年金収入のみで住宅ローンは組める?

公開日:2025.01.28

住宅ローンには一般的な働き世代を対象としたもの、シニア世代を対象としたものなど様々な商品が存在します。

例えば、シニア向けの商品で代表的なものには年金収入のみでも組める「フラット35」や「リ・バース60」などがあります。本記事では、シニア世代のために年金収入でも組める住宅ローンを中心に利用方法や注意点を解説します。借入額を増やすための工夫や活用できる制度を知り、老後の住まいについて考えましょう。

年金収入のみで組める住宅ローン

年金収入だけでも申し込める住宅ローンは存在しますが、借入期間が短く設定されやすく、取り扱っている金融機関も限られていることが多いです。シニア世代の方は事前に申込条件を確認して、自分に合った住宅ローンを選びましょう。

「フラット35」と「リ・バース60」は年金収入でも組める

年金収入でも組める住宅ローンには、「フラット35」と「リ・バース60」があります。

項目フラット35リ・バース60
対象者申込時の年齢が満70歳未満の方申込時の年齢が満60歳以上の方
金利固定金利変動金利or固定金利
借入期間最長35年(80歳まで)
※申し込み時の年齢に応じて借入期間が決まります。
終身
年収条件年収400万円未満:返済額30%以下

年収400万円以上:返済額35%以下

年収400万円未満:返済額30%以下

年収400万円以上:返済額35%以下

特徴住宅購入やリフォーム資金に利用可能住宅購入やリフォーム資金向け

 

「フラット35」は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の商品で公的年金の収入でも申し込みが可能です。申し込む際は、公的収入証明書を提出して収入を確認します。借入期間は最長35年ですが、80歳までが最長となるため、60歳で申し込んだ場合の借入期間の最長は19年となります。

一方、「リ・バース60」は60歳以上のシニア向けに設計された住宅ローンです。原則満60歳以上の方を対象としており、年金収入があれば70歳以上の方でも申込可能です。

銀行が提供する変動金利商品への申し込みは難しい

年金収入のみで住宅ローンを利用する場合、銀行が提供する変動金利住宅ローンへの申し込みが難しいとされています。年金収入のみで難しい理由としては、収入が限られることによる年収倍率や返済比率の点、審査基準を満たさないためです。

 

銀行によっては、年金収入だけでは申込不可の場合もあり、仮に申込可能であっても「年金収入で無理なく返済できるお客さまに限る」という条件が付きます。そのため、年金の受給額が基準より少ない場合、返済能力が足りないと判断され、申し込みが認められないことが多いです。

年金収入で住宅ローンを利用する際の必要書類とは?

住宅ローンを申し込むには、年金収入を証明する書類が必要です。提出を求められる書類は金融機関により異なりますが、以下のような書類が求められることが多いです。

  • 年金証書:公的年金や私的年金の受給内容を証明する書類
  • 年金振込通知書:直近の年金の振り込み金額を確認する書類
  • 納税証明書:税金の納付状況や所得金額を証明する書類
  • 確定申告書類:事業収入や不動産収入がある場合に追加で必要
  • 住民税課税証明書:年金収入に応じた税額や所得を証明する書類

上記の書類を事前に準備しておくと、審査をスムーズに進めやすくなりますので、申し込み前に確認しておきましょう。

年金の受給額が少ない場合は収入合算を検討する

年金の受給額少ない場合は収入合算を検討しましょう。収入合算とは、申込者本人の収入に加えて、配偶者や家族の収入を合計して審査を行うことで、住宅ローンの借入額を増やす方法です。

収入合算には「連帯債務」と「連帯保証」の2つの種類があります。連帯債務では、主債務者と連帯債務者となる方が、それぞれが借り入れた金額すべてに対して返済の責任を負います。

一方、連帯保証は、主たる債務者が返済を行い、万が一返済が滞った場合に連帯保証人が支払う仕組みです。収入合算を利用すると、借入可能額を増やすことができます。ただし、合算する相手にも安定した収入が求められるため、相手の収入証明や雇用状況を事前に確認しておきましょう。

年金の受給額少ない場合は親子リレーも検討する

年金の受給額が少ない場合には、親子リレーローンも検討しましょう。親子リレーローンとは、親と子で1つの住宅ローンを借り入れ、二世代で返済を引き継ぐ仕組みです。

親が借り入れを始め、途中から子が返済を引き継ぐため、借入期間を長く設定しやすい特徴があります。また、親の年金収入だけでなく、子の収入を合算することで借入可能額を増やせる点が魅力です。

ただし、親子リレーローンは、金融機関によって親子が同居することや、子に安定した収入があることを求められます。利用する場合は専門家などに相談し親子リレーローンの仕組みを理解し、自分たちに合うかどうか見極めましょう。

専門家に相談してみよう

自身にあった住宅ローンがわからない場合は、住宅ローンの専門家に相談してみましょう。専門家に相談すれば住宅ローンを紹介だけではなく、借り入れシミュレーションも依頼できます。年金収入のみで住宅ローンを申し込む場合、事前に借入額や返済計画を確認しておくと老後破産に陥る可能性が低くなるので、事前に借り入れシミュレーションを行うことが大切です。

SBIシニアでは、シニア世代を対象に住宅ローンの相談や借り入れシミュレーションを無料で行っています。専門家が収入や返済能力を考慮し、無理のない借入額を具体的に試算してくれるため、自分に合った返済プランが見つかりやすくなります。電話相談にも対応しており、自宅にいながら気軽に専門家のアドバイスを受けることができます。

まとめ

年金収入のみでも利用できる住宅ローンには「フラット35」や「リ・バース60」があります。ただし、申し込みには年齢や借入期間に制限があるため、事前に条件を確認しておく必要があります。

また、専門家にシミュレーションに相談すれば、無理のない返済計画を立てやすくなります。老後の住まいについて悩んでいる方は、自分に合った方法を選び、安心して利用できる住宅ローンを検討しましょう。

執筆者紹介

「SBIシニアの住まいとお金」スタッフ
シニア世代の住まいから、住宅ローンや老後の資産形成などのポイントをわかりやすく丁寧に解説していきます。様々な資格と経歴を持った住まいとお金のプロフェッショナルが執筆、監修を行っています。
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