2021.05.26

持ち家の場合、老後資金はいくら必要?資金不足の対処方法も紹介

老後に必要な生活費は、持ち家と賃貸で大きく変わります。持ち家の場合、老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。

年金だけで足りない分は、貯蓄などでカバーしなくてはなりません。年金生活に入る前に老後の生活費について把握し、必要な資金を準備しておくことが大切です。

今回は、持ち家の場合の老後生活費の目安や、資金が足りないときの対処方法について解説します。

持ち家でも老後資金は月4万円不足する

総務省の「家計調査報告」によると、夫婦高齢者無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支は社会保障給付(年金収入)が219,976円に対し、支出は255,550円です。

年金収入のみの場合、老後の生活費は月約4万円不足します。年間約50万円の支出超過のため、仮に老後生活が30年続くとすると、1,500万円程度の資金が必要です。

もちろんあくまでも平均結果であり、この数字がそのまま当てはまるわけではありません。共働きで年金収入が多い世帯であれば、年金だけでも十分な生活費を確保できるでしょう。

一方で、「自営業で年金が少ない」「豊かなセカンドライフを送りたい」「リフォームの予定がある」といった場合、より多くの資金を準備する必要があります。

(参考)総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要(P18~19)」

賃貸だと老後の生活費は更に大きな負担となる

60歳以上(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)の持ち家率は90.4%で、持ち家が全体の9割を占めています。また、家計収支の支出の内訳を確認すると、住居費は14,518円と少額であることから、先程示した総務省の家計収支はあくまで持ち家の場合の生活費だと考えられます。

賃貸住まいは家賃がかかり、持ち家の場合に比べて住居費の負担が増えるため、老後の生活費は月4万円の不足では済まないでしょう。一生賃貸で過ごすには、持ち家よりもさらにまとまった老後資金を準備する必要があります。

(参考)総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要(P18~19)」

老後資金が足りないときの5つの対処方法

持ち家の場合、老後の生活費が月4万円程度不足する可能性があることがわかりました。老後の生活費が足りないと想定されるときは、どのように資金を準備すればよいのでしょうか。

ここでは、老後の生活費が足りないときの対処方法を5つ紹介します。

支出を見直す

支出を見直して生活コストを下げることができれば、老後の生活費は少なくなります。食費や電気代といった変動費の節約は労力がかかる割に得られる効果が小さいので、固定費を中心に支出を見直すといいでしょう。

たとえば、都心部に住んでいるなら、マイカーを手放してカーシェアリングを利用したほうが節約になるかもしれません。また、保険を見直すことで、保険料の負担が軽減されることもあります。

現在よりも少ない支出で生活ができれば、年金収入だけで暮らせる可能性もあります。

なるべく長く働いて収入を得る

持ち家で老後の生活費が月4万円不足するのは、夫婦高齢者無職世帯のケースでした。そのため、老後も働いて年金以外の収入を得ることができれば、生活費の不足を解消することは可能です。

「老後を迎えてまで働きたくない」と思うかもしれませんが、月4万円の不足を補うだけならフルタイムで働く必要はありません。自分のペースでアルバイトを行うだけでも、十分に稼げる金額ではないでしょうか。

また、老後も働くことで、社会とのつながりや生きがいを得られるメリットもあります。

年金の繰下げを検討する

公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、「繰下げ」によって受給開始を遅らせることも可能です。年金の繰下げを行うと、最大で42%年金が増額されます。老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに、繰下げによる年金の増額率は以下の通りです。

繰り下げによる年金増額率

請求時の年齢 増額率
66歳0ヵ月~66歳11ヵ月 8.4~16.1%
67歳0ヵ月~67歳11ヵ月 16.8~24.5%
68歳0ヵ月~68歳11ヵ月 25.2~32.9%
69歳0ヵ月~69歳11ヵ月 33.6~41.3%
70歳0ヵ月~ 42.0%

繰下げによって増えた年金額は一生変わらないため、老後の生活費の不足を解消できる可能性があります。65歳以降も一定の勤労収入がある場合や当面は年金をもらえなくとも生活に支障がない場合は、年金の繰下げを検討しましょう。

(参考)日本年金機構「年金の繰下げ受給」

お金を運用して資産寿命を延ばす

預貯金だけでなく、投資信託などを活用して運用しながら資産を取り崩すことで、資産寿命を延ばすことができます。たとえば、3,000万円の資金を毎月13万円取り崩しながら年4%で運用を行うと、預貯金よりも資産は約17年長持ちします。

ただし、あくまでもシミュレーション結果であり、この通りに運用できるとは限りません。また、投資信託は元本保証ではないので、損失が発生する可能性もあります。資産寿命を延ばすために資産運用に取り組む場合、特に高齢になってからの資産運用は、リスクの取りすぎに注意しましょう。

(参考)SBI証券「資産の寿命は大丈夫?「人生100年時代」の資産運用とは?」」

持ち家を活用して資金調達する

老後の生活費が足りない場合、持ち家を活用して資金調達する方法もあります。売却のほか、賃貸に出して家賃収入を得る、不動産担保ローン、リースバックなど、持ち家があれば資金を工面できる可能性があります。

持ち家の資産価値を活かす方法は、以下のページで紹介しています。

まとめ

老後の生活費は、持ち家でも月4万円程度不足する可能性があることがわかりました。ただし、あくまでも平均額であるため、まずは自身に必要な生活費を把握することが大切です。この記事で紹介した内容を参考に、老後資金の準備を始めましょう。

執筆者紹介

「金融/不動産知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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