金融/不動産知恵袋

老後資金

  • 老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット

    リースバックの概要についてはこちら リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。老後資金を確保する目的で利用されることもありますが、リースバックには他にもさまざまなメリットがあります。 そのため、生活費に余裕がある方でも、リースバックを利用することで老後の不安を解消し、より快適な生活が送れるようになるかもしれません。今回は、老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリットを紹介します。 老後にリースバックを利用する4つのメリット 老後にリースバックを利用すると、以下4つのメリットが得られます。 老後資金を確保できる 持ち家があって老後の生活費が足りない場合、通常は自宅の売却を検討するのではないでしょうか。しかし、自宅を売却すると転居先を決めたり、引っ越しの手間や費用が発生したりします。また、慣れ親しんだ自宅に住み続けたいのであれば、リースバックも選択肢のひとつとなるでしょう。 リースバックで自宅を売却すれば、まとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。また、住宅ローンの返済が苦しくて老後資金を貯められない場合も、リースバックの売却資金で住宅ローンを一括返済すれば、家計収支を改善できます。 参考)老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編) 相続問題が解決される リースバックは、複数の相続人がいる場合に、相続問題を解決する手段としても利用できます。不動産は実物資産であるため、複数の相続人がいる場合は簡単に分けられません。相続資産の大部分を自宅が占める場合、財産をどのように分けるか折り合いがつかず、相続争いが起こることもあります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、所有権がリースバック運営会社に移転するため、自宅をどう分けるかを考えなくて済みます。特に相続財産が自宅と預貯金のみの場合、不動産を現金化すれば相続財産は預貯金のみとなるので、均等に分配しやすくなります。 参考)相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 固定費の増加要因や突発的な支出がなくなる 老後の家計収支を安定させるには、固定費を下げたり、突発的な支出を減らしたりすることが大切です。 持ち家の場合、家賃を払う必要はありませんが、固定資産税がかかります。また、マンションなら、管理費や修繕積立金の支払いも必要です。他にも、設備の故障などで急にまとまった支出が発生する可能性もあるでしょう。 そのようなときにリースバックで賃貸に切り替えて、毎月一定額の家賃を払うようにすれば、家計管理がしやすくなります。また、固定資産税や管理費・修繕積立金がなくなり、家賃のみの支払いになるほか、老朽化などで設備が故障した場合の費用がオーナー負担となるのも安心材料です。 自然災害リスクを減らせる リースバックで自宅を売却して賃貸に切り替えれば、自然災害で住居に被害が出ても、修繕費用などはリースバック運営会社が負担してくれます。しかし、持ち家の場合は、修繕や建て替えにかかる費用は自分で負担しなくてはなりません。 持ち家の場合には火災保険や地震保険に加入することで備えることもできますが、保険に加入していても、保険金で費用を全額カバーできず、持ち出しが発生する可能性があります。また、災害などで住むことができない状態になったとしても、住宅ローンが残っている場合、基本的にローン返済は免除されません。 近年では、地球温暖化の影響により、台風や洪水などの自然災害リスクが高まっています。また、日本は地震大国でもあり、過去には阪神・淡路大震災や東日本大震災といった大地震も発生しているので、楽観視する要因ではないと言えるでしょう。 そのため、自宅に住み続けながら自然災害リスクに備えたいなら、リースバックは有効な手段となるでしょう。 リースバックのデメリットは契約によって軽減できる リースバックは先程紹介したメリットがある一方で、「ずっと住み続けられるとは限らない」「一生家賃を払う必要がある」といったデメリットもあります。しかし、契約によってデメリットは軽減可能です。具体的には、契約する際に以下の内容を意識しましょう。 賃貸借契約は「普通借家契約」にする リースバックの賃貸借契約には、「定期借家契約」と「普通借家契約」の2種類があります。定期借家契約の場合は再契約できる保証がなく、2~3年の契約期間満了後に退去しなくてはならない可能性があります。できるだけ長く住み続けたい場合は、普通借家契約が可能な運営会社を選ぶと安心です。 周辺の賃料相場より家賃をかなり安く設定することも可能 リースバックの家賃は売却価格と家賃のバランスで決まり、売却価格が安くなると家賃も安くなります。運営会社と交渉して売却価格を抑えることで、周辺の賃料相場より家賃をかなり安く設定することも可能です。 ただし、売却価格を抑えすぎると調達できる資金が少なくなります。リースバックの家賃を安くしたい場合は、売却価格とのバランスを検討してから交渉しましょう。 配偶者が契約を引き継ぐことも可能 自宅をリースバックで売却した場合、残された配偶者が契約者である夫(妻)が死亡した後も住み続けられるか気になるのではないでしょうか。賃貸借契約は相続の対象になるため、夫(妻)の死亡後も配偶者が契約を引き継ぐことが可能です。念のため、運営会社に契約を引き継げるかを確認しておくと安心です。 リースバックの大きなデメリットは家を残せないこと リースバックの最大のデメリットは、自宅を残せないことにあります。自宅の所有権が運営会社に移転してしまうので、子供に家を残したい場合は、リースバックは避けるべきです。 ただし、家を残すことにこだわりがなければ、老後にリースバックを利用するメリットは大きいでしょう。老後資金や相続問題など、老後に起こりうるさまざまな問題を回避できます。 まとめ 「家を残せない」というデメリットを許容できるのであれば、老後のリースバックは有力な選択肢となります。持ち家があり、老後資金や相続、自然災害などの不安を抱えているなら、リースバックを検討してみてはいかがでしょうか。 リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説

    賃貸暮らしをしていると、老後に向けて自宅を購入すべきか悩むのではないでしょうか。賃貸か持ち家かによって、老後の生活においてそれぞれメリット・デメリットがあるので、ライフスタイルに応じてどちらがいいかは変わってきます。 老後に持ち家があることで、老後の生活費が不足したときに資金調達手段として活用できるかもしれません。そのため、老後に賃貸と持ち家のどちらで暮らすかは、老後資金も考慮して選択することが大切です。 今回は、賃貸と持ち家で老後の生活がどう違うかについて解説します。 老後に賃貸で暮らすメリット・デメリット 老後に賃貸で暮らす主なメリット・デメリットは以下の通りです。 賃貸のメリット 老後の賃貸暮らしには、以下のようなメリットがあります。 メンテナンス費用がかからない 災害リスクがない 自宅の老朽化や設備の故障などにより物件設備の交換が必要になった場合、賃貸であれば、物件の所有者であるオーナーがメンテナンス費用を負担してくれます。そのため、突発的な支出が生じる可能性は少ないでしょう。 また、地震や台風などの災害で建物に被害が出たときも、修繕にかかる費用はオーナー負担です。被災して住めない状態になった場合は、住めるようになるまで家賃を払う必要もありません。ただし、家財はオーナーに補償してもらえないため、火災保険に加入して備えておく必要があります。 このように、賃貸であれば自宅にかかる定期的なメンテナンスコストや突発的に発生する災害のリスクを回避できるメリットがあります。 賃貸のデメリット 一方で、老後の賃貸暮らしには、以下のようなデメリットもあります。 家賃の支払いが一生続く 契約・更新できない可能性がある 老後に賃貸で暮らす場合には、家賃の支払いが一生続くことになります。そのため、老後資金に余裕がある場合には問題ありませんが、老後の生活資金を確保していないと家計収支が立ち行かなくなり、最悪の場合は老後破綻になりかねません。 また、賃貸で暮らす場合は高齢になって安定収入がなくなると、信用上の問題から契約が更新できなくなる恐れもあります。高齢になるほど保証人を求められるケースが増えてくるため、家族など頼める人がいないと契約や更新を断られる可能性があります。 なお、老後の生活ではバリアフリー対応が必要になることもありますが、賃貸は内装や間取りの仕様変更ができません。一方で、賃貸であれば、自身の状況に応じた高齢者向け住宅へ転居する選択肢があるので一概にデメリットとはいえないでしょう。 老後に持ち家で暮らすメリット・デメリット 老後に持ち家で暮らすメリット・デメリットは以下の通りです。 持ち家のメリット 持ち家には以下のようなメリットがあります。 住居費の負担が小さい 内装や間取り変更が自由にできる 持ち家は、住宅ローンを完済していれば、住居費の負担が少なく済みます。住宅ローンの返済以外に固定資産税や修繕費用は必要ですが、賃貸のように毎月家賃を支払う必要はありません。そのため、持ち家は長生きするほど、賃貸よりも経済的なメリットがあると言えるでしょう。 また、持ち家であれば、リフォームやリノベーションが自由にできます。引っ越しをしなくても、ライフスタイルの変化に応じて自分に合った住環境を整えられるのは、持ち家ならではのメリットといえるでしょう。 持ち家のデメリット 一方で、持ち家には以下のようなデメリットもあります。 災害リスクがある メンテナンス費用がかかる 簡単に引っ越しできない 持ち家は、地震や台風などで建物に被害を受けた場合、修繕費用を自身ですべて負担しなくてはなりません。修繕費用は保険金でまかなうことも可能ですが、被害の状況によっては、住める状態になるまで時間がかかります。また、設備は定期的なメンテナンス費用が発生します。 持ち家は、賃貸に比べて簡単に引っ越しができないのもデメリットです。体調が悪くなって高齢者向け住宅に移りたいと思っても、持ち家があると簡単には決断できないでしょう。 老後に資金が足りない場合の選択肢 老後に賃貸と持ち家のどちらで暮らすかは、ライフスタイルだけでなく、老後資金も考慮して選ぶことが大切です。賃貸ならメンテナンス費用がかからず、災害リスクを回避できますが、一生家賃を払い続けなくてはなりません。そのため、持ち家よりも多くの資金を準備する必要があります。 しかし、持ち家であれば老後資金が不足したとしても、自宅を売却してまとまった資金を手に入れることが可能です。また、売却以外にもリースバックを活用して資金調達できます。 リースバックを利用すれば、売却によってまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるので、老後に持ち家である時に発生するデメリットを回避できます。また、持ち家は相続争いが起こることもありますが、リースバックなら自宅の所有権がリースバック運営会社に移転するため、相続対策として活用できる側面もあります。 参考)相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 まとめ 老後に賃貸と持ち家のどちらで暮らすにしてもそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが合っているかはライフスタイルによって異なります。一方で、持ち家であれば、老後資金が足りない場合に自宅を活用して資金調達できる可能性がありほか、そもそも持ち家であるという安心感もあるでしょう。老後に賃貸と持ち家のどちらで暮らすかは、老後資金も考慮して選択しましょう。 リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編)

    リ・バース60の取り扱いを開始致しました。詳細はこちら 近年、60歳を過ぎて老後を迎えても、住宅ローンを完済していない人が増えています。定年後も働いて安定収入がある人や預貯金が十分にある人であれば、住宅ローンが残っていても問題なく生活できるかもしれません。 しかし、老後に十分な余裕がない場合、住宅ローンの返済は家計に大きな負担となります。そして、住宅ローンが残っている状況で老後資金を確保するには、不動産をうまく活用することが大切です。今回は、60歳以上の人が老後資金を確保するための住宅ローン返済術を紹介します。 住宅ローンの状況を整理する 不動産を利用して老後資金を確保するために、まずは住宅ローンの状況を整理しましょう。具体的には、以下の項目について確認します。 年齢(現在の年齢、完済予定年齢) 借入金額(現在の残債、当初の借入金額) 借入金利(変動金利の固定金利のどちらか) 返済期間(残返済期間、当初返済期間) これらの状況によって、とるべき解決策は変わってきます。退職希望年齢は、今のところの予定で問題ありません。その他の項目は、住宅ローンの返済予定表で確認できます。 不動産を利用して老後資金を確保する方法をケース別に紹介 住宅ローンや家計の状況などによって、最適な解決策は異なります。ここでは、4つのケース別に、不動産を利用した老後資金対策を紹介します。 ①住宅ローンの返済額が大きく、毎月の返済が厳しい 住宅ローンの返済が厳しい場合は、毎月の支払い額を抑えて返済負担を軽減することが大切です。具体的には、以下2つの解決策があります。 (1)リバース60 リバース60とは、住宅ローンの一種で満60歳以上の方向けの商品です。通常の住宅ローンとは違い、毎月の支払いは利息のみです。元金は債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 現在の住宅ローンをリバース60へ借り換えることで元金の返済義務がなくなり、毎月の返済が利息のみとなるので、毎月の支払い額を減らせます。ただし、元金は据え置きのため、支払いが生涯続くことになる点に注意が必要です。 参考)リバース60とは (2)リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックで賃貸に切り替えることで、住宅ローンの返済額と管理費や修繕積立金、固定資産税を併せた金額より家賃のほうが低くなれば、毎月の支払い額を減らせます。運営会社との相談にはなりますが、毎月の家賃は売却価格との調整が可能です。 参考)リースバックとは ②お金が必要となったが、預貯金がほとんどない 十分な預貯金がない場合、不動産(自宅)を担保とした借り入れを検討しましょう。ただし、住宅ローンの残債がある程度減っていることが条件となります。利用できるローン商品は以下2つです。 (1)不動産担保ローン 不動産担保ローンは文字通り、不動産を担保に借り入れができるローンです。無担保ローンよりも金利が低く、長期間の借り入れができるので、返済額を抑えながら必要な資金を確保できます。 不動産担保ローンは事務手数料や印紙代、登記費用などがかかりますが、借入金額と相殺されるため、手元資金を用意する必要はありません。一方で、万が一返済不能となった場合は不動産を失う可能性もあるので、無理のない返済計画を立てることが大切です。 参考)不動産担保ローンとは? (2)リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみで、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みとなっています。 不動産担保ローンと異なり、毎月の返済は利息のみなので、月々の支払いをさらに抑えることができます。ただし、元金は据え置きのため、借入額が増加するほど支払いが厳しくなり、返済期間が長期化する恐れがあります。 参考)リバースモーゲージのデメリットは?老後資金づくりの方法を紹介 ③住宅ローン完済の見通しが立たない 住宅ローン完済の見通しが立たない場合は、以下のサービスを利用して住宅ローンを完済し、少しずつ家計収支を改善していくのがおすすめです。 (1)リバース60 60歳を過ぎると通常の住宅ローンを組むのは難しくなりますが、リバース60は対象年齢が「満60歳以上」で、収入が公的年金のみでも利用できます。毎月の支払いは利息のみで済むので、毎月の返済額を抑えられるのもメリットです。借り入れた資金で住宅ローンを完済しながら、家計収支の改善が期待できます。 (2)リースバック 住宅ローンの返済が難しい場合は、自宅の売却を検討しなくてはなりません。リースバックなら、自宅を売却した資金で住宅ローンを完済した後も、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。今後も自宅に住み続けたいなら、リースバックも選択肢のひとつになるでしょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済事例 ここでは、老後資金を確保するために不動産を活用した事例を2つ紹介します。 事例①:住宅ローン+管理費の支払額が大きく、毎月の返済がつらい Aさんの住宅ローンの状況 年齢63歳(住宅ローン借入年齢40歳) 借入金額1,700万円(当初借入額4,000万円) 借入金利2.0% 返済期間12年(当初借入期間35年) 毎月返済15.7万円(ローン返済 + 管理費等) Aさんは、自宅マンションの購入で借りた住宅ローンの返済がまだ12年残っていますが、ローン返済と管理費の支払額が大きく、家計を圧迫しています。そこで、毎月の収支を改善するためにリースバックを利用しました。 Aさんのリースバック利用後の状況 年齢63歳 借入金額0円 家賃11万円 リースバックを利用したことで、住宅ローンを完済したうえで、手元資金300万円を確保しました。買取の金額は2,500万円まで可能とのことでしたが、毎月の支払いを抑えるために調整した結果、毎月の支払い額を4.7万円削減することができました。 事例②:急遽お金が必要となったが預貯金がほとんどない Bさんの住宅ローンの状況 年齢67歳(住宅ローン借入年齢35歳) 借入金額300万円(当初借入金額3,500万円) 借入金利2.0% 返済期間3年(当初借入期間35年) 毎月返済11.6万円 Bさんは急遽まとまったお金が必要になりましたが、預貯金がほとんどない状況です。住宅ローンの返済は残り3年で残債も少なくなっていたので、必要資金の借り入れと併せて、返済負担の大きい住宅ローンの完済のため、以下の条件で不動産担保ローンを借りることにしました。 Bさんの不動産担保ローン利用後の状況 年齢67歳 借入金額500万円 借入金利5.0% 返済期間10年 毎月返済5.3万円 自宅を担保に不動産担保ローンを利用することで、住宅ローンの完済費用と急遽必要となった資金を調達できました。また、返済期間を10年としたことで、毎月の返済金額を6.3万円削減することに成功しました。なお、諸費用は20万円程度かかりましたが、融資金で精算することで、持ち出しなく融資を受けることが出来ました。 まとめ 60歳を過ぎて住宅ローンの返済が残っていると、老後の生活費に不安を感じるかもしれません。しかし、不動産(自宅)をうまく利用すれば、毎月の支払額を減らしたり、まとまった資金を調達したりすることも可能です。不動産を利用した老後資金の確保を検討してみましょう。 不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンとは、不動産を担保にすることで、お金を借りることができるローンです。不動産を担保にするため、まとまった金額を低金利で借り入れることが可能です。一方で、万が一返済不能になった場...記事を読む リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む リ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 リ・バース60の取り扱いを開始致しました。詳細はこちら 老後生活への準備として住み替えやリフォームを検討する場合、まとまった資金が必要になります。手元の預貯金を生活費として残しておくために、...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編)

    住宅ローンの返済に追われて貯金する余裕がないと、老後に不安を感じるのではないでしょうか。さらに、自宅の住み替えを予定している場合は、より多くの資金を準備しなくてはなりません。現在の年齢が60代未満であれば、老後を迎えるまで一定の期間があるので、今のうちに住宅ローンを見直し、計画的に返済していけば、老後資金を確保することは十分に可能です。そこで今回は、60代未満の人が老後資金を確保するための住宅ローンの返済方法をパターン別に紹介します。 まずは住宅ローンの現状を整理する 住宅ローンを返済しながら老後資金を確保するために、まずは返済している住宅ローンの現状を整理することから始めましょう。具体的には、以下の項目について確認しておくことが大切です。 年齢(現在の年齢、完済予定年齢、退職希望年齢) 借入金額(当初の借入金額、現在の残債) 借入金利(変動金利の固定金利のどちらか) 返済期間(当初の借入期間、残りの返済期間) 余裕資金があるか 毎月の収支に余裕があるか これらの状況によって、最適な返済方法は変わってきます。金利や残返済期間、余裕資金があるかどうかによって、「借り換えを検討するか」「繰り上げ返済をするか」といった判断材料となるので、紙やテキストファイルに書き出して整理しておきましょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済方法をケース別に紹介 住宅ローンの金利や残りの返済期間、返済年齢、退職希望年齢などによって、最適な返済方法は異なります。ここでは、4つのケースについて、住宅ローンをどのように返済すべきかを説明します。 ①現在の借入金利が高く、残りの返済期間が長い場合 現在の住宅ローン金利が高く、返済期間が長く残っている場合は、住み替えの予定の有無によって対応が変わります。 住み替えの予定がない場合は、新たな住宅ローンに借り換えるのがおすすめです。借り換えによって金利が下がれば、月々の返済額や総返済額を減らせるので、結果として老後資金を確保しやすくなります。また、借り換え時に返済条件を変更して返済期間を短くすれば、完済時期を早めることも可能です。 一方、住み替えの予定がある場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。住み替えの際には、現在所有している不動産を売却する費用に加え、新しく購入する不動産を購入する費用など多くの資金が必要となります。そのため、住宅ローンの返済を続けながら、余剰資金は住み替え予定の物件購入の頭金のために貯金しておくといいでしょう。 ②現在の借入金利が高く、残りの返済期間が短い場合 現在の住宅ローン金利が高く、残りの返済期間が短い場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。手元資金に余裕があると、繰り上げ返済を検討するかもしれませんが、残債が少ないにも関わらず繰り上げ返済をしても、利息軽減効果はそれほど期待できません。そのままローン返済を続けながら、老後のために余剰資金を貯金に回すといいでしょう。 ③現在の借入金利が低く、残りの返済期間が長い場合 現在の住宅ローン金利が低く、残りの返済期間が長い場合は、退職希望年齢と住宅ローンの完済時年齢によって対応が変わります。 完済時年齢が退職希望年齢より遅い場合(退職希望年齢<完済年齢)、手元資金に余裕があるなら期間短縮型の繰り上げ返済がおすすめです。期間短縮型とは、毎月の返済額は変わりませんが、残りの返済期間が短くなる繰り上げ返済方法です。繰り上げ返済によって、短縮された期間の支払利息が減るので、総返済額を減らしながら完済までの期間を早めることができます。しかし、余裕資金がなければそのまま返済を続け、余剰資金ができたタイミングで繰り上げ返済を検討しましょう。 一方で、完済年齢が退職希望年齢より早い場合(退職希望年齢>完済年齢)は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。住宅ローンは各種ローンの中でも金利が低いため、繰り上げ返済をしたとしても効果がほとんどないこともあります。予定通り返済を続ければ、退職時に住宅ローンを完済できるゆとりがある状態なので、住宅ローンについては特に手当てが必要ないでしょう。 ④現在の借入金利が低く、残りの返済期間が短い場合 現在の住宅ローン金利が低く、残りの返済期間が短い場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。すでに金利が低く、残債も少ないので、繰り上げ返済や借り換えを検討する必要性は低いでしょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済事例 ここでは、住宅ローンの返済方法の見直し事例を2つ紹介します。 事例①:住み替えの予定がないので、住宅ローンの借り換えを実行 Aさんの住宅ローンの状況 年齢45歳 借入金額3,000万円(残2,000万円) 借入金利2% 返済期間30年(残18年) Aさんは住み替えを予定していないため、より多くの老後資金を確保するために住宅ローンの借り換えを行いました。3,000万円を金利2%(期間30年)で借りて12年間返済してきており、残債は約2,000万円、残りの返済期間は18年です。この状況で、2,000万円を金利1%(期間18年)の条件で借り換えるときの効果は以下の通りです。 毎月の返済額:約11万円→約10万円(約1万円減) 総返済額:約2,360万円→約2,190万円(約170万円減)※手数料は考慮外 現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を約170万円減らすことができました。 事例②:退職前の住宅ローン完済を目指して繰り上げ返済を実行 Bさんの住宅ローンの状況 年齢52歳 借入金額4,000万円(残2,300万円) 借入金利2% 返済期間30年(残15年) 住宅ローンを返済中のBさんは、このままでは65歳の退職希望年齢後も返済が続くため、退職前のローン完済を目指して期間短縮型の繰り上げ返済を行いました。4,000万円を金利2%(期間30年)で借りた住宅ローンについて、16年1ヵ月目に500万円を期間短縮型で繰り上げ返済したときの効果は以下の通りです。 借入期間:30年→26年5ヵ月(3年7ヵ月短縮) 総返済額:約5,330万円→約5,190万円(約140万円減)※手数料は考慮外 繰り上げ返済によって借入期間を約3年半短縮でき、総返済額を約140万円減らすことができました。 まとめ 住宅ローンの現状を整理し、計画的に返済していけば、ローン返済を続けながら老後資金を確保できます。60代未満の人は、老後までの時間が残されているうちに住宅ローンの見直しを行ってみてはいかがでしょうか。 老後の生活に84%が不安!貯蓄の目安、老後資金はいくら必要? 人生100年時代、長くなる老後期に備えて、老後資金はいくら用意しておけばいいのでしょうか。実際に高齢者はどのように老後資金を捻出しているのかについてもデータを見てみましょう。また、マイホーム...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • リ・バース60とは?メリット・デメリットを解説

    リ・バース60の取り扱いを開始致しました。詳細はこちら 老後生活への準備として住み替えやリフォームを検討する場合、まとまった資金が必要になります。手元の預貯金を生活費として残しておくために、住宅ローンやリフォームローンを検討するかもしれません。しかし、融資を受ける場合には収入や年齢などの融資条件があるため、高齢の方が新たな融資を受けるのは難しいのが現状です。 そんな時に「リ・バース60」という高齢者向けの住宅ローンであれば、満60歳以上の方でも借り入れが可能です。ただし、リ・バース60は通常の住宅ローンとは仕組みが異なり、デメリットもあるので、申し込む前に特徴を理解しておくことが大切です。 今回は、リ・バース60の仕組みやメリット・デメリット、利用事例について説明します。 リ・バース60とは? リ・バース60とは、住宅ローンの一種で満60歳以上の方向けの商品です。通常の住宅ローンでは元金と利息を毎月返済しますが、リ・バース60の毎月の支払いは利息のみです。元金の支払いは、債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 リ・バース60はあくまでも住宅ローンの一種であるため、資金使途は住宅の購入・建築、リフォーム、住宅ローンの借換などに限定されています。ただし、取扱金融機関によって利用可能年齢や資金使途、融資限度額は異なるため、詳細は金融機関に確認する必要があります。 リ・バース60のメリット リ・バース60には以下3つのメリットがあります。 返済が利息のみで月々の返済負担が小さい 通常の住宅ローンでは、元金と利息を毎月返済します。現役時代のように安定した労働収入があれば、問題なく返済できるでしょう。しかし、給与収入がない老後生活において、元金と利息を毎月返済するのは負担が大きいのではないでしょうか。 リ・バース60は利息のみを返済する仕組みなので、月々の返済負担が小さいのがメリットです。据え置いている元金の返済は、債務者が亡くなった際に担保不動産の売却か現金一括返済のどちらかを選択できます。 また、連帯債務で借り入れをする場合は、主債務者が亡くなった後も、連帯債務者はそのまま自宅に住み続けられます。たとえば、主債務者である夫が亡くなっても、連帯債務者の妻は利息を払い続けることで自宅に住み続けることが可能です。 ノンリコース商品を選択できる リ・バース60は「ノンリコース型」と「リコース型」の2種類があり、どちらかを選択できます。それぞれの特徴は以下の通りです。 ノンリコース型:相続人は残った債務の返済義務なし リコース型:相続人は残った債務の返済義務あり ノンリコース型を選択すれば、担保不動産の価値が下がり、不動産の売却代金が元金に満たなくなってしまった場合でも、相続人は残った債務を返済する必要がありません。ただし、ノンリコース型は、リコース型に比べて適用金利が高くなることがあるので注意が必要です。 高齢者でも借り入れができる 一般的な住宅ローンは安定収入が求められ、年齢制限も設けられているため、高齢になると借りるのは難しくなります。しかし、リ・バース60は対象年齢が「満60歳以上」となっているので、住宅ローンを借りるのが難しい高齢の方でも融資を受けられます。また、借入時の年齢に上限がなく、収入が公的年金のみでも利用可能です。 リ・バース60のデメリット リ・バース60には、以下のようなデメリットもあります。 借入限度額は担保評価額の50~60%程度 リ・バース60の借入限度額は、担保評価額の50~60%程度となっています。そのため、住宅の新規購入・建築資金を借り入れする場合、購入不動産の50%程度の頭金が必要です。ただし、今まで住んでいた住宅を担保にして融資を受けたり、売却して不動産購入資金に充てたりすることで、必ずしも頭金が50%程度必要とは限りません。 また、リフォーム資金や住宅ローンの借換のために、現在の自宅を担保としてリ・バース60を利用する場合は、住宅ローンの残債が担保評価の50%程度残ってしまっている場合には、担保不動産の評価不足により融資を受けられない可能性があります。 元金が減らない(返済が終わらない) リ・バース60は毎月の返済が利息のみであるため、返済負担は小さくなります。しかし、元金を繰上返済しない限り、返済はずっと続きます。つまり、長生きすればするほど利息の総支払額は増えていくので、返済期間が長期化すれば、利息の総支払額が膨大な金額になってしまう可能性もあります。そのため、返済シミュレーションを行い、利用するかを判断すると同時に、しっかりとした返済計画を立てることが大切です。 金利変動リスクがある リ・バース60は、利用した商品が変動金利の場合は適用金利が定期的に見直されます。適用金利が変更されると、毎月の支払額も変わります。現在は低金利が続いているので問題がないとしても、今後市場金利が上昇することがあれば、月々の返済額が想定外に増えて支払いが困難になってしまうかもしれません。リ・バース60を変動金利で利用するなら、金利が上昇したとしても一定のゆとりがあるようにしておく必要があります。 リ・バース60の利用事例 リ・バース60には以下のような利用事例があります。 老朽化した自宅のリフォーム資金 自宅の老朽化によって設備が古くなると、徐々に使い勝手が悪くなったり、設備の入替が必要になったりします。健康状態によってはバリアフリー対応も必要です。そんな時に収入が公的年金のみの場合など、たとえ預貯金はあっても、リフォームでまとまったお金を使うことに不安を感じるのではないでしょうか。リ・バース60なら手元資金を確保できるのはもちろん、毎月の返済は利息のみで済むので、毎月の返済負担が少ない上、預貯金を残しながらリフォームができます。 残債の残っている住宅ローンの借り換え 高齢になってから住宅ローンの残債がある場合、安定した労働収入がないと毎月の返済が苦しくなってきます。予定通り返済ができなければ、最悪の場合は自宅を手放すことになりかねません。しかし、残債が一定金額減っている状態であれば、リ・バース60で住宅ローンの借換を行うことができ、借換によって毎月の支払いが利息のみとなるので、返済負担を軽減できます。 新居への住み替え資金 子供が独立して一緒に住まなくなると、夫婦二人の暮らしに合った広さの家への転居を検討するのではないでしょうか。しかし、高齢になってから住宅ローンを借りるのは難しく、とはいえ、今後の生活のために預貯金も一部残しておきたいところです。リ・バース60なら、一定の頭金は必要ですが、高齢の夫婦でも住み替え資金を借りることができ、毎月の返済負担も小さく済みます。 まとめ リ・バース60は、満60歳以上の方でも借り入れができ、毎月の支払額が利息のみで済むのがメリットです。ただし、融資限度額は担保評価額の50~60%程度なので、ある程度の頭金を用意する必要はあります。この記事で紹介したメリット・デメリットを比較して、リ・バース60を利用するかどうか検討してみてください。 参考) 【リ・バース60】:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編) リ・バース60の取り扱いを開始致しました。詳細はこちら 近年、60歳を過ぎて老後を迎えても、住宅ローンを完済していない人が増えています。定年後も働いて安定収入がある人や預貯金が十分にある人で...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • リバースモーゲージとは?メリット・デメリットや老後資金づくりの方法を紹介

    リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受けられる高齢者向けのローン商品です。高齢化によって老後の期間が長くなっていることから、老後資金を作る方法のひとつとして注目されています。リバースモーゲージは同じ家に住み続けながら老後資金を準備できますが、デメリットもあるため、仕組みを理解したうえで利用することが大切です。今回はリバースモーゲージの特徴やメリット・デメリット等について解説します。 リバースモーゲージとは リバースモーゲージは、自宅を担保に老後資金の融資を受けますが、毎月の支払いは利子のみで、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みです。自宅に住み続けながら資金調達できるので、老後資金対策として検討する方が増えています。リバースモーゲージを利用するためには、年齢や年収、家族の同居、資金使途などに一定の制限があります。債務者に配偶者が居り、債務者が先に亡くなってしまった場合でも、自宅をすぐに売却しなければならないわけではなく、配偶者は契約を引き継ぐことで、債務者が死亡した後も引き続き自宅に住むことができます。 リバースモーゲージのメリット リバースモーゲージのメリットは以下2つです。 自宅に住み続けながら資金を調達できる 自宅を活用して資金調達する場合、まずは売却を検討するのではないでしょうか。自宅を売却すればまとまった資金が手に入るかもしれませんが、売却後は別の住居を確保しなくてはなりません。しかし、高齢で賃貸住宅の契約が難しいことや、慣れ親しんだ自宅に住み続けたいなどの理由から、引っ越しを避けたい方は多いでしょう。リバースモーゲージは自宅を担保に融資を受けられるので、自宅に住み続けながら老後資金を準備できます。 毎月の支払いが利子のみで返済負担が少ない リバースモーゲージは、債務者の死亡後に自宅を売却して元金を返済する仕組みになっています。元金の返済は死亡時まで猶予され、毎月の支払いは利子だけで済むので、返済負担が少ないのがメリットです。リバースモーゲージを利用すれば、月々の収入がそれほど多くない方でも家計のやりくりが楽になります。 リバースモーゲージのデメリット リバースモーゲージには先ほど紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。 融資条件が厳しい リバースモーゲージは、融資条件が厳しいのがデメリットのひとつです。資金使途が限定されていることがほとんどですし、対象不動産については対象地域が狭く、首都圏を中心とする大都市の物件に限定されることが多くなっています。また、債務者の死亡後に自宅を売却して元金を返済するという仕組みのため、推定相続人の同意が必要です。リバースモーゲージを検討する場合は、融資条件を満たすかどうかを確認すると同時に、推定相続人の同意が取れるか確認しましょう。 元金が減らない メリットのところで記載しましたが、リバースモーゲージでは返済が利子だけで済むので、毎月の返済を抑えることが出来ます。しかし、これは裏を返せば借入の増加や、返済期間が長期化するほど返済負担が多くなっていきます。また、返済が難しくなっても限度額の範囲であれば追加融資を受けられますが、借入のたびに元金は膨らむこととなるので注意が必要です。 不動産評価の下落リスク リバースモーゲージの融資金額は、担保評価額の半分程度までが一般的です。担保評価額は毎年見直されるため、急な地価下落などで担保評価額が下がる可能性もあります。この担保評価額の見直しによっては、既に借入をしている元金が融資限度額を超えてしまい、返済を求められることもあるので注意が必要です。 金利変動リスク リバースモーゲージは変動金利のため、金利変動リスクがあります。借入中に適用金利が上昇すると、毎月の利子支払額が増えてしまうかもしれません。そのため、リバースモーゲージを利用する場合は、金利上昇に備えて余裕を持った資金計画を立てておくことが大切です。 リバースモーゲージ以外に老後資金を作る方法 リバースモーゲージは上記のようなメリットやデメリットがあるので、条件によっては、自宅に住み続けながら老後資金を作るほかの方法として「不動産担保ローン」と「リースバック」の方が適している可能性があります。 不動産担保ローン 不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を担保に融資を受けるローンです。不動産を担保とする点では、リバースモーゲージと仕組みは同じです。 不動産担保ローンはリバースモーゲージとは異なり、返済方式が元利均等返済となっており、不動産売却による完済ではなく、返済による完済を前提にしています。そのため、相続で子供に不動産を残したい場合など、将来的に不動産売却をするつもりがないケースでは、リバースモーゲージよりも不動産担保ローンの方が適しているといえるでしょう。 一方で、不動産担保ローンでは、ローン完済時の年齢制限がありますので、利用を検討する場合には、金融機関ごとの融資条件を確認しましょう。 リースバック リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却後、その会社と賃貸借契約を締結することで自宅に住み続けられるサービスです。リバースモーゲージとリースバックはよく比較されますが、その仕組みは大きく異なります。リバースモーゲージが自宅を担保に融資を受けるのに対し、リースバックは自宅の売却によって資金調達したうえで賃貸として住み続けます。 リースバックの売却価額は市場価額より低くなりますが、「年齢制限や年収基準なし」「資金使途は原則自由」など、融資条件の面でリバースモーゲージのデメリットを解消できます。ただし、売却後も自宅にずっと住み続けられるかどうかは、賃貸借契約がポイントとなります。賃貸契約期間が定められている「定期借家契約」の場合、再契約できずに引っ越しが必要になる可能性があるので契約内容には注意が必要です。 リバースモーゲージのよくあるご質問 リバースモーゲージのよくあるご質問は以下の通りです。 住宅ローンが残っている不動産を担保にすることはできますか? 担保とする不動産に住宅ローンが残っている場合であっても、融資を受けられる可能性があります。ただし、借入資金によって既存の住宅ローンを返済することが条件となります。残債が一定金額減っている状態であれば、リバースモーゲージで住宅ローンの借り換えを行うことができ、借り換えによって毎月の支払いが利息のみとなるので、返済負担を軽減できます。 マンションを担保に融資を受けることはできますか? マンションを担保にする場合、対象となる物件に条件があり、立地が悪いマンションや築年数の古いマンションは対象外になることが多いようです。また、金融機関によってはマンションを対象外としている場合もあります。マンションを担保にリバースモーゲージの利用を検討している場合は、事前に問い合わせをしてみましょう。 生活保護を受けているが、融資を受けることはできますか? 生活保護を受けている場合、一般的に融資を断られる可能性が高いです。しかし、収入等の一定の条件を満たすことで融資を受けられる可能性もあります。条件は金融機関によって異なるため、問い合わせをしてみましょう。 まとめ ここまで紹介したように、自宅を活用して老後資金を作るには、リバースモーゲージの他に不動産担保ローン、リースバックといった方法があります。ご自身の状況によって最善の選択肢は変わってくるので、それぞれの仕組みやメリット・デメリットを理解したうえで計画的に資金調達をしましょう。 不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンとは、不動産を担保にすることで、お金を借りることができるローンです。不動産を担保にするため、まとまった金額を低金利で借り入れることが可能です。一方で、万が一返済不能になった場...記事を読む リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後の生活に84%が不安!貯蓄の目安、老後資金はいくら必要?

    人生100年時代、長くなる老後期に備えて、老後資金はいくら用意しておけばいいのでしょうか。実際に高齢者はどのように老後資金を捻出しているのかについてもデータを見てみましょう。また、マイホームが老後生活の最後の砦になるかもしれないことも知っておきましょう。 老後は長くなっている 何歳から「老後」と呼ぶのかによっても異なりますが、平均寿命や平均余命は年々伸びています。平均余命とは「あと何年生きられるか」の平均年数で、生まれたばかりの0歳の子の平均余命が平均寿命です。 平成30年「簡易生命表」によると、平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳と前年よりもやや高くなっています。平均余命も、65歳で男性19.70年、女性24.50年、80歳で男性9.06年、女性11.91年で、やはり前年を上回っています。 また、95歳まで生きる確率は、男性で10人に1人弱(9.6%)、女性で4人に1人強(26.0%)です。毎年じわじわと長寿化が進んでいることから、いわゆる「人生100年時代」も意識しておく必要があります。 参考)厚生労働省 「平成30年簡易生命表の概況」 年金はいくらもらえる? 年金がいくらもらえるかは、加入していた年金制度や加入期間、厚生年金であれば給与額によっても異なります。 まずは、平均額で見てみましょう。65歳以上の受給者の平均額は下表のようになっています。会社員・公務員の男性で約17.1万円、女性は約10.9万円です。国民年金だけの自営業や専業主婦の平均額は5.6万円です。 表)年金の平均受給額 年金 性別 平均月額(円) 国民年金+厚生年金 (会社員・公務員)男性171,305 女性108,813 国民年金のみ (自営業や専業主婦など)男性・女性56,049 厚生労働省「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 」より筆者作成 国民年金(老齢基礎年金)については、保険料の納付月数で支給額が決まります。20歳から60歳まで、40年間(480ヵ月)保険料を納めれば、満額で月65,075円(2021年度)を受け取ることができます。 老齢基礎年金額(月額) = 780,900円* × 保険料納付済月数 ÷ 480ヵ月(加入可能月数) ÷ 12ヵ月 ※2021年度 ※一部免除や全額免除を受けた月数に応じて加算あり 自分が受け取れる年金額について把握する最も良い方法としては、誕生月に毎年届く、ねんきん定期便を確認することです。 【50歳未満】 これまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。 出典:日本年金機構サイト より 【50歳以上】 現在の収入水準が60歳まで続いた場合の、受取り見込み額が記載されています。 出典:日本年金機構サイト より また、ねんきん定期便に記載されているアクセスキーを利用して日本年金機構の「ねんきんネット」にアクセスすれば、最新の年金情報等を確認することができます。 なお、年金受取開始は原則65歳ですが、これを早くしたり(繰上げ)、遅くしたり(繰下げ)することもできます。受給額がどれくらい変わるのかなどの試算も、ねんきんネットで行うことができます。現在、70歳雇用が企業の努力義務になっていることから、70歳まで働く人も増えると思われます。ちなみに、老齢厚生年金の繰下げ時の増額率は、<繰下げ月数×0.7%(0.007)>(最大42%)です。 「老後が不安」というデータも 生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」によると、8割超(84.4%)の人が自分の老後に「不安感あり」と答えています。しかも、「非常に不安を感じる」という人が2割弱(19.0%)もいます。 不安を感じる理由としては、次のようなものが上位を占めます(複数回答)。 「公的年金だけでは不十分」82.8% 「日常生活に支障が出る」57.4% 「退職金や企業年金だけでは不十分」38.8% 「自助努力による準備が不足する」38.5% 「仕事が確保できない」31.6% また、社会的にも、団塊世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年には、4人に1人が75歳以上となる見込みです。少子化も進み、高齢者を支える現役世代とのバランスが崩れつつあります。2012年は65歳以上1人を2.4人で支える「騎馬戦型」だったものが、2050年には1.2人で支える「肩車型」になります。 このひずみは社会保障を直撃します。公的年金の削減や、医療・介護の保険料アップ、サービスを受けるときの負担増といった形で、すでにじわじわと現れ始めています。 参考)生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」【PDF】 年金だけでは足りない老後資金 老後資金は、定年などで仕事を辞めてからの人生を全うするための、生活を支えるために必要な資金です。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」によると、「年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」は、2人以上世帯で1,974万円、単身世帯で1,909万円でした。ほぼ2,000万円となっています。 参考)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」 数年前、大きな話題になった「老後資金2,000万円問題」を覚えているでしょうか。金融審議会「市場ワーキング・グループ」による試算が曲解され、「2,000万円ないと老後は安心して暮らせないのか」といわゆる炎上のようになりました。 2,000万円という金額は、総務省「家計調査」の全国平均データから計算したものです。夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯では、毎月約5.5万円の不足が生じることから、20~30年間の不足額が約1,320万~1,980万円になるという単純な試算です。 もちろん、年金の範囲で暮らしている人もいるし、不足額は人によって異なりますので、全員が「2,000万円ないと老後資金が不足する」ということではないかもしれません。逆にいえば、人によっては、「2,000万円でも不足する」という人もいます(具体的な老後の生活費については次項)。一般論や平均額がどうあれ、自分にとっての老後資金を把握しておけばいいのです。 FPの立場で言うなら、人生100年時代と言われ平均寿命が延び続ける中で、生活費の不足分も膨らむ傾向にあります。また、退職金のない企業が増え、退職金そのものの金額の低下もあるほか、公的年金も徐々に引き下げられることになっています。さらに、生活費以外にも、医療・介護の予備費や、ライフイベントごとにかかる費用も必要で(後述)、それなりに老後資金の準備は必要だと思います。老後の生活をどう送りたいかにもよりますが、目安額としては、「夫婦で3,000万円」「おひとり様は2,400万円」などと筆者は相談の際に伝えています。 老後に本当に必要な生活費の目安 老後に必要な生活費の目安を見ておきましょう。前述の「老後資金2000万円問題」でも計算の際に活用されたのが、総務省「家計調査」の高齢無職世帯の家計(夫65歳以上、妻60歳以上)です。 2019年のデータで見ると、毎月の支出の内訳は下記の通りで、消費支出のほか税金・社会保険料を含め、夫婦無職世帯で27.1万円、単身無職世帯で15.2万円となっています。毎月の実収入はそれぞれ23.8万円、12.5万円で、毎月の不足額の平均が、夫婦無職世帯で3.3万円、単身無職世帯で2.7万円です。 30年分の累計額を計算すると、夫婦無職世帯では1188万円(=3.3万円×12ヵ月×30年)、単身無職世帯で972万円となっています。 ただ、家計調査の支出を眺めてみると、住居費がかなり少ないことに気が付きます。これは、高齢世帯の多くが持ち家であること背景にあると考えられます。持ち家であれば住居費がほとんどかからなくなっていることから平均額としてかなり低くなっています。また、「消費支出」のため、住宅ローン返済分(平均月数千円ですが)が含まれていないことも低めになっている原因です。 生涯賃貸の世帯や、住宅ローン返済が高齢になっても続くような世帯では、現実には住居費に平均とのギャップがある点も考慮しないといけません。また、持ち家のマンションの場合、管理費・修繕積立金で月2万~3万円、固定資産税が年数万~十数万円かかれば、住宅ローンが終わった後も、平均額を超えます。他の費目も、自分の老後の生活費と比べて極端に差がでないか確認してみる必要があるでしょう。 表 高齢無職世帯の家計(単位:円) 消費支出・その他 夫婦無職世帯 (夫65歳以上、妻60歳以上) 単身無職世帯 (65歳以上) 食費66,45835,883 住居費13,62512,916 水道光熱費19,98313,055 家具・家事用品費10,1005,681 被服・履物費6,0653,659 保健医療費15,7598,445 交通・通信費28,32813,117 教育・教養娯楽費24,82416,596 その他(交際費、雑費等)*54,80430,387 税・社会保険料30,98212,061 支出合計270,928151,800 実収入237,659124,710 収支▲33,269▲27,090 ※端数処理の誤差の調整をその他で行っている (総務省「家計調査」2019年 ) なお、生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」によると、夫婦2人で老後生活を送るうえで「ゆとりある老後生活費」がいくらあればいいかについて聞いた回答(対象:18~69歳)の平均額は月36.1万円です。老後資金に「旅行やレジャー」「趣味や教養」「日常生活費の充実」などが上乗せされた金額です。 この36.1万円と家計調査の実収入を比べてみると、月12.3万円のマイナスであり、30年の累計では月4,428万円のマイナスとなってしまいます。これを実現するには、公的年金や企業年金が手厚いか、老後資金を手厚く準備することが必要です。 老後の生活費以外の目安 老後には、生活費以外にもさまざまなライフイベント費がかかります。例えば、次のようなものです。 <老後のライフイベント費> 住宅のリフォーム費や建替え費 マイカー買替え費用 家具・家電の買替え費用 旅行・レジャー費 趣味・教養費 交際費・慶弔費 医療費・介護費(予備費) 葬儀費用 この中で具体的に見積もるのが難しいのが、医療費・介護費でしょう。いくらかかるかが不明なこれらの支出については、予備費という形で準備することをお勧めします。 医療費に関しては適切なデータがないのですが、介護に関しては、平均額は在宅・施設混合のデータで494万円(一時費用69.0万円、毎月7.8万円、要介護期間54.5カ月。生命保険文化センター「生命保険に関する実態調査 平成30年」)です。有料老人ホーム等への入所を考えている場合はさらに費用がかかります。なお、在宅介護だけに限ると311万円(一時費用67.2万円、毎月4.6万円、要介護期間53.1ヵ月)となります。 医療費も介護費も収入に応じて負担が変わるようになっているものの、負担軽減の仕組みもあります。特別な支出を見込まない場合は、医療・介護の予備費として1人300万~500万円を目安に準備するといいでしょう。 老後のライフイベント費を書き出してみると、日常の生活費以外にもまとまった資金が必要になることがわかります。 本来的な老後資金は、こうした費用も見積もったうえで準備をする必要があります。次のように計算します。 老後資金=(年金予想額-老後の月生活費)×(100歳-働く年齢)+ライフイベント費 ※夫婦2人分で試算する場合は年金やライフイベント費を合算するようにしましょう 当然ながら、公的年金の範囲で暮らすようにすれば、ライフイベント費を見込む程度で済みます。しかし、公的年金でもらえる額は大幅に減りますので、それが本当に可能かどうかを現在の生活水準と比べて確認しておく必要もあります。 老後資金を作るには? 老後における生活資金源はどうなっているかも見ておきましょう。 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」によると、60代では、多い順に「公的年金」、「就業」、「企業年金、個人年金、保険金」、「金融資産の取り崩し」となっています。2人以上世帯では半数弱、単身世帯では3人に1人強の人が働いています。 70歳以上は2人以上世帯しかデータがないのですが、60代と少し違い、「公的年金」、「金融資産の取り崩し」、「企業年金、個人年金、保険金」、「就業」と続きます。70歳以上でも5人に1人は働いています。 表 老後における生活資金源(複数回答)(単位:%) 年代 60代 70歳以上 世帯 2人以上 単身 2人以上 公的年金 86.8 78.1 89.9 就業 45.8 36.0 20.1 企業年金、個人年金、保険金 37.1 32.0 26.1 金融資産の取り崩し 30.2 27.5 26.9 利子配当所得 2.6 10.0 4.2 不動産収入 7.6 4.8 8.4 子供などからの援助 4.3 1.7 5.5 公的援助 3.6 10.2 4.3 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」より作成  ※70歳以上は単身世帯のデータなし 老後資金不足に気づいたら、公的年金や職場の企業年金などのほか、いくつかの方法で準備をすることができます。 働く期間を延ばす そのためにも健康維持を心掛け、定年後も働きやすいように資格を取っておく。 自分年金づくりをする iDeCo(個人型確定拠出年金)や、NISA(少額投資非課税制度。つみたてNISAまたは一般NISA)口座を活用しての投資、個人年金保険、個人向け国債、不動産投資など。優先的に活用すべきものとして、長期で積立投資を行い、節税効果のあるiDeCoや、つみたてNISAが挙げられます。この2つを比較したのが下表。 負債を減らす 住宅ローンなど負債を減らすことも老後資金対策の1つ。できるだけ定年までに住宅ローンを完済し、退職金を住宅ローンの返済に回さないようにしたいもの。 表 iDeCoとつみたてNISA 種類 iDeCo つみたてNISA 目的老後資金自由 対象年齢20~60歳未満20~60歳未満 非課税投資枠職業などにより年14.4万~81.6万円年40万円 非課税期間60歳まで(積立期間)最長20年間 対象商品元本確保型商品(預金・保険等)と投資信託長期投資に向く投資信託等 途中引出し原則60歳まで不可いつでも可能 掛金の所得控除ありなし 受取時の課税優遇あり非課税 ※筆者作成 老後資金の“最後の砦”が不動産活用   前述の老後資金の目標額には、実は不動産の資産価値は含まれていません。持ち家の人は金融資産だけでなく、「不動産」という資産もあるわけです。そして、この不動産が老後資金の“最後の砦”になる可能性も秘めています。 老後資金、特に介護資金などで不動産を活用する方法には次のようなものがあります。不動産の立地や評価額によって、利用できない場合もあります。 リバースモーゲージを利用する 「リバースモーゲージ」とは、自宅に住み続けながら、自宅を担保に毎月の生活費を借りる仕組みです。一時金や、枠内で自由に借りるタイプもあります。首都圏に限定されていることが多く、一定評価額以上の戸建てが中心。また、条件として相続人全員の同意や連帯保証人を求められることもあります。 リースバックを利用する 「リースバック」とは、自宅をリースバック会社に売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料を支払って自宅に住み続ける仕組みです。売却代金は一時金で受け取れます。物件は主要都市に限られ、最低価額が設けられていることもあります。引っ越しをせずに住み続けられる点が大きな特徴。リースバック会社によって条件などが異なります。 不動産担保ローンで借りる 不動産担保ローンとは、不動産を担保にお金を借りることです。戸建て、マンションとも対象ですが、主要都市に限る金融機関が多いようです。金融機関によっては本人名義の物件だけでなく、配偶者や親名義でも担保にできるところもあります。比較的低金利で借りられます。 自宅を売却する 自宅を売却することで有料老人ホームの入居金に充てる、老後資金の不足分を補うなど、売却代金を活用できます。売却後の住まいがない場合は、住まいをどうするかという問題が残ります。 賃貸に出す 自宅を賃貸に出すことで、収入を得ることもできます。リフォーム費用などをかけても、空室リスクがある点に注意。また、こちらも売却する場合と同様に、住まいをどうするかという問題が残ります。 老後への備えとして、わが家の住まいを点検し、将来、どのような活用の選択肢が使えるのか、あるいは使えないのかなども知っておくといいでしょう。それも老後資金準備の一環と言えます。 不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンとは、不動産を担保にすることで、お金を借りることができるローンです。不動産を担保にするため、まとまった金額を低金利で借り入れることが可能です。一方で、万が一返済不能になった場...記事を読む 住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? 50代になると、子どもの教育費もピークを迎えます。また、親も70代を超え、入院したり、介護が必要になったりすることも。あるいは、不動産投資や事業を始める資金が必要になるケースもあるかもしれま...記事を読む 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。

    2020.05.01老後資金
  • 急な医療・介護費用の資金調達!リースバックでもしもに備える!

    リースバックの概要についてはこちら 親の医療費や介護費用が、ご自身の家族の教育費などと重なって、ダブルパンチになる世代が増えています。高齢の親の入院など急な連絡をもらっても慌てずに対処できるよう、お金の調達の選択肢を増やしておくことはとても重要でしょう。 今回は、急な入院や介護費用を心配するアラフィフ世代からみた、親の医療費や介護費用、その長期化を視野にいれた資金調達の手段についてご紹介します。 [ご相談者 Kさん] 51歳 男性。妻と子供3人。子は大学2年生、高校3年生、高校1年生 父は既に他界していて、82歳の母が地方の実家で一人暮らし。 母が転んで骨折し、入院。どうやら介護も必要な様子。 自分はこれから教育費がピークを控えているので、母の医療費や介護の費用などは、母の財産で捻出できたらと思っている。 (1)母入院の急な連絡、医療費や介護費用含めたお金が心配 Kさん:先日、母が入院したと連絡があり、ビックリしました。転んで骨折したらしいのですが、歳も歳なので、介護が必要になりそうで、お金もどうなるかとても不安です。 FP吹田:それはお母様も、付き添う人も大変ですね。入院期間はどのくらいかかりそうなのですか? Kさん:3~4カ月はかかるらしいです。まず医療費が気になりますね。自分も姉も、ちょうど子供の大学などお金がかかるピークなんですよ。 FP吹田:皆さんお子さんの教育費とダブルで気がかりなのですね。お母様の医療費は、後期高齢者医療制度で、健康保険の適用範囲内なら高額療養費制度を利用することで1カ月一定額までの負担になるようになっています。お母様が年金収入のみとして、課税所得145万円未満の一般世帯なら、入院と外来で1カ月に57,600円が上限と言われています。 Kさん:1か月に約6万円ですか。介護の費用がかかり始めたら、更にですよね。 FP吹田:はい、医療と介護と両方お金がかかることに対しては、高額介護合算療養費という制度で上限が設定されています。詳細は自治体に確認していただくことになりますが、東京都の場合、後期高齢者医療制度+介護保険制度を合わせて、所得が一般世帯なら自己負担も年額56万円までとなっています。 (参考:http://www.tokyo-ikiiki.net/easynavi/kyufu/1000526.html) Kさん:なるほど。医療と介護を合わせた上限ですね。母の住む市町村に問い合わせてみます。ただ、実際には、移動や付き添う交通費もかかるし、母のことがいつまで続くのか、先が見えないんですよね。公的な貸付制度ってなかったでしょうか? FP吹田:はい、先ほどの高額療養費の範囲内で貸付を受けられる高額医療費貸付というのものもあるのですが、これは「貸付」といっても、実際は、借りるお金が高額療養費の申請後に還付されるだけで、戻ってくる分の先払いにすぎません。自己負担上限までの負担は実際、変わらないのですよ。お母様ご自身の預貯金などは、おありなのでしょうか? Kさん:それが、不動産はあっても、年金が少なくて、預貯金はあまりないのです。母のリハビリとかが長びいても安心できるような資金調達とか何かないでしょうか? (2)自宅を相続後、売却するつもりならリースバックを考えて FP吹田:そうでしたか。不動産はおありなのですね。 Kさん:はい、父からの相続で不動産はみな母が引き継いだのです。地方なので、自分も姉も、その土地があっても今の子育て環境では活かせないと話しまして。 FP吹田:お子さんの受験などを考えると、実家に戻ることもないということですね。 Kさん:はい、おそらく、自分も姉も、実家に戻ることはなく、いずれ母が亡くなったら、売却を考えることになるかと思います。 FP吹田:なるほど、亡くなられた後に売却されることをお考えでしたら、ご自宅などの不動産のリースバックという方法を検討されてはいかがでしょうか? Kさん:リースバックですか? FP吹田:はい。不動産業者に不動産を売却するけれども、そのまま借りるという仕組みで、ご自宅などお母様の住む環境は全く変えずに、不動産を活用して資金を捻出できる方法の一つです。 Kさん:なるほど。名義は変わるけれども、実態は変わらないから、母に負担はかからないのですね。いずれ売却する不動産なら、時期が早まるだけだから、問題なさそうですね。 FP吹田:はい。所有権を手放すので、中には淋しく感じる方もいらっしゃいますが、相続後に売却すると思っていらっしゃるなら、逆に、今後の固定資産税などの納税義務や地震や災害での修復などの重荷から早めに解放されるとも言えます。念のため、メリット・デメリットを以下の表にまとめてみました。 (3)リースバックのメリット・デメリットとは 【表】リースバックや高額医療費貸付のメリット・デメリット リースバック 高額医療費貸付(国保) 仕組み 不動産の売却と賃貸の組み合わせ 高額療養費支給見込み額の9割相当額の貸付 メリット ・買主を探す必要がなく、現金化までの期間が比較的に短い ・引越す必要がなく、環境が変わらない ・資金使途が自由 ・高額療養費制度の申請後に清算され、長期の借金ではない ・無利子 ・保証人不要 デメリット ・売却価格が周辺相場よりも安くなりがち ・毎月のリース料(家賃)が発生する ・資金使途が医療費のみ ・貸付限度額がある Kさん:なるほど。資金使途が自由なら、医療費や介護費用と、万一の葬儀関係費用も含めて賄えたら、一気に不安が消えるような気がします。 FP吹田:そうですね。特に介護費用については、介護保険適用外の出費もありうるので、予算が大きく変わる可能性があります。その意味で、自由に使えるお金があるというのは安心感につながるでしょう。リースバックは、通常の不動産売却に比べると、買主とのやりとりなどの時間がかからなくて迅速な一方、売却価格が低めになりがちなど一長一短ですが…。 Kさん:それはやむを得ないですね。こちらも急いで資金を確保したいので。 FP吹田:それをご理解の上なら、問題ないでしょう。仮に亡くなられてからでは、お母様の資産を動かすのは、遺産分割協議を終えてからでないとできません。ですから、意思決定できるお元気なうちにお母様にも相談をされたほうが良さそうですね。 Kさん:幸い、母はまだ認知症の症状は出ていませんし、お金のことは心配しているはずなので、姉とともに相談してみます。特に、子供の教育費にしわ寄せがいかないように対策がとれるのなら、前向きに検討できると思います。 FP吹田:お母様やお姉様、皆さんにとって、一番不安や負担がない方法として、ご相談してみてくださいね。 まとめ 医療・介護費用を捻出したい場合の選択肢 国保の高額医療費貸付 無利子だが、高額療養費支給見込み額の9割相当以内で、還付される分の先払いにすぎない。高額療養費制度の自己負担額そのものは払うことには変わらない。 リースバックの可能性は? 不動産業者に売却するので、比較的短期間で資金を捻出できる。 資金使途も制限がないので、介護費用などの予算変動にも対応できる。 所有権は手放すが、実質的な環境は変わらないので、家族で協力しやすい。 不動産担保ローンとリースバックの違いとは 不動産担保ローンの概要についてはこちら リースバックの概要についてはこちら リースバックは、自宅などの不動産を活用した資金調達方法のひとつです。不動産担保ローンとリースバックは、不動産を活用...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など

  • 住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは?

    50代になると、子どもの教育費もピークを迎えます。また、親も70代を超え、入院したり、介護が必要になったりすることも。あるいは、不動産投資や事業を始める資金が必要になるケースもあるかもしれません。何らかの理由でまとまった資金が必要になったとき、持ち家があれば資金を工面できる場合があります。どのような活用法が可能か、考えてみましょう。 仲介会社を利用して売却する 持ち家がある世帯で、資金を作り出す方法としてまず考えられるのは、持ち家を売却して現金化する方法でしょう。ご主人に先立たれ、広すぎる家を売却してUR賃貸住宅など入り、売却資金はいずれ介護が必要になったときの資金として温存する、といった方もいました。 住宅の売却で動きが出やすいのは、通常だと、転勤などの節目となる春(1~3月頃)、秋(9~11月頃)ではないでしょうか。買い手が見つかって売買が終了するまでは、通常だと2カ月~6カ月程度かかりますが、売り出すタイミングによっては時間がかかることも知っておきましょう。実勢価格(時価)が5,000万円程度の物件の場合、5,000万円程度の資金を取り出すことができます。ニーズさえあれば、物件の場所は問われません。 実際に住宅を売却する際には、売却を依頼した不動産会社が物件情報を「レインズ(不動産情報ネットワーク)」と呼ばれる専用サイトに登録します。そのため、依頼する不動産会社の規模による優劣は特にないといわれます。査定を依頼して、高額査定を出してきても、それで売れるとは限りません。最後は担当者の人柄や経験、仕事ぶりで満足度が変わるように思います。 売却時には、次のようなコストがかかります。 仲介手数料:不動産売却価格の3%+6万円+消費税 印紙税:不動産売買契約書に収入印紙を貼り、割印。1,000万円超5,000万円以下で1万円など。 登記費用:住宅ローンが残っていて「抵当権抹消登記」を行う場合は登記費用がかかります(登録免許税と司法書士の報酬) ハウスクリーニング費:広さや依頼する人数により5万~15万円程度。自分で行えば無料。 引越費用:業者や荷物の量、移動距離、サービス内容で異なります。数万円~数十万円まであります。 なお、売却後は家がなくなりますが50代であれば新たに住宅ローンを借りて今後の生活に合わせた家を購入する、賃貸住宅を借りるなどの選択を取ることが可能となりますので、売却する際には併せて考えておく必要があります。 <持ち家を売却(仲介)>のポイント 仲介で個人に売却して現金化 物件の場所は問わない 入手できる金額は5,000万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却のためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 納得できる価格で売却しようと考える場合、時間がかかる 不動産会社へ売却する 持ち家を売却して現金化する際、仲介で個人間の売買を行うには時間がかかりすぎる場合には、不動産会社に買い取りを依頼する方法もあります。仲介で売却する場合と異なり、時期などに関係なく、しかもスピーディに売却することができます。ニーズさえあれば、物件の場所は問われません。 ただし、不動産会社が買い取る際には、市場価格の6~8割程度になります。時価5,000万円の物件の場合、3,500万円前後の売却額となる可能性が高いでしょう。不動産会社は、買い取った物件をリフォームやリノベーションをして付加価値をつけて再販して利益を得ているためです。 一方で、相手が不動産会社のため、売却時にかかるコストのうち、仲介ではないため仲介手数料がかからず、不動産取得税や登録免許税は不動産会社の負担になり、登記費用も不動産会社の負担になります。また、リフォームなどを行うことから、ハウスクリーニングもせずに売却できるといったメリットもあります。 仲介で売却する際と同じく、売却後は家がなくなりますので新たな家を購入する、賃貸住宅を借りるなど考えておく必要があります。 <持ち家を売却(不動産会社)>のポイント 不動産会社の買い取りで現金化 物件の場所は問わない 入手できる金額は3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却のためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 スピーディな売却が可能 賃貸に出し、毎月一定の収入を得る 自宅を賃貸に出すことで、収入を得ることもできます。全国どこでも可能ではありますが、立地や不動産のタイプなどが、賃貸ニーズに合っていることが大前提です。 入手できる資金は、表面利回り4~5%と仮定した場合、年200万円~250万円。仮に同条件で20年借り手がついたとすると、4,000万円~5,000万円になり、しかもその時点の住宅の評価額分の価値が残ります。 自宅を賃貸に出すには、まずは自分たちが住む場所を確保して引越さなくてはなりません。また、貸出しができるようにリフォームをしたり、ハウスクリーニングを行ったりする必要があり、実際に家賃収入が発生するまでには、最低でも1カ月~3カ月以上(賃借人が見つからないと長期化する場合も)はかかります。そのため、ある程度の資金的ゆとりや時間的ゆとりが必要です。 <賃貸に出す>場合のポイント 自宅を賃貸に出すことで資金を作る 場所は限定されないものの、賃貸ニーズがあることが大前提 入手できる資金は表面利回り4~5%と仮定した場合、年200万円~250万円 賃貸に出すためのコストがかかるほか、住み替える住宅も必要 家賃収入が発生するまでには、最低でも1カ月~3カ月以上かかる(賃借人が見つからないと長期化する場合も) 不動産担保ローンでまとまったお金を借りる 不動産担保ローンとは、不動産を担保にして借りるローンのことです。実際には、担保となる不動産に抵当権を設定して借り入れをします。土地や一戸建て、マンション等が対象ですが、物件の立地は流動性の高い主要都市に限られる金融機関が多いようです。。 通常は本人名義の不動産が対象ですが、金融機関によっては配偶者や親名義の不動産でも担保にできるところもあります。使途が限定されないフリーローンですが、事業資金としては使えないことが多いようです。 不動産担保ローンの特徴としては、次のような点が挙げられます。 無担保のカードローンに比べ低金利で利用できる 借入限度額が大きい(時価5,000万円の場合、約3,500万円の借入が可能) 最長35年など長期で借りることもできる 一方で、次のような点に注意が必要なことも押さえておきましょう。 不動産の評価や審査に時間がかかり、融資実行まで1週間~1カ月程度かかる 不動産を担保とするため、事務手数料や不動産鑑定費用、印紙代、抵当権・根抵当権の登記費用などがかかる 返済不能になると担保不動産が処分される 完済時の年齢が70歳までなどと上限を設けている金融機関もある <不動産担保ローン>のポイント 所有する不動産を担保にお金を借りる 物件の場所は主要都市に限られる 入手できる金額は3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 融資実行まで1週間~1カ月程度かかる 完済時の年齢が70歳までなどと上限を設けている金融機関もある リースバックで持ち家を売却し、賃貸する 「リースバック」とは、自宅をリースバック専門の不動産会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組みです。売却代金は一時金で受け取ることができ、使途に制限はありません。物件の立地は流動性の高い主要都市に限られ、リースバック会社によっては、最低物件価額が設定されている場合もあります。借地は対象外の不動産会社もありますので注意が必要です。 売却代金を受取るのは、2週間~1カ月程度と早めです。しかも、引越さずにこれまでの住まいに住み続けられる点は、突発的な事態に見舞われている状況下では大きなメリットと言えそうです。ただし、リースバックでは自宅を売却するため、所有権はなくなります。 売却価額は相場よりも低めで、時価5,000万円の物件の場合で最高3,500万円程度です。物件は買い戻すこともできますが、その際は通常、売却価額よりも高めになります。また、毎月の家賃(リース料)には、固定資産税や火災保険・地震保険料、マンションなら管理費・修繕積立金も含まれ、やや高めの水準になる場合も。 対象となる人の年齢条件が「50歳以上」などと設定されていたり、全く設定がなかったりと、リースバック会社によって細部が異なりますので、確認して利用しましょう。職業や年収などの条件は厳しくなく、年金収入のみの人でも利用できます。 <リースバック>のポイント 自宅をリースバック会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組み 物件の場所は主要都市に限られる 入手できる金額は最高3,500万円程度(時価5,000万円の物件の場合) 売却代金を受取るのは2週間~1カ月程度かかる リバースモーゲージでお金を借りる 自宅に住み続けながら、自宅を担保にして一時金や月々の生活費を借りる仕組みが「リバースモーゲージ」です。一部の金融機関で扱っています。利用できる年齢は55~65歳以上などと高めです。何かの事情で資金不足になった人のほか、住宅ローン残債の返済から解放されたい人、夫婦の一方が入院したときに入院費用や生活費の不足分などを補うといったときにも利用できます。 借り入れには、毎月(または毎年)一定額の融資を受ける「年金型」、一時金としてまとまった金額を一括で借りる「一括融資型」、必要なタイミングで借りる「枠内自由引出型」があり、金融機関によって異なります。 リバースモーゲージは、金融機関によって、エリアや不動産の種類、最低評価額が決められていることがあります。エリアは首都圏中心と限定されていることが多く、不動産の種類も一定評価額以上の戸建てが中心であることが多くなっています。他にも、相続人全員の同意がないと利用できないなど、借入要件が厳しめです。 なお、リバースモーゲージを利用するには、1週間~1カ月程度かかります。時価5,000万円の不動産だった場合で、最高3,000万円程度までの借入ができます。実際には、「年100万円」「毎月8万円」などといった借り方もあります。利息だけを毎月返済するのか、借入期間は全く返済せずに満期や亡くなったときに住宅を売却して返済するのかなど、契約で異なります。 また、相続人全員の同意が必要であったり、連帯保証人を求められたりすることもあります。「55歳以上」など年齢制限があり、それより低いと利用できません。 あらかじめ設定した契約期間が満了したり、利用者が亡くなったりしたときに、自宅を売却して返済します。返済後に残金があれば遺族に支払われますが、逆に、売却しても残債が残る場合は遺族に請求がいく場合があります(リコースタイプ)。最近は、残債があっても請求されないノンリコースタイプも増えています。 <リバースモーゲージ>のポイント 自宅に住み続けながら、自宅を担保に一時金や月々の生活費を借りる仕組み 物件の場所は首都圏等に限られる 入手できる金額は合計で最高3,000万円程度(時価5,000万円の物件の場合) リバースモーゲージで資金を入手するには1週間~1カ月程度かかる 利息だけを毎月返済するタイプもある 設定した満期や亡くなったときに住宅を売却して返済する まとめ 以上、自宅を活用して資金を生み出す方法と目安額、それぞれの概要などを見てきましたが、それを整理したのが下表です。 どの方法が自分に合っているのかは、どれくらいの資金が必要で、どれくらい急いでいるのかなどによっても異なります。また、物件の状況(築年数、所在地、戸建てなのかマンションなのか)によって、一部の方法に利用が限られる場合もあります。 さらに、借り入れの場合は、実際に適用される金利も1つの判断材料となるかもしれませんし、自身の収入状況によっては利用できない場合もあります。 まずは各サービスを提供する会社に問い合わせをした上で、希望する方法が選択肢として選べるのか、手にできる資金の金額はいくらなのか、下記のような比較表を作成し、どの方法がご自身の状況に最適なのかを見極めることをお勧めいたします。 表 自宅を活用して資金を生み出す方法 不動産担保ローンとリースバックの違いとは 不動産担保ローンの概要についてはこちら リースバックの概要についてはこちら リースバックは、自宅などの不動産を活用した資金調達方法のひとつです。不動産担保ローンとリースバックは、不動産を活用...記事を読む 不動産担保ローンとリバースモーゲージ、違いを知って賢く使い分けよう! 不動産担保ローンの概要についてはこちら 「現預金はあまり十分にはないけれど、実家など不動産はある」だから、それを活かしてお金を捻出したい!と思う方も多いのではないでしょうか? 例えば、親の介...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 団塊の世代111人に聞いた住宅事情。50代で住宅ローンを払い終えた人は6割超!それでも老後資金は6割超が不十分⁉

    団塊の世代に対して調査を実施 団塊の世代に聞いた住宅事情と老後資金~団塊の世代に対してアンケート調査を実施~ 団塊の世代とは、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれた世代で、この時代は第一次ベビーブームが起きた時期であり、日本経済においては、第二次世界大戦後の高度経済成長、バブル景気を経験している世代でもあります。 年齢で言うと、70~72歳(2019年12月現在)にあたる方々になりますが、彼らが活躍した時代と現代では、産業や技術の進歩だけではなく、価値観も大きな違いがあります。 そこで、今回は、持ち家に住む団塊の世代の方々の住宅事情や老後に関してのアンケート調査を実施しました。 以下、アンケート結果は、「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の2つのテーマに分けて紹介します。 【回答者】持ち家に住む団塊の世代(70~72歳、2019年12月24日時点) 111名 【回答期間】2019年12月24日~2019年12月25日 ※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。 【回答者の居住地】 2つのテーマのアンケート結果を紹介する前に、団塊の世代の方が、何歳まで生きていたいかを聞いてみました。 設問:人生100年時代と言われていますが、あなた自身は何歳まで生きたいと思いますか? 「85歳まで」が一番多く22.4%、次いで「80歳まで」が20.6%、「90歳まで」が17.8%、という結果になりました。 「あまり生きたいと思わない」「75歳まで」を合わせると13.1%、一方で「100歳まで」「それ以上」を合わせると17.8%となっています。このことから、比較的長生きしたいと思っている方は多いと言えるのではないでしょうか。 それでは、最初のテーマである「団塊の世代の住宅事情」について紹介します。 団塊の世代の住宅事情 設問:あなたの住んでいる物件の種類を教えてください。 「戸建て」が73.8%、次いで「大規模マンション(200戸以上)」が10.3%、「中規模マンション(50~200戸未満)」が8.4%、「小規模マンション(50戸未満)」が6.5%となりました。 タワーマンション(高さ150m以上のもの)に関しては、1970年代頃(団塊の世代が20代半ば~後半)から建設が始まったこともあり、今回のアンケート調査では、タワーマンションを購入された方はいませんでした。 設問:あなたが今住んでいる物件はいつ購入しましたか? 「30代」が25.2%、次いで「40代」が23.4%、「50代」が16.8%という結果になりました。 設問:あなたが今住んでいる物件のローンはいつ払い終えましたか? 「50代」が29.9%、次いで「60代」が24.3%、「現金で購入した」が21.5%となりました。 50代までに住宅ローンを払い終えた方が61.6%もいたことは、非常に興味深い結果と言えます。 人生100年時代と言われている一方で、2009年から住宅金融支援機構によって最長50年の住宅ローンが登場し、それを機に、多くの金融機関で40年以上の返済期間の住宅ローンが取り扱われるようになりました。このことを考えると団塊の世代で50代までにローンが完済している割合が6割超というのは、今よりも返済期間がかなり短かったと言えるでしょう。 また、比較材料はありませんが、現金で住宅を購入した方が、20%超もいることは、バブル景気を経験した世代の特徴かもしれません。 次からは、「団塊の世代の老後の資金」について紹介します。 団塊の世代の老後の資金 設問:今後、公的年金以外に、老後資金はどれくらい必要だと思いますか? 「1000~2000万円未満」が24.3%、次いで「わからない」が19.0%、「2000~3000万円未満」が15.0%という結果になりました。 この背景には、金融庁が2019年6月3日に公表した金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の内容が世間的に大きく取り上げられ、「老後資金2000万円」問題として話題になったこともあると考えられます。 次に、そうした資金への蓄えがあるかどうかを聞いてみました。 設問:あなたは前問で答えた老後資金に対して十分な備えがありますか? 「ない」と答えた方が6割超の61.7%、「ある」と答えた方が38.3%という結果になりました。 次に、「ある」と答えた方にどうやってその資金を蓄えたのか、「ない」と答えた方に今後どうやってその資金を確保しようと考えているかを聞いてみました。 設問:前問で「ある」と答えた方にお聞きします。どうやって備えましたか? 「預貯金」が80.6%、次いで「退職金」が64.5%、「保険」「株式」が38.7%と続きました。 「退職金」の割合が多いのは、日本固有の慣行である終身雇用がまだ残っている時期に退職を迎えた方が一定数いたからだと考えられます。 また、「株式」の割合が多いのはバブル期の株式投資ブームで、株式投資が身近な存在であり、経験者が多いことが想像できます。 設問:前問で「ない」と答えた方にお聞きします。どうやってその資金を確保しようと考えていますか? 「これからも働く」が圧倒的に多く60.0%、次いで「当てがない」が26.0%、「不動産の売却」が12.0%という結果になりました。 「これからも働く」という方が多いのは、現在、高齢者を積極的に採用する企業が脚光を浴びてメディアに頻繁に紹介されているなど、老後でも高齢者が働ける環境になっていることが要因のひとつではないでしょうか。 また、「当てがない」という方が2割以上いるという点は、非常に興味深いと言えます。 まとめ 今回は、団塊の世代に対して「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の2つのテーマについて調査しました。 住宅については、当時景気が良かったこともあり、今と比べて圧倒的に戸建て住宅に人気があったようです。また、住宅ローンが今と比べて短い期間で設定されていることもわかりました。住宅を現金で購入する方が2割もいたのは、この世代ならではのことだったのかもしれません。 また、老後の資金については、まだ確保できていない方が多く、「これからも働く」「当てがない」と考えている方が8割以上いることがわかりました。老後については考えるべきことがまだまだありそうです。 不動産のプロが選ぶ資産価値が上昇するタワーマンションの条件とは? タワーマンションに関する調査を実施 東京近郊のタワーマンションで一番価値が上がるエリアは? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳に...記事を読む 不動産のプロが選ぶ30年後に価値の落ちない物件とは? 不動産価値に関する調査を実施 東京近郊の30年後に価値が下がらない物件は? ~ 不動産価値に関してアンケート調査を実施 ~ 2020年を境に不動産価値が下がるという話題を耳にすることが多くな...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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