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  • 老後は家の建て替えが必要?資金はどうやって準備する?

    老後は家の建て替えが必要?資金はどうやって準備する?

    リ・バース60の取り扱いを開始致しました。詳細はこちら 子どもが独立したり、定年が近づいてきたりすると、老後の住まいについて考える機会が増えるのではないでしょうか。戸建てに住んでいる場合は、住み替えやリフォームだけでなく、建て替えも検討するかもしれません。 建て替えによって自宅が新しくなれば、安心して老後を過ごせるかもしれません。一方で、建て替え資金をどうやって準備するかという問題もあります。今回は、老後に自宅を建て替えるメリット・デメリット、資金を準備する方法について解説します。 高齢者の住宅事情について まずは高齢者世帯の持ち家率や建て替えの現状など、高齢者の住宅事情について確認していきましょう。 高齢者世帯の持ち家率 総務省の調査によると、65歳以上の高齢者がいる世帯の持ち家率(2018年)は82.1%となっています。持ち家率は減少傾向にあるものの、高齢者の8割超が持ち家に住んでいるのが現状です。 世帯構成別の持ち家率は、夫婦のみの高齢者世帯は87.4%、高齢単身世帯は66.2%です。一人暮らしをしている高齢者の約3割は賃貸住宅に住んでいます。 (参考)総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要P8」 建て替えの現状 総務省の調査によると、2018年の持ち家の取得方法のうち「建て替え」は565万6,000戸で、全体の17.2%となっています。 建て替えを行った住宅の建築時期で最も多いのは、1991~2000年の141万6,000戸(21.2%)です。次いで、1981年~1990年の104万8,000戸(18.3%)です。築30~40年で建て替えを実施するケースが多く、建て替え全体の約4割を占めています。 ただし、建て替えが必要かどうかは、物件の構造や状態によって異なります。適切にメンテナンスを行っていれば、築年数が古くなったとしても、必ずしも建て替えが必要になるとは限りません。 (参考)総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要P6」 老後に建て替えを検討するきっかけ 多くの人は、どのようなきっかけで自宅の建て替えを検討するのでしょうか。老後に建て替えを行う理由として以下のようなことが考えられます。 若いときに建てた自宅が老朽化している 二世帯住宅/賃貸併用住宅に対応するため 賃貸暮らしだったが実家を相続した 20代で自宅を建てた場合、定年を迎える頃には築30~40年となります。建物や設備の老朽化が気になる場合、リフォームだけでなく、建て替えは選択肢の1つとなるでしょう。 また、子ども世帯と一緒に住むための二世帯住宅、家賃収入を得るための賃貸併用住宅に対応することを目的に建て替えを検討するケースも考えられます。 さらに、相続した実家への住み替えも、建て替えのきっかけになるでしょう。建築時期が古くて建物が老朽化している場合は、大規模なリフォームが必要なこともあり、建て替えを選択肢に入れるかもしれません。 老後に自宅を建て替えるメリット 老後に自宅を建て替えるメリットは以下の通りです。 ライフスタイルにあった家を建てられる 老後を安心して過ごせる 若いときに建てた自宅が、老後のライフスタイルに合うとは限りません。例えば、子どもが独立して夫婦だけの生活になれば、間取りが広すぎると感じることもあるでしょう。老後に建て替えを行えば、ライフスタイルの変化に対応した住みやすい家を建てられます。 また、建物が老朽化することで地震や台風などの災害リスクも高まります。建て替えによって建物を新しくすれば、耐震性や耐久性が高まり、老後を安心して過ごせます。 老後に自宅を建て替えるデメリット 一方で、老後の建て替えには以下のようなデメリットもあります。 まとまったお金がかかる 建て替えが完了するまでの仮住まいが必要 自宅を建て替えるにはまとまった資金が必要です。しっかりとした資金計画を立てておかないと、老後の生活費が不足する可能性があります。 また、建て替えが完了するまでは自宅に住めないため、仮住まいを用意しなくてはなりません。賃貸物件を借りる場合は、家賃の支払いが必要です。 建て替え資金はいくら必要? 自宅の建て替えにかかる費用は、大きく「工事費用」と「諸費用」の2つに分けられます。 工事費用 建て替えの際は、現在住んでいる家の解体工事と新築する建物の本体工事が行われます。また、給排水や電気・ガスなどの付帯工事も必要です。 工事費用は、「坪(㎡)数 × 各工事の単価」によって概算金額を算出できます。物件によって異なりますが、解体工事は坪4~8万円、本体工事は坪50~70万円が相場です。また、付帯工事は本体工事の20%程度が相場となります。 あくまでも目安なので、実際に建て替えを行う場合は事前に見積もりをとって、正確な金額を把握する必要があります。 諸費用 建て替えの際は以下のような諸費用もかかります。 印紙代(契約時) 登記費用 火災保険料 住宅ローン手数料(利用する場合のみ) 各種申請費用(長期優良住宅認定、建築確認申請等) 上記のほかに、引っ越し費用や仮住まいにかかる費用、新調する家電・家具などの購入費用も必要です。支払い時に困らないように、事前に費用を確認した上で多めに資金を用意しておきましょう。 老後の建て替え資金にはリ・バース60 建て替え資金を自己資金で準備できない場合は、住宅ローンを組むのが基本です。しかし、高齢になると住宅ローンを組むのが難しいかもしれません。その場合は「リ・バース60」を検討しましょう。 リ・バース60は高齢者向けの住宅ローンで、満60歳以上の方でも借り入れが可能です。毎月の支払いは利息のみで、元金の支払いは債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 リ・バース60については、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 まとめ 自宅の建て替えを行えば、理想の住まいで老後を豊かに過ごせるかもしれません。ただし、建て替えにはまとまった資金がかかるため、老後の生活費に影響が出る恐れもあります。 建て替えを行う場合はしっかりとした資金計画を立て、必要に応じてローンの利用を検討しましょう。 定年後に自宅を住み替えるメリットと注意点とは? 現役世代は、子どもの学校や通勤を考えて自宅を購入するのが一般的です。しかし、子どもの独立や定年退職などでライフスタイルが変化すると、立地や間取りが生活に合わなくなることがあります。 その場合...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後の一人暮らし、生活費はいくら必要?

    老後の一人暮らし、生活費はいくら必要?

    未婚率の増加や子どもとの同居の減少により、高齢者の一人暮らしは増えています。現在は家族と暮らしていても、子どもの独立や配偶者との死別などにより、将来は一人暮らしになる可能性もあるでしょう。 老後に一人暮らしをする場合、生活費はいくら必要なのでしょうか。高齢化によって、老後の期間は延びています。そのため、なるべく早いうちに必要な金額を見積もって、老後の生活費を準備しておくことが大切です。 今回は、老後の一人暮らしの現状や必要な生活費、資金が足りないときの対処方法について解説します。 老後に一人暮らしの人はどれぐらいいる? 内閣府の高齢社会白書によると、1980年以降、65歳以上の一人暮らしは男女ともに一貫して増加傾向にあります。 引用:内閣府「2021年(令和3年)版 高齢社会白書(第1章 第1節 3 家族と世帯)」 65歳以上人口に占める一人暮らしの割合(2015年)は、男性は13.3%(約192万人)、女性は21.1%(約400万人)となっており、これは、男性の約7人に1人、女性の約5人に1人が老後に一人暮らしをしていることを表しています。 また、老後の一人暮らしは今後も増加が続き、2040年には男性20.8%(約355万人)、女性24.5%(約540万人)に達すると予測されています。 老後の一人暮らしに必要な額 老後に一人暮らしをする場合、毎月の生活費はいくら必要なのでしょうか。総務省の家計調査によると、65歳以上の単身無職世帯の家計収支は以下の通りです。 引用:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要P18」 収入と支出それぞれの詳細について確認していきましょう。 収入 高齢単身無職世帯の実収入(月平均額)は136,964円で、内訳は以下の通りです。 高齢単身無職世帯の実収入(月平均額) 社会保障給付121,942円 その他(仕送り金、事業・内職など)15,022円 実収入合計136,964円 年金などの社会保障給付が約12万円で、実収入全体の約9割を占めています。 その他は仕送り金や事業・内職などによる収入です。全体の約1割と少額ですが、月平均額であるため、人によって金額に大きな差があると考えられます。 支出 高齢単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計(月平均額)は144,687円で、内訳は以下の通りです。 高齢単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計(月平均額) 食料36,581円 住居12,392円 光熱・水道12,957円 家具・家事用品5,328円 被服及び履物3,181円 保険医療8,246円 交通・通信12,002円 教養娯楽12,910円 その他の消費支出(雑費・交際費など)29,549円 非消費支出(直接税・社会保険料)11,541円 支出合計144,687円 住居が12,392円と低いのは、持ち家率が高いことが理由だと考えられます。そのため、賃貸の場合は家賃が発生するため、住居費はもっと高くなるでしょう。 保険医療は8,246円ですが、年齢とともに負担は大きくなるかもしれません。 また、交通費は住環境に大きく左右されます。地方在住で自家用車が必要な場合、車両代のほかに駐車場代・ガソリン代・車検代といった維持費もかかるため、平均より負担が増える可能性があります。 年金だけでは生活費が月2.5万円不足する? 年金収入が約12万円、支出合計が約14.5万円とすると、老後の一人暮らし(年金のみ)の生活費は月2.5万円不足します。生活費の不足分は10年で約300万円、30年で約900万円です。 総務省の家計収支はあくまでも平均結果であり、この通りに当てはまるとは限りません。一方で、老後の一人暮らしの生活費を把握する際の参考にはなります。 まずは自身の家計を整理して、老後の生活費がいくら必要かを把握することが大切です。 年金収入が平均より多い場合は、年金だけでも生活できるかもしれません。一方で、「年金が少ない」「平均より多くの支出がかかる」という場合は、まとまった老後資金を準備する必要があるでしょう。 参考:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要P18‐19」 老後の一人暮らしで資金が足りない時はどうする? 老後の一人暮らしで資金が足りない時、持ち家であれば不動産が資金源となるかもしれません。自宅を担保に融資を受けたり、売却したりすることで、まとまった資金が手に入ります。具体的には、以下2つの方法があります。 不動産担保ローン 不動産担保ローンとは、不動産を担保にお金を借りることができるローンです。自宅を所有している場合、まとまった資金を準備する手段として活用できます。不動産担保ローンのメリットは以下の通りです。 無担保のカードローンより低金利で利用できる 借入限度額が大きい(不動産評価によって億単位の借り入れも可能) 最長35年など長期間にわたって借りられる 資金使途は原則自由 一方で、不動産担保ローンには以下のようなデメリットもあります。 借入時に手数料(事務手数料、抵当権の登記費用など)がかかる 返済不能になると不動産が処分される 不動産担保ローンについては、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却後、その会社に家賃を払うことで、同じ家に住み続けることができます。リースバックのメリットは以下の通りです。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 自宅の売却でまとまった資金が手に入る 月々の支出が定額化される 家の所有リスクを無くせる 一方で、リースバックには以下のようなデメリットもあります。 自宅の売却価格は市場価格より安くなる ずっと住み続けられるとは限らない リースバックについては、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 まとめ 老後の一人暮らしで年金収入のみの場合、生活費が不足し、貯金を切り崩して生活しなければならない可能性があります。まずは家計の状況を整理して、老後資金がいくら必要かを把握することが大切です。持ち家で資金が足りない場合は、不動産担保ローンやリースバックの利用を検討しましょう。 持ち家がある夫婦、老後資金はいくら必要?資金不足の対処法も紹介 老後に必要な生活費は、持ち家と賃貸で大きく変わります。持ち家の場合、老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。 年金だけで足りない分は、貯蓄などでカバーしなくてはなりません。年金生活に入る前に...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.07.21老後資金
  • 老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説

    老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説

    老後に豊かな生活を送るには、ライフスタイルに合わせて住まいを選ぶ必要があります。しかし、住まいを選ぶ際には多くの選択肢があるので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 老後の住まいを選ぶためには、ポイントを理解した上で、自分に合った住居を選択することが大切です。今回は、老後の住まいの選び方や資金づくりの方法について詳しく解説します。 老後の住まいを選ぶポイントは3つ 老後の住まいを選ぶ上で、考えておきたい3つのポイントを紹介します。 持ち家か賃貸か マンションか戸建てか 都市部か郊外か 住居にはさまざまな種類が存在しますが、基本的には上記3つの組み合わせで考えると良いでしょう。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解すれば、自身に合った老後の住まいが見えてきます。 老後の住まいは持ち家か?賃貸か? 老後の住まいを選ぶときに、まず検討しておきたいのが「持ち家と賃貸のどちらを選ぶか」です。持ち家と賃貸の選択は、老後資金やライフスタイルに大きな影響を与えます。 ここでは、老後における持ち家と賃貸それぞれのメリット・デメリットについて確認していきましょう。 老後の住まいに持ち家を選ぶメリット・デメリット 老後に持ち家を選ぶメリットは以下の通りです。 住居費の負担が小さい 内装や間取り変更が自由にできる 持ち家の場合、住宅ローンを完済していれば老後の住居費負担は小さくなります。不定期で修繕をしなければならないものの、定期的に発生する費用は基本的に固定資産税のみです。マンションなら別途管理費・修繕積立金が毎月かかりますが、家賃は発生しません。 また、若いうちに持ち家を購入した場合には、年齢とともに内装や間取りがライフスタイルに合わなくなる場合があります。そのため、必要に応じてバリアフリー対応のリフォームなども必要になりますが、持ち家であれば、内装や間取りを自由に変更できます。 一方で、持ち家には以下のようなデメリットもあります。 災害リスクがある メンテナンス費用がかかる 持ち家は地震や火事、水害といった災害によって、建物に被害が生じる可能性があります。老後の住まいに被害が出れば経済的打撃が大きく、老後資金が不足するかもしれません。保険で備えることもできますが、住めない状態になった場合は仮住まいを探す必要があり、復旧までに時間がかかることもあります。 また、建物のメンテナンス費用は自己負担となります。建物は時の経過とともに老朽化するため、安心して長く住み続けるには定期的な修繕が不可欠です。年金収入のみの生活で建物のメンテナンス費用が生じると、予想以上に大きな負担となるかもしれません。 老後の住まいに賃貸を選ぶメリット・デメリット 老後に賃貸を選ぶメリットは以下の通りです。 メンテナンス費用がかからない 災害リスクが小さい ライススタイルの変化に対応しやすい 賃貸では、建物のメンテナンス費用は原則として所有者が負担してくれます。そのため、設備が故障したり、大規模な修繕を行ったりするときも、費用負担は必要ありません。 また、災害によって建物に被害が出ても、復旧のための修繕費用はオーナー負担となります。住めない状態になれば引っ越しが必要になるかもしれませんが、持ち家のような災害リスクは回避できます。 さらに、賃貸なら簡単に引っ越しできるため、ライフスタイルの変化に対応しやすいでしょう。 一方で、賃貸には以下のようなデメリットもあります。 家賃の支払いが一生続く 契約や更新をできない可能性がある 老後に賃貸住まいの場合、家賃を一生払い続けることになります。家賃を払っても毎月の生活費に余裕があるなら、賃貸でも特に問題はないでしょう。しかし、年金だけでは生活費が足りず、預貯金を取り崩す必要がある場合は、生活が立ち行かなくなる場合があります。 また、高齢になって安定収入がなくなると、賃貸借契約が難しくなったり、更新ができなくなったりする恐れがあります。保証人を求められることも多くなり、頼める人がいないと契約を断られるケースもあります。 このように、老後の住まいにおいて、持ち家と賃貸はメリット・デメリットが異なります。現在の住居や財産状況、理想のライフスタイルなどに照らして、どちらが自身に合っているかを見極めることが大切です。 関連記事はこちら老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 老後の住まいを持ち家にする場合、マンション?戸建て? 老後の住まいを持ち家にする場合、「マンションと戸建てのどちらにするか」という問題もあります。同じ持ち家でも、マンションと戸建てでは特徴が異なるからです。購入してから後悔しないように、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。 老後の住まいにマンションを選ぶメリット・デメリット 老後にマンションを選ぶメリットは以下の通りです。 セキュリティが高い 資産性が高い 建物のメンテナンスを気にしなくていい 高齢の一人暮らし・夫婦二人暮らしの場合、空き巣などの被害にあわないか不安を感じるのではないでしょうか。オートロックで管理人が常駐しているマンションであれば、セキュリティが高く、防犯上も安心といえます。 また、マンションは戸建に比べて資産性が高く、値崩れしにくい特徴があります。そのため、都心や生活利便性の高いエリアに至っては、購入時よりも売却時の方が、値段が上がっているなどのケースもしばしばあります。 さらに、マンションは、共用部分の清掃は管理会社が行ってくれます。設備や外壁、屋根などのメンテナンスも大規模修繕計画などに基づいて行われるため、あまり気にする必要がありません。 一方で、マンションには以下のようなデメリットもあります。 管理費・修繕積立金がかかる 生活音などに気を付ける必要がある マンションは、持ち家であっても管理費・修繕積立金の支払いが必要です。将来の修繕に備えて毎月費用負担が生じるので、生活費を圧迫する要因となるかもしれません。また、建物の老朽化が進み、修繕費用に対して積立金が不足していると、途中で修繕積立金の額が値上げされることが一般的です。 また、戸建と比べると、マンションは生活音に気を付ける必要があります。特に深夜や早朝の掃除機や洗濯などの生活音で、隣室の住人間でトラブルになる場合もあります。 老後の住まいに戸建てを選ぶメリット・デメリット 老後に戸建てを選ぶメリットは以下の通りです。 自由にリフォームできる 騒音トラブルが起こりにくい 建物が古くなっても土地が資産となる 同じ持ち家でも、マンションより戸建てのほうが自由にリフォームできます。間取りを大きく変更することができ、敷地に余裕があれば増改築も可能です。建物が独立しているので、マンションに比べて騒音トラブルが起こりにくいのもメリットです。 また、戸建ては建物が古くなっても、土地が資産となります。エリアに左右される部分はありますが、場所によっては土地のみで高い資産価値を有することもあります。建て替えを行って、再び同じ場所に住むという選択肢もあるでしょう。 一方で、戸建てには以下のデメリットもあります。 管理・メンテナンスの手間がかかる 防犯対策が必要 バリアフリー工事が必要になることも 戸建ては、マンションよりも管理やメンテナンスの手間がかかります。定期的に設備の交換、屋根・外壁のメンテナンスなどが必要になり、工事の手配や費用の準備は自身で対応しなくてはなりません。 また、敷地が広くて部屋の数が多い場合、空き巣などの被害にあうリスクが高まります。「防犯カメラを付ける」「ホームセキュリティを導入する」といった防犯対策が必要です。 段差が多くある場合は、バリアフリー工事が必要になることもあります。事前に対策を講じておかないと、介護が必要になったときに、生活に不都合が生じるかもしれません。工事の規模によって費用は変わってきますが、数百万円程度の負担が生じる可能性もあります。 老後の住まいは都市部と郊外で何が違う? 老後の住まいは、立地にも大きな影響を受けます。都市部と郊外の物件では、住環境に大きな違いがあります。ここでは、都市部と郊外の違いについて確認していきましょう。 都市部に住むメリット 都市部に住むメリットは、生活利便性が高いことです。 一般的には高齢になるほど注意力が衰え、運転操作も遅くなるため、車の運転に不安を感じるようになるかもしれません。都市部なら公共交通機関が充実しており、電車やバス、タクシーなどを利用することで、マイカーがなくてもスムーズに移動できます。 また、都市部であれば近くにスーパーや病院、公共施設、商業施設などがあるので、行動範囲が狭くなっても安心して生活できます。 郊外に住むメリット 郊外に住むメリットは、人混みや騒音などから離れて静かな暮らしができることです。老後に落ち着いた場所でのんびり暮らしたい場合は、郊外が適しています。また、郊外の物件は、都市部に比べて家賃や物件価格が安いのも魅力です。 ただし、郊外は交通の便が悪く、住む場所によってはスーパーや病院などに出かけるのが不便な場合があります。 老後で持ち家の場合に考えておくべきこと 老後の住まいとして持ち家を選ぶときは、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは、老後で持ち家の場合に考えておくべきことをお伝えします。 住宅ローン破産に気を付ける 老後の住まいとして持ち家を選ぶ場合は、住宅ローン破産に注意が必要です。住宅ローンは、住宅を担保にお金を借りる仕組みであるため、ローンを返済できなくなると自宅は競売にかけられてしまいます。 住宅ローン破産を避けるには、毎月の収入で無理なく返済できる金額でローンを組むことが大切です。たとえば、住宅金融支援機構のフラット35では、返済比率(年収に占める年間返済額の割合)の基準を以下のように定めています。 年収400万円未満:30% 年収400万円以上:35% ボーナスは勤務先の業績などによって支給額が変動するので、ボーナス払いはなるべく利用しないほうがいいでしょう。また、転職などで一時的に収入が減っても慌てずに済むように、まとまったお金を手元に用意しておくことも有効な対策となります。 参考)住宅金融支援機構「10月よりフラット35のご利用条件を簡素化します」 住まいの終活を考える 住まいの終活とは、老後のより豊かな暮らしや、生前のうちに自身が亡くなった後の住まいについて考えることです。 相続時に不動産は所有権だけでなく、誰が住むかという問題も生じます。現金や有価証券のように均等に分割しづらい資産のため、相続人が複数いる場合は相続トラブルになることもあります。 老後を持ち家で過ごすのであれば、自身が亡くなった後のことも考えて、早めに準備にとりかかることが大切です。住まいの終活については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと 老後で持ち家だからこそ考えられる資金づくりの選択肢 賃貸とは異なり、持ち家の場合は資金づくりの選択肢が豊富にあります。ここでは、老後の住まいとして持ち家を選ぶ際に利用できるサービスを3つ紹介します。 リ・バース60 リ・バース60とは、満60歳以上の方向けの住宅ローンです。一般的な住宅ローンには収入や年齢の融資条件による制約があるため、高齢になるほどローンを組むのは難しくなります。 リ・バース60であれば、60歳以上の方が老後生活への準備として建て替えや住み替え、リフォームを行う際に融資を受けられる可能性があります。 リ・バース60の主な特徴は以下の通りです。 毎月の返済が利息のみ ノンリコース型を選択できる リ・バース60は、利息のみを返済する仕組みです。毎月の返済額が小さいので、家計への負担を抑えられます。据え置いている元金の返済は、債務者が亡くなった後に「担保不動産の売却」または「現金一括返済」のどちらかを選択できます。 ただし、元金を繰上返済しない限り返済はずっと続くため、しっかりとした返済計画をたてることが大切です。 また、リ・バース60には、「ノンリコース型」と「リコース型」があります。ノンリコース型を選択すると、相続人は残った債務を返済する必要がないため、自身が亡くなった後に家族に負担をかけずに済みます。一方で、ノンリコース型は、リコース型に比べて適用金利が高くなることがあります。 リ・バース60については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 リースバック リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができるサービスです。「持ち家に住み続けたいが老後資金に不安がある」「持ち家のリスクを減らしたい」という方に適しています。 リースバックの主な特徴は以下の通りです。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 毎月の支出が定額化される 持ち家のリスクを無くせる 持ち家を売却すると、通常は別の家に引っ越しをしなくてはなりません。しかし、リースバックなら家賃を払うことで、まとまった資金を手に入れながら、引き続き同じ家に住み続けられます。毎月の支出が定額化され、資金計画が立てやすくなるのもメリットです。 また、自宅の所有権は運営会社に移転するので、災害リスクや相続といった持ち家ならではのリスクもなくなります。 一方で、リースバックには「売却価格が市場価格よりも安くなる」「定期借家契約の場合は住み続けられる保証がない」といったデメリットもあります。 リースバックについては、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリースバックとは?メリット・デメリットを解説 リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受けられる高齢者向けのローン商品です。持ち家で老後資金に不安がある場合に、自宅を活用した資金調達手段として活用できます。 リバースモーゲージの主な特徴は以下の通りです。 自宅に住み続けながら資金調達できる 毎月の支払いは利息のみ まとまった資金を得るために自宅を売却すると、住む場所を探さなくてはなりません。リバースモーゲージで融資を受ければ、自宅に住み続けながら老後資金を準備できます。 リバースモーゲージは、債務者の死亡後に自宅(担保不動産)を売却して元金を返済する仕組みです。毎月の支払いは利息だけで済むので、返済負担が軽減されます。 ただし、リバースモーゲージは融資条件が厳しく、元金が減らないので支払いが一生続きます。また、急な地価下落などで担保評価額が下がり、借入済の元金が融資限度額を超えると返済を求められるリスクもあります。 リバースモーゲージについては、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや老後資金づくりの方法を紹介 まとめ 老後の住まいを選ぶときは、「持ち家か賃貸か」「マンションか戸建てか」「都市部か郊外か」の3つのポイントを意識することが大切です。それぞれの特徴を理解できれば、自身に合った理想の住まいが見えてきます。 持ち家でまとまった資金が必要な場合は、「リ・バース60」や「リースバック」といった高齢者向けのサービスを検討しましょう。 住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説 「終活」という言葉が一般に広がるなか、近年、「住まいの終活」についても注目されるようになってきました。どのような内容なのか、どうしたらいいのかなどについて考えてみましょう。 「住まいの終活」...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 持ち家の場合、老後資金はいくら必要?資金不足の対処方法も紹介

    持ち家がある夫婦、老後資金はいくら必要?資金不足の対処法も紹介

    老後に必要な生活費は、持ち家と賃貸で大きく変わります。持ち家の場合、老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。 年金だけで足りない分は、貯蓄などでカバーしなくてはなりません。年金生活に入る前に老後の生活費について把握し、必要な資金を準備しておくことが大切です。 今回は、持ち家の場合の老後生活費の目安や、資金が足りないときの対処方法について解説します。 持ち家がある夫婦の場合、老後資金は月4万円不足する 総務省の「家計調査報告」によると、夫婦高齢者無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支は社会保障給付(年金収入)が219,976円に対し、支出は255,550円です。 年金収入のみの場合、老後の生活費は月約4万円不足します。年間約50万円の支出超過のため、仮に老後生活が30年続くとすると、1,500万円程度の資金が必要です。 もちろんあくまでも平均結果であり、この数字がそのまま当てはまるわけではありません。共働きで年金収入が多い世帯であれば、年金だけでも十分な生活費を確保できるでしょう。 一方で、「自営業で年金が少ない」「豊かなセカンドライフを送りたい」「リフォームの予定がある」といった場合、より多くの資金を準備する必要があります。 (参考)総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要(P18~19)」 賃貸だと老後の生活費は更に大きな負担となる 60歳以上(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)の持ち家率は90.4%で、持ち家が全体の9割を占めています。また、家計収支の支出の内訳を確認すると、住居費は14,518円と少額であることから、先程示した総務省の家計収支はあくまで持ち家の場合の生活費だと考えられます。 賃貸住まいは家賃がかかり、持ち家の場合に比べて住居費の負担が増えるため、老後の生活費は月4万円の不足では済まないでしょう。一生賃貸で過ごすには、持ち家よりもさらにまとまった老後資金を準備する必要があります。 (参考)総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要(P18~19)」 老後に必要な資金を調べる方法 老後にいくら必要なのかは世帯によって異なります。そのため、自分の家計ではどれくらいの資金が必要なのか下記の順番で確認しましょう。 家計収入を把握する 家計支出を把握する 家計のキャッシュフロー表を作る 家計収入を把握する 老後は年金が主な収入源という家庭が多いのではないでしょうか。年金額は何年支払ったかだけでなく、個人年金や厚生年金なのかなど積立の方法によっても個人差があります。年金がいくらもらえるかについては、下記のコラムで詳細をご確認下さい。 関連記事はこちら「老後の生活に84%が不安!貯蓄の目安、老後資金はいくら必要?」 年金の他に事業やアルバイトによる収入がある人は、その見込み収入額を踏まえた上で世帯収入がいくらになるのか把握しましょう。 家計支出を把握する 月々の支出額を明確にし、各費用にいくら使っているか把握しましょう。食費や日用品費のような変動する項目については、一定期間の平均値を取って試算するのがおすすめです。その他にも、不定期で発生する住居のメンテナンス費用なども一定額計上しておくことで、より正確な費用を見積もることができます。 なお、総務省の家計調査報告では平均23万円程度*という結果が出ていますが、家計支出は現役世代の生活水準などによって異なりますので、あくまで参考程度にしたほうが無難と言えそうです。 参考)総務省 家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)「表1 二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯の家計収支―2020年―」より 家計のキャッシュフロー表を作る 毎月の収入や支出を計算したら、最後に今後数十年の収支をシミュレーションしてみましょう。エクセルで自作したり、ノートなどにまとめたりするのが大変であれば、日本FP協会が公開している「家計のキャッシュフロー表*」などを利用すると、数値を入力するだけで簡単に作成できます。 参考)日本FP協会 便利ツールで家計をチェック 老後資金が足りないときの5つの対処方法 持ち家の場合、老後の生活費が月4万円程度不足する可能性があることがわかりました。老後の生活費が足りないと想定されるときは、どのように資金を準備すればよいのでしょうか。 ここでは、老後の生活費が足りないときの対処方法を5つ紹介します。 支出を見直す 支出を見直して生活コストを下げることができれば、老後の生活費は少なくなります。食費や電気代といった変動費の節約は労力がかかる割に得られる効果が小さいので、固定費を中心に支出を見直すといいでしょう。 たとえば、都心部に住んでいるなら、マイカーを手放してカーシェアリングを利用したほうが節約になるかもしれません。また、保険を見直すことで、保険料の負担が軽減されることもあります。 現在よりも少ない支出で生活ができれば、年金収入だけで暮らせる可能性もあります。 なるべく長く働いて収入を得る 持ち家で老後の生活費が月4万円不足するのは、夫婦高齢者無職世帯のケースでした。そのため、老後も働いて年金以外の収入を得ることができれば、生活費の不足を解消することは可能です。 「老後を迎えてまで働きたくない」と思うかもしれませんが、月4万円の不足を補うだけならフルタイムで働く必要はありません。自分のペースでアルバイトを行うだけでも、十分に稼げる金額ではないでしょうか。 また、老後も働くことで、社会とのつながりや生きがいを得られるメリットもあります。 年金の繰下げを検討する 公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、「繰下げ」によって受給開始を遅らせることも可能です。年金の繰下げを行うと、最大で42%年金が増額されます。老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに、繰下げによる年金の増額率は以下の通りです。 繰り下げによる年金増額率 請求時の年齢 増額率 66歳0ヵ月~66歳11ヵ月8.4~16.1% 67歳0ヵ月~67歳11ヵ月16.8~24.5% 68歳0ヵ月~68歳11ヵ月25.2~32.9% 69歳0ヵ月~69歳11ヵ月33.6~41.3% 70歳0ヵ月~42.0% 繰下げによって増えた年金額は一生変わらないため、老後の生活費の不足を解消できる可能性があります。65歳以降も一定の勤労収入がある場合や当面は年金をもらえなくとも生活に支障がない場合は、年金の繰下げを検討しましょう。 (参考)日本年金機構「年金の繰下げ受給」 お金を運用して資産寿命を延ばす 預貯金だけでなく、投資信託などを活用して運用しながら資産を取り崩すことで、資産寿命を延ばすことができます。たとえば、3,000万円の資金を毎月13万円取り崩しながら年4%で運用を行うと、預貯金よりも資産は約17年長持ちします。 ただし、あくまでもシミュレーション結果であり、この通りに運用できるとは限りません。また、投資信託は元本保証ではないので、損失が発生する可能性もあります。資産寿命を延ばすために資産運用に取り組む場合、特に高齢になってからの資産運用は、リスクの取りすぎに注意しましょう。 (参考)SBI証券「資産の寿命は大丈夫?「人生100年時代」の資産運用とは?」」 持ち家を活用して資金調達する 老後の生活費が足りない場合、持ち家を活用して資金調達する方法もあります。売却のほか、賃貸に出して家賃収入を得る、不動産担保ローン、リースバックなど、持ち家があれば資金を工面できる可能性があります。 持ち家の資産価値を活かす方法は、以下のページで紹介しています。 参考はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? まとめ 老後の生活費は、持ち家でも月4万円程度不足する可能性があることがわかりました。ただし、あくまでも平均額であるため、まずは自身に必要な生活費を把握することが大切です。この記事で紹介した内容を参考に、老後資金の準備を始めましょう。 老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 賃貸暮らしをしていると、老後に向けて自宅を購入すべきか悩むのではないでしょうか。賃貸か持ち家かによって、老後の生活においてそれぞれメリット・デメリットがあるので、ライフスタイルに応じてどちら...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.05.26老後資金
  • 住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説

    住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説

    「終活」という言葉が一般に広がるなか、近年、「住まいの終活」についても注目されるようになってきました。どのような内容なのか、どうしたらいいのかなどについて考えてみましょう。 「住まいの終活」とは? そもそも「終活」とは、自分の人生の終わり方を考え、そのために必要な準備をすることを言います。明日かもしれないし、30年以上先かもしれない。いつ訪れるかわからない「もしもの時」に備えて、身辺整理をしておくことを言います。 ただし、最近は「人生100年時代」と言われ、亡くなるまでの期間も長くなっているため、終活といっても「人生の幕引き」だけではなく、セカンドライフの生活を考えることも、「終活」に含まれます。 こうした「終活」に関して、最近は特に、住まいに関しても考える必要性が問われるようになってきました。理由としてはいくつか挙げられます。 経年劣化等によって、住居に不具合が生じる 住居の生活利便性が低く、車を手放すと生活が厳しい 要介護となった結果、生活が出来ない 将来的に老人ホームの利用を検討しており、住居を持て余す このようなことから、老後を意識し始める頃から、「終活」とともに「住まいの終活」についても真剣に考え、準備をしておく必要があります。自身の老後を見据え、よく検討しましょう。 一方で、「住まいの終活」といっても、状況によってポイントや準備方法が異なります。どのように行えばいいのかを以下の状況別に考えてみましょう。 住み替えの希望や必要があるか 老後資金に問題がないか 死後に住居をどうする予定か 住み替えの必要があるか 定年後になると、通勤を考えずに住まいを決めることが出来るので、今後の住まいについて考える人も多いのではないでしょうか。そして、今後の住まいを考えるときには、住み替えを検討するかもしれません。住み替えをすることでより良い条件で生活を送れる可能性がありますが、多額の資金が必要となるため、慎重に検討する必要があります。 そこで、住み替えをするかどうかを判断する際には、自分が死ぬまで現在の住まいで生活をする場合に何か不都合が生じるか、という切り口で判断するといいでしょう。特に下記のポイントに該当する場合には、住み替えを検討してもいいかもしれません。 経年劣化等により、この先何十年も暮らしていくのが難しい 生活するためには車が必須で、生活利便性が低い立地である 子供と離れて暮らしているため、親族のサポートが期待できない 経年劣化等の理由であれば、リフォームという選択肢もあります。一方で、建物をリフォームするだけでは問題が解決できない場合には、住み替えを検討するといいでしょう。住み替えは、新しく住みやすい家に引っ越したいという希望だけでなく、住み替えにお金を使っても老後の生活費に問題がないかなど、資金面でも慎重に検討する必要があります。 老後資金に問題がないか 次に、住み替えに限らず、リフォームを検討している場合にも、老後資金が不足しないかどうかを慎重に検討する必要があります。高齢になると住宅ローンを組むことが難しく、住み替えの場合は手元資金を多く出さなければならないケースが多いでしょう。また、リフォームをするにしても、ローンが組めずに全額手元から融通する必要があるかもしれません。 老後資金が不足することを見据えて不動産売却を視野に入れている人もいるでしょう。しかし、不動産売却をすると新しい住み替え先も決めておかなければなりません。そのため、不動産売却以外の資金の捻出方法も考えておいた方が良いかもしれません。 住宅を活用して、老後資金を捻出する方法としては次のようなものが挙げられます。 リバースモーゲージ 自宅に住み続けながら、自宅を担保に一時金や月々の生活費を借りる仕組み。金融機関によって、エリアや不動産の種類、最低評価額が決められていることがあります。エリアは首都圏中心と限定されていることが多く、一定評価額以上の戸建てが中心であることが多くなっています。 リースバック 自宅をリースバック専門の不動産会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組み。売却代金は一括一時金で受け取ることができ、使途に制限はありません。物件の立地は流動性の高いエリアであることが一般的です。 不動産担保ローン 不動産を担保にして借りるローン。実際には、担保となる不動産に抵当権を設定して借り入れをします。土地や一戸建て、マンション等が対象ですが、物件の立地は流動性の高い主要都市に限られる金融機関が多いようです。 その他にも、以下のコラムで詳細を解説していますので、ご参考ください。 詳細はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? 死後の住居をどうする予定か 自分自身の問題をクリアした後は、死後の住居についても考えておく必要があります。相続人が一人の場合には、不動産を含めた財産分与の問題は生じないでしょう。しかし、相続人が複数いる場合には、不動産をどう相続するかあらかじめ決めておいた方が良いでしょう。 なぜなら、不動産は所有権のみならず、誰が居住するかという問題が起こるため、相続人が複数いる場合は平等に分けるのが難しく、相続でトラブルになることもあります。また、現金化しておくことで均等に分割できますが、生前に売却すると「老後の住まいをどうするか」という問題が生じます。 死後の住まいの選択肢については以下のコラムで解説していますので、ご参考ください。 詳細はこちら住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと まとめ 住まいの終活を考える際には、できるだけ子供たちも含めて話し合うことが大事です。子供たちに家を残せない可能性が高い場合はなおさらです。 そのほか、金融資産があまりなくて遺産が不動産中心の場合、相続人同士でもめないようにするために、遺言などを作成しておくことも大事です。公正証書遺言でなく、自筆証書遺言でも今は法務局で預かってもらうこともできます。 定年が見えてきた50代後半以降は、終活や住まいの終活、場合によっては相続などについてしっかり考え、家族にも「こうしたい」ということを伝えておきましょう。特に、今後の住まい方をリアルに想定し、必要な準備をするとともに、家族と話しておくことは重要ですね。 終活とは?終活では何を準備すればいい? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことなどから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、...記事を読む 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。

  • 老後破産とは?その原因と事前の対策を解説

    老後破産とは?その原因と事前の対策を解説

    公的年金の財源や年金支給年齢引き上げの問題など、将来の老後の生活に不安を感じていらっしゃる方も多いでしょう。 現在、現役世代の人は老後破産にならないようにどのように対策すればよいのでしょうか。また、老後の資金繰りが厳しいという方はどのように準備を進めるとよいのでしょうか。今回は、老後破産に向けて定年前にできることや破産に向かっている時の対策についてお伝えしていきます。 老後破産とは 老後破産とはその名の通り、定年後に破産してしまうことですが、より具体的には「定年後の年金生活の中で家計が立ち行かなくなること」だと考えるとよいでしょう。老後の収入は年金の他、現役時代に貯めた貯蓄や退職金を取り崩して生活していくことになりますが、それらが不足することで老後破産となります。 また、現役世代の生活レベルのまま老後も同様の水準で生活してしまうことや、未完済の住宅ローン、教育費や思わぬ医療費の発生なども老後破産の要因となりえます。 老後破産の原因 破産の原因については、日本弁護士連合会と消費者問題対策委員会の「2017年破産事件及び個人再生事件記録調査」によって詳しく報告されていますが、その中から老後に特有な破産原因を紹介していきます。 所得の低下 同調査より破産の一番の原因は所得の低下であるとの結果が示されています。老後は、主に年金収入で生活をしなければなりませんが、それだけでは足りず家計が立ちいかなくなってしまうケースが多いと考えられます。 老後に受け取る年金の受給額は現役で働いていた頃の給与収入よりも少なくなることが一般的です。従って、現役時代と同じ生活水準を続けてしまうと、老後破産を引き起こす可能性があるとの結果が示唆されています。 医療費・介護費の増加 高齢になるにつれて予期せぬ怪我や病気のリスクが高まります。1回の通院ではそれほど大きな支出にはならなくても、持病等によって定期的に通院することになれば、大きな支出となります。さらに、三大疾病等の病気にかかってしまった場合、公的年金のみでは足りず自己負担しなければならない医療費も大きくなります。このように、老後は医療費が負担となりやすく、それが原因となって破産を引き起こしてしまうケースが多いと考えられます。 また、老後には介護の問題もあります。自分自身やパートナーに介護が必要になった場合、介護施設や老人ホームへの入居費等の介護費用がかかります。加えて、近年の平均寿命の延びに伴い介護期間が長くなればなるほど、介護費が大きな負担となり、老後破産に繋がる可能性が高くなると言えます。 住宅ローンの返済難 近年、晩婚化や住宅価格の高騰によって、住宅ローンの完済年齢が上昇しています。定年後に住宅ローンを返済しなければならない場合、年金収入でまかなわなければならず、大きな負担となります。その結果として、老後破産となってしまうケースが多いと考えられます。 同調査においても、個人再生申立者のうち45%が住宅を所有しているとの結果が示されており、少なからず住宅の購入が破産や個人再生の原因となっていることが示唆されています。 参考)

    2021.03.31老後資金
  • 5つの活用事例を紹介~リースバック編~

    5つの活用事例を紹介~リースバック編~

    リースバックの概要についてはこちら リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。 自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金の確保をはじめ、ローン返済や相続対策など、さまざまなシーンで活用できます。 しかし、リースバックはまだ新しいサービスであるため、どのように活用すればいいかイメージできないかもしれません。そこで今回は、リースバックの活用事例を5つ紹介します。 1.定年後の生活資金の不安を解決した事例 Aさんの状況 年代・職業70代男性・法人代表者 物件種別戸建 借入状況残債500万円(事業用ローン) 月返済額10万円 Aさんは事業を営んでいますが、年齢的に「仕事を長く続けることが難しい」と感じるようになりました。しかし、事業用ローンがまだ500万円残っており、「早めにローンを返したい」という悩みがあります。 そこでAさんはリースバックで自宅を売却し、事業用ローンを完済することにしました。リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下の通りです。 売買価格1,750万円 家賃12万円 手元資金1,250万円 Aさんは売却代金で、無事に事業用ローンを完済することができました。毎月の支出は2万円増えたものの、手元に1,000万円以上の資金を確保でき、老後の生活資金に関する不安も軽減されました。 2.住宅ローン返済の不安を解決した事例 Bさんの状況 年代・職業60代男性・アルバイト 物件種別マンション 借入状況残債1,500万円(住宅ローン) 月返済額(管理費等含む)12.5万円 Bさんは勤めていた会社を定年退職し、アルバイトを始めました。会社員時代に比べて収入は大幅に減少しており、住宅ローンや管理費などの支払いを負担に感じています。少しでも返済負担を軽減したいと考えていますが、新居探しや引っ越しが負担であることや、住み慣れた生活圏を変えたくないため、できれば引っ越しはしたくありません。 そこでリースバックを活用し、自宅マンションを売却することにしました。 リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下の通りです。 売買価格1,600万円 家賃8.6万円 手元資金100万円 Bさんは売却代金で、住宅ローンを完済することに成功しました。また、運営会社と交渉したところ、売買価格を抑えることで家賃を下げることができたため、毎月の支出を約4万円減らすことができました。 3.相続トラブルの不安を解決した事例 Cさんの状況 年代・職業80代女性・無職 物件種別マンション 借入状況残債なし 月返済額(管理費等含む)5.3万円 Cさんは2年前に夫を亡くし、自宅マンションでの一人暮らしです。住宅ローンなどの残債はなく、住居費用は管理費や修繕費用のみのため、貯金と年金で生活に必要な資金は確保できています。しかし、自分が亡くなった後の相続について心配しています。 Cさんは親の自宅に関する相続トラブルを経験しており、子どもたちには同じ思いをさせたくないと考えています。解決策を模索していたところ、知人からリースバックを紹介され、マンションを売却することにしました。リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下の通りです。 売買価格1,800万円 家賃11.5万円 手元資金1,800万円 不動産を現金化すれば、複数の相続人に財産を分配しやすくなるので、不動産に関する相続トラブルを回避できます。 また、生前に必要な金額をシミュレーションすることで、家賃を無理のない金額に抑えながら十分な手元資金を確保できました。 4.離婚による財産分与のトラブルを解決した事例 Dさんの状況 年代・職業50代男性・会社員 物件種別マンション 借入状況残債2,000万円(住宅ローン) 月返済額(管理費等含む)16万円 会社員のDさんは妻と離婚することになりましたが、財産分与に関する話し合いがまとまっていません。というのも、Dさん所有のマンションは住宅ローンが残っており、Dさんは売却を考えていましたが、子供の学区の問題などから妻と子は同じ家に住み続けることを希望しています。 そのため、住宅ローンを完済しながらも妻と子が同じ家に住み続けることのできるリースバックを活用し、マンションを売却することにしました。リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下の通りです。 売買価格2,800万円 家賃12万円 手元資金800万円 Dさんは売却代金で住宅ローンを完済し、妻を賃借人とすることで、お互いが納得する形で離婚による財産分与の問題を解消することに成功しました。また、毎月の支払負担を減らしたいという希望もあったため、運営会社と条件について話し合い、相場賃料よりも低い金額で借りることができました。 5.自宅の住み替え時の難題を解決した事例 Eさんの状況 年代・職業40代男性・会社員 物件種別マンション 借入状況残債3,000万円(住宅ローン) 月返済額(管理費等含む)15万円 会社員のEさんは、現在住んでいるマンションが手狭になったため、住み替えを検討しています。しかし、自宅の住宅ローンの残債が大きく、融資の面から先に新たな物件を購入するのが難しい状況です。 そこで、自宅を売却した後に物件を探すことを検討します。通常の不動産売買では引っ越しが必要になるため、リースバックを活用することにしました。リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下の通りです。 売買価格3,500万円 家賃15万円 手元資金500万円 自宅の売却代金で、住み替えの重荷となっていた住宅ローンを完済することができました。また、現在の自宅に住み続けながら、余裕をもって物件選びができるようになりました。 まとめ リースバックは老後資金の確保だけでなく、資金調達やローン返済、相続対策など、さまざまな活用方法があります。今回紹介した5つの事例を参考に、リースバックの活用を検討してみましょう。 リースバックならSBIスマイル リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと

    長寿化に伴い、自身の老いや死に関するさまざまな事柄に備える「終活」が注目されるようになりました。終活で準備しておくべきことはたくさんありますが、「持ち家をどうするか」は大きなテーマの一つではないでしょうか。 持ち家は家族に残すこともできますが、状況によっては相続でトラブルになる可能性もあります。自身の老後の住まいにも影響を与えるため、早めに準備をしておくことが大切です。今回は、住まいの終活における3つの選択肢と準備しておくべきことを解説します。 住まいの終活とは 「住まいの終活」という言葉に定義があるわけではありませんが、本コラムでは「生前のうちに亡くなった後の住まいのことを考えること」とします。持ち家に住んでいる場合、自身が亡くなった後にその家をどうするかを考えておかなくてはなりません。 不動産は所有権のみならず、誰が居住するかという問題が起こるため、相続人が複数いる場合は平等に分けるのが難しく、相続でトラブルになることもあります。また、現金化しておくことで均等に分割できますが、生前に売却すると「老後の住まいをどうするか」という問題が生じます。 誰にでも当てはまる唯一の正解はないため、自身の状況に合った方法を選択することが大切です。 住まいの終活における3つの選択肢 これから住まいの終活を始める場合、大きくは以下3つの選択肢が考えられます。 生前に贈与する 1つ目は、持ち家を生前贈与する方法です。同居している親族(子どもなど)に贈与すれば、贈与後も同じ家に住み続けられるため、老後の住まいの心配はなくなります。ただし、不動産を贈与すると、贈与された親族には贈与税がかかります。贈与税の負担を軽減する制度としては「相続時精算課税制度」があります。 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。同一の贈与者からの非課税限度額は2,500万円で、限度額を超えた部分については一律20%の贈与税率が適用されます。 相続時には、相続時精算課税制度の贈与財産と他の相続財産を合計して相続税を計算します。税金が免除されるわけではなく、贈与財産(持ち家)は相続税の課税対象となる点に注意が必要です。 参考)相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介 生前に売却する 2つ目は、生前に持ち家を売却する方法です。子どもに持ち家を残したいなら、親から子に持ち家を売却する「親子間売買」が選択肢となるでしょう。税金の取り扱いは、基本的に通常の不動産売却と同様です。ただし、実勢価格より著しく安い価格で売却すると贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性があるので検討の際には専門家などに相談した方が良いでしょう。 一方、親族に持ち家を残さない場合は、通常の不動産売却やリースバックが選択肢となります。 リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。そのため、通常の不動産売却で発生する売却後に住む家を探さなければならないという問題が解消されます。また、自宅を売却して現金化すれば、財産を分配しやすくなるため相続トラブルを避けられます。親子間売買のように、贈与とみなされる心配もありません。 (参考) ・不動産の親子間売買とは?デメリットや手続きについて解説 ・リースバックとは?メリット・デメリットを解説 相続させる(何もしない) 3つ目は、何もせずに持ち家を相続させる方法です。生前贈与や売却をせずに、何もしないのも選択肢の一つとなります。 しかし、何も対策しないと遺産を巡っての相続トラブルが発生する可能性があります。相続トラブルを回避したいのであれば、専門家に相談の上「遺言書を書く」「公正証書を作成する」といった準備をしておくと良いでしょう。 住宅ローンを計画的に完済する 住まいの終活では、住宅ローンを計画的に完済することも重要です。持ち家に住宅ローンの残債がなければ、終活を行う際の選択肢が広がります。 贈与や相続では、債権がないことで財産をスムーズに引き継ぐことができます。また、通常の不動産売却やリースバックを利用する場合は、売却代金からローン返済を行う必要がありません。また、売却によってまとまった資金を手に入れることができるため、十分な老後資金を確保できます。 相続人がいない場合はどうする? 独身で両親も兄弟もいないなど、持ち家でも相続人がいない場合は、何も対策を行わないと管理者不在の空き家となってしまいます。相続人がいない場合、第三者に財産分与を行うこともできるため、持ち家を相続させたい人がいる場合は、専門家に相談して遺言書を作成するといいでしょう。 まとめ 持ち家をどうするかは自身の老後の生活はもちろん、相続人となる家族にも大きな影響を与えます。持ち家に関するトラブルを防ぐには、亡くなるまでのプランを立て、早めに準備にとりかかることが大切です。老後の生活を豊かなものにするためにも、住まいの終活を始めてみてはいかがでしょうか。 リースバックならSBIスマイル 終活とは?終活では何を準備すればいい? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことなどから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 終活とは?いつから始める?老後資金が足りないと気づいたら?

    終活とは?終活では何を準備すればいい?

    昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことなどから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際は家族や友人関係、医療・介護、財産など、生前のうちに確認し、準備しておくべきことはたくさんあります。 老後の不安を解消し、残りの人生を自分らしく生きるには、終活について理解しておくことが大切です。今回は終活でやることや始めるタイミング、老後資金の準備について解説します。 終活とは 終活は週刊誌によって作られた言葉で、明確な定義はありませんが、一般的には、自身の老いや死に関するさまざまな準備のことを意味します。 終活が注目されるようになった背景には、高齢化によって老後破産や孤独死、認知症の増加、相続トラブルなどが社会問題化していることがあります。厚生労働省の簡易生命表(2019年)によれば、男性の平均寿命は81.41年、女性は87.45年です。また、90歳まで生存する人の割合は男性27.2%、女性51.1%となっています。 このような背景から「老後生活の不安を解消したい」「家族に負担をかけたくない」と考える人が増え、終活に取り組む人が増えていると考えられます。 厚生労働省「2019年(令和元年)生命簡易表の概況」 終活はいつから準備する? 終活を始めるタイミングは人それぞれで正解はありません。「仕事を辞めて年金生活になった」「一定の年齢に達した」など、人生の転機を迎えたときや死を意識したタイミングで、少しずつ進めていくといいでしょう。 ただし、認知症を患うなど、意思表示ができなくなると始めるのは難しくなります。そのため、まだ元気なうちに、「少し早いかな」と思うぐらいのタイミングで始めるのがおすすめです。 終活では何を準備する? 終活では、現在の状況と将来やるべきことを整理するために、エンディングノートを作成するといいでしょう。エンディングノートに法的な効力はなく、書き方のルールもないので、好きな方法で作成して構いません。エンディングノートでは、主に以下の内容について整理します。 自身や家族、友人のこと 自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や趣味などを書いておけば、誰が書いたものかが一目でわかります。スマホやインターネットなど、自身が契約しているサービスについても伝えておくと家族は助かるでしょう。また、家族や友人の連絡先、自身との関係なども書いておくと、必要に応じて連絡をとることができます。 医療や介護のこと 判断力が低下したり、意思表示ができなくなったりしたときのために、かかりつけ医や持病、飲んでいる薬、アレルギーなどについて書いておくといいでしょう。また、介護や延命治療に関する希望を伝えておくと、もしものときに家族が判断しやすくなります。 財産に関すること 老後生活が長くなるほど、財産を適切に管理することの重要性は高まります。収入や支出の項目・金額を整理して、老後の家計収支を把握しましょう。また、預貯金や不動産、金融資産など保有中の資産を一覧にしておくことも大切です。 葬儀やお墓のこと 最近では、葬儀やお墓に対する考え方が多様化しており、その様式もさまざまです。たとえば、葬儀は一般葬の他に、参列者が親族のみの家族葬や一日葬などもあります。また、お墓も代々受け継いでいく家族墓だけでなく、永大供養墓や散骨といった形もあります。そのため、葬儀やお墓についての希望、連絡先のリストなどを書いておくといいでしょう。 相続のこと 相続トラブルを避けるには、相続人や相続財産について整理する必要があります。また、預貯金や不動産といった資産だけでなく、借金などの負債も相続財産に含まれる点に注意が必要です。相続について希望がある場合は、遺言書の作成も検討しましょう。 十分な老後資金が準備できているかを確認する 終活の中でも、優先的に取り組んでおきたいのが老後資金の問題です。残された家族のことを思えば、自身が亡くなった後のことについて考えるのは大切なことです。しかし、終活では、自身の老後生活に問題がないかを確認するのが、最優先で取り組むべき課題です。 現在の家計収支や資産状況を整理・把握して、十分な老後資金が準備できているかを確認しましょう。もし老後資金が不足するようなら、早急に対策をたてる必要があります。 終活に「リースバック」という選択肢も 老後資金が足りない場合、持ち家があるなら「リースバック」という選択肢があります。リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。 リースバックはローン商品ではなく、売却と賃貸が一体となった不動産取引であるため、利用にあたって年齢や収入の制限はありません。また、持ち家を売却すると、通常は別の住居を確保する必要がありますが、リースバックならそのまま住み続けることが可能です。 加えて、リースバックを利用して不動産を現金化すれば財産を分配しやすくなるため、相続トラブルを回避するための手段としても活用できます。 まとめ 終活は、家族の負担を減らせるのはもちろん、残りの人生を自分らしく生きることにも役立ちます。終活でやることはたくさんありますが、最優先して取り組むべきことは財産整理です。家計収支や資産状況を整理した結果、持ち家があって老後資金が不足しそうな場合はリースバックの活用を検討しましょう。 リースバックならSBIスマイル リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後に向けて今から準備できる4つの収入源

    老後に向けて今から準備できる4つの収入源

    平均寿命が延びたことで、「人生100年時代」と言われるようになりました。老後の期間が長くなったのは喜ばしい一方で、老後の生活費の確保が課題になっています。十分な老後資金を準備するには、なるべく早く対策を講じなくてはなりません。節約などの家計改善も有効ですが、一定の収入源を確保することも大切です。そこで今回は、老後に向けて今から準備できる4つの収入源を紹介します。 公的年金 老後の収入源として、まず確保しておきたいのが公的年金(国民年金・厚生年金)です。2020年4月分からの年金額は、国民年金、厚生年金ともに法律の規定により変更があり、国民年金(老齢基礎年金)が満額で月額65,141円です。また、夫婦2人分の標準的な年金額(平均的な収入で老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)を受け取る場合)は、月額220,724円となっています。公的年金は、一生涯受け取れる終身年金であることが最大のメリットです。 年金額 (出典:日本年金機構「令和2年(2020年)4月分からの年金額等について) 令和2年度(月額) 令和元年度(月額) 国民年金(老齢基礎年金(満額)65,141円65,008円 厚生年金※(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額220,724円220,266円 ※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です 会社員は給与から厚生年金保険料が天引きされますが、自営業者は国民年金保険料を自分で納める必要があります。公的年金を満額受給できるように、保険料の納付漏れがないようにしておくことが大切です。 また、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用すると、これまでの年金記録や将来受け取る年金の見込額を確認できます。年金の見込額がわかれば、自分で準備すべき金額が明確になるので、対策を立てやすくなるでしょう。 参考) ・日本年金機構「令和2年(2020年)4月分からの年金額等について」 ・日本年金機構「ねんきんネット」 個人年金保険 個人年金保険とは、契約時に設定した期間(保険料払込期間)にわたって保険料を払い込むことで、一定期間(5年、10年など)年金を受け取れる貯蓄型保険です。個人年金保険に加入すれば、公的年金の不足分を補うことができます。 万が一、年金の受取開始前に契約者にもしものことがあれば、払込保険料に応じた死亡保険金が支払われる仕組みで、年金の受取期間中に受取人が亡くなった場合は、遺族に年金が支払われます。 個人年金保険は、毎月保険料を支払うことで、半強制的に老後資金を準備できるのがメリットです。また、一定金額までの保険料は生命保険料控除の対象なので、所得税・住民税の節税にもなります。 ただし、低金利の影響で予定利率が下がっているため、保険料を長期間支払ってもお金はそれほど増えません。さらに、保険商品はインフレに弱く、物価上昇により払込保険料が実質的に目減りする恐れがあることや、中途解約すると元本割れの可能性もある点には注意が必要です。 iDeCo(個人型確定拠出年金) iDeCo(イデコ)とは、自分で掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで掛金を運用する私的年金制度です。定期預金や投資信託などから運用商品を選択して運用を行います。60歳になるまで掛金を拠出し、60歳以降に老齢給付金を受け取る仕組みです。以下のように、加入区分に応じて掛金の上限額が設けられています。 自営業者:月額6.8万円(年額81.6万円) 会社員:月額1.2万円~2.3万円(年額14.4万円~27.6万円) 公務員:月額1.2万円(年額14.4万円) 専業主婦(夫):月額2.3万円(年額27.6万円) また、iDeCoには、以下3つの税制メリットが用意されています。 掛金が全額所得控除 運用益は非課税 給付を受け取るときの税制優遇措置 iDeCoは掛金が全額所得控除で、運用益も非課税になるため、効率的に資産を増やせます。給付を受け取るときの税制優遇措置もあり、一括で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されます。 ただし、iDeCoの掛金は、原則60歳になるまで引き出すことができません。掛金を増やしすぎると手元資金が不足する可能性があるので、無理のない金額で掛金を払い続けることが大切です。 参考)国民年金基金連合会「iDeCoってなに?」 小規模企業共済 小規模企業共済とは、自営業者や経営者のための退職金制度です。廃業や退職時に備えて積み立てができ、月々の掛金は1,000円~7万円まで500円単位で自由に設定できます。加入後の増額・減額も可能です。掛金は全額所得控除で、共済金を受け取るときも退職所得控除や公的年金等控除が適用されます。 将来受け取る共済金は、請求事由によって種類が異なります。たとえば、個人事業主の場合、個人事業の廃業は共済金A*に該当し、掛金を上回る共済金を受け取れます。任意解約も可能ですが、基本的には元本割れとなります。また、加入後12か月未満で解約すると、掛金が戻ってこないので注意しましょう。 ※共済金Aとは、共済金等の種類の一つです。詳しくは下記参考リンクをご確認ください。 参考)独立行政法人 中小企業基盤整備機構「小規模企業共済とは」 その他の資産運用 老後に向けて資産を増やすには、株や不動産などの資産運用に取り組むのもひとつの方法です。どちらもインフレに強い資産で、物価上昇時には株や不動産の資産価値も上昇する傾向にあります。 株式投資は、値上がり益や配当を目的に個別銘柄に投資する以外に、少額から分散投資ができる投資信託を活用する方法もあります。株式投資の経験がない場合は、運用をプロに任せられる投資信託を検討するといいでしょう。また、近年はロボアドバイザーなどのサービスもあります。 不動産については、収益用不動産を購入して家賃収入を得る方法が一般的です。しかし、低金利の住宅ローンを利用して自宅を購入することも、考え方によっては資産運用と言えるでしょう。老後に住宅ローンを完済した自宅があれば、そのまま住み続ける以外に「売却してまとまったお金を手に入れる」「自宅を担保にお金を借りる」など、資金調達手段としても活用できます。 参考)自宅購入はより安全で優れた不動産投資!? まとめ ここまで紹介してきたように、老後に収入源を確保する方法は複数あります。短期間でまとまったお金を作るのは難しいので、なるべく早く準備を始めることが大切です。まずは公的年金の見込額を確認することから始めてみるといいでしょう。 老後の生活に84%が不安!貯蓄の目安、老後資金はいくら必要? 人生100年時代、長くなる老後期に備えて、老後資金はいくら用意しておけばいいのでしょうか。実際に高齢者はどのように老後資金を捻出しているのかについてもデータを見てみましょう。また、マイホーム...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2020.12.09老後資金
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