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    能登半島地震の被害と復興の状況は?今後の課題と地震保険や防災対策の備え

    2024年1月1日に発生した能登半島地震では、16万件を超える大規模な住宅被害が発生しました。日本は地震大国であり、今後も大地震が発生するリスクがあります。地震による住宅被害を最小限に抑え、生活を再建するにはどのような備えが必要なのでしょうか。 この記事では、能登半島地震のデータをもとに、住宅被害の実態や復興の進捗、今後の課題、地震保険や防災対策の備えについて解説します。 能登半島地震による住宅被害の実態 能登半島地震では、住宅被害が16万件を超え、生活基盤に深刻な影響を与えました。特に古い木造住宅の倒壊が目立ち、耐震化の遅れが課題として浮き彫りになっています。ここでは、被害規模とライフラインへの影響を整理し、なぜこれほどの被害が発生したのかを考えます。 被害規模と住宅倒壊の状況 2024年1月1日午後4時10分、石川県能登地方でマグニチュード7.6、最大震度7の地震が発生しました。その後半年間で震度5強以上の地震が12回観測され、被害は石川県を中心に新潟・富山・福井にも広がりました。 内閣府の報告による住宅被害の状況は次のとおりです。 被害区分 棟数 全壊 6,536棟 半壊 2万3,693棟 一部破損 13万5,122棟 出典)内閣府 防災情報のページ「令和6年能登半島地震に係る被害状況等について」 合計16万件超の住宅が損壊し、生活再建に大きな課題を残しました。 火災発生やライフラインへの影響 地震の揺れだけでなく、二次災害も深刻でした。発生から約2か月間で火災は17件、交通網は寸断され、電気・水道などライフラインの復旧に時間を要しました。 断水 最大約13万5,000戸 停電 最大約4万4,000戸 長期の避難生活を余儀なくされた世帯も多く、災害時のライフライン確保の重要性が改めて浮き彫りになりました。 出典)内閣府 防災情報のページ「特集① 令和6年能登半島地震」 復興の進捗と現在の住まいの状況 能登半島地震の発生から1年以上が経過し、被災地は「避難」から「復旧」、そして「生活再建」へと移行しています。しかし、復興は長期化しており、高齢化や建設業者不足などの課題が影響しています。ここでは、仮設住宅の設置状況、公費解体とインフラ復旧、災害公営住宅の整備、不動産市場の変化を整理します。 仮設住宅の設置状況 生活の基盤となる住まいの確保は、復興の第一歩です。能登半島地震では住宅の全壊・半壊が相次ぎ、自力で住居を確保できない世帯に対し、災害救助法に基づく応急仮設住宅が提供されました。必要戸数6,882戸は2024年12月23日にすべて建設完了しました。 仮設住宅はプレハブ型が中心で、入居条件は「住宅が全壊し居住できない」など所定の要件を満たすことが必要です。しかし、長期入居によるコミュニティの分断や孤独問題など、生活再建には新たな課題も生じています。 出典) ・石川県「応急仮設住宅(建設型)について(災害救助法:令和6年(2024年)能登半島地震)」 ・内閣府 防災情報のページ「能登半島地震・豪雨におけるこれまでの取組と今後の対応方針について」 公費解体とインフラ復旧の現在地 仮設住宅の整備と並行して、倒壊した家屋の処理やインフラ復旧も進められています。公費解体は、所有者に代わって自治体が解体を行う制度で、放置された家屋による防災・衛生リスクを防ぐために重要です。2025年10月末時点で申請棟数約4万棟のうち95%が完了し、街の景観は「倒壊家屋」から「更地」へと変わりつつあります。 インフラについては、上下水道の応急復旧は完了しましたが、耐震化を含む本復旧は2028年度末を目標に進行中です。完全復旧まで時間を要するため、住民の帰還や生活再建には長期的な課題が残っています。 出典) ・石川県「公費解体の進捗状況(令和7年10月末)p.1」 ・国土交通省「令和6年能登半島地震からの復旧・復興状況と今後の見通し (令和7年9月末時点)p.4」 災害公営住宅の整備と将来を見据えた工夫 仮設住宅の次のステップとして、恒久的な住まいとなる災害公営住宅の整備が進められています。能登半島地震では、石川県と富山県の10市町で約3,000戸の建設が計画され、2026年夏頃から順次入居が始まる予定です。 災害公営住宅は、長期的な生活再建を支える重要な施策ですが、人口減少や高齢化を踏まえた工夫も求められています。具体的には、将来的に「移住者への分譲」や「福祉施設等への転用」が可能な設計を採用するなど、資産価値を維持する取り組みが検討されています。 また、コミュニティの維持や高齢者支援のため、共用スペースや見守り体制の整備も課題となっています。 出典) ・国土交通省「令和6年能登半島地震による被災者の住まいの確保」 ・国土交通省「中長期的活用を見据えた災害公営住宅の供給上の工夫についてp.8」 ・国土交通省「令和6年能登半島地震からの復旧・復興状況と今後の見通し (令和7年9月末時点)p.15」 不動産市場や賃貸需要の変化 震災は地域の不動産市場にも大きな影響を与えています。国土交通省の「令和7年地価公示」によると、石川県全体では住宅地の地価変動率が前年比+0.6%とわずかに上昇しましたが、甚大な被害を受けた能登地方では地価が大きく下落しました。 全国の地価変動率下位10地点はすべて能登地方が占めており、被災リスクの高まりや再建コスト増、人口流出が背景にあります。賃貸市場では、震災直後に仮住まい需要が急増し、家賃の上昇や空室率の低下が見られました。 しかし、長期的には人口減少や経済活動の停滞により、空室率の上昇や家賃の下落が懸念されています。こうした不動産価値の変動は、生活再建や資産形成に大きな影響を与えるため、今後の動向を注視する必要があります。 出典) ・国土交通省「令和7年地価公示の概要 p.5,p.8」 ・公益社団法人 石川県宅地建物取引業協会「第19回不動産市況DI調査」 今後の課題と生活再建に必要な資金と支援策 能登半島地震では、公的支援や保険金が生活再建を支えましたが、受け取れる金額には限度があります。住宅再建には数千万円単位の費用がかかることもあり、資金不足や二重ローン問題が深刻化しています。ここでは、公的支援の課題と地震保険の現状を整理し、今後の備えについて考えます。 公的支援の課題と「二重ローン」のリスク 能登半島地震では「被災者生活再建支援金」や「災害援護資金」などの公的支援が用意されましたが、これだけで元の生活を取り戻すことは困難です。支援金は最大300万円、自治体の上乗せを含めても数百万円規模にとどまり、住宅再建には数千万円単位の費用がかかるケースが多いためです。 特に深刻なのが「二重ローン」の問題です。自宅が全壊しても既存の住宅ローンは免除されず、再建のために新たな借り入れを行うと返済負担が二重になります。国や自治体は「災害援護資金」の貸付や「フラット35」の返済猶予措置を設けていますが、あくまで一時的な支援であり、最終的な返済負担は残ります。 こうした現状から、生活再建には公的支援だけでなく、自助努力による備えが不可欠です。 出典) ・石川県「令和6年能登半島地震における被災者生活再建支援金について」 ・石川県「令和6年能登半島地震 被災者生活再建支援制度 市町独自制度一覧」 ・珠洲市「珠洲市住まい再建支援金」 ・内閣府 防災情報のページ「災害援護資金の貸付」 地震保険の現状と課題 能登半島地震では、地震保険の重要性が改めて浮き彫りになりました。損害保険協会によると、2024年5月31日時点の支払保険金額は約910億円、支払件数は10万3,439件に上りました。しかし、2022年度の石川県の世帯加入率は30.2%、富山県は27.0%であり、生活再建資金の不足が深刻な課題となっています。 地震保険は火災保険に付帯する形で加入しますが、補償額は火災保険の30~50%に制限され、建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円までです。再建費用を全額カバーすることはできず、保険料負担や補償額の制限が加入率の低さにつながっています。 今後は、上乗せ補償や民間保険の活用、加入促進策が課題です。次章では、地震への備えと保険の重要性をさらに詳しく解説します。 出典) ・一般社団法人 日本損害保険協会「令和6年能登半島地震に係る地震保険の 支払件数・支払保険金等について」 ・損害保険料率算出機構「2022年度 地震保険世帯加入率」 地震への備えと保険の重要性 能登半島地震では、住宅被害が16万件を超え、生活再建には公的支援だけでなく保険や自助努力が不可欠であることが明らかになりました。ここでは、地震への備えとして、ハザードマップの活用、保険の見直し、経済的な準備のポイントを整理します。 ハザードマップで災害リスクを確認する重要性 能登半島地震では、地盤の弱い地域や津波リスクのある沿岸部で住宅被害が集中しました。こうした被害を防ぐために重要なのがハザードマップです。ハザードマップは、洪水・津波・土砂災害などのリスクや避難場所、避難経路を示した地図で、自治体や国土交通省のサイトで確認できます。 マイホームを購入する際は、必ずハザードマップで災害リスクを確認し、できるだけ安全な立地を選ぶことが生活再建の第一歩です。また、現在の住まいでも避難経路や避難所を事前に把握しておくことが重要です。 関連記事はこちらハザードマップとは?使い方や活用ポイントを解説 火災保険と地震保険の違いと補償の限界 火災保険と地震保険では補償範囲に大きな違いがあります。火災保険は火災や風水害などによる損害を補償しますが、地震・噴火・津波による損害は対象外です。一方、地震保険は地震・噴火・津波を原因とする火災や損壊、埋没、流失を補償します。 ただし、地震保険の補償額は法律で制限されており、火災保険の30~50%の範囲で設定されます。建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円が上限です。これは、巨大災害時に保険金総額が膨らみすぎないよう国と民間が共同で運営しているためです。 能登半島地震では、地震保険の支払保険金額は約910億円に達しましたが、再建費用を全額カバーするには不十分なケースが多く、自己資金や追加補償の必要性が浮き彫りになりました。こうした補償の限界を理解し、上乗せ保険や資金計画を検討することが重要です。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 地震保険の加入率と見直しのポイント 地震保険の世帯加入率は2024年の全国平均で35.4%、火災保険契約における地震保険付帯率は70.4%と過去最高を記録しました。しかし、能登半島地震では加入率が低い地域で生活再建資金の不足が深刻化し、保険の重要性が改めて浮き彫りになりました。 地震保険を見直す際は、次のポイントを確認しましょう。 居住エリアのリスク ハザードマップで地震・津波・液状化リスクを確認。 再建資金の有無 自己資金だけで生活再建が可能か。 資産の保全 建物や家財が高額な場合、失った際の経済的ダメージに耐えられるか。 地震保険は火災保険の30~50%しか補償されないため、上乗せ補償や特約の活用も検討し、万が一に備えた資金計画を立てることが重要です。 出典) ・損害保険料率算出機構「2024年度 地震保険付帯率、世帯加入率」 ・損害保険料率算出機構「火災保険契約のうち70.4%が地震保険を付帯(2024年度地震保険付帯率)」 まとめ 能登半島地震の被害と復興の状況から、生活再建には公的支援だけでは不十分であることがわかります。万が一に備えて耐震補強や防災グッズの準備に加え、地震保険の見直しや資金計画を検討することが重要です。 万が一の際に資金不足に陥らないよう、今のうちから以下の対策を検討しておきましょう。 耐震補強や防災グッズの準備 ハザードマップでリスク確認 地震保険や火災保険の補償内容を見直す 上乗せ補償や生活再建資金の計画を検討 災害はいつ起こるかわかりません。物理的・経済的な備えの両面から、ご家族の暮らしを守る準備を始めましょう。 保険料は月々1,210円※から ※栃木・マンション・保険金額300万円タイプの場合です。SBIリスタ少短のWEBサイトに遷移します。 保険料は月々1,210円※から ※栃木・マンション・保険金額300万円タイプの場合です。 SBIリスタ少短のWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 新耐震基準とは?中古住宅購入時に確認すべき耐震性能のポイント 日本は世界でも有数の地震の多い国であり、住宅の「耐震性」は、安心して暮らすために欠かせない重要な要素です。特に中古住宅を購入する際には、その建物がどの耐震基準に基づいて建てられているかを確認...

  • 【フラット35】日銀利上げ直後2026年1月金利予想|公認会計士・千日太郎が機構へ直接取材と12月17日の機構債から分析!

    【フラット35】日銀利上げ直後の2026年1月金利は2.08%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2025年12月は1.97%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の12月金利を1.90%~1.95%と予想し、結果は1.97%となりました。 12月19日の日銀会合では、政策金利の0.75%への引き上げが決定され、約30年ぶりの水準となりました。この決定を受け、債券市場では新発10年国債利回りが2%超に急騰した一方で、為替市場では1ドル=157円の円安に振れ、金融市場全体に大きな変動が生じています。 この記事では、この環境の変化を踏まえた【フラット35】の2026年1月の金利予想を、最新データと機構への取材情報から解説します。 2026年1月の【フラット35】金利は2.08% に決定しました(更新日:2026年1月5日)。 【フラット35】2025年12月金利予想の結果と検証 2025年12月の金利は1.97%に決定 2025年12月の【フラット35】金利は1.97%に決定し、11月下旬での予想(1.90%~1.95%)をやや上回る結果です。 背景には、新発10年国債利回りと機構債の表面利率がともに0.15ポイント上昇したことがありますが、住宅金融支援機構の調整により急騰は回避されました。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 金利上昇が抑えられた要因 金利上昇が抑えられた最大の理由は、住宅金融支援機構が逆ザヤを許容して低金利を維持していることです。逆ザヤとは、機構債の「仕入金利」が【フラット35】の貸出金利を上回る状態を指します。 この状態は2025年6月に初めて確認され、たいそう驚いたものですが、直近の2025年12月では逆ザヤの幅が0.33ポイントまで拡大しています。つまり、住宅金融支援機構は収益を犠牲にしてでも、急激な【フラット35】金利上昇を利用者に転嫁しない方針を取っています。 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 月 機構債表面利率(機構債発表日) フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%(5月22日)1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%(6月20日)1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%(7月18日)1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%(8月21日)1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%(9月19日)1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%(10月17日)1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%(11月20日)1.97%-0.33ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 【フラット35】2026年1月金利予想 2026年1月の金利は1.99%~2.04%と予想 12月の日銀会合で政策金利が0.75%に引き上げられた影響で、新発10年国債利回りは会合前の1.95%前後から週明けには2.10%まで急騰しました。市場は今回の決定を「タカ派寄り」と受け止め、長期金利に強い上昇圧力がかかっています。 この国債利回りの上昇は、住宅金融支援機構が【フラット35】の資金調達に用いる機構債の表面利率にも直結します。12月時点で機構債は2.30%でしたが、1月は2.45%へ上昇。ローンチスプレッドは0.51%で横ばいです。 こうした状況を踏まえ、千日太郎の【フラット35】予想レンジは1.99%~2.04%としました。急騰局面でも、機構の「激変緩和」策により上昇幅は抑えられると見ています。 【フラット35】金利推移と2026年1月予想 2025年10月 2025年11月 2025年12月 2026年1月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 1.89% 1.90% 1.97% 1.99%~2.04%※1/5発表の金利は2.08%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:1.99%「激変緩和」 1.99%のシナリオは「激変緩和」措置への期待です。10年国債利回りの上昇に伴う機構債の表面利率の上昇を、住宅ローンの金利に反映させないことで、住宅金融の円滑化を図るというシナリオです。金利が2.00%を超えるかどうかは心理的な壁として作用するため、願わくば2%台に抑えてほしいという期待も込めての予想です。 シナリオ②:2.04%「マイナス幅の限度+激変緩和」 逆ザヤの限界を考慮した場合、【フラット35】金利の理論値は2.12%ですが、前月比で+0.15ポイントの急上昇は避けたいところです。そこで、「激変緩和」により上昇幅を+0.07ポイント程度に抑え、2.04%とするシナリオです。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2025年12月22日時点) 機構債発表日 2025年9月19日 2025年10月17日 2025年11月20日 2025年12月17日 機構債の表面利率(※1) 2.12% 2.15% 2.30% 2.45% 新発10年国債利回り(※2) 1.61% 1.64% 1.79% 1.94% ローンチスプレッド(※1) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】2026年1月金利予想の背景要因と機構の戦略 千日太郎の予想として、今回は「市場金利は急上昇したが、フラット35の金利上昇は最小限に抑えられる(1.99%~2.04%)」と見ています。その根拠は、金利決定に影響する3つの要素を分析した結果です。 市場要因(上昇要因) 機構債の表面利率(上昇要因) 機構債の戦略的判断(抑制要因:逆ザヤとE55債) それぞれの動きを順に見ていきます。 市場要因(国債利回り・ローンチスプレッド) まず、金利のベースとなる「新発10年国債利回り」は、日銀の利上げを受けて1.79%から1.94%へ0.15ポイント上昇しました。 一方で、投資家の期待利回りである「ローンチスプレッド(国債との金利差)」は、直近3ヶ月間0.51%で横ばいを維持しています。 これは、国債の金利が上がった分だけ、機械的に調達コスト(機構債)も上がったことを意味します。 機構債の表面利率の動向 住宅金融支援機構の資金調達コストにあたる「機構債の表面利率」は、2.30%から2.45%へ0.15ポイント上昇しました。 通常であれば、仕入値(機構債)の0.15ポイントの上昇を売値(フラット35)に転嫁し、【フラット35】金利は2.12%まで上がる計算です。しかし、今回はそこまでは上がらないと予想しています。その理由が次の要素です。 機構の戦略的判断 住宅金融支援機構は以下の2つの手段で金利上昇を抑えていると考えられます。 ①「逆ザヤ」の許容(短期的対策) 2025年12月の逆ザヤ幅は-0.33ポイントと過去最大に達しました。ここから、急激な金利上昇(激変)を緩和するために、逆ザヤ幅を維持、あるいは一時的に拡大させてでも、急激な金利転嫁を防ぐはずです。 ②「E55債」による調達コスト圧縮(中長期的対策) 赤字(逆ザヤ)を垂れ流し続けることはできません。そこで切り札となるのが、新たな資金調達手段「E55(イーゴーゴー)債」です。 E55債の概要と特徴 2025年11月に、住宅金融支援機構への直接取材でその実務面を聞く機会を得ました。E55債は、長期金利が上昇する環境下でも低金利の住宅ローンを提供するために開発された新たな資金調達方法です。2025年10月発行分では、通常の機構債よりも実際に低コストでの調達を実現しています。 E55債の概要 発表日 表面利率 10年国債利回り ローンチスプレッド 2025年10月22日1.63%1.27%0.36% ※出典)住宅金融支援機構「発行実績-E55債」 E55債が低金利で調達できる理由は、「未償還残高が一定割合(55%)を下回ると全額繰上償還される」という特殊なルールにあります。 通常の機構債 機構債の未償還残高総額が当初発行総額の10%以下になるまで、原則として全額繰上償還されません。 E55債 機構債の未償還残高総額が当初発行総額の55%以下となった場合、1年以内に全額繰上償還をする義務があります。 投資家にとっては通常の機構債よりも「早くお金が返ってくる可能性が高い」ため、リスクが低く、そのぶん低い金利でも買ってくれるのです。この仕組みにより投資家のリスクが低下し、低金利での発行が可能になります。E55債の発行が増えれば、【フラット35】の金利上昇はさらに抑えられる見込みです。 ■機構債の種類と償還ルールの違い 出典:S&P Global Ratings 住宅金融支援機構債券の概要 2025年11月17日 まとめ 12月の日銀利上げにより、市場金利は急騰しました。新発10年国債利回りは2%超、機構債の表面利率も2.45%まで上昇しています。通常であれば【フラット35】の金利は大幅に引き上げられる局面ですが、住宅金融支援機構は逆ザヤの許容とE55債による低コスト調達という戦略で、急激な上昇を抑えています。 2026年1月の予想レンジは1.99%~2.04%。心理的な「2%超え」を避ける調整が働く可能性が高く、長期固定金利の安定性は維持される見込みです。 今後もインフレや追加利上げで市場金利は上昇圧力を受けますが、【フラット35】は政策的な役割と新たな資金調達手段により、利用者にとって安心感のある選択肢であり続けるでしょう。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

  • 海外送金サービス比較|銀行・ネット銀行・資金移動業者の手数料・対応国・スピード

    銀行・ネット銀行・資金移動業者の海外送金サービスを比較

    海外送金サービスは銀行・ネット銀行・資金移動業者など多様な選択肢がありますが、どれを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。サービスごとに手数料・対応国・送金スピードが異なるため、比較して選ぶことが重要です。 この記事では、海外送金サービスを選ぶ前に知っておきたい基本から、手数料の仕組み・為替レートの影響・送金スピードの違いまで詳しく解説します。 海外送金サービスを選ぶ前に知っておきたい基本 海外送金サービスを利用する際には、単に「どの会社が安いか」だけでなく、仕組みや注意点を理解しておくことが重要です。送金方法や手数料の構造、為替レートの影響、着金までのスピードなど、複数の要素が総コストや利便性に直結します。 ここでは、海外送金の基本的な仕組みと、選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。 海外送金の仕組みと注意点 海外送金は、ある国の銀行や送金サービスから別の国の受取人の口座へ資金を移動する仕組みです。一般的には、以下の流れで行われます。 送金依頼 送金額・通貨・受取人情報を指定 為替換算 円を外貨に両替(為替レート+スプレッドが適用) 送金処理 SWIFTネットワークや送金業者のシステムを通じて資金移動 着金 受取人の口座に入金(中継銀行を経由する場合あり) 注意点として、送金手数料の他に中継銀行手数料や受取銀行手数料が発生するケースがあります。また、送金目的によっては税務署への申告や本人確認(KYC)が必要になるため、事前に確認しておきましょう。 関連記事はこちら海外送金とは?初心者にもわかる仕組み・手数料・安全な方法まとめ 手数料・為替レートの関係 海外送金の総コストは、単なる「送金手数料」だけではありません。以下の3つの要素が密接に関係しています。 送金手数料(及び関連手数料) 銀行やサービスによって異なり、送金時の手数料に加え、中継銀行や受取銀行の手数料が発生する場合もあり、これらを含めた総額で比較が必要です。 為替レート+スプレッド 金融機関が設定するスプレッドは、市場レートと銀行や送金サービスが提示するレートの差を指し、これも実質的なコストとなります。スプレッドが広い場合は実質的なコストが増加します。 例えば、「手数料ゼロ」をうたうサービスでも、為替レートに大きなスプレッドが含まれている場合があります。また、スピードを重視して即日送金を選ぶと、追加手数料が発生するケースもあります。総コスト+利便性(スピード)のバランスを考えて選ぶことが重要です。 海外送金サービスを選ぶ3つの重要ポイント 海外送金サービスを選ぶ際には、単に「手数料が安い」だけで判断するのではなく、総コスト・対応国・送金スピードを総合的に比較することが、失敗しない選び方の基本です。 手数料の違いと総コストの考え方 海外送金の費用は、送金手数料だけでなく、為替レートのスプレッドや中継銀行・受取銀行の追加手数料も含まれます。例えば、手数料が無料と表示されていても、為替レートに大きなスプレッドが設定されている場合、結果的に高くなることがあります。 送金手数料が固定額なのか、送金額に応じて変わるのかを確認しましょう。また、為替レートにどれくらいのスプレッドが含まれているかを公式サイトでチェックすることも重要です。さらに、中継銀行や受取銀行で追加の手数料が発生する場合があるので、事前に把握しておくと安心です。 関連記事はこちら海外送金の手数料を安くするには?主要サービス比較と注意点を解説 対応国・通貨の確認方法 サービスによって、送金できる国や通貨の種類は異なります。特にビジネス利用で様々な国と取引をする場合は、対応範囲が広いサービスを選ぶことが重要です。 送金できる国や地域を公式サイトで確認しましょう。米ドルやユーロ以外の通貨にも対応しているかどうかもチェックが必要です。ビジネス利用の場合は、請求書対応や複数送金機能があるかどうかも見ておくと便利です。 送金スピードの確認と注意点 即日送金などのスピードはサービスを選ぶ上で魅力的ですが、スピードだけで選ぶのではなく、その業者が信頼できるかどうかも同時に確認が必要です。 まずは、着金までにどれくらい時間がかかるのかを確認しましょう。即日送金なのか、数営業日かかるのかで利便性が大きく変わります。 それと同時に、安全性のチェックも不可欠です。金融庁(財務局)への登録有無(資金移動業者の場合)はもちろん、暗号化や二段階認証などのセキュリティ対策、法令に基づく厳格な本人確認(KYC)が行われている事業者であるかを必ず確認してください。 海外送金サービスの比較【メガバンク・ネット銀行・資金移動業者】 海外送金サービスには、メガバンク・ネット銀行・資金移動業者という3つの主要な選択肢があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、利用目的や送金条件によって適したサービスは異なります。ここでは、各分類の特徴を整理します。 メガバンクの特徴とメリット・デメリット メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など)は、海外送金において高い信頼性を持ち、世界中の銀行ネットワークを通じて安全に資金を移動できます。 メリット 対面窓口での相談が可能で、トラブル時も安心 大手金融機関としての高い社会的信用と堅牢なコンプライアンス体制 デメリット ネット専業や資金移動業者に比べ、総コストが割高な傾向 着金までに時間がかかる場合が多い ネット銀行の特徴とメリット・デメリット ネット銀行(楽天銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行など)は、オンラインで完結できる利便性が魅力です。スマホやPCから簡単に送金でき、総コストもメガバンクより比較的安い傾向があります。多通貨対応や原則24時間手続き可能な点も特徴です。 メリット 手数料が安い(数百円~) 銀行窓口に行く必要がなく、原則24時間手続きが可能 デメリット 対面でのサポートを受けられない 一部の銀行では個人向けの海外送金機能自体がない 資金移動業者の特徴とメリット・デメリット 資金移動業者は、銀行以外の企業が提供する海外送金サービスで、手数料の安さや送金スピードの速さが特徴です。金融庁に登録された事業者であり、資金決済法に基づいて運営されています。 メリット 独自の送金スキームにより、銀行に比べて手数料・為替コストが格安な場合が多い 最短即日着金など、着金スピードが速い デメリット 1回あたりの送金限度額(例:100万円など)が設けられている場合がある 銀行ではないため、預金保険制度(ペイオフ)の対象外 比較表【手数料・対応通貨・送金スピード・サポート体制】 銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 三井住友銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,500円/件 6通貨 未記載 窓口・電話・チャット 三菱UFJ銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,000円/件 12通貨 未記載 窓口・WEBサポート・電話・チャット みずほ銀行 個人:8,000~8,500円/件法人:7,000~7,500円/件みずほダイレクトアプリ:5,000円 7通貨 送金手続きから一週間程度 窓口(一部テレビ電話の店舗あり)・チャット ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・三井住友銀行 「海外への送金・海外からの送金・外貨建て送金」 ・MUFG 「外国送金」 ・みずほ銀行 「外国への送金・受け取り」 ネット銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 楽天銀行 750円/件 67通貨 送金日から1営業日~5営業日程度 電話・メール ソニー銀行 3,000円/件 11通貨 送金実行から3営業日~4営業日以上 電話・チャット・WEBフォーム 住信SBIネット銀行(法人) 2,500円/件 10通貨 SWIFT発信日からおおむね1日~3日程度 WEBフォーム・チャット・電話 ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・楽天銀行「海外送金」 ・ソニー銀行「ソニー銀行からの外貨送金」 ・住信SBIネット銀行「法人のお客さま 外貨送金・外貨受取サービス」 資金移動業者 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 Wise(ワイズ) 0.33%~ 24通貨 送金手続きから最短即日~最長5日 電話・メール・チャット Revolut(レボリュート) 送金手数料は無料 41通貨 送金手続きから最短即日~最長2営業日 チャット PayPal(ペイパル) 499円/件 22通貨 即時振替:数分(最長30分)標準振替:約3~6営業日 電話・メール SBIレミット 460円~/1件 13通貨 送金方法、着金方法、送金先国により変化 ■現金受取の場合 最短:10分/通常:1~3時間程度 ■銀行口座の場合 最短:10分/通常:1~2営業日 電話・メール ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・wise:公式サイト ・Revolut:公式サイト ・PayPal:公式サイト ・SBIレミット:公式サイト 目的別に見る海外送金サービスの特徴 海外送金サービスは、利用目的によって重視すべきポイントが異なります。ここでは、留学・仕送りの場合、ビジネス・法人送金の場合、高額送金や投資の場合に分けて、選び方の視点を整理します。 留学や仕送りに利用する場合 少額の海外送金を行う場合は、手数料の水準と利便性を重視することがポイントです。オンラインで簡単に手続きできるサービスや、スマホアプリで送金履歴を確認できる仕組みがあると、管理がしやすくなります。 また、即日着金や現金受取に対応しているサービスは、急ぎの送金にも対応しやすく、安心です。留学や仕送りでは、送金のタイミングが重要になるため、スピードと使いやすさを兼ね備えたサービスを選びましょう。 ビジネスや法人送金に利用する場合 法人送金では、対応通貨の幅と業務効率化機能を重視することがポイントです。請求書対応や複数送金機能があるサービスは、経理業務の負担を減らします。 さらに、会計ソフトとの連携や送金履歴の一括管理を備えたサービスは、業務効率化に役立ちます。ビジネス利用では、こうした機能を確認して選ぶことも重要です。 高額送金や投資向けに利用する場合 まとまった金額(例:100万円超)を送金する場合は、送金上限額と安全性を確認することが不可欠です。暗号化通信や二段階認証などのセキュリティ対策、金融庁登録の有無を必ずチェックしましょう。 まとめ 海外送金サービスは、銀行・ネット銀行・資金移動業者など複数の選択肢があります。それぞれに手数料の仕組み、対応通貨、送金スピードといった特徴があり、どのサービスが適しているかは利用目的によって異なります。 選ぶ際には、次のポイントを総合的に確認しましょう。 総コストの把握 送金手数料だけでなく、為替レートのスプレッドや中継銀行手数料など、その他のコストも含めて比較する。 送金スピードの確認 利便性(スピード)を追求しつつ、金融庁(財務局)登録の有無(資金移動業者の場合)やセキュリティ対策も必ず確認する。 用途による使い分け 少額・急ぎなら「資金移動業者」、高額・安心重視なら「銀行」など、目的に応じて使い分ける。 海外送金は、利便性だけでなく安全性やコスト面のリスク管理も欠かせません。公式サイトや金融庁の登録情報を確認し、信頼できるサービスを選ぶことが、安心して送金するための第一歩です。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。 ※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2025.12.24海外送金
  • 海外送金の方法を徹底解説|銀行・ネット銀行・資金移動業者の違い

    海外送金の方法はどれが最適?銀行・ネット銀行・資金移動業者の違いと選び方

    海外送金は、留学費用の支払いや海外で暮らす家族への仕送りなど、さまざまな目的で利用される重要な手段です。しかし、送金方法によって手数料や着金までのスピード、対応通貨などに大きな違いがあるため、選び方には注意が必要です。 この記事では、銀行・ネット銀行・資金移動業者が提供する海外送金サービスについて、それぞれの特徴・メリット・デメリット・手数料の比較をわかりやすく整理し、送金目的に応じた最適な選び方も解説します。 海外送金とは?仕組みと基本の流れを解説 海外送金とは、ある国から金融機関や送金サービスを通じて、別の国の銀行口座や現地の受取人に資金を送ることを指します。主な利用目的としては、留学費用の支払い、海外在住の家族への生活費の送金、海外旅行時の資金準備、海外企業との取引などが挙げられます。 関連記事はこちら海外送金とは?初心者にもわかる仕組み・手数料・安全な方法まとめ 海外送金の一般的な流れ 海外送金の仕組みは、利用するサービスによって異なります。銀行を通じた送金では、送金元の銀行から中継銀行を経由し、最終的に受取先の銀行口座へ資金が着金するのが一般的です。 この際、国際送金ネットワーク(SWIFTなど)を利用するため、送金手数料のほかに中継銀行への手数料が発生することがあり、中継銀行の数が多いほど、手数料が高くなる傾向があります。 一方、資金移動業者を利用する場合は、銀行送金とは異なる仕組みが採用されていることが多く、中継銀行を介さずに現地の提携先へ直接送金されるケースもあります。送金方法によって仕組みや費用が異なるため、目的に応じて適切なサービスを選ぶことが重要です。 為替レート・スプレッド・中継銀行の影響 海外送金では、送金手数料以外にも、為替レートやスプレッド、中継銀行の有無といった要素が最終的な送金額に影響します。 為替レートは、異なる通貨を交換する際の比率であり、日々変動しています。送金時のレートによって、受取側が実際に受け取る金額が変わるため、送金のタイミングは重要です。 また、金融機関が設定するスプレッドは、市場レートと銀行や送金サービスが提示するレートの差を指し、これも実質的なコストとなります。スプレッドが大きいほど、同じ送金額でも受取金額は減少します。特に流通量が少ない通貨ではスプレッドが広がる傾向があるため注意が必要です。 さらに、銀行送金では中継銀行を経由することが一般的で、その際に追加手数料が発生する場合があります。利用前には、中継銀行を経由するかどうか、そして追加手数料がかかる可能性について、金融機関やサービスの案内で確認しておくと安心です。 一方、資金移動業者の多くは中継銀行を介さずに送金できる仕組みがあり、為替コストや手数料を抑えやすいという特徴があります。こうした費用面やサービスなどの違いを理解したうえで、自分に合った送金方法を選ぶことが大切です。 銀行による海外送金の特徴とサービス内容の整理 銀行を通じた海外送金は、メガバンクや地方銀行など多くの金融機関で対応しており、信頼性の高い方法として広く利用されています。ここでは、銀行送金の特徴やメリット・デメリット、主要銀行のサービス内容について詳しく解説します。 銀行送金の主な特徴と利用方法 銀行による海外送金は、店頭窓口・ATM・インターネットバンキングなど、複数の手段で手続きが可能です。特にインターネットバンキングを利用すれば、自宅やスマートフォンから24時間いつでも送金できるため、利便性が高まっています。 ただし、店頭窓口やATMは銀行の営業時間内に限られるため、急ぎの送金には不向きな場合もあります。送金先の国や通貨によって対応状況が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。 銀行送金のメリット・デメリット 銀行による海外送金のメリットは、対面での相談が可能な点です。例えば、留学費用を海外の大学に送金する際など、初めての手続きでも店頭でスタッフに直接質問できるため安心です。また、長年の実績がある銀行を利用することで、セキュリティ面でも信頼性が高く、安心して利用できます。 一方で、銀行送金にはいくつかのデメリットもあります。まず、送金手数料が比較的高く、店頭での手続きでは1件あたり7,000円以上かかるケースもあります。また、国際送金ネットワーク(SWIFT)を利用するため、中継銀行を経由することが一般的であり、その際に追加の手数料が発生します。 さらに、送金額が少額であっても、手数料が割高になることがあるため、コスト面では注意が必要です。少額の送金を行う場合やスピードを重視する場合は、ネット銀行や資金移動業者の利用も検討すると良いでしょう。 銀行ごとの手数料・対応通貨・送金スピードの比較 具体的に、各銀行が提供しているサービスの特徴についてまとめると、次のとおりです。 銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 三井住友銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,500円/件 6通貨 未記載 窓口・電話・チャット 三菱UFJ銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,000円/件 12通貨 未記載 窓口・WEBサポート・電話・チャット みずほ銀行 個人:8,000~8,500円/件法人:7,000~7,500円/件みずほダイレクトアプリ:5,000円 7通貨 送金手続きから一週間程度 窓口(一部テレビ電話の店舗あり)・チャット ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・三井住友銀行 「海外への送金・海外からの送金・外貨建て送金」 ・MUFG 「外国送金」 ・みずほ銀行 「外国への送金・受け取り」 ネット銀行による海外送金の特徴とサービス内容の整理 ネット銀行を利用した海外送金は、店舗に足を運ぶ必要がなく、スマートフォンやパソコンから手軽に手続きできる点が大きな魅力です。忙しくて銀行窓口に行く時間が取れない方や、オンラインで完結したい方にとって、非常に便利な選択肢といえるでしょう。 ネット銀行送金の主な特徴と利用方法 ネット銀行は実店舗を持たない分、運営コストが抑えられており、その分送金手数料も一般的に銀行の店頭手続きよりも安く設定されています。多くのネット銀行では、海外送金に対応しており、スマートフォンアプリやウェブサイトを通じて、24時間いつでも送金手続きが可能です。 送金方法は銀行と同様に、送金先の口座情報を入力し、為替レートを確認したうえで送金を実行する流れとなります。アプリ連携に対応しているサービスも多く、操作性や利便性の面でも優れています。 ネット銀行送金のメリット・デメリット ネット銀行を利用する最大のメリットは、手数料の安さと利便性です。店舗を持たないことで運営コストが抑えられており、その分ユーザーにとっての負担も軽減されています。また、インターネット環境さえあれば、時間や場所を問わず送金できるため、忙しい方でもスムーズに利用できます。 一方で、デメリットとしては、サポート体制が電話やメールに限られることが多く、対面での相談ができません。操作に不安がある場合や複雑な手続きが必要な場合は、事前にサポート内容を確認しておくことが重要です。 ネット銀行ごとの手数料・対応通貨・送金スピードの比較 具体的に、各ネット銀行が提供しているサービスの特徴についてまとめると、次のとおりです。 ネット銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 楽天銀行 750円/件 67通貨 送金日から1営業日~5営業日程度 電話・メール ソニー銀行 3,000円/件 11通貨 送金実行から3営業日~4営業日以上 電話・チャット・WEBフォーム 住信SBIネット銀行(法人) 2,500円/件 10通貨 SWIFT発信日からおおむね1日~3日程度 WEBフォーム・チャット・電話 ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・楽天銀行「海外送金」 ・ソニー銀行「ソニー銀行からの外貨送金」 ・住信SBIネット銀行「法人のお客さま 外貨送金・外貨受取サービス」 関連記事はこちら海外送金の手数料を安くするには?主要サービス比較と注意点を解説 資金移動業者による海外送金の特徴とサービス内容の整理 銀行やネット銀行以外にも、資金移動業者を利用して海外送金を行う方法があります。近年では、手数料の安さや送金スピードの速さから、個人・法人問わず利用が広がっている送金手段のひとつです。ここでは、資金移動業者の仕組みや特徴、代表的なサービスの比較、安全性について詳しく解説します。 資金移動業者の主な特徴と利用方法 資金移動業者とは、金融庁(財務局)に登録された送金サービス事業者のことで、銀行とは異なる仕組みで海外送金を提供しています。登録情報は金融庁の公式サイトで公開されており、事業者の信頼性を確認することが可能です。 資金移動業者の多くは、インターネットやスマートフォンアプリを通じて送金手続きを行う形式を採用しており、店舗に出向く必要がありません。送金ルートも銀行送金とは異なり、中継銀行を介さずに現地の提携先へ直接送金するケースが多いため、手数料が比較的安く、着金までの時間も短縮される傾向があります。 対応通貨の種類も豊富で、サービスによっては40種類以上の通貨に対応しているものもあり、柔軟な送金が可能です。 出典)金融庁「資金移動業者登録一覧」 資金移動業者のメリット・デメリット 資金移動業者を利用するメリットは、手数料の安さと送金スピードの速さです。サービスによっては、送金から着金までが即日で完了するケースもあり、急ぎの送金にも対応しやすいのが特徴です。また、対応通貨が多く、受け取り方法は口座振込をはじめ、現金受取やカードチャージなど、資金移動業者によって様々な方法があり、選択肢も広がります。 一方で、デメリットとしては、サービスによっては日本語対応が限定されていたり、サポートがチャットやメールに限られていたりする場合があります。操作に慣れるまで時間がかかることもあるため、初めて利用する際は事前に使い方を確認しておくと安心です。 資金移動業者ごとの手数料・対応通貨・送金スピードの比較 代表的な資金移動業者のサービス内容は以下のとおりです。 資金移動業者 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 Wise(ワイズ) 0.33%~ 24通貨 送金手続きから最短即日~最長5日 電話・メール・チャット Revolut(レボリュート) 送金手数料は無料 41通貨 送金手続きから最短即日~最長2営業日 チャット PayPal(ペイパル) 499円/件 22通貨 即時振替:数分(最長30分)標準振替:約3~6営業日 電話・メール SBIレミット 460円~/1件 13通貨 送金方法、着金方法、送金先国により変化 ■現金受取の場合 最短:10分/通常:1~3時間程度 ■銀行口座の場合 最短:10分/通常:1~2営業日 電話・メール ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・wise:公式サイト ・Revolut:公式サイト ・PayPal:公式サイト ・SBIレミット:公式サイト 資金移動業者の法的な位置づけと安全性のポイント 資金移動業者は、金融庁(財務局)の登録を受けて事業を行っており、法的にも問題なく利用できる送金手段です。登録事業者の本店所在地や連絡先は公式サイトで公開されているため、利用前に確認しておくと安心です。 また、顧客から預かった資金は、資金移動業者の事業資金とは分けて金融機関に保管されており、万が一の事態にも備えた管理体制が整えられています。サービスの多くはインターネットを介して提供されますが、HTTPS暗号化や二段階認証などのセキュリティ対策も導入されており、安全性の面でも信頼できる仕組みが構築されています。 まとめ|送金目的に応じたおすすめの方法と選び方 海外送金サービスは、提供する会社によって、手数料や送金スピード、対応通貨、サポート体制が異なります。 銀行は安心感と信頼性が高く、窓口で直接相談できる点が強みです。ネット銀行は、一般的に銀行窓口よりも送金手数料が安いのが特徴で、スマートフォンやパソコンから手軽に送金できるため、忙しい方やオンラインで完結したい方に適しています。資金移動業者は、手数料が安く、送金スピードも早く、対応通貨が多いことに加え、口座振込以外にも現金受取やカードチャージなど柔軟な方法を選べるのがポイントです。 例えば、学費や生活費を送る場合は、手数料とスピードのバランスを重視したい、ビジネスで利用する場合は、対応通貨やサポート体制を重視したいなど、それぞれの用途に応じてサービスを確認しておくことが重要です。利用前には、送金先の国や通貨、サービスの最新情報を公式サイトでチェックすることで、安心してスムーズに海外送金を行うことができます。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。 ※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2025.12.17海外送金
  • リースバックがやばいって本当なの?騙されないための正しい使い方を紹介

    リースバックがやばいって本当なの?騙されないための正しい使い方を紹介

    急にまとまったお金が必要。でも住み慣れた自宅から離れたくない──そんなときに活用できるサービスとして「リースバック」があります。自宅を売却しても、そのまま住み続けられる便利な仕組みですが、インターネットで検索すると「リースバック やばい」「後悔した」という不安な声を目にすることがあります。 リースバックは、信頼のできる不動産事業者を選び、うまく活用すれば、有用なサービスとなり得ます。しかし、デメリットや注意点を把握しないまま利用してしまうと、あとから後悔する恐れがあります。 この記事では、リースバックがやばいと言われる理由や知っておくべきデメリット、後悔しないための対策についてわかりやすく解説します。この記事を読めば、リースバックの不安を解消し、安心して賢い選択ができます。 そもそもリースバックとは? リースバックとは、自宅を売却した後、賃貸契約を結びそのまま同じ家に住み続けられる仕組みです。まとまった資金が必要なときや、老後の生活費を確保したいときに利用されることが多いです。詳しい仕組みやメリットや活用事例については以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 なお、リースバックとよく比較される商品に「リバースモーゲージ」があります。どちらも資金調達の手段という点では共通していますが、仕組みや対象年齢などに違いがあります。詳しい比較は以下の記事で解説しています。 関連記事はこちらリースバック・リバースモーゲージ・リ・バース60の違いを徹底比較 なぜリースバックは「やばい」と言われるのか まず、リースバックが「やばい」と言われる背景について、代表的なポイントを整理します。リースバックが不安視される理由を知ることで、情報の真偽を見極めやすくなります。 情報が少なく仕組みがわかりにくい リースバックというサービスの仕組み自体は、不動産の売買契約と賃貸借契約という世間でも広く認知されている契約に基づいた体系です。しかし、この売買と賃貸借という契約が複合的に行われていることが、仕組みをわかりにくくしている要因の一つです。 また、リースバックはまだ普及して間もないサービスであるため、国や地方自治体で設けている制度や仕組みに関する情報が、まだ十分に浸透しているとは言えません。 そのため、初めて聞く人にとっては「売却しても住み続けられる」という仕組みを理解できず、中には不透明に感じる人もいると考えられます。 一部の不動産事業者によるトラブル事例がある さまざまなメディアでも取り上げられるように、過去には一部の不動産事業者による不適切な対応や契約トラブルが報告されています。こうした事例は決して多くはないものの、金銭が絡む取引であるため、利用者にとって大きな不安要素となっています。 想定外の条件で後悔する人がいる リースバックは契約時にまとまったお金を手に入れて、以後家賃を支払っていくという仕組みですが、契約後に「家賃の支払いが想定より厳しかった」など、事前計画が甘く後悔する場合もあります。この後、注意すべきデメリットについて詳しく解説します。 知っておくべきリースバックのデメリット リースバックはうまく活用すれば便利な仕組みですが、契約内容によっては思わぬ落とし穴があります。ここでは、後悔しないために知っておくべきデメリットを詳しく解説します。 家賃が高くなる リースバックでは、周辺の賃料相場だけでなく、不動産の売却価格とのバランスで家賃が決まります。売却価格が高いと家賃も高くなる傾向があるため、注意が必要です。 また、契約後に固定資産税の上昇や、土地、建物の価格上昇などの理由から、家賃の引き上げを求められる場合もあります。契約書の内容を事前に確認し、担当者に不明点を必ず確認しましょう 家賃について納得しておかないと、「資金が多めに手に入ったところまでは良かったが、結局毎月の支払いが大変」という後悔につながる恐れがあります。リースバックの家賃設定については以下の記事で詳しく解説しているので、契約前に必ず確認しましょう。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!家賃相場よりも高い? 売却価格が市場価格より安くなる リースバックにおける売却価格は基本的に市場価格70%前後まで下がることが一般的です。これは、買主である不動産事業者が、借主の家賃滞納リスクや、購入後も不動産を自由に扱えない制約を抱えることなどが要因です。 さらに、不動産事業者によっては、相場価格よりも大幅に低額な売却価格を提示する場合もあります。そのため、リースバックを利用する際は、必ず複数の不動産事業者に相談し、売却価格を比較しておきましょう。 こうした確認を十分にしないと、「本当はもっと高く売れたのではないか」という後悔につながる恐れがあります。 長期的に住み続けられない場合がある 賃貸借契約は、「定期借家契約」と「普通借家契約」に分類されます。定期借家契約の場合、当初の契約期間が終了すると貸主と借主の双方の合意がないと再契約できず、住み続けることができません。 一方、普通借家契約は借主の希望のみで更新が可能ですが、リースバックにおいては、定期借家契約を採用している場合が多いため注意が必要です。 「ずっと住めると思っていたのに、契約期間が終わったら退去しなければならなかった」という後悔を防ぐためには、契約形態を必ず確認しましょう。長期的な居住を希望する場合は、普通借家契約を選べるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? 買い戻しが難しい場合がある リースバックでは「将来、家を買い戻したい」と考える人も少なくありません。しかし、契約条件によっては買い戻しができない場合があります。買い戻しが可能な場合でも、売却時より高い価格が設定されることが多く、資金計画を誤ると大きな負担になります。 さらに、買い戻しの条件は事業者ごとに異なり、契約書に明記されていないケースもあります。「買い戻せると思っていたのに、実際はできなかった」という後悔を防ぐためには、契約前に必ず契約書に記載されている買戻し条件を確認し、将来の資金計画も含めて慎重に判断しましょう。 関連記事はこちらリースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説 リースバックを利用する際の注意点 リースバックを利用する際には、以下のポイントをチェックしましょう。 信頼できる不動産事業者を選ぶ 事前に契約内容を確認する 複数の不動産事業者を比較する リースバックを利用する際には、サービス利用後の資金計画も大切です。賃料を支払いながらどれくらいの期間住み続けられるか、老後の資金計画に影響がないかなど、長期的な視点で判断しましょう。 信頼できる不動産事業者を選ぶ リースバックを安心して利用するためには、信頼できる不動産事業者を選びましょう。特に取扱実績の多い大手企業は、契約内容が明確で、トラブルが発生した場合でも適切に対応してくれるため、安心して任せられます。 また、事前に口コミや評判をチェックし、信頼性を確認しておくことも忘れないようにしましょう。信頼できる不動産事業者を選ぶことで、不透明な条件や不利な契約を避けられます。 事前に契約内容を確認する リースバックの契約には、売買価格や賃料、買い戻し条件などの経済条件のほか、賃貸借の期間や維持費用など重要な内容が多く含まれています。特に目先の倍場価格ではなく、賃料の値上げや違約金については、事前にしっかりと確認しておく必要があります。 他にも、居住期間中には修繕費用や退去時の原状回復費用が発生することもあります。築年数の古い物件は修繕費が高額になることがあるため、事前に費用やどちらが負担するのかを確認しておくと安心です。 複数の不動産事業者を比較する 上述のようにリースバックの仕組みは、不動産売買契約と不動産賃貸借契約という二種類の契約から成っています。ただし、同じリースバックでも不動産事業者によって、売買に関連して買戻し条項(不動産売買予約契約)の有無や、不動産賃貸借契約が普通借家契約なのか定期借家契約なのかなど、条件面で違いがあります。 サービスの利用時には、わかりやすい「売買価格」や「家賃」に着目してしまいますが、その裏には様々な条件が設けられており、一社だけで判断することは難しいでしょう。そのため、必ず複数の不動産事業者に問い合わせをして、経済条件や会社・担当者の信頼性を見極める必要があります。 まとめ リースバックは、自宅を売却しながら住み続けられる便利な仕組みですが、契約内容や条件を十分に理解しないまま利用すると、後悔やトラブルにつながる恐れがあります。 安心して利用するためには、信頼できる事業者を選び、契約書の内容を細部まで確認することが不可欠です。この記事で紹介した注意点を参考に、複数の業者を比較し、納得できる条件で契約するかどうかを慎重に判断しましょう。 Appendix:国土交通省ガイドブック リースバックを検討する際は、国土交通省が公開している「住宅のリースバックに関するガイドブック」も参考になります。このガイドブックでは、契約時の確認不足によるトラブルを防ぐため、以下の点に注意するよう呼びかけています。 違約金や解約条件を事前に確認する 賃料や契約期間の取り決めを明確にする 契約内容は必ず書面で確認する 営業トークを鵜呑みにせず、家族や専門家に相談する また、以下の記事でもリースバックのトラブル事例と対策について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 関連記事はこちらリースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックのよくあるご相談7選 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。老後資金を確保したい高齢者を中心に、リースバックの利用者...

  • フラット35「ダブルフラット」とは?2本の住宅ローンで返済負担を軽減する方法

    フラット35「ダブルフラット」とは?2本の住宅ローンで返済負担を軽減する方法

    「住宅ローンは1人につき1本だけ」と思っていませんか? 実は、返済期間の異なる2本のローンを組み合わせることで、将来の返済負担を軽減できる方法があります。 それが、住宅金融支援機構が提供するフラット35「ダブルフラット」という制度です。この記事では、ダブルフラットの仕組みやメリット、注意点を解説します。 フラット35「ダブルフラット」の仕組みとは? 一般的には「住宅ローンは1人につき1本」が基本ですが、金融機関によっては複数のローンを組み合わせることも可能です。代表的な例が「ミックスローン」で、固定金利と変動金利を組み合わせたり、返済期間を分けたりすることで、柔軟な返済プランが設計できます。 ダブルフラットは、返済期間の異なる2本のフラット35を組み合わせて利用する住宅ローンです。例えば、返済期間が最長20年のフラット20と最長35年のフラット35を組み合わせることで、将来の返済額を減らすことができます。 そのほかにも、フラット35を2本組み合わせたり、フラット20を2本組み合わせたりすることもできます。なお、フラット20は、返済期間が15年以上20年以下のフラット35商品です。一度20年以下で契約すると、後から21年以上に変更することは原則できません。 出典) ・【フラット35】「ダブルフラット」 ・【フラット35】「【フラット35】」 ・【フラット35】「【フラット20】」 ダブルフラットの利用条件と金利の仕組み ダブルフラットを利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、申込者の利用条件の一部や金利の仕組みについて解説します。 申込者は同一人物であること ダブルフラットは、1人の申込者が返済期間の異なる2本のフラット35を組み合わせて利用する制度です。制度上、申込者は同一人物であることが条件となっており、夫婦それぞれが1本ずつ契約する「ペアローン」のような形では利用できません。 関連記事はこちらフラット35のペアローンとは?夫婦で住宅ローンを組むメリットと注意点を解説 返済負担率の基準を満たすこと 返済負担率とは、年収に対する住宅ローンなどの年間返済額の割合です。以下の基準を満たしていることが求められます。 年収 返済負担率の上限 400万円未満 30%以下 400万円以上 35%以下 この基準を超えると、審査に通るのは難しくなります。そのため、事前に返済額をシミュレーションし、返済負担率が基準内に収まるように計画を立てることが重要です。 融資率によって適用金利が変わる 融資率とは、物件価格に対してどれくらいの金額を借りるかを示す割合です。住宅金融支援機構の【フラット35】では、融資率が9割以下か9割超かによって、適用される金利が異なります。 例えば、2025年12月時点の金利では以下のような差があります。 【フラット35】借入期間:21年以上35年以下 融資率 金利の範囲 最も多い金利 9割以下 年1.970%~年4.510% 年1.970% 9割超 年2.080%~年4.620% 年2.080% 出典)【フラット35】「借入期間:21年以上35年以下」 このように、融資率が9割を超えると0.11ポイント金利が上昇するため、総返済額にも大きな影響を与えます。ダブルフラットでも、2本のローンの合計が物件価格の9割を超える場合、「融資率9割超」の金利が適用されます。そのため、借入額の設定は慎重に行い、事前にシミュレーションしておくことが重要です。 ダブルフラットのメリット ダブルフラットには、将来の返済負担を軽減できることや、金利の低いローンを活用することで総返済額を抑えられるといったメリットがあります。さらに、返済方法の選択肢も広がるため、ライフプランに合わせた柔軟な返済設計が可能です。ここでは、ダブルフラットを利用することで得られる主なメリットについて詳しく解説します。 将来の返済負担を軽減できる 返済期間が20年のフラット20と、35年のフラット35を組み合わせた場合を考えてみましょう。借り入れから20年間は、2本のローンを同時に返済するため、毎月の返済額はやや高くなります。しかし、21年目以降はフラット20が完済されることで、返済額が減り、将来的な負担を軽減できます。 たとえば、フラット20の完済時期を60歳に設定すれば、定年後の収入減少を見据えた返済計画を立てることも可能です。ライフステージに合わせた設計ができる点は、ダブルフラットの大きなメリットといえるでしょう。 出典)【フラット35】「ダブルフラット」 総返済額を抑えられる フラット20は返済期間が短いため、フラット35よりも金利が低めに設定されています。 この特徴を活かして、フラット35とフラット20を組み合わせることで、金利の低いローンを一部に充てることができ、結果として総返済額を抑えることにつながります。 たとえば、同じ3,000万円を借りる場合でも、フラット20を併用することで、フラット35単独よりも数百万円単位で返済額が少なくなるケースもあります。(後述する「ダブルフラットの返済シミュレーション」で詳しく紹介します。) 返済方法を柔軟に選べる ダブルフラットでは、元利均等返済と元金均等返済を組み合わせたり、ボーナス併用払いと毎月払いを併用したりすることができます。2本のローンそれぞれで返済方法を選べるため、家計の状況や収入のタイミングに合わせて、無理のない返済プランを設計することが可能です。 たとえば、フラット20は元金均等返済で早めに元本を減らし、フラット35は元利均等返済で安定した支払いを続けるなど、目的に応じた使い分けもできます。 ダブルフラットの返済シミュレーション ダブルフラットを使った場合と、通常のフラット35だけを使った場合で、返済額がどれくらい違うのかを比較してみましょう。 ■フラット35の融資条件 ・借入金額:3,000万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.97%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし ■ダブルフラットの融資条件 〇フラット35 ・借入金額:1,500万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.97%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし 〇フラット20 ・借入金額:1,500万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.58%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし 借入内容 借入期間 毎月返済額 総返済額 フラット35 35年 98,917円 41,545,177円 ダブルフラット ・フラット35 ・フラット20 当初20年 121,373円 ・49,458円(フラット35) ・72,935円(フラット20) 38,276,787円 (約326万円削減) 21年〜35年 49,458円 ※住宅保証機構株式会社「返済額の試算」を基に筆者作成 試算の結果、フラット35単独利用時との差は以下のとおりです。 総返済額:約 326万円 抑えられる 月々の返済額(当初20年):約 2万2,000円 増える 月々の返済額(21年目以降):約 4万9,000円 減る つまり、「当面の負担は増えても、総返済額と将来の負担を確実に減らしたい」という方に適したプランです。教育費のピークや定年退職の時期など、ライフプランに合わせて検討しましょう。 ダブルフラットの注意点 ダブルフラットを利用する際は、以下の点に注意が必要です。 同一金融機関での申込が必要 2本のローンは同じ金融機関で申し込む必要があります。ダブルフラットを取り扱っていない金融機関もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。 諸費用が1本のローンよりも多くかかる それぞれのローンに対して、金銭消費貸借契約、抵当権設定などの手続が必要となり、融資手数料、金銭消費貸借契約書の印紙税、抵当権設定のための費用などが1本のローンの場合と比べて多くかかります。返済額の軽減効果と諸費用を含めた総コストの比較も忘れずに行いましょう。 団信はそれぞれの契約に紐づく 団体信用生命保険は、ローン契約者が死亡・高度障害になった場合に残債が免除される保険です。2本のローンそれぞれに個別で加入する必要があります。加入は任意ですが、2本とも加入するか、しないかを選ぶ必要があります。 関連記事はこちら住宅ローンの団体信用生命保険とは?保障内容や特約を解説 ペアローンでは利用不可 夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むペアローンでは、1人につき1本の契約となるため、ダブルフラットは利用できません。 まとめ ダブルフラットは、2本の住宅ローンを組み合わせることで、将来の返済額を抑えられる制度です。特に、定年後の生活を見据えた返済計画を立てたい方におすすめです。 ただし、諸費用や団信の加入など、単独ローンとは異なる点もあるため、事前のシミュレーションと比較検討が重要です。まずは金融機関に相談し、ライフプランに合った返済方法を検討してみてください。 専門家に相談してみる 住宅ローンや不動産売買の資金計画など、お客さまのご状況にあわせてサポートします。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門家に相談してみる 住宅ローンや不動産売買の資金計画など、お客さまのご状況にあわせてサポートします。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 フラット35とは?初心者にもわかりやすく特徴やメリットを解説 フラット35は、自宅購入時に利用できる住宅ローン商品の一つです。住宅ローンを検討する際、全期間固定金利で自宅を購入したい場合は、フラット35が有力な選択肢となるでしょう。 この記事では、フラ...

  • フラット35のペアローンとは?夫婦で住宅ローンを組むメリットと注意点を解説

    フラット35のペアローンとは?夫婦で住宅ローンを組むメリットと注意点を解説

    住宅ローンを組もうとしたけど、希望物件の価格に対して借入額が足りない… そんな悩みを抱える方にとって、フラット35のペアローンは有力な選択肢です。ペアローンを利用すれば、借入可能額を増やすことができ、返済方法や団体信用生命保険(以下、団信)の設計も柔軟に対応可能です。 この記事では、ペアローンの仕組みや申込条件、収入合算との違い、団信の取り扱い、そしてメリット・注意点まで、住宅ローン選びの判断材料として活用できる情報を詳しく解説します。 ペアローンとは ペアローンとは、1つの物件に対して、夫婦や親子などがそれぞれ主たる債務者となり、住宅ローンを組む方法です。単独でローンを組むよりも借入可能額が増えるため、取得する住宅の選択肢が広がります。 ペアローンは、特に若い世代で多く利用されています。住宅金融支援機構の調査によると、ペアローンの利用割合は全体で25.9%ですが、年代別では20代が44.0%、30代が29.6%となっています。 出典)住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)p.10」 収入合算との違い(連帯保証型・連帯債務型) 収入合算とは、申込者本人の収入に、配偶者や親などの収入を加えて、1本の住宅ローンを組む方法です。主に以下の二つのタイプがあります。 連帯保証型:合算者は連帯保証人となり、申込者本人が返済できなくなった場合にのみ返済義務を負います。 連帯債務型:合算者は連帯債務者となり、申込者本人と同等の返済義務を負います。 一方、ペアローンでは、2人がそれぞれ主たる債務者となり、2本の独立した住宅ローンを組む点が大きな違いです。これにより、団信の加入方法や返済設計にも柔軟性が生まれます。 項目 ペアローン 収入合算(連帯債務型) 契約 2本 1本 債務者 主債務者2人 主債務者+連帯債務者 団信 個別加入 ペア連生団信あり 出典)フラット35「収入合算できる方」 関連記事はこちら住宅ローンのペアローンと収入合算の違いとは? フラット35ペアローンの申込要件や借入・返済の仕組み フラット35では、2024年10月からペアローンの取り扱いが開始されました。夫婦や親子などがそれぞれ主たる債務者となることで、借入可能額が増え、返済方法や団信の設計も柔軟に対応できるのが特徴です。 ここでは、申込要件から借入額・金利、返済方法まで、基本的な仕組みを簡潔に解説します。 申込要件と対象者の範囲 ペアローンを利用するための申込要件と対象者の範囲は、主に次のとおりです。 申込者と配偶者、または親や子などの親族であること 申込時の年齢が満70歳未満であること ※その他の申込要件などは、【フラット35】のWebサイトをご確認ください。 借入額・期間・金利の考え方 ペアローンでは、各人100万円以上8,000万円以下(1万円単位)で借入可能です。夫婦で利用すれば、最大1億6,000万円まで借りられます。借入期間は15年以上で、「80歳−申込時年齢」または「35年」の短い方が上限です。夫婦それぞれ異なる期間を設定でき、ライフプランに合わせた設計が可能です。 金利は借入期間や融資率(借入額合計 ÷ 住宅の建設費または購入価額)などにより決まり、融資率が9割以下の場合は低金利となる傾向があります。また、住宅性能や家族構成に応じた金利引き下げ制度も利用可能で、ペアローンでは2人それぞれに同じ条件が適用されます。 関連記事はこちらフラット35の金利引き下げメニューについて詳しく解説 返済方法と家計管理の工夫 ペアローンでは、返済方法や返済口座をそれぞれ個別に設定できます。たとえば、元利均等返済と元金均等返済を夫婦で分けることで、収入状況に応じた柔軟な返済が可能です。返済口座を分けることで、共働き世帯の資金管理もスムーズになります。 担保は、借入対象の住宅および敷地全体に対して、2本の融資それぞれに、住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位(同順位)の抵当権を設定する必要があります。 ペアローンにおける団信の取り扱い 住宅ローンを組む際には、万が一の事態に備えるための団信の加入が重要です。ペアローンでは、夫婦それぞれが主たる債務者となるため、団信もそれぞれの契約に対して個別に加入する必要があります。 一方、収入合算(連帯債務型)では、「ペア連生団信」という制度が利用可能です。これは、どちらか一方に万が一のことがあった場合、残りの住宅ローン残高が全額保障される仕組みです。 ペアローンではこの制度が使えないため、パートナーの債務は団信で完済されても、自身の債務は残り、返済を継続する必要があります。 関連記事はこちら住宅ローンの団体信用生命保険とは?保障内容や特約を解説 ペアローンでの団信加入の仕組み ペアローンでは、2人それぞれが独立したローン契約を結ぶため、団信も個別に加入する形になります。たとえば、夫は三大疾病保障型、妻は一般団信といったように、健康状態や希望に応じて異なる保障内容を選択できるのが特徴です。 また、団信への加入は任意です。保険料を抑えたい場合や、他の生命保険で保障を確保している場合は、加入しない選択もできます。 フラット35のペアローンのメリット フラット35のペアローンには、単独ローンや収入合算にはない、いくつかの大きなメリットがあります。ここでは主な3つの利点を紹介します。 借入期間を個別に設定できる 収入合算(連帯債務型)では、借入期間を夫婦で同一にする必要がありますが、ペアローンではそれぞれが別々の借入期間を設定できます。たとえば、夫は35年、妻は20年といったように、ライフプランや収入状況に応じて柔軟に設計できるのが特徴です。 団信プランを柔軟に選べる 前述のとおり、ペアローンでは団信に個別加入する必要がありますが、これは柔軟な保障設計が可能であるというメリットにもつながります。たとえば、夫は三大疾病保障型、妻は一般団信といったように、それぞれの健康状態や希望に応じたプランを選択できます。 また、団信への加入は任意であり、保険料を抑えたい場合や他の保険でカバーしている場合は、加入しない選択も可能です。 返済口座を分けて家計管理しやすい ペアローンの場合、2本のローン契約がそれぞれ独立しているため、返済口座も別々に設定できます。返済口座を分けられることで、資金移動の手間が省け、共働き世帯などの家計管理にも適しています。 フラット35ペアローンの注意点とリスク フラット35のペアローンを利用する際は、以下の点に注意が必要です。 パートナーの返済滞納による一括返済リスク ペアローンでは、夫婦それぞれが主たる債務者としてローン契約を結んでいるため、どちらか一方が返済を滞納すると、金融機関からもう一方にも一括返済を求められる可能性があります。 このような事態を防ぐためには、日頃から返済状況を共有し、万が一の際に金融機関がもう一方に通知できるよう、事前に同意を取っておくことが重要です。 万が一の際も自身の返済は継続される ペアローンでは、団信によりパートナーの債務は完済されますが、自身の返済義務は残るため、万が一の事態にも対応できるよう、余裕を持った返済計画を立てておくことが大切です。 契約が2本になることで諸費用が増える ペアローンは2人それぞれがローン契約を結ぶため、登記費用や事務手数料などの諸費用も2本分必要になります。単独ローンや収入合算型に比べて、初期費用の負担が大きくなる点には注意が必要です。 費用面での比較を事前に行い、総コストを把握したうえでペアローンを選択することが望ましいでしょう。 まとめ|ペアローンを選ぶ際の判断ポイント フラット35のペアローンは、単独ローンに比べて借入可能額が大きく、夫婦それぞれが異なる借入期間や団信プランを選択できるなど、柔軟な住宅ローン設定が可能です。返済口座を分けられる点も、共働き世帯などにとっては資金管理の面でメリットがあります。 一方で、ローン契約が2本になることで諸費用が増えるほか、パートナーが返済を滞納した場合や万が一の事態が起きた際には、自身の債務が残るなどのリスクもあります。ペア連生団信が利用できない点も、収入合算型との大きな違いです。 このようなメリット・デメリットがあることを理解したうえで、フラット35のペアローンを利用するかを判断しましょう。 専門家に相談してみる 住宅ローンや不動産売買の資金計画など、お客さまのご状況にあわせてサポートします。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門家に相談してみる 住宅ローンや不動産売買の資金計画など、お客さまのご状況にあわせてサポートします。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 「フラット50」とは? 2025年制度改正で住宅の対象が拡大 「人生100年時代」を見据え、住宅ローンの返済期間も長期化しています。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット50」は、その名のとおり最長50年という長期返済が可能な全期間...

  • 海外送金の手数料を安くするには?主要サービス比較と注意点を解説

    海外送金の手数料を安くするには?主要サービス比較と注意点を解説

    海外送金を行う際、利用するサービスによって手数料や着金までのスピードに大きな差が生じます。銀行・ネット銀行・資金移動業者など、選択肢が多い中で「どれを選べば手数料を安く抑えられるのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。 この記事では、海外送金にかかる手数料の種類と仕組みをわかりやすく解説し、主要サービスの比較や手数料を安くするためのポイント、注意すべき点まで網羅的に紹介します。送金コストをできるだけ抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。 海外送金にかかる手数料の種類と仕組み 海外送金にはさまざまな手数料が発生しますが、主に「送金手数料」「中継銀行手数料」「受取手数料」の3つに分類されます。これらの手数料は、利用するサービスや送金ルートによって金額や負担者が異なるため、事前に仕組みを理解しておくことが重要です。 また、送金時には為替レートやスプレッド(為替手数料)もコストに影響するため、総額でどれくらいかかるのかを把握することが、賢く送金するための第一歩となります。 送金手数料の仕組みと確認方法 海外送金にかかる「送金手数料」は、国内でいう振込手数料に相当しますが、利用するサービスや送金方法によって金額が大きく異なります。銀行の店頭窓口、インターネットバンキング、ネット銀行、資金移動業者など、選択肢によって手数料の設定が異なるため、事前に各社の公式サイトで最新の料金を確認しておくことが重要です。 送金手続きには、本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)やマイナンバーが確認できる書類の提出が求められます。また、受取人の情報として、送金先の国・住所、銀行名・支店名・所在地、口座名義、口座番号、SWIFTコードやIBANコードなどの詳細が必要です。 さらに、送金目的(例:学費・生活費・仕送りなど)によっては、金融機関から証明書類の提出を求められる場合もあります。スムーズな手続きを行うためにも、必要書類を事前に準備しておきましょう。 関連記事はこちら海外送金とは?初心者にもわかる仕組み・手数料・安全な方法まとめ 中継銀行・受取手数料の違いと注意点 海外送金で銀行を利用する場合、送金人の銀行口座から受取人の口座へ直接送金されることは少なく、通常は複数の中継銀行を経由して資金が移動します。この際に発生するのが「中継銀行手数料(コルレス手数料)」です。 中継銀行手数料は、送金人が支払う場合もありますが、多くの場合は送金額から差し引かれる形で処理されます。経由する銀行の数や使用する通貨によって手数料の金額は異なり、事前に正確な金額を把握するのが難しいケースもあります。 一方、「受取手数料」は、送金された資金を受け取る際に受取人が負担する手数料です。こちらも金融機関によって金額が異なり、受取人の口座に着金するまでに差し引かれることがあります。 これらの手数料は送金額に直接影響するため、送金前に利用するサービスの手数料体系を確認し、必要に応じて受取人にも事前に説明しておくと安心です。 為替レートの仕組みとスプレッドの影響 海外送金では、為替レートの変動が送金額に大きく影響します。為替レートとは、異なる通貨を交換する際に適用される比率のことで、外国為替市場の動きに応じて日々変動しています。金融機関のホームページなどで最新のレートが公開されているため、送金前に確認しておくことが重要です。 送金時の為替レートは、送金契約が成立した時点の水準が適用されるのが一般的です。為替が大きく動いているタイミングでは、送金額が想定より少なくなることもあります。 また、為替レートには「スプレッド(為替手数料)」が含まれており、これは金融機関や送金サービスが設定する上乗せ分です。スプレッドの幅はサービス提供者や通貨の種類によって異なり、実質的な手数料として送金コストに影響します。 複数のサービスを比較する際は、単純な送金手数料だけでなく、スプレッドを含めた「実質的な為替コスト」も確認するようにしましょう。 送金サービス別の手数料の比較と注意点 海外送金にかかる手数料の仕組みを理解したら、次は利用する金融機関や送金方法による違いを確認しましょう。銀行・ネット銀行・資金移動業者など、サービスごとに手数料体系や着金スピードが異なるため、比較検討が欠かせません。 また、送金するタイミングによって為替レートが変動し、受取金額に差が生じることもあります。ここでは、各サービスの手数料の違いや、送金時に注意すべきポイントを詳しく解説します。 銀行・ネット銀行・資金移動業者の手数料を比較 海外送金を行う際は、銀行・ネット銀行・資金移動業者のいずれかのサービスを利用することになります。それぞれのサービスには、送金手数料や対応通貨、送金スピード、サポート体制などに違いがあるため、目的や優先事項に応じて選ぶことが重要です。 以下の表では、主要な送金サービスごとの手数料や特徴を比較しています。 銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 三井住友銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,500円/件 6通貨 未記載 窓口・電話・チャット 三菱UFJ銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,000円/件 12通貨 未記載 窓口・WEBサポート・電話・チャット みずほ銀行 個人:8,000~8,500円/件法人:7,000~7,500円/件みずほダイレクトアプリ:5,000円 7通貨 送金手続きから一週間程度 窓口(一部テレビ電話の店舗あり)・チャット ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・三井住友銀行 「海外への送金・海外からの送金・外貨建て送金」 ・MUFG 「外国送金」 ・みずほ銀行 「外国への送金・受け取り」 ネット銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 楽天銀行 750円/件 67通貨 送金日から1営業日~5営業日程度 電話・メール ソニー銀行 3,000円/件 11通貨 送金実行から3営業日~4営業日以上 電話・チャット・WEBフォーム 住信SBIネット銀行(法人) 2,500円/件 10通貨 SWIFT発信日からおおむね1日~3日程度 WEBフォーム・チャット・電話 ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・楽天銀行「海外送金」 ・ソニー銀行「ソニー銀行からの外貨送金」 ・住信SBIネット銀行「法人のお客さま 外貨送金・外貨受取サービス」 資金移動業者 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 Wise(ワイズ) 0.33%~ 24通貨 送金手続きから最短即日~最長5日 電話・メール・チャット Revolut(レボリュート) 送金手数料は無料 41通貨 送金手続きから最短即日~最長2営業日 チャット PayPal(ペイパル) 499円/件 22通貨 即時振替:数分(最長30分)標準振替:約3~6営業日 電話・メール SBIレミット 460円~/1件 13通貨 送金方法、着金方法、送金先国により変化 ■現金受取の場合 最短:10分/通常:1~3時間程度 ■銀行口座の場合 最短:10分/通常:1~2営業日 電話・メール ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・wise:公式サイト ・Revolut:公式サイト ・PayPal:公式サイト ・SBIレミット:公式サイト 各サービスにはそれぞれの強みがあります。例えば、銀行は信頼性が高くサポートが充実している一方で、資金移動業者は手数料が安くスピードも速い傾向があります。送金先の国や目的、金額に応じて最適なサービスを選びましょう。 手数料が高くなるケース 海外送金では、利用するサービスや送金方法によって手数料に大きな差が生じます。特に銀行の店頭窓口を利用する場合は、ネット銀行や資金移動業者と比べて送金手数料が高くなる傾向があります。一方で、銀行のインターネットバンキングを利用すれば、店頭よりも手数料を抑えられるケースが多く見られます。 また、多くの銀行では、国際送金を行う際に「SWIFT(スイフト)」というネットワークを利用しています。SWIFTは、世界中の金融機関が安全に送金指示をやり取りするための通信システムであり、資金を直接移動させる仕組みではありません。 実際の資金移動は、送金元の銀行と受取先の銀行の間で行われます。しかし、両銀行が直接提携していない場合、複数の銀行を経由する必要があり、これが「中継銀行」です。中継銀行は送金ルートをつなぐ役割を果たしますが、その分、中継銀行手数料(コルレス手数料)が追加で発生する可能性があります。 中継銀行の数が多いほど、手数料も高くなる傾向があり、事前に利用者側で中継銀行の数や手数料をコントロールすることは難しい場合があります。そのため、送金前に「中継銀行手数料が発生する可能性があるか」「受取人が負担する手数料があるか」を確認しておくことが重要です。 出典)一般社団法人 全国銀行協会「SWIFT」 為替レートによる送金コストの変動 海外送金では、サービスごとの手数料に加えて、為替レートの変動によるコストも見逃せません。為替レートとは、異なる通貨を交換する際の比率であり、日々の市場動向によって変化します。日本から海外へ送金する場合、円高・円安の状況によって、実際に受け取れる金額が大きく変わる可能性があります。 例えば、1米ドル=100円のときに10万円を送金すれば、1,000米ドルになります。しかし、円安が進み1米ドル=150円になった場合、同じ10万円でも約667米ドルしか送れません。このように、為替レートの変動は送金額に直接影響するため、円高傾向のタイミングで送金をすれば、コストを抑えることができます。 また、「手数料無料」とうたうサービスでも、実際には為替レートに手数料分のスプレッド(上乗せ)が含まれているケースがあります。送金コストを正確に把握するには、送金手数料だけでなく、為替レートの設定やスプレッドも含めた「実質的なコスト」を確認するようにしましょう。 海外送金の手数料を安くする方法 海外送金にかかるコストをできるだけ抑えるためには、送金方法やタイミング、利用するサービスの選び方など、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。手数料の違いだけでなく、為替レートや送金回数によっても総コストが変わるため、事前の比較と計画が重要です。 ここでは、海外送金において手数料を安くするための具体的な方法を、わかりやすく解説します。 為替レートの変動に注意して送金コストを抑える 海外送金では、為替レートの変動が送金額に大きく影響します。詳細な例は前章で紹介しましたが、円高・円安の状況によって、同じ金額を送っても受取額が変わり、円高傾向のタイミングで送金をすれば、コストを抑えることができます。 しかし、為替の動きを正確に予測するのは専門家でも難しいため、一般の方が無理にタイミングを狙うよりも、為替の変動が落ち着いている時期を選ぶのが現実的です。 また、送金サービスによっては、為替レートと手数料を含めた送金額のシミュレーション機能を提供している場合があります。こうしたツールを活用することで、実際にいくら送れるのかを事前に把握でき、損をしない送金タイミングを選びやすくなります。 手数料を安く抑えるサービスの選び方と比較ポイント 海外送金にかかる手数料は、利用するサービスによって大きく異なります。 銀行を利用する場合は、店頭窓口よりもインターネットバンキングを活用することで、手数料を抑えられるケースが多く見られます。また、ネット銀行や資金移動業者は、送金手数料が比較的安く、為替レートも比較的有利に設定されていることが多いため、選択肢として検討する価値があります。 また、サービスを比較する際は、手数料だけではなく以下のポイントをチェックしましょう。 送金手数料の金額 為替レートのスプレッド(上乗せ幅) 対応通貨と送金先の国 送金スピード(着金までの日数) サポート体制(電話・メール・チャットなど) これらの要素を総合的に比較することで、自分の送金目的に合った、コストパフォーマンスの高いサービスを選ぶことができます。 定期・まとめ送金で手数料を節約する 毎月の生活費や学費など、定期的に海外送金を行う場合は、定期送金の設定を活用することで手数料を抑えられる可能性があります。送金サービスによっては、定期送金を利用することで割引が適用されるケースもあり、長期的なコスト削減につながります。 また、送金上限額が高めに設定されているサービスを利用すれば、複数回に分けて送金するよりも、まとめて送金する方が手数料を節約できる場合があります。海外送金では、送金のたびに「送金手数料」「中継銀行手数料」「受取手数料」などが発生するため、回数を減らすことで総コストを抑えることができます。 特に、資金移動業者や一部のネット銀行では、まとめ送金や定期送金に対応したプランが用意されていることもあるため、事前にサービス内容を確認しておくと安心です。 海外送金の手数料で損しないために知っておきたいこと 海外送金を行う際には、送金手数料だけでなく、為替レートや中継銀行手数料など、さまざまなコストが発生します。これらの仕組みを理解しておかないと、思わぬ損失につながることもあります。ここでは、送金時に注意すべきポイントや誤解されがちな点について、事前に知っておきたい情報を整理して解説します。 「手数料ゼロ」は本当にお得? 一部の送金サービスでは「手数料無料」と表示されていることがありますが、実際には為替レートに手数料相当のスプレッド(上乗せ)が含まれているケースもあります。送金コストを正確に把握するには、送金手数料だけでなく、為替レートの設定も確認することが重要です。 海外送金と消費税の関係 海外送金そのものには消費税はかかりません。これは、消費税が国内消費に対して課される税金であるためです。ただし、送金の目的や取引内容によっては税務上の取り扱いが異なる場合もあるため、詳細は税務署や専門家に確認するといいでしょう。 出典)国税庁「国外取引」 送金キャンセルを行った場合でも手数料が返金されるケースもある 送金手続きが完了していない場合や、キャンセルが可能なタイミングであれば、手数料が返金されるケースもあります。ただし、返金には別途手数料がかかる場合があるため、事前に各サービスの規約を確認しておきましょう。 手数料が不明な場合の確認方法 中継銀行を経由する送金では、手数料の総額が事前に分かりづらいことがあります。サービスのサポート窓口に問い合わせて、受取人負担の有無、概算の目安を確認しておくと安心です。ただし、送金経路が確定するまで正確な金額は提示できないケースが多いため、目安として把握することが現実的です。 まとめ|手数料を理解して賢く送金しよう 海外送金には、送金手数料・中継銀行手数料・受取手数料・為替レートのスプレッドなど、さまざまなコストが関係しています。これらの仕組みを理解せずに送金を行うと、思わぬ手数料負担や受取金額の減少につながる場合があります。 この記事では、手数料の種類や計算方法、主要な送金サービスの比較、コストを抑えるためのポイント、そして誤解されがちな注意点までを網羅的に解説しました。 送金目的や送金先の国、金額、頻度によって最適なサービスは異なります。銀行・ネット銀行・資金移動業者それぞれにメリット・デメリットがあるため、事前に比較検討し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。 ※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2025.11.28海外送金
  • 【フラット35】2025年12月金利予想|公認会計士が11月20日の機構債から分析!

    【フラット35】2025年12月は1.97%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】11月金利は1.90%に決定|千日太郎の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の11月金利を1.89%~1.92%と予想し、結果は1.90%となりました。予測は的中しましたが、その背景には国債利回りや機構債の動き、そして住宅金融支援機構の「激変緩和」策がありました。 今回は、2025年12月の【フラット35】金利を予想します。11月20日に発表された機構債の表面利率は2.30%と大幅に上昇し、新発10年国債利回りも1.79%まで急伸。さらに、逆ザヤ問題が過去最大に拡大する中、住宅金融支援機構がどこまで金利を抑えられるのかが焦点です。 この記事では、12月の金利予想レンジと2つのシナリオ、その背景にある国債利回り・機構債・ローンチスプレッド・E55債の影響をわかりやすく解説します。 2025年12月の【フラット35】金利は1.97% に決定しました(更新日:2025年12月1日)。 【フラット35】2025年11月金利予想の結果とその検証 2025年11月の金利は1.90%に決定|金利予想は的中 2025年11月の【フラット35】金利は1.90%に決定しました。これは、前回の記事で提示した予想レンジ(1.89%~1.92%)の下限に収まる結果です。 予想が的中した背景には、国債利回りや機構債の動き、そして住宅金融支援機構による「激変緩和」策がありました。急激な金利変動を避けるため、機構は過去の事例同様、上昇幅を最小限に抑える調整を行ったと考えられます。 フラット35金利の決定ロジックと背景 【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 2025年10月の主要データは以下のとおりです。 新発10年国債利回り:1.64%(前月比+0.03ポイント) 機構債の表面利率:2.15%(前月比+0.03ポイント) ローンチスプレッド:0.51%(横ばい) このデータから、機構債の表面利率は前月比で0.03ポイント上昇していますが、【フラット35】の10月から11月にかけての金利は、住宅金融支援機構が調整幅を広げることで、0.01ポイントの上昇で抑えられました。これは、住宅ローン利用者の負担増を避けるための政策的判断といえます。 なぜ金利上昇が抑えられたのか? 最大の理由は、住宅金融支援機構が逆ザヤを許容して低金利を維持していることです。 逆ザヤとは、機構債の「仕入れ金利」が【フラット35】の「貸出金利」を上回る状態を指します。 2025年10月の機構債の表面利率が2.15%に対し、2025年11月の【フラット35】は1.90%。その差は0.25ポイントで、過去最大の逆ザヤ幅となっています。営利を目的としない住宅金融支援機構だからこそ可能な調整ですが、この状態が長期化すれば、今後の金利政策に影響を与える可能性があります。 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 月 機構債表面利率(機構債発表日) フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%(5月22日)1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%(6月20日)1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%(7月18日)1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%(8月21日)1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%(9月19日)1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%(10月17日)1.90%-0.25ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 【フラット35】2025年12月金利予想 2025年12月の金利予想レンジは1.90%~1.95% 2025年11月は、新発10年国債利回りが1.79%まで急上昇し、機構債の表面利率も2.30%と過去半年で最大の上昇幅を記録しました。 通常であれば、この水準の機構債利率に連動して【フラット35】の金利も大きく上昇するはずですが、住宅金融支援機構は過去の傾向から急激な変化を避ける調整を行うと見られます。 そのため、2025年12月の【フラット35】金利は1.90%~1.95%と予想します。これは、前月比で最大でも+0.05ポイント程度の上昇にとどまる見込みです。 【フラット35】金利推移と2025年12月予想 9月 10月 11月 12月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 1.89% 1.89% 1.90% 1.90%~1.95%※12/1発表の金利は1.97%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:1.90%「激変緩和」 このシナリオでは、住宅金融支援機構が国債利回りや機構債の急騰をあえて反映させず、金利を据え置く、または最小限の上昇に抑えると想定します。 背景には、住宅ローン利用者の負担増を避ける政策的意図があります。過去の事例でも、急騰局面では「激変緩和」が適用され、金利上昇幅は0.00~0.03ポイント程度に抑えられたケースが多く見られます。この場合、2025年12月の金利は前月と同じ1.90%となる可能性があります。 シナリオ②:1.95%「マイナス幅の限度+激変緩和」 もう一つのシナリオは、逆ザヤの限度を考慮しつつ、過去の調整パターンを踏まえたものです。2025年10月の機構債の表面利率と2025年11月の【フラット35】の金利差は0.25ポイントと過去最大に拡大しました。 もしこの差を維持するなら、2025年12月の【フラット35】金利は2.05%になる計算ですが、これは前月比で+0.15ポイントと急激な上昇です。過去の事例では、こうした急騰局面では「激変緩和」により上昇幅を0.05ポイント程度に抑える傾向があるため、1.95%が現実的な上限と考えられます。 主要データ(機構債・国債・ローンチスプレッドの推移) 主要データ(2025年11月20日時点) 機構債発表日 2025年8月21日 2025年9月19日 2025年10月17日 2025年11月20日 機構債の表面利率(※1) 2.08% 2.12% 2.15% 2.30% 新発10年国債利回り(※2) 1.61% 1.61% 1.64% 1.79% ローンチスプレッド(※1) 47bps(0.47%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】2025年12月金利予想の背景にある4つの要素 新発10年国債利回りの急上昇(+0.15ポイント) 2025年10月から11月にかけて、新発10年国債利回りは1.64%から1.79%へ急伸しました。この背景には、高市政権による積極的な財政出動と、インフレ期待の高まりがあります。 特に、2025年度補正予算案の規模拡大が議論され、国債増発観測が強まったことで、長期金利に上昇圧力がかかりました。国債利回りは【フラット35】の金利決定に直結するため、この急騰は12月金利予想において最も重要な要素です。 機構債の表面利率と逆ザヤ問題(過去最大0.25ポイント) 機構債の表面利率は、2025年10月の2.15%から11月には2.30%へと0.15ポイント上昇しました。これに対して、【フラット35】の金利は10月から11月に1.90%へわずかに上昇しただけで、両者の差は0.25ポイントに拡大しました。 この「逆ザヤ」は過去最大であり、住宅金融支援機構が収益を犠牲にして低金利を維持している状態です。非営利の政策機関だからこそ可能な対応ですが、この状況が長期化すれば、今後の金利政策に影響を与える可能性があります。 ローンチスプレッドの横ばい傾向と意味 ローンチスプレッドとは、機構債の表面利率と新発10年国債利回りの差であり、2025年12月時点で0.51%の横ばいです。この横ばい傾向は、機構債のリスクプレミアムが安定していることを示し、市場が長期金利の急騰を一時的な現象と見ている可能性を示唆します。 つまり、スプレッドが拡大していないことは、【フラット35】の金利が急騰するリスクをやや緩和する要因となっています。 E55債の登場|低コスト資金調達の可能性 2025年10月に導入されたE55債は、住宅金融支援機構が新たに採用した資金調達手段です。従来の機構債と同様、住宅ローン債権を裏付けに発行されますが、特徴はより低コストである点にあります。 具体的には、表面利率が1.63%と機構債よりも低く、ローンチスプレッドも0.36%と小さいため、発行額が拡大すれば、機構はより安価に資金を調達でき、【フラット35】の低金利維持に寄与する可能性があります。今後、E55債の発行動向は、フラット35の金利動向を占う重要な指標となるでしょう。 E55債の概要 発表日 表面利率 10年国債利回り ローンチスプレッド 2025年10月22日1.63%1.27%0.36% ※1 出典)住宅金融支援機構「貸付債権担保E55債発行条件」 【フラット35】2025年12月金利予想の再確認と今後の見通し 住宅ローン利用者への影響|返済額はどう変わる? 2025年12月の【フラット35】金利は、前月比で最大+0.05ポイント程度の上昇が見込まれます。仮に金利が1.90%から1.95%に上昇した場合、借入金額3,000万円・返済期間35年のケースでは、月々の返済額が764円増加します。 一見すると小幅な増加ですが、長期的には総返済額で約320,000円の差が生じるため、金利動向を注視することが重要です。 借り換え検討のタイミングと注意点 今後の金利上昇局面では、以下のポイントを押さえておく必要があります。 固定金利の早期確保:変動金利から固定金利への切り替えを検討するタイミング 借り換えシミュレーションの実施:金利差だけでなく、諸費用や残債額を考慮した総合判断 フラット35の特徴を理解:長期固定で安心感がある一方、借り換え時の手数料や団信条件も確認 特に、今後の国債利回りの動向次第では、民間銀行の固定金利が先に上昇する可能性があるため、早めの行動がリスク回避につながります。 低金利はいつまで続く?政策と市場動向を徹底分析 高市政権の積極財政とインフレ圧力により、長期金利は上昇傾向にあります。しかし、住宅金融支援機構は政策的役割を担う非営利機関であり、「住宅金融の円滑化」を目的に、急激な金利上昇を抑える調整を続けています。 さらに、2025年10月に導入されたE55債による低コスト資金調達が進めば、【フラット35】の低金利維持に寄与する可能性があります。ただし、逆ザヤが長期化すれば、将来的には金利引き上げ圧力が強まるため、2026年以降は緩やかな上昇トレンドに入る可能性も視野に入れておくべきでしょう。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

  • 住宅ローンで不動産投資はばれる?契約違反の影響と賃貸が認められる条件を解説

    住宅ローンで不動産投資はばれる?契約違反の影響と賃貸が認められる条件を解説

    住宅ローンは金利が低く、住宅ローン控除などの優遇措置もあるため、「投資用物件の購入に使えたら」と考える方もいるかもしれません。しかし、住宅ローンはあくまで自己居住用の住宅を購入するためのローンであり、投資目的での利用は契約違反となります。 この記事では、住宅ローンで不動産投資をすると「なぜばれるのか」、契約違反によって生じる影響、そしてやむを得ない事情がある場合に賃貸が認められる条件について解説します。 住宅ローンで不動産投資をしてはいけない理由 住宅ローンは、自己居住用の住宅を購入するためのローンです。投資目的で利用すると、契約違反となり、金融機関から一括返済の請求や信用情報への影響など、厳しい対応を受けることがあります。 たとえば、全期間固定金利のフラット35では、利用条件に「第三者に賃貸する目的の物件などの投資用物件の取得資金にはご利用いただけません」と明記されています。 このように、住宅ローンはあくまで「自分や親族が住む家」のためのローン商品であり、投資用物件の購入には使えません。 出典)【フラット35】「ご利用条件」 住宅ローンと不動産投資ローンの違い 住宅ローンと不動産投資ローンでは、資金使途や金利相場、税制優遇などに明確な違いがあります。 項目 住宅ローン 不動産投資ローン 主な担保対象 自己居住用住宅 賃貸用不動産 金利相場 一般的に低め 一般的に高め 住宅ローン控除 あり なし ※筆者作成 住宅ローンは金利が低く、一定の条件を満たせば住宅ローン控除も受けられます。一方、不動産投資ローンは住宅ローン控除の対象外で、金利も高めです。 つまり、住宅ローンを不正に使って投資を行うことは、制度の趣旨に反する行為であり、発覚した場合には重大なペナルティを受けるリスクがあります。 住宅ローンの不正利用が発覚する主な理由 金融機関は、住宅ローンの契約者の居住実態を複数の方法で確認しています。そのため、投資目的での不正利用は意外なところから発覚することもあります。 以下に、発覚する場合の具体例を紹介します。 金融機関からの郵便物が届かない 住宅ローンの返済中は、年末残高証明書や返済予定表などの書類が契約者宛に郵送されます。しかし、投資目的で物件を賃貸に出していると、これらの郵便物が届かず返送されることがあります。 これらの郵便物は「転送不要郵便」で送られるため、転送届を出しても新住所には届かず、結果として居住実態が明らかになる場合があります。 契約者の自宅訪問で発覚 金融機関の担当者が、居住確認のために現地を訪問する場合もあります。これは、ローン契約時や返済中の定期的な確認として行われることがあります。 このとき、契約者以外の人物が住んでいることや、空室であることが判明した場合、不正利用が疑われ、調査が行われることがあります。 確定申告で発覚 不動産投資による家賃収入がある場合、不動産所得として確定申告が必要です。住宅ローンを組んだ直後から不動産所得が発生していると、税務署が不正利用の疑念を持つ場合があります。 特に、住宅ローン控除を受けている場合は、「居住の実態」が要件となるため、家賃収入との整合性が取れないと、控除の否認や調査の対象になることもあります。 フラット35における不正利用事案と機構の対応 2018年、フラット35において「投資用物件を自己居住用と偽る」「住宅購入価格を水増しした売買契約書で融資申し込みを行う」といった不正利用の疑いが多数確認されました。 この問題を受けて、住宅金融支援機構は、特定の住宅売主や不動産仲介業者が関与した113件の融資案件について調査を実施し、その結果、105件で不適正利用の事実が確認されました。 ■不正利用の主な内容 投資目的での利用 自己居住用と偽ってフラット35を申し込み、実際には投資目的で物件を取得。 売買価格の水増し 実際の住宅購入価格より高額な売買契約書を作成し、過剰な融資を受ける。 出典)住宅金融支援機構「フラット35の不適正利用懸念事案に係る調査結果の公表」 住宅金融支援機構の対応 上記のような事案に対し、住宅金融支援機構は以下のような厳正な対応を行いました。 借入金の一括返済請求など、法的措置も含めた厳正な処置 関係機関の調査等への協力 再発防止策の実施(お客さまへの注意喚起の徹底・融資審査の強化) また、お客さまが融資住宅に居住していない可能性のある案件については、不適正利用のモニタリングも継続的に実施していく方針が示されています。 住宅ローンを使った不動産投資の契約違反による影響 住宅ローンを投資目的で利用することには、契約違反による重大な影響を受ける可能性があります。以下に、契約違反によって生じる主な影響を解説します。 一括返済を求められる 住宅ローン契約では「期限の利益の喪失条項」が設けられています。これは、契約違反があった場合に、分割返済の権利(期限の利益)を失い、残債の一括返済を求められるというものです。 「期限の利益」とは、契約通りに返済している限り、毎月の分割返済が認められる権利のことです。しかし、資金使途違反(=投資目的での利用)が発覚すると、この権利を失い、金融機関から残債の一括返済を迫られる場合があります。 関連記事はこちら期限の利益とは?意味や喪失事由、注意点について解説 新たな借り入れが難しくなる 住宅ローンの不正利用が発覚し契約解除や延滞が発生した場合、その情報が個人信用情報に記録されます。金融機関はローン審査時に信用情報を確認するため、将来的な住宅ローンやその他の融資の審査に通りにくくなることがあります。 住宅ローンを利用していても賃貸が認められる条件 住宅ローンは基本的に自己居住用の住宅を対象としていますが、一定の条件を満たす場合に限り、賃貸が認められる場合もあります。ここでは、代表的な2つの賃貸が認められる場合について紹介します。 転勤などで自宅に住めなくなった場合 転勤や長期入院など、やむを得ない事情により契約者が住宅に居住できなくなった場合、金融機関の承諾を得ることで、一定期間の賃貸が認められる可能性があります。 ただし、対応は金融機関によって異なるため、事前に必ず相談することが重要です。また、居住していない期間は原則として住宅ローン控除の対象外となります。 なお、転勤後に再び住宅に戻って居住する場合は、一定の要件を満たせば、控除の再適用が認められる場合もあります。詳しくは所轄の税務署などに確認しましょう。 出典) ・【フラット35】「年収による借入額などの制限はありますか。」 ・国税庁「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等」 賃貸併用住宅を取得する場合 賃貸併用住宅とは、自己居住スペースと賃貸用スペースが同じ建物内に共存する住宅のことです。この場合、以下のような条件を満たすことで住宅ローンの利用が認められる可能性があります。 居住部分の床面積が建物全体の床面積の2分の1以上であること 自己居住用としての利用が明確であること これらの条件を満たしていれば、住宅ローンの対象として認められる場合がありますが、金融機関によって判断基準が異なるため、事前に確認が必要です。 出典)【フラット35】「対象となる住宅・技術基準」 まとめ 住宅ローンは自己居住用を前提とした制度であり、賃貸などの投資目的での利用は契約違反となります。不正が発覚すれば、一括返済や信用情報への影響など、重大な契約違反の結果を招く恐れがあります。 一方で、住宅ローンを利用していても、転勤などやむを得ない事情がある場合や、賃貸併用住宅の条件を満たす場合には、金融機関の承諾を得て賃貸が認められることもあります。ただし、自己判断せず、事前に金融機関や税務署に相談し、正しい手続きを踏むことが重要です。 「金利が低いから」「控除があるから」と安易に住宅ローンを投資に使うのではなく、目的に合ったローンを選ぶことが、将来のトラブルを防ぎ、安心した資産形成につながります。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りるローンのことです。無担保ローンに比べて、まとまった金額を低金利で借りられる一方、返済が滞ると不動産が競売にかけられるリスク...