公開日:2026.03.19
こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年3月金利は2.25%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の2026年3月金利を2.13%~2.17%と予想しましたが、結果は2.25%となりました。
まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年4月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。
【2026年4月 フラット35金利予想】
2026年3月現在、中東情勢の緊迫化などを背景に新発10年国債利回りは高い水準で推移しており、固定金利タイプの住宅ローンには上昇圧力がかかっています。
この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、最新の機構債と市場動向から2026年4月の【フラット35】金利予想を解説します。

2026年3月の【フラット35】金利は2.25%に決定し、2月下旬での予想レンジ(2.13%~2.17%)の上限から0.08ポイント高い結果となりました。
千日太郎の予想は、3月は新発10年国債利回りが0.15ポイント下がり、機構債の表面利率も0.13ポイント下がったことに鑑み、0.09~0.13ポイント程度の低下を期待したものでした。しかし、【フラット35】の低下は、わずか0.01ポイントにとどまっています。
なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。
予想以上に金利が上昇したとはいえ、市場金利の上昇幅に比べれば【フラット35】の上昇は抑制されています。これを支えているのは、過去連続10か月にわたって【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。
2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大を続け、2026年2月には0.52ポイントに達しましたが、3月には0.40ポイントとなりました。独立行政法人として国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構が、自身の収益を圧迫してでも、どこまでこの「逆ザヤ」を許容し貸付金利の上昇を抑制するかが予想の焦点となります。
2月から3月の動きを踏まえ、千日太郎は次のような仮説を立てています。
逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35)
| 年月 | 機構債表面利率 | 機構債発表日 | フラット35金利 | 金利差(逆ザヤ) |
|---|---|---|---|---|
| 2025年6月 | 1.94% | 5月22日 | 1.89% | -0.05ポイント |
| 2025年7月 | 1.88% | 6月20日 | 1.84% | -0.04ポイント |
| 2025年8月 | 2.02% | 7月18日 | 1.87% | -0.15ポイント |
| 2025年9月 | 2.08% | 8月21日 | 1.89% | -0.19ポイント |
| 2025年10月 | 2.12% | 9月19日 | 1.89% | -0.23ポイント |
| 2025年11月 | 2.15% | 10月17日 | 1.90% | -0.25ポイント |
| 2025年12月 | 2.30% | 11月20日 | 1.97% | -0.33ポイント |
| 2026年1月 | 2.45% | 12月17日 | 2.08% | -0.37ポイント |
| 2026年2月 | 2.78% | 1月22日 | 2.26% | -0.52ポイント |
| 2026年3月 | 2.65% | 2月18日 | 2.25% | -0.40ポイント |
※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」

※「住まいとお金の知恵袋編集部」作成
2026年3月から4月にかけて、新発10年国債利回りは2.12%から2.24%へ、0.12ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.65%から2.79%へと0.14ポイント上昇しています。単純計算すれば、4月の【フラット35】は0.12~0.14ポイントの上昇となります。
これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。
【フラット35】金利推移と2026年4月予想
| 2026年1月 | 2026年2月 | 2026年3月 | 2026年4月 | |
|---|---|---|---|---|
| 【フラット35】の金利(※) | 2.08% | 2.26% | 2.25% | 千日太郎の予想 2.25%~2.35%(※理論上の上限リスク:2.39%) |
※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」
直近の住宅金融支援機構の動向を踏まえると、機構債の上昇幅(0.14ポイント)がそのまま反映されるのではなく、激変緩和措置によって一定の上昇幅に抑制される可能性が高いと予測されます。逆ザヤの許容範囲を考慮した現実的な着地点として、2.35%を予想のメインレンジの上限とします。
下限となる2.25%は、激変緩和措置により金利上昇が抑制されるシナリオです。これまでも急激な市場金利の上昇局面において、住宅金融支援機構は貸付金利の上昇を抑制してきた実績があります。仮に同措置が最大限適用された場合、前月水準に据え置かれる可能性も残されています。
ただし、金利が横ばいとなる可能性は限定的と推測されます。仮に【フラット35】が前月と同水準の2.25%となった場合、逆ザヤは0.54ポイントに達し、直近で最大であった2月の0.52ポイントを超えてさらに拡大することになるためです。
リスクシナリオとして、住宅金融支援機構がこれ以上の逆ザヤ拡大を許容せず、機構債の表面利率の上昇幅(0.14ポイント)をそのまま貸付金利に反映させた場合、2.39%まで上昇する恐れがあります。あくまで理論上の上限値ですが、市場の振れ幅を考慮し、最悪のケースとして想定しておく必要があります。
主要データ(2026年3月18日時点)
| 機構債発表日 | 2025年12月17日 | 2026年1月22日 | 2026年2月18日 | 2026年3月18日 |
|---|---|---|---|---|
| 機構債の表面利率(※1) | 2.45% | 2.78% | 2.65% | 2.79% |
| 新発10年国債利回り(※2) | 1.94% | 2.27% | 2.12% | 2.24% |
| ローンチスプレッド(※1) | 0.51% | 0.51% | 0.53% | 0.55% |
※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」
※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。
最近の【フラット35】金利は、新発10年国債利回りの上昇を背景に、上昇圧力が続く局面にあります。一方で、中東情勢など不確定要素も多く、市場は想定以上に振れやすい環境です。また、日銀の利上げ路線が継続される見通しであることから、金利が低下に転じる可能性は低いと推測されます。
こうした中で将来の金利を固定できる点は、家計の見通しを安定させる大きなメリットです。短期的な上下に一喜一憂するのではなく、長期での返済可能性とリスク許容度を踏まえ、ご自身に合った選択をすることが重要です。
引き続き【フラット35】については、公的融資という側面から急激な変動が抑えられると予測されますが、早めの資金計画や仮審査の申し込みなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをおすすめします。
※この記事は2026年3月18日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。
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