「ローン全般」の記事一覧

  • 金利と利子の関係と計算方法

    住宅ローンの返済額を計算する方法とは?金利と利子の違いを解説

    住宅ローンを借りるとき、「金利が低いかどうか」が気になる人は多いと思います。一方で、その金利を用いてどのように住宅ローンの返済額が決まるのかまで正しく理解できている人は、意外に少ないかもしれません。この記事では、住宅ローンを組む前に知っておきたい金利と利子の関係と、住宅ローンの返済額を計算する方法について解説します。 住宅ローンの返済額を計算する方法 住宅ローンの返済額を計算する際、返済の方式によって計算方法が変わります。 住宅ローンの返済方法は「分割返済」と「一括返済」の2種類に分かれます。分割返済は、元金と利子を複数回に分けて返済する方法です。対して一括返済は、残元金を前倒しで一度に返済する方法です。 住宅ローンの返済方式で主流になっているのは、「元利均等返済」と「元金均等返済」です。どちらも分割返済の一種ですが、両者の返済額の計算方法も異なります。 「金利」と「利子」の違い 住宅ローンの返済額を計算するうえで重要な用語が、「金利」と「利子」です。住宅ローンの返済額の計算方法を解説する前に、金利と利子の違いを正確に把握しておきましょう。 金利と利子は同じものとして扱われがちですが、別物です。「金利」とは利子を算出するときの基本となるもので、通常は元金に対する「1年間の利子の割合」を示し、「%」で表します。一方で、「利子」は金利から算出された「実際に支払う額」を表します。 元利均等返済における住宅ローンの返済額 まずは元利均等返済における住宅ローンの返済額の計算について解説します。 元利均等返済の特徴と毎月の返済額 元利均等返済は、毎月の返済額が一定であるという特徴があり、毎月の返済額を算出する計算は以下のとおりです。 難解な計算式に見えるかもしれませんが、覚える必要はありません。実際に毎月の返済額を調べたい時は、金融機関のホームページで用意されている返済シミュレーションを利用すれば、すぐに算出できます。 >SBIエステートファイナンス「返済シミュレーション」 元利均等返済における利子の計算事例 ここでは、120万円を金利6%、1年間で借りた場合の、利子の変化を見ていきましょう。まず、毎月の返済額を計算すると、103,280円と算出できます。元利均等返済では、返済期間中の毎月の返済額は変わりませんが、元金と利子の内訳は変化します。その変化を表したものが下図となります。 最初の1か月目の内訳をみると、元金分の支払いは97,280円、利子分の支払いは6,000円です。これは、金利6%の1か月分の金利を120万円に適用したときの利子です。 次に2か月目の内訳をみると、元金分の支払いは97,766円、利子分の支払いは5,514円です。1か月目の内訳と比較して、元金の支払いが増え、利子の支払いが減っていることに気づくでしょう。 これは2か月目の金利の対象となる借入残高が減ったことが理由です。元利均等返済は、返済が進むにつれて借入残高と毎月支払う利子が減り、返済額を一定にするために毎月支払う元金が増える仕組みです。 元金均等返済における住宅ローンの返済額 続いて、元金均等返済における住宅ローンの返済額の計算について解説します。 元金均等返済の特徴と毎月の返済額 元金均等返済は、毎月の返済額のうち、元金分のみが一定であるという特徴があります。毎月支払う元金は「借入金額/返済回数」で簡単に計算できます。対して毎月支払う利子は、「借入残高×月利」で計算できます。元金均等返済は、毎月一定の元金を支払うため、毎月の借入残高の減少に伴って、毎月の支払い利子も少しずつ減少していくことになります。 元金均等返済における利子の計算事例 ここでは、元利均等返済の時と同じ、120万円を金利6%、1年間で借りた場合の、利子の変化を見ていきましょう。まずは毎月の返済額を調べます。計算すると、毎月の返済額は100,000円と算出できます。元金均等返済では、返済期間中に支払う元金は変わりませんが、支払う利子は減少していきます。その変化を表したものが下図となります。 最初の1か月目の内訳をみると、元金分の支払いは100,000円、利子分の支払いは6,000円です。これは、金利6%の1か月分の金利を120万円に適用したときの利子です。 次に2か月目の内訳をみると、元金分の支払いは100,000円、利子分の支払いは5,500円です。1か月目の内訳と比較して、利子の支払いだけが減っていることに気づくでしょう。 これは、元利均等返済と同様に、2か月目の金利の対象となる借入残高が減ったことが理由です。一方で、元利均等返済と異なるのは、返済が進んでも毎月支払う元金は変わらない点です。元金均等返済は、借入残高と毎月支払う利子が減ることで、毎月の返済額が減少していく仕組みです。 一括返済における住宅ローンの返済額 最後に、一括返済における住宅ローンの返済額についても紹介します。決められた返済期日より前に住宅ローンを繰上げ返済する場合、前回の利払い日から繰上げ返済日までの経過日数に対する利子を支払うことになります。 一括返済における利子の計算事例 これまでと同様に、120万円を金利6%で借りた事例を見ていきましょう。なお、今回の事例では、経過日数を10日として計算します。支払い利子を計算するにあたり、まず金利の単位を揃えなければなりません。金利は「1年間の利子の割合」、すなわち「365日間の利子の割合」ということなので、今回の事例では、6%の10日/365日に120万円を掛け合わせて計算できます。ちなみに計算すると約1,973円となります。 利子のみ毎月支払う場合の計算事例 住宅ローンの中には、リ・バース60などの毎月の返済が利子のみである商品が存在します。この場合も、繰上げ返済と同様の方法で計算することができます。120万円を金利6%で借りている場合、1か月を30日とすると、6%の30日/365日に120万円を掛け合わせて計算できます。ちなみに計算すると約5,918円となります。 まとめ 「120万円を金利6%で借りる」、そのような時、多くの人は利子が72,000円と考えるかもしれません。しかし、返済方法や返済期間によって、実際に発生する利子が異なることをこの記事で理解できたと思います。住宅ローンの返済額を正しく計算するには、この金利と利子の関係を理解しておくことが大切です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 ローンの適用金利はどうやって決まる? 金融機関のホームページをみると、カードローンの金利について「年○○%~△△%」といった表示をよく見かけます。カードローンに限らず、ローン金利はこのように〝幅〟を持った表示が一般的です。 この...記事を読む

    2019.03.19ローン全般
  • 変動型の金利はどう決まる?

    変動型の金利はどう決まる?

    ローン商品の金利タイプには、大きく分けて3種類あることはご存じでしょうか。その3種類とは「固定型」「変動型」「固定期間選択型」です。住宅ローンを利用する時など、昨今の低金利環境下では、「変動型」を選択する人も多いでしょう。一方で、「変動型」の金利がどのように決定されるのか、正確に理解している人は少ないかもしれません。 この記事では、「変動型」の金利がどう決まるのか解説します。 ローン商品の金利タイプ まずは、ローン商品の金利タイプを簡単に紹介します。前述のとおり、ローン商品の金利タイプは、「固定型」「変動型」「固定期間選択型」の3種類に大別されます。固定型は、ローンの返済が終了するまで、当初の金利が変わらない商品です。変動型は、一定期間ごとに、金利が見直される商品です。固定期間選択型は、一定期間の固定金利を経た後に、変動金利に移行する商品です。 金利タイプは金融機関によって異なる メガバンクが提供する住宅ローンの場合など、前述の金利タイプがすべて用意されていることが一般的と感じるかもしれません。しかし、提供している金融機関や、ローン商品によっては、必ずしもそうとは限りません。 たとえば、ローン商品が不動産担保ローンの場合、「固定型」あるいは「変動型」のどちらか、ということもあります。また、短期ローンの場合は固定型、長期ローンの場合は変動型、というように返済期間によって、金利タイプが変わることもあります。 変動型の金利は短期プライムレートが基準 ローン商品や金利タイプにかかわらず、金利は審査により決定されます。一方で、固定型と変動型には違いがあります。それが「短期プライムレート」です。この短期プライムレートは変動型の金利における基準となります。 短期プライムレートとは、「最も信用力が高い企業向けの短期貸出に適用する最優遇金利」のことで、銀行が企業に対して融資をするときの基準となる金利です。なお、「長期プライムレート」も存在します。長期プライムレートも短期プライムレートと同様に、最優遇金利を指しますが、「期間」の点で異なります。1年未満の期間の貸出が短期、1年以上の期間の貸出が長期プライムレートと呼ばれます。 通常、銀行は企業向けの融資を行う際、短期プライムレートを基準として、融資先企業の信用力に応じて金利を上乗せします。この方式は銀行だけでなく、その他の金融機関でも広く用いられており、個人の変動型の住宅ローンにも使われています。 短期プライムレートはどう決まる? 短期プライムレートは、2023年8月時点では年1.475%に設定されています。これは、メガバンクが公表しているもので、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行のいずれも同率です。実際の融資では、この短期プライムレートに、企業の信用力に応じた金利が上乗せされることとなります。 短期プライムレートの設定と背景 本来、短期プライムレートは金融市場の動向によって、毎月変動します。そして、短期プライムレートに連動する変動型のローンでは、あらかじめ決められたタイミングで金利の見直しが行われます。見直し時点での、短期プライムレートの水準によって、それ以降の金利が決まる仕組みです。一般的には、見直しのタイミングは「半年ごとの年2回」となっています。 しかし、実は短期プライムレートは2009年1月から変更されていません。その最大の理由は、日本銀行の政策金利が極めて低い水準に維持されていることにあります。日本銀行の政策金利は、2008年12月から、年0.1%以下に設定されたままになっています。そして、2023年8月現在は、2016年1月に設定された年▲0.1%のままです。そのため、金融市場では多少の金利変動はありますが、短期金利から長期金利まで低位安定が続いています。 短期プライムレートの今後の見通し 金融市場では、当面、日本銀行の金融政策に変更はなく、国内金利の水準は現状維持が続くという見方が優勢です。したがって、しばらくは短期プライムレートも現在の低金利が続くと見て良さそうです。一方で、将来的に金利が上昇することも十分あり得るので、金利上昇の可能性は必ず念頭におきましょう。 まとめ 変動型の金利は、短期プライムレートと金融機関の審査による上乗せ金利によって決定されます。また、短期プライムレートは、現在は低位安定しているものの、いずれは上昇する可能性もあります。変動型のローン商品を検討する際は、金利上昇の可能性も考慮したうえで、決定するようにしましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンの返済額を計算する方法とは?金利と利子の違いを解説 住宅ローンを借りるとき、「金利が低いかどうか」が気になる人は多いと思います。一方で、その金利を用いてどのように住宅ローンの返済額が決まるのかまで正しく理解できている人は、意外に少ないかもしれ...記事を読む

    2019.03.12ローン全般
  • 適用金利はどうやって決まるのか?

    ローンの適用金利はどうやって決まる?

    金融機関のホームページをみると、カードローンの金利について「年○○%~△△%」といった表示をよく見かけます。カードローンに限らず、ローン金利はこのように〝幅〟を持った表示が一般的です。 この記事では、実際にはどのように金利が適用されているのか、カードローンを例に解説していきます。 ローンの上限金利は法律で決まっている ローンの金利は、ローンの種類や提供する金融機関によってさまざまですが、金融機関が自由に決めているわけではありません。すべてのローンの金利は、「利息制限法」という法律によって決められています。正確にいうと、ローンの金利の上限となる「上限金利」が利息制限法によって設定されているのです。 上限金利 上限金利は、融資金額に応じて設定されており、元本が10万円未満の場合は20%、10万円~100万円未満は18%、100万円以上では15%となっています。したがって、100万円以上の借り入れをする際、最高でも金利は15%になります。 そして、利息制限法では、上限金利を超える金利のローン契約が結ばれた場合、その超えた分の金利は無効となり、貸付人は行政処分の対象になる、と定められています。例えば、100万円以上の借り入れで金利が20%に設定されたとすると、15%を超えた5%分の金利は無効、つまり支払わなくてよいことになります。 なお、出資法の上限金利である20%を超える金利のローン契約が結ばれた場合、貸付人は刑事罰の対象となる、と定められています。 図:利息制限法で定められた上限金利 ※著者が作成 借入金額によって適用金利は変わる 現在、提供されているカードローンの金利を具体的にみてみましょう。あるメガバンクのホームページには、「金利 年1.8%~14.6% 利用限度額10万円~500万円」と記載されています。適用される金利は借入金額によって変わり、借入金額は以下のように5つの価格帯に分けられています(数字はいずれも2023年12月時点のもの。以下同じ)。 利用限度額10万円以上 100万円以下 … 年13.6%~年14.6% 利用限度額100万円超 200万円以下 … 年10.6%~年13.6% 利用限度額200万円超 300万円以下 … 年7.6%~年10.6% 利用限度額300万円超 400万円以下 … 年6.1%~年7.6% 利用限度額400万円超 500万円以下 … 年1.8%~年6.1% 利用限度額ごとに適用される金利に幅があり、例えば借入金額100万円以下では「年13.6%~年14.6%」となっています。そして、実際の適用金利は、年収や勤続年数といった「信用力」や、借入実績などによって変わります。(金融機関によっては、「年○○%~△△%」という表示ではなく、一つの金利だけを表示しています)。 さらに別の例として、上記のメガバンクのグループ会社である消費者金融のカードローンの金利を見てみましょう。カードローンは「年3.0%~18.0% 融資額最高800万円」と表記されています。借入金額は4つに分けられ、それぞれの適用金利は以下のとおり表示されています(ホームページには「利用限度額」ではなく「契約極度額」と表示されていますが意味は同じです)。 利用限度額1万円~99万円  … 年7.7%~年18.0% 利用限度額100万円~300万円 … 年7.7%~年15.0% 利用限度額301万円~500万円 … 年4.7%~年7.7% 利用限度額501万円~800万円 … 年3.0%~年4.7% すべての金利が上限金利以下に設定されており、例えば、利用限度額1万円~99万円で18%が適用されたときは、「10万円~100万円未満の上限金利18%」に合致しています。銀行も消費者金融も共通していることは、例えば「年3.0%~18.0%」と表示されている場合、最低金利は最大の利用限度額に適用され、最高金利(=18.0%)は最小の利用限度額に適用されます。 無担保ローンと有担保ローンの違い 実際の適用金利は、金融機関が信用力を審査して決定することは前述しましたが、そもそも利用限度額は信用力に応じて決まります。ローンを申し込めば、誰でも最大の限度額を借りられるわけではありません。特に、初めてローンを利用するときは、最小の限度額が設定されて、高めのローン金利が適用される傾向にあります。 無担保ローンにおける信用力 ローンを遅れずに返済しているという利用実績が増えていくにしたがって、利用限度額は増額され、それとともに、同じ限度額でも低い金利が適用されるようになります。これは、カードローンのような無担保ローンでは一般的なことといえるでしょう。 有担保ローンにおける信用力 一方で、不動産担保ローンのような有担保ローンの場合、借りる人の信用力に加えて、担保不動産の価値が審査対象となります。不動産の価値が高ければ、初めてローンを申し込んだ場合でも、利用限度額は高く設定され、低金利での融資が受けられる可能性があります。 不動産担保ローンを含めた有担保ローンは、提供する金融機関がカードローンのように利用限度額ごとに金利を表示しているケースは少ないですが、それは担保評価によって利用限度額と金利が変わるという事情によるものです。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 変動型の金利はどう決まる? ローン商品の金利タイプには、大きく分けて3種類あることはご存じでしょうか。その3種類とは「固定型」「変動型」「固定期間選択型」です。住宅ローンを利用する時など、昨今の低金利環境下では、「変動...記事を読む

    2019.03.05ローン全般
  • ローンの種類を知って賢くお金を借りる

    ローンの種類を知って賢くお金を借りる

    人生には、多額の出費を迫られるケースがたびたび起こります。必要な金額が、手持ちの現金や貯金を上回るようであれば、お金を借りる=「ローンを組む」ことになります。その際、重要なことは、使いみちに合ったローンを借りること。そのために、どんなローンがあるのかを知っておくことがポイントになります。 1.一般的な「目的別ローン」とは? ローンの種類には、いろいろなものがありますが、一般的なものは使う目的別に分けたものでしょう。全国銀行協会のホームページを見ると、目的別ローンとして以下のようなものが挙げられています。 目的別ローン マンションや一戸建てを購入する資金を金融機関から借りる「住宅ローン」、自動車を購入する資金を借りる「マイカーローン」、子供の進学に伴う教育資金を補うための「教育ローン」、事業を行っている人が事業に必要な資金を借りる「事業ローン」などです。 目的が限定されていないローン また、目的が限定されていないローンもあり、「カードローン」や「フリーローン」といったものは、お金を借りた人が自由に使えるローンです。カードローンは金融機関のATMやCD(キャッシュディスペンサー)などでの即時の借り入れが可能で、生活費などに充てられることが多いようです。それに対して、フリーローンは旅行や結婚、入院や手術といった比較的大きな出費に対応するローンと言えるでしょう。いずれも、お金の使いみちは限定されません。 2.「担保」の有無でも分けられる こうした目的別の種類のほかに、〝ローンを組む際に担保が必要かどうか〟で分ける方法もあります。文字どおり、担保が必要なものが「有担保ローン」で、必要がないのが「無担保ローン」になります。 有担保ローンとは 少し難しくなりますが、担保とは、万が一ローンを借りた人が借入金の返済ができなくなった場合に備えて、借りた金額と同じ程度の価値を有する物を借入先に提供し、返済を行なうというものです。 例えば、「住宅ローン」は購入するマンションや一戸建てを担保とし、不動産購入のためにお金を借りることです。一方、「不動産担保フリーローン」は既に所有している不動産を担保とするもので、資金使途は自由です。どちらも、何らかの理由で借入金の返済ができなくなった場合、お金を貸した金融機関は担保物件であるマンションや一戸建てを売却して、その代金で貸出金を回収することになります。また、「マイカーローン」も有担保で組むのが一般的です。返済ができなくなったときは、担保として提供している自動車を金融機関が売却することになります。 無担保ローンとは 無担保ローンはこうした担保が必要ではありません。目的別ローンで挙げた、教育ローンやカードローン、フリーローンなどが無担保ローンに該当します。 また、有担保ローンであり、かつ、資金の使途が自由というものもあります。それが「不動産担保フリーローン」です。既に所有している不動産を担保として提供し、借入金の返済ができなくなった場合、住宅ローン同様、金融機関は担保である土地や建物を売却します。 3.「有担保ローン」と「無担保ローン」のメリット、デメリット 無担保ローンは、担保が要らないので、借りる人の身分証明書などを用意すればすぐに借りることが可能です。特にカードローン(キャッシング含む)などでは、最近、新規であっても金融機関の店頭に行くことはなく、ATMやCDで身分証明書を登録すれば、その場で借り入れることができるほど手軽になっています。ただし、その分、借りる際の金利は高めに設定されており、借り入れの限度額は低く、長期間の借り入れはできないようになっています。 一方、有担保ローンは担保が必要になるので、すぐに借りるということはできません。その理由は、借りる金額にその担保の価値が見合っているかどうかを、金融機関が判断しなければならないからです。つまり、お金を貸すかどうかを金融機関が判断する「審査」の期間が必要になるわけです。 しかし、担保があることで、無担保ローンに比べると借り入れの金利はグッと低くなります。さらに、借り入れの限度額も大きくなり、また、長期間にわたって借りることができるようになります。住宅ローンでは、数千万円の資金を1%台の金利で30年間借りる、といったことも普通に行われています。金融機関は担保を確保することで、安心してお金を貸すことができるのです。 担保の有無による借入金利の差 担保の有無による借入金利の差は、フリーローンの方が分かりやすいでしょう。例えば、借り入れる金額にもよりますが、一般的な無担保のフリーローンの金利は4.0~15.0%であるのに対して、不動産担保フリーローンは2.9~9.5%となっています。 4.まとめ このように、ひと口にローンと言ってもさまざまな種類があることがわかります。ローンの3大条件といえる、借入金額・金利・借入期間は、お金の使いみちや担保の有無によって大きく変わってきます。借りる目的に合ったローンを組むようにして、お金は賢く借りるべきです。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産担保ローン金利の基礎知識と低金利で借りるコツ ローン金利は、一般的に「○%~○%」というように上限と下限が表示されることがほとんどです。このような表示は、個別のローンごとに適用される金利が変わることを表しています。当然、ローンを借り入れ...記事を読む

    2019.02.05ローン全般