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  • 空き家を相続したらどうするべき?対処方法や税制特例について解説

    空き家を相続したらどうするべき?対処方法や税制特例について解説

    相続で取得した実家に住む予定がない場合、何もしなければ空き家になってしまいます。空き家の状態で放置することには、さまざまなリスクが存在します。 そのため、空き家を相続する予定があるなら、どのように対処するかを事前に考えておくことが大切です。今回は、相続した空き家を放置するリスクや対処方法、税制特例について解説します。 空き家問題は深刻化している 総務省の「住宅・土地統計調査(2018年)」によると、全国の空き家率は13.6%で過去最高となりました。「居住世帯のない住宅」のうち空き家は846万戸で、2013年からの5年間で26万戸(3.2%)増加しています。 空き家数はこれまで一貫して増加が続いており、空き家問題は深刻化しています。2014年11月には「空き家等対策特別措置法」が公布され、さまざまな対策が講じされていますが、空き家の増加を抑制できていないのが現状です。 参考) ・総務省統計局「2018年(平成30年)住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」 ・国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の概要」 相続した空き家を放置するリスク 相続した空き家を放置すると、以下のようなリスクがあります。 固定資産税の負担が増える 住宅用地の固定資産税は、特例措置によって以下のように減額されています。 小規模住宅用地(200㎡以下の部分:6分の1に減額) 一般住宅用地(200㎡を超える部分:3分の1に減額) しかし、適切な管理を行わずに空き家を放置すると特例措置の対象から除外されるため、固定資産税の負担が増えてしまいます。 参考)国土交通省「空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置(固定資産税等)」 劣化による資産価値下落リスク 実物資産である不動産は、適切に管理を行わないと建物が劣化して資産価値が下落するリスクがあります。特に居住者がいない物件は特に劣化が早いため、早めに対策をする必要があるでしょう。 資産価値が下がるとなかなか買い手が見つからず、売却が困難となります。「賃貸に出す」「不動産を担保に融資を受ける」など、資産として活用することも難しくなるでしょう。 周辺住民とのトラブル 空き家を放置して建物が劣化すると、倒壊や屋根・外壁の落下、火災が発生する恐れがあります。また、ゴミの不法投棄、衛生の悪化、悪臭、雑草などにより、周辺環境に大きな影響を与えます。何も対策を講じなければ、周辺住民とトラブルになりかねません。 空き家を相続したときの対処方法 空き家を相続したら、まずは相続登記を行いましょう。相続登記とは、相続した不動産の所有権(名義)を前の所有者から相続人に移転する手続きです。名義変更を行わないと、売却などの取引を行うことができません。 相続登記を自身で行うのが難しい場合は、司法書士に代行してもらうといいでしょう。相続登記が済んだ後は、以下3つの対処方法が考えられます。 売却する 相続した空き家を売却して現金化する方法です。複数の相続人がいる場合、現金化することで遺産を分割しやすくなるでしょう。売却後は維持費が不要となり、管理の手間がかからなくなるのもメリットです。 賃貸に出す 相続した空き家を入居希望者に貸し出す方法です。空き家を賃貸に出せば、毎月家賃収入を得られます。 ただし、空き家を賃貸に出せる状態にするには、リフォームやハウスクリーニングが必要です。また、入居者がいないと賃料を得られないので、賃貸需要があるかを見極めることが大切です。 住居として使う 相続した空き家を自身の住居として利用する方法もあります。築年数が古く、間取りがライフスタイルに合わなくても、リフォームを行って住みやすくすることは可能です。すでに持ち家に住んでいる場合は、セカンドハウスとして利用してもいいでしょう。 関連記事はこちら相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 相続した空き家を売却するときの税制特例 不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、通常は譲渡所得税がかかります。しかし、空き家の売却で一定の要件を満たすと以下の税制特例が適用されるため、譲渡所得税の節税になります。 相続不動産についての特例については下記のコラムで詳しく解説しています。 関連記事はこちら相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説 売却が難しい場合は相続放棄も選択肢 相続した実家が遠方にあって住む予定がなく、売却も難しい場合は「相続放棄」も選択肢となります。 ただし、相続財産をすべて放棄することになるため、プラスの財産(預貯金など)があっても引き継ぐことができません。また、相続放棄をしても、相続財産管理人が管理を開始するまでは実家の管理責任はなくなりません。 相続放棄するほうがよいかは状況によって異なるので、弁護士などの専門家に相談して判断しましょう。 まとめ まずは空き家を相続する前に、相続した後にどのように活用するかを考え、売却が出来ないなど扱いに困るような物件であれば相続放棄をするという選択肢があります。一方で、需要のあるエリアなどの不動産であれば、売却や賃貸に出すなどの選択肢があるでしょう。自身で判断できない場合には、専門家に依頼するなどして、後悔のない選択をしましょう。 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 相続財産には預貯金や有価証券のほかに、土地や建物といった不動産も含まれます。相続で不動産を取得した場合、相続税評価額はどのように算出すればよいでしょうか。今回は、相続不動産の評価方法や特例に...記事を読む 不動産相続について徹底解説!知っておきたい手続きや費用 不動産を相続することになった場合、さまざまな手続きが必要になります。相続は何度も経験するものではないので、どのように対応すればよいかわからないのではないでしょうか。 不動産相続では、相続税が...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.09.08相続税金
  • 住み替えの方法と成功させるポイント

    住み替えの方法と成功させるポイント

    持ち家に住んでいても、転勤や家族構成の変化などのライフスタイルの変化などを理由に住み替えを検討することがあるでしょう。 住み替えは新居の購入や自宅の売却、住宅ローンの手続きなど、同時に進めなくてはならないことがたくさんあります。住み替えを成功させるには、どのような方法があるかを理解し、計画的に準備を進めることが大切です。今回は、住み替え方法の種類と特徴、成功させるポイントをお伝えします。 住み替えの方法は大きく分けて3種類 住み替えの方法は、大きく「買い先行」「売り先行」「同時決済」の3種類があります。 買い先行:新居を購入してから自宅の売却活動を始める 売り先行:自宅の売却をしてから新居を探す 同時決済:新居購入と自宅売却の決済日を合わせる 住み替えでは、「新居の購入」と「自宅の売却」という2つの不動産取引を行う必要があります。どちらを先に行うかによって、買い先行と売り先行に分けられます。 同時決済は、新居購入と自宅売却を同じタイミングで行う方法です。どちらか一方を重視して進める必要があるため、ここから更に「買い重視」と「売り重視」の2通りの方法に分かれます。 買い重視:新居を決めてから自宅の売却決済日を合わせる 売り重視:自宅の売却を決めてから新居の購入決済日を合わせる 住み替えの方法によって、それぞれメリット・デメリットがあるので、特徴を理解した上で自身に合った方法を選ぶことが大切です。 買い先行のメリット・デメリット 買い先行のメリット 買い先行には、以下2つのメリットがあります。 仮住まいを用意する必要がない 自宅を高く売りやすい 買い先行は新居を決めてから自宅を売却するため、仮住まいを用意する必要がありません。引っ越しが「現在の自宅→新居」の1回で済むため、仮住まいの家賃や引っ越し費用を節約できます。 また、買い先行は自宅を空室にしてから売却するので、クリーニングを入れるなど、メンテナンスをすることが出来ます。自身の都合に関係なく内覧希望者にも余裕をもって対応できるため、自身の希望金額に近い高値で売却できる可能性があります。 買い先行のデメリット 一方で、買い先行のデメリットは以下2つです。 新居のローンを組みづらい ダブルローンの可能性がある 買い先行のデメリットは、今の住宅ローンを残したまま新居のローンを組むのが難しいことです。借入額の上限は年収や既借入によって決まるため、住宅ローンが残っていると、新居の住宅ローン審査が厳しくなります。 たとえ二重でローンを組めたとしても返済が二重になり、負担が増えるため現在の自宅の売却活動が長引けば家計収支が悪化する恐れがあります。 売り先行のメリット・デメリット 売り先行のメリット 売り先行のメリットは以下2つです。 住み替え資金を確保できる 新居のローンが組みやすい 売り先行は、自宅の売却によって手元資金を確保できます。そのため、新居購入に必要な手付金や頭金などの住み替え資金を確保できます。また、売却代金で今の住宅ローンを完済してから物件を探せるので、新居の住宅ローン審査も通りやすいでしょう。 売り先行のデメリット 一方で、売り先行のデメリットは以下2つです。 仮住まいを用意する必要がある 引っ越しを2回する必要がある 売り先行のデメリットは、新居を購入するまでの仮住まいを用意しなくてはならないことです。新居選びが長期化すれば、家賃などの費用負担が増えます。また、引っ越しが2回(現在の自宅→仮住まい→新居)必要になるので、時間や手間もかかります。 同時決済のメリット・デメリット 同時決済のメリット 同時決済には、以下2つのメリットがあります。 仮住まいを用意する必要がない ダブルローンとなることがない 新居の購入と自宅の売却タイミングを合わせるので、仮住まいは不要です。敷金・礼金や家賃、引っ越し費用などのコストを節約できます。また、自宅の売却代金で現在の住宅ローンを完済できるので、ダブルローンを回避できます。 同時決済のデメリット 一方で、同時決済には、それぞれ以下のデメリットがあります。 買い重視の場合:売却価格が安くなりやすい 売り重視の場合:新居探しの時間が短い 同時決済(買い重視)のデメリットは、売却価格が安くなりやすいことです。新居の決済日に合わせて自宅の売却を調整する必要があるので、焦って売却を決めようとすると、希望価格での売却が難しくなり、価格が安くなる場合があります。 また、同時決済(売り重視)のデメリットは、新居探しの時間が短くなることです。先に自宅の売却を決めて、売却日までに新居へ入居する必要があります。そのため、希望条件に合った物件を選ぶ時間を十分に確保できず、物件を妥協して決める必要があるかもしれません。 住み替え方法の選び方 住み替え方法の種類と特徴を確認してきましたが、どの方法を選択すればよいのでしょうか。 資金があれば買い先行がおすすめ 手元資金が潤沢にある状況や新居のローンが通るのであれば、買い先行がおすすめの選択肢といえるでしょう。なぜなら、新居を慎重に決めることができ、かつ今住んでいる自宅を高く売却しやすいからです。 一方で、唯一ダブルローンになる可能性のある選択肢であるため、資金に不安のある方にはおすすめできない選択肢です。既存の住宅ローンが重荷になる場合や、自宅の売却に懸念がある場合は、売り先行を選択しましょう。 手堅く進めたいのであれば売り先行がおすすめ 引越しの手間や費用、毎月の家賃支払いを許容できるのであれば、売り先行がおすすめの選択肢といえるでしょう。なぜなら、先に自宅を売却することで、住宅ローンを完済し新居のローンを組みやすくなるためです。 一方で、新居の住宅ローン審査のために現在の住宅ローンを完済する必要があるが、引越しを避けたいという人には当てはまらない選択肢です。その場合には、同時決済での住み替えを選択しましょう。 同時決済はどちらを重視するかがポイントとなる 引越しは一度で済ませたいが、買い先行だとローンが通らない場合などは同時決済で進めることになります。同時決済で進める場合には、購入物件を探すことから始めるか、売却活動から始めるかで選択肢が分かれます。 購入物件を探すことから始めた場合、売却決済を購入に合わせて設定しなければならないため、売却価格が安くなる可能性があります。そのため、住宅ローンの残債が多く残っている場合など、高く売らなければならない場合には難しいでしょう。 一方で、売却活動から始めた場合、自宅の売却日までに新居を購入しなくてはならないため、希望条件に合った物件が見つからないかもしれません。よっぽど差し迫った理由がない限りは、住み替え後に後悔しないためにも、同時決済(売り重視)は避けたほうが良いと言えるでしょう。 上記の情報をまとめると以下のようになります。 住み替えの方法とそれぞれの特徴

    2021.08.04住み替え
  • 老後の一人暮らし、生活費はいくら必要?

    老後の一人暮らし、生活費はいくら必要?

    未婚率の増加や子どもとの同居の減少により、高齢者の一人暮らしは増えています。現在は家族と暮らしていても、子どもの独立や配偶者との死別などにより、将来は一人暮らしになる可能性もあるでしょう。 老後に一人暮らしをする場合、生活費はいくら必要なのでしょうか。高齢化によって、老後の期間は延びています。そのため、なるべく早いうちに必要な金額を見積もって、老後の生活費を準備しておくことが大切です。 今回は、老後の一人暮らしの現状や必要な生活費、資金が足りないときの対処方法について解説します。 老後に一人暮らしの人はどれぐらいいる? 内閣府の高齢社会白書によると、1980年以降、65歳以上の一人暮らしは男女ともに一貫して増加傾向にあります。 引用:内閣府「2021年(令和3年)版 高齢社会白書(第1章 第1節 3 家族と世帯)」 65歳以上人口に占める一人暮らしの割合(2015年)は、男性は13.3%(約192万人)、女性は21.1%(約400万人)となっており、これは、男性の約7人に1人、女性の約5人に1人が老後に一人暮らしをしていることを表しています。 また、老後の一人暮らしは今後も増加が続き、2040年には男性20.8%(約355万人)、女性24.5%(約540万人)に達すると予測されています。 老後に独身の人はどれぐらいいる? 「総務省統計局 平成27年国勢調査」によると、男性は60~64歳:13.6%、65~69歳:9.3%、女性は60~64歳:6.2%、65~69歳:5.3%が未婚の割合となる。つまり、60代では、男性において約10%、女性において約5%が独身といえる。 一方で、70歳以上の統計では、男性女性それぞれにおいて5%未満の結果も見られることから、独身者の割合は5%未満である。ただし、近年は未婚率の割合が上昇していることから、老後に独身の人は増加傾向にあるとみられる。 参考)総務省統計局 平成27年国勢調査 老後の一人暮らし(独身者含む)に必要な生活費 老後に一人暮らしをする場合、毎月の生活費はいくら必要なのでしょうか。総務省の家計調査によると、65歳以上の単身無職世帯の家計収支は以下の通りです。 引用:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要P18」 収入と支出それぞれの詳細について確認していきましょう。 老後の一人暮らしの生活費:収入 高齢単身無職世帯の実収入(月平均額)は136,964円で、内訳は以下の通りです。 高齢単身無職世帯の実収入(月平均額) 社会保障給付121,942円 その他(仕送り金、事業・内職など)15,022円 実収入合計136,964円 年金などの社会保障給付が約12万円で、実収入全体の約9割を占めています。 その他は仕送り金や事業・内職などによる収入です。全体の約1割と少額ですが、月平均額であるため、人によって金額に大きな差があると考えられます。 老後の一人暮らしの生活費:支出 高齢単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計(月平均額)は144,687円で、内訳は以下の通りです。 高齢単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計(月平均額) 食料36,581円 住居12,392円 光熱・水道12,957円 家具・家事用品5,328円 被服及び履物3,181円 保険医療8,246円 交通・通信12,002円 教養娯楽12,910円 その他の消費支出(雑費・交際費など)29,549円 非消費支出(直接税・社会保険料)11,541円 支出合計144,687円 住居が12,392円と低いのは、持ち家率が高いことが理由だと考えられます。そのため、賃貸の場合は家賃が発生するため、住居費はもっと高くなるでしょう。 保険医療は8,246円ですが、年齢とともに負担は大きくなるかもしれません。 また、交通費は住環境に大きく左右されます。地方在住で自家用車が必要な場合、車両代のほかに駐車場代・ガソリン代・車検代といった維持費もかかるため、平均より負担が増える可能性があります。 年金だけでは老後の生活費が月2.5万円不足する? 年金収入が約12万円、支出合計が約14.5万円とすると、老後の一人暮らし(年金のみ)の生活費は月2.5万円不足します。生活費の不足分は10年で約300万円、30年で約900万円です。 総務省の家計収支はあくまでも平均結果であり、この通りに当てはまるとは限りません。一方で、老後の一人暮らしの生活費を把握する際の参考にはなります。 まずは自身の家計を整理して、老後の生活費がいくら必要かを把握することが大切です。 年金収入が平均より多い場合は、年金だけでも生活できるかもしれません。一方で、「年金が少ない」「平均より多くの支出がかかる」という場合は、まとまった老後資金を準備する必要があるでしょう。 参考:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要P18‐19」 関連記事はこちら老後破産とは?その原因と事前の対策を解説 老後の一人暮らし(独身者含む)の生活費を準備する方法 老後の一人暮らしで資金が足りない時、持ち家であれば不動産が資金源となるかもしれません。自宅を担保に融資を受けたり、売却したりすることで、まとまった資金が手に入ります。具体的には、以下2つの方法があります。 不動産担保ローン 不動産担保ローンとは、不動産を担保にお金を借りることができるローンです。自宅を所有している場合、まとまった資金を準備する手段として活用できます。不動産担保ローンのメリットは以下の通りです。 無担保のカードローンより低金利で利用できる 借入限度額が大きい(不動産評価によって億単位の借り入れも可能) 最長35年など長期間にわたって借りられる 資金使途は原則自由 一方で、不動産担保ローンには以下のようなデメリットもあります。 借入時に手数料(事務手数料、抵当権の登記費用など)がかかる 返済不能になると不動産が処分される 不動産担保ローンについては、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却後、その会社に家賃を払うことで、同じ家に住み続けることができます。リースバックのメリットは以下の通りです。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 自宅の売却でまとまった資金が手に入る 月々の支出が定額化される 家の所有リスクを無くせる 一方で、リースバックには以下のようなデメリットもあります。 自宅の売却価格は市場価格より安くなる ずっと住み続けられるとは限らない リースバックについては、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 まとめ 老後の一人暮らしで年金収入のみの場合、生活費が不足し、貯金を切り崩して生活しなければならない可能性があります。まずは家計の状況を整理して、老後資金がいくら必要かを把握することが大切です。持ち家で資金が足りない場合は、不動産担保ローンやリースバックの利用を検討しましょう。 夫婦の老後資金はいくら必要?足りない時の対処法も紹介 老後に必要な生活費は、持ち家と賃貸で大きく変わります。持ち家の場合、老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。 公的年金だけで足りない分は、貯蓄などでカバーしなくてはなりません。年金生活に入る...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.07.21シニア
  • 相続で取得した不動産に不動産取得税はかかる?仕組みや注意点について解説

    相続で取得した不動産に不動産取得税はかかる?仕組みや注意点について解説

    マイホームの購入など、不動産を取得したときには不動産取得税がかかります。では、相続で不動産を取得した場合には、不動産取得税はかかるのでしょうか。 相続により不動産を取得した場合、原則不動産取得税はかかりません。しかし、相続時にも贈与とみなされる場合には、不動産取得税がかかるケースもあります。そのため、不動産を相続する前に、課税の仕組みや注意点について理解しておくことが大切です。今回は、不動産取得税の仕組みや相続時の不動産取得税について解説します。 不動産取得税とは 不動産相続について詳しく知りたい方はこちら 不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得したときに、不動産を取得した人に対して課税される税金です。不動産を購入したときはもちろん、家屋の建築などで取得した場合にもかかります。なお、有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税されます。 不動産取得税の税額は、以下の算式で計算されます。 不動産取得税=取得した不動産の価格(課税標準額)×税率 課税標準額は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。不動産の購入価格や工事建築費ではないので注意しましょう。税率は、2024年3月31日まで土地・家屋(住宅)は3%、住宅以外の不動産は4%です。 参考:東京都主税局「不動産取得税」 相続時に不動産取得税がかからない理由 相続で不動産を取得したときに不動産取得税はかからない理由は、売買や贈与等とは異なり、あくまで「形式的な所有権の移動」とみなされるため、非課税となります。 一方で、相続時もしくは相続に関連して不動産を取得する場合でも、贈与とみなされる場合は不動産取得税がかかります。具体的には、以下のようなケースです。 不動産取得税がかかるケース1:死因贈与 死因贈与とは、財産の所有者(贈与者)が生前のうちに、契約で財産を渡す相手(受贈者)を決めることです。贈与者の死亡を条件として、受贈者に財産を贈与する契約を締結します。 遺言により財産を譲り渡す「遺贈」と似ていますが、死因贈与は贈与者と受贈者の間で契約が必要です。死因贈与は相続には含まれません。そのため、死因贈与で不動産を取得した場合も不動産取得税がかかります。 参考:山形県「不動産を相続したときには、不動産取得税は課税されますか?」 不動産取得税がかかるケース2:特定遺贈 相続人が残した遺言書によって財産を引き継ぐケース(遺贈)もあります。遺言書で財産を残す方法には、「包括遺贈」と「特定遺贈」の2つがあります。 包括遺贈:遺産の全部または一定割合を残す方法 特定遺贈:遺産のうち具体的な資産を指定して残す方法 包括遺贈では、「Aさんに遺産の~%を遺贈する」のように財産の割合を示しますが、どの財産を残すかは明確にしません。一方、特定遺贈は「Bさんに自宅を遺贈する」のように、どの財産を残すかを具体的に指定します。 包括遺贈では、相続人・相続人以外を問わず不動産取得税はかかりませんが、特定遺贈で法定相続人以外の人が不動産を相続する場合は、課税されます。 参考:東京都主税局「Q23 遺贈により不動産を取得した場合、不動産取得税は非課税になりますか。」 不動産取得税がかかるケース3:相続時精算課税制度 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の両親や祖父母から、20歳以上の子または孫に財産の贈与するときに利用できる贈与税の制度です。 相続時精算課税制度を利用すると、同一の贈与者からの贈与であれば、総額2,500万円まで贈与税が課税されません。また、限度額に達するまでは何回でも控除できます。ただし、相続時には、相続時精算課税制度の贈与財産と他の相続財産を合計して相続税を計算する必要があります。 相続時精算課税制度の適用を受け、贈与として不動産を取得した場合は不動産取得税がかかります。 参考:東京都主税局「Q3 贈与税において、相続時精算課税制度の適用を受けたのですが不動産取得税は課税されますか。」 関連記事はこちら相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介 まとめ 原則として相続によって不動産を取得した場合は、不動産取得税は課税されません。ただし、死亡を原因とした死因贈与や遺贈、相続時精算課税制度によって取得した場合は課税されます。 両親などから不動産を引き継ぐ予定がある場合、不動産取得税のほかに相続税、贈与税なども考慮する必要があります。自身で最適なタイミングを判断するのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 参考:東京都主税局「Q22 相続により不動産を取得した場合、不動産取得税は非課税になりますか。」 相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説 相続で取得した不動産に住む予定がない場合は、売却を検討することもあるでしょう。相続不動産を売却して現金化すれば、複数の相続人がいても財産を分けやすくなります。 相続不動産の売却には税金がかか...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.06.09相続税金
  • 相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説

    相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説

    相続で取得した不動産に住む予定がない場合は、売却を検討することもあるでしょう。相続不動産を売却して現金化すれば、複数の相続人がいても財産を分けやすくなります。 相続不動産の売却には税金がかかりますが、税制特例を利用すれば節税できるかもしれません。今回は、相続不動産の売却にかかる税金と税制特例、売却時の注意点について解説します。 相続不動産の売却でかかる税金の種類 相続不動産の売却でかかる税金は、相続時に支払う「登録免許税」と売却時に支払う「印紙税」「譲渡所得税」の3つです。それぞれの内容を確認していきましょう。 登録免許税 登録免許税とは、相続登記の際にかかる税金です。相続登記では、相続した不動産の所有権を被相続人から相続人へ変更する手続きをします。被相続人の名義のままでは不動産を売却できないため、売却前に所有権を相続人へ変更しておく必要があります。 登録免許税の税額は「不動産価格×0.4%(1,000分の4)」です。不動産価格は、市町村役場で管理している固定資産課税台帳の価格となります。 登録免許税は、原則として現金で法務局に納付しますが、オンライン申請なら電子納付も可能です。なお、相続登記を自身で行わずに司法書士に依頼する場合、報酬も含めて司法書士に支払うのが一般的です。 参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」 印紙税 印紙税とは、不動産売買契約書に貼付する印紙のことです。契約金額によって、印紙税額は以下のように異なります。 印紙税額一覧表 契約金額 印紙税額 軽減税額 100万円超 500万円以下2,000円1,000円 500万円超 1,000万円以下10,000円5,000円 1,000万円超 5,000万円以下20,000円10,000円 5,000万円超 1億円以下60,000円30,000円 1億円超 5億円以下100,000円60,000円 ※2014年(平成26年)4月1日~2022年(令和4年)3月31日に作成される「不動産の譲渡に関する契約書」については税額が軽減されています。 たとえば、相続不動産を3,000万円で売却する場合、印紙税額は2万円(軽減税額1万円)となります。 参考:国税庁「印紙税額一覧表(令和2年(2020年)4月現在)」 譲渡所得税 譲渡所得税とは、不動産の売却益(譲渡所得)に対して課税される税金です。相続不動産を売却して譲渡所得が生じる場合は、所得税や住民税を納める必要があります。譲渡所得は以下の計算式で求められます。 譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 譲渡価額は、不動産の売却代金です。 取得費は、売却する不動産を取得するためにかかった費用のことです。相続不動産の場合、被相続人がその不動産を買い入れたときの購入代金や仲介手数料などの合計額となります。 建物については、減価償却費を控除した後の金額です。また、相続で払った登記費用も取得費に含まれます。取得費がわからない場合は、売却代金の5%相当額を取得費とすることも可能です。 譲渡費用には、相続不動産を売却するときに払う仲介手数料などが含まれます。特別控除額は、税制特例が適用されるときに控除できる金額です(後ほど詳しく説明します)。 譲渡所得の税額は、譲渡所得に税率をかけて計算します。税率は、不動産の所有期間に応じて以下のように異なります。 長期譲渡所得:20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%) 短期譲渡所得:39.63%(所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%) ※復興特別所得税の税率は2.1%で、これを所得税に乗じた値となります 不動産を売却した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。相続不動産の場合、被相続人の取得時期がそのまま相続人に引き継がれるため、被相続人の取得日から所有期間を判定します。 (参考) ・国税庁「土地や建物を売ったとき」 ・国税庁「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」 相続不動産を売却するときの税制特例 相続不動産の売却では、税制特例を利用すると譲渡所得税の節税になります。ここでは、相続不動産の売却で適用される税制特例を3つ紹介します。税制特例の適用を受けるには確定申告が必要です。 取得費加算の特例 「取得費加算の特例」とは、売却する相続不動産に対する相続税を取得費に加算できる特例です。取得費が増えると課税所得が減るので、譲渡所得税の節税になります。 本特例の適用を受けるには、相続税申告期限の翌日以降3年以内(相続開始から3年10ヵ月以内)に売却する必要があります。 参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」 相続空き家の3,000万円特別控除 「相続空き家の3,000万円特別控除」とは、相続した空き家を売却するときに、一定の要件を満たすと最高3,000万円の特別控除が適用される特例です。課税所得を大きく減らせるので、譲渡所得税の節税になります。 「1981年(昭和56年)5月31日以前に建築」「マンション(区分所有建物)不可」などの条件があるため、適用対象となる建物は限定されます。また、取得費加算の特例とは併用できない点にも注意が必要です。 参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 居住用財産の3,000万円特別控除 「居住用財産の3,000万円特別控除」とは、マイホームを売却したときに、一定の要件を満たすと最高3000万円の特別控除が適用される特例です。相続した不動産に相続人が居住していた場合は、本特例の適用を受けられます。 以前に住んでいた場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。本特例は、取得費加算の特例との併用が可能です。 参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 相続不動産の売却における注意点 相続不動産の売却における注意点は以下2つです。 確定申告が必要 相続不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、確定申告をして譲渡所得税を納めなくてはなりません。原則として、相続不動産を売却した翌年の2月16日~3月15日が確定申告期間となります。 期限までに確定申告をしないと無申告加算税や延滞税が課される可能性があるので、手続きを忘れないようにしましょう。 なお、税制特例を考慮して計算した結果、譲渡所得がマイナスとなって譲渡所得税がかからない場合も確定申告は必要です。たとえ要件を満たしていても、確定申告をしないと税制特例は適用されないので注意が必要です。 分割方法によって支払う税金が変わる 相続不動産の分割方法は、「代償分割」と「換価分割」の2つがあります。 代償分割:特定の相続人が不動産を相続・売却し、他の相続人に代償金を支払う方法 換価分割:相続人全員で不動産を相続・売却し、その売却代金を分割する方法 どちらを選択するかによって、譲渡所得税額が変わることがあり、各種税金の精算方法も変わってきます。税理士などの専門家に相談した上で、どちらを選ぶか判断するといいでしょう。 相続不動産売却後の確定申告の流れ 上記で説明した通り、相続不動産を売却して利益が出た場合は、確定申告しなければなりません。ここでは確定申告の流れをご紹介します。 STEP1 必要書類の用意 まずは、確定申告に必要な書類の用意をします。基本的な必要書類は以下の通りです。 確定申告書B様式 申告書第三表(分離課税用) 譲渡所得の内訳書 登記事項証明書 不動産売買契約書(またはその写し) 各種手数料の領収書や納税を証明する書類(またはその写し) 上記の他、各種特例の適用を受ける場合は、特例に応じた書類を別途用意する必要があります。 STEP2 譲渡所得を計算する 次に、譲渡所得を計算します。計算式は既に紹介している通り、以下の通りです。 譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 STEP3 申告書類の記入 次に、申告書類の記入をします。申告書類の記入については、税務署の窓口や電話で相談すると、書き方を教えてもらうことができます。また、どうしても難しい場合は、税理士などに依頼することも検討してみましょう。 STEP4 税務署に書類を提出する・e-Taxで申告する 申告書類の記入を終えたら、税務署に提出しましょう。e-Taxを利用することで、税務署に書類を持参したり郵送しなくても、インターネットを通して確定申告が可能です。 参考:国税庁 e-Taxホームページ まとめ 相続不動産の売却では税金がかかりますが、税制特例をうまく利用すれば節税できる可能性があります。自分で確定申告をしたり、特例が適用されるか判断したりするのが難しい場合は、税理士や不動産会社などの専門家に相談しましょう。 住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと 長寿化に伴い、自身の老いや死に関するさまざまな事柄に備える「終活」が注目されるようになりました。終活で準備しておくべきことはたくさんありますが、「持ち家をどうするか」は大きなテーマの一つでは...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.06.02相続税金
  • 持ち家の場合、老後資金はいくら必要?資金不足の対処方法も紹介

    夫婦の老後資金はいくら必要?足りない時の対処法も紹介

    老後に必要な生活費は、持ち家と賃貸で大きく変わります。持ち家の場合、老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。 公的年金だけで足りない分は、貯蓄などでカバーしなくてはなりません。年金生活に入る前に老後の生活費について把握し、必要な資金を準備しておくことが大切です。 今回は、持ち家の場合に必要な老後の生活費の目安や、資金が足りないときの対処法について解説します。 そもそも老後資金とは? 「人生100年時代」や「老後資金2,000万円問題」などに起因して、老後資金という言葉が注目を集めています。一方で、老後資金が具体的に何を指しているのか分からないといった方もいるのではないでしょうか。 老後資金とは定年後にかかる費用を全て含めた資金を指します。具体的には、日々の生活費や医療費、介護費だけでなく、趣味のための娯楽費なども含みます。また、老後はまとまった資金が必要になることが多く、これらを公的年金のみで賄うのは難しいでしょう。そのため、一定のゆとりをもった老後資金を確保しておく必要があります。 老後の長期化と不安 老後は長くなっている 平均寿命や平均余命は年々伸びています。平均余命とは「あと何年生きられるか」の平均年数を指し、生まれたばかりの0歳の子の平均余命が平均寿命です。 平成30年「簡易生命表」によると、平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳と前年よりもやや高くなっています。平均余命も、65歳で男性19.70年、女性24.50年、80歳で男性9.06年、女性11.91年で、前年を上回っています。 また、95歳まで生きる確率は、男性で10人に1人弱(9.6%)、女性で4人に1人強(26.0%)です。毎年じわじわと高齢化が進んでいることから、「人生100年時代」を意識せざるを得ません。 参考)厚生労働省 「平成30年簡易生命表の概況」 8割超が老後資金不足を不安視 生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」によると、8割超(84.4%)の人が自分の老後に「不安感あり」と答えています。さらに、「非常に不安を感じる」という人が2割弱(19.0%)もいます。 不安を感じる理由として、次のようなものが上位を占めます(複数回答)。 「公的年金だけでは不十分」82.8% 「日常生活に支障が出る」57.4% 「退職金や企業年金だけでは不十分」38.8% 「自助努力による準備が不足する」38.5% 「仕事が確保できない」31.6% また、老後の長期化と併せて少子化も進んでおり、高齢者を支える現役世代とのバランスが崩れつつあります。2012年は65歳以上1人を2.4人で支える「騎馬戦型」だったものが、2050年には1.2人で支える「肩車型」になります。 このひずみは社会保障を直撃しており、公的年金の削減や、医療・介護の保険料アップ、サービスを受けるときの負担増といった形で、すでにじわじわと現れ始めています。 参考)生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」【PDF】 老後資金はいくら必要? 話題になった「老後資金2,000万円問題」で計算の際に活用されたのが、総務省「家計調査」の高齢無職世帯の家計(夫65歳以上、妻60歳以上)です。この統計を基に必要な生活費を考えてみましょう。 老後に必要な生活費の目安 2019年のデータを見ると、毎月の支出の内訳は下記の通りで、夫婦無職世帯で27.1万円、単身無職世帯で15.2万円です。一方で、毎月の実収入はそれぞれ23.8万円、12.5万円で、毎月の不足額の平均は、夫婦無職世帯で3.3万円、単身無職世帯で2.7万円です。 表 高齢無職世帯の家計(単位:円) 消費支出・その他 夫婦無職世帯 (夫65歳以上、妻60歳以上) 単身無職世帯 (65歳以上) 食費 66,458 35,883 住居費 13,625 12,916 水道光熱費 19,983 13,055 家具・家事用品費 10,100 5,681 被服・履物費 6,065 3,659 保健医療費 15,759 8,445 交通・通信費 28,328 13,117 教育・教養娯楽費 24,824 16,596 その他(交際費、雑費等)* 54,804 30,387 税・社会保険料 30,982 12,061 支出合計 270,928 151,800 実収入 237,659 124,710 収支 ▲33,269 ▲27,090 ※端数処理の誤差を”その他”で調整 ※総務省「家計調査」2019年より筆者作成 この毎月の不足額30年分の累計額を計算すると、夫婦無職世帯では、1,188万円(=3.3万円×12ヵ月×30年)、単身無職世帯で972万円が必要となります。 ただし、家計調査の支出に占める住居費がかなり少なく、高齢世帯の多くが持ち家であること背景にあると考えられます。持ち家であれば住居費が少額で済むため、平均額としてかなり低くなります。また、「消費支出」のため、住宅ローン返済分が含まれていないことも少額になっている原因です。 そのため、賃貸の世帯や、住宅ローンの返済が老後も続く世帯では、住居費に平均とのギャップがある点を考慮しなければなりません。また、持ち家のマンションの場合は、管理費や修繕積立金、固定資産税がかかるので、住宅ローンの完済後も平均額を超えます。他の費用も、自分の老後の生活費と比べることをおすすめします。 なお、生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」によると、夫婦2人で老後生活を送るうえでの「ゆとりある老後生活費」の回答(対象:18~69歳)の平均額は月36.1万円です。老後資金に「旅行やレジャー」「趣味や教養」「日常生活費の充実」などが上乗せされた金額です。 仮にこの36.1万円と家計調査の実収入を比べてみると、月12.3万円のマイナスであり、30年分の累計額を計算すると、4,428万円のマイナスです。これを実現するには、老後資金を手厚く準備することが必要です。 関連記事はこちら老後の一人暮らし、生活費はいくら必要? 参考)生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」【PDF】 確保するべき老後資金の考え方 老後には基本的な生活費以外にも次のようなライフイベント費がかかります。 <老後のライフイベント費> 住宅のリフォーム費や建替え費 マイカー買替え費用 家具・家電の買替え費用 旅行・レジャー費 趣味・教養費 交際費・慶弔費 医療費・介護費 葬儀費用 例えば、介護費用の平均額は在宅・施設混合のデータで494万円(一時費用69.0万円、毎月7.8万円、要介護期間54.5カ月。生命保険文化センター「生命保険に関する実態調査 平成30年」)です。有料老人ホーム等への入所を考えている場合はさらに費用がかかり、在宅介護だけに限ると311万円(一時費用67.2万円、毎月4.6万円、要介護期間53.1ヵ月)です。 以上のように、老後は基本的な生活費以外にもまとまった資金が必要になるので、こうした費用も見積もったうえで準備をしなければなりません。そのため、確保するべき老後資金の目安は、次のように計算することができます。 (老後の基本的な生活費-年金予想額)×(100歳-働く年齢)+ライフイベント費 例えば、公的年金が年間240万円、老後の生活費が年間300万円、65歳を定年として、ライフイベントに1,500万円を見積もった場合は下記のように算出されます。 (300万円-240万円)×(100歳-65歳)+1,500万円=3,600万円 持ち家がある夫婦の場合、老後資金は月4万円不足する 総務省の「家計調査報告」によると、夫婦高齢者無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支は社会保障給付(年金収入)が219,976円に対し、支出は255,550円です。 年金収入のみの場合、老後の生活費は月約4万円不足します。年間約50万円の支出超過のため、仮に老後生活が30年続くとすると、1,500万円程度の資金が必要です。 もちろんあくまでも平均結果であり、この数字がそのまま当てはまるわけではありません。共働きで年金収入が多い世帯であれば、公的年金だけでも十分な生活費を確保できるでしょう。 一方で、「自営業で年金が少ない」「豊かなセカンドライフを送りたい」「リフォームの予定がある」といった場合、より多くの資金を準備する必要があります。 参考)総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要(P18~19)」 賃貸だと老後の生活費は更に大きな負担となる 60歳以上(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)の持ち家率は90.4%で、持ち家が全体の9割を占めています。また、家計収支の支出の内訳を確認すると、住居費は14,518円と少額であることから、先程示した総務省の家計収支はあくまで持ち家の場合の生活費だと考えられます。 賃貸住まいは家賃がかかり、持ち家の場合に比べて住居費の負担が増えるため、老後の生活費は月4万円の不足では済まないでしょう。一生賃貸で過ごすには、持ち家よりもさらにまとまった老後資金を準備する必要があります。 参考)総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要(P18~19)」 老後に必要な資金を調べる方法 老後にいくら必要なのかは世帯によって異なります。そのため、自分の家計ではどれくらいの資金が必要なのか下記の順番で確認しましょう。 家計収入を把握する 家計支出を把握する 家計のキャッシュフロー表を作る 家計収入を把握する 老後は公的年金が主な収入源という家庭が多いのではないでしょうか。年金額は何年支払ったかだけでなく、その支払額や国民年金か厚生年金なのか等によっても個人差があります。公的年金がいくらもらえるかについては、後述します。 公的年金の他に事業やアルバイトによる収入がある人は、その見込み収入額を踏まえた上で世帯収入がいくらになるのか把握しましょう。 家計支出を把握する 月々の支出額を明確にし、各費用にいくら使っているか把握しましょう。食費や日用品費のような変動する項目については、一定期間の平均値を取って試算するのがおすすめです。その他にも、不定期で発生する住居のメンテナンス費用なども一定額計上しておくことで、より正確な費用を見積もることができます。 なお、総務省の家計調査報告では平均23万円程度*という結果が出ていますが、家計支出は現役世代の生活水準などによって異なりますので、あくまで参考程度にしたほうが無難と言えそうです。 参考)総務省 「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)表1 二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯の家計収支―2020年―」 家計のキャッシュフロー表を作る 毎月の収入や支出を計算したら、最後に今後数十年の収支をシミュレーションしてみましょう。エクセルで自作したり、ノートなどにまとめたりするのが大変であれば、日本FP協会が公開している「家計のキャッシュフロー表*」などを利用すると、数値を入力するだけで簡単に作成できます。 参考)日本FP協会 便利ツールで家計をチェック 老後資金の準備を始める時期 生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、公的保証や企業保障以外の自助努力による老後生活のための経済的準備状況として、「準備している」と答えた方の割合は20歳代で半数弱、30歳代で65%程度となっています。実態としては、比較的早い段階から老後資金の準備を始めている方が多いようです。 「人生100年時代」や「老後資金2,000万円問題」に起因して、老後生活における必要額は増加していますので、その資金を準備し始める時期は早ければ早いほど良いでしょう。仮に老後資金を2,000万円貯めると仮定すると、貯蓄を始める時期が早ければ早いほど月々の貯蓄額は小さく済みます。一方で、子供の教育費や住宅ローンの返済が重なっている期間などは貯蓄をしようとしても難しいのが実状です。子供の教育費があまりかからないうちにある程度貯蓄をしておくなど、計画的に準備されることをおすすめします。 参考)生命保険文化センター「生活保障に関する調査」 老後資金の準備方法 十分な老後資金を準備するには、なるべく早く対策を講じなくてはなりません。節約などの家計改善も有効ですが、一定の収入源を確保することも大切です。 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」によると、60代の収入は多い順に「公的年金」、「就業」、「企業年金、個人年金、保険金」、「と続いています。また、2人以上世帯では半数弱、単身世帯では3人に1人強の人が働いています。 70歳以上の2人以上世帯のデータでは、「公的年金」、「金融資産の取り崩し」、「企業年金、個人年金、保険金」、「就業」と続きます。また、70歳以上でも5人に1人は働いています。 表 老後における生活資金源(複数回答)(単位:%) 年代 60代 70歳以上 世帯 2人以上 単身 2人以上 公的年金 86.8 78.1 89.9 就業 45.8 36.0 20.1 企業年金、個人年金、保険金 37.1 32.0 26.1 金融資産の取り崩し 30.2 27.5 26.9 利子配当所得 2.6 10.0 4.2 不動産収入 7.6 4.8 8.4 子供などからの援助 4.3 1.7 5.5 公的援助 3.6 10.2 4.3 ※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」より筆者作成 ※70歳以上は単身世帯のデータなし 公的年金 公的年金は、加入していた年金制度や加入期間、厚生年金であれば給与額によって異なります。 厚生労働省「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 」の平均額では、65歳以上の受給者の平均額は下表のようになっており、会社員・公務員の男性で約17.1万円、女性は約10.9万円です。国民年金だけの自営業や専業主婦の平均額は5.6万円です。 表 年金の平均受給額(単位:円) 年金の種類 平均月額 性別 男性 女性 国民年金+厚生年金 (会社員や公務員) 171,305 108,813 国民年金のみ (自営業や専業主婦など) 56,049 厚生労働省「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 」より筆者作成 次に、満額の国民年金と平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の金額は下記のとおりです。 表 平均的な給与水準における厚生年金と満額の国民年金(単位:円) 年金の種類 令和2年度 令和元年度 国民年金+厚生年金 (会社員や公務員) 220,724 220,266 国民年金のみ (自営業や専業主婦など) 65,141 65,008 ※日本年金機構「令和2年(2020年)4月分からの年金額等について」より筆者作成 老齢基礎年金(国民年金)は、保険料の納付月数で支給額が決まります。20歳から60歳まで、40年間(480ヵ月)保険料を納めれば、満額の月65,075円(2021年度)を受け取ることができます。老齢基礎年金額は下記の算式で求めることができます。 老齢基礎年金額= 780,900円* × 保険料納付済月数 ÷ 480ヵ月(加入可能月数) ※2021年度 ※一部免除や全額免除を受けた月数に応じて加算あり 自分が受け取れる年金額について把握する最も良い方法としては、誕生月に毎年届く、ねんきん定期便を確認することです。ねんきん定期便は、50歳未満の人はこれまでの加入実績に応じた年金額が記載されており、50歳以上の人は現在の収入水準が60歳まで続いた場合の、受取り見込み額が記載されています。 また、ねんきん定期便に記載されているアクセスキーを利用して日本年金機構の「ねんきんネット」にアクセスすれば、最新の年金情報等を確認することができます。 なお、年金受取開始は原則65歳ですが、これを早くしたり(繰上げ)、遅くしたり(繰下げ)することもできます。受給額がどれくらい変わるのかなどの試算も、ねんきんネットで行うことができます。 会社員は給与から厚生年金保険料が天引きされますが、自営業者は国民年金保険料を自分で納める必要があります。公的年金を満額受給できるように、保険料の納付漏れがないようにしておくことが大切です。 関連記事はこちら老齢年金の繰り上げと繰り下げ、どっちがお得? 参考) ・日本年金機構「令和2年(2020年)4月分からの年金額等について」 ・日本年金機構「ねんきんネット」 個人年金保険 個人年金保険とは、契約時に設定した保険料払込期間に保険料を払い込むことで、一定期間(5年、10年など)年金を受け取れる貯蓄型保険です。個人年金保険に加入すれば、公的年金の不足分を補うことができます。 また、個人年金保険では、年金の受取開始前に契約者に万が一のことがあれば、払込保険料に応じた死亡保険金が支払われ、年金の受取期間中に受取人が亡くなった場合は、遺族に年金が支払われます。 個人年金保険は、毎月保険料を支払うことで、半強制的に老後資金を準備できるのがメリットです。また、一定金額までの保険料は生命保険料控除の対象なので、所得税・住民税の節税にもなります。 ただし、低金利の影響で予定利率が下がっているため、保険料を長期間支払ってもお金はそれほど増えません。さらに、保険商品はインフレに弱く、物価上昇により払込保険料が実質的に目減りする恐れがあることや、中途解約すると元本割れの可能性もある点には注意が必要です。 iDeCo(個人型確定拠出年金) iDeCo(イデコ)とは、自分で掛金の拠出や運用方法を選んで運用する私的年金制度です。定期預金や投資信託などから運用商品を選択して運用を行います。60歳になるまで掛金を拠出し、60歳以降に老齢給付金を受け取る仕組みで、加入区分に応じて掛金の上限額が設けられています。 詳細はこちらiDeCo(イデコ)の仕組みとは?メリット・デメリットを解説 小規模企業共済 小規模企業共済とは、自営業者や経営者のための退職金制度です。廃業や退職時に備えて積み立てができ、月々の掛金は1,000円~7万円まで500円単位で自由に設定できます。加入後の増額・減額も可能です。掛金は全額所得控除で、共済金を受け取るときも退職所得控除や公的年金等控除が適用されます。 詳細はこちら小規模企業共済とは?制度や加入までの流れ、メリット・デメリットを解説 働く期間を延ばす 老後資金を準備するためには定年後も仕事を続けることが有効です。独立行政法人労働政策研究・研修機構の行った「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると、再雇用や継続雇用制度によって60歳以降も働き続けることができる企業は増加傾向にあります。老後資金に不安がある場合は、勤めている企業の雇用制度の確認や、老後も働くことができる企業がないか探してみましょう。 また、健康上の理由などによってフルタイムで働くことが難しい場合は、自分のペースでアルバイトを行うだけでも、老後資金の対策となるでしょう。 参考)独立行政法人 労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」 その他の資産運用 老後に向けて資産を増やすには、株や不動産などの資産運用に取り組むのもひとつの方法です。具体的には、NISA口座を活用しての投資、個人向け国債、不動産投資などがあります。株式や不動産はインフレに強い資産で、物価上昇時にはそれらの資産価値も上昇する傾向にあります。上記で紹介したiDeCoとNISAの違いは下表の通りです。 表 iDeCoとつみたてNISA 種類 iDeCo つみたてNISA 目的 老後資金 自由 対象年齢 20~60歳未満 20~60歳未満 非課税投資枠 年14.4万~81.6万円 年40万円 非課税期間 60歳まで(積立期間) 最長20年間 対象商品 元本確保型商品(預金・保険等)と投資信託 株式や投資信託等 途中引出し 原則60歳まで不可 いつでも可能 掛金の所得控除 あり なし 受取時の課税 優遇あり 非課税 ※筆者作成 また、株式投資のハードルが高いという場合には、運用をプロに任せられる投資信託や、嗜好に合わせて設計されるロボアドバイザーなどのサービスもあります。 不動産の資産運用は、収益用不動産を購入して家賃収入を得る方法が一般的です。しかし、低金利の住宅ローンを利用して自宅を購入することも、考え方によっては資産運用と言えるでしょう。 詳細はこちら自宅購入はより安全で優れた不動産投資!? 老後資金が足りないときの5つの対処法 持ち家の場合、老後の生活費が月4万円程度不足する可能性があることがわかりました。老後の生活費が足りないと想定されるときは、どのように資金を準備すればよいのでしょうか。 ここでは、老後の生活費が足りないときの対処方法を5つ紹介します。 支出を見直す 支出を見直して生活コストを下げることができれば、老後の生活費は少なくなります。食費や電気代といった変動費の節約は労力がかかる割に得られる効果が小さいので、固定費を中心に支出を見直すといいでしょう。 たとえば、都心部に住んでいるなら、マイカーを手放してカーシェアリングを利用したほうが節約になるかもしれません。また、保険を見直すことで、保険料の負担が軽減されることもあります。 現在よりも少ない支出で生活ができれば、年金収入だけで暮らせる可能性もあります。 なるべく長く働いて収入を得る 持ち家で老後の生活費が月4万円不足するのは、夫婦高齢者無職世帯のケースでした。そのため、老後も働いて公的年金以外の収入を得ることができれば、生活費の不足を解消することは可能です。 「老後を迎えてまで働きたくない」と思うかもしれませんが、月4万円の不足を補うだけならフルタイムで働く必要はありません。自分のペースでアルバイトを行うだけでも、十分に稼げる金額ではないでしょうか。 また、老後も働くことで、社会とのつながりや生きがいを得られるメリットもあります。 年金の繰下げを検討する 公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、「繰下げ」によって受給開始を遅らせることも可能です。年金の繰下げを行うと、最大で42%毎月の年金が増額されます。老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに、繰下げによる年金の増額率は以下の通りです。 繰り下げによる年金増額率 請求時の年齢 増額率 66歳0ヵ月~66歳11ヵ月8.4~16.1% 67歳0ヵ月~67歳11ヵ月16.8~24.5% 68歳0ヵ月~68歳11ヵ月25.2~32.9% 69歳0ヵ月~69歳11ヵ月33.6~41.3% 70歳0ヵ月~42.0% 繰下げによって増えた年金額は一生変わらないため、老後の生活費の不足を解消できる可能性があります。65歳以降も一定の勤労収入がある場合や当面は年金をもらえなくとも生活に支障がない場合は、年金の繰下げを検討しましょう。 参考)日本年金機構「年金の繰下げ受給」 お金を運用して資産寿命を延ばす 預貯金だけでなく、投資信託などを活用して運用しながら資産を取り崩すことで、資産寿命を延ばすことができます。たとえば、3,000万円の資金を毎月13万円取り崩しながら年4%で運用を行うと、預貯金よりも資産は約17年長持ちします。 ただし、あくまでもシミュレーション結果であり、この通りに運用できるとは限りません。また、投資信託は元本保証ではないので、損失が発生する可能性もあります。資産寿命を延ばすために資産運用に取り組む場合、特に高齢になってからの資産運用は、リスクの取りすぎに注意しましょう。 参考)SBI証券「資産の寿命は大丈夫?「人生100年時代」の資産運用とは?」」 持ち家を活用して資金調達する 老後の生活費が足りない場合、持ち家を活用して資金調達する方法もあります。詳しくは後述します。 老後資金の“最後の砦”が不動産活用 持ち家の人は金融資産だけでなく、「不動産」という資産もあるわけです。そして、この不動産が老後資金の“最後の砦”になる可能性も秘めています。 老後資金、特に介護資金などで不動産を活用する方法には次のようなものがあります。ただし、不動産の立地や評価額によって利用できない場合もあります。 リバースモーゲージ 「リバースモーゲージ」とは、自宅に住み続けながら、自宅を担保に毎月の生活費を借りることのできるサービスです。一時金で受け取る方法や、設定した枠内で自由に借りるタイプがあります。ただし、対象エリアが主要都市に限定されていることが多く、一定評価額以上の戸建てが中心で、条件として相続人全員の同意や連帯保証人を求められることもあります。 詳細はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや仕組みを解説 リースバック 「リースバック」とは、自宅をリースバック会社に売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料を支払って自宅に住み続けるサービスです。売却代金は一括で受け取れます。ただし、対象エリアが主要都市に限られます。引っ越しをせずに住み続けられる点が大きな特徴で、リースバック運営会社によって条件などが異なります。 詳細はこちらリースバックとは?仕組みを解説 不動産担保ローン 不動産担保ローンとは、不動産を担保にお金を借りることです。戸建て、マンションとも対象ですが、主要都市に限る金融機関が多いようです。金融機関によっては本人名義の物件だけでなく、配偶者や親名義でも担保にできるところもあります。比較的低金利で借りられます。 詳細はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 自宅の売却 自宅を売却することで有料老人ホームの入居金に充てる、老後資金の不足分を補うなど、売却代金を活用できます。売却後の住まいがない場合は、住まいをどうするかという問題が残ります。 自宅の賃貸 自宅を賃貸に出すことで、収入を得ることもできます。リフォーム費用などをかけても、空室リスクがある点に注意。また、こちらも売却する場合と同様に、住まいをどうするかという問題が残ります。 老後への備えとして、わが家の住まいを点検し、将来、どのような活用の選択肢が使えるのか、あるいは使えないのかなども知っておくといいでしょう。それも老後資金準備の一環と言えます。 持ち家の資産価値を活かす方法は、以下のページでさらに詳しく紹介しています。 参考はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? まとめ 老後の生活費は、持ち家でも月4万円程度不足する可能性があることがわかりました。ただし、あくまでも平均額であるため、まずは自身に必要な生活費を把握することが大切です。この記事で紹介した内容を参考に、老後資金の準備を始めましょう。 老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 賃貸暮らしをしていると、老後に向けて自宅を購入すべきか悩むのではないでしょうか。賃貸か持ち家かによって、老後の生活においてそれぞれメリット・デメリットがあるので、ライフスタイルに応じてどちら...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.05.26シニア
  • 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

    住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

    持ち家に住んでいても、ライフスタイルの変化や金銭的な問題で「住み替え」を検討することがあるでしょう。しかし、住み替えたいと思っても、どのような手順で住み替えを進めたらよいかわからないのではないでしょうか。 住み替えには費用がかかりますし、売却によって利益が出れば税金がかかるケースもあります。スムーズに住み替えを進めるには、活動を始める前に全体の流れや費用を把握することが大切です。 今回は住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例について詳しく解説します。 住み替えの流れは? 住み替えには、「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。まずは売却と購入それぞれの流れを確認しておきましょう。 自宅を売却するまでの流れ 自宅を売却するまでの流れは以下の通りです。 不動産査定 売却活動 売買契約 決済 引き渡し まずは不動産会社(仲介業者)に自宅の査定を依頼し、いくらで売れそうかを確認します。査定金額に納得できたら、不動産会社と媒介契約を締結して売却活動を進めます。 買主が見つかって売却金額や引渡日などの条件が決定したら、売買契約を締結し、決済後に物件の引き渡しを行います。一連の手続きは、不動産会社がサポートしてくれます。 新居を購入するまでの流れ 一方、新居を購入するまでの流れは以下の通りです。 物件探し 物件見学 売買契約 決済 引き渡し 不動産会社に訪問したり、インターネットの物件情報を確認したりして、新居の候補となる物件を探しましょう。良さそうな物件が見つかったら、実際に物件を見学して自身の希望通りの条件かどうかなど確認します。 購入する物件が決まったら売主と売買契約を締結し、決済完了後に物件が引き渡されます。なお、住宅ローンを利用する場合は、契約前後にローンの申し込みが必要です。 住み替えにかかる費用 住み替えでは、自宅の売却と新居の購入それぞれで費用がかかります。 自宅の売却でかかる費用 自宅の売却でかかる費用をまとめました。 仲介手数料 ※不動産仲介による売却の場合 印紙税 一括繰上返済手数料・登記費用 ※住宅ローンが残っている場合 所得税・住民税 ※譲渡益が出た場合 引っ越し費用、仮住まいの賃料など ※売り先行の場合 仲介手数料と印紙税は不動産の売買価格によって変化します。たとえば、売買価格が3,000万円なら、仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」がかかるので「96万円+消費税」、印紙税は「本則税率:2万円、軽減税率:1万円」となります。 住宅ローンを組んでいる場合には完済の手数料や抵当権抹消の登記費用が掛かります。また、譲渡益が出た場合は所得税・住民税がかかりますが、税制上の特例を利用することで税金がかからないケースもあります。 その他、住み替えを売り先行で行う場合には新居購入までの仮住まいが必要なので、賃貸住宅への引っ越し費用や賃料なども必要です。 新居の購入でかかる費用 新居の購入でかかる費用は以下の通りです。 仲介手数料 ※不動産仲介による購入の場合 印紙税 登記費用 融資事務手数料、保証料など ※住宅ローンを組む場合 保険料 引っ越し費用、不動産取得税、固定資産税など 新居の購入でかかる仲介手数料や印紙税も、自宅の売却と同じく売買価格によって変動します。 新たに住宅ローンを組む場合は、事務手数料や保証料のほか、司法書士に依頼する抵当権設定費用なども必要です。 その他、火災保険や固定資産税などまとまった費用がかかります。不動産は高額のため諸費用も多くかかります。そのため、資金が不足しないように、住み替えをする前に必ず費用を見積もっておきましょう。 (参考) ・公益社団法人 全日本不動産協会「仲介手数料について」 ・不動産売買契約書の印紙税の軽減措置 住み替えの際に利用できる特例 住み替えの際は、税制上の特例を利用することで税負担の軽減が可能です。 譲渡益が出た場合 自宅の売却で譲渡益が出た場合は、以下2つの特例が利用できます。 3,000万円の特別控除 買い替え特例 3,000万円の特別控除とは、マイホームを売却したときに、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。譲渡益が3,000万円以下の場合、3,000万円の特別控除が適用されれば所得税・住民税はかかりません。 買い替え特例とは、マイホームを買い替えたときに、一定の要件を満たすと譲渡益にかかる税金を将来に繰り延べることができる特例です。自宅を売却した年には譲渡益への課税は行われず、将来新居を売却するときに課税されます。 3,000万円の特別控除と買い替え特例は併用できないため、どちらかを選択する必要があります。どちらが有利かは譲渡所得の金額などによって変わってくるため、判断できない場合は税理士などの専門家に相談しましょう。 (参考) ・国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 ・国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 譲渡損失が出た場合 自宅の売却で譲渡損失が出た場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。 本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。 損益通算を行っても所得から控除しきれなかった譲渡損失は、マイホームを売却した年の翌年から最長3年間繰り越して、各年の所得から控除できます。本特例を利用すれば、給与所得などにかかる所得税・住民税が軽減されます。 特例が適用されるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えをスムーズに行うには、流れや費用を確認した上で、自分に合った方法で手続きを進めることが大切です。不動産会社や税理士などと相談しながら、新居への住み替えを成功させましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 不動産担保ローンの借り換えを分かりやすく解説

    不動産担保ローンの借り換えを分かりやすく解説

    不動産担保ローンの借り換えとは、新たな不動産担保ローンを借りて、現在のローンを一括返済することです。不動産担保ローンからだけでなく、無担保ローンや住宅ローンなどから不動産担保ローンへの借り換えも可能です。ローンの借り換えによって返済負担を軽減できるのはもちろん、その他のメリットを得られることもあります。不動産担保ローンの借り換えは、どのような場面で考えればよいのでしょうか。今回は、不動産担保ローンの借り換えの分類や借り換えを考える場面について解説します。 不動産担保ローンの借り換えをキャッシュフローから分類 不動産担保ローンの概要についてはこちら キャッシュフローから分類すると、不動産担保ローンの借り換えは以下3つのケースがあります。 毎月の返済額も総返済額も減るケース 現在より金利が低い不動産担保ローンに借り換えれば、毎月の返済額・総返済額を減らすことができます。ローンの借り換えは繰上返済手数料などの諸費用がかかりますが、条件によっては諸費用を考慮しても借り換えるほうがお得です。毎月の返済額・総返済額がともに減るので、不動産担保ローンの借り換えで最もメリットが大きいケースと言えます。 毎月の返済額は増えるが総返済額は減るケース 現在より金利が低く、返済期間が短い不動産担保ローンに借り換えるようなケースです。適用金利が低くなれば総返済額は減りますが、返済期間が短くなると返済回数が少なくなるため、毎月の返済額は増えます。毎月の返済額を増やしてでも総返済額を減らしたい場合は、ローンを借り換えるメリットがあります。 毎月の返済額は減るが総返済額は増えるケース 現在より毎月の返済額を減らしたい、追加で資金調達したい場合などがこのケースに当てはまります。ローンを借り換えて返済期間が長くなれば、毎月の返済額を減らすことができます。また、金融機関によって担保評価や融資可能額は異なるため、ローンの借り換えによって追加で資金調達できる可能性があります。このケースでは総返済額は増えてしまいますが、毎月の返済負担を軽減したい、追加で資金調達したい場合はメリットがあります。 不動産担保ローンの借り換えを借り換え前のローンから分類 借り換え前のローンから分類すると、不動産担保ローンの借り換えは以下3つのケースがあります。 不動産担保ローンから不動産担保ローンへの借り換え 同じ不動産担保ローンであっても、金融機関によって不動産の担保評価や属性への評価は異なります。ローンを乗り換えることで金利や返済期間、融資可能額などの条件が改善するかもしれません。諸費用を考慮しても毎月の返済額や総返済額が減る場合は、ローンの借り換えを検討するのがおすすめです。 無担保ローンから不動産担保ローンへの借り換え カードローンなどの無担保ローンは、担保なしでお金を借りられるのがメリットです。しかし、一般的には不動産担保ローンに比べると金利は高く、返済期間は短くなります。担保にできる不動産がある場合は、不動産担保ローンに借り換えることで返済負担を軽減できる可能性があります。 住宅ローンから不動産担保ローンの借り換え 住宅ローンは、不動産担保ローンより低金利で融資を受けられますが、住宅ローンの資金使途はマイホームの購入に限定されています。住宅ローンの残債を不動産担保ローンに借り換えれば、賃貸に出すことができるようになります。また、事業で資金繰りに困っている場合、住宅ローンの残債や担保評価によっては、住宅ローンから不動産担保ローンに借り換えると運転資金を確保できる可能性があります。 不動産担保ローンによる借り換えを考える場面 不動産担保ローンによる借り換えは、以下のような場面で検討するといいでしょう。 毎月の返済が苦しいとき 毎月の返済が苦しいときは、ローンを借り換えることで毎月の返済額を減らすことができます。利用中のローンが不動産担保ローンであるときはもちろん、条件によっては無担保ローンや住宅ローンから不動産担保ローンへの借り換えであっても、返済負担の軽減が期待できます。 収入や売上が拡大し、返済能力が高まったとき 収入や売上が拡大して返済能力が高まったときは、金融機関からの評価も高くなります。不動産担保ローンによる借り換えを行うことで、好条件でまとまった資金を調達できる可能性があります。 返済中に金利以外の手数料を請求されたとき 現在のローンで繰上返済や条件変更などを行う場合、金融機関によっては金利以外に繰上返済手数料や条件変更手数料などを請求されます。このような場面では、不動産担保ローンによる借り換えを行うことで、今までより好条件で融資を受けられるかもしれません。 不動産を相続した、譲渡されたとき 相続や譲渡によって不動産を取得した場合、その不動産を担保に金融機関から不動産担保ローンを借りることができます。現在のローンを借り換えることで、毎月の返済額や総返済額の軽減が期待できます。 担保不動産の価格が上昇したとき 不動産価格が上昇すると担保不動産の価格も上昇し、不動産担保ローンで調達できる金額が増えます。金融機関によって担保評価額は異なるため、不動産担保ローンを借り換えることで調達できる資金が増える可能性があります。 まとめ 不動産担保ローンの借り換えは、毎月の返済額や総返済額を減らせる可能性があります。また、不動産担保ローンからだけでなく、無担保ローンや住宅ローンからの借り換えであっても、返済負担の軽減や資金繰りの改善が期待出来る場合があります。毎月のローン返済や資金繰りで困っているなら、不動産担保ローンへの借り換えを検討してみましょう。 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス 不動産担保ローンを借り換えるメリット・デメリットとは? 現在、銀行などの金融機関から借りている不動産担保ローンについて、「毎月の返済額を減らしたい」「資金繰りが厳しい」といった悩みをかかえていないでしょうか。このような悩みがあるなら、不動産担保ロ...記事を読む 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 不動産担保ローンと住宅ローンの違いとは

    不動産担保ローンと住宅ローンの違いとは

    マイホームを購入するときは、住宅ローンを利用するのが一般的です。しかし、何らかの事情により住宅ローンを利用できない、あるいは住宅ローンの審査に通らないこともあるでしょう。住宅ローンを利用できない場合でも、不動産担保ローンなら利用できる可能性があります。不動産担保ローンと住宅ローンにはどのような違いがあるのでしょうか。今回は住宅ローンの特徴やメリット・デメリット、不動産担保ローンを検討したほうがいいケースを紹介します。 住宅ローンとは 不動産担保ローンの概要についてはこちら 住宅ローンとは、自宅の購入や増改築の際に利用できるローンのことです。住宅は価格が数千万円する高額な買い物であるため、購入費用をすべて自己資金でまかなえる方は少なく、銀行などから住宅ローンを借りて購入するのが一般的です。住宅ローンには都市銀行や地方銀行などが提供する住宅ローンのほか、最長35年間固定金利でローンが組める「フラット35」、財形住宅貯蓄に加入している会社員が利用できる「財形持家転貸融資」などがあります。 不動産担保ローンと住宅ローンの違い 住宅ローンを借りるときは、購入物件を担保とする(抵当権の設定)必要があります。ローン返済が予定通り行われない場合、金融機関は抵当権を実行し、物件を処分してローン残債に充当するからです。不動産担保ローンも、不動産を担保にしてお金を借りることができるローンです。不動産を担保にお金を借りられる点で、住宅ローンは不動産担保ローンの一種だと言えます。一方で、住宅ローンと不動産担保ローンは資金使途に違いがあります。住宅ローンの資金使途は、自宅の購入・増改築に限定されていますが、不動産担保ローンは担保対象不動産の種類が幅広く、調達資金の用途は原則自由です。そのため、自宅購入資金のほかに事業性資金、納税資金、教育費などに利用することも可能です。 住宅ローンのメリット 住宅ローンのメリットは以下の通りです。 金利が比較的低い 住宅ローンは、低金利でローンを借りることができます。マイナス金利の影響で低金利の状態が続いており、住宅ローン金利も低金利で推移しています。適用金利は個人の属性や物件価値によって左右されますが、変動金利なら0.5%未満の超低金利で借りられる金融機関もあります(2019年11月現在)。 フラット35(長期固定金利)が利用できる フラット35が利用できるのも、住宅ローンのメリットのひとつです。変動金利でローンを組むと、将来金利が上昇して返済負担が増えるリスクがありますが、フラット35なら最長35年間固定金利でローンを組むことができます。適用金利は1.170%~1.870%(2019年11月現在)で、固定金利でも低金利で借りることが可能です。 住宅ローン控除で節税できる 住宅ローンは、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)で節税も可能です。当初10年間(2019年10月1日~2020年12月31に居住した場合は13年間)は「借入金の年末残高×1%(限度額40万円)」が所得税から控除されるため、金利負担を軽減できます。 住宅ローンのデメリット 住宅ローンには先ほど紹介したメリットがある一方で、下記のようなデメリットもあります。 審査は属性に左右される 住宅ローンの審査は、個人の属性に左右されます。返済原資が利用者の収入であるため、金融機関は利用者に安定収入があることを重視するからです。たとえ物件価値が高くても、自営業者やアルバイト、派遣社員の方などは安定収入がないとみなされ、住宅ローンを借りられないことがあります。 資金用途は自宅の購入・増改築のみ 住宅ローンは低金利で借りられますが、資金用途が自宅の購入・増改築に限定されます。事業性資金や教育費など、他の用途には利用できません。自宅の購入・増改築以外の目的で資金が必要な場合は、他のローンを検討する必要があります。 団信に加入しなくてはならない(フラット35除く) 都市銀行などが提供する住宅ローンを利用する場合、原則として、団体信用生命保険(団信)に加入しなくてはなりません。団信は、利用者に万一のことがあれば、保険金によって残りの住宅ローンが弁済されるのがメリットです。しかし、団信の保険料は住宅ローンの適用金利に含まれているため、借入金額が大きくなるほど、保険料負担も大きくなります。民間の生命保険(主に収入保障保険)に加入したほうが、保険料が安く済むケースもありますが、自由に選ぶことはできません。 住宅ローンを借りられないときは不動産担保ローンを検討しよう 不動産担保ローンは、住宅ローンに比べると借入金利はやや高めですが、住宅ローンを借りるのが難しい自営業者やアルバイト、派遣社員、年金受給者の方でも利用できる可能性があります。担保対象不動産の種類が幅広く、資金用途が原則自由なので、住宅ローン不可の賃貸併用住宅でも利用可能です。また、不動産担保ローンは団信への加入が不要な場合あるため、保険料を比較して民間の生命保険に加入することも可能です。何らかの事情で住宅ローンを借りられない場合は、不動産担保ローンを検討してみてはいかがでしょうか。 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス 住宅ローン返済中でも、不動産担保ローンで借り入れできる人とは? 不動産担保ローンは、住宅ローンの残高があったとしても該当する不動産を担保にして借り入れできる場合もあります。しかし、すべてのケースで借り入れできる訳ではありません。住宅ローンの残高があっても...記事を読む 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 不動産担保ローンとリースバックの違いとは

    不動産担保ローンとリースバックの違いとは

    リースバックは、自宅などの不動産を活用した資金調達方法のひとつです。不動産担保ローンとリースバックは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適な方法を選択できます。今回は、不動産担保ローンとリースバックの違いについて詳しく解説します。 リースバックとは 不動産担保ローンの概要についてはこちら リースバックの概要についてはこちら リースバックとは、自宅などを不動産会社に売却し、その不動産会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられる仕組みです。自宅を売却して現金化する場合、通常は別の住まいを探さなくてはなりません。しかし、リースバックは売却後も同じ家に住み続けられるため、自宅を活用した資金調達方法として注目されています。リースバックは資金使途に制限がなく、老後資金や教育費、事業資金の確保など幅広く活用できます。 詳細はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックのメリット リースバックには、以下のようなメリットがあります。 売却後も同じ家に住み続けられる リースバックは、売却後も同じ家に住み続けられるのが一番のメリットです。引っ越しする必要がないので、自宅を売却して現金化しても生活環境は変わりません。不動産の所有権は売却先に移転し、毎月家賃を支払うことにはなりますが、それ以外は今までと同じように生活できます。 自宅を売却したことを周りに知られずに済む 自宅を売却しようとすると、通常は不動産会社に依頼して買主を探すことになります。広告を出すなどの販売活動が必要になるため、自宅を売却することを周りに知られてしまいます。しかし、リースバックは専門の不動産会社との取引なので、周りに知られることなく資金調達できます。 将来買い戻すことも可能 リースバックでは、売却した不動産を買い戻すことも可能です。リースバックを取り扱う不動産会社によっては、将来の再購入価格を提示してくれるところもあります。ただし、必ず買い戻せるわけではなく、売却先との協議が必要です。 リースバックのデメリット リースバックには、先ほど紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。 売却価格より住宅ローン残債が多いと利用できない 売却価格より住宅ローンの残債が多いと、基本的にリースバックは利用できません。たとえば、売却価格が1,500万円、住宅ローン残債が2,000万円の場合、売却資金でローンを完済できず、抵当権を外せないからです。売却する不動産の価値に左右されますが、住宅ローン残債が多いほど、リースバックの利用は難しくなります。 売却価格は相場より安くなることが多い リースバックでは、買主である不動産会社が、売主の家賃滞納リスクを抱えます。家賃滞納が発生すると、不動産会社は不動産を売却して資金を回収します。しかし、売却には諸費用がかかりますし、売却時に市場価格が下がっているかもしれません。そこで、このような事態になった場合でも確実に資金回収できるように、リースバックでは当初の売却価格が市場価格よりも安くなることが多いです。 不動産を買い戻すときの価格は売却時の価格より高くなることが多い リースバックは、売却後も同じ家に住み続けることができ、将来買い戻すことも可能です。これらは、不動産会社にとっては制限がある状態であり、不動産を自由に売却できません。そのため、リースバックでは、家賃や買い戻すときの価格は売却した時の価格より高くなることが多くなります。 不動産担保ローンとリースバックの違い 不動産担保ローンとリースバックは、自宅などの不動産を活用して資金調達できること、引き続き同じ家に住み続けられることは同じです。しかし、不動産の所有権に違いがあります。不動産担保ローンは不動産を担保に融資を受け、毎月元本と利息を返済していく仕組みです。所有権は移転しませんが、返済が困難になると担保として提供した不動産は金融機関に処分され、返済資金に充てられます。 一方、リースバックは不動産会社に売却し、売却先と賃貸借契約を締結する仕組みです。毎月家賃を支払うことで同じ家に住み続けられますが、所有権は売却先に移転するため、自宅を手放すことになります。 まとめ 不動産担保ローンとリースバックはどちらを選ぶべき? 不動産担保ローンは融資であるため、物件の担保価値や年齢、所得によって融資条件が左右されます。また、ローン返済額は金利動向の影響を受けるので、金利上昇リスクがあります。 一方、リースバックは売却と賃貸を組み合わせた取引であり、適用条件は比較的緩やかです。また、毎月決められた家賃を支払うので、金利上昇が家賃に直接影響することはありません。ただし、所有権は売却先に移転するため、住み続けることが難しくなる可能性もあります。 不動産担保ローンとリースバックは共通点が多いので、ライフスタイルや考え方に合わせてどちらを利用するか検討するといいでしょう。 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス リースバックならSBIスマイル 商品選びに困った方はこちら リースバックの商品詳細はこちら リースバックの仮査定を申込む 想定売買価格と家賃を最短即日で回答致します※SBIスマイルのwebサイトへ遷移します 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックとは?仕組みを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む

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