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公開日:2025.01.28
リバースモーゲージは、シニア世代が老後資金を調達する方法として注目されています。一方で「契約内容や返済方法に関する理解不足」のトラブルだけが紹介され「リバースモーゲージは利用するとやばい」とネガティブ印象をもっている方も多くいるようです。
本記事では、リバースモーゲージの仕組みやリスクについて詳しく解説し、利用時の注意点を紹介します。安心して老後を過ごすために、リバースモーゲージの特徴をきちんと理解しましょう。
リバースモーゲージは、自宅を担保に資金を借り入れ、契約者が亡くなったあとにそれらを売却して返済する金融商品です。
リバースモーゲージは主に高齢者を対象としており、融資額は自宅の評価額を基準に決まります。資金は一括または分割で受け取ることができ、契約期間中の返済は利息のみです。
リースバックは、自宅を不動産会社や投資家に売却する不動産取引の一種であり、取引後も賃貸として家賃を支払いながら自宅に住み続ける仕組みです。商品・サービスの利用目的は老後資金の確保など、共通する点もありますが、リースバックは不動産取引、リバースモーゲージは金融取引であることから、根本的には異なる商品・サービスです。
項目 | リースバック | リバースモーゲージ |
---|---|---|
契約の形態 | 不動産売買契約 不動産賃貸借契約 | 金銭消費貸借契約 |
所有権 | 自宅を売却するため、所有権は手放すことになる。 | 自宅の所有権はそのまま保持する。 |
対象年齢 | 制限なし | 60歳以上を対象にし た商品が多い |
支払い | 毎月の賃料を支払う | 毎月の利息を支払う |
リバースモーゲージは自宅を担保に資金を借り入れ、契約者が亡くなったあとに自宅を売却して返済する仕組みなので、利息の支払いはありますが、自宅の所有権を維持しながら資金調達が可能です。対してリースバックは、自宅を売却して所有権を手放すことになります。
リバースモーゲージとの違いを正確に理解し、目的に合った資金調達方法を選びましょう。
リバースモーゲージ型住宅ローンは、自宅を担保に資金を借り入れ、住宅購入やリフォームなど住宅関連の融資に特化した金融商品です。あくまで住宅ローンの一種なので、資金使途に違いがあります。
以下に、リバースモーゲージとの違いを表でまとめました。
商品 | リバースモーゲージ | リバースモーゲージ型住宅ローン |
---|---|---|
資金用途 | 生活費・医療費・旅行など幅広い用途 | 住宅購入・リフォーム・借り換えなど住宅関連資金に限定 |
返済方法 | 相続人が自己資金もしくは担保物件の売却で一括返済 | 相続人が自己資金もしくは担保物件の売却で一括返済 |
契約期間中の支払い | 利息のみ | 利息のみ |
提供元 | 民間の金融機関 | 住宅金融支援機構「リ・バース60」など |
リバースモーゲージは生活費や医療費など幅広い用途に対応するのに対し、リバースモーゲージ型住宅ローンは住宅関連の資金に特化しています。
住宅の購入やリフォームを目的とする場合は、リバースモーゲージ型住宅ローンの利用を検討するとよいでしょう。
リ・バース60は、住宅金融支援機構と提携する金融機関が提供する、主に60歳以上を対象とした住宅ローンです。自宅を担保に資金を借り入れ、住宅購入やリフォーム、住み替えなど住宅関連の用途に利用できます。
融資限度額は、担保評価額(住宅および土地)の50%または60%で、8,000万円以下で、所要資金以内となっています。借入期間中は毎月利息のみを支払い、元金の返済方法は、相続人による一括返済か、自宅を売却して返済する方法から選べます。
リ・バース60は、利息のみの支払いで月々の負担を抑えながら、住宅関連資金を確保したい高齢者に向いています。老後の住まいに関する計画に合わせて利用を考えましょう。
リ・バース60は、主に60歳以上の高齢者を対象に自宅を担保に資金を借り入れる商品ですが、利用にはいくつかの注意点があります。契約内容や返済方法には金融機関ごとに違いがあり、事前に理解しておくことが大切です。
ここからは、リ・バース60を利用する際の注意点について解説します。
リ・バース60を利用する際は、契約条件が金融機関ごとに異なるため、事前に確認が必要です。特に、金利の種類は金融機関ごとに設定が違います。
金利には固定型と変動型があり、選び方によって返済額も変わります。保証人の有無にも違いがあり、保証人が不要な場合でも、条件が設けられていることがあるので注意が必要です。融資対象となる自宅の評価基準も金融機関によって異なるため、融資額に差が出る可能性があります。
リ・バース60は、生活費や医療費のような一般的な生活資金には利用できません。住宅ローンの一種であるため、資金の使い道が住宅関連に限られている点が特徴です。
具体的には、住宅の建設や購入、リフォーム、住宅ローンの借り換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金などが対象です。さらに、子世帯が住む住宅の取得資金にも利用できます。
また、投資目的の物件取得にも利用できません。リ・バース60を活用する際は、資金使途が住宅関連に限られる仕組みを理解し、目的に合わせて検討しましょう。
リ・バース60には「リコース型」と「ノンリコース型」の2種類があり、契約時にどちらかを選びます。大きな違いは、契約者が亡くなったあとの返済義務にあります。
リコース型では、担保としている自宅を売却しても借入残高が返済しきれない場合、その不足分を相続人が返済する必要があります。金利はノンリコース型よりも低く設定されることが多いですが、相続人の経済的な負担が発生する点に注意が必要です。
一方、ノンリコース型では、自宅の売却代金で返済が完了し、残債があっても相続人が返済を求められることはありません。そのため、多くの利用者がノンリコース型を選んでいます。
リコース型を選ぶ際は、相続人に負担が生じる可能性があるため、契約内容を十分に確認しましょう。家族でよく話し合い、リスクを理解したうえで選択することが重要です。
本記事では、リバースモーゲージの仕組みやリ・バース60の特徴、リースバックとの違いについて解説しました。リ・バース60は住宅関連資金に特化しており、利用する際には契約条件や返済方法の違いを理解することが大切です。
老後の住まいや資金計画を検討している方は、リバースモーゲージやリ・バース60を上手に活用しましょう。
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