金融/不動産知恵袋

まぐまぐ

  • 相続で取得した不動産に不動産取得税はかかる?仕組みや注意点について解説

    マイホームの購入など、不動産を取得したときには不動産取得税がかかります。では、相続で不動産を取得した場合には、不動産取得税はかかるのでしょうか。 相続により不動産を取得した場合、原則不動産取得税はかかりません。しかし、相続時にも贈与とみなされる場合には、不動産取得税がかかるケースもあります。そのため、不動産を相続する前に、課税の仕組みや注意点について理解しておくことが大切です。今回は、不動産取得税の仕組みや相続時の不動産取得税について解説します。 不動産取得税とは 不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得したときに、不動産を取得した人に対して課税される税金です。不動産を購入したときはもちろん、家屋の建築などで取得した場合にもかかります。なお、有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税されます。 不動産取得税の税額は、以下の算式」で計算されます。 「不動産取得税=取得した不動産の価格(課税標準額)×税率」 課税標準額は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。不動産の購入価格や工事建築費ではないので注意しましょう。税率は、2024年3月31日まで土地・家屋(住宅)は3%、住宅以外の不動産は4%です。 参考:東京都主税局「不動産取得税」 相続時に不動産取得税がかからない理由 相続で不動産を取得したときに不動産取得税はかからない理由は、売買や贈与等とは異なり、あくまで「形式的な所有権の移動」とみなされるため、非課税となります。 一方で、相続時もしくは相続に関連して不動産を取得する場合でも、贈与とみなされる場合は不動産取得税がかかります。具体的には、以下のようなケースです。 不動産取得税がかかるケース1:死因贈与 死因贈与とは、財産の所有者(贈与者)が生前のうちに、契約で財産を渡す相手(受贈者)を決めることです。贈与者の死亡を条件として、受贈者に財産を贈与する契約を締結します。 遺言により財産を譲り渡す「遺贈」と似ていますが、死因贈与は贈与者と受贈者の間で契約が必要です。死因贈与は相続には含まれません。そのため、死因贈与で不動産を取得した場合も不動産取得税がかかります。 参考:山形県「不動産を相続したときには、不動産取得税は課税されますか?」 不動産取得税がかかるケース2:特定遺贈 相続人が残した遺言書によって財産を引き継ぐケース(遺贈)もあります。遺言書で財産を残す方法には、「包括遺贈」と「特定遺贈」の2つがあります。 包括遺贈:遺産の全部または一定割合を残す方法 特定遺贈:遺産のうち具体的な資産を指定して残す方法 包括遺贈では、「Aさんに遺産の~%を遺贈する」のように財産の割合を示しますが、どの財産を残すかは明確にしません。一方、特定遺贈は「Bさんに自宅を遺贈する」のように、どの財産を残すかを具体的に指定します。 包括遺贈では、相続人・相続人以外を問わず不動産取得税はかかりませんが、特定遺贈で法定相続人以外の人が不動産を相続する場合は、課税されます。 参考:東京都主税局「Q23 遺贈により不動産を取得した場合、不動産取得税は非課税になりますか。」 不動産取得税がかかるケース3:相続時精算課税制度 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の両親や祖父母から、20歳以上の子または孫に財産の贈与するときに利用できる贈与税の制度です。 相続時精算課税制度を利用すると、同一の贈与者からの贈与であれば、総額2,500万円まで贈与税が課税されません。また、限度額に達するまでは何回でも控除できます。ただし、相続時には、相続時精算課税制度の贈与財産と他の相続財産を合計して相続税を計算する必要があります。 相続時精算課税制度の適用を受け、贈与として不動産を取得した場合は不動産取得税がかかります。 参考:東京都主税局「Q3 贈与税において、相続時精算課税制度の適用を受けたのですが不動産取得税は課税されますか。」 関連記事はこちら相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介 まとめ 原則として相続によって不動産を取得した場合は、不動産取得税は課税されません。ただし、死亡を原因とした死因贈与や遺贈、相続時精算課税制度によって取得した場合は課税されます。 両親などから不動産を引き継ぐ予定がある場合、不動産取得税のほかに相続税、贈与税なども考慮する必要があります。自身で最適なタイミングを判断するのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 参考:東京都主税局「Q22 相続により不動産を取得した場合、不動産取得税は非課税になりますか。」 相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説 相続で取得した不動産に住む予定がない場合は、売却を検討することもあるでしょう。相続不動産を売却して現金化すれば、複数の相続人がいても財産を分けやすくなります。 相続不動産の売却には税金がかか...記事を読む

    2021.06.09相続
  • 相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説

    相続で取得した不動産に住む予定がない場合は、売却を検討することもあるでしょう。相続不動産を売却して現金化すれば、複数の相続人がいても財産を分けやすくなります。 相続不動産の売却には税金がかかりますが、税制特例を利用すれば節税できるかもしれません。今回は、相続不動産の売却にかかる税金と税制特例、売却時の注意点について解説します。 相続不動産の売却でかかる税金の種類 相続不動産の売却でかかる税金は、相続時に支払う「登録免許税」と売却時に支払う「印紙税」「譲渡所得税」の3つです。それぞれの内容を確認していきましょう。 登録免許税 登録免許税とは、相続登記の際にかかる税金です。相続登記では、相続した不動産の所有権を被相続人から相続人へ変更する手続きをします。被相続人の名義のままでは不動産を売却できないため、売却前に所有権を相続人へ変更しておく必要があります。 登録免許税の税額は「不動産価格×0.4%(1,000分の4)」です。不動産価格は、市町村役場で管理している固定資産課税台帳の価格となります。 登録免許税は、原則として現金で法務局に納付しますが、オンライン申請なら電子納付も可能です。なお、相続登記を自身で行わずに司法書士に依頼する場合、報酬も含めて司法書士に支払うのが一般的です。 参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」 印紙税 印紙税とは、不動産売買契約書に貼付する印紙のことです。契約金額によって、印紙税額は以下のように異なります。 印紙税額一覧表 契約金額 印紙税額 軽減税額 100万円超 500万円以下2,000円1,000円 500万円超 1,000万円以下10,000円5,000円 1,000万円超 5,000万円以下20,000円10,000円 5,000万円超 1億円以下60,000円30,000円 1億円超 5億円以下100,000円60,000円 ※2014年(平成26年)4月1日~2022年(令和4年)3月31日に作成される「不動産の譲渡に関する契約書」については税額が軽減されています。 たとえば、相続不動産を3,000万円で売却する場合、印紙税額は2万円(軽減税額1万円)となります。 参考:国税庁「印紙税額一覧表(令和2年(2020年)4月現在)」 譲渡所得税 譲渡所得税とは、不動産の売却益(譲渡所得)に対して課税される税金です。相続不動産を売却して譲渡所得が生じる場合は、所得税や住民税を納める必要があります。譲渡所得は以下の計算式で求められます。 譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 譲渡価額は、不動産の売却代金です。 取得費は、売却する不動産を取得するためにかかった費用のことです。相続不動産の場合、被相続人がその不動産を買い入れたときの購入代金や仲介手数料などの合計額となります。 建物については、減価償却費を控除した後の金額です。また、相続で払った登記費用も取得費に含まれます。取得費がわからない場合は、売却代金の5%相当額を取得費とすることも可能です。 譲渡費用には、相続不動産を売却するときに払う仲介手数料などが含まれます。特別控除額は、税制特例が適用されるときに控除できる金額です(後ほど詳しく説明します)。 譲渡所得の税額は、譲渡所得に税率をかけて計算します。税率は、不動産の所有期間に応じて以下のように異なります。 長期譲渡所得:20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%) 短期譲渡所得:39.63%(所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%) ※復興特別所得税の税率は2.1%で、これを所得税に乗じた値となります 不動産を売却した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。相続不動産の場合、被相続人の取得時期がそのまま相続人に引き継がれるため、被相続人の取得日から所有期間を判定します。 (参考) ・国税庁「土地や建物を売ったとき」 ・国税庁「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」 相続不動産を売却するときの税制特例 相続不動産の売却では、税制特例を利用すると譲渡所得税の節税になります。ここでは、相続不動産の売却で適用される税制特例を3つ紹介します。税制特例の適用を受けるには確定申告が必要です。 取得費加算の特例 「取得費加算の特例」とは、売却する相続不動産に対する相続税を取得費に加算できる特例です。取得費が増えると課税所得が減るので、譲渡所得税の節税になります。 本特例の適用を受けるには、相続税申告期限の翌日以降3年以内(相続開始から3年10ヵ月以内)に売却する必要があります。 参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」 相続空き家の3,000万円特別控除 「相続空き家の3,000万円特別控除」とは、相続した空き家を売却するときに、一定の要件を満たすと最高3,000万円の特別控除が適用される特例です。課税所得を大きく減らせるので、譲渡所得税の節税になります。 「1981年(昭和56年)5月31日以前に建築」「マンション(区分所有建物)不可」などの条件があるため、適用対象となる建物は限定されます。また、取得費加算の特例とは併用できない点にも注意が必要です。 参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 居住用財産の3,000万円特別控除 「居住用財産の3,000万円特別控除」とは、マイホームを売却したときに、一定の要件を満たすと最高3000万円の特別控除が適用される特例です。相続した不動産に相続人が居住していた場合は、本特例の適用を受けられます。 以前に住んでいた場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。本特例は、取得費加算の特例との併用が可能です。 参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 相続不動産の売却における注意点 相続不動産の売却における注意点は以下2つです。 確定申告が必要 相続不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、確定申告をして譲渡所得税を納めなくてはなりません。原則として、相続不動産を売却した翌年の2月16日~3月15日が確定申告期間となります。 期限までに確定申告をしないと無申告加算税や延滞税が課される可能性があるので、手続きを忘れないようにしましょう。 なお、税制特例を考慮して計算した結果、譲渡所得がマイナスとなって譲渡所得税がかからない場合も確定申告は必要です。たとえ要件を満たしていても、確定申告をしないと税制特例は適用されないので注意が必要です。 分割方法によって支払う税金が変わる 相続不動産の分割方法は、「代償分割」と「換価分割」の2つがあります。 代償分割:特定の相続人が不動産を相続・売却し、他の相続人に代償金を支払う方法 換価分割:相続人全員で不動産を相続・売却し、その売却代金を分割する方法 どちらを選択するかによって、譲渡所得税額が変わることがあり、各種税金の精算方法も変わってきます。税理士などの専門家に相談した上で、どちらを選ぶか判断するといいでしょう。 まとめ 相続不動産の売却では税金がかかりますが、税制特例をうまく利用すれば節税できる可能性があります。自分で確定申告をしたり、特例が適用されるか判断したりするのが難しい場合は、税理士や不動産会社などの専門家に相談しましょう。 住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと 長寿化に伴い、自身の老いや死に関するさまざまな事柄に備える「終活」が注目されるようになりました。終活で準備しておくべきことはたくさんありますが、「持ち家をどうするか」は大きなテーマの一つでは...記事を読む

    2021.06.02相続
  • 持ち家の場合、老後資金はいくら必要?資金不足の対処方法も紹介

    老後に必要な生活費は、持ち家と賃貸で大きく変わります。持ち家の場合、老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。 年金だけで足りない分は、貯蓄などでカバーしなくてはなりません。年金生活に入る前に老後の生活費について把握し、必要な資金を準備しておくことが大切です。 今回は、持ち家の場合の老後生活費の目安や、資金が足りないときの対処方法について解説します。 持ち家でも老後資金は月4万円不足する 総務省の「家計調査報告」によると、夫婦高齢者無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支は社会保障給付(年金収入)が219,976円に対し、支出は255,550円です。 年金収入のみの場合、老後の生活費は月約4万円不足します。年間約50万円の支出超過のため、仮に老後生活が30年続くとすると、1,500万円程度の資金が必要です。 もちろんあくまでも平均結果であり、この数字がそのまま当てはまるわけではありません。共働きで年金収入が多い世帯であれば、年金だけでも十分な生活費を確保できるでしょう。 一方で、「自営業で年金が少ない」「豊かなセカンドライフを送りたい」「リフォームの予定がある」といった場合、より多くの資金を準備する必要があります。 (参考)総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要(P18~19)」 賃貸だと老後の生活費は更に大きな負担となる 60歳以上(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)の持ち家率は90.4%で、持ち家が全体の9割を占めています。また、家計収支の支出の内訳を確認すると、住居費は14,518円と少額であることから、先程示した総務省の家計収支はあくまで持ち家の場合の生活費だと考えられます。 賃貸住まいは家賃がかかり、持ち家の場合に比べて住居費の負担が増えるため、老後の生活費は月4万円の不足では済まないでしょう。一生賃貸で過ごすには、持ち家よりもさらにまとまった老後資金を準備する必要があります。 (参考)総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要(P18~19)」 老後資金が足りないときの5つの対処方法 持ち家の場合、老後の生活費が月4万円程度不足する可能性があることがわかりました。老後の生活費が足りないと想定されるときは、どのように資金を準備すればよいのでしょうか。 ここでは、老後の生活費が足りないときの対処方法を5つ紹介します。 支出を見直す 支出を見直して生活コストを下げることができれば、老後の生活費は少なくなります。食費や電気代といった変動費の節約は労力がかかる割に得られる効果が小さいので、固定費を中心に支出を見直すといいでしょう。 たとえば、都心部に住んでいるなら、マイカーを手放してカーシェアリングを利用したほうが節約になるかもしれません。また、保険を見直すことで、保険料の負担が軽減されることもあります。 現在よりも少ない支出で生活ができれば、年金収入だけで暮らせる可能性もあります。 なるべく長く働いて収入を得る 持ち家で老後の生活費が月4万円不足するのは、夫婦高齢者無職世帯のケースでした。そのため、老後も働いて年金以外の収入を得ることができれば、生活費の不足を解消することは可能です。 「老後を迎えてまで働きたくない」と思うかもしれませんが、月4万円の不足を補うだけならフルタイムで働く必要はありません。自分のペースでアルバイトを行うだけでも、十分に稼げる金額ではないでしょうか。 また、老後も働くことで、社会とのつながりや生きがいを得られるメリットもあります。 年金の繰下げを検討する 公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、「繰下げ」によって受給開始を遅らせることも可能です。年金の繰下げを行うと、最大で42%年金が増額されます。老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに、繰下げによる年金の増額率は以下の通りです。 繰り下げによる年金増額率 請求時の年齢 増額率 66歳0ヵ月~66歳11ヵ月8.4~16.1% 67歳0ヵ月~67歳11ヵ月16.8~24.5% 68歳0ヵ月~68歳11ヵ月25.2~32.9% 69歳0ヵ月~69歳11ヵ月33.6~41.3% 70歳0ヵ月~42.0% 繰下げによって増えた年金額は一生変わらないため、老後の生活費の不足を解消できる可能性があります。65歳以降も一定の勤労収入がある場合や当面は年金をもらえなくとも生活に支障がない場合は、年金の繰下げを検討しましょう。 (参考)日本年金機構「年金の繰下げ受給」 お金を運用して資産寿命を延ばす 預貯金だけでなく、投資信託などを活用して運用しながら資産を取り崩すことで、資産寿命を延ばすことができます。たとえば、3,000万円の資金を毎月13万円取り崩しながら年4%で運用を行うと、預貯金よりも資産は約17年長持ちします。 ただし、あくまでもシミュレーション結果であり、この通りに運用できるとは限りません。また、投資信託は元本保証ではないので、損失が発生する可能性もあります。資産寿命を延ばすために資産運用に取り組む場合、特に高齢になってからの資産運用は、リスクの取りすぎに注意しましょう。 (参考)SBI証券「資産の寿命は大丈夫?「人生100年時代」の資産運用とは?」」 持ち家を活用して資金調達する 老後の生活費が足りない場合、持ち家を活用して資金調達する方法もあります。売却のほか、賃貸に出して家賃収入を得る、不動産担保ローン、リースバックなど、持ち家があれば資金を工面できる可能性があります。 持ち家の資産価値を活かす方法は、以下のページで紹介しています。 参考はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? まとめ 老後の生活費は、持ち家でも月4万円程度不足する可能性があることがわかりました。ただし、あくまでも平均額であるため、まずは自身に必要な生活費を把握することが大切です。この記事で紹介した内容を参考に、老後資金の準備を始めましょう。 老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 賃貸暮らしをしていると、老後に向けて自宅を購入すべきか悩むのではないでしょうか。賃貸か持ち家かによって、老後の生活においてそれぞれメリット・デメリットがあるので、ライフスタイルに応じてどちら...記事を読む

    2021.05.26老後資金
  • 住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説

    「終活」という言葉が一般に広がるなか、近年、「住まいの終活」についても注目されるようになってきました。どのような内容なのか、どうしたらいいのかなどについて考えてみましょう。 「住まいの終活」とは? そもそも「終活」とは、自分の人生の終わり方を考え、そのために必要な準備をすることを言います。明日かもしれないし、30年以上先かもしれない。いつ訪れるかわからない「もしもの時」に備えて、身辺整理をしておくことを言います。 ただし、最近は「人生100年時代」と言われ、亡くなるまでの期間も長くなっているため、終活といっても「人生の幕引き」だけではなく、セカンドライフの生活を考えることも、「終活」に含まれます。 こうした「終活」に関して、最近は特に、住まいに関しても考える必要性が問われるようになってきました。理由としてはいくつか挙げられます。 経年劣化等によって、住居に不具合が生じる 住居の生活利便性が低く、車を手放すと生活が厳しい 要介護となった結果、生活が出来ない 将来的に老人ホームの利用を検討しており、住居を持て余す このようなことから、老後を意識し始める頃から、「終活」とともに「住まいの終活」についても真剣に考え、準備をしておく必要があります。自身の老後を見据え、よく検討しましょう。 一方で、「住まいの終活」といっても、状況によってポイントや準備方法が異なります。どのように行えばいいのかを以下の状況別に考えてみましょう。 住み替えの希望や必要があるか 老後資金に問題がないか 死後に住居をどうする予定か 住み替えの必要があるか 定年後になると、通勤を考えずに住まいを決めることが出来るので、今後の住まいについて考える人も多いのではないでしょうか。そして、今後の住まいを考えるときには、住み替えを検討するかもしれません。住み替えをすることでより良い条件で生活を送れる可能性がありますが、多額の資金が必要となるため、慎重に検討する必要があります。 そこで、住み替えをするかどうかを判断する際には、自分が死ぬまで現在の住まいで生活をする場合に何か不都合が生じるか、という切り口で判断するといいでしょう。特に下記のポイントに該当する場合には、住み替えを検討してもいいかもしれません。 経年劣化等により、この先何十年も暮らしていくのが難しい 生活するためには車が必須で、生活利便性が低い立地である 子供と離れて暮らしているため、親族のサポートが期待できない 経年劣化等の理由であれば、リフォームという選択肢もあります。一方で、建物をリフォームするだけでは問題が解決できない場合には、住み替えを検討するといいでしょう。住み替えは、新しく住みやすい家に引っ越したいという希望だけでなく、住み替えにお金を使っても老後の生活費に問題がないかなど、資金面でも慎重に検討する必要があります。 老後資金に問題がないか 次に、住み替えに限らず、リフォームを検討している場合にも、老後資金が不足しないかどうかを慎重に検討する必要があります。高齢になると住宅ローンを組むことが難しく、住み替えの場合は手元資金を多く出さなければならないケースが多いでしょう。また、リフォームをするにしても、ローンが組めずに全額手元から融通する必要があるかもしれません。 老後資金が不足することを見据えて不動産売却を視野に入れている人もいるでしょう。しかし、不動産売却をすると新しい住み替え先も決めておかなければなりません。そのため、不動産売却以外の資金の捻出方法も考えておいた方が良いかもしれません。 住宅を活用して、老後資金を捻出する方法としては次のようなものが挙げられます。 リバースモーゲージ 自宅に住み続けながら、自宅を担保に一時金や月々の生活費を借りる仕組み。金融機関によって、エリアや不動産の種類、最低評価額が決められていることがあります。エリアは首都圏中心と限定されていることが多く、一定評価額以上の戸建てが中心であることが多くなっています。 リースバック 自宅をリースバック専門の不動産会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組み。売却代金は一括一時金で受け取ることができ、使途に制限はありません。物件の立地は流動性の高いエリアであることが一般的です。 不動産担保ローン 不動産を担保にして借りるローン。実際には、担保となる不動産に抵当権を設定して借り入れをします。土地や一戸建て、マンション等が対象ですが、物件の立地は流動性の高い主要都市に限られる金融機関が多いようです。 その他にも、以下のコラムで詳細を解説していますので、ご参考ください。 詳細はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? 死後の住居をどうする予定か 自分自身の問題をクリアした後は、死後の住居についても考えておく必要があります。相続人が一人の場合には、不動産を含めた財産分与の問題は生じないでしょう。しかし、相続人が複数いる場合には、不動産をどう相続するかあらかじめ決めておいた方が良いでしょう。 なぜなら、不動産は所有権のみならず、誰が居住するかという問題が起こるため、相続人が複数いる場合は平等に分けるのが難しく、相続でトラブルになることもあります。また、現金化しておくことで均等に分割できますが、生前に売却すると「老後の住まいをどうするか」という問題が生じます。 死後の住まいの選択肢については以下のコラムで解説していますので、ご参考ください。 詳細はこちら住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと まとめ 住まいの終活を考える際には、できるだけ子供たちも含めて話し合うことが大事です。子供たちに家を残せない可能性が高い場合はなおさらです。 そのほか、金融資産があまりなくて遺産が不動産中心の場合、相続人同士でもめないようにするために、遺言などを作成しておくことも大事です。公正証書遺言でなく、自筆証書遺言でも今は法務局で預かってもらうこともできます。 定年が見えてきた50代後半以降は、終活や住まいの終活、場合によっては相続などについてしっかり考え、家族にも「こうしたい」ということを伝えておきましょう。特に、今後の住まい方をリアルに想定し、必要な準備をするとともに、家族と話しておくことは重要ですね。 終活とは?いつから始める?老後資金が足りないと気づいたら? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことなどから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、...記事を読む 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。

  • 住宅ローンを払い終えたらやること

    住宅ローンの返済期間は長期にわたるため、払い終えると精神的に楽になるでしょう。しかし、住宅ローンは完済した後もやらなければならない手続きがあります。 手続きを忘れてしまうと、売却や資産活用の際に不都合が生じる可能性があるので注意が必要です。今回は、住宅ローン完済までの平均期間や完済後に必要な手続きについて詳しく解説します。 住宅ローン完済までの平均どれぐらいかかるのか? 住宅ローンは、30年程度の長期にわたって返済を続けるイメージがあるのではないでしょうか。しかし、実際には比較的短期間で払い終える人もいます。ここでは、住宅ローン完済までの平均期間など、住宅ローンの返済事情について確認していきましょう。 住宅ローン完済までの平均期間は16年 住宅金融支援機構の「2020年度 住宅ローン貸出動向調査」によれば、住宅ローン完済までの平均期間は16年となっています。この結果を見て、「意外と短い」と感じたかもしれません。完済までの期間が短い理由は、以下3つの要因が影響しているからだと考えられます。 住み替えによる完済 借り換えによる完済 繰り上げ返済 転勤や子どもの独立などで間取りがライフスタイルに合わなくなり、住み替えを検討するケースがあります。住宅ローンが残っている状態で住み替えをするときは、残債を完済しなくてはなりません。住み替えにあたって自己資金が不足している場合、新たな住宅ローンを借りるケースもあります。 低金利の影響で、現在は住宅ローン金利も下がっています。金利が比較的高い時期に住宅ローンを組んだ場合、低金利のローンに借り換えることで、毎月の返済額や総返済額を減らすことが可能です。調査結果には、既存の住宅ローンを完済して新たな住宅ローンを組むケースも含まれています。 また、手元資金に余裕がある場合は、繰り上げ返済によって当初の予定よりも早期に完済するケースもあるでしょう。 繰り上げ返済を行えば平均完済期間は短くなりますが、住み替えや借り換えは完済後に新たな住宅ローンを組むことになります。そのため、完済までの期間が短くなるどころか長期化することもあります。 住宅ローン完済までの期間は長期化傾向にある 住宅金融支援機構の調査結果では、2016年度以降は住宅ローンの新規貸出期間や平均完済期間は延びています。約定貸出期間は「25.6年(2016年度)→27.0年(2019年度)」、平均完済期間は「15.0年(2016年度)→16.0年(2019年度)」となっており、住宅ローンの返済期間は長期化していることがわかります。 返済期間の長期化の理由として考えられるのは以下2つです。 繰り上げ返済の減少 借り換えメリットの減少 住宅ローンを借りてマイホームを購入すると、住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)が利用できます。10年間にわたって住宅ローン年末残高の1%が所得税から控除されるため、積極的に繰り上げ返済をする必要がなく、返済期間の長期化につながっています。 また、低金利環境が長く続いており、住宅ローンの適用金利も下がっています。低金利で住宅ローンを借りることができれば、繰り上げ返済や借り換えによる利息軽減効果はあまり期待できません。繰り上げ返済や借り換えのメリットが減少していることも、返済期間が長期化している理由の一つといえます。 参考)住宅金融支援機構「2020年度 住宅ローン貸出動向調査P15」 住宅ローンの完済後に必要な手続き 住宅ローンを払い終えた後は、どのような手続きが必要なのでしょうか。ここでは、住宅ローン完済の方法と完済後に必要な手続きについて説明します。 完済後の手続き①:繰り上げ完済の場合の手続き 住宅ローンを約定返済で完済する場合には、特に手続きをする必要がないですが、繰り上げ返済で完済する場合は、原則として金融機関の窓口で手続きします。契約者本人が訪問して返済依頼書を提出し、返済用口座に返済資金を入金するのが一般的な流れです。ただし、中にはインターネットで手続きが可能な金融機関もあります。 住宅ローンの繰り上げ完済には、借入残高の他に完済日当日までの未払利息、金融機関所定の手数料も必要です。繰り上げ完済を行う場合は事前にシミュレーションをして、必要な金額を把握しておきましょう。 また、繰り上げ完済の手続きはすぐにできるわけではなく、通常は数週間~1カ月程度かかるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。まずは住宅ローンを借りている金融機関に問い合わせて、手続きの流れや必要書類を確認することから始めましょう。 完済後の手続き②:抵当権の抹消手続き 住宅ローン完済後は、抵当権の抹消手続きが必要です。抵当権は自動的に解除されるわけではないので、手続きをしなければ、完済後も抵当権は設定されたままになってしまいます。 抵当権が設定された状態で放置しておいても、直ちに不都合が生じるわけではありません。しかし、不動産を売却したり、相続が発生したり、不動産を担保に新たな融資を受けたりする場合はスムーズに手続きができなくなります。 そのため、住宅ローンを完済したタイミングで抵当権の抹消手続きを行っておくほうがよいでしょう。抵当権の抹消は、自身で必要な書類を準備して手続きを行うか、司法書士などの専門家に依頼します。抵当権抹消手続きの流れは、後ほど詳しく説明します。 完済後の手続き③:火災保険への質権設定の解除 火災保険の質権設定とは、あまり一般的ではありませんが、保険金請求権や返還保険料請求権に対して質権を設定することです。質権を設定すると、火災保険の支払いが発生した場合に、保険金が契約者ではなく金融機関に支払われます。 仮に住宅ローンの担保となっている建物が火災で全焼した場合、金融機関は抵当権を実行できなくなります。建物が火災で全焼しても金融機関が貸付金を回収できるように、住宅ローンを組むときに火災保険の質権設定がされているケースもあります。 住宅ローンの完済後、金融機関から「保険証券」「質権消滅承認請求書」などの書類が送られてくるので、保険会社に連絡して質権消滅手続きを行います。不明点があれば、金融機関や保険会社に相談しましょう。 なお、火災保険が満期を迎えた後は、「更新」「乗り換え」「解約」の3つの選択肢がります。火災や自然災害で建物が被害を受けると、生活を立て直すためにまとまったお金がかかります。基本的に解約は避け、更新または乗り換えを検討するのがおすすめです。 抵当権の抹消手続きガイド 先程も触れたように、抵当権の抹消は自身で手続きできます。また、自身で手続きを行うのが不安な場合は、司法書士に依頼することも可能です。ここでは、抵当権の抹消手続きの流れや必要書類、費用などについて詳しく説明します。 抵当権抹消手続きのステップ 抵当権抹消手続きの流れは以下の通りです。 金融機関から完済書類を受領 管轄の法務局を確認 抵当権抹消登記申請書の取得、記入(法務局HPからダウンロード可) 必要書類の準備 法務局へ申請 住宅ローンの完済後、金融機関から抵当権抹消に関する書類が送付されます。抵当権抹消手続きは法務局で行うため、物件所在地の管轄の法務局を調べましょう。法務局HPから抵当権抹消登記申請書をダウンロードして印刷し、必要事項を記入します。記入内容に誤りがあると、手続き完了までに時間がかかるので注意が必要です。 必要書類が準備できたら、法務局に持参して申請を行います。無事に受理され、申請内容に問題がなければ手続きは完了です。申請内容に不備があった場合は法務局から連絡が来るので、指示に従って補正申請を行いましょう。 抵当権抹消手続きに必要な書類 抵当権抹消手続きに必要な書類で、金融機関から送られてくるものは以下の通りです。 登記済証(登記識別情報) 弁済証書/抵当権解除証書 抵当権抹消の委任状 金融機関の資格証明書 登記済証は、抵当権設定時に抵当権者(金融機関)に交付される書類です。法務局がオンライン化された後に発行された場合は登記識別情報になります。登記済証は赤いゴム印が押されており、登記識別情報はパスワード部分にシールが貼られています。 弁済証書/抵当権解除証書は、住宅ローンの返済が終了したことを証明する書類で、金融機関によって名称が異なります。 抵当権抹消の委任状は、金融機関が物件所有者に抵当権抹消手続きを委任するための書類です。代理人欄が空欄になっているので、申請者の署名・捺印が必要です。 金融機関の資格証明書は、住宅ローンを借りていた金融機関の登記簿です。「代表者事項証明書」「登記事項証明書」など、金融機関によって名称が異なります。金融機関の資格証明書は、有効期限が3カ月しかないので注意しましょう。 自分で抵当権抹消手続きを行う場合は、上記書類の他に印鑑証明書や本人確認書類、抵当権抹消登記申請書の作成なども必要です。 抵当権抹消手続きでかかる費用 抵当権抹消手続きでは以下の費用がかかります。 登録免許税 登記取得費用 登録免許税は、登記申請の際にかかる税金で、1つの不動産につき1,000円かかります。たとえば、一戸建ての場合は土地と建物それぞれ1,000円ずつかかるため、合計2,000円*です。 ※土地が一筆の場合を想定しています。 また、抵当権を抹消したい不動産の登記内容を確認したり、手続き後に抵当権抹消が行われたかを確認したりするための登記取得費用も必要です。物件種類や取得方法によって変わってきますが、一般的には一通につき数百円程度かかります。 司法書士に任せて抵当権抹消手続きを行う 抵当権抹消登記は法務局で手続きを行いますが、平日しか受け付けてくれないため、仕事をしながらでは難しいかもしれません。また、申請内容に不備があると、何度も法務局に出向く必要があります。 専門家である司法書士に依頼すれば、自身で手続きを行うより費用はかかりますが、確実に手続きをしてもらえるので安心です。 司法書士会のホームページを確認し、住んでいる地域の司法書士に連絡してみるといいでしょう。また、住宅ローンを借りていた金融機関に司法書士を紹介してもらう方法もあります。 抵当権抹消手続きを司法書士に依頼する場合、登録免許税や登記取得費用に加えて司法書士報酬がかかります。司法書士報酬は1~1.5万円が相場で、実費と合わせて数万円程度の費用がかかります。 住宅ローンの借り換えの場合は、完済する住宅ローンの抵当権抹消と新たに借りる住宅ローンの抵当権設定を同時に依頼する形になります。 抵当権抹消手続きを行わなかった場合どうなる 住宅ローンを完済した後に抵当権を抹消しなくても、すぐに大きな影響が出るわけではありません。しかし、不動産の売却や借入を行う際にスムーズに手続きができなくなるので、完済後は速やかに手続きをしておくほうがいいでしょう。 売却への影響 住宅ローンを完済した不動産を売却する場合、抵当権が設定されたままでは買主側に不都合が生じます。不動産会社の買取にせよ、仲介で個人に売却するにせよ、新しい買主はその不動産を担保にローンを借りる際に抵当権を設定する必要があるからです。 法律上では抵当権が設定されたままでも、不動産を売却することは可能です。しかし、実際の取引においては「抵当権が残っている状態では売却できない」と考えておくといいでしょう。 ローン審査への影響 住宅ローンを完済した不動産を担保に借り入れをしない限り、抵当権を抹消しなくても不都合はありません。住宅ローンを完済していれば、抵当権が残っていても信用情報においては借り入れがないことになっています。 ただし、住宅ローンを完済した不動産を担保に新たな借り入れを行う場合、抵当権の設定が必要になるため、完済した住宅ローンの抵当権は解除しなくてはなりません。 今は予定がなくても、急にまとまったお金が必要になれば、不動産を担保に借り入れを行う可能性も考えられます。資金が必要になったときに慌てずに済むように、住宅ローンを完済したタイミングで抵当権を抹消しておきましょう。 完済後に資産価値を活かす方法 子どもの教育費や両親の介護、自身の老後資金など、まとまったお金が必要になることがあります。そのようなときに、住宅ローンを完済した持ち家を活用すれば、資金を工面できるかもしれません。ローン完済後に持ち家の資産価値を活かす方法は、以下のページで紹介しています。 参考)住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス 不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を担保にお金を借りることができるローンです。資金使途は原則自由で、生活資金や教育資金、事業資金など幅広い資金ニーズに対応できるのが魅力です。ご相談や仮審査は無料で承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。 参考)不動産担保フリーローン|SBIエステートファイナンス まとめ 住宅ローンを払い終えたら、そのタイミングで抵当権を抹消しておくのがおすすめです。抵当権が設定されたままでも、当面は不都合が生じることはありません。しかし、抵当権が設定されたままでは、不動産の売却や借り入れの手続きに時間がかかってしまいます。 抵当権の抹消は自身で手続きできますが、司法書士に依頼することも可能です。申請内容に不備があると時間や手間がかかるので、不安がある場合は司法書士に依頼して手続きを進めましょう。 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ロー...記事を読む

    2021.05.12住宅ローン
  • 住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

    長く住み続ける予定でマイホームを購入しても、仕事や人間関係、環境の変化などを理由に「住み替えたい」と思うこともあるでしょう。しかし、住宅ローンが残っている状況では、新しい家に住み替えができるか不安を感じるのではないでしょうか。 住宅ローンが残っている場合、自宅の売却代金で残債を完済するのが基本です。ただし、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合は、「住み替えローン」を利用する方法もあります。 今回は、住み替えローンの概要やメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。 住み替えローンとは? 住み替えローンとは、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない時に、残債を新居の購入代金と併せて借入する事ができるローンのことです。 自宅の資産価値よりも住宅ローン残高のほうが多い状態のことを「オーバーローン(貸出超過)」といいます。住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新たに購入する家の購入資金をまとめて借りることができるため、オーバーローン状態であっても利用できます。 「住み替えたいが自宅の売却代金で住宅ローンを返済しきれない」という場合は、住み替えローンを検討するといいでしょう。 住み替えローンを利用する際の流れ 住み替えローンの手続き自体は、通常の住宅ローンと大きな違いはありません。ただし、住み替えの際は「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。 自宅の売却活動では、不動産仲介業者に自宅の査定を依頼し、仲介により売却するのが一般的です。また、不動産会社と直接取引することで、より早期に売却できます。どちらも売却価格の合意後に売買契約を締結することになります。また、新居の購入活動では、不動産会社に物件を紹介してもらい、購入物件が決まったら売主と売買契約を締結します。 住み替えローンを利用するときは、自宅の売却(住宅ローンの完済)と新居の購入の決済は同じ日に行わなくてはなりません。自宅の売却と新居の購入はどちらから始めても構いませんが、なるべく平行して活動を進めて決済日を合わせる必要があります。 住み替えローンのメリット 住み替えローンのメリットは以下の通りです。 住宅ローンの残債を完済できなくても住み替えができる 住み替えローンの最大のメリットは、自宅の売却代金で住宅ローン残債を完済できなくても住み替えができることです。 住宅ローンの残債が減るのを待つことなく、自分の好きなタイミングで住み替えができます。転勤や子どもの進学などでどうしても住み替えが必要な場合は、住み替えローンを利用するといいでしょう。 手元資金を使わずに済む 住み替えローンは、住宅ローン完済のために手元資金を使わずに済むのもメリットです。 手元資金で住宅ローンの残債を完済すれば借入はなくなりますが、大幅に手元資金が減ってしまう可能性があります。急にまとまったお金が必要になる可能性もあるので、もしものときに備えて「まとまったお金を残しておきたい」と考える人もいるでしょう。 住み替えローンを利用すれば、手元にお金を残しながら新居に住み替えができます。 住み替えローンのデメリット 一方で、住み替えローンには以下のデメリットもあります。 不動産の価格以上に借入金額が膨らむ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることになるため、借入金額が膨らんでしまいます。借入金額が増えれば、これまでよりも返済負担は大きくなるでしょう。 せっかく住み替えをしても、ローン返済が困難になれば新居を手放すことになりかねません。住み替えローンを利用する場合は、無理なく返済できるかを見極めることが大切です。 金融機関の審査が厳しい 住み替えローンは、住宅ローンに比べると金融機関の審査が厳しい傾向にあります。 不動産(新居)の評価額以上の金額を融資するオーバーローンであるため、返済能力や新居の担保価値を厳しく審査されます。そのため、勤務先や年収、ローン返済歴などによっては審査落ちの可能性もあります。 住み替えローンの注意点 住み替えローンは、自宅の売却と新居の購入を同時決済しなくてはなりません。そのため、不動産会社や金融機関と相談し、同じ日に決済できるように調整する必要があります。 新居の購入は物件や購入日を自分で選べるため、コントロールできる部分が多いといえますが、仲介で自宅の売却をしようとしても、買主が見つからないと手続きを進めることができないため、決済日の調整が難しいでしょう。 そのため、売却は購入のタイミングに併せて不動産会社に直接買い取りを依頼するなど、購入と同時に決済が出来るよう段取りをしておく必要があります。このように売却を仲介ではなく、不動産会社による直接買い取りにする場合には、価格が時価より下がりやすいので注意が必要です。 自宅売却で譲渡損失が生じても税制上の特例が使える 自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合、譲渡損失(売却損)が発生する可能性が高いでしょう。マイホームの売却で譲渡損失が生じた場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。 本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。 また、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、最長3年間にわたって繰り越して各年の所得から控除できるため、所得税や住民税が軽減されます。特例が利用できるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 参考)国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることができるのがメリットです。ただし、借入金額が膨らむため、審査に通ったとしても毎月の収支を圧迫する恐れがあります。住み替えローンの利用は慎重に判断しましょう。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 持ち家に住んでいても、ライフスタイルの変化や金銭的な問題で「住み替え」を検討することがあるでしょう。しかし、住み替えたいと思っても、どのような手順で住み替えを進めたらよいかわからないのではな...記事を読む

  • 住宅ローンを比較する5つのポイント

    マイホームは、住宅ローンを利用して購入するのが一般的です。さまざまな金融機関が住宅ローンを扱っているので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 自分に合った住宅ローンを選ぶには、比較するポイントを理解しておくことが大切です。今回は、住宅ローンを比較する5つのポイントをお伝えします。 比較ポイント1:審査基準 住宅ローンでは、基本的に審査金利と返済比率が独自に決められています。 まず、審査金利とは、住宅ローン審査で使われる金利のことで、通常は適用金利よりも高めに設定されています。次に、返済比率は年収に対する年間返済額の割合(年間返済額÷年収)を意味し、一般的には30~35%が基準といわれています。 高めの金利で審査が行われると借入可能額が下がるため、借入希望額によっては審査に落ちる可能性があります。また、連帯債務者の収入を返済比率にどのように組み込むかによっても、審査結果は変わってきます。 注文住宅の場合は、土地先行決済の分割融資(つなぎ融資、土地先行融資)への対応が可能かどうかも確認しておきたいポイントです。 まずは不動産会社や金融機関の担当者に話を聞き、借りられそうだと判断できる場合は仮審査に申し込んでみましょう。 比較ポイント2:金利 住宅ローンは適用金利が下がるほど、毎月の返済額や総返済額を減らすことができます。金利タイプが同じであれば、最も金利が低い住宅ローンを選ぶといいでしょう。 住宅ローンで比較が難しいのが、固定金利期間選択型(当初固定型)の住宅ローンです。固定金利期間が終了すると、一般的に変動金利に切り替わるため、当初の固定金利だけでなく、変動金利も考慮して比較する必要があります。 比較ポイント3:手数料 住宅ローンを借りる際は以下の手数料がかかります。 事務手数料 保証料 司法書士に払う登記費用 事務手数料は、借入金額にかかわらず定額の場合もあれば、借入金額の一定割合(借入金額×〇%)の場合もあります。借入金額が大きいときは、定額を選ぶと費用を抑えられる可能性があります。 保証料は、保証会社に支払う費用です。債務者が住宅ローンを返済できなくなった場合、保証会社が代わりに返済する仕組みになっています。保証料は一括で払うか、0.2%程度の金利が上乗せされます。 保証料が無料の住宅ローンもありますが、その場合は事務手数料が高くなることがあります。そのため、事務手数料と保証料はセットで比較するといいでしょう。 住宅ローンを借りる際は所有権の移転登記や抵当権を設定する必要があるため、司法書士に払う登記費用もかかります。司法書士は一般的に自分で探すのではなく、金融機関や不動産会社に紹介してもらえます。 また、繰り上げ返済や借り換えなどを見据えて、一部繰上返済手数料や全額繰上返済手数料も忘れずに確認しておきましょう。 比較ポイント4:団体信用生命保険 住宅ローンの団体信用生命保険(団信)とは、債務者が返済期間中に死亡または高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残債が全額弁済される保険のことです。団体信用生命保険は、特約の種類や上乗せされる保険料(金利)が比較対象となります。 特約については、特定の疾病にかかると住宅ローン残高が0円になる、一定期間の返済相当額を保障してくれるなど、さまざまな種類があります。住宅ローンを比較する際は、特約の種類をそろえるとわかりやすいでしょう。 団体信用生命保険は、基本的に年齢や性別による保険料の違いはありません。一方で、医療保険やがん保険で保障を確保しようとすると、年齢が高くなるほど保険料が割高になるため、借入時の年齢が上がれば上がるほど団体信用生命保険による保障が有利に働きます。 比較ポイント5:口座開設の手間、返済のしやすさ 住宅ローンでは、他の金融機関の口座を返済口座に指定できないことが多いため、口座を持っていない場合は新たに口座開設が必要になります。 マイホームを購入するときはやることが多いので、金利差が小さい場合はすでに口座を持っている金融機関で住宅ローンを借りるのも一つの考え方です。取引の実績があれば、金利優遇などを受けられる可能性もあります。 ただし、口座開設の手続きはアプリ上で完結するなど、短時間で済むこともあります。また、他の金融機関から手数料無料で返済口座に資金移動ができたり、他行の口座を返済口座に指定できたりする銀行もあります。 住宅ローンを選ぶときは、口座開設の手間や返済のしやすさについても比較しましょう。 まとめ 上記で紹介した5つのポイント以外にも、住宅ローンを利用すると、特典を受けられることがあります。たとえば、金融機関によっては、振込手数料やATM手数料が一定回数まで無料になります。また、新たな借り入れの際に金利優遇が適用されることもあります。住宅ローンの特典内容は金融機関によって異なるので、どのような特典を受けられるかも確認しておくといいでしょう。 住宅ローンは、比較するポイントを明確にすると選びやすくなります。ただし、希望条件をすべて満たす住宅ローンがあるとは限らないので、何を重視するか優先順位をつけることが大切です。マイホームを購入するときは、今回紹介したポイントを参考に住宅ローンを比較してみましょう。 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ロー...記事を読む

    2021.04.21住宅ローン
  • 定年後に自宅を住み替えるメリットと注意点とは?

    現役世代は、子どもの学校や通勤を考えて自宅を購入するのが一般的です。しかし、子どもの独立や定年退職などでライフスタイルが変化すると、立地や間取りが生活に合わなくなることがあります。 その場合は、利便性の高さや資産性を重視して住み替えるのも一つの方法です。ただし、定年後の住み替えには注意点もあるので、住み替え以外の選択肢も含めて老後の住まいについて考えることが大切です。 今回は、定年後に住み替えるメリットと注意点、住み替え以外の選択肢について説明します。 定年後に住み替えるメリット 定年後に住み替える場合、以下のようなメリットが考えられます。 希望に合わせた間取りを選択できる 将来を見据えたバリアフリー対応の住居を選択できる 利便性の高いエリアの住居を選択できる 子供部屋が不要になることから、部屋数を少なくして収納が多い物件を選択するなど、自身のライフスタイルに合わせた間取りを選択することが出来ます。加えて、バリアフリー対応の住居に住み替えることで、自身が高齢になっても住みやすい環境で生活できます。高齢になると少しの段差でも転倒しやすくなったり、ちょっとしたケガが生活に大きく影響したりするため、バリアフリー対応の重要度は高いといえるでしょう。 また、高齢になると車を手放すことなどによって、生活の行動範囲も狭まりやすいことから、徒歩圏にスーパーや公共施設、病院が近くにあるなど、利便性の高いエリアに自宅を構えることも可能となります。 定年後の住み替えの注意点 定年後に住み替えをする際は、以下の点に注意が必要です。 購入資金をどのように確保するか 定年後の住み替えでは、新居の購入資金をどのように確保するかが課題となります。「新居購入後に現在の自宅を売却する」という流れで住み替えを進める場合、先行して新居の購入代金を用意しなくてはなりません。 しかし、高齢の場合は一般的な住宅ローンを組むのが難しくなります。そのため、定年後の住み替えで新居の購入資金を準備する方法として、下記のような方法が考えられます。 リースバック リ・バース60 リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックで自宅を売却すれば、売却資金を手に入れながら新居を購入するまで現在の自宅を仮住まいとして利用できます。 一方、リ・バース60とは、満60歳以上の方でも借り入れができる高齢者向けの住宅ローンです。毎月の支払いは利息のみで、債務者が亡くなったときに担保不動産(新居)を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選択する仕組みになっています。 自宅を売却して新居の購入資金を準備したい場合はリースバック、ローンを利用して新居を購入したい場合はリ・バース60を検討するといいでしょう。 (参考) ・リースバックとは?メリット・デメリットを解説 ・リ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 売却や相続を考慮して物件を選ぶ 定年後の住み替えでは、売却や相続を考慮して物件を選ぶことも大切です。老後生活では、配偶者との死別や自身の体調不良などを理由に、高齢者施設への入居を検討する可能性があります。 また、相続が発生したときは、資産価値の高いマンションであれば比較的売却しやすく、相続後の選択肢が広がります。一方で、戸建てはマンションに比べると流動性が低く、売却しにくい点に注意が必要です。 老後の生活費をシミュレーションしておく 定年後の住み替えを検討する際は、老後の生活費のシミュレーションも必要です。不動産は高額の買い物なので、しっかりとした収支計画を立てておかないと生活費が不足するリスクがあります。 相続なども考えて資産性を考慮することは大事なことですが、身の丈に合わない高額の物件を購入した結果、生活が立ち行かなくなっては意味がありません。最悪の場合、老後破産となる恐れもあります。必ず物件を選ぶ前に費用を試算した上で、無理のない住み替え計画を立てましょう。 住み替え以外の選択肢は? ここまで住み替えについて確認してきましたが、住み替えをしなくても住環境を改善することは可能です。住み替え以外の選択肢として、大きく「リフォーム」と「建て替え」の2つが考えられます。 リフォームして住みやすくする バリアフリー化を目的に自宅をリフォームする場合、改修費用の助成や補助、税負担の軽減などの支援制度を利用できる可能性があります。自宅のバリアフリー化に関する主な支援制度は以下の通りです。 高齢者住宅改修費用助成制度(地方自治体) 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国土交通省) バリアフリー改修に関する特例措置(国土交通省) 自治体の「高齢者住宅改修費用助成制度」を利用すれば、バリアフリー改修工事費について助成や補助を受けられます。自治体によって内容が異なるため、お住いの自治体の窓口に確認してみるといいでしょう。 また、国土交通省も、バリアフリー改修工事を行った場合の補助や税負担の軽減(所得税の控除、固定資産税の減額)などを用意しています。 バリアフリー化を目的に自宅のリフォームを行う場合は、国や自治体の支援制度を積極的に活用しましょう。 (参考) ・東京都福祉保健局「住宅改善事業(バリアフリー化等)区市町村別事業概要一覧」 ・国立研究開発法人 建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業」 ・国土交通省「バリアフリー改修に関する特例措置」 建て替えを行う 戸建ての場合は、バリアフリー対応の住宅へ建て替える方法もあります。建て替えならバリアフリー化はもちろん、間取りも自由に選べるため、理想の住まいを実現できるでしょう。 ただし、建て替えは工事中の仮住まいが必要になるほか、まとまった費用がかかるため、資金の確保が課題となります。そのため、老後の生活費が不足しないように、住宅ローンを利用できるかも確認した上で、無理のない建て替え計画を立てることが大切です。 まとめ 子どもの独立などによって自宅の間取りがライフスタイルに合わなくなったら、住み替えを検討するタイミングです。定年後の住み替えでは、住みやすさなどの生活利便性だけでなく、老後の生活費が不足しないように、しっかりとした収支計画を立てる必要があります。 また、新居の購入資金を自己資金で準備するのが難しい場合は、リースバックやリ・バース60の利用を検討しながら、無理のない住み替えにしましょう。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 持ち家に住んでいても、ライフスタイルの変化や金銭的な問題で「住み替え」を検討することがあるでしょう。しかし、住み替えたいと思っても、どのような手順で住み替えを進めたらよいかわからないのではな...記事を読む

    2021.04.14老後資金
  • 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

    持ち家に住んでいても、ライフスタイルの変化や金銭的な問題で「住み替え」を検討することがあるでしょう。しかし、住み替えたいと思っても、どのような手順で住み替えを進めたらよいかわからないのではないでしょうか。 住み替えには費用がかかりますし、売却によって利益が出れば税金がかかるケースもあります。スムーズに住み替えを進めるには、活動を始める前に全体の流れや費用を把握することが大切です。 今回は住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例について詳しく解説します。 住み替えの流れは? 住み替えには、「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。まずは売却と購入それぞれの流れを確認しておきましょう。 自宅を売却するまでの流れ 自宅を売却するまでの流れは以下の通りです。 不動産査定 売却活動 売買契約 決済 引き渡し まずは不動産会社(仲介業者)に自宅の査定を依頼し、いくらで売れそうかを確認します。査定金額に納得できたら、不動産会社と媒介契約を締結して売却活動を進めます。 買主が見つかって売却金額や引渡日などの条件が決定したら、売買契約を締結し、決済後に物件の引き渡しを行います。一連の手続きは、不動産会社がサポートしてくれます。 新居を購入するまでの流れ 一方、新居を購入するまでの流れは以下の通りです。 物件探し 物件見学 売買契約 決済 引き渡し 不動産会社に訪問したり、インターネットの物件情報を確認したりして、新居の候補となる物件を探しましょう。良さそうな物件が見つかったら、実際に物件を見学して自身の希望通りの条件かどうかなど確認します。 購入する物件が決まったら売主と売買契約を締結し、決済完了後に物件が引き渡されます。なお、住宅ローンを利用する場合は、契約前後にローンの申し込みが必要です。 住み替えにかかる費用 住み替えでは、自宅の売却と新居の購入それぞれで費用がかかります。 自宅の売却でかかる費用 自宅の売却でかかる費用をまとめました。 仲介手数料 ※不動産仲介による売却の場合 印紙税 一括繰上返済手数料・登記費用 ※住宅ローンが残っている場合 所得税・住民税 ※譲渡益が出た場合 引っ越し費用、仮住まいの賃料など ※売り先行の場合 仲介手数料と印紙税は不動産の売買価格によって変化します。たとえば、売買価格が3,000万円なら、仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」がかかるので「96万円+消費税」、印紙税は「本則税率:2万円、軽減税率:1万円」となります。 住宅ローンを組んでいる場合には完済の手数料や抵当権抹消の登記費用が掛かります。また、譲渡益が出た場合は所得税・住民税がかかりますが、税制上の特例を利用することで税金がかからないケースもあります。 その他、住み替えを売り先行で行う場合には新居購入までの仮住まいが必要なので、賃貸住宅への引っ越し費用や賃料なども必要です。 新居の購入でかかる費用 新居の購入でかかる費用は以下の通りです。 仲介手数料 ※不動産仲介による購入の場合 印紙税 登記費用 融資事務手数料、保証料など ※住宅ローンを組む場合 保険料 引っ越し費用、不動産取得税、固定資産税など 新居の購入でかかる仲介手数料や印紙税も、自宅の売却と同じく売買価格によって変動します。 新たに住宅ローンを組む場合は、事務手数料や保証料のほか、司法書士に依頼する抵当権設定費用なども必要です。 その他、火災保険や固定資産税などまとまった費用がかかります。不動産は高額のため諸費用も多くかかります。そのため、資金が不足しないように、住み替えをする前に必ず費用を見積もっておきましょう。 (参考) ・公益社団法人 全日本不動産協会「仲介手数料について」 ・不動産売買契約書の印紙税の軽減措置 住み替えの際に利用できる特例 住み替えの際は、税制上の特例を利用することで税負担の軽減が可能です。 譲渡益が出た場合 自宅の売却で譲渡益が出た場合は、以下2つの特例が利用できます。 3,000万円の特別控除 買い替え特例 3,000万円の特別控除とは、マイホームを売却したときに、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。譲渡益が3,000万円以下の場合、3,000万円の特別控除が適用されれば所得税・住民税はかかりません。 買い替え特例とは、マイホームを買い替えたときに、一定の要件を満たすと譲渡益にかかる税金を将来に繰り延べることができる特例です。自宅を売却した年には譲渡益への課税は行われず、将来新居を売却するときに課税されます。 3,000万円の特別控除と買い替え特例は併用できないため、どちらかを選択する必要があります。どちらが有利かは譲渡所得の金額などによって変わってくるため、判断できない場合は税理士などの専門家に相談しましょう。 (参考) ・国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 ・国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 譲渡損失が出た場合 自宅の売却で譲渡損失が出た場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。 本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。 損益通算を行っても所得から控除しきれなかった譲渡損失は、マイホームを売却した年の翌年から最長3年間繰り越して、各年の所得から控除できます。本特例を利用すれば、給与所得などにかかる所得税・住民税が軽減されます。 特例が適用されるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えをスムーズに行うには、流れや費用を確認した上で、自分に合った方法で手続きを進めることが大切です。不動産会社や税理士などと相談しながら、新居への住み替えを成功させましょう。

    2021.04.07住宅ローン
  • 老後破産とは?老後を迎える前にできる事について解説

    公的年金の財源や年金支給年齢引き上げの問題など、将来の老後の生活に不安を感じていらっしゃる方も多いでしょう。 現在、現役世代の人は老後破産にならないようにどのように対策すればよいのでしょうか。また、老後の資金繰りが厳しいという方はどのように準備を進めるとよいのでしょうか。今回は、老後破産に向けて定年前にできることや破産に向かっている時の対策についてお伝えしていきます。 老後破産とは 老後破産とはその名の通り、定年後に破産してしまうことですが、より具体的には「定年後の年金生活の中で家計が立ち行かなくなること」だと考えるとよいでしょう。老後の収入は年金の他、現役時代に貯めた貯蓄や退職金を取り崩して生活していくことになりますが、それらが不足することで老後破産となります。 また、現役世代の生活レベルのまま老後も同様の水準で生活してしまうことや、未完済の住宅ローン、教育費や思わぬ医療費の発生なども老後破産の要因となりえます。 老後を迎える前にできる事 老後破産しないためには、定年前から老後に備えて十分な資金の準備をすることが求められます。 老後を見据えた貯蓄 あらかじめ老後にどのくらいの支出が想定されるかを計算し、十分な生活が送れるよう貯蓄していくことを考えましょう。現役時代は家族の生活費に加えて教育費や住居費などさまざまな費用がかかりますが、将来発生する老後資金のための貯蓄をすることが大切です。 老後の収入源の確保 公的年金以外に老後の収入源を確保することも大切です。民間の保険会社の取り扱う個人年金のほか、iDeCoも税制優遇を受けられるのでおすすめです。 ただし、iDeCoはサラリーマンの方で拠出限度額2.3万円(諸条件あり)が上限などの制限があるため、利用する前には必ず自身の限度額をシミュレーションしましょう。 他にも不動産投資を始めて老後に賃料週を手に入れるといったことも考えられるでしょう。 老後を見据えた支出カット 老後を見据えて生活支出のカットも大切なことで、特に住宅ローンを完済しておくことが重要です。現役時代に住宅ローンを完済していれば、老後の住居費をカットでき、大きく支出を減らせるでしょう。 また、老後に備えた保険として、定期保険等ではなく終身保険や養老保険など現役時代に保険金を積み立てて、老後に保証を受けられるものを利用するのも有効です。 住宅ローンの返済について 老後の生活を考えるにあたり住宅ローンの返済は重要なポイントです。住宅ローンを借入期間35年で組んだ場合、30歳で住宅ローンを組んでも完済年齢は65歳です。65歳前に退職するという方や30歳より後に住宅ローンを組む方は繰上げ返済を活用して退職予定年齢 までには住宅ローンを完済することを考えましょう。 40~50代にお子様の大学や専門学校への進学費用などのまとまった資金が必要になることもあるので、住宅ローンを組むときにファイナンシャルプランナーなど専門家に相談して一度ライフプランニングしておくことをおすすめします。購入前に相談をしておくことで、購入予定の物件がそもそも自身の収入に合った物件なのかといった点も確認できるでしょう。 (参考)老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編) 老後破産に向かっているとき 現状ですでに老後破産に向かっているという方はどのような対策が考えられるのでしょうか。 不動産を活用した資金調達を考える 生活費を改善しただけでは家計収支が改善しないという場合には、不動産を活用した資金調達を考えてみるとよいでしょう。 例えば、リースバックでは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。売却時にはまとまった現金を得られるため、生活を立て直すことが出来るかもしれません。 ただし、リースバックは立地が悪いなどマイホームの資産的価値が低いと判断された場合、断られるケースがある点に注意が必要です。 場合によっては不動産を処分した方が良い場合も 最終的には不動産を売却してしまうことも考えましょう。ただし、住宅ローンに残債がある場合には不動産の売却代金で住宅ローンの残債を完済しなければそもそも売却できません。完済できない場合には任意売却といって金融機関に交渉しながら売却を進めていく必要があります。 また、住宅ローンの返済を延滞してしまい、それを放置していると最終的に相場より大きく目減りした価格で競売にかけられてしまう可能性があるため、早い段階で決断することが大切です。 なお、賃貸物件の大家の中には高齢の方が住まれることを嫌がる方もいるため、売却前に引越し先の賃貸物件についてもあらかじめ目星をつけておくことをおすすめします。 まとめ 老後破産について定年前にできることや住宅ローンの返済について、また破産に向かっているときの対策についてお伝えしました。少子高齢化の進む日本においては、今の現役世代は十分な額の公的年金の給付を受けられない可能性が高く、自分で準備しておくことが求められます。これから老後を迎える方についても、本記事の内容を参考にすると共に早い段階で専門家のアドバイスを受けるようにするとよいでしょう。 老後に向けて今から準備できる4つの収入源 平均寿命が延びたことで、「人生100年時代」と言われるようになりました。老後の期間が長くなったのは喜ばしい一方で、老後の生活費の確保が課題になっています。十分な老後資金を準備するには、なるべ...記事を読む リースバックとは?メリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む

    2021.03.31老後資金
ご相談、仮審査申込は無料です。お気軽にお問い合わせください。
0120-334-258受付時間:月~土 9:00 - 17:45