引っ越したいのに1年以上家が売れない理由とは?戸建てやマンションが売れない原因と対策を解説

公開日:2024.11.01

引っ越したいのに家を売りに出してから1年以上経っても売れないという状況に直面している方々にとって、原因や解決策を見つけることは大きな課題です。市場の動向や物件の状態、価格設定など、さまざまな要因が絡み合っているため、一筋縄ではいかないことが多いでしょう。

家の売却を成功させるためには、価格の見直しや不動産会社の変更など、さまざまな対策が必要となります。本記事では、1年以上売れない家の原因や売るための対策について解説します。

不動産価格はどのように決まる?

1年以上家が売れない原因の一つに、不動産価格の設定が適切でない場合が挙げられます。不動産価格は、戸建てとマンションで異なる要素に基づいて決定されます。ここでは、戸建てとマンションの価格の決まり方を具体的に解説します。

戸建て価格の決まり方

戸建て住宅の価格は、土地と建物の価値の組み合わせによって決まります。土地と建物の価値は、以下の主な要素で決まります。

土地の価値建物の価値
・生活環境

・接道状況

・地域の治安

・形状と広さ

・駅からの距離

・教育施設の近さ

・築年数

・建築素材

・設計の質

・リフォーム歴

・メンテナンス状態

最近では、郊外や自然豊かなエリアへの移住が注目され、そのような地域の戸建て価格が上昇しています。しかし、逆に需要が少ないエリアや、古い建物の場合は価格が低くなるケースもあります。

1年以上売れない戸建ての多くは、上記の要因を適切に考慮できていない可能性があります。市場動向や立地の特性を理解し、価格の見直しを検討しましょう。

マンション価格の決まり方

マンションの価格は、以下の主な要素で決まります。

  • 階数
  • 立地条件
  • 部屋の位置(方位)
  • 設備の充実度
  • 修繕計画の状況
  • 管理組合の運営状況

築浅マンションや高いセキュリティ設備を備えたマンションは、高値で取引されることが多い傾向があります。一方、築古マンションや管理状態が悪いマンションは価格が下がりがちです。売却を成功させるためには、物件の強みと弱みを明確に把握し、価格を再設定しましょう。

家が売れない理由

家が1年以上売れない場合、原因を特定し対策を考えることが大切です。ここでは、株式会社すむたすが行った「売れない・売れづらい不動産の理由」に関する調査を基に売却が進まない理由について解説します。

出典)株式会社すむたす|「売れない・売れづらい不動産の理由」に関する意識調査

相場よりも高い金額で売ろうとしている

売れない原因の一つは、設定した売却価格が相場よりも高すぎることです。価格が市場の適正水準を大幅に超えていると、買い手には割高に感じられ、物件への興味を失わせる可能性があります。
同じエリアで似たような物件が複数売り出されている場合、価格が高いと選ばれにくくなります。現在はオンラインでも相場情報を調べられるため、価格設定の目安を一般の人でも簡単に把握できます。そのため、不動産会社の査定どおりに価格を決めるのではなく、自分なりに価格が適切かどうかを判断するのも重要です。

共有部が汚い・室内・設備が劣化している

外観が綺麗であっても共有部が汚い、室内・設備が劣化していると家が売れない理由となります。多くの購入希望者は、インターネット上で物件の写真を見て、実際に内見を行い購入を検討します。そのため、写真のクオリティが良くても、内見を行った場合に、共有部分が暗くて汚い、設備が劣化していると物件の印象を悪くしてしまいます。
逆に、室内が綺麗で設備も新しいものを取り付けてある家であれば、物件の印象が良くなります。中古マンションの場合はリフォームしてから売却することも検討するとよいでしょう。

周辺にスーパーや病院などが少ない

前述した調査によると、新型コロナ後は家の周辺の利便性が求められるようになっているようです。周辺に医療施設・介護施設が少ない場合やスーパー・コンビニ等の商業施設が少ない場合は、家が売却しづらくなる可能性があります。

水害や地盤が緩い

地盤が緩い地域や浸水の想定される区域にある家だと、家が売れにくくなる可能性があります。例えば、東京都は大雨や台風による水害の可能性がどれぐらいあるのか区域に示した、洪水浸水想定区域図を公開しています。売却を想定している家が、水害被害の可能性が高い地域にあると、購入希望者への印象が悪くなり、売却しづらくなってしまうでしょう。

家が売れない時の対策

家を売却しようとして1年以上が経過しても売れない場合、原因を分析し適切な対策を講じることが大切です。ここからは、具体的な対策方法について解説します。

価格を見直す

1年以上家が売れない場合、見直すべきなのは価格設定です。多くの場合、売れない原因は物件が相場よりも高い価格で設定されていることにあります。

不動産市場は常に変動しており、特に過去1年間で周辺の物件価格が変わっている可能性があります。そのため、最新の市場データを基に価格を再評価しましょう。具体的には、近隣での最近の売却事例を調べることや、不動産エージェントに最新の査定を依頼する方法があります。また、SBIシニアの住まいとお金でも売却物件の査定を行っています。

不動産会社を変える

1年以上売れない家を売却するためには、不動産会社の変更も有効な手段です。不動産会社によって得意な地域や販売手法が異なるため、物件に最適な会社を選ぶことが大切です。

不動産会社が地域の市場動向に詳しくない、または効果的なマーケティングを行っていないと、売却が遅れる可能性があります。新しい不動産会社を選ぶ際は、過去の実績や口コミ、提案される販売戦略をチェックし、信頼できるパートナーを見つけましょう。

媒介契約の種類を変更する

不動産会社に自宅の売却を依頼する際には媒介契約を締結する必要があります。媒介契約には以下の3種類がありそれぞれ契約内容が異なります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

一般媒介契約は複数の不動産会社に売却の仲介を依頼できる契約です。複数の不動産会社と連絡を取り合う必要があるため工数はかかりますが、多くの購入希望者にリーチできます。専任媒介契約は1社の不動産会社とのみ仲介を依頼する契約です。仮に自身で不動産の買い手を見つけられた場合は、自ら直接取引することも可能です。
一方で、専属専任媒介契約も1社の不動産会社とのみ仲介を依頼する契約ですが、自身で不動産の買い手を見つけられても直接取引することはできません。

媒介契約の種類については、「自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説」で詳しく解説しているので、詳細な内容とメリット・デメリットを知りたい方はぜひ参考にしてください。

まとめ

本記事では、1年以上家が売れない理由や対策について解説しました。1年以上家が売れない理由は、相場とかけ離れた高額な価格設定、物件の状態や立地条件の悪さです。
上記の要因を改善するためには、まず適正な価格に見直すことが大切です。価格が高すぎると、購入希望者の興味を引けず、市場での競争力が低下します。売却が長引いている場合、具体的な対策を講じることで、売れない状況を改善できる可能性があります。

また、不動産会社の選び直しや、販売戦略の見直しも有効です。家が売れない原因を理解し、適切な対応を取りながら売却に向けて行動しましょう。

執筆者紹介

「SBIシニアの住まいとお金」スタッフ
シニア世代の住まいから、住宅ローンや老後の資産形成などのポイントをわかりやすく丁寧に解説していきます。様々な資格と経歴を持った住まいとお金のプロフェッショナルが執筆、監修を行っています。
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