金融/不動産知恵袋

不動産担保ローン 審査

  • 不動産担保ローンの「仮審査」とは?

    不動産担保ローンを提供している金融機関のサイトには、よく「仮審査」や「事前審査」に関するページがあります。住宅ローンを利用したことがある人なら、一見、「本審査」の前の行われた審査と同じようなものだろう、と思うのではないでしょうか。 実は、不動産担保ローンの仮審査や事前審査は、住宅ローンで行われたものとはかなり違います。今回は、その違いを明らかにしていきます。なお、仮審査あるいは事前審査といった呼称は、金融機関がそれぞれ独自に使用していますが、このどちらかのパターンが多いようです。以下、本コラムでは仮審査と呼びます。 住宅ローンの仮審査は必須 仮審査は住宅ローンにおいて不可欠です。仮審査を通過しないと、融資をするかどうかを決定する本審査に進めません。仮審査が必要となる理由には、住宅ローンを申し込むタイミングが関わっています。 正式に住宅ローンを申し込めるのは、ローンを借りる人が不動産業者と物件の売買契約を交わした後になります。物件の所有権を持っていないと、申し込みはできないことになっているからです。しかし、もし売買契約が完了している状態で、住宅ローンを借りることができなければ、物件の引き渡しはいつまで経っても行われません。売買代金が回収できない不動産会社はもとより、住宅を購入する人にとっては大問題となります。 そうした問題を発生させないために仮審査があります。購入する物件を決めた段階で、購入予定者が金融機関に仮審査を申し込み、住宅ローンを借りるための条件をクリアしているかどうかを審査します。そして、仮審査を通過した人が不動産会社と売買契約を結び、金融機関に本審査を申し込みます。こうした段階を踏むことで、売買契約を交わしたにもかかわらず本審査に通らない、という事態を予防しているわけです。 本審査で落ちてしまう要因とは 住宅ローンの仮審査はあくまで簡易的な審査になります。ローンを申し込む人の年収や年齢、信用情報といった必要最小限のデータを基に、金融機関が信用力を判断します。そして、仮審査を通過すると本審査に進みますが、必ず本審査が通るというわけではない点には注意が必要です。 本審査は、金融機関に加えて、住宅ローンの債務保証をする信用保証会社にも審査されます。信用保証会社は、住宅ローンを借りる人のいわば〝保証人〟といった存在です。そのため、仮審査は数日(短い金融機関だと1~2日)で終了しますが、本審査は1週間程度かかるところが多いようです。 本審査を通過できないケースとしては、以下のようなものが考えられます。まず、仮審査のときに申告したデータが実際とは違っていたといったことです。申告した年収が最近のものとは違っている、あるいは、収入証明書などが用意できなかった、などが多いようです。申告していなかったクルマのローンが高額で審査に通らなかった、といったケースもあります。 また、本審査では、ローンを借りる人が、団体信用生命保険に加入できるかどうかもチェックされます。健康状態に問題があり、団体信用保険に加入できないと、本審査に落ちてしまうことになります。 不動産担保ローンの仮審査は事前相談の役割 これまで述べてきたように、住宅ローンの仮審査は手順や内容が明確になっています。それに対して、不動産担保ローンの仮審査は、それぞれの金融機関が独自に行っており、中身は明確になっていなせん。しかも、仮審査を受けなくても、直接、本審査を申し込むことが可能です。ローンを申し込む人はすでに不動産を保有しているため、住宅ローンで考慮しなければならない不動産会社との売買契約のタイミングなどが、存在しないからです。 それでは、不動産担保ローンの仮審査にはどんな意味があるのでしょうか。実際に行われている金融機関の仮審査は、多くの場合〝事前相談〟といった役割を担っているようです。不動産担保ローンを検討している人の「正式に審査を申し込む前に、融資が可能かどうかをちょっと聞いてみたい」というニーズに対応しているといえます。 不動産担保ローンの本審査には、さまざまな書類が必要になります。不動産の登記簿謄本の登記時事項証明書、土地や建物の図面、前年度の固定資産税納付の証明書、固定資産税評価証明書などです。こうした書類を揃えるには、かなりの手間と費用がかかります。手間と費用をかけて書類を揃えて本審査に申し込み、仮に審査を通過しなかった場合、精神的にもダメージを受けることは想像に難くありません。 仮審査の内容は金融機関ごとにバラつきがありますが、概ね、信用情報や担保物件の簡易的な評価を行なっているようです。また、仮審査で融資ができる可能性が高いと判断されても、本審査が通らないことがあるのは住宅ローンと同じです。そうした点を理解していれば、気軽に打診ができる事前相談としての仮審査のメリットは小さくない、と思われます。

  • 不動産担保ローンを低金利で借りるコツとは

    不動産担保ローンに限らず、ローン金利は、一般的に「○%~○%」といったように上限と下限が表示されることがほとんどです。これは、個別のローンごとに適用される金利が変わる、ということを表しています。当然、ローンを借りる方にとってみれば、金利は低ければ低いほど良い条件であることは間違いありません。では、どうすれば借入金利を低くすることができるのでしょうか? そこには、不動産担保ローンならではの〝コツ〟があるのです。 審査の内容と金利に与える影響――「融資先の属性」 ローンの金利は、融資を実行する前に金融機関が行う審査の結果に大きく左右されます。つまり、審査の中身を理解すれば、低金利で借りるコツがわかってきます。まず、金融機関はどんな点をチェックするのでしょうか。 不動産担保ローンにおける審査では、おもに以下のような項目が対象となります。①融資先の属性、②担保となる不動産の価値、③担保掛目(たんぽかけめ)、④資金の使途、⑤借入期間などです。以下、それぞれの項目について、どんな点がポイントとなるのかについて、詳しく説明していきましょう。 「融資先の属性」は「信用力」をみる 不動産担保ローンを借りるのは、通常、個人か法人になります。したがって、個人の属性と法人の属性に分かれることになりますが、審査内容はそれほど変わりません。属性として重要なのは融資先の「信用力」であり、信用力を計る条件として「収入」が大きな要素になります。融資先が個人であれば年収、企業であれば利益ということになります。 融資先の「信用情報」も信用力に影響します。過去にローンを借りていればその返済状況がチェックされ、ローンの返済が滞ったことがあると信用力は低くなります。逆に、延滞などがなく、きちんと返済がされていれば信用力は高くなります。また、個人であれば年齢や勤続年数(法人は設立からの年数)、他のローンをすでに利用しているかどうか、といったことも融資先の属性に該当します。 「融資先の属性」におけるポイント 属性では特に収入が重視され、基本的に収入が多いほど信用力は高いと判断されます。しかし、その金額だけが審査対象となるわけではありません。重要なのは「返済比率」。返済比率とは「収入に占めるローンの年間返済額の割合」のことで、「返済負担率」とも呼ばれます。例えば、年収が500万円の個人であれば、返済比率30%という水準は年間返済額が150万円になります。 年間の収入に占めるローンの支払額が大きくなると、それにともなって返済比率は高くなります。返済比率が高くなるほど借り入れる側の負担は重くなるので、返済が滞るリスクが生じます。そのため、金融機関は審査において返済比率の基準を設定しており、その基準に近いローンには高めの金利が適用されたり、融資そのものが実行されなかったりするケースが出てきます。 例えば、不動産担保ローンのひとつである住宅ローンの場合、銀行では、返済比率の基準を30%に設定していることが多いようです。年収500万円の個人の返済比率30%という水準は、年間返済額が150万円ですので、年収500万円以下の人は年間返済額150万円を超えるローンは組めないことになります。住宅ローンの借入金利も「○%~○%」と表示されています。返済比率が高くなればなるほど上限の金利に近づき、返済比率が低くなればなるほど下限の金利に近づくといえるでしょう。 したがって、借入金利を低くするには、まず「返済比率を低くする」ということが挙げられます。ただ現実的には、収入を増やすということはなかなか難しいので、年間返済額を減らすことがポイントになってきます。 審査の内容と金利に与える影響――「担保となる不動産の価値」 「担保となる不動産の価値」の評価方法 カードローンをはじめとする無担保ローンとは違い、不動産担保ローンは文字通り不動産をローンの担保にします。そのため、無担保ローンよりも大きな金額を低金利で借り入れることができるのです。一般的に、担保となる不動産の価値(=評価額)が高くなるほど、借り入れる金額を増やす、金利を低くするといったことが可能になります。 不動産は土地と建物の2つで構成されています。土地の評価には、国税庁が発表している「路線価」(正式名称は「相続税路線価」)を用います。一般的な不動産取引では、「公示地価」や「基準地価」に基づいて売買価格が決定されるケースが多いとされていますが、路線価は公示地価や基準地価の8割程度とされています。 建物の評価はやや複雑で、建物の「再調達価格」を算定するところから始まります。再調達価格とは、その建物を新たに建築あるいは購入時に必要となる金額のことで、さらに、建物の「延べ床面積」や「法定耐用年数」などを加味して評価します。ただし、建物の築年月が法定耐用年数を超えていると評価額はゼロ。例えば、戸建て住宅の法定耐用年数は22年なので、築22年を超えた一戸建ての価格は0円となり、不動産価格は土地だけを評価することになります。 「担保となる不動産の価値」におけるポイント 前述したように、担保不動産の評価額が高いほど、借入額を増やしたり、金利を低くしたりする余地が広がります。とはいうものの、「すでに保有している不動産の評価額は変わらないのでは」と思っている人がほとんどでしょう。それは誤解です。実は、不動産の評価は、オーナーの工夫によって変えることができるのです。 建物の評価の部分でも述べましたが、建物の価値は築年数の経過とともに減少していきます。しかし、リフォームなどすることによって価値を高めることはできます。リフォームまではいかなくても、周辺の掃除や外壁のクリーニングを定期的に行い、建物を整えておくことは重要です。 また、土地についても、駅に近い立地であれば、商業施設の新規出店など周辺環境が良くなるケースが出てきます。そうした利便性の高さを、金融機関の融資担当者に積極的にアピールをすることが、担保不動産の評価を上げることにつながります(詳しくは「不動産価値の高め方と立地条件と不動産価値の関係」をご参照ください)。 不動産としての価値を高めるということは、それが住宅であれば、とりもなおさず住環境を改善することにもなります。普段から心がけておくことは、それほど難しいことではないでしょう。 審査の内容と金利に与える影響――「担保掛目」 不動産の実質的な担保価値を算定する「担保掛目」 担保掛目とは、担保となる不動産の評価額に対して、金融機関が設定する比率のことです(たんに「掛目」と呼ばれることもあります)。例えば、担保不動産の評価額が土地と建物を合わせて4,000万円の場合、融資する金融機関の担保掛目が80%という比率であれば、実質的な担保価値は4,000万円×80%=3,200万円となります。 不動産担保ローンにおいて、この担保掛目は非常に重要です。基本的には、この担保掛目を用いて算定される実質的な担保価値が融資金額の限度額になるからです。担保掛目は、金融機関が独自に設定していますが、住宅ローンも含めて、80%程度に設定しているところが多いようです。 なぜ、実質的な担保価値が評価額の100%にはならないのでしょうか。もし、融資の返済が滞り、金融機関が不動産を売却することになった場合、不動産はすぐに現金化することは困難です。保有している間に、価値が減少する可能性もあります。そうしたリスクに備えるために、あらかじめ時価評価の80%程度に設定しているわけです。 「担保掛目」におけるポイント 前述したように、一般的には、担保不動産に金融機関が設定する担保掛目を適用した金額が、融資の限度額になります。時価評価が4,000万円の物件に対して、担保掛目が80%であれば、融資の限度額は3,200万円です。そして、実際にこの物件を担保として3,200万円を借りる場合、金利は高めに設定されることが多くなります。金融機関にしてみると、限度額をフルに融資することは、受け入れるリスクも最大になるからです。 したがって、限度額まで借りなければ、金融機関がとるリスクも減少することになり、設定される金利を引き下げる余地が生じます。時価評価4,000万円の物件で担保掛目が80%、融資額の上限が3,200万円のとき、2,800万円しか借りなければ、担保掛目は70%になります(4,000万円×70%=2,800万円)。金融機関としては、担保掛目が設定している水準を下回れば、その分、金利を引き下げる余地が出てきます。借りる側は、限度額まで借りる必要がなければ、担保掛目を下げることで、金利を低くできる可能性があります。 審査の内容と金利に与える影響――「資金の使途」 ローンによって制限がある「資金の使途」 資金の使途は、借りたお金の使いみちのことです。融資審査のときに、金融機関は必ず「資金使途」として、使いみちを質問してきます。担保が必要のない、いわゆる無担保型の「フリーローン」では、基本的にお金の使いみちは自由ですが(フリーローンの「フリー」は使いみちが〝自由〟という意味です)、不動産担保ローンでは、金融機関によって資金使途に制限がかかるケースがあります。 例えば、会社の運転資金にすることを目的とした事業用資金は、不動産担保ローンとしては融資しない銀行が少なくありません。すでに事業で赤字が出ている状態であれば、返済が滞るリスクがあるからです。一方、多くのノンバンクでは、事業用資金の融資をしています。このように、金融機関ごとに資金使途の制限はかわってきます。 「資金の使途」 資金使途は、正しく申告しなければならないのは当然ですが、資金繰りの状況をきちんと伝えることで、金利を低くしてもらえる可能性があります。会社の運転資金として借りる場合でも、「事業が上手くいっていない」ということにはならないからです。会社の売上げが伸びて、売掛金が大きくなってくると、会社は事業用の立替金を増やしておく必要があります。また、取引先の要請で、売掛金の回収期間が延びてしまうケースもあるでしょう。こうしたことは事業が軌道に乗っているからこそ起こる事態です。 審査の際に、資金使途をたんに運転資金とするよりも、「なぜ運転資金が必要になったのか」といった理由を明確にすることで、融資が受けやすくなり、金利も下げることができる可能性が出てきます。その際は、理由の〝証拠〟となる会社の帳簿などを、併せて提出すると、さらに効果が高まると思われます。 また、仮に事業があまり順調に行っていない場合でも、きちんとした事業計画書を提出することで、融資が受けやすくなることもあります。資金使途自体は、変えることはできませんが、工夫する余地はいろいろとあるのです。 審査の内容と金利に与える影響――「借入期間」 「借入期間」と金利の関係性 ローンの借入期間と金利には密接な関係があります。ほとんどの人は、「借入期間が長いほど高金利になる」というイメージを持っていると思われます。基本的には、そうした認識は間違ってはいません。借入期間が長期になるほど、予期しない問題が発生するといった返済が滞るリスクが高くなるからです。 ただし、借入期間が長いほど金利が高いというのは、ローンが「固定型」の場合です。固定型は、借入時に設定された金利が返済終了まで変わらない、というものです。これに対して、「変動型」のローンは、一定のタイミングで金利が見直されるというもので、借入後の金融市場の動向によって、金利は上昇することもあれば、低下することもあります。したがって、通常、変動型の金利は借入期間によって大きな違いはありません。 金融機関が融資しやすいローンとは? 上記の傾向から外れる、微妙なケースも存在しています。例えば、住宅ローンには「固定期間選択型」というタイプがあります。これは、「10年固定」といったように、借入後、あらかじめ決めた期間の金利が固定される、というローンです。固定される期間は、3年、5年、7年、10年など、金融機関によってさまざまです(なお、固定期間が終了した後は「変動型」に移行します)。 この固定期間選択型も、一般的には「固定期間が長くなるほど、金利は高くなる」という傾向にありますが、よく見ると、固定期間が短い方の金利が、長い方の金利よりも低いといったケースが存在します。例えば、あるメガバンクでは、5年固定型や7年固定型の方が、10年固定型よりも高く設定されています(2019年7月時点)。 こうしたケースが起きる要因としては、日銀の政策金利や金融市場の動向が挙げられますが、それ以外には、ローンを提供している金融機関の貸出金の残高の内容も関係しています。貸出金の残高の内容とは、残高に占める固定型と変動型の割合や、ローンが返済される時期などです。金融機関としては、固定型に偏っているとか、返済がある時期に集中しているといった事態は避けなければなりません。経営の安定性を高めるために、さまざまなローンをバランスよく提供することが重要になります。 すると、金融機関には、ローンのタイプや借入期間などの条件において、融資をしやすいローンが出てきます。したがって、借入期間を柔軟に設定できるようであれば、金融機関に金利が低くなる期間があるかどうかを聞いてみる、という手があります。ただし、必要以上に借入期間を長くすると、今度は利息の負担が増えてしまうので、その点には注意しなければなりません。 ■まとめ 金利を引き下げるポイントを見つける これまで、低金利で借りるコツを5つの審査項目ごとに述べてきました。以下、簡単に振り返ってみます。 ① 融資先の属性 借りる人の信用力が高いほど低金利での借り入れができる。収入に占めるローンの年間返済額の割合である返済比率を下げれば、信用力を高めることが可能。 ② 担保となる不動産の価値 建物のリフォームやクリーニング、周辺環境で好転した部分をアピールすることで不動産の価値を高められる可能性がある。 ③ 担保掛目 借入額を、金融機関が設定している不動産の担保掛目を下回る金額にすることで、金利を引き下げる余地が生まれる。 ④ 資金の使途 会社の運転資金などの事業用資金を借りる場合は、財務状態を正確に申告するとともに、事業計画書などを作成する。 ⑤ 借入期間 金融機関が融資しやすい期間がある可能性がある。借入期間に融通が利くようであれば、低い金利が適用される期間があるかどうかを聞いてみる。 上記のポイント以外にも、初めて不動産担保ローンを借りる場合は、複数の金融機関にローンを申し込んで金利を比較し、最も低金利を提示してきた金融機関から借りる、といったことも挙げられます。また、借り入れをした経験があり、すでに返済が終了していれば、同じ金融機関に申し込む方が、低い金利を適用される可能性があります。すでに完済をしたという履歴が、信用力のアップにつながるからです。 このように、低金利で借りるコツというのはいくつか存在します。しかし、そのすべてを活用することはなかなか困難でしょう。融資を受ける側にとって、借入額や借入期間などは譲歩をしにくいケースが多いと考えられるからです。しかし、そもそも何のために借り入れるのかという目的、優先順位を整理することで、活用できるポイントが見つかる可能性が出てきます。不動産担保ローンの借入額は大きな金額です。0.2%あるいは0.1%でも金利が下がれば、軽減される利息は決して小さくはないでしょう。

  • 「不動産担保ローン」の審査基準について

    金融機関にローンを申し込むと、金融機関はお金を貸す相手の審査をします。その審査の結果によって、「お金を貸してもよいか?」、「融資できる金額はどのくらいか?」といった判断をすることになります。 不動産担保ローンの場合、審査の対象は大きく分けて2つあります。融資をする相手の「信用力」と、担保となる「不動産の価値」です。順番に説明をしていきましょう。 「信用力」の審査基準とは? まずは、融資をする相手の信用力です。これはあらゆるローンで審査をされるもので、担保となる不動産がある不動産担保ローンであっても、その重要性は変わりません。その信用力を計る条件としては、まず収入が挙げられます。融資先が個人であれば年収、企業であれば利益ということになります。 収入 当然、収入は多ければ多いほど信用力はアップしますが、金額だけで評価されるわけではありません。毎月の収入に対するローンの返済額の割合を表す「返済負担率」がポイントとなります。例えば、毎月の収入が50万円で、返済額が15万円というケースでは、返済負担率は30%になります。返済負担率が高いほど評価は悪くなり、融資が実行される可能性も低くなっていくといえます。 過去の返済状況 次は、過去の返済状況です。過去にローンを借りたことがあれば、その返済状況が審査されます。そして、ローンの返済が滞ったことがあると信用力は低くなります。1回や2回程度の返済の遅れであれば、「不注意による引き落とし口座の残高不足」と見なされ、審査に通ることはありますが、それ以上の延滞が重なると融資は厳しくなります。なお、そうした個人や企業の返済情報は、国内の信用情報機関に記録されているので、金融機関であればいつでも参照することが可能です。 勤続年数 個人の信用力では勤続年数も重要です。勤続年数が長くなるほど、安定した収入が継続的に得られている、と見なされるからです。法人の場合は、事業年数ということになります。設立したばかり、あるいは事業年数が短い法人は、信用力があるという判断はされにくくなります。 年齢 さらに、不動産担保ローンは、10年、20年と長期にわたることもあるため、借りる人の年齢も評価の対象になります。ローンを完済したときに何歳になっているかという「完済時年齢」がポイントで、完済時年齢は、高齢になるほど収入が不安定になると見なされてしまいます。 他の金融機関からの借入状況 また、他の金融機関からのローンの有無、ローンがある場合は、その借入金額や何社からの借り入れがあるのか、といったことも信用力の判断基準になります。やはり、借入金額が多くなるほど、そして、借り入れている金融機関の数が多いほど、審査には通りにくくなってきます。 「不動産の価値」を審査する方法は? 不動産担保ローンの2つめのおもな審査対象となる不動産について説明をしましょう。ローンの担保となる不動産の価値が高い、すなわち、不動産の価格が高いほど審査に通りやすく、大きな金額のローンが組めることになります。では、不動産の価格はどうやって測定するのでしょうか。 土地の評価方法 不動産には土地と建物の2つの資産があります。そこで、まずは土地の評価の方法について。日本の土地の価格(=地価)には、いくつかの基準があります。国土交通省が発表している「公示地価」、都道府県による「基準地価」、国税庁の「路線価」、市町村の「固定資産税評価額」の4つです。したがって、同じ土地であっても4種類の価格が存在することになります。 金融機関によって評価の手法はさまざまで、重視する基準も変わってきますが、比較的よく用いられるのは国税庁の路線価のようです。路線価の正式名称は「相続税路線価」といい、相続税を算定するときに使う地価のことです。一般的な不動産取引は、取引時の売買価格は公示地価や基準地価に基づいて行われており、路線価は公示地価、基準地価よりも低く、その8割程度とされています。つまり、路線価は、公示地価、基準地価より2割程度は割安に評価されているわけです。 では、なぜ金融機関は路線価で評価するケースが多いのでしょうか? 金融機関は、融資したローンの回収が不可能となった場合、担保としている不動産を処分することになります。その際、地価が値下がりをしていたら、融資した金額をすべて回収することが困難になります。そのリスクに備えるために、路線価で地価を〝厳しめ〟に評価するわけです(ちなみに、固定資産税評価額は路線価よりもさらに低く設定されています)。 建物の評価方法 土地に比べて建物の評価の方法は、少し複雑になります。まず、建物の「再調達価格」を算定するところから始まります。再調達価格とは、その建物を新たに建築、購入した場合に必要となる金額のことです。そして、建物の「延べ床面積」や「法定耐用年数」などを用いて、価格を決定します。 ただし、建物の築年月が法定耐用年数を超えていると、建物の価格は0円になってしまう点には注意が必要です。住宅用の戸建ての場合、国税庁が定める法定耐用年数は22年です。すると、築22年を超えた戸建ての建物価格は0円になってしまいます。したがって、不動産価格は土地だけを評価すればいいことになります。 実際の不動産担保ローンの審査では、融資先の信用力と担保とする不動産の価格の両方を考慮して、融資の実行および融資額を決定します。

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