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  • 親が住むための住宅ローンの種類と特徴、注意点を解説

    高齢になると、一般的に収入や年齢の関係で住宅ローンを組むのが難しくなります。しかし、老後は持ち家の老朽化やライフスタイルの変化などで、建て替えや住み替えのニーズが高まる時期でもあります。そのような時に、親に代わって子どもが住宅ローンを組める可能性があります。 この記事では、親が住むために組める住宅ローンの種類と特徴、注意点について解説します。 親が住むための住宅ローンの種類 親が住む家を購入する際に、子どもが組める住宅ローンとして、次の2つのローンが考えられます。 親族居住用住宅ローン セカンドハウスローン 親族居住用住宅ローンは、申込者の両親や子、孫などの親族が住むための住宅を建築・購入する際に利用できるローンです。申込者本人が居住する必要はありません。 セカンドハウスローンは、現在の自宅の他に、自分で利用するための住宅を取得する際に利用できるローンです。転勤時の仮住まい、週末に過ごすための別荘・別宅などの購入に利用できます。 どちらも住宅金融支援機構の提供するフラット35で取り扱っており、提携金融機関を通じて申込みができます。次の見出し以降では、フラット35における親族居住用住宅ローンとセカンドハウスローンのそれぞれの特徴と注意点を説明していきます。 親族居住用住宅ローンの特徴 まずは、親族居住用住宅ローンの特徴を確認していきましょう。 住宅ローンの借り入れがあっても利用可能 一般的な住宅ローンは、申込者本人が住む家の購入資金が融資対象です。すでに住宅ローンの借り入れがある場合、原則として2軒目の家の購入について住宅ローンを組むことはできません。しかし、親族居住用住宅ローンなら、住宅ローンの返済中でも親が住む家の購入が目的であれば利用できます。 出典)フラット35「Q 申込人が居住するための住宅と親族が居住するための住宅の両方について、同時に借入れの対象になりますか?」 同居・別居は不問 親族居住用住宅ローンを利用する場合、親との同居・別居は問われません。親と同居することも、別々に住むことも可能です。 収入合算が可能 親族居住用住宅ローンは、申込者の収入と、購入する家に入居する親の収入を合算して審査を受けられます。収入合算を行うことで、申込者単独で契約するよりも借入額を増やすことができます。 フラット35の場合、次のすべての要件にあてはまる人(1名)との収入合算が可能です。 申込時の年齢が70歳未満の人 連帯債務者となることができる人 申込者と同居する人(申込者の親、子、配偶者など)、または融資対象住宅に入居する人 収入合算は、申込者単独では借入希望額に満たない場合に有効といえるでしょう。 住宅ローン控除は受けられない sup { font-size: 0.65em; vertical-align: super; } 住宅ローンを組んで住宅を建築・購入する場合、通常は住宅ローン控除が適用されます。※1しかし、親族居住用住宅ローンでは、原則として住宅ローン控除を受けられません。 住宅ローン控除は、住宅取得者の金利負担の軽減を図ることが目的のため、申込者が住まない住宅は控除の対象外となります。 ただし、融資対象住宅に居住する人が連帯債務者になる場合、その連帯債務者は住宅ローン控除を受けられます。例えば、子どもが親のために融資を受けて家を購入した際、親が連帯債務者になっている場合は、親が組んだ住宅ローンは住宅ローン控除の対象となります。 ※1 2024年、2025年に新築住宅に入居する場合、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅で、住宅ローン減税を受けるには省エネ基準に適合する必要があります。 出典) ・国土交通省「住宅ローン減税」 ・フラット35「親族居住用住宅のお申込みについて」 セカンドハウスローンの特徴 次に、セカンドハウスローンの特徴を説明します。 すでに自宅を所有している人が利用可能 セカンドハウスローンは、すでに自宅を所有している人が利用できる住宅ローンです。別荘など2軒目の住宅取得を目的としているため、自宅を所有していない人が、親が住む家を購入するためにセカンドハウスローンを利用することはできません。 返済比率などの条件からハードルが高い セカンドハウスローンは、通常の住宅ローンに比べると審査が厳しい傾向にあります。すでに自宅を所有しており、住宅ローンの返済中に申し込むケースが多いため、返済比率などの条件から審査基準が高くなりやすいからだと考えられます。 フラット35の場合、すべての借り入れについて総返済負担率(年収に占める年間合計返済額の割合)について次の基準を満たす必要があります。          年収400万円未満 年収400万円以上 総返済負担率の基準30%以下35%以下 出典)住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」 仮に融資を受けられたとしても、住宅ローンにセカンドハウスローンの支払いが上乗せされるため、返済負担が大きくなりすぎないように注意しましょう。 金利は一般的な住宅ローンよりも高い セカンドハウスローンの金利は、一般的な住宅ローンより高めに設定されています。住宅ローンの借り入れがある状態で利用すると、さらに返済額が増えるため貸し倒れリスクが高まることも影響していると考えられます。 住宅ローン控除は受けられない 親族居住用住宅ローンと同様に、セカンドハウスローンも住宅ローン控除の適用対象外です。比較的金利が高いことに加えて、住宅ローン控除を受けられないため、想定以上に返済負担が大きくなる恐れがあります。 住宅ローンを返済中にセカンドハウスローンを組む場合は、住宅ローン控除を受けられないことを前提に返済計画を立てることが大切です。 出典)フラット35「セカンドハウスのお申込みについて」 まとめ 親が住む家の住宅ローンを組む場合は、「親族居住用住宅ローン」と「セカンドハウスローン」の2つが選択肢となります。 どちらも住宅ローンの返済中でも利用が可能です。ただし、返済負担が大きくなることに加えて住宅ローン控除を受けられないため、無理のない返済計画を立てることが大切です。利用を検討する場合は、両者の違いを理解したうえで取扱金融機関に相談してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 親子リレーローンとは?メリット・デメリットと注意点を解説 親子リレーローンは、親子二世代にわたって返済する仕組みの住宅ローン商品です。親子リレーローンを利用することで、単独でローンを組むより借入金額を増やせる可能性があります。一方で、親子リレーロー...記事を読む

  • 債権回収会社(サービサー)とは?仕組みや債権回収方法について解説

    債権回収会社(サービサー)とは、金融機関等に代わって債権の管理や回収を行う民間業者のことです。ローンの返済が困難になると、サービサーとのやり取りが発生する場合があります。 この記事では、サービサーの概要や仕組み、債権回収の方法などについて解説します。 債権回収会社(サービサー)とは サービサーとは、金融機関等から委託を受け、または譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行う法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門業者です。(特定金銭債権の詳細は後述します。) 例えば、フラット35の融資を受けている債務者が全額繰上償還請求を行ったときの回収業務は、住宅金融支援機構が行うのではなく、以下のサービサーが行うものとされています。 エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社 オリックス債権回収株式会社 株式会社住宅債権管理回収機構 三菱HCキャピタル債権回収株式会社 出典)住宅金融支援機構「委託先債権回収会社について(機構が行う個人向け融資)」 債権回収業務は、従来は弁護士法の規定により、弁護士または弁護士法人以外の者が債権管理回収業務を行うことはできませんでした。しかし、1991年のバブル崩壊により発生した不良債権の処理等を促進するため、1999年に弁護士法の特例として「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」が施行され、債権管理回収業が民間業者に解禁されました。 出典)法務省「債権回収会社(サービサー)制度 -債権管理回収業に関する特別措置法-」 債権者である金融機関等にとっては、サービサーを利用することで回収交渉などの業務負担の軽減、債権譲渡による不良債権の解消などが期待できます。 特定金銭債権とは 特定金銭債権とは、サービサーが取り扱うことができる以下のような金銭債権です。 <主な特定金銭債権> 金融機関等が有する、または有していた貸付債権 リース契約・クレジット契約に基づく金銭債権 資産の流動化に関する金銭債権 ファクタリング業者が有する金銭債権 法的倒産手続中の者が有する、または有していた金銭債権 求償権その他の債権 出典)法務省「債権管理回収業に関する特別措置法の概要」 特定金銭債権の範囲は、サービサー法によって規定されています。不良債権の処理等を促進する観点から、サービサーが取り扱える金銭債権の範囲を限定しています。 債権回収会社(サービサー)の種類 法務省の資料によれば、2023年12月31日時点で、営業を行っているサービサー73社に調査した結果、出資母体等別の内訳は以下のとおりとなっています。 金融機関系(20社) 信販・貸金・リース系(16社) 外資系(4社) 不動産・独立系・その他(33社) 出典)法務省「債権回収会社(サービサー)の業務状況について(概要)」 債権管理回収業の営業許可を受けている業者は、法務省のホームページで確認でき、2024年4月1日時点では、72社となっています。 出典)法務省「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」 債権回収会社(サービサー)の仕組み サービサーはどのように運営され、どのような方法で債務者から債権を回収しているのでしょうか。ここでは、サービサーの仕組みと債権回収の方法について紹介します。 サービサーの仕組み ※筆者作成 出典)法務省「債権管理回収業に関する特別措置法の仕組み」 サービサーとして債権管理回収業を行うには、法務大臣の許可が必要です。許可を受けるには、以下の3つの要件を満たさなくてはなりません。 資本金が5億円以上あること 常務に従事する取締役の1名以上に弁護士が含まれていること 暴力団員等反社会的勢力の関与がないこと 法務大臣が日本弁護士連合会に意見を聴取し、弁護士会が取締役となる弁護士を推薦することで、サービサーの業務全般を適正に監督しています。 暴力団員等の排除については、法務大臣が警察庁長官に意見聴取、警察庁長官がサービサーに立入検査や援助等を行う仕組みになっています。 債権回収会社(サービサー)の業務 サービサーは金融機関等からの委託、債権譲渡を受けて次のような業務を行います。 債権管理 債務者への督促 法的手段の検討 債権回収後の処理 債権者である金融機関等に代わって、担当窓口として債務者への債権額の確認、返済交渉などを行います。債権を譲り受けた場合は債権者として自ら回収を行い、状況によっては法的手段も検討することになります。 サービサーとファクタリングの違い サービサーは前述のとおり、銀行や貸金業者などの金融会社が特定金銭債権の回収業務を委託され、後から債権を回収するものです。これに対し、ファクタリングは、企業がファクタリング会社に売掛債権(売掛金など)を買い取ってもらうことで、本来の回収より前に資金調達を行えるという違いがあります。 詳しくは関連記事をご確認ください。 関連記事はこちらファクタリングとは?仕組みや種類、注意点を紹介 サービサーと債務者の関係 サービサーと債務者の関係は、債権者から債権回収を委託されるか、債権を譲渡される(買い取る)かによって異なります。 金融機関等がサービサーに債権回収を委託する場合、サービサーが窓口として債務者と返済に関する交渉を行います。債権者は金融機関のまま変わりません。 金融機関等がサービサーに債権回収を委託する場合 ※筆者作成 一方、金融機関等がサービサーに債権を譲渡する場合、サービサーは債権者として債務者と回収交渉を行います。債権譲渡後、債務者は金融機関に対する返済義務はなくなりますが、サービサーへの返済義務が生じます。 金融機関等がサービサーに債権を譲渡する場合 ※筆者作成 債権回収会社(サービサー)の債権回収方法 サービサーは、次のような方法で債権回収を行います。 電話や面会での交渉 支払督促 内容証明郵便での督促 民事調停手続き 通常訴訟・少額訴訟 強制執行 まずは電話や書面などで通知が来るのが一般的です。その段階で対応しなければ、民事調停や訴訟などの法的手続きに移り、最終的には財産を差し押さえられるなどの強制執行が行われます。 ローン返済が滞った場合など、サービサーから通知が来たら、法務大臣の許可を受けている業者かどうかを確認しましょう。サービサーの名前をかたった業者による債権の架空請求などが発生しているため、心当たりのない請求には応じないことが大切です。 実際に返済が遅れているなど、サービサーからの通知に心当たりがある場合は、必要に応じて弁護士などの専門家に相談しながら返済について交渉するといいでしょう。 まとめ ローンの返済が困難となった場合、返済交渉の窓口が借入先である金融機関等から民間業者のサービサーに移る場合があります。 サービサーは債権回収の専門知識を有しており、通知を無視していると最終的には財産を差し押さえられる恐れがあります。サービサーから連絡がきたら、まずは法務大臣の許可を受けた登録業者であることを確認することが大切です。 そのうえで、自身だけで返済交渉をするのが難しい場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 財産分与とは?対象となる財産や算定方法、注意点を解説

    もし離婚をすることになった場合、財産分与をすることになるでしょう。円満に離婚を進めるためにも、財産分与の制度内容を知っておくことが大切です。 この記事では、財産分与の概要や対象となる財産、注意点などについて解説します。 財産分与とは 財産分与とは、夫婦が婚姻中に築いた財産を離婚する際、または離婚後に分けることです。財産分与は、離婚をした夫婦の一方が他方に対して財産を分与するように請求でき、次の3つの目的・性質があります。 夫婦が共同で築いた財産の公平な分配 離婚後の生活保障 離婚原因を作ったことへの損害賠償 「財産の公平な分配」が財産分与の基本的な考え方で、実際には「離婚後の生活保障」や「損害賠償」の要素も考慮しながら、財産の分け方を決めることになります。 財産分与は、離婚から2年の期間制限があります。例外はありますが、原則離婚から2年を経過した後は、相手の意思にかかわらず権利が消滅してしまうため、注意しましょう。 出典)法務省 財産分与 財産分与の対象となる財産 財産分与を円滑に進めるには、対象となる財産を把握しておく必要があります。財産分与の対象となるのは、婚姻中に夫婦の協力によって築いた「共有財産」です。具体的には、以下のような財産が該当します。 預貯金 不動産 有価証券 保険 自動車 家具、家電 貴金属 退職金 年金 夫婦のいずれか一方の名義になっている場合でも、実際は夫婦で形成したものであれば財産分与の対象です。たとえば、婚姻中に購入した不動産が単独名義の場合でも、家事などを分担していれば、実質的には夫婦の共有財産といえるでしょう。 状況によっては、退職金や年金も財産分与の対象となる可能性があります。 年金について 年金分割とは、離婚した場合に婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割して、それぞれ自分の年金とすることができる制度です。年金分割の方法は2種類あります。 合意分割制度 3号分割制度 合意分割制度とは、夫婦の一方または双方からの請求によって年金を分割する方法です。分割の割合は双方の合意、または裁判手続きによって決まります。 3号分割制度とは、国民年金第3号被保険者からの請求により、年金を分割する方法です。国民年金第3号被保険者とは、会社員や公務員などに扶養されている配偶者の方です。分割の割合は2分の1ずつとなります。 どちらの制度も原則として、離婚をした日の翌日から2年を経過すると請求できなくなるので注意が必要です。詳しくは、管轄する年金事務所に問い合わせましょう。 出典) ・法務省 年金分割 ・日本年金機構 離婚時の年金分割 不動産について 離婚をしたときに現在住んでいる自宅をどうするか、という点は重要です。しかし、夫婦の一方が自宅に住み続けたい場合には、高額な財産である不動産は「公平に分配する」という点で難しいかもしれません。 また、住宅ローンが残っている場合には、今の自宅に住み続けたい人とローンを借り入れている人が同じとも限らないので、その点でも財産分与は難しいかもしれません。 そのような時にリースバックが解決策になるかもしれません。リースバックとは、リースバック運営会社と、不動産の売買契約および賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができるサービスです。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 財産分与の対象とならない財産 次の財産は、夫婦で協力して築いた財産とはいえないため、財産分与の対象となりません。 結婚前から所有している財産:特有財産 夫婦の一方が結婚前から所有している「特有財産」は、財産分与の対象外で、民法上以下のように定義されています。 民法第762条(夫婦間における財産の帰属)   夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。 2 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。 出典)民法第762条(夫婦間における財産の帰属) たとえば、独身のときに購入した株式や自動車、貯めたお金などが該当します。結婚後に親族からの贈与・相続で取得した預貯金や不動産なども、特有財産として財産分与の対象外となります。 しかし、例外として特有財産のうち、結婚後に夫婦の協力で価値が維持・増加したと考えられるものは、その貢献度に応じて財産分与の対象に含まれる可能性があります。特有財産の財産分与について、話し合いで解決しない場合には、弁護士などの専門家に相談しましょう。 出典)民法第768条第3項(財産分与) 財産分与の額の算定方法 財産分与の額は、「夫婦間で協議」するか「家庭裁判所の調停」で決定します。 夫婦間で協議 まずは夫婦で協議し、分配割合や受け取る財産の種類などを決めます。分配割合は原則として2分の1ずつと考えられますが、夫婦で合意できるなら割合は問いません。 離婚後の生活保障、財産形成への寄与分(貢献度)を考慮して分配割合を決めるのも1つの方法です。また、夫婦の一方が主に離婚原因を作った場合は、解決金や損害賠償の要素を加味することも可能です。 いずれにせよ、夫婦でしっかりと話し合い、お互いに納得できる割合で合意できるのが理想といえます。 家庭裁判所の調停 夫婦で協議をしても合意に至らない場合、話し合いができない場合は、家庭裁判所に調停の申立てを行います(財産分与請求調停)。 調停手続きでは、共有財産の額や内容、財産形成に対する貢献度などの事情を夫婦双方から聴取し、必要資料等を確認したうえで解決案や助言などが提示されます。それでも合意できずに調停が成立しない場合は、裁判官の審判によって結論が示されます。 財産分与の注意点 離婚が決まって財産分与を行う場合は、次の点に注意しましょう。 話し合いは早めに始める 制度上は、離婚後に財産分与を請求することも可能です。しかし、離婚が成立すると話し合いの機会を作ることが難しくなり、共有財産を把握できなくなるリスクが高まります。また、離婚は、財産分与以外にも勤務先への報告や子どもの親権をどちらが持つかなど、やるべきことがたくさんあります。 財産分与をスムーズに進めるためにも、離婚が決まったら早めに話し合いを始めましょう。 証拠資料を準備する 財産分与では、証拠資料を準備することも重要です。資料があれば、どのような財産があるかを客観的に把握できます。万が一裁判になった場合は、必要に応じて資料を提出することが可能です。 預貯金なら通帳や取引履歴、不動産なら登記事項証明書など、財産の内容や価値を証明できる資料を準備しておきましょう。 専門家に相談する 離婚による財産分与は、どの財産が対象になるのか、価値はどのように考えればいいのかなどの専門知識が必要です。離婚準備を進める際に何から着手すべきか、わからない人もいるでしょう。 財産分与でトラブルを避けるには、弁護士などの専門家に相談する方法もあります。財産分与だけでなく、離婚協議書の作成などトータルでサポートを受けられます。 基本的に、財産分与で贈与税がかかることはありません。ただし、状況によっては「分与された財産の額が多すぎる」とみなされ、課税されることもあるため、税務についても相談しておくと安心です。 出典)国税庁 No.4414 離婚して財産をもらったとき まとめ 離婚による財産分与では、共有財産を2分の1ずつ分け合うのが原則ですが、夫婦で話し合って分配割合を決めることも可能です。話し合いで合意できない場合は、裁判所の手続きを通して決めることになります。 夫婦だけで財産分与を進めるのが難しい場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。 ペアローンは離婚したらどうなる?よくある問題と対処法を紹介 住宅を購入する際にペアローンを組むことで、夫婦のどちらか一方が単独で住宅ローンを組むより借入額を増やせるなどのメリットがあります。しかし、ペアローンを組んだ夫婦が離婚する場合、自宅の扱いや住...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 税金を滞納するとどうなる?払えないときの解決方法や対策を紹介

    税金を納期限までに支払うことができず、滞納してしまったらどうなるのでしょうか。特に個人事業主や副業をしている会社員は、自分で確定申告をする必要があるため、税金の滞納には十分に注意する必要があります。 この記事では、税金を滞納するとどうなるのか、払えないときの解決方法や対策を紹介します。 税金滞納の概要 まずは税金滞納の意味や現状について確認していきましょう。 税金滞納とは 税金滞納とは、税金を納期限までに支払わないことをいいます。納期限とは、税金を納付する期間の最終期日のことです。税金はまちづくりや教育、福祉といった各種公共サービスの財源となり、日本国憲法では「納税」は国民の義務であると定められています。 税負担の公平性を確保する必要があるため、税金を納期限までに払わない場合は財産の差押えなどの滞納処分が科される恐れがあります。 出典) ・埼玉県庁 「税金を納めないとどうなるの」 ・国税庁 「納税の義務」 税金滞納の現状 国税庁の資料によると、令和4年度における新規発生滞納額は7,196億円です。平成4年度のピーク時の約4割となっており、前年の令和3年度比では、331億円減少(▲4.4%)しています。 また、令和4年度における滞納発生割合は1.0%です。滞納発生割合とは、徴収決定済額(申告などによる課税額)に占める新規発生滞納額の割合をいいます。 出典)国税庁「令和4年度租税滞納状況の概要」 税金を滞納するとどうなる? 税金を納期限までに納めずに放置していると、滞納処分を受けることがあります。ここでは、税金を滞納した場合の処分や罰則について説明します。 延滞税や延滞金、加算金がかかる 国税を滞納すると延滞税がかかります。延滞税は、税金を納期限までに払えなかったときに、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、自動的に課されます。延滞税の割合は以下のとおりです。 納期限から2ヵ月を経過する日まで:原則年7.3% 納期限から2ヵ月を経過した日以後:原則年14.6% 国税における延滞税に対して、地方税を滞納すると延滞金や加算金がかかります。延滞金は、納期限までに県税を納めないときに徴収されるもので、納期限の翌日から納付の日までの期間に応じて次の割合により計算されます。 納期限から1ヵ月を経過する日まで:原則年7.3% 納期限から1ヵ月を経過した日以後:原則年14.6% ただし、地方税には特例措置が設けられており、令和3年1月1日以降の延滞金は以下のとおりです。 納期限の翌日~1か月を経過する日(A) 納期限から1か月を経過した日~納税の(B) 法人の県民税及び事業税について納期限の延長があった場合の本来の納期限の翌日~延長された納期限 令和4年1月1日から令和6年12月31日 2.4%(延滞金特例基準割合+1%) 8.7%(延滞金特例基準割合+7.3%) 0.9%(平均貸付割合+0.5%) 令和3年1月1日から令和3年12月31日 2.5%(延滞金特例基準割合+1%) 8.8%(延滞金特例基準割合+7.3%) 1.0%(平均貸付割合+0.5%) 出典)静岡県庁 「延滞金・加算金」 また、期限を過ぎてから申告をした場合などは「申告義務が適正に履行されていない」とみなされ、本来の税額とは別に加算税がかかる恐れがあるので注意が必要です。 具体的には、事実より少なく申告をしたり(過少申告加算金)、申告をしなかったり(不申告加算金)、税を免れようとした(重加算金)場合に徴収されます。それぞれの割合は以下のとおりです。 内容 割合(増差税額に対する) 不適用・割合の軽減 過少申告加算金 期限内申告について、修正申告・更正があった場合 10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分)15% ・正当な理由がある場合 ⇒不適用 ・更正を予知しない修正申告の場合 ⇒不適用 不申告加算金 ①期限後申告・決定があった場合 ②期限後申告・決定について、修正申告・更生があった場合 15%(注2)(50万円超300万円以下の部分)20%(注2)(300万円超の部分)30%(注2) ・正当な理由がある場合 ⇒不適用 ・期限後1ヶ月以内にされた一定の期限後申告の場合⇒不適用 ・更正・決定を予知しない修正申告・期限後申告の場合⇒5% 重加算金 仮装・隠蔽があった場合(注1) (期限内に申告をしている場合)35%(注2)(申告しなかった場合又は期限後に申告した場合)40%(注2) (注1) 令和7年1月1日以後においては、仮装・隠蔽したところに基づく「更正請求書」を提出した場合も含む。【令和6年度改正】 (注2)過去5年内に、不申告加算金(更正・決定予知によるものに限る。)又は重加算金を課されたことがあるときは、10%加算【平成28年度改正】 上記の場合に加え、前年度及び前々年度分の当該地方税について、以下の場合についても10%加算【令和5年度改正】  ・不申告加算金(更正・決定予知によるものに限る。)又は重加算金(不申告加算金に代えて徴収されるものに限る。)を課されたことがあるとき  ・不申告加算金(更正・決定予知によるものに限る。)又は重加算金(不申告加算金に代えて徴収されるものに限る。)の賦課決定をすべきと認めるとき 出典) ・国税庁「延滞税について」 ・総務省「加算金、延滞金、還付加算金」 督促状が送付される 税金を納期限までに支払わない場合、督促状が送付されます。国税は納期限から50日以内、地方税は20日以内に督促状が発布されるのが原則です。督促状が届いても納付しない場合は電話や訪問、文書により催告が行われます。 出典) ・国税庁「第1編 第2章 第2節 督促」 ・羽村市「税金を滞納するとどうなるの?」 財産の差押えが行われる 督促状が届いた後も税金を納付しないと滞納処分が執行され、財産の差押えが行われます。法律の規定に基づき、本人の了解を得ることなく金融機関や勤務先、生命保険会社などに財産調査が可能です。調査の結果、預貯金や生命保険、自動車、不動産、給与などの財産が差し押さえられます。 差し押さえた財産は、預貯金や生命保険、給与などは取立て、自動車や不動産は公売により換価(換金)され、滞納した税金に充当されます。 ローン審査に影響が出る 税金を滞納したからといって、個人信用情報に載ることはありません。しかし、住宅ローンをはじめとするローン審査では、納税証明書の提出を求められることがあります。滞納があると証明書に記載されるため、ローン審査に影響が出る恐れがあります。 税金滞納した場合の解決方法 ここでは、税金を滞納した場合の解決方法を2つ紹介します。 納税相談や納税計画の作成 納期限までに税金を支払えない場合は、国や地方自治体に相談することが大切です。国税は所轄の税務署、地方税は県税事務所や市区町村の窓口で納税相談を受け付けています。事情によっては、納税計画の作成などのサポートを受けられる可能性があります。 分割納付や延滞税の減免申請 税金は納期限までに一括で納めるのが原則ですが、支払いが困難と認められる事情がある場合は分割納付に応じてもらえるかもしれません。 一定の要件を満たす場合は、財産の差押えや換価の猶予、猶予期間中の延滞税の全部または一部免除が認められることもあります。税務署や市区町村などと相談のうえ、可能であれば猶予・減免申請を行いましょう。 出典)国税庁「延滞税の免除」 税金滞納の対策 税金滞納を防ぐには、次のことを心掛けるといいでしょう。 日頃から納税の準備・管理を行う あらかじめ納期限を把握したうえで、納税資金を準備しておくことが重要です。納期限については、国税庁や地方自治体のホームページで確認できます。納税通知書が届いてから慌てることがないように、積み立てなどを利用して日頃から少しずつ納税資金を準備しておきましょう。 納税の仕組みや義務を理解する 納税の仕組みや義務を理解することも、税金の滞納を防止するための効果的な手段の一つといえます。税金はさまざまな種類があり、税目によって税金の計算方法や納付方法などが異なります。 たとえば、年末調整を受けられる給与所得者を除き、所得税は1年分の税額を計算し、翌年2月16日~3月15日に確定申告・納付をすることになっています。インターネットでの検索や書籍などを活用し、税目ごとに納税義務者や納税方法などを調べてみましょう。 申告や納付の手続きを早めに済ませる 納期限の直前に税金の申告・納付手続きを行うと、想定より時間がかかり、期限までに納税できなくなる恐れがあります。滞納を防ぐためにも、税金の申告・納付の手続きは早めに済ませましょう。 最近では、地方自治体によってクレジットカード納付やQRコードを用いた決済を推奨しており、支払予約なども可能な場合もあります。 出典)さいたま市「市税等をスマートフォン決済で納付できます」 疑問があれば税務署に相談する 税金の申告・納付に関する疑問を放置していると、納期限までに支払えない可能性が高まります。税金について疑問がある場合は、早めに税務署に相談して解決することが大切です。 まとめ 税金を滞納すると、本来の税額とは別に延滞税や加算金がかかったり、預貯金や不動産などの財産が差し押さえられたりする可能性があります。滞納処分を避けるためにも日頃から納税資金を準備するとともに、税金の種類と支払う時期を予め確認し、早めに申告・納税手続きを済ませましょう。 納税証明書とは?種類ごとの記載事項や取得方法などを解説 金融機関の融資や自治体のサービス、車検などを申し込むときに納税証明書が必要になることがあります。そもそも、納税証明書とはどのような書類なのでしょうか。日常生活で納税証明書が必要になる場面は多...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • ファクタリングとは?仕組みや種類、注意点を紹介

    ファクタリングとは、事業者の資金調達方法の1つです。保有している売掛債権を早期に資金化できるため、うまく活用すれば資金繰りの改善が期待できます。一方で、ファクタリングを巡って悪質なトラブルも発生しているため、十分に注意して利用することが大切です。 この記事では、ファクタリングの仕組みや種類、注意点について詳しく紹介します。 ファクタリングとは ファクタリングとは、企業が保有している売掛債権(売掛金など)をファクタリング会社が一定の手数料を差し引いて買い取るサービスです。売掛債権の支払期日が到来する前に資金化できるため、事業者の資金調達方法として活用されることがあります。 ファクタリングの法的な位置づけは、「債券譲渡契約(売買契約)」です。金融機関からの融資とは異なり、貸借対照表上の借入金(負債)が増えません。 融資のように、毎月利子という形で負担は発生しませんが、ファクタリングを利用する際に手数料が発生するので、頻繁に利用すると業績や財務の悪化につながる恐れがあります。 ファクタリングの仕組み 基本的なファクタリングは「買取ファクタリング」と呼ばれており、これを応用した仕組みとして「保証ファクタリング」や「一括ファクタリング」があります。ここでは、3種類のファクタリングの概要と仕組みを紹介します。 買取ファクタリング 買取ファクタリングとは、ファクタリング会社がサービスを利用する企業から売掛債権を買い取り、企業に対して資金を提供する仕組みです。ファクタリング会社は、売掛債権から手数料を差し引いた金額をサービス利用企業に支払います。 保有している売掛債権を譲渡するため、売掛債権の回収リスクはファクタリング会社に移転します。売掛債権の管理や回収に関する業務を効率化できるのも特徴です。 ファクタリングで調達した資金で借入金などの有利子負債を返済すれば、オフバランス化によって、貸借対照表に影響を与えずに済むこともできるでしょう。 保証ファクタリング 保証ファクタリングとは、ファクタリング会社と保証契約を結ぶことで、売掛債権の回収について保証を受ける仕組みです。万が一売掛先が倒産した場合は、企業はその売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、決められた保証の範囲内で保証金額を受け取ります。 一般的な買取ファクタリングは、資金調達と売掛債権のリスク移転を同時に達成できるのに対し、保証ファクタリングは売掛債権のリスク移転のみとなります。 保証ファクタリングのスキームは次の2つです。 個別保証方式個々の売掛債権について保証額を決定し、回収の保証を行う 根保証方式個々の売掛先について保証極度額を決定し、その極度額の範囲内で回収の保証を行う(債権を特定しない) どちらの方式も、売掛債権の金額や極度額に応じて保証料が発生します。 一括ファクタリング 一括ファクタリングとは、企業は売掛債権の回収側ではなく、代金を支払うことで保証を受ける仕組みです。企業、仕入先(買掛先)、ファクタリング会社の3社が合意のうえ、仕入先が企業に対して保有している売掛債権をファクタリング会社に一括譲渡します。 企業は、売掛債権に関する代金をファクタリング会社に一括で支払います。仕入先ごとに支払っていた代金を、ファクタリング会社に一括で支払いが済むため、多数の仕入先を抱えている場合は支払業務の効率化につながるでしょう。 仕入先にとっては、売掛債権回収に関する事務の効率化、決済期日前の割引による迅速な資金調達が可能になります。 出典)経済産業省 国立国会図書館デジタルコレクション「地域金融人材育成システム開発事業 : 創業・起業促進型人材育成システム開発等事業」P.27~P.30 ファクタリングの注意点 事業者にとって、ファクタリングは資金調達や事務作業の効率化などが期待できる一方で、次のような注意点もあります。また、ファクタリングを悪用し、個人に対して貸付けを行う事例も発生しています。 偽装ファクタリング 偽装ファクタリングとは、貸金業登録のない業者がファクタリングを装って行う違法な貸付けです。次のようなケースに当てはまる場合は、偽装ファクタリングの恐れがあります。 売掛債権の買取代金が債権額に比べて著しく低額で、高額な手数料が差し引かれる 契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」であることが明記されていない 売掛先の倒産などで債権を回収できない場合、売主に債権の買戻しを行わせる 出典) ・日本貸金業協会【注意喚起】悪質な金融業者にご注意! ・金融庁 ファクタリングの利用に関する注意喚起 これらはファクタリングに見えても、実態は貸付けです。貸金業登録がされていない無登録業者のヤミ金融であり、悪質な取り立てにあうリスクもあるため注意が必要です。 給与ファクタリング 給与ファクタリングとは、「給与(個人の賃金債権)の買取」を称して個人に行われる違法な貸付けです。「債権の買い取りなので金銭の貸付けではない」と説明していても、実態は貸付けであり、次のようなトラブルが発生しています。 年率換算で数百%にもなる高額な手数料の請求 本人や家族、勤務先への悪質な取り立て 高額な遅延損害金の請求 出典)独立行政法人国民生活センター 給与のファクタリング取引と称するヤミ金に注意!-高額な手数料や強引な取り立ての相談が寄せられています- 貸金業登録を行わずに給与の買い取りを行う業者は、違法なヤミ金融業者であるため、絶対に利用しないことが大切です。 ファクタリングの相談窓口 万が一ファクタリングを巡るトラブルに巻き込まれた場合は、一人で抱え込まず、以下の相談窓口に連絡しましょう。 相談窓口 電話番号 金融庁 金融サービス利用者相談室 0570-016811(IP電話からは03-5251-6811) 多重債務相談窓口連絡先 左記のリンク先を参照 日本貸金業協会貸金業相談・紛争解決センター 0570-051-051(IP電話からは03-5739-3861) 警察署 #9110(各都道府県警察相談ダイヤル) 消費者ホットライン 188 まとめ 本記事で紹介したように、ファクタリング自体は違法なものではなく、うまく活用すれば事業の資金繰りの改善が期待できます。一方で、ファクタリングを装った違法な貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されており、金融庁や消費者庁などが注意喚起を行っています。 ファクタリングを利用する際は、少しでも不安がある場合は弁護士や専門家に相談し、業者が貸金業登録をしているか確認するなど、違法な取引に巻き込まれないよう十分に注意しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 事業資金の種類とそれぞれの特徴を紹介 事業資金は商売をする上で必要になる資金ですが、何に使うかによって呼び方が異なります。融資を受ける際には基本的に「どんなことに、いくら資金が必要なのか」を明確にさせなければ融資を受けられません...記事を読む

  • 相続税の基礎控除額や税負担を減らす方法を紹介

    両親や配偶者などの親族が亡くなり、相続人が財産を引き継ぐ場合、その財産は相続税の課税対象となります。相続財産の評価額が基礎控除額を超えるときは、その超える部分について相続税を納めなくてはなりません。相続税対策として、どのような準備をすればよいのでしょうか。 この記事では、相続税の基礎控除額や税負担を減らす方法について詳しく紹介します。 相続税の基礎控除額とは 相続税の基礎控除額とは、相続税がかからない非課税枠のことです。基礎控除があることで、相続財産の評価額が一定の範囲に収まっていれば、相続税はかかりません。 相続税が発生するかどうかは、相続財産から負債や葬儀費用などを差し引いた残額が、基礎控除額を上回るかどうかで判断ができます。 相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人 例えば、相続人が被相続人(亡くなった人)の配偶者と子2人の場合、法定相続人は3人です。この時、相続税の基礎控除額は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)となり、相続財産の合計額が4,800万円以下であれば課税されません。 出典)財務省「親が亡くなりました。遺産を相続する場合にどのような税金がかかるのですか?」 相続税対策の具体例 相続財産の評価額が基礎控除額を超えると想定される場合、税負担を軽減するために、対策ができないか検討するかもしれません。相続税の軽減策として以下のような対策ができます。 相続財産自体を減らす 相続財産の評価額を減らす その他の対策 それぞれを詳しく見ていきましょう。 相続税対策①:相続財産自体を減らす 生前贈与によって、相続財産の総額を減らしていく方法です。被相続人が健在なうちに、少しずつ財産を推定相続人に渡していけば、相続税の負担軽減が期待できます。生前贈与としては、次の2つの方法が考えられます。 暦年贈与を利用する 暦年贈与とは、1年単位(1月1日~12月31日)で贈与を行う方法です。贈与税(暦年課税)には年110万円の基礎控除額があるため、年110万円の範囲内で贈与を行えば、贈与税が非課税のまま財産を受け取ることができます。 ただし、「毎年100万円ずつ10年間」のように毎年同額の贈与を行うと、定期金給付契約に基づく権利の贈与を受けたとみなされ、贈与税がかかる恐れがあります。毎年贈与契約を結び、その契約に基づいて贈与を行うことが大切です。 また、相続開始前7年以内に被相続人から取得した贈与財産は、一定額を除いて相続税の課税対象となります。相続税対策として暦年贈与を行うなら、なるべく早く始めたほうがいいでしょう。 出典) ・国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」 ・国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」 ・国税庁「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」 贈与税の特例を利用する 子どもや孫などに住宅取得資金や教育資金、結婚や子育て資金の贈与を行う場合は、一定の要件を満たすと、一定額まで贈与税が非課税になる次の特例を利用できます。 住宅取得等資金の非課税 教育資金の一括贈与の非課税 結婚や子育て資金の一括贈与の非課税 いずれも贈与税の申告書の提出、金融機関での専用口座の開設などの手続きが必要です。利用できるか判断できない場合は、税理士や金融機関などの専門家に相談してみましょう。 出典) ・国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」 ・国税庁「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を 受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」 相続税対策②:相続財産の評価額を減らす 相続税は、相続財産の評価額に税率を掛けて税額を計算します。そのため、評価額を減らすことができれば、結果として相続税の負担軽減につながります。ここでは、相続財産の評価額を減らす方法を3つ紹介します。 生命保険の非課税枠を利用する 被相続人の死亡により受け取る生命保険金も相続税の課税対象ですが、次のように非課税限度額が設けられています。 生命保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人の数 仮に法定相続人が配偶者と子2人(計3人)であれば、1,500万円(500万円×3人)までは相続税がかかりません。生命保険をうまく活用することで、より多くの財産を残すことが可能です。 出典)国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」 小規模宅地等の特例を利用する 小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たすと宅地の相続税評価額が減額される特例です。被相続人が居住用として使用していた宅地(特定居住用宅地)について、330㎡を限度に80%の減額を受けられます。 出典)国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 マンションやアパートを経営する マンションやアパート経営も、相続財産の評価額を減らす効果が期待できます。賃貸用のマンションやアパートは借地権割合や借家権割合、賃貸割合を考慮して評価されるため、一般的な住宅よりもさらに評価額を下げることが可能です。 ただし、マンションやアパート経営などの不動産投資にはさまざまなリスクがあり、入居者がいなければ家賃が入ってきません。相続税の負担軽減だけでなく、安定した賃貸収入が見込めるかも考慮して判断する必要があるでしょう。 相続税対策③:その他の対策 相続税対策として、次のような制度を利用する方法もあります。 相続時精算課税制度を利用する 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の両親や祖父母から、18歳以上の子または孫に財産を贈与したときに選択できる制度です。2,500万円までは贈与税が課税されず、限度額を超えた部分については一律20%の贈与税率が適用されます。 相続時には、本制度の贈与財産と他の相続財産を合計して相続税を計算する仕組みです。相続時精算課税制度は、令和5年度税制改正によって年110万円の基礎控除が創設されました。 暦年課税制度では相続開始前7年以内の贈与が相続税の課税価格の対象となる一方で、相続時精算課税制度では期間に関係なく、課税価格に加算されないというメリットがあります。しかし、相続時精算課税制度を一度選択すると、暦年課税に戻すことはできないので注意が必要です。 詳しくは、以下の関連記事をご確認ください。 関連記事はこちら相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介 養子縁組で控除額を増やす 養子縁組を行い、相続税の控除額を増やす方法です。基礎控除額や生命保険金の非課税限度額は法定相続人の数で決まるため、養子縁組で子どもの数が増えれば控除額も増えます。 注意点は、法定相続人に含まれる養子の数に制限があることです。被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までとなっています。また、代襲相続人になっていない孫などが養子になる場合、相続税額が2割加算される点にも注意が必要です。 まとめ 相続が発生しても、相続財産の評価額が「3,000万円+600万円×法定相続人」の基礎控除額の範囲内であれば相続税はかかりません。しかし、基礎控除額を超える場合は、何か対策ができないか検討してもいいかもしれません。 一方で、税金対策として活用できるかどうか、本当に対策ができるかどうかを素人が判断するのは難しいでしょう。実際に対策や制度を利用する際には、あらかじめ税理士などの専門家に相談すると安心でしょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 不動産相続について徹底解説!知っておきたい手続きや費用 不動産を相続することになった場合、さまざまな手続きが必要になります。不動産相続では、相続税や遺産分割で、トラブルが発生することもあります。不動産相続をスムーズに進めるには、手続きの流れを理解...記事を読む

  • 退職金制度とは?種類や特徴について解説

    会社を退職した時に、退職金額はいくらなのか、どのようにもらえるのかご存じでしょうか。退職金制度の種類は複数あるため、自身が勤める会社がどんな制度を採用しているかを把握しておくことが重要です。 この記事では、退職金制度の種類とそれぞれの特徴について詳しく解説します。 退職金制度とは 退職金制度とは、企業に一定期間働いた場合、勤続年数や役職、在職期間中の業績などに応じてお金が支給される制度のことです。しかし、退職金制度は労働基準法での取り決めがないため、必ずしも企業に制度導入の義務はありません。 退職金制度がある場合は、会社の就業規則や退職金に関する規程に明記されているため、確認しておきましょう。 退職金の相場 厚生労働省の調査によると、定年退職者の勤続年数別の平均退職給付額は以下のとおりです。 勤続年数 退職一時金 企業年金現価額 退職給付額 20年 394.9万円 222.9万円 617.8万円 30年 634.8万円 815.7万円 1,450.5万円 40年 1,269.2万円 888.1万円 2,157.4万円 出典)厚生労働省「令和3年民間企業の勤務条件制度等調査(民間企業退職給付調査)」 勤続年数が長くなるにつれて、退職給付額(退職一時金と企業年金の合計)も増加していることがわかります。勤続年数が長ければ長いほど、受け取れる退職金も多くなるのが一般的といえるでしょう。 退職金の使い道 退職金は老後の生活設計に大きく関わります。安心して老後生活を送るには、あらかじめ退職金の使い道を検討し、計画的に使うことが重要です。ここでは、退職金の使い道として代表的なものを4つ紹介します。 住宅ローンの返済 住宅ローンがまだ残っている場合、退職金を使って一括返済するか、引き続き毎月返済していくかを検討するかもしれません。 住宅ローンを一括返済した場合、月々の返済負担はなくなりますが、残債によっては退職金がほとんど手元に残らない場合もあるでしょう。残債や残返済期間、退職後の勤労収入の有無などを考慮して、一括返済するべきか判断することが大切です。 関連記事はこちら老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編) 住み替え・リフォームの資金 退職金を受け取る年齢になると、ライフスタイルの変化により住み替えやリフォームを検討するかもしれません。「子どもが独立したので自宅をダウンサイジングしたい」、「自宅が古くなったので住み替えたい」などの希望に沿って、退職金を住み替えやリフォーム資金に充てられます。 リフォームでは補助金が出る場合もあるほか、60歳以上の住宅ローンであるリ・バース60などを活用すれば手元資金を残すこともできます。いずれにしてもまとまったお金が必要になるので、計画的に行いましょう。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 老後の生活資金 退職金は、老後の生活費として残しておくと安心です。特に公的年金だけで生活するのが難しい場合、退職金は重要な老後の生活資金になります。 老後は娯楽費などを含めた日々の生活費に加えて、事故や病気、介護などでまとまった資金が必要になることもあるため、ゆとりをもって資金を確保することが大切です。 関連記事はこちら夫婦の老後資金はいくら必要?足りない時の対処法も紹介 関連記事はこちら老後の一人暮らしに生活費はいくら必要? 資産運用 退職金のうち、すぐに使う予定のない余剰資金は資産運用に回すのも選択肢です。株式や投資信託等の金融商品として保有することで、預貯金よりも資産が長持ちする効果が期待できます。 たとえば、65歳から2,000万円を毎月10万円(年120万円)取り崩す場合、81歳で資産は底をつきますが、利回り3%で運用しながら取り崩せば88歳まで資産は長持ちします。 資産運用は株式、投資信託、不動産投資など複数の方法があります。うまく運用できれば利益が出る一方で、損をすることもあるため、リスクのとりすぎに注意しましょう。金融機関や専門家などに相談する場合も、相談先は慎重に選ぶことが重要です。 退職金制度の種類とそれぞれの特徴 退職金制度は、主に次の4種類に分類されます。 退職一時金制度 退職金共済制度 確定給付企業年金制度(DB) 企業型確定拠出年金制度(DC) それぞれ制度内容や特徴について見ていきましょう。 退職一時金制度 退職一時金制度とは、会社を辞める際に一度にまとめて退職金が支給される制度です。支給額は勤務先の退職金規程に基づいて計算されます。退職一時金制度は自由度が高く、企業ごとに退職金の計算方法が異なるのが特徴です。 企業によって制度内容が異なるため、勤務先の退職金規程の内容を理解しておくことが重要です。わからないことがあれば、あらかじめ社内の担当者に確認しておきましょう。 退職金共済制度 退職金共済制度とは、主に中小企業を対象とした国の制度です。代表的なものに「中小企業退職金共済(中退共)」、「特定退職金共済」があります。 企業が外部機関に毎月掛金を支払い、退職金の積み立てを行います。そして従業員の退職時に、積み立てた掛金をもとに外部機関から退職金が直接従業員に支払われる仕組みです。退職金を受け取る際は、従業員本人が退職金請求の手続きを行う必要がある点に注意しましょう。 出典)独立行政法人勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部 確定給付企業年金制度(DB) 確定給付企業年金制度(DB)とは、会社を辞めるときに一時金または年金が給付される制度です。退職時に全額を一時金で受け取るか、一定期間にわたって年金で受け取るかを選択できます。 企業は契約に基づいて金融機関などに掛金を拠出し、年金資産の管理・運用を依頼します。将来の給付額があらかじめ決まっているため、従業員にとっては将来の見通しを立てやすいでしょう。 企業型確定拠出年金制度(DC) 企業型確定拠出年金制度(DC)とは、企業が掛金を拠出し、その掛金を従業員本人が管理・運用する制度です。従業員は投資信託などから運用商品を自ら選択し、その運用成果に応じて給付額が決まる仕組みになっています。 企業型確定拠出年金(DC)では、拠出限度額である月額55,000円の範囲で、会社が拠出する掛金に加えて、従業員本人が掛金を上乗せして拠出することができます。これをマッチング拠出制度といいます。 従業員掛金は会社の拠出金を超えることはできませんが、全額所得控除の対象となるため税制面でも優遇されます。 しかし、運用がうまくいけば給付額を増やすことができる一方で、選択した商品によっては元本割れの恐れがあるので注意が必要です。積立金は、原則として60歳以降に一時金または年金として受け取ることができます。企業によっては、一時金と年金を併用することも可能です。 退職金の税金・所得控除の計算方法 退職金は、「退職所得」として所得税や住民税の課税対象となります。ただし、退職所得控除が適用されるため、退職金額が退職所得控除額の範囲内に収まっていれば課税されません。 <退職所得金額の計算方法> 退職所得金額=(退職金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2 <退職所得控除額の計算方法> 勤続年数20年以下 40万円×勤続年数※80万円未満の場合は80万円 勤続年数20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年) たとえば、30年勤務していた会社を退職する場合、退職所得控除額は1,500万円(800万円+70万円×10年)です。仮に退職金が2,000万円であれば、退職所得金額250万円(2,000万円-1,500万円)×1/2)に対して税金がかかります。 退職金の税金は、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば退職金支給時に源泉徴収されるため、原則として確定申告は不要です。詳しくは、勤務先の担当部署に確認しましょう。 なお、退職金を年金で受け取る場合、国民年金や厚生年金などの公的年金と含めて「公的年金等控除」が適用されます。控除額を超える部分は、雑所得として所得税や住民税がかかります。 まとめ 退職金制度には複数の種類があり、どの制度を採用しているかは企業によって異なります。退職金を無計画に使ってしまうと、老後の生活費が不足するリスクがあります。退職金の見込額が把握できたら、住宅ローンの返済や住み替えなど、あらかじめ使い道を決めておきましょう。 また、退職金制度がない場合や老後資金に不安がある場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用するなど、計画的に資産を増やすことも大切です。退職後により豊かな生活を送るためにも、まずは自社の退職金制度を理解し将来の資金計画を早めに立てることが大切です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 iDeCo(イデコ)の仕組みとは?メリット・デメリットを解説 iDeCo(イデコ)は、公的年金だけでは不足する老後資金を準備するための制度です。iDeCoについて聞いたことはあっても、その特徴はよくわからない方もいるのではないでしょうか。iDeCoは2...記事を読む

  • フラット35の繰り上げ返済

    フラット35の繰り上げ返済をする前に確認したい3つのポイント

    フラット35の返済中に手元資金に余裕ができると、繰り上げ返済を検討するかもしれません。繰り上げ返済をすることで総返済額を抑えられますが、本当に繰り上げ返済をしていいのか迷うかもしれません。 この記事では、フラット35の繰り上げ返済をする前に確認したい3つのポイントを解説します。 そもそも住宅ローンの繰り上げ返済とは 住宅ローンの繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に借入額の一部を返済する方法です。繰り上げ返済は全て元金に充てられるため、減少した分の元金に対する支払利息がなくなり、結果として住宅ローンの総返済額を抑えられます。 繰り上げ返済の方法は以下2つです。 期間短縮型:返済期間を短縮する方法 返済額軽減型:毎月の返済額を軽減する方法 総返済額を抑える効果がより高いのは期間短縮型です。どちらの方法を選択しても、繰り上げ返済の金額が大きく、繰り上げ返済をした時期が早いほど得られる効果は高くなります。 住宅ローンの総返済額を少しでも減らしたい場合は期間短縮型、毎月の返済額を減らしたい場合は返済額軽減型を選ぶと良いでしょう。 繰り上げ返済のメリット 繰り上げ返済のメリットは、住宅ローンの総返済額が安くなることです。繰り上げ返済の金額やタイミングによっては、総返済額が100万円以上安くなるような場合もあります。 繰り上げ返済を検討する場合は、インターネット上のシミュレーションを活用して総返済額がどれぐらい安くなるかを確認するといいでしょう。 繰り上げ返済のデメリット 繰り上げ返済をすると、手元資金が減少します。十分な手元資金を残さずに繰り上げ返済をすると、急にまとまったお金が必要になった際に手元資金が不足する恐れがあります。繰り上げ返済をする場合は、もしものときに備えてある程度の手元資金を確保しておきましょう。 フラット35の繰り上げ返済の特徴 民間の金融機関が提供する住宅ローンでは、繰り上げ返済時に手数料がかかることがありますが、フラット35は手数料がかかりません。ただし、フラット35を買取型ではなく保証型で利用している場合、金融機関によっては繰り上げ返済手数料がかかる場合もあります。 関連記事はこちらフラット35の買取型・保証型の違いを徹底比較!どっちがいい? フラット35の繰り上げ返済の流れ フラット35の繰り上げ返済をする場合、繰り上げ返済をしたい日の1か月前までに、金融機関に申し出が必要です。その後、必要な書類を金融機関が指定する期日までに提出することで、繰り上げ返済をすることができます。 また、住・MyNoteを利用して申し込むこともできます。あらかじめ住・MyNoteに登録しておく必要がありますが、一連の手続きをWeb上で完結させることができます。ただし、フラット35を保証型で利用している場合、住・MyNoteは利用できません。 いずれかの方法で申し込みが完了したら、予定していた繰り上げ返済日に必要な金額を送金すれば、繰り上げ返済が完了します。 フラット35の繰り上げ返済をする前に確認したい3つのポイント 繰り上げ返済をした方が良いと思うかどうかは、個人の考え方や状況によって異なります。上述のメリットとデメリットを踏まえたうえで、以下3つのポイントを確認し、繰り上げ返済をするかどうかを判断しましょう。 ポイント①:住宅ローン控除 住宅ローン控除とは、住宅ローン年末残高の0.7%を所得税(一部翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。この住宅ローン控除適用期間中に繰り上げ返済をすると、住宅ローン控除額が減少する場合があります。 では、住宅ローン控除が受けられる13年を過ぎた段階で繰り上げ返済をすれば良いのかというと、必ずしもそうとは限りません。以下は、4,000万円を35年固定金利で借り、「5年後に400万円分繰り上げ返済をする場合」と、同条件で「15年後に400万円分繰り上げ返済をする場合」を、シミュレーションした表です。 〇金利0.5%の住宅ローンに400万円分繰り上げ返済した場合※1 5年後 15年後 A.繰り上げ返済による利息軽減額 607,226円 384,534円 B.住宅ローン控除額※2 2,709,688円 2,966,799円 A+B 3,316,914円 3,351,333円 ※1 借り入れは1月、繰り上げ返済は12月に行うと仮定してシミュレーションしています。 ※2 各年12月時点の残高に0.7%を乗算した金額の総和を、住宅ローン控除額としています。 まず、金利が低い場合は、5年目(控除期間中)と15年後(控除期間終了後)にほとんど差がないことから、手元資金を残しておくという観点で、15年後に繰り上げ返済をした方が良いと言えるでしょう。 〇金利2.0%の住宅ローンに400万円分繰り上げ返済した場合※1 5年後 15年後 A.繰り上げ返済による利息軽減額 2,987,026円 1,766,093円 B.住宅ローン控除額※2 2,822,276円 3,095,609円 A+B 5,809,302円 4,861,702円 ※1 借り入れは1月、繰り上げ返済は12月に行うと仮定してシミュレーションしています。 ※2 各年12月時点の残高に0.7%を乗算した金額の総和を、住宅ローン控除額としています。 一方で、金利が高い場合は、15年後(控除期間終了後)よりも5年目(控除期間中)に繰り上げ返済をした方が有利なことが分かります。 このように、借入額は同じでも、住宅ローン金利によって控除期間中に繰り上げ返済をした方がいい場合と控除期間終了後にした方がいい場合があります。 金銭的にどちらが有効かを判断するためには、住宅ローン控除を考慮してシミュレーションを行うことが大切です。 また、繰り上げ返済手数料がいくらかかるか、所得税と住民税の合計額から控除をフル活用できるか、についても併せて確認しましょう。 ポイント②:団体信用生命保険 団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態になった場合に保険金が支払われ、住宅ローンが完済される仕組みです。 団信を生命保険として捉えると、一般的な生命保険と比較してかなり安い保険料で生命保険に加入できている、と解釈できます。また、万が一のことが起きた場合に、繰り上げ返済をしなかった分の手元資金を家族に残すことができます。 一方で、一般的な生命保険は、万が一の際に残された家族の生活資金のためなど、住宅ローンの返済以外の目的で加入することも考えられます。加入する目的が異なるのであれば、そもそも両者を比較すること自体が適切でないとも考えられます。 団信も一般的な生命保険も、万が一に備えて併用も含めて検討すべきものです。また、実際に万が一のことが起きるかどうかは分からないため、どちらが正しいと結論付けるのは難しいでしょう。 ポイント③:資産運用 手元資金を繰り上げ返済に充てるのではなく、資産運用に回すという考え方もあります。手元資金を繰り上げ返済ではなく資産運用に回すことで、繰り上げ返済による利息軽減効果以上のリターンを得ようとする考え方です。2024年から新NISAも始まったため、積立投資を始めやすい環境になっているのも追い風です。 しかし、投資は必ずリターンを得られるとは限らず、損失になる恐れもあるので、どちらが正しいとはいえません。住宅ローン金利よりも高い利回りで運用できるなら、繰り上げ返済をしないで資産運用に回す方が有利です。しかし、住宅ローン金利が高いほど、それを上回るリターンを得るのは難しくなり、その分リスクも高くなるでしょう。 リスクを考慮したうえで資産運用によって更なるリターンを求めるか、確実に利息軽減効果を得られる繰り上げ返済を選ぶかは、個人のリスク許容度や考え方によって異なるでしょう。 繰り上げ返済をした方がいい人 ここまで「住宅ローン控除」「団信」「資産運用」の3つのポイントについて、金銭的な損得を見てきましたが、結局のところ、個人の考え方によって選択は異なります。 また、金銭的な損得以前に、「住宅ローンは借金なので残っていると心配だ。一刻も早く返済したい!」と思っている人は、損得よりも自分の意思を尊重し、繰り上げ返済をしてもいいでしょう。 まとめ 繰り上げ返済をした方がいいか、しない方がいいかは個人の考え方次第です。 金銭的な損得を重視するなら、「住宅ローン控除」「団信」「資産運用」の3つのポイントを確認し、しっかりとシミュレーションを行ったうえで判断することが大切です。一方で、金銭的な損得よりも「一刻も早く返済したい」という自分の意思を尊重して、繰り上げ返済をするのも間違いではありません。 ただし、病気やケガ、退職などで急にお金が必要になる恐れもあります。繰り上げ返済をする場合は無理をせず、ある程度の手元資金を残しておきましょう。 無料相談してみる SBIエステートファイナンスでは、フラット35を取り扱っています。まずはお気軽にご相談ください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンの借り換えはなぜ行った?実態調査から見えたこと 住宅ローンの返済を続けていると、毎月の返済を軽減できないかを考えることもあるでしょう。住宅ローンの借り換えを行うことで返済負担を減らせる可能性もありますが、タイミングを見誤ると、思ったより効...記事を読む

  • ペアローンは離婚したらどうなる?よくある問題と対処法を紹介

    住宅を購入する際にペアローンを組むことで、夫婦のどちらか一方が単独で住宅ローンを組むより借入額を増やせるなどのメリットがあります。しかし、ペアローンを組んだ夫婦が離婚する場合、自宅の扱いや住宅ローンの返済をどうするのかを決めなければなりません。 この記事では、ペアローンを組んだ夫婦が離婚する場合の問題点と対処法を詳しく解説します。 そもそもペアローンとは? ペアローンとは、一定の収入がある同居親族と一緒にそれぞれが主たる債務者として、同一物件の購入を目的に住宅ローンを組む方法です。夫婦の場合、夫と妻がそれぞれ住宅ローンを組み、それぞれが相手の連帯保証人となります。 2人の借入額を合わせることによって、夫婦のどちらか一方が単独で住宅ローンを組むより高額の住宅を購入できます。その他にも以下のようなメリットがあります。 夫婦の双方に住宅ローン控除が適用される 夫婦がそれぞれ異なる条件で住宅ローンを組める(固定金利と変動金利を分けるなど) 一方で、ペアローンには以下のようなデメリットもあります。 住宅ローンを2つ組むので諸費用も2倍になる 夫婦のどちらかの収入が減少すると返済が苦しくなる なお、ペアローンと似た方法として、夫婦の収入を合算した金額をもとに住宅ローンを借り入れる「収入合算」という方法があります。こちらは、夫婦のどちらか一方が連帯保証人となって1つの住宅ローンを組む点で異なります。 ペアローンを組んだのに離婚することになったら? ペアローンを組んだ夫婦が離婚する場合、何もしなければ、それぞれが今までどおり返済を続けることになります。しかし、今後の2人の生活を考えると、以下の2点について検討したほうがいいでしょう。 自宅をどうするか 債務をどうするか まずは、離婚後はどちらも自宅に住まないのか、あるいはどちらか一方が住み続けるのかを話し合って決めましょう。そのうえで、状況に応じて債務をどうするか考える必要があります。 自宅にどちらも住まない場合の対処法 離婚後、自宅にどちらも住まない場合は、「売却する」「賃貸に出す」の2つの選択肢が考えられます。どちらを選ぶ場合も、双方の合意が必要です。 自宅を売却する場合 自宅を売却する場合は、売却代金で2人の債務を返済することになります。売却価格が債務を上回る「アンダーローン」であれば、売却代金で2人の債務を完済できます。完済後に残った売却益については、話し合って適切に分ければきれいに精算できるでしょう。   しかし、売却価格が債務を下回る「オーバーローン」の場合、売却代金でローンを完済することができません。この場合だと、そもそも債権者である金融機関に自宅売却の承諾を得られない恐れがあります。また、もし自宅を売却できたとしても、引き続き返済を続けなければなりません。 自宅を賃貸に出す場合 離婚後に住宅を賃貸に出す場合は、賃料収入などで引き続きローンを返済していくことになります。 ただし、住宅ローンは資金使途が住宅購入や借り換えに限られるため、賃貸用不動産に対応している事業用ローンへの借り換えが必要です。一般的に事業用ローンは住宅ローンより金利が高く、住宅ローン控除の適用外となります。 離婚後も不動産を共有したまま賃貸に出す場合、退去時の入居者募集や住宅の修繕はどうするかなど、協力して賃貸経営をしなければなりません。良好な関係を維持できず、定期的にコミュニケーションがとれない場合は難しいでしょう。 賃貸に出す場合は、夫婦の一方が賃貸用不動産も借りられるローン(単独債務)に借り換えるのが現実的といえます。 自宅にどちらかが住み続ける場合の対処法 離婚後に夫婦のどちらかが自宅に住み続ける場合は、「引き続き双方で返済を続ける」「一方が債務を引き受ける」の2つの選択肢があります。 引き続き双方で返済を続ける場合は、一方が住まない家のためにローンを払い続けることになります。出ていく側が、子どもの養育費や慰謝料の代わりにローン返済を続ける場合もあるでしょう。 しかし、基本的には住み続ける側が出ていく側の債務を引き受け、返済を続けるのが自然な流れといえます。ただし、「一方が債務を引き受けても滞りなく返済が行われる」と判断されなければ、金融機関の承諾は得られません。状況によっては、金融機関から断られる恐れもあります。 まずは金融機関と相談する必要がありますが、必ず許可されるとは限らないことを理解しておきましょう。 リースバックという選択肢 ペアローンを組んだのに離婚する場合、夫婦の一方は「自宅に住み続けたい」、もう一方は「住んでいない家の住宅ローンをなくしたい」という要望もあるでしょう。住み続けたい側が出ていく側の債務を引き受けるのが難しいときは、リースバックで問題が解消できる可能性があります。 リースバックを利用すれば、自宅を売った売却代金でペアローンを完済しつつ、住み続けたい側がリースバック運営会社と賃貸借契約を結んでその家に住み続けることが可能です。 ただし、リースバックもアンダーローンにならないと、サービスを利用できません。売却価格はリースバック運営会社によって異なるので、利用を検討する場合は、仮査定を依頼するといいでしょう。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 まとめ ペアローンを組んだ夫婦が離婚する場合、何も対応しなければ、どちらもそのまま返済を続けなくてはなりません。まずはどちらも自宅に住まないのか、どちらか一方が住み続けるのかを決めたうえで、債務について検討することが大切です。 住み続けたい側が一方の債務を引き受けるのが難しい場合は、リースバックで問題を解消できないか検討してみましょう。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの契約までの流れと必要書類、注意点を解説 リースバックを検討するにあたり、どのように契約が進んでいくのか不安に思う人もいるのではないでしょうか。リースバックの契約が終わってから後悔することが無いように、契約がどのような流れで進み、何...記事を読む

  • 藤波辰爾氏の現在と「生涯現役」であり続ける理由

    プロレスラーの藤波辰爾氏(70)(以下「藤波氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「藤波辰爾~将来はここに住むと決めています~【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 藤波辰爾氏が現在の住まいに求めること 家が大好きと語る藤波氏ですが、藤波氏が住まいに求めることについて、『自分の住む場所は、駅に近い、高速のインターチェンジが近い、病院とかの施設が近くになる、それはポイントですよね。』とアクセスの良さを大切にしていることを明かしました。 現在の住まいは、本宅のマンションもセカンドハウスも物件選びの際に、アクセスが良いことを押さえていたため、これからも不自由なく住み続けられると考えているそうです。 そして何より、『家族が自然体で楽しくいられるように』という願いが根底にあるからこそ、それを叶えてくれる家が大好きになったそうです。その願いを叶えるためにも、「こういう部屋を作りたい」と思ったら、積極的にリフォームしたいと語りました。 藤波辰爾氏が語る「息子のプロレスデビュー」 ある大会の終わり際、サプライズで息子がプロレスデビューを宣言しました。藤波氏は当時のことを振り返り、『何事が起きたのかと思った』と固まってしまったといいます。 息子のプロレスデビューについて、最初は藤波氏も奥さんも反対していたそうです。しかしその後、『最初に自分がやりたいってものをそこで断ち切ってしまったら、(今後)考えることすら諦めてしまう』と考え、最終的には息子のためを思い、デビューを認めることにしました。 なお、息子がデビューしてからあっという間に10年が経ちましたが、『妻は今でも賛成はしてません』と、息子が奥さんの反対を押し切ってデビューした側面もあることを明かしました。 藤波辰爾氏が「生涯現役」を掲げる理由 70歳を超えた今でも現役の藤波氏は、『息絶えるまでが現役ですね』と語りました。『人間は弱いからちょっと弱気になるとすぐそちらに引っ張られてしまうんです。現役でいるからこそ楽しく、前向きでいられる』と、生涯現役を掲げる理由を明かしました。 これからの目標については『これからの一試合一試合、自分ではまだ現役という気持ちで常にリングに立ち、これからも思い出に残るように、自分でプロレスを楽しみたいですね。』と語りました。 そして、『プロレスファンの皆さんがどうすれば楽しめるかを、演出等も含めて考えて、より良くしていきたい』とも語りました。一連のお話から藤波氏が本当にプロレス界を盛り上げようとたくさんのことを考えられていることが伝わってきました。 藤波辰爾氏の現在の夢 本編動画の最後に、藤波氏に現在の夢についても伺ったところ、「藤波城を築城すること」とご回答いただきました。『本来の天守閣の使い方とは違うんですけど、天守閣の天守に住んでみたいんですよ』と笑顔で語りました。 このお話だけを聞くと冗談に思われた方もいるかもしれませんが、なんと藤波氏は既にしっかりとした工務店に見積もりを依頼されていました。本編動画では衝撃の見積もり結果とそれを受けての藤波氏の今後の戦略を語っていただいています。藤波氏から視聴者のみなさんへのメッセージも必見です。ぜひご視聴ください。 本編動画はこちら 執筆者紹介 SBIシニアの住まいとお金 メディア部 SBIシニアの住まいとお金は、【人生100年時代を見据えて、「住まい」も「お金」も充実できる人生をサポートしたい】との思いから、60歳以上の持ち家の方を対象に「Youtubeで楽しむ」、「セミナーで学ぶ」、「専門家に相談する」の3つのサービスを運営しています。 <公式サイト> https://www.sbi-efinance.co.jp/senior/ <YouTubeチャンネル> https://www.youtube.com/@sbi_senior/