土交通省は、2019年6月に『地価LOOKレポート』を発表しました。このレポートは、それほど知名度は高くありませんが、主要都市の地価動向をタイムリーに明らかにしてくれる貴重な調査となっています。そもそもどんなレポートなのか、今回の結果はどんな内容になっているのかについて、順を追って解説をしていきましょう。 不動産業界が注目する速報性を重視した地価の統計 国内の地価に関する統計としては、公示地価をはじめとして、基準地価や路線価といったものが広く知られています。地価 LOOK レポート(正式名称は「主要都市の高度利用地等の地価動向報告」)は、そうした統計と比べると一般的ではありませんが、不動産業界では地価の〝先行指標〟として非常に注目されています。 地価 LOOK レポートは、国土交通省が四半期ごとに発表している統計。実際には、「一般財団法人 日本不動産研究所」に委託して、100名以上の不動産鑑定士によって調査されているものです。公示地価や路線価との違いは、調査対象となる地域を絞っている点です。対象地域は、主要都市とその周辺に限定しており、全国 の100地区となっています。公示地価の調査地点は2万6000地点(2018年)、基準地価は2万1644地点(2017年)、路線価は約33万1000地点 (2018年)ですから、大きな差があります。 また、前述した全国100地区の内訳は、東京圏43 地区、大阪圏25 地区、名古屋圏9地区、地方圏23 地区となっていますが、その地区内において、細かく場所が特定されてはいません。例えば、東京都新宿区では、「新宿三丁目」と「歌舞伎町」の2か所が調査対象地区で、新宿三丁目であれば、「東京メトロ丸ノ内線・副都心線の新宿三丁目駅周辺。新宿通り沿いを中心に百貨店、中高層の店舗ビル等が集積する高度商業地区。」という所までしか、場所は特定されていないのです。ほぼ住所まで特定されている、公示地価や基準地価とは対照的なデータとなっています。 このように、地価 LOOK レポートは、調査対象地点が少なく、場所も住所までは特定されていないという〝欠点〟があります。それにも関わらず、不動産業界で注目されているのは、地価の動向について先行性があるからです。公示地価や基準地価、路線価は年1回しか発表されません。それに対して、地価 LOOK レポートは年4回発表されます。3か月ごとに調査されているので、地価が上昇しているのか下落しているのか、あるいは、横ばいになっているのかといった、傾向がつかみやすいのです。 したがって、地価LOOKレポートを継続して追っていると、公示地価や基準地価、路線価といった代表的な地価が、どういう動きをするのかが、ある程度予想できるようになります。調査対象地点を絞り、細かい住所までは特定できませんが、その分調査回数を増やすことで、地価の動向をいち早く明らかにする――これが地価LOOKレポートの役割といえるでしょう。 都心の一部では地価の上昇傾向が強まる そこで、改めて6月に発表されたデータを見てみます。調査時期は2019 年1 月1日~4 月1日です。まず、国土交通省の総括としては、「主要都市の地価は全体として緩やかな上昇基調が継続」といったものですが、注目されるのは、地価が横ばいとなっている地区が減少する一方、上昇率が3%以上6%未満(前期比/四半期の変動率。以下同)という、国土交通省が「比較的高い上昇」と規定している上昇率を記録した地区が増えていることです(グラフ参照)。 上昇のおもな要因として、国土交通省は次のような点を挙げています。 ・空室率の低下、賃料の上昇等堅調なオフィス市況 ・再開発事業の進展による魅力的な空間・賑わいの創出 ・訪日外国人の増加による旺盛な店舗、ホテル需要 ・利便性の高い地域等での堅調なマンション需要 上記の要因が、「景気回復、雇用・所得環境の改善、低金利環境」という国内景気の現状と相まって、オフィス、店舗、ホテル、マンションといった不動産投資全般が堅調にある、とまとめています。 東京都内の地区を個別に見てみると、43地区中、地価の上昇率が3%以上6%未満と「比較的高い上昇」となったのは、新宿区の歌舞伎町(JR山手線の新宿駅の北方に位置し、西武新宿駅東側、靖国通りの北側一帯)と渋谷区の渋谷(JR山手線の渋谷駅周辺一帯)の2地区でした。この3%以上6%未満という上昇率は、3か月ごとの四半期の変動率ですので、年率に換算するとかなり高い上昇率ということになります。 都心部は、すでに2020年の東京オリンピックに関連するさまざまな不動産投資がピークを越えたと言われ、不動産市況もいったん落ち着くのではないか、といった見方もありました。しかし、現状は、地価の底上げが続いており、一部では過熱に近い状況にあるということができるでしょう。このように、地価LOOKレポートは、タイムリーな地価の動向を教えてくれるデータとなっているのです。   (出典)国土交通省「主要都市の地価は97%の地区で上昇基調 ~令和元年第1四半期の地価LOOKレポートの結果~」(2019)よりグラフを抜粋 ノンバンクで不動産担保ローンを利用する理由とはーー不動産事業者インタビューvol.1(2) 前回は、不動産物件の仕入れにあたって、実際にどんな工夫をしているのかについて、株式会社ノアプランニングの菅野敬介さんにお話をお聞きしました。今回は、引き続き、資金調達についてお伺いしていきま...記事を読む 仮審査( 不動産事業者専用 ) ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。

  • 規制緩和で戸建て住宅の評価額が上昇!?改正建築基準法のポイント

     2019年6月25日に建築基準法が改正されました。この改正建築基準法の内容は、すでに国土交通省から2018年6月に公布され、一部の規定については同年9月から施行されていました。そして、2019年6月から新たに施行される法律には、戸建て住宅に関する重要な改正が含まれています。 戸建て住宅の転用について大幅な規制緩和 そもそも建築基準法とは、国民が安全かつ快適に生活を送ることができることを目的として定められた、建物や土地に関わる規定です。建物を設計し、建築したりする際には、都市計画法や消防法といった多くの法律が関わってきますが、建築基準法の対象となるのは、建築物や建築物の敷地、設備、構造、用途など。土地に対して、どんな用途や規模の建物が建てられるのか、建物の床面積や建築面積の上限は何平米かといった、さまざまな規定を定めています。建物を着工する前に行われる建築確認や、着工後の中間検査、着工が終了したことを確認する完了検査といった検査についても、建築基準法が規定しています。 建築基準法はこれまでに何度も改正をされています。今回の改正について、その背景を国土交通省は次のように述べています。「最近の大規模火災を踏まえ、老朽化した木造建築物の建替え等による市街地の安全性の向上や、建築物の適切な維持管理による建築物の安全性の確保を円滑に進めることなどが課題となっています。また、空き家が増加傾向にある中で、住宅をそれ以外の用途に変更して活用することが求められており、建築行政においても、安全性の確保と既存建築ストックの有効活用を両立しつつ、建築規制を合理化していく必要があります。」(以下、略) 今回の戸建て住宅に関する重要な改正は、後半部分の「既存建築ストックの有効活用」という部分です。こうした現状認識の下で、具体的に次のような改正が行われました。 (1)戸建住宅等(延べ面積200㎡未満かつ3階建て以下)を他の用途とする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする(2)用途変更に伴って建築確認が必要となる規模の見直し  次に、この改正によって、具体的に何がどう変更になったのかについて、わかりやすく説明していきましょう。 戸建て住宅の転用で耐火構造への改修が不要に 従来、建物の種類が「居宅」になっている戸建て住宅を他の用途へ転用する場合、転用後の延床面積が100㎡以下であれば、建築確認手続きは不要でした。それが、今回の改正で、建築確認手続きが不要となる延床面積が200㎡以下にまで拡大されることになりました。さらに、3階建て以下で延床面積200㎡未満の戸建て住宅などを他の用途の建築物に転用する際、柱や梁といった主要や構造部を耐火構造にする改修を不要とする特例が設けられたのです。 こうした改正によって、一般の戸建住宅を、簡易宿泊施設や老人福祉施設などに転用しやすくなると考えられています。例えば、改正前の建築基準法では、木造の戸建て住宅を簡易宿泊施設に転用する場合には、宿泊室が3階にある建物は耐火建築物でなくてはいけないという規定があったため、該当しない建物の3階は宿泊施設としては使えませんでした。それが、今回の改正によって、延床面積が200㎡未満の3階建てであれば、耐火建築物にしなくてもよいことになりました。 また、建物の用途変更を伴う建築確認手続きにはさまざまな書類が必要で、それを用意するためには費用と手間がかかります。改正によって、3階建てで延床面積200㎡未満の戸建て住宅であれば、そうした建築確認手続きは不要となります。 空き家対策の切り札となるか 国内でも、2018年6月に「住宅宿泊事業法」いわゆる「民泊新法」が施行されて以降、各地に法律に則った民泊施設が数多く登場しています。但し、これまで、都心部に多い3階建ての戸建住宅は民泊施設には不向きとされていました。その理由は、耐火建築物への改修や建築確認手続きが高いハードルとなっていたからです。しかし、今回の建築基準法の改正によって、小規模の3階建ての戸建住宅が民泊施設として活用されるケースが増加すると予想されています。それに伴って、戸建て住宅の不動産としての評価にも、変化が生じると考えられます。 国土交通省が、このような規制緩和を進めるのは、建築基準法改正の背景でも述べたように、「既存建築ストックの有効活用」特に〝空き家〟問題の対策としての側面が強いと言えます。総務省の「住宅・土地統計調査」(2013年実施)によると、全国の空き家(総数819万5600戸)の内、賃貸や売却用、別荘を除いた約4割が「その他の住宅」であり、その大部分を戸建住宅が占めているそうです。さらに2033年には、全国の空き家の数は約2150万戸になるという推計もされています。将来にわたって急増する空き家を、簡易宿泊施設や老人福祉施設にスムーズに転用させることを狙っているわけです。 短期的には、2020年に迫った東京オリンピック・パラリンピックに向けての、宿泊施設の確保も視野にあるでしょう。いずれにしても、今回の建築基準法の改正は、戸建て住宅の利用価値を見直し大きなきっかけになると考えられます。 ノンバンクで不動産担保ローンを利用する理由とはーー不動産事業者インタビューvol.1(2) 前回は、不動産物件の仕入れにあたって、実際にどんな工夫をしているのかについて、株式会社ノアプランニングの菅野敬介さんにお話をお聞きしました。今回は、引き続き、資金調達についてお伺いしていきま...記事を読む 仮審査( 不動産事業者専用 ) ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。

  • ノンバンクで不動産担保ローンを利用する理由とはーー不動産事業者インタビューvol.1(2)

    前回は、不動産物件の仕入れにあたって、実際にどんな工夫をしているのかについて、株式会社ノアプランニングの菅野敬介さんにお話をお聞きしました。今回は、引き続き、資金調達についてお伺いしていきます。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ――菅野さんは、経営するノアプランニングの特徴として、物件の買い手になる点を強調されていました。そして、物件の売り主のニーズに対応するために、さまざまな方法で資金調達をしているというお話でした。今回は、資金調達について、いろいろとお聞きしたいと思います。現在、資金調達先としては、どんな金融機関を利用されているのですか。 菅野敬介氏(以下、菅野氏) 地方銀行と信用金庫、ノンバンク、そして、クラウドファンディングといったところです。 ――それぞれの金融機関の融資スタンスには、どんな違いがあるのでしょうか。 菅野氏 地銀は、担保とする不動産の評価に加えて、会社の事業に対しても与信をするため、融資額が伸びるという特長があります。事業が黒字になっていれば、それを評価してくれます。例えば、担保不動産の評価が市場実勢の「8掛け」であれば、そこに事業に対する与信額が上乗せされるわけです。 ――事業に対する評価は、かなりきめ細かく行われるという感じですか。 菅野氏 それほど綿密にやっているという印象はなく、基本的には、継続して黒字であれば評価をしてくれるという感じです。この点は、信用金庫もほぼ同じといえます。地銀と信用金庫は、それぞれカバーしているエリアがはっきりしているので、物件の所在地によって使い分けています。 ――ノンバンクはどうですか? 菅野氏 いまお話しをした点に関連する部分でいうと、ノンバンクは担保不動産の対する評価のみで融資額が決まるケースがほとんどです。市場実勢の「8掛け」と決まっていれば、それ以上、融資額が増えることはほとんどありません。その一方で、銀行では融資が付きにくいような物件でも、会社の与信を調査をして、評価をしてくれます。 ――ノンバンクにもいろいろありますが、たしかに融資先の事業に与信をするところは少ないかもしれません。 菅野氏 個人的には、もう少し融資額を増やして欲しいと思うときもありますが(笑)、いつも物件を〝第三者〟的にチェックしてくれるので、そこは非常に参考になっています。私自身、不動産評価のプロというわけではありませんし、借地権付きの建物などの評価は知識と経験が必要になってきます。そこの部分を、データに基づいてしっかりと調べてくれるので、実務としての経験が蓄積されているという実感があります。ノンバンクの評価と、そこから決められる融資額の範囲で事業を行なっていれば、大きなリスクは回避できるのではないでしょうか。 ――審査のスピードには違いはありますか。 菅野氏 そこは大きく違うところです。ノンバンクでは、最短で1週間程度で決済をもらうことができます。不動産の売り主が短期間での売却を希望している場合は、実質的な選択肢はノンバンクしかないといえますね。 ――クラウドファンディングでは、どんな借り入れをしたのですか。 菅野氏 かなり短期間の〝つなぎ資金〟の借り入れです。クラウドファンディングの金利は15%程度ですので、1年間借りてしまうと金利の負担が大きくなり、案件はほとんど赤字になってしまいます。そこで、半年間だけ借り入れをしたことがあります。クラウドファンディングを利用したのは、資金調達を多様化したいという意図もありました。 ――資金調達において、金融機関にこうして欲しいという要望はありますか? 菅野氏 さきほど、ノンバンクの融資額はかなり厳格に決められているというお話しをしましたが、例えば、担保とする不動産の売却先が決まっていて、しかも、その売却先の信用リスクが低い場合、それを加味して担保不動産の「掛け目」を上げる、といったスキームがあればと思います。ただ、現状のように、どんな不動産でも値上がりするといったことはなくなり、物件をしっかりと評価して事業を行なうことが大切になっている状況では、ノンバンクの評価は重要な指標となってくれています。それが前提であることは言うまでもありません。 不動産担保ローンを低金利で借りるコツとは 不動産担保ローンに限らず、ローン金利は、一般的に「○%~○%」といったように上限と下限が表示されることがほとんどです。これは、個別のローンごとに適用される金利が変わる、ということを表していま...記事を読む 仮審査( 不動産事業者専用 ) ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 ▼「不動産事業者インタビューvol.1」の記事一覧 ・(1):物件の仕入れは資金確保とネットワークが重要?! ・(2):ノンバンクで不動産担保ローンを利用する理由とは

  • 物件の仕入れは資金確保とネットワークが重要?! ーー不動産事業者インタビューvol.1(1)

    ひとくちに不動産業といっても、さまざまな事業分野があります。その中でも、不動産の物件の仕入れというのは、もっとも基本的かつ重要な業務といえるでしょう。どうすれば優良な物件を入手することができるのか? そのための情報収集の方法は? といったことは、不動産業に従事している人であれば非常に関心が高いと思われます。 そこで、実際に物件の仕入れにあたっている方々に、普段どんな工夫をしているのかについて聞いていきます。今回は株式会社ノアプランニングの菅野敬介さんです。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ――普段、物件の仕入れはどのように行っているのでしょうか? 菅野敬介氏(以下、菅野氏) 取引先からの紹介が基本になります。メインは仲介業者になりますが、これまで取引した不動産のオーナーだった方々からの紹介もあります。 ――紹介をしてもらいやすくするためには、どんなことをしていますか? 菅野氏 いちばんアピールしているのは、当社自身が物件の購入をすることができる点です。不動産を売却する側には、優先したいニーズがあります。なるべく短期間で確実に売却をしたい、または、なるべく高い価格で売りたいといったことです。そうしたニーズに対応するために、当社も資金調達をさまざまな方法で行っています。 ――なるべく高い価格で売却したいというのは、多くのオーナーさんに共通しているニーズだと思われます。そこではどんな工夫をしているのでしょう。 菅野氏 不動産の価値を評価するにあたってはいろいろな方法がありますが、最近は、その不動産が将来生み出すと想定される収益の合計を、現在の価格に計算しなおすという「収益還元法」が用いられるようになってきました。当社でも収益還元法などで試算をして、収益性を最も重視しています。そこでさらに差別化するために、オーナーさんと直接お会いする際には、具体的に建築するものを提示しながら、「この立地にはこういう建物を建てることで、収益を最大限にすることができます」といったお話をします。 ――具体的な建物を提示して、オーナーにイメージを共有してもらうわけですね。 菅野氏 そうです。私自身、一級建築士の資格を持っていますので、不動産の建築基準などを考慮しつつ、建築可能かつ収益性の高い建物を提案することがその場でできます。この土地なら、分譲がいいのか、アパートの収益物件が適しているのか、それとも商業ビルなのか。最大限に有効活用ができる建物を想定して、収益還元法から土地の価格を算出します。 ――単純な価格についてだけではなく、コンサルタントとしてのアドバイスもオーナー側にするということですね。 菅野氏 オーナーさんの中には、「どうしてこの土地の価格がこの値段になるのか?」といった質問をする方も多いのですが、その質問に正確に答えることも信用にもつながると思います。よく、「こんな建物が建ちますよ」と言っていたにもかかわらず、実際には建築基準に抵触をして、「建てることができなかった」といったケースが見受けられますが、そういうことはありません。 ――他にはどんなことをされていますか? 菅野氏 また、紹介して頂いた仲介業者に対して、通常の仲介手数料以外に、〝コンサルタントフィー〟のような形で、成功報酬をお渡しすることもあります。不動産取引は、複雑な経路をたどるものも少なくなく、仲介に2社、3社が入ることも珍しくありません。そうなると、当社に紹介をしてくれた仲介業者の方にも負担が増えてきますので、そうした面でも配慮したいと考えています。 ――それは仲介業者のインセンティブにもなりますね。 菅野氏 あとは細かいことですが、取引が成立して土地の測量をすることになったとき、境界杭を打ったりしますが、そうしたことも積極的にお手伝いします(笑)。大手の不動産会社ではまずやらないと思いますが、境界杭を打つ作業は、慣れていないと大変なんですよね。結構な費用もかかりますし。当社は、そういう部分の協力は惜しみません。 ――そういう努力があって、業者同士あるいはオーナーとのネットワークが広がっていくわけですね。 菅野 都内の一等地、二等地で、土地を購入して開発をしていると、「どんな会社が手がけているのか」といったことを他の不動産会社もチェックしているものです。そうした事例を増やしていくことも、ネットワークを広げることに役立ちます。そして、「あそこに紹介した方がいいかもしれない」と思ってもらえるような付加価値をいかにつけるか、という部分を見つけ出すことが大事になるのではないでしょうか。 ノンバンクで不動産担保ローンを利用する理由とはーー不動産事業者インタビューvol.1(2) 前回は、不動産物件の仕入れにあたって、実際にどんな工夫をしているのかについて、株式会社ノアプランニングの菅野敬介さんにお話をお聞きしました。今回は、引き続き、資金調達についてお伺いしていきま...記事を読む 仮審査( 不動産事業者専用 ) ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 ▼「不動産事業者インタビューvol.1」の記事一覧 ・(1):物件の仕入れは資金確保とネットワークが重要?! ・(2):ノンバンクで不動産担保ローンを利用する理由とは

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