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  • 不動産の「抵当権」とは? 内容から手続きまで――不動産担保の基礎知識(2)

    ローンの担保として最も利用されているのが不動産です。不動産は土地と、その土地の上に存在している建物から成っていますが、ローンの担保とするためには、「抵当権」を設定しなければなりません。今回は、この抵当権と、混同しやすい「根抵当権」について、お話をします。 「抵当権」の抹消は自分で行う必要がある 抵当権とは、金融機関が融資をする際、ローンを借りる人(=債務者)が所有する不動産に設定をする権利のことです。その権利とは、債務者がローンの返済ができなくなったときに、融資をした金融機関(=債権者)が不動産を競売にかけて、売却代金から優先的に返済を受けられる、というものです(ただし、法律上では、お金を借りる債務者が「抵当権設定者」と呼ばれ、お金を貸す債権者が「抵当権者」と呼ばれます)。 実際の手続きは法務局が行っており、不動産の登記簿に抵当権を登記することで設定が完了します。登記すべき内容には、おもに①債権額、②債権の内容、③債権者・債務者、④利息、⑤損害金等の5つがあります。 また、登記をするには「登録免許税」がかかり、その税額は融資額に0.4%の税率を掛けたものになります。融資額が1,000万円であれば登録免許税は4万円になる計算です。なお、このほかの費用としては、「抵当権設定契約書」に貼る収入印紙代や、手続きを代行する司法書士に支払う報酬などがあります。 抵当権が設定されても、所有者はその不動産を使用することができます。住居として使っていれば住み続けることができますし、賃貸物件として使っていれば、家賃収入などを得ることができます。 また、抵当権が設定されている不動産であっても、相続の対象になります。相続の際には、通常の不動産と同じように相続税が課税されます。このとき、抵当権が設定されているからといって、不動産自体の相続税の評価額が下がる、といったことはありません。ただし、抵当権の債権額(=ローン)が残っていれば、相続をする財産の全体から債権額を差し引くことになります。 「抵当権」の抹消は自分で行う必要がある ローンの返済が終了すれば、金融機関が有する抵当権の権利は無くなります。しかし、抵当権を抹消する手続きをとらないと、登記簿には抵当権が記載されたままになります。抵当権が残ったままだと、その不動産を売却するときなど、支障が生じる可能性があるので、速やかに抹消の手続きを取った方がよいでしょう。 抵当権の抹消は、法律上の抵当権設定者である、ローンを借りた人が自分で行います。抹消の手続きについても、法務局で登記簿に「抹消したこと」を登記することが必要です。この手続きにも登録免許税がかかり、税額は不動産1件につき1,000円です。したがって、土地と建物の抵当権を抹消するには合計で2,000円になります。なお、手続きは、司法書士に代行を依頼することが一般的ですが、抹消の手続きは抵当権の設定に比べると簡単なので、自分で行うこともできるでしょう。 「根抵当権」はコストの削減につながる 次は、根抵当権(「ねていとうけん」と読みます)について。根抵当権は抵当権の一種です。債務者がローンの返済ができなくなったときに、担保としている不動産を競売にかけて、その売却代金から優先的に返済を受けられるところは、抵当権と同じです。違う点は、抵当権は〝特定〟の債権にのみ有効であるのに対して、根抵当権は〝不特定〟の債権にも有効になるところです。 抵当権は1つのローン契約にのみ有効なので、そのローンが完済されれば権利は消滅します。一方、根抵当権に基づいた契約は、あらかじめ融資をする金額の上限を決めておいて、その範囲内で〝何回でも〟融資ができるようになります。したがって、根抵当権が設定されれば、1つのローンが終了しても根抵当権は消滅しません。権利は残ったままになります。 このように説明をすると、債務者にとっては、抵当権よりも不利な権利であるようにみえるかもしれません。しかし、不動産担保ローンのように、複数回借りる可能性のあるものについては、根抵当権を設定しておくことによって、融資のたびに登記の手続きをして抵当権を設定する、ということが避けられます。これは手間と費用(登録免許税や収入印紙代、司法書士への報酬など)の省略につながるのです。 「根抵当権」では「極度額」が設定される 実際の手続き他は、抵当権とほぼ同じと考えてよいのですが、登記簿に登記する内容に違いがある点には留意しましょう。根抵当権の場合、おもに登記するのは、①極度額、②債権の範囲、③債務者・債権者等の3点です。この中では、①の極度額が重要です。 根抵当権の極度額とは、根抵当権を設定するときに定められる担保の限度額です。あらかじめ融資額の限度決めておいて、その範囲内なら、何回でも融資ができるわけです。例えば、極度額が3,000万円であれば、最初に1,000万円を借り、その返済が終了する前に、追加で1,000万円を借りる、といったことが可能です。その追加で融資を受ける際、わざわざ手間と費用をかけて法務局で手続きをする必要はありません。 なお、根抵当権は、債務者と債権者の合意があれば抹消をすることができます。事業の運転資金を借りる場合、追加融資を受けることは珍しくありません。そうしたケースでは、融資を受ける側にとって、根抵当権は使い勝手がよいといえるでしょう。   ▼シリーズ「不動産担保の基礎知識」の記事一覧 ・第1回:融資における担保の種類 ・第2回:不動産の「抵当権」とは? 内容から手続きまで

  • 融資における担保の種類――不動産担保の基礎知識(1)

    ローンは、分類の方法によってさまざまな種類に分かれます。その分類方法のひとつに、融資をする際に担保を必要とするかどうか、というものがあります。文字通り、担保が不要なものは「無担保ローン」で、担保が必要なものが「有担保ローン」になります。有担保ローンの代表的なものは不動産担保ローンですが、担保となるものは不動産だけではありません。今回は、担保にはどのようなものがあるのかについて、解説をしていきます。 「人的担保」と「物的担保」 融資における担保を大きく分けると「人的担保」と「物的担保」があります。人的担保とは、融資を受けた人(=債務者)が何らかの理由で返済ができなくなったときに、債務者以外の人が債務者に代わって返済をするという契約を結ぶことです。シンプルにいうと、保証人などを付けておくこと、となります。具体的な人的担保は、「保証人」「連帯保証人」「連帯債務」の3つに分かれ、法律上には明確な違いが存在します。 保証人 保証人は、債務者が返済できなくなった場合に代わって返済をする義務を負いますが、融資をした金融機関(=債権者)が返済を請求してきたときに、「まずは債務者に請求をするように」という主張をする権利があります。この権利は法律上、「催告の抗弁」といいます。また、債務者が返済できる資力があるにもかかわらず返済を拒否したときは、「債務者の財産を強制執行せよ」と債権者に主張できます。この権利は「検索の抗弁」と呼ばれます。さらに、保証人が複数いる場合、保証人はその人数で割った金額のみを返済する義務を負うことになります。 連帯保証人 次に連帯保証人は、保証人の権利である「催告の抗弁」や「検索の抗弁」という権利はありません。そして、連帯保証人すべてが全額を返済する義務があります(ただし連帯保証人の返済額の合計が債務額を超えることはありません)。つまり、債務者と同じ義務を負う保証であり、保証人よりも重い責任が課せられることになります。 連帯債務 3番目の連帯債務は、複数の債務者で同一の債務を引き受けることです。簡単にいうと、債務者自体が複数いる、ということです。そのため、人的担保としては最も重いといえるでしょう。具体的には、夫婦で借りられる住宅ローンを夫婦で借りた場合、その夫婦は連帯債務者になります。債権者は、連帯債務者に対しては、別々に債務の返済を請求することができます。 「物的担保」としての不動産は「抵当権」となる 物的担保は、〝人〟ではなく〝物〟を担保とすることで、法律上は、他の債権者の存在を考えることなく、担保として提供された物あるいは財産権から優先的に債権を回収できる権利のことです。ただし、これは法律上の広い意味ですので、以下、金融機関の融資における物的担保に絞って述べていきます。 抵当権 まず、不動産は物的担保の代表例ですが、融資をする際には「抵当権」が設定されて物的担保となります。抵当権とは、債務者から担保として提供された不動産を、債務者に利用させながら、債務が履行されない場合にその不動産を売却して、代金から債権を回収する権利のことです(不動産担保については「不動産担保の基礎知識」の(2)以降で詳しく解説する予定です)。 不動産以外の「物的担保」 有価証券 不動産以外の担保としてよく使われるものに、有価証券があります。有価証券とは、財産権を表す証券のことで、具体的には、国債や社債などの債券、株式、手形、小切手などです。有価証券担保で留意すべき点は、有価証券の種類によって担保としての評価が変わってくることです。例えば、国債は、国が発行している債券なので信用力や流動性が高いといえます。そのため、社債や株式、手形よりも担保としての価値が高く、評価額も高くなります。また、同じ株式であっても、日常的に取引されていて流動性が高い上場株式の方が、取引されることが少ない未上場株式よりも、担保の価値が高くなります。なお、融資において有価証券を担保とする場合、有価証券は債権者が預かるのが一般的です。 売掛債権 会社であれば、「売掛債権」を担保にするケースもあります。売掛債権とは、商品やサービスを販売した会社が顧客から代金の支払いを受ける権利のことです。企業同士の取引は、商品やサービスの販売をした後に、納品をし、請求書を発行して、代金を受け取るという流れが一般的です。つまり、代金を受け取るまでには1~2か月かかることが多く、代金を受け取るまでの期間、商品やサービスを販売した側は売掛債権を保有することになります。この売掛債権を担保として融資を受けるわけです。実際に売掛債権を担保とするときには、代金の支払いを受けることになっている「売掛先」に、担保にすることを通知する場合と通知しない場合に分かれますが、通知をしないケースが多いようです。 その他の担保 このほか、普通預金や定期預金を担保とする「預金担保」や、ゴルフ会員権を担保にする「ゴルフ会員権担保」、会社の商品を担保とする「商品担保」などがあります(商品担保は「動産担保」とも呼ばれます)。ただ、いずれも物的担保としては、一般的な存在ではなく、担保として取り扱っている金融機関は限られているのが現状です。しかし、有価証券や売掛債権を含めて、借り入れをする人の条件やニーズに合致すれば、有意義なローンを組める可能性があります。該当する場合、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。   ▼シリーズ「不動産担保の基礎知識」の記事一覧 ・第1回:融資における担保の種類 ・第2回:不動産の「抵当権」とは? 内容から手続きまで

  • 不動産担保ローンの金利の実態をさぐる――ローン金利の基礎知識(4)

    不動産担保ローンに限らず、金融機関が表示しているローンの金利は、「年○○%~△△%」といった感じで上限と下限を表示していることがほとんどです。そのため、ローンの金利を比較しようとしても、この表示だけで比べることは困難です。実際に借り入れるローンの金利は、融資の審査を通過した後に提示されることになるからです。 時間に余裕があれば、複数の金融機関に融資の申し込みをし、審査後に提示された金利を比較して、いちばん有利なローンを選ぶことができるでしょう。しかし、現実にはなかなかそうはいきません。申し込みごとに必要書類を揃えたりするのは、結構面倒なものです。金利を比較するために、5社も6社も申し込むという人は、かなり少ないと思われます。ほとんどの人は、もっとも早く審査を通過して、ローンが借りられることが決まった金融機関を選んでいるのではないでしょうか。 実際に契約されたローン金利がわかる「平均約定金利」 ただ、やはり金利が高いのか低いのかは、気になるところ。もし平均的な金利の水準がわかれば、それと比較することで、少なくとも金利が高いのか低いのかの目安くらいはつくことになります。実は、その平均的な水準は公表されています。日本貸金業協会は、各種の資料を公表しており、そこには平均的な金利水準も含まれているのです。 日本貸金業協会とは、「貸金業法」という法律に基づいて貸金業を営んでいる金融機関が加盟している業界団体です。2007年12月に、「貸金業法第26条第2項」の規定に基づき、内閣総理大臣の認可を受けて設立されました。参加しているのは、融資を行う、銀行以外の金融機関です。 平均約定金利 前述のように、この日本貸金業協会が発表する統計データの中に、「約定金利」という項目があります。約定金利とは、簡単にいうと、実際に契約されたローンの金利のことで、日本貸金業協会のホームページには、「月末平均約定金利」として、協会に加盟する金融機関が行った、月ごとのローンの金利の平均値を掲載しているのです。早速、そのデータをみてみましょう。以下は、2019年3月上旬に閲覧することができる最新のもので、2018年12月時点のデータです。 ○月末平均約定金利 消費者向け有担保貸付  6.08% 事業者向け有担保貸付  3.66% 消費者向けというのは借りる人が個人で、事業者向けというのは借り手が法人です。また、有担保貸付とは担保があるローンのことで、住宅ローンを除いたものですので、実質的に、不動産担保ローンのデータと考えて問題はありません。このデータは、2018年12月に行われたローンの平均値が個人向け6.08%、法人向け3.66%だった、ということを表しています。個人と法人で、「意外と差があるな」と思った人も少なくないかもしれません。 現在、不動産担保ローンを申し込んでいて、金融機関からローンの金利を提示された人がいれば(あるいはすでに返済を始めている人は)、ローン金利が平均よりも高いか低いのかは、この数値で判断ができることになります。 「平均約定金利」はひとつの目安 ただし、この平均約定金利はあくまで全体の平均値です。すでに、何度か借り入れをしていて、ローンの実績がある、つまり信用力が高い個人や法人が含まれているわけです。新規で不動産担保ローンを借りるときは、この平均約定金利よりも一般的には〝高め〟になるといえるでしょう。 また、貸金業者全体の平均約定金利なので、さまざまな業者が含まれている点にも注意が必要です。平均値を上回っているからといって、必ずしも〝高めの金利〟とはいえません。一見、高めの金利にみえても、同じような業態の金融機関の中では、低い方の金利になっている、といったケースもあり得ます。 業態別の平均約定金利 ちなみに、この日本貸金業協会の統計データには、融資をする金融機関の業態ごとのデータも掲載されています。その業態の名称は、「消費者金融」「事業者金融」「クレジット等」の3種類となっていますが、それぞれの名称が一般的に表す業態とはちょっとズレています。というのも、日本貸金業協会の分類は、金融庁が定めている分類に沿ったものになっているからです。金融庁の分類はかなり複雑になっているため、一般的に用いられている名称とは、そのカバーする業態が違っています。 以下、その業態別の平均約定金利を記しますので、上記の点を考慮に入れ、あくまで参考としてご覧ください。 ○消費者向け有担保貸付(業態別) 消費者金融  5.86%   事業者金融  6.76%  クレジット等 5.66%  ○事業者向け有担保貸付(業態別) 消費者金融  3.98%   事業者金融  4.10%  クレジット等 1.59%  消費者向け、事業者向けともに、消費者金融の金利が事業者金融を下回っていることに、違和感を覚える人もいると思われます。事業者金融の金利の方が高い理由としては、ローンを利用する人や法人が、初回の借り入れであっても借入額が多額になる場合が比較的多いこと、さらに、起業したばかりの法人が含まれていること、などが考えられます。いずれも、銀行など他業態の金融機関では貸し出しが難しいケースといえるでしょう。その分、金利が高めに設定されることになります。 なお、今回紹介したデータは、日本貸金業協会のホームページにある「月次統計資料」のコーナーで閲覧できます。興味のある方は、一度訪れてみてはどうでしょうか。   ▼シリーズ「ローン金利の基礎知識」の記事一覧 ・第1回:適用金利はどうやって決まるのか? ・第2回:変動型の金利はどうやって決まるのか? ・第3回:分かっているつもりで知らない!? 利子の計算方法 ・第4回:不動産担保ローンの金利の実態をさぐる

  • 分かっているつもりで知らない!? 利子の計算方法―― ローン金利の基礎知識(3)

    ローンを借りようとするとき、やはり気になるのは金利です。できるだけ低い金利のローンを探すため、数多くの金融機関を比較する、という人が多いのではないでしょうか。しかし、これまでローンを利用した経験のある人でも、金利と利子の関係についてきちんと理解している人は少ないかもしれません。そこで、今回は、金利が生み出す利子の仕組みについてお話をしていきます。 金利が同じでも返済方法によって利子は変わる 金利と利子の関係が分かりにくいのは、借入金の返済方法によって、さまざまなパターンがあるからです。そこで、はじめに返済方法の種類について解説をしたいと思います。返済方法は大きく2つに分かれます。「一括返済」と「分割返済」です。一括返済は、借入金を利子とともに、あらかじめ決められた日に1度で返済する方法です。これに対して分割返済は、借入金と利子を複数回に分けて返済していきます。 「一括返済」の仕組みとは まず、一括返済の利子のパターンをみていきましょう。一括返済の方が仕組みは分かりやすいからです。例えば、100万円を金利5%で借りて、ちょうど1年後に一括返済をするとします。金利は、通常、「年利」=1年間借りた場合の利率を表しています。金利5%であれば、1年間で借入額の5%分の利子が付くことになります。 したがって、100万円を5%で借りて1年後に一括返済をすれば、利子は100万円×5%=5万円になります(支払う合計金額は100万円+5万円=105万円です)。おそらく、このパターンが一般的な金利と利子のイメージに近いのではないでしょうか。金利5%と聞くと、「1年間で借りたお金の5%の利子が付く」というわけです。実はこのイメージは、ローンを1年後に一括返済するという、限定的なパターンなのです。 もし、上記のケースで、1年後ではなく「半年後」に一括返済するローンだと、金利は半年分のため半分の2.5%になるので、利子は100万円×2.5%=2万5,000円となります。では、借りた日から100日後に一括返済する場合はどうでしょうか? 100日間は、100日÷365日=0.2740(小数第五位を四捨五入。以下同)と「0.2740年」に該当します。したがって、金利は5%×0.2740年=1.37%となるため、利子は100万円×1.37%=1万3,700円になります。このように、金利と利子の関係を理解するには、金利と借入期間がポイントになってくることがわかります。 「元利均等返済」の仕組みとは 次に分割返済のパターンをみていきます。ひと口に分割返済といっても、さまざまな種類があり、「元金均等返済」(がんきんきんとうへんさい)や「元利均等返済」(がんりきんとうへんさい)、そして「逓増型」(ていぞうがた)、「逓減型」(ていげんがた)といった聞き慣れないものがあります。また、返済のペースだけをとっても、毎月返済する「月賦」(げっぷ)、年1回返済の「年賦」(ねんぷ)、半年ごとの「半年賦」(はんねんぷ)があります。以上、これらを組み合わせた分だけ分割返済の種類があることになります。 さすがにそのすべては説明しきれないので、ここでは、住宅ローンなどでお馴染みの元利均等返済で、返済を毎月行うタイプに絞って解説をしていきましょう。各種ローンの支払方法としては、最もオーソドックスといっていいタイプです。 元利均等返済とは、返済額が一定であるという点が最大の特徴です。返済額の中には、借入額(=元金)と利子が含まれていますが、重要なポイントは、利子は1か月分であることと、返済額に占める「元金部分と利子の割合」が返済ごとに変化していくことです。順を追って説明していきます。 まずは毎月の返済額ですが、これは次の計算式に当てはめ算出します。 毎月返済額=借入額×{月利(1+月利)返済回数/(1+月利)返済回数-1} 例えば、借入額100万円、金利5%のローンを、毎月返済して1年間で完済するものとし、これを上記計算式に当てはめて計算すると、毎月の返済額は、8万5,607円という結果が出てきます。元利均等返済は、毎月の返済額は一定ですが、返済額に占める元金と利子の割合は変化していきます。 最初の1か月目の内訳をみると、元金分の支払いは8万1,440円、利子分の支払いは4,167円になります。これは、金利5%の1か月分の金利(計算をすると0.4167%)を100万円に適用したときの利子です。そこで、2か月目の内訳をみると、元金分は8万1,780円、利子分は3,827円になっています。元金分の支払いは少し増えて、利子分の支払いは減ったことになります。 なぜこうなったのかというと、1か月目に元金8万1,440円を支払ったため、2か月目の金利の対象となる元金は91万8,560円に減ったからです。この91万8,560円に1か月分の金利を適用すると利子が3,827円になります。つまり、元利均等返済は、毎月、返済をして元金が減り、元金が減ることで翌月の利子も減る、という返済方法なのです。 返済方法によって利子額は大きく変わる 結局、借入額100万円、金利5%のローンを、毎月、元利均等返済によって1年間で完済すると、利子額の合計は2万7,289円になります。前半で説明した、1年後に一括返済をするときの利子である5万円の半分近くです。返済方法によって、金利と利子の関係が変わるということが、ご理解いただけたでしょうか。 元利均等返済は、不動産担保ローンでもよく利用される返済方法で、不動産担保ローンを提供している金融機関ならほぼ取り扱っています。また、事業の継続に必要な短期の運転資金の借り入れには、1~2年程度の一括返済が利用されるケースもあります。金利と利子の関係をきちんと把握した上で、利用するように心がけましょう。   ▼シリーズ「ローン金利の基礎知識」の記事一覧 ・第1回:適用金利はどうやって決まるのか? ・第2回:変動型の金利はどうやって決まるのか? ・第3回:分かっているつもりで知らない!? 利子の計算方法 ・第4回:不動産担保ローンの金利の実態をさぐる

  • 変動型の金利はどうやって決まるのか?―― ローン金利の基礎知識(2)

    不動産担保ローンの金利にはいくつかのタイプがあります。大別すると「固定型」と「変動型」、そして「固定期間選択型」の3つの種類があります。住宅ローンを借りた経験のある人ならわかると思いますが、いずれも住宅ローンで使われているタイプで、基本的な仕組みは同じです。 それぞれのタイプを簡単に説明すると、まず、固定型は、ローンの返済が終了するまで当初の金利が変わりません。変動型は、あらかじめ決められたタイミングで金利が見直される、というものです。さらに、固定期間選択型は、「10年固定」といったように一定期間金利が固定され、その期間が終了したあとは変動型に移行します。 金融機関によってラインナップは異なる 但し、不動産担保ローンの場合、住宅ローンと大きく違う点があります。不動産担保ローンを提供している金融機関が、すべてのタイプを取り扱っているわけではないことに注意が必要です。3つのすべてをラインナップしている金融機関もあれば、固定型あるいは変動型のどちらか1つだけ、というところもあります。また、短期間のローンでは固定型、長期間にわたる融資は変動型と、ローンの期間によってタイプが変わるところもあります。 取扱い金利タイプと使用使途の違い 複数の金利タイプを取り扱っているのは、おもに地方銀行やネット銀行になります。こうした金融機関の不動産担保ローンは、「フリーローン」という名称がついていても、事業性資金や借り換えのための資金としては利用できないところが少なくありません。 一方、不動産担保ローンをメインに提供しているノンバンクは、固定型か変動型のどちらかのタイプのみの取り扱いとなっている場合が多く、ローンの使途は事業性資金や借り換え用であってもOKとしているところがほとんどです。したがって、ノンバンクの不動産担保ローンの利用にあたっては、金融機関を申し込んだ段階で、固定型になるのか変動型になるのかが決まることになります(固定型と変動型の両方を取り扱っているノンバンクもありますが、借りる人が選べるというわけではなく、審査によって、金融機関が決めるという仕組みになっているようです)。 「短期プライムレート」とは? 固定型の不動産担保ローンは、金融機関が審査の結果によって設定する当初の金利が、返済終了まで続くことは、すでに述べたとおりです。そして、変動型についても、金利は審査によって決定されますが、その際、基準となる金利が存在します。それが「短期プライムレート」です。短期プライムレートとは、「最も信用力が高い企業向けの最優遇貸出金利」のことで、銀行が企業に対して融資をするときの基準となる金利です。 通常、銀行は企業向けの融資を行う際、短期プライムレートをベースとして、融資先企業の信用力に応じて金利を上乗せします。この方式は銀行だけでなく、他の金融機関でも広く用いられており、個人の住宅ローンの変動型にも使われています。 短期プライムレートの指標 この短期プライムレートの指標となっているのは、メガバンクが公表しているもので、2019年3月時点では、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行のいずれも年1.475%に設定しています。実際の融資は、この年1.475%に、企業の信用力に応じて金利が上乗せされます。また、不動産担保ローンの場合は、融資先の信用力に加え、担保となる不動産の価値によって上乗せされる金利が決定されることになります。 短期プライムレートは当面低位安定が続く見通し 本来、短期プライムレートは金融市場の動向によって毎月変動します。そして、短期プライムレートに連動する変動型ローンでは、あらかじめ決められたタイミングで金利の見直しを行い、その時点の短期プライムレートの水準によって、それ以降の金利が決まります。金利の見直しのタイミングは、住宅ローンを含めて、「半年ごとの年2回」とするのが一般的となっています。 現在の短期プライムレート 実は、現在の短期プライムレートは、2009年1月分の金利と同じ水準で、それ以降は変わっていません。その最大の理由は、日本銀行の政策金利が極めて低い水準に維持されていることにあります。日銀の政策金利は、2008年12月より、年0.1%に設定されたままになっているのです。そのため、金融市場では多少の金利の変動は日々ありますが、短期金利から長期金利まで、総じて国内金利は低位安定が続いているのです。 今後の見通し 金融市場では、当面、日銀の金融政策に変更はなく、国内金利の水準は現状維持が続くという見方が優勢です。したがって、しばらくは短期プライムレートも現在の低い金利が続くと見てよさそうです。しかし、借入期間が10年、20年と長期にわたる場合、将来的に金利が上昇する可能性はあります。変動型で借り入れる際は、そうした将来の金利上昇の可能性を念頭に入れておくことを忘れないようにしましょう。   ▼シリーズ「ローン金利の基礎知識」の記事一覧 ・第1回:適用金利はどうやって決まるのか? ・第2回:変動型の金利はどうやって決まるのか? ・第3回:分かっているつもりで知らない!? 利子の計算方法 ・第4回:不動産担保ローンの金利の実態をさぐる

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