リースバックとは?メリット・デメリットを解説

updated:2021.02.04

リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。高齢化によって老後資金の確保が課題になっていることから、リースバックは自宅を活用した資金調達方法として注目されています。売却後は運営会社に所有権が移転するので、自宅の相続についてのトラブルを回避できますし、契約次第では売却後に自宅を買い戻すことも可能です。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、特徴を理解したうえで利用することが大切です。今回は、リースバックのメリット・デメリット、代表的な事例を紹介します。

リースバックのメリット

リースバックには、以下3つのメリットがあります。

自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる

まとまった資金を手に入れるために自宅を売却すると、通常は別の家を探して引っ越さなくてはなりません。しかし、高齢になるほど、新居を購入するために住宅ローンを組んだり、賃貸住宅を借りたりするのは難しくなるのではないでしょうか。リースバックなら、運営会社と賃貸借契約を締結することで、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられます。自宅を売却してまとまった資金を手に入れながらも、慣れ親しんだ自宅に住み続けられるのは、リースバックの大きなメリットです。

月々の支出が定額化される

自宅を所有している場合、住宅ローンを完済していれば、定額の支出はありませんが、修繕が必要になるとその都度支出が発生しますし、固定資産税や火災保険、地震保険の支払いも必要です。一方、リースバックでは自宅を売却して賃貸借契約を締結し、毎月一定の家賃(リース料)を払うことになります。自宅を所有している時の費用がなくなり、支払いが定額化されるので、資金計画が立てやすくなります。賃貸借契約の場合、家財やマンションの専有部分には火災保険をかけるのが一般的ですが、中には火災保険料が無料の運営会社もあります。

家を所有することで持つリスクを無くせる

自宅を所有していると、価格下落や修繕、災害による建物の損壊などのリスクがあります。また、変動金利の住宅ローンが残っている場合は、金利上昇で返済額が増加するかもしれません。特に災害などは不動産の資産価値を大きく目減りさせてしまう可能性がありますが、リースバックで自宅を売却すれば、所有権が運営会社に移転するので、これらのリスクは運営会社が負うことになります。

リースバックのデメリット

リースバックは先程紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

売却価格が市場価格よりも安くなる

リースバックは、基本的に自宅の売却価格が市場価格よりも安くなります。市場価格よりも安くなる理由は、リースバック運営会社が売主(借主)の家賃滞納リスクや、買い戻しに応じるために自由に売買できない制約などを抱えているからです。また、リースバックでは、売却価格と家賃がトレードオフの関係にあるため、仮に高く売却できたとしても、その場合は家賃が高くなる傾向があります。リースバックは売却しても自宅にそのまま住み続けられる分、普通に売却するより売却価格が安くなる点に注意が必要です。

所有権が運営会社に移転する

リースバックで自宅を売却すると、所有権はリースバック運営会社に移転します。メリットのところで紹介したように、価格下落や災害などのリスクは無くなりますが、自分の好きなようにはできなくなります。たとえば、「リフォームや建て替えをしたい」と思っても、運営会社の許可なく行うことはできません。将来、自宅のリフォームやリノベーションなどを考えているなら、リースバックの利用は慎重に判断しましょう。

ずっと住み続けられるとは限らない

リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットです。しかし、リースバックの多くは、賃貸契約期間が定められている「定期借家契約」で賃貸借契約を締結しますが、「定期借家契約」の場合はずっと住み続けられる保証はありません。定期借家契約では、貸主と借主の合意があれば再契約は可能ですが、運営会社の事情で再契約ができず、売却から数年後には引っ越しを迫られる可能性もあります。リースバックでも賃貸借契約の期間を越えて家に住み続けたい場合は、定期借家契約ではなく、普通借家契約が締結できる運営会社を選ぶと安心です。

リースバックの代表的な事例

リースバックの代表的な事例をまとめました。

住宅ローンの返済が滞って売却を求められているが、同じ家に住み続けたい

住宅ローンの返済が滞って金融機関に残債の一括返済を求められた場合、任意売却や競売での返済を選択すると、自宅を失うことになります。しかし、リースバックで自宅を売却し、その資金で住宅ローンを完済することができれば、同じ家に住み続けることができます。ただし、リースバックでは市場価格よりも安くなる傾向にあるので、売却価格が住宅ローン残高よりも高くないと利用が難しいということを念頭に置いて検討することが必要です。

同じ家に住み続けながら月々の支払額を減らしたい

リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら、月々の支払額を減らすことが可能な場合があります。住宅ローンによっては当初固定金利や段階金利など、返済期間の経過に伴い月々の支払金額が上がるケースもあります。返済額の増加によって毎月の支払いが厳しくなった時、リースバックで賃貸に切り替えることで住宅ローンの返済額より家賃のほうが低くなれば、月々の支払額が減って資金繰りが楽になることがあるでしょう。

まとまった資金を手に入れて住み替えたい

リースバックは、新しい家に住み替える際にも利用できます。リースバックで自宅を売却すれば、まとまった資金が手に入り、新居の購入資金に充てられますし、住宅ローンが残っている場合にも残債を返済することが出来るので、借入を精算することが出来ます。また、新居に住み替えるまでは今までの家に住み続けられるので、仮住まいを見つけて一時的に引っ越しする必要もありません。

まとまった資金を手に入れて老後資金にしたい

高齢化に伴い、老後資金に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。リースバックを利用すれば、同じ家に住み続けながら、自宅の売却でまとまった資金を手に入れられます。また、不動産は共有で相続すると後々に不都合が生じますし、だれか一人が相続すると他の相続人との間で不平等が生じ、トラブルになりやすいとされています。リースバックを利用して、財産を現金化しておけば、相続についてのトラブルも回避することができるでしょう。

リースバックと任意売却との違い

上記で紹介した代表的な事例のうち、住宅ローンの返済が滞って売却を求められた場合に任意売却という手段がとられる場合があります。任意売却とは、住宅ローン等の返済が滞ってしまった場合に、債権者である金融機関の同意を得た上で債務者が自分の意志で不動産を売却する方法です。リースバックと任意売却は、自宅を売却し、所有権が買主へ移転するという点で共通しています。

一方で、リースバックと任意売却は、転居の要否が異なります。リースバックの場合は、自宅売却後も賃貸という形で自宅に住み続けることができますが、任意売却の場合は、転居をする必要があります。加えて、リースバックの場合は、将来的に売却した不動産を買い戻すことができる点も大きな特徴と言えるでしょう。

リースバックとリバースモーゲージとの違い

上記で紹介した代表的な事例のうち、まとまった老後資金を確保する手段としてリバースモーゲージというサービスもあります。リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いが利息のみで、債務者の死亡後に相続人が自宅の売却もしくは現金一括で元本を返済する点が特徴です。リースバックとリバースモーゲージは、自宅に住み続けながら資金調達ができる点で共通しています。

一方で、リースバックとリバースモーゲージは所有権の移転するタイミングが異なります。リースバックの場合は、自宅を売却した時点で所有権が買主へ移転しますが、リバースモーゲージの場合は、長期にわたる利息の延滞などが発生し、抵当権が実行されるようなことがない限り債務者が死亡するまで自宅の所有権が移転することはありません。

リースバックのよくあるご相談

リースバックのよくあるご相談をまとめました。

住宅ローンが残っていてもリースバックを利用できますか?

住宅ローンが残っていても、リースバックを利用することは可能です。ただし、売却時に対象不動産に設定されている抵当権を抹消する必要があります。

後々不動産を買い戻すことは可能ですか?

リースバックで売却した不動産は、買い戻すことができる場合が多いようです。なお、買い戻し価格は、当初の売却価格の一定割合もしくは買い戻し時点での市場価格とのバランスなど、運営会社との合意によって決まります。

早く資金が欲しいのですが、入金までにどれくらい期間がかかりますか?

一般的には、入金まで2週間~1ヵ月程度かかるようです。リースバックを利用するためには、複数の手続きが必要になるため、早くても2週間程度かかると考えておきましょう。

家賃の支払いを安く抑えたいのですが、可能ですか?

売却価格次第では、家賃の支払いを安く抑えることは可能です。 一般的に、リースバックの家賃は対象となる不動産の売却価格を基準に算出されますので、売却価格と家賃のバランスを考慮した上で、総合的に判断すると良いでしょう。

できるだけ長く住み続けたいのですが、2、3年で退去しなければいけないでしょうか?

必ずしも2、3年で退去する必要はありません。賃貸契約の種類や期間によっては、自宅に長く住み続けることも可能ですので、検討の段階で事前の確認をおすすめします。

手元資金がほとんどないのですが、費用はどれくらいかかるのでしょうか?

リースバックは、あくまで不動産売買+賃貸借契約であるため、不動産売却に係る費用と賃貸に係る費用が発生します。ただし、これらの費用を売却代金から支払うことができますので、手元資金がなくても利用できる場合が多いようです。

高齢で年金受給者なのですが、リースバックを利用できますか?

高齢者や年金受給者であっても、利用することができます。リースバックは、融資商品とは異なり、年齢制限や収入の基準を設けていないことが多いためです。

リースバック利用までの手続きの流れ

一般的なリースバック利用までの手続きの流れを紹介します。

STEP1 ご相談・仮査定

まずはご利用の運営会社に問い合わせください。ここでは、一般的に自身の所有物件や状況、希望条件(売却価格、家賃)についての確認がされます。

STEP2 仮査定(売却価格・家賃)の提示

ここで、大まかな売却価格や家賃の提示がされ、希望条件とのすり合わせが行われます。

STEP3 物件の調査及び査定

物件を訪問し、詳細な調査と査定が行われます。

STEP4 契約条件(売却価格・家賃)の提示

物件の査定を受け、具体的な契約条件が提示されます。

STEP5 契約

契約条件に同意後、契約手続きが行われます。

STEP6 売買成立・賃貸開始

売買代金が支払われることで売買が成立し所有権が移転します。それと同時に、自宅の賃貸が開始します。

まとめ

リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるので、「老後資金を確保したい」「住宅ローンの返済負担を減らしたい」といった場合に活用できます。ただし、売却価格は市場価格より安くなりますし、賃貸借契約が定期借家契約の場合は、ずっと住み続けられる保証はありません。契約してから後悔しないように、メリット・デメリットをよく理解したうえで、リースバックを利用するか検討しましょう。

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