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金融/不動産知恵袋 一覧(公開日順)

  • 老後は家の建て替えが必要?資金はどうやって準備する?

    子どもが独立したり、定年が近づいてきたりすると、老後の住まいについて考える機会が増えるのではないでしょうか。戸建てに住んでいる場合は、住み替えやリフォームだけでなく、建て替えも検討するかもしれません。 建て替えによって自宅が新しくなれば、安心して老後を過ごせるかもしれません。一方で、建て替え資金をどうやって準備するかという問題もあります。今回は、老後に自宅を建て替えるメリット・デメリット、資金を準備する方法について解説します。 高齢者の住宅事情について まずは高齢者世帯の持ち家率や建て替えの現状など、高齢者の住宅事情について確認していきましょう。 高齢者世帯の持ち家率 総務省の調査によると、65歳以上の高齢者がいる世帯の持ち家率(2018年)は82.1%となっています。持ち家率は減少傾向にあるものの、高齢者の8割超が持ち家に住んでいるのが現状です。 世帯構成別の持ち家率は、夫婦のみの高齢者世帯は87.4%、高齢単身世帯は66.2%です。一人暮らしをしている高齢者の約3割は賃貸住宅に住んでいます。 (参考)総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要P8」 建て替えの現状 総務省の調査によると、2018年の持ち家の取得方法のうち「建て替え」は565万6,000戸で、全体の17.2%となっています。 建て替えを行った住宅の建築時期で最も多いのは、1991~2000年の141万6,000戸(21.2%)です。次いで、1981年~1990年の104万8,000戸(18.3%)です。築30~40年で建て替えを実施するケースが多く、建て替え全体の約4割を占めています。 ただし、建て替えが必要かどうかは、物件の構造や状態によって異なります。適切にメンテナンスを行っていれば、築年数が古くなったとしても、必ずしも建て替えが必要になるとは限りません。 (参考)総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要P6」 老後に建て替えを検討するきっかけ 多くの人は、どのようなきっかけで自宅の建て替えを検討するのでしょうか。老後に建て替えを行う理由として以下のようなことが考えられます。 若いときに建てた自宅が老朽化している 二世帯住宅/賃貸併用住宅に対応するため 賃貸暮らしだったが実家を相続した 20代で自宅を建てた場合、定年を迎える頃には築30~40年となります。建物や設備の老朽化が気になる場合、リフォームだけでなく、建て替えは選択肢の1つとなるでしょう。 また、子ども世帯と一緒に住むための二世帯住宅、家賃収入を得るための賃貸併用住宅に対応することを目的に建て替えを検討するケースも考えられます。 さらに、相続した実家への住み替えも、建て替えのきっかけになるでしょう。建築時期が古くて建物が老朽化している場合は、大規模なリフォームが必要なこともあり、建て替えを選択肢に入れるかもしれません。 老後に自宅を建て替えるメリット 老後に自宅を建て替えるメリットは以下の通りです。 ライフスタイルにあった家を建てられる 老後を安心して過ごせる 若いときに建てた自宅が、老後のライフスタイルに合うとは限りません。例えば、子どもが独立して夫婦だけの生活になれば、間取りが広すぎると感じることもあるでしょう。老後に建て替えを行えば、ライフスタイルの変化に対応した住みやすい家を建てられます。 また、建物が老朽化することで地震や台風などの災害リスクも高まります。建て替えによって建物を新しくすれば、耐震性や耐久性が高まり、老後を安心して過ごせます。 老後に自宅を建て替えるデメリット 一方で、老後の建て替えには以下のようなデメリットもあります。 まとまったお金がかかる 建て替えが完了するまでの仮住まいが必要 自宅を建て替えるにはまとまった資金が必要です。しっかりとした資金計画を立てておかないと、老後の生活費が不足する可能性があります。 また、建て替えが完了するまでは自宅に住めないため、仮住まいを用意しなくてはなりません。賃貸物件を借りる場合は、家賃の支払いが必要です。 建て替え資金はいくら必要? 自宅の建て替えにかかる費用は、大きく「工事費用」と「諸費用」の2つに分けられます。 工事費用 建て替えの際は、現在住んでいる家の解体工事と新築する建物の本体工事が行われます。また、給排水や電気・ガスなどの付帯工事も必要です。 工事費用は、「坪(㎡)数 × 各工事の単価」によって概算金額を算出できます。物件によって異なりますが、解体工事は坪4~8万円、本体工事は坪50~70万円が相場です。また、付帯工事は本体工事の20%程度が相場となります。 あくまでも目安なので、実際に建て替えを行う場合は事前に見積もりをとって、正確な金額を把握する必要があります。 諸費用 建て替えの際は以下のような諸費用もかかります。 印紙代(契約時) 登記費用 火災保険料 住宅ローン手数料(利用する場合のみ) 各種申請費用(長期優良住宅認定、建築確認申請等) 上記のほかに、引っ越し費用や仮住まいにかかる費用、新調する家電・家具などの購入費用も必要です。支払い時に困らないように、事前に費用を確認した上で多めに資金を用意しておきましょう。 老後の建て替え資金にはリ・バース60 建て替え資金を自己資金で準備できない場合は、住宅ローンを組むのが基本です。しかし、高齢になると住宅ローンを組むのが難しいかもしれません。その場合は「リ・バース60」を検討しましょう。 リ・バース60は高齢者向けの住宅ローンで、満60歳以上の方でも借り入れが可能です。毎月の支払いは利息のみで、元金の支払いは債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 リ・バース60については、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 まとめ 自宅の建て替えを行えば、理想の住まいで老後を豊かに過ごせるかもしれません。ただし、建て替えにはまとまった資金がかかるため、老後の生活費に影響が出る恐れもあります。 建て替えを行う場合はしっかりとした資金計画を立て、必要に応じてローンの利用を検討しましょう。 定年後に自宅を住み替えるメリットと注意点とは? 現役世代は、子どもの学校や通勤を考えて自宅を購入するのが一般的です。しかし、子どもの独立や定年退職などでライフスタイルが変化すると、立地や間取りが生活に合わなくなることがあります。 その場合...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後の一人暮らし、生活費はいくら必要?

    未婚率の増加や子どもとの同居の減少により、高齢者の一人暮らしは増えています。現在は家族と暮らしていても、子どもの独立や配偶者との死別などにより、将来は一人暮らしになる可能性もあるでしょう。 老後に一人暮らしをする場合、生活費はいくら必要なのでしょうか。高齢化によって、老後の期間は延びています。そのため、なるべく早いうちに必要な金額を見積もって、老後の生活費を準備しておくことが大切です。 今回は、老後の一人暮らしの現状や必要な生活費、資金が足りないときの対処方法について解説します。 老後に一人暮らしの人はどれぐらいいる? 内閣府の高齢社会白書によると、1980年以降、65歳以上の一人暮らしは男女ともに一貫して増加傾向にあります。 引用:内閣府「2021年(令和3年)版 高齢社会白書(第1章 第1節 3 家族と世帯)」 65歳以上人口に占める一人暮らしの割合(2015年)は、男性は13.3%(約192万人)、女性は21.1%(約400万人)となっており、これは、男性の約7人に1人、女性の約5人に1人が老後に一人暮らしをしていることを表しています。 また、老後の一人暮らしは今後も増加が続き、2040年には男性20.8%(約355万人)、女性24.5%(約540万人)に達すると予測されています。 老後の一人暮らしに必要な額 老後に一人暮らしをする場合、毎月の生活費はいくら必要なのでしょうか。総務省の家計調査によると、65歳以上の単身無職世帯の家計収支は以下の通りです。 引用:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要P18」 収入と支出それぞれの詳細について確認していきましょう。 収入 高齢単身無職世帯の実収入(月平均額)は136,964円で、内訳は以下の通りです。 高齢単身無職世帯の実収入(月平均額) 社会保障給付121,942円 その他(仕送り金、事業・内職など)15,022円 実収入合計136,964円 年金などの社会保障給付が約12万円で、実収入全体の約9割を占めています。 その他は仕送り金や事業・内職などによる収入です。全体の約1割と少額ですが、月平均額であるため、人によって金額に大きな差があると考えられます。 支出 高齢単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計(月平均額)は144,687円で、内訳は以下の通りです。 高齢単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計(月平均額) 食料36,581円 住居12,392円 光熱・水道12,957円 家具・家事用品5,328円 被服及び履物3,181円 保険医療8,246円 交通・通信12,002円 教養娯楽12,910円 その他の消費支出(雑費・交際費など)29,549円 非消費支出(直接税・社会保険料)11,541円 支出合計144,687円 住居が12,392円と低いのは、持ち家率が高いことが理由だと考えられます。そのため、賃貸の場合は家賃が発生するため、住居費はもっと高くなるでしょう。 保険医療は8,246円ですが、年齢とともに負担は大きくなるかもしれません。 また、交通費は住環境に大きく左右されます。地方在住で自家用車が必要な場合、車両代のほかに駐車場代・ガソリン代・車検代といった維持費もかかるため、平均より負担が増える可能性があります。 年金だけでは生活費が月2.5万円不足する? 年金収入が約12万円、支出合計が約14.5万円とすると、老後の一人暮らし(年金のみ)の生活費は月2.5万円不足します。生活費の不足分は10年で約300万円、30年で約900万円です。 総務省の家計収支はあくまでも平均結果であり、この通りに当てはまるとは限りません。一方で、老後の一人暮らしの生活費を把握する際の参考にはなります。 まずは自身の家計を整理して、老後の生活費がいくら必要かを把握することが大切です。 年金収入が平均より多い場合は、年金だけでも生活できるかもしれません。一方で、「年金が少ない」「平均より多くの支出がかかる」という場合は、まとまった老後資金を準備する必要があるでしょう。 参考:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要P18‐19」 老後の一人暮らしで資金が足りない時はどうする? 老後の一人暮らしで資金が足りない時、持ち家であれば不動産が資金源となるかもしれません。自宅を担保に融資を受けたり、売却したりすることで、まとまった資金が手に入ります。具体的には、以下2つの方法があります。 不動産担保ローン 不動産担保ローンとは、不動産を担保にお金を借りることができるローンです。自宅を所有している場合、まとまった資金を準備する手段として活用できます。不動産担保ローンのメリットは以下の通りです。 無担保のカードローンより低金利で利用できる 借入限度額が大きい(不動産評価によって億単位の借り入れも可能) 最長35年など長期間にわたって借りられる 資金使途は原則自由 一方で、不動産担保ローンには以下のようなデメリットもあります。 借入時に手数料(事務手数料、抵当権の登記費用など)がかかる 返済不能になると不動産が処分される 不動産担保ローンについては、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却後、その会社に家賃を払うことで、同じ家に住み続けることができます。リースバックのメリットは以下の通りです。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 自宅の売却でまとまった資金が手に入る 月々の支出が定額化される 家の所有リスクを無くせる 一方で、リースバックには以下のようなデメリットもあります。 自宅の売却価格は市場価格より安くなる ずっと住み続けられるとは限らない リースバックについては、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 まとめ 老後の一人暮らしで年金収入のみの場合、生活費が不足し、貯金を切り崩して生活しなければならない可能性があります。まずは家計の状況を整理して、老後資金がいくら必要かを把握することが大切です。持ち家で資金が足りない場合は、不動産担保ローンやリースバックの利用を検討しましょう。 持ち家の場合、老後資金はいくら必要?資金不足の対処方法も紹介 老後に必要な生活費は、持ち家と賃貸で大きく変わります。持ち家の場合、老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。 年金だけで足りない分は、貯蓄などでカバーしなくてはなりません。年金生活に入る前に...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.07.21老後資金
  • 不動産相続で知っておきたい手続きと費用

    不動産を相続することになった場合、さまざまな手続きが必要になります。相続は何度も経験するものではないので、どのように対応すればよいかわからないのではないでしょうか。 不動産相続では、相続税がかかる場合もある他、不動産は均等に分割しづらいことなどから、相続人が複数いる場合にトラブルが発生することもあります。不動産相続をスムーズに進めるには、手続きの流れを理解して早めに準備をすることが大切です。 今回は、不動産相続で知っておきたい手続きの流れと費用について詳しく解説します。 不動産相続の手続きのステップ 不動産の相続が発生したときは、以下の流れで手続きを進めることになります。 相続人や相続財産を確認する 遺産分割協議で遺産の分け方を決める 相続不動産の名義を変更する 相続税の申告・納付をする 相続発生時に慌てずに済むように、不動産相続の大まかな流れを把握しておきましょう。 STEP1:相続人や相続財産を確認する 相続が発生したときに、最初にやらなくてはならないのが相続人や相続財産を確認することです。具体的には以下の通りです。 相続人の確定 誰が遺産を相続する権利を持っているのかをはっきりさせるために、相続人を確定させます。そのためには、被相続人(亡くなった人)の相続関係を調査しなくてはなりません。 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、相続情報を調査して法定相続人を確定させましょう。必要書類を準備して法務局に依頼すれば、相続関係が一覧でわかる「法定相続情報一覧図」を作成してもらうことも可能です。 遺言書の確認 相続が発生したら、被相続人が遺言書を残していないかを確認します。遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って相続を進めなくてはなりません。また、遺言書で法定相続人以外の人を相続人として指定している可能性もあります。 遺言書は、主に「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2つがあります。公正証書遺言は情報が登録されているので、公証人役場に確認すれば、遺言書の有無を確認できます。一方、自筆証書遺言の場合は、被相続人の机の引き出しや金融機関の貸金庫など、思い当たる場所を探す必要があります。 遺産の確認 被相続人がどのような財産を残しているかを確認しましょう。主な相続財産の種類は以下の通りです。 現金、預貯金 有価証券 不動産 生命保険の死亡保険金 貸付金 宝石、美術品 ゴルフ会員権 特許権、著作権 資産だけでなく、負債(債務、税金の未払いなど)も調べることが必要です。相続では、基本的に資産だけを引き継ぐことはできません。そのため、負債のほうが多い場合は、相続放棄を検討する必要があります。 遺産分割のやり直しを避けるためにも、被相続人のすべての財産(資産と負債の両方)を調べましょう。 相続放棄をする場合(3ヵ月以内) 相続財産を調べた結果、借金など負債のほうが多いケースもあるでしょう。その場合は、相続放棄も選択肢の1つです。 相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内に家庭裁判所に申述すれば、相続放棄ができます。 相続放棄をすれば、被相続人が残した借金を返済する必要はなくなります。 ただし、相続放棄をすると、預貯金や不動産といった資産を相続する権利も放棄することになるので慎重に判断しましょう。 参考)国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分 限定承認をする場合(3ヵ月以内) 限定承認とは、被相続人の資産の範囲内で負債を相続することです。 相続では、資産と負債がどれくらいあるのか、すぐに把握できないこともあります。限定承認を選択すれば、たとえ債務があっても資産の範囲で引き受けられるので安心です。 ただし、限定承認は相続人全員が共同で家庭裁判所に申述する必要があります。申述期限は、相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内です。 故人の準確定申告が必要な場合(4ヵ月以内) 準確定申告とは、被相続人の1月1日から死亡した日までに確定した所得金額および税金を計算して確定申告をすることです。確定申告が必要な人が翌年の1月1日から確定申告期限までの間に確定申告をせずに亡くなった場合、提出が必要なので注意が必要です。 相続人は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に準確定申告(申告と納税)をしなくてはなりません。 準確定申告が必要な場合は、期限までに申告・納税を行いましょう。 参考)国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告) STEP2:遺産分割協議で遺産の分け方を決める 相続人と相続財産が確認できたら、遺産の分け方を決めていきます。被相続人が遺言書を残している場合は、遺言書の内容に従って財産を分割します。ただし、一定の相続人には「遺留分」が認められています。 遺留分とは、配偶者や子供、直系尊属(※1)など、一部の法定相続人(※2)が取得できる一定割合の相続財産のことです。たとえば、遺言書に法定相続人以外の人に財産をすべて残すと書かれていても、配偶者や子などには遺留分が認められます。 遺言書がない場合は、遺産分割協議を行います。遺産分割協議とは、相続人が集まって相続財産をどう分けるかを話し合う手続きのことです。 遺産分割協議は基本的に相続人全員で行う必要がありますが、全員で集まって話し合う必要はありません。相続人全員が合意していれば、「メールや電話で話し合う」「数人で話し合った内容を他の相続人が了承する」といった形でも可能です。 遺産分割について合意したら、遺産分割協議書を作成して相続人全員が署名・捺印します。遺産分割協議がまとまらない場合は、調停が必要になることもあるので、弁護士などの専門家に相談しましょう。 ※1被相続人の父母、父母がどちらも亡くなっている場合は祖父母 ※2兄弟姉妹や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に相続人となる甥姪には遺留分が認められていません STEP3:相続不動産の名義を変更する 遺産分割協議が終了して相続する財産が決まったら、相続不動産の名義変更を行います。 実家の土地・建物などを相続する場合、不動産の所有権を相続人に移転する相続登記が必要です。不動産の相続登記は、必要書類を準備した上で、対象不動産を管轄する法務局に申請します。 法定相続分通りに相続する場合、相続登記の必要書類は以下の通りです。 登記申請書 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 法定相続人の戸籍謄本 法定相続人の住民票 登録免許税(収入印紙) また、遺産分割協議によって財産を分割する場合は、遺産分割協議書や相続人の印鑑証明書も必要です。 相続登記に期限はありませんが、名義を変更しておかないと、相続不動産の売却や不動産を担保にした借り入れができません。そのため、相続が発生したときに、相続登記を済ませておくのがおすすめです。 なお、自身で手続きするのが難しい場合は、司法書士に代行してもらうことも可能です。 STEP4:相続税の申告・納付をする 最後に相続税の申告・納付を行います。手続きの流れは以下の通りです。 相続税の課税遺産総額を確認 まずは相続税の課税遺産総額を確認します。相続税は、正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額に対して課税されます。正味の遺産額とは、相続等によって取得した財産の価額と相続時精算課税の適用を受ける財産の価額を合計した金額から、債務や葬式などの金額を差し引いたものです。 相続時精算課税制度の詳しい説明はこちら 課税遺産総額 = 正味の遺産額 - 基礎控除額 相続税の基礎控除額は、以下の算式で求められます。 基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 参考)国税庁 No.4152 相続税の計算 たとえば、法定相続人が配偶者と子の2人の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円 + 600万円 × 3人)です。 正味の遺産額が1億円の場合、課税遺産総額は5,200万円(1億円 - 4,800万円)となります。相続財産が4,800万円以下であれば、課税遺産総額は0となるため、相続税はかかりません。 相続税申告書の作成 課税遺産総額を求めたら、相続税を計算して申告書を作成します。相続税は自身で計算することもできますが、難しい場合は税理士に代行してもらうことも可能です。 相続税の申告は期限があり、申告漏れなどの誤りがあると修正申告が必要になるので、心配な場合は税理士に依頼することを検討しましょう。相続税の計算方法は、後ほど詳しく説明します。 相続税の申告・納付をする 相続税の申告書が作成できたら、必要書類を添えて所轄税務署に提出し、税金を納付します。相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。 本人確認書類や相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書の写し、相続人全員の印鑑証明書などを添付します。 また、不動産相続の場合は、固定資産税評価証明書や登記事項証明書なども必要です。 期限までに申告をしないと、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかることがあるので注意しましょう。 参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類 不動産相続の対象 相続が発生した場合、誰が不動産の相続対象となるのでしょうか。ここでは、相続人の優先順位について確認していきましょう。 相続人の優先順位 法定相続人には優先順位があり、以下の通りです。 相続人の範囲 第1順位死亡した人の子供 第2順位死亡した人の直系尊属(父母や祖父h簿など) 第3順位死亡した人の兄弟姉妹 また、財産の原則的な相続割合のことを「法定相続分」、被相続人が遺言で定めた相続分のことを「指定相続分」といいます。指定相続分は法定相続分に優先するため、遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って相続財産を分割することになります。 法定相続分は以下の通りです。 法定相続分 相続人 相続分 配偶者と子供の場合配偶者1/2 子ども1/2 配偶者と直系尊属の場合配偶者2/3 直系尊属1/3 配偶者と兄弟姉妹の場合配偶者3/4 兄弟姉妹1/4 たとえば、配偶者と子2人が法定相続人の場合、法定相続分は以下のようになります。 配偶者:1/2 子A:1/4(1/2×1/2) 子B:1/4(1/2×1/2) 相続財産が1億円であれば、配偶者が5,000万円(1億円×1/2)、子A、Bがそれぞれ2,500万円(1億円×1/4)を相続します。 参考)国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分 不動産相続でかかる税金 不動産相続では以下の税金がかかります。 登録免許税 相続税 登録免許税は、不動産の相続登記を行う際にかかる税金です。登録免許税の税額は「不動産価格×0.4%」で、不動産価格は市町村役場で管理している固定資産課税台帳の価格になります。 また、基礎控除額を超える財産を相続する場合は相続税もかかります。相続税総額を算出する際は、各人が相続などで実際に取得した財産に直接税率を乗じるというものではありません。相続税を計算する手順及びイメージ図は以下の通りです。 課税遺産総額を法定相続分で分割したものとして各人の取得金額を算出する 各人の課税額を算出し、合計して相続税総額を算出する 相続税総額を各人の相続分に按分して、実際に収める税金を決定する 各人の課税額を算出する際には、取得金額に基づき、速算表から以下のように計算します。 2,600万円 × 15% - 50万円 = 340万円 相続税の速算表 法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額 1,000万円以下10%- 3,000万円以下15%50万円 5,000万円以下20%200万円 1億円以下30%700万円 2億円以下40%1,700万円 3億円以下45%2,700万円 6億円以下50%4,200万円 6億円超55%7,200万円 この速算表で計算した各人の課税額の合計が、相続税総額となります。そして、各人が実際に相続した相続分に従って相続税総額を案分し、各人の税額を算出します。 相続税は財産の評価方法や計算方法が複雑で、相続開始から10ヵ月以内に申告・納付を行わなくてはなりません。実際に相続税を計算する際は、税理士などの専門家に相談しながら進めるのが確実です。 参考)国税庁 No.4155 相続税の税率 不動産相続の相談先 ここまで確認してきたように、不動産相続ではさまざまな手続きが必要です。そのため、専門知識がない個人が、すべての手続きを行うのは難しいかもしれません。不動産相続について相談したい場合は、誰に依頼すればよいのでしょうか。 不動産相続は、以下のように相談内容によって依頼先は分かれます。 相続登記についての相談:司法書士 税金についての相談:税理士 トラブルについての相談:弁護士 まず、相続登記は、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士によって金額は異なりますが、登録免許税とは別に10万円程度の費用が発生します。 次に、相続税をはじめとする税金については、税理士に依頼するといいでしょう。相続財産の確認や税金計算、申告書の作成などを任せられます。 相続税申告の費用は税理士によって異なりますが、課税遺産総額の0.5~1.0%程度が相場となります。つまり、課税遺産総額が5,000万円であれば、25~50万円程度が目安です。税理士によって専門分野が異なるので、依頼の際には相続税に詳しい税理士を探しましょう。 最後に、相続トラブルに備えたい場合は、弁護士を検討しましょう。状況によっては遺言書の検認が必要だったり、相続放棄を検討したりするケースもあります。「遺産分割協議がまとまらない」といったトラブルが見込まれる場合は、弁護士に相談すると安心です。 弁護士に依頼するときは相談料や着手金、報酬金などがかかります。弁護士によって費用は異なるので、事前に金額を確認してから依頼しましょう。 上記以外に、不動産相続で納税資金などが必要な場合は、金融機関に相談するのがおすすめです。相続税の納税資金などが足りない場合、相続不動産を担保に融資を受けられる可能性があります。 不動産相続による資金不足ならSBIエステートファイナンス ここでは、不動産相続による資金不足についてSBIエステートファイナンスに相談するメリットを3つご紹介します。 メリット①:相続税の支払代金に活用できる 相続財産がすべて現金であれば、相続税が発生しても相続した現金で納税できます。しかし、不動産相続の場合は、相続財産の額によっては納税資金が足りず、相続税を納めるのが難しいケースもあります。 SBIエステートファイナンスの不動産担保ローンを利用すれば、相続不動産を担保に融資を受けることが可能です。原則として資金使途は自由であるため、相続税の支払代金に活用できます。 メリット②:代償分割や遺留分減殺請求の支払に活用できる 代償分割とは、現物の財産を取得した相続人が、他の相続人に代償金を支払うことで清算する遺産分割方法です。たとえば、5,000万円の不動産を子2人で相続するときに、兄が不動産を取得し、弟に2,500万円の代償金を支払うケースが該当します。 遺留分減殺請求とは、遺言によって特定の相続人が財産を取得した場合などに、相続財産の最低割合の受け取りが保証されている遺留分を取り戻す制度です。 不動産を相続し、代償分割や遺留分減殺請求によって支払いが生じる場合は、資金を準備しなくてはなりません。SBIエステートファイナンスの不動産担保ローンなら、相続不動産を担保に融資を受けられるため、支払代金を用意できます。 メリット③:相続発生前の親族間売買に 不動産は現金のように分割できないため、相続人が複数いる場合はトラブルになる可能性があります。親が存命中に子へ不動産を売却しておけば、相続トラブルを避けられるかもしれません。 しかし、不動産の親子間売買では金融機関の審査が厳しくなるため、住宅ローンを組むのが難しいケースがあります。また、親子間売買であっても、通常の不動産売買と同じように、譲渡益が発生する場合は譲渡所得税がかかります。 SBIエステートファイナンスの不動産担保ローンであれば、親子間売買であっても融資を受けられる可能性があります。相続時に不動産担保ローンを利用する方法については、下記の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら相続で不動産担保ローンを利用する4つの事例を紹介 不動産相続の準備はお早めに 親が亡くなった場合は、相続以外にもしなくてはならないことが多くあります。不動産相続は手続きが複雑で時間がかかりますが、相続手続きの多くには期限が設けられているため、じっくり考える余裕がないのが実情です。 そのため、不動産を相続する予定があるなら、実際に相続が発生したときに慌てずに済むように、早めに準備しておくとよいでしょう。 まとめ 不動産相続が発生したら、相続人や財産の確認、名義変更、遺産分割協議、相続税の申告・納付など、やるべきことがたくさんあります。どのように対応すればよいかわからない場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談して手続きを進めましょう。 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 相続財産には預貯金や有価証券のほかに、土地や建物といった不動産も含まれます。相続で不動産を取得した場合、相続税評価額はどのように算出すればよいでしょうか。今回は、相続不動産の評価方法や特例に...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.07.14相続
  • 相続で不動産担保ローンを利用する4つの事例を紹介

    不動産を含む相続では相続税の支払いなどで現金が必要になることも多いです。そのような時には、不動産担保ローンを活用できるかもしれません。相続で不動産担保ローンを利用する方法として、「相続が発生してから」不動産担保ローンを利用する場合と、「相続が発生する前に」不動産担保ローンを利用する場合の大きく二つに分かれます。本記事では、不動産担保ローンの4つの活用方法をご紹介していきます。 相続が発生してから不動産担保ローンを利用する 相続が発生してから不動産担保ローンを利用するケースは、下記3つが考えられます。 相続税の支払いに利用する 法定相続分の支払いに利用する(代償分割) 遺留分の支払いに利用する 相続税の支払いに利用する 不動産を相続すると、その資産価値に応じて相続税を支払う必要があります。相続税として納める税金は基本的に現金で用意しなければなりません。特に相続財産として不動産のみを相続したような場合では、相続税の支払いを現金で用意できないこともあるでしょう。このような場合、不動産担保ローンを活用することが考えられます。 ちなみに、相続した不動産を売却して相続税の支払いをすることもできますが、買主が見つかるまでに時間がかかることがあり、このような場合にも不動産担保ローンの活用は有効な手段の一つです。相続税は相続があったことを知ったときから10カ月以内に納める必要があります。 法定相続分の支払いに利用する(代償分割) 相続方法にはいくつかの種類がありますが、代償分割を選んだ場合に、不動産担保ローンを活用できます。代償分割とは、相続人の内の誰かひとりまたは数人が不動産などの現物を相続し、その他の相続人に対して相続分に応じた現金を支払う方法です。 例えば、相続財産が3,000万円で、配偶者と子2人の相続人がいるケースを考えてみましょう。配偶者と子の場合の法定相続分は配偶者:1/2、子:1/2です。今回のケースでは、子供が2人のため、配偶者の法定相続分は2分の1、子の法定相続分は4分の1ずつとなります。 法定相続人が配偶者と子の場合 - 配偶者:1/2、子:1/2 法定相続人が配偶者と親の場合 - 配偶者:2/3、親:1/3 法定相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合 – 配偶者3/4、兄弟姉妹:1/4 相続財産3,000万円が全て現金であれば、配偶者に1,500万円、子に750万円ずつ相続させることが可能です。しかし、相続財産が不動産しかないような場合、簡単に分割することができません。こうした場合に、ひとりの子が不動産を相続して、不動産を相続しなかった配偶者や子に法定相続分に応じた支払いをするといった方法があります。この方法を代償分割と呼びます。 上記の場合、他の相続人に支払うための資金を現金で用意しなければなりませんが、多額の現金を手元から支払うのは難しいでしょう。不動産担保ローンを活用すれば、相続した不動産を担保に代償分割のための資金を借りることができます。 遺留分の支払いに利用する 遺留分の支払いに不動産担保ローンを活用することも考えられます。遺留分とは配偶者や子供、直系尊属(※1)など、一部の法定相続人(※2)が取得できる一定割合の相続財産のことです。その遺留分の総額は相続財産全体の1/2で、法定相続人が直系尊属のみの場合は1/3となります。また、遺留分の総額から法定相続人の法定相続分に応じて遺留分が決定します。 ※1被相続人の父母、父母がどちらも亡くなっている場合は祖父母 ※2兄弟姉妹や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に相続人となる甥姪には遺留分が認められていません。 法定相続人にはそれぞれ法定相続分が決められていますが、遺言によって、法定相続人以外や法定相続分とは異なる配分で相続がなされることがあります。しかし、遺留分が認められている法定相続人は、自分に認められた遺留分までであれば、相続後に遺留分減殺請求を求めることができます。 例えば、先ほどと同様に相続財産が3,000万円で、配偶者と子2人の相続人がいる場合で、被相続人の遺言によって、子の内の1人だけにこの3,000万円の相続がされるケースを考えてみましょう。 相続人が配偶者と子なので、相続財産全体の1/2が遺留分の総額として扱われます。そして、法定相続分は配偶者が1/2、子が1/2となるので、配偶者は1/4(1/2×1/2)、子は1/4を2人で分けて1/8(1/2×1/2×1/2)の遺留分として認められます。つまり、相続財産を受け取らなかった配偶者は、相続財産の4分の1である750万円、子は相続財産の8分の1である375万円分遺留分減殺請求できます。 上記の場合、遺留分減殺請求を受けた側は現金で支払わなければなりませんが、多額の現金を手元から支払うのは難しいでしょう。しかし、相続不動産を担保にして、不動産担保ローンを活用することで問題を解決できるかもしれません。 相続が発生する前に不動産担保ローンを利用する 相続が発生する前に不動産担保ローンを利用するケースは、親族間売買が考えられます。 親族間売買をする 相続発生前に、あらかじめ不動産の親族間売買をする場合には、不動産担保ローンの利用が考えられます。居住用財産で、自己居住用であれば住宅ローンを利用することも考えられますが、そうでない場合には住宅ローンの利用はできません。また、銀行などの金融機関では一般的に親族間売買を取り扱っていません。 一方で、不動産担保ローンであれば住宅ローンのように自己居住用でなければならないといった制約はなく、親族間売買でも取り扱うことの出来る可能性があります。ただし、住宅ローンと比べると金利が高いなど、融資条件が悪くなってしまう点には注意が必要です。 まとめ 相続時に不動産担保ローンを利用する4つの事例を解説しました。不動産の相続では相続税の支払いに現金を用意できず困る場合があるでしょう。また、速やかに売却活動を行っても、中々買い手が見つからず、相続税の支払いに間に合わない場合もあります。 このような場合、不動産担保ローンを有効に活用出来るかもしれません。その他にも、遺留分や代償分割など活用できる機会は多いため、手元資金が不足する時には、不動産担保ローンを検討してみるといいでしょう。 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 相続財産には預貯金や有価証券のほかに、土地や建物といった不動産も含まれます。相続で不動産を取得した場合、相続税評価額はどのように算出すればよいでしょうか。今回は、相続不動産の評価方法や特例に...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説

    老後に豊かな生活を送るには、ライフスタイルに合わせて住まいを選ぶ必要があります。しかし、住まいを選ぶ際には多くの選択肢があるので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 老後の住まいを選ぶためには、ポイントを理解した上で、自分に合った住居を選択することが大切です。今回は、老後の住まいの選び方や資金づくりの方法について詳しく解説します。 老後の住まいを選ぶポイントは3つ 老後の住まいを選ぶ上で、考えておきたい3つのポイントを紹介します。 持ち家か賃貸か マンションか戸建てか 都市部か郊外か 住居にはさまざまな種類が存在しますが、基本的には上記3つの組み合わせで考えると良いでしょう。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解すれば、自身に合った老後の住まいが見えてきます。 老後の住まいは持ち家か?賃貸か? 老後の住まいを選ぶときに、まず検討しておきたいのが「持ち家と賃貸のどちらを選ぶか」です。持ち家と賃貸の選択は、老後資金やライフスタイルに大きな影響を与えます。 ここでは、老後における持ち家と賃貸それぞれのメリット・デメリットについて確認していきましょう。 老後の住まいに持ち家を選ぶメリット・デメリット 老後に持ち家を選ぶメリットは以下の通りです。 住居費の負担が小さい 内装や間取り変更が自由にできる 持ち家の場合、住宅ローンを完済していれば老後の住居費負担は小さくなります。不定期で修繕をしなければならないものの、定期的に発生する費用は基本的に固定資産税のみです。マンションなら別途管理費・修繕積立金が毎月かかりますが、家賃は発生しません。 また、若いうちに持ち家を購入した場合には、年齢とともに内装や間取りがライフスタイルに合わなくなる場合があります。そのため、必要に応じてバリアフリー対応のリフォームなども必要になりますが、持ち家であれば、内装や間取りを自由に変更できます。 一方で、持ち家には以下のようなデメリットもあります。 災害リスクがある メンテナンス費用がかかる 持ち家は地震や火事、水害といった災害によって、建物に被害が生じる可能性があります。老後の住まいに被害が出れば経済的打撃が大きく、老後資金が不足するかもしれません。保険で備えることもできますが、住めない状態になった場合は仮住まいを探す必要があり、復旧までに時間がかかることもあります。 また、建物のメンテナンス費用は自己負担となります。建物は時の経過とともに老朽化するため、安心して長く住み続けるには定期的な修繕が不可欠です。年金収入のみの生活で建物のメンテナンス費用が生じると、予想以上に大きな負担となるかもしれません。 老後の住まいに賃貸を選ぶメリット・デメリット 老後に賃貸を選ぶメリットは以下の通りです。 メンテナンス費用がかからない 災害リスクが小さい ライススタイルの変化に対応しやすい 賃貸では、建物のメンテナンス費用は原則として所有者が負担してくれます。そのため、設備が故障したり、大規模な修繕を行ったりするときも、費用負担は必要ありません。 また、災害によって建物に被害が出ても、復旧のための修繕費用はオーナー負担となります。住めない状態になれば引っ越しが必要になるかもしれませんが、持ち家のような災害リスクは回避できます。 さらに、賃貸なら簡単に引っ越しできるため、ライフスタイルの変化に対応しやすいでしょう。 一方で、賃貸には以下のようなデメリットもあります。 家賃の支払いが一生続く 契約や更新をできない可能性がある 老後に賃貸住まいの場合、家賃を一生払い続けることになります。家賃を払っても毎月の生活費に余裕があるなら、賃貸でも特に問題はないでしょう。しかし、年金だけでは生活費が足りず、預貯金を取り崩す必要がある場合は、生活が立ち行かなくなる場合があります。 また、高齢になって安定収入がなくなると、賃貸借契約が難しくなったり、更新ができなくなったりする恐れがあります。保証人を求められることも多くなり、頼める人がいないと契約を断られるケースもあります。 このように、老後の住まいにおいて、持ち家と賃貸はメリット・デメリットが異なります。現在の住居や財産状況、理想のライフスタイルなどに照らして、どちらが自身に合っているかを見極めることが大切です。 関連記事はこちら老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 老後の住まいを持ち家にする場合、マンション?戸建て? 老後の住まいを持ち家にする場合、「マンションと戸建てのどちらにするか」という問題もあります。同じ持ち家でも、マンションと戸建てでは特徴が異なるからです。購入してから後悔しないように、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。 老後の住まいにマンションを選ぶメリット・デメリット 老後にマンションを選ぶメリットは以下の通りです。 セキュリティが高い 資産性が高い 建物のメンテナンスを気にしなくていい 高齢の一人暮らし・夫婦二人暮らしの場合、空き巣などの被害にあわないか不安を感じるのではないでしょうか。オートロックで管理人が常駐しているマンションであれば、セキュリティが高く、防犯上も安心といえます。 また、マンションは戸建に比べて資産性が高く、値崩れしにくい特徴があります。そのため、都心や生活利便性の高いエリアに至っては、購入時よりも売却時の方が、値段が上がっているなどのケースもしばしばあります。 さらに、マンションは、共用部分の清掃は管理会社が行ってくれます。設備や外壁、屋根などのメンテナンスも大規模修繕計画などに基づいて行われるため、あまり気にする必要がありません。 一方で、マンションには以下のようなデメリットもあります。 管理費・修繕積立金がかかる 生活音などに気を付ける必要がある マンションは、持ち家であっても管理費・修繕積立金の支払いが必要です。将来の修繕に備えて毎月費用負担が生じるので、生活費を圧迫する要因となるかもしれません。また、建物の老朽化が進み、修繕費用に対して積立金が不足していると、途中で修繕積立金の額が値上げされることが一般的です。 また、戸建と比べると、マンションは生活音に気を付ける必要があります。特に深夜や早朝の掃除機や洗濯などの生活音で、隣室の住人間でトラブルになる場合もあります。 老後の住まいに戸建てを選ぶメリット・デメリット 老後に戸建てを選ぶメリットは以下の通りです。 自由にリフォームできる 騒音トラブルが起こりにくい 建物が古くなっても土地が資産となる 同じ持ち家でも、マンションより戸建てのほうが自由にリフォームできます。間取りを大きく変更することができ、敷地に余裕があれば増改築も可能です。建物が独立しているので、マンションに比べて騒音トラブルが起こりにくいのもメリットです。 また、戸建ては建物が古くなっても、土地が資産となります。エリアに左右される部分はありますが、場所によっては土地のみで高い資産価値を有することもあります。建て替えを行って、再び同じ場所に住むという選択肢もあるでしょう。 一方で、戸建てには以下のデメリットもあります。 管理・メンテナンスの手間がかかる 防犯対策が必要 バリアフリー工事が必要になることも 戸建ては、マンションよりも管理やメンテナンスの手間がかかります。定期的に設備の交換、屋根・外壁のメンテナンスなどが必要になり、工事の手配や費用の準備は自身で対応しなくてはなりません。 また、敷地が広くて部屋の数が多い場合、空き巣などの被害にあうリスクが高まります。「防犯カメラを付ける」「ホームセキュリティを導入する」といった防犯対策が必要です。 段差が多くある場合は、バリアフリー工事が必要になることもあります。事前に対策を講じておかないと、介護が必要になったときに、生活に不都合が生じるかもしれません。工事の規模によって費用は変わってきますが、数百万円程度の負担が生じる可能性もあります。 老後の住まいは都市部と郊外で何が違う? 老後の住まいは、立地にも大きな影響を受けます。都市部と郊外の物件では、住環境に大きな違いがあります。ここでは、都市部と郊外の違いについて確認していきましょう。 都市部に住むメリット 都市部に住むメリットは、生活利便性が高いことです。 一般的には高齢になるほど注意力が衰え、運転操作も遅くなるため、車の運転に不安を感じるようになるかもしれません。都市部なら公共交通機関が充実しており、電車やバス、タクシーなどを利用することで、マイカーがなくてもスムーズに移動できます。 また、都市部であれば近くにスーパーや病院、公共施設、商業施設などがあるので、行動範囲が狭くなっても安心して生活できます。 郊外に住むメリット 郊外に住むメリットは、人混みや騒音などから離れて静かな暮らしができることです。老後に落ち着いた場所でのんびり暮らしたい場合は、郊外が適しています。また、郊外の物件は、都市部に比べて家賃や物件価格が安いのも魅力です。 ただし、郊外は交通の便が悪く、住む場所によってはスーパーや病院などに出かけるのが不便な場合があります。 老後で持ち家の場合に考えておくべきこと 老後の住まいとして持ち家を選ぶときは、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは、老後で持ち家の場合に考えておくべきことをお伝えします。 住宅ローン破産に気を付ける 老後の住まいとして持ち家を選ぶ場合は、住宅ローン破産に注意が必要です。住宅ローンは、住宅を担保にお金を借りる仕組みであるため、ローンを返済できなくなると自宅は競売にかけられてしまいます。 住宅ローン破産を避けるには、毎月の収入で無理なく返済できる金額でローンを組むことが大切です。たとえば、住宅金融支援機構のフラット35では、返済比率(年収に占める年間返済額の割合)の基準を以下のように定めています。 年収400万円未満:30% 年収400万円以上:35% ボーナスは勤務先の業績などによって支給額が変動するので、ボーナス払いはなるべく利用しないほうがいいでしょう。また、転職などで一時的に収入が減っても慌てずに済むように、まとまったお金を手元に用意しておくことも有効な対策となります。 参考)住宅金融支援機構「10月よりフラット35のご利用条件を簡素化します」 住まいの終活を考える 住まいの終活とは、老後のより豊かな暮らしや、生前のうちに自身が亡くなった後の住まいについて考えることです。 相続時に不動産は所有権だけでなく、誰が住むかという問題も生じます。現金や有価証券のように均等に分割しづらい資産のため、相続人が複数いる場合は相続トラブルになることもあります。 老後を持ち家で過ごすのであれば、自身が亡くなった後のことも考えて、早めに準備にとりかかることが大切です。住まいの終活については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと 老後で持ち家だからこそ考えられる資金づくりの選択肢 賃貸とは異なり、持ち家の場合は資金づくりの選択肢が豊富にあります。ここでは、老後の住まいとして持ち家を選ぶ際に利用できるサービスを3つ紹介します。 リ・バース60 リ・バース60とは、満60歳以上の方向けの住宅ローンです。一般的な住宅ローンには収入や年齢の融資条件による制約があるため、高齢になるほどローンを組むのは難しくなります。 リ・バース60であれば、60歳以上の方が老後生活への準備として建て替えや住み替え、リフォームを行う際に融資を受けられる可能性があります。 リ・バース60の主な特徴は以下の通りです。 毎月の返済が利息のみ ノンリコース型を選択できる リ・バース60は、利息のみを返済する仕組みです。毎月の返済額が小さいので、家計への負担を抑えられます。据え置いている元金の返済は、債務者が亡くなった後に「担保不動産の売却」または「現金一括返済」のどちらかを選択できます。 ただし、元金を繰上返済しない限り返済はずっと続くため、しっかりとした返済計画をたてることが大切です。 また、リ・バース60には、「ノンリコース型」と「リコース型」があります。ノンリコース型を選択すると、相続人は残った債務を返済する必要がないため、自身が亡くなった後に家族に負担をかけずに済みます。一方で、ノンリコース型は、リコース型に比べて適用金利が高くなることがあります。 リ・バース60については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 リースバック リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができるサービスです。「持ち家に住み続けたいが老後資金に不安がある」「持ち家のリスクを減らしたい」という方に適しています。 リースバックの主な特徴は以下の通りです。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 毎月の支出が定額化される 持ち家のリスクを無くせる 持ち家を売却すると、通常は別の家に引っ越しをしなくてはなりません。しかし、リースバックなら家賃を払うことで、まとまった資金を手に入れながら、引き続き同じ家に住み続けられます。毎月の支出が定額化され、資金計画が立てやすくなるのもメリットです。 また、自宅の所有権は運営会社に移転するので、災害リスクや相続といった持ち家ならではのリスクもなくなります。 一方で、リースバックには「売却価格が市場価格よりも安くなる」「定期借家契約の場合は住み続けられる保証がない」といったデメリットもあります。 リースバックについては、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリースバックとは?メリット・デメリットを解説 リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受けられる高齢者向けのローン商品です。持ち家で老後資金に不安がある場合に、自宅を活用した資金調達手段として活用できます。 リバースモーゲージの主な特徴は以下の通りです。 自宅に住み続けながら資金調達できる 毎月の支払いは利息のみ まとまった資金を得るために自宅を売却すると、住む場所を探さなくてはなりません。リバースモーゲージで融資を受ければ、自宅に住み続けながら老後資金を準備できます。 リバースモーゲージは、債務者の死亡後に自宅(担保不動産)を売却して元金を返済する仕組みです。毎月の支払いは利息だけで済むので、返済負担が軽減されます。 ただし、リバースモーゲージは融資条件が厳しく、元金が減らないので支払いが一生続きます。また、急な地価下落などで担保評価額が下がり、借入済の元金が融資限度額を超えると返済を求められるリスクもあります。 リバースモーゲージについては、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや老後資金づくりの方法を紹介 まとめ 老後の住まいを選ぶときは、「持ち家か賃貸か」「マンションか戸建てか」「都市部か郊外か」の3つのポイントを意識することが大切です。それぞれの特徴を理解できれば、自身に合った理想の住まいが見えてきます。 持ち家でまとまった資金が必要な場合は、「リ・バース60」や「リースバック」といった高齢者向けのサービスを検討しましょう。 住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説 「終活」という言葉が一般に広がるなか、近年、「住まいの終活」についても注目されるようになってきました。どのような内容なのか、どうしたらいいのかなどについて考えてみましょう。 「住まいの終活」...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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