2024.01.31

請求書の書き方、作り方を徹底解説!

公開日:2024.01.31

請求書の書き方に法的な決まりはありません。しかし、商品やサービスの代金を期日までに払ってもらうには、必要な情報を漏れなく記載した請求書を、取引先に送付する必要があります。

この記事では、請求書の書き方や記載すべき情報、注意点を解説します。

請求書とは?

請求書とは、取引先に納品した商品やサービスの対価を請求する際に発行する書類です。取引先は、実際の取引内容と請求書の記載内容に誤りがないかを確認したうえで、期日までに支払いを行います。

請求書に法的な決まりはなく、必要な情報を満たしていれば形式は問われません。ただし、取引先と請求日や請求書の送付方法などについて話し合い、ルールを決めておく必要があります。

記載情報

国税庁の資料によると、請求書に記載しておくべき情報として以下の5つが挙げられています。

  • 請求書の発行事業者の氏名・名称
  • 取引先(請求書を受け取る事業者)の氏名・名称
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目であるか)
  • 取引金額(税率ごとに区分した合計額)

また、2023年10月に開始した「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」に対応するには、さらに以下の3つも記載が必要です。

  • 登録番号
  • 適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等

出典)国税庁「適格請求書等保存方式の概要」

ただし、請求先に確実に支払ってもらうためにも、さらに以下の情報も記載するのが望ましいでしょう。

  • 請求日(発行日)
  • 請求書番号
  • 支払期日
  • 振込先(口座情報、振込手数料の取り扱い)

請求書番号とは、請求書を管理するための任意の番号です。請求書番号を記載すると、取引先とやり取りする際に請求書を特定しやすくなり、見積書や納品書とスムーズに照合できます。

また、支払期日や振込先情報を記載しておかないと、取引先の経理処理に影響し、支払いが遅れる恐れがあります。

請求書の書き方

ここでは、請求書の書き方のポイントを紹介します。

請求書の例

①請求先

請求先の住所や名称を記載します。担当部署や担当者名まで記載しておくと、請求先の経理担当者が社内で請求内容について確認したいときに対応しやすくなるでしょう。

②請求書番号

請求書番号があると、請求書を管理しやすくなります。記載する場合は、番号の作成ルールを決めておきましょう。

③請求日(発行日)

請求日や発行日は、あらかじめ取引先とルールを決めておき、そのルールに則って記載します。

④請求者(請求書の発行者)

請求者の住所や名称、連絡先(電話番号、メールアドレスなど)を記載します。連絡先を記載すれば、取引先が請求内容について確認したいときにスムーズにやり取りできます。

⑤押印

押印しなくても請求書は有効であるため、必ず必要なものではありません。ただし、請求者の社印を押印することによって、その会社が発行した請求書であることを証明する手段となり得ます。

⑥取引内容

商品名や数量、単価、金額などの取引内容を記載します。

⑦取引金額

小計(税抜の合計額)、消費税額、税込の合計額を記載します。

⑧請求金額

消費税額を含めた請求金額の総額を記載します。請求金額を記載することにより、請求先は実際の支払額を把握できます。

⑨支払期日

取引先と事前に取り決めを行ったうえで、支払期日を記載します。必要に応じて、振込手数料をどちらが負担するか明記しておくといいでしょう。振込手数料は、支払側が負担するのが一般的です。

⑩振込先情報

振込先の銀行名、支店名、口座番号、口座名義を記載します。もし追加で何か伝えたいことや特記事項がある場合は備考欄に記載しましょう。

請求書の作り方

ここでは、一般的な請求書の作り方を3つ紹介します。請求書は自分で作成する場合もあれば、取引先からフォーマットを指定されることもあります。法的に形式は定められていないので、状況に合わせて作成方法を選択しましょう。

手書きで作成する

ネットショップや文具店などで市販の請求書用紙を購入し、手書きで作成する方法です。パソコンやプリンターがなくても、手書きで簡単に作成できます。ただし、修正に時間や手間がかかり、計算ミスなどが発生する恐れがあります。

取引先から同意を得る必要はありますが、売上規模が小さいうちは、手書きで請求書を作成するのも選択肢です。

エクセルやワードで作成する

インターネット上には、無料で利用できるエクセルやワードの請求書フォーマットがたくさんあります。そのフォーマットをダウンロードすれば、時間や手間をかけずに請求書を作成できます。

一方で、発行枚数が多い場合は、データの管理が難しくなる恐れがあります。誤ってファイルを削除してしまうリスクがある点にも注意が必要です。エクセルやワードで作成する方法は、請求書の発行枚数が少ない場合におすすめです。

請求書作成サービスを利用する

市販のソフトウエアやクラウドサービスを利用して請求書を作成する方法です。請求書作成に特化しており、「毎月同じ請求書が自動的に発行される」「制度改正に自動で対応してくれる」といった便利な機能が備わっています。

デメリットは、インターネット環境が必要で、サービスを導入するための費用がかかることです。請求書作成サービスは、請求書の発行枚数が多く、作成業務にかかる時間や手間を省きたい場合におすすめです。

請求書の注意点

請求書を作成する際は、記載内容に誤りがないかを確認することが重要です。誤りがあると、期日までに支払われなかったり、再請求や返金が生じたりする恐れがあります。取引先に送付する前に、請求書の内容に誤りがないかをもう一度確認しましょう。

また、受領した請求書を紛失しないようにすることも大切です。法人は、確定申告の提出期限の翌日から7年間保存しなくてはなりません。 個人事業主は、5年間保存する義務があります。

なお、2023年10月にスタートしたインボイス制度では、発行者はインボイスの控えを7年間保存しなくてはなりません。また、受領者が消費税の仕入税額控除を受ける場合は、法人・個人を問わず、インボイスを7年間保存する必要があります。

まとめ

請求書に法的な形式はありませんが、必要な情報をもれなく記載しないと期日までに代金が支払われない恐れがあります。取引先とスムーズにやり取りできるように、請求書の書き方、作り方を理解しておきましょう。

執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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