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  • 地震保険で家財は補償される?補償範囲と加入判断のポイント

    地震保険で家財は補償される?補償範囲と加入判断のポイント

    地震による被害に備えるため、建物だけでなく家財補償も重要です。しかし、地震保険で家財がどこまで守られるのか、補償範囲や保険金額の仕組みを正しく理解していないと、「保険金が支払われない」という事態になりかねません。 この記事では、地震保険で補償される家財と対象外のもの、保険金額の決まり方、そして加入判断のポイントをわかりやすく解説します。地震保険の基本的な仕組みや火災保険との違いについては、以下の記事をご参考にしてください。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 地震保険で家財は補償される?基本の仕組みと補償範囲 地震保険は単独では契約できず、必ず火災保険とセットで加入する仕組みです。契約の形は次の3パターンから選べます。 建物のみ :建物だけを補償 家財のみ :家財だけを補償 建物+家財:建物・家財を補償 ここで注意したいのは、建物の地震保険に加入していても家財は自動的に補償されないという点です。まずは、どのようなものが「家財」として補償対象になるのか確認しましょう。 地震保険で補償される家財の具体例 地震保険で補償される家財は、居住用建物に収容されている生活用動産(普段の生活に使う動かせるもの)です。具体的には次のようなものが対象になります。 家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、パソコンなど) 家具(ベッド、ソファ、タンス、食器棚など) 衣類・寝具 食器・調理器具 これらは日常生活に欠かせない「動かせるもの」です。逆に、キッチンや浴槽、備え付けのクローゼットなどの動かせない設備は「建物」の一部として扱われ、家財補償の対象外となります。 地震保険で補償されない家財と対象外になる理由 地震保険で補償されない家財には、次のようなものがあります。 自動車・バイク(総排気量125cc以下の原動機付自転車を除く) 現金や通貨類(小切手、株券、商品券など) 印紙・切手 高額な貴金属・宝石・骨とう品(1個または1組で30万円超) データやソフトウエア(パソコン内部のデータなど) これらが対象外となる理由は、価値の評価が難しいことや、地震による損害の確認が困難なためです。 特に注意が必要なのは「自動車」です。通常の自動車保険(車両保険)でも、地震・噴火・津波による損害は原則として補償されません。車を守るには、自動車保険に「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」などの特約を付帯する必要があります。 地震保険で補償される家財の保険金額と損害認定の仕組み 「家財が壊れたら修理代が出る」と思っている方もいるかもしれませんが、地震保険は実損払い(修理費の支払い)ではありません。保険金は、損害の程度に応じて定められた割合で支払われる仕組みです。 地震保険で補償される家財の支払基準 地震保険では、保険の対象である家財全体の時価に対する損害額の割合に応じて、次の4段階で認定されます。 損害の程度 認定基準(家財全体の時価に対する損害額) 支払われる保険金 全損 80%以上 地震保険金額の100%(時価額が限度) 大半損 60%~80%未満 地震保険金額の60%(時価額の60%が限度) 小半損 30%~60%未満 地震保険金額の30%(時価額の30%が限度) 一部損 10%~30%未満 地震保険金額の5%(時価額の5%が限度) ※平成29年1月1日以降保険始期の地震保険契約の場合 出典)財務省「地震保険制度の概要」をもとに筆者作成 重要なのは、「家財全体の中でどれくらいの割合が被害を受けたか」で判断されるという点です。食器や家具、家電などをカテゴリーごとに分類し、それぞれの被害状況をポイント化して算出します。 「1点だけ壊れた」では保険金が出ない理由と仕組み 地震保険は損害割合で認定されるため、家財の場合は1つだけ壊れても基準に達しない場合があります。例えば、地震により数十万円する大型テレビが壊れても、他の家財が無事なら損害割合が10%未満となり、「一部損」にも該当せず保険金は支払われません。「1点壊れたら補償される」という誤解に注意しましょう。 保険金が支払われないその他のケースと注意点 損害認定の基準以外にも、次のようなケースでは補償対象外となります。 地震発生日の翌日から10日経過後に生じた損害 時間が経過すると、地震との因果関係の証明が難しくなるためです。 紛失や盗難による損害 地震の混乱に乗じた盗難や、避難中の紛失は補償されません。 家財にも地震保険は必要?加入判断のポイント 建物への地震保険だけでなく、家財も補償対象にすべきかどうかは、次のポイントで判断しましょう。 生活再建に必要な自己資金を備えているか 被災後の生活では、避難費用や仮住まいの確保に加え、冷蔵庫や洗濯機、衣類などの買い直しに数十万円~百万円単位の出費が発生することもあります。これらの費用を貯蓄で賄えない場合は、家財を対象とした地震保険加入を検討しましょう。 高額な家財を所有しているか 大型家電や高級家具など、生活を構成する家財の総額が高い世帯ほど、被災時の経済的ダメージは大きくなります。家財の評価額(時価)を試算し、失った場合のインパクトを把握することが重要です。 地震保険に加入したらいくら受け取れるか 地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲で設定されます(家財の上限は1,000万円)。例えば、家財の再調達価額が1,000万円の場合、火災・地震保険金額は以下のようになります。 火災保険金額:1,000万円 地震保険金額:最大500万円(50%設定の場合) つまり、地震保険だけでは生活を完全に元通りにすることはできません。地震などが起きた場合に「全額は出ないが、当面の生活再建費として数百万円が下りれば助かるかどうか」という視点で判断しましょう。 関連記事はこちら家財保険とは?補償内容と必要性を解説 まとめ 地震保険の家財補償は、被災後の生活を立て直すための重要な資金源になります。しかし、「自動車や現金は対象外」「1点だけ壊れても保険金が出ない場合がある」など、仕組みを正しく理解していないと期待した補償が受けられないこともあります。 加入を検討する際は、次の3つの視点で判断しましょう。 自己資金で生活再建が可能か 高額な家財を所有しているか 保険金額の上限を把握したうえで、生活再建にその資金が必要か 地震保険だけで「元通りの生活」を完全に取り戻すことはできませんが、数百万円の補償があることで生活再建の負担を大きく減らせる可能性があります。ご自身の家財の量や貯蓄額を確認し、必要な備えを検討してみてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 日本は「地震大国」と言われており、過去には巨大地震が発生して住宅が倒壊するなどの被害が生じています。地震による建物や家財の被害に備えるには、地震保険を付帯するのが有効です。万が一被害にあった...

    2026.01.21お金の悩み
  • 海外送金はいくらまで?限度額と税金の仕組みをわかりやすく解説

    海外送金はいくらまで?限度額と税金の仕組みをわかりやすく解説

    海外送金をする際に気になるのが「いくらまで送れるのか」「税金はかかるのか」という点です。送金額が大きくなると、外為法や金融機関のルールに加えて、贈与税や所得税などの税制上の対応が必要になる場合があります。また、税務署から問い合わせを受けるケースもあるため、正しい知識を持って準備しておくことが重要です。 この記事では、海外送金の限度額や税金の仕組み、非課税となる条件、税務署への対応方法までわかりやすく解説します。さらに、海外送金の基本から仕組み、手数料、各サービスの比較まで網羅した記事もあわせて参考にしてください。 関連記事はこちら海外送金とは?初心者にもわかる仕組み・手数料・安全な方法まとめ 海外送金の限度額とは? 海外送金を行う際には、送金できる金額に制限があります。これは、外為法や金融機関が定めるルールによって決まっており、送金目的や利用するサービスによっても異なります。これらの制限は、マネー・ローンダリング防止やテロ資金供与防止、税務調査の円滑化を目的としています。 海外送金はいくらまで送れる?外為法と金融機関のルール 日本では、海外送金に関して外為法(外国為替及び外国貿易法)が適用されます。外為法第55条では、日本から海外の銀行口座に送金する場合、送金額が3,000万円を超えると、日本銀行(財務大臣)への事後報告が必要と定められています。これは、国が国際収支を正確に把握するための統計上の手続きであり、送金自体が制限されるわけではありません。 さらに、金融機関や送金サービス事業者は、マネー・ローンダリング防止や不正取引防止の観点から、独自に送金限度額を設定しています。例えば、ネット銀行や資金移動業者では、1回あたり数百万円までとするケースが多く、銀行窓口ではより高額の送金が可能な場合もあります。 出典) ・e-gov 法令検索「外国為替及び外国貿易法」 ・金融庁「金融機関におけるマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策について」 送金目的別の限度額の違い(仕送り・投資・法人送金) 送金目的によっても限度額は変わります。一般的な仕送りや留学費用の場合、金融機関が設定する上限額の範囲内であれば問題ありません。しかし、投資や法人送金など高額な資金移動を伴う場合は、追加の本人確認や契約書の提出が求められることがあります。 また、制裁対象国への送金や、特定の取引に該当する場合は、送金自体が制限されるケースもあるため、事前に金融機関へ確認することが重要です。 高額送金時の注意点と報告義務(税務署通知・審査) 高額送金を行う場合、外為法による報告義務だけでなく、税務署への通知にも注意が必要です。100万円を超える海外送金については、金融機関から税務署へ「国外送金等調書」が提出される仕組みになっています。そのため、送金後に税務署から問い合わせが来ることもあります。 さらに、金融機関は高額送金に対して独自の審査を行うため、送金目的や資金の出所を証明する書類が必要になる場合があります。スムーズな送金のためには、事前に金融機関へ確認し、必要書類を準備しておくことが安心です。 海外送金と税金の関係 海外送金そのものに税金がかかるわけではありません。しかし、送金の目的や金額によっては、贈与税や所得税などの課税対象になる場合があります。ここでは、一般情報として、どのようなケースで税金が発生するのか、また非課税となるのかについて解説します。 海外送金にかかる贈与税(非課税となるケースと必要な手続き) 海外に住む家族への送金であっても、原則として個人から贈与として財産を受け取る場合には贈与税の対象となります。ただし、生活費や教育費など特定の目的であれば非課税となる特例があります。ここでは基本的な課税ルールと、非課税措置を正しく受けるためのポイントを解説します。 出典) ・国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」 ・国税庁「No.4405 贈与税がかからない場合」 贈与税の基本(年間110万円の基礎控除) 贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた残額に対して課税されます。 例えば、年間で200万円を送金した場合、基礎控除額を超えた「90万円」が課税対象となります。 生活費・教育費が非課税となる条件 親子や夫婦などの扶養義務者から送られる「生活費や教育費」は、贈与税の課税対象にはなりません。国税庁の規定では、非課税となる「生活費」や「教育費」について、以下のように定められています。 生活費 その人(受贈者)が通常の日常生活を営むのに必要な費用(治療費、養育費など) 教育費 その人(受贈者)の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費など 預金や投資への流用は課税対象となる点に注意 名目が「生活費」であっても、使い切れずに余った資金を「預金(貯蓄)」したり、株式や不動産の購入資金に充てたりした場合は、非課税の対象外(贈与)となります。非課税措置はあくまで「生活や教育のために消費した資金」に限られます。 海外への報酬・使用料支払い時に源泉徴収が必要なケース 居住者(日本の個人や法人)が、海外に住む人(非居住者)や外国法人に対して、日本国内で行った業務への報酬や、工業所有権等の使用料などを支払う場合、支払う側で所得税等の源泉徴収が必要となることがあります。 本来、税金を納めるのは「報酬を受け取る側(海外の相手)」ですが、日本の税法上、海外にいる相手から税金を徴収するのは困難です。そのため、「支払う側(日本国内の送金者)」が、支払金額からあらかじめ税金を差し引いて(源泉徴収して)、代わりに日本の税務署へ納付する義務が課されています。 具体的には、相手に対して「税金分を差し引いた金額」を送金し、差し引いた税金は支払った月の翌月10日(場合によっては翌月末日)までに税務署へ納付します。 ただし、すべての送金が課税対象ではなく、「国内源泉所得(日本国内で行った業務への報酬や、日本からの不動産賃貸料など)」に該当する場合に限られます。 出典) ・国税庁「非居住者等に対する源泉徴収のしくみ」 ・国税庁「No.2878 国内源泉所得の範囲」 税務署への対応と必要書類 海外送金を行った後、税務署から問い合わせが来るケースがあります。特に高額送金や贈与税・所得税の対象となる場合は、申告や書類提出が必要です。この章では、税務署への対応方法と必要書類、税務調査への備え方を解説します。 税務署への申告が必要なケースと罰則 海外送金で贈与税や所得税の課税対象となる場合、申告期限までに適切な手続きを行う必要があります。贈与税の場合、贈与を受けた人が翌年の2月1日から3月15日までに申告・納税を行います。 申告を怠った場合には、本来の税金に加え、以下の罰則(付帯税)が課される可能性があります。 延滞税(利息相当分) 法定納期限の翌日から完納する日までの日数に応じて課されます。 なお、納期限の翌日から2か月を経過する日以後は、それまでの期間に比べて高い割合の税率が適用されます。 加算税 申告漏れや無申告に対して課されます(過少申告加算税、無申告加算税など)。 重加算税 事実を隠ぺい・仮装するなど悪質な場合、上記の加算税に代わって35%~40%の(過去に無申告加算税が課されたことがある場合などは最大50%)の高い税率が適用されます。 不安な場合は、税務署や税理士に早めに相談することが重要です。 出典) ・国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」 ・国税庁「延滞税の計算方法」 ・国税庁「無申告事案における重加算税の賦課要件」 必要書類の一覧 税務署に申告や説明を行う際には、送金目的や送金の事実を示す書類を準備しておくと安心です。代表的な書類は以下のとおりです。 戸籍謄本(家族関係の証明) 送金明細書・通帳 契約書(投資や法人送金の場合) 領収書や請求書(教育費・生活費など) 送金依頼書の控え これらの書類を保管しておくことで、税務署からの問い合わせにもスムーズに対応できます。 税務調査への備え方 海外送金額が100万円を超える場合、金融機関から税務署に「国外送金等調書」が提出されるため、税務署から問い合わせが来る可能性があります。100万円以下であっても、税務署が必要と判断すれば調査が行われることがあります。 こうした税務調査に備えるためには、いくつかの準備をしておくことが望ましいです。まず、送金目的や金額を証明できる書類を整理し、保管しておくことが重要です。次に、疑問点や不安がある場合は、税務署や税理士に早めに相談しておくと安心です。さらに、国税庁が設けている相談窓口を活用することで、正しい情報を得ることができます。 事前にこうした準備を進めておけば、税務署から問い合わせや調査があった際にも、落ち着いて対応できるでしょう。 海外送金における税金のよくある誤解と注意点 海外送金に関しては、税金の取り扱いについて誤解されやすいポイントがあります。ここでは、特に多い3つの誤解と注意点を整理します。 「仕送りは非課税」は本当? 上記「海外送金と税金の関係」でも述べたように、海外に住む家族への仕送りは、生活費や教育費に充てられるものであれば、贈与税の課税対象にはなりません。しかし、すべての仕送りが無条件で非課税になるわけではありません。通常の日常生活に必要と認められる範囲を超える高額な送金や貯蓄目的の送金は、贈与税の対象となる可能性があります。 非課税であることを証明するために、用途を裏付ける証拠(領収書・振込明細・契約書など)を保管して備えておくと安心です。 「海外送金=脱税」ではない? 海外送金を行うことや受け取ること自体は脱税ではありません。ただし、課税対象となるにもかかわらず申告を怠った場合は、脱税と見なされることがあります。具体的には、所得の隠蔽や贈与税の無申告、相続税の申告漏れなどが該当します。 正しい知識を持ち、必要な書類を準備し、期限内に申告を行えば問題ありません。不安な場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。 税務署から問い合わせが来たらどうする? 税務署から問い合わせがあった場合、慌てる必要はありません。送金目的や送金額を証明できる書類を準備しておけば、冷静に対応できます。必要な場合は、税務署の指示に従って申告を行い、期限内に納税を済ませましょう。 事前に準備をしておくことで、税務署からの問い合わせや調査にもスムーズに対応できます。 まとめ 海外送金には、外為法や金融機関のルールによる限度額があり、さらに送金目的や金額によっては贈与税や所得税が課税される場合があります。特に高額送金や法人送金では、税務署への申告や必要書類の準備が欠かせません。 扶養義務者からの仕送りや教育費など通常の日常生活に必要と認められる範囲の送金であれば非課税となりますが、証明書類をきちんと保管しておくことが安心につながります。税務署から問い合わせがあった場合も、慌てずに対応できるよう準備しておきましょう。 不安な場合は、国税庁の相談窓口や税理士に早めに相談することをおすすめします。正しい知識と準備があれば、海外送金は安全に行えます。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。 ※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2026.01.16海外送金
  • 地震保険は必要?加入すべき人の特徴と判断基準

    地震保険は必要?加入すべき人の特徴と判断基準

    日本は世界有数の地震多発国です。万が一の被災後に生活を立て直すため、地震保険は重要な備えといえます。しかし、「保険料の負担が大きい」「建物が耐震化されているから大丈夫」といった理由で、加入を迷う人も少なくありません。 この記事では、地震保険の仕組みや公的支援の限界、保険料の決まり方などを整理し、自分にとって必要かどうか判断できる情報をわかりやすく解説します。 地震保険の必要性と補償の仕組み 地震保険が必要かどうか判断するためには、過去の被害状況と補償の仕組みを理解することが重要です。 過去の大地震と住宅被害の実態 日本では過去30年で、震度6~7の大地震が全国各地で発生しています。 出典)一般社団法人日本損害保険協会「地震保険」 直近では、2024年1月1日に発生した能登半島地震(最大震度7)において、以下のような甚大な被害が出ました。 住家全壊:6,536棟 半壊  :23,693棟 一部破損:135,122棟 このように、耐震住宅でも被害を免れないケースが多く、地震保険の必要性は高いといえます。 出典) ・気象庁「日本付近で発生した主な被害地震(平成8年以降)」 ・内閣府 防災情報のページ「令和6年能登半島地震に係る被害状況等について」 地震保険の補償範囲と保険金額 地震保険は、火災保険では補償されない地震・噴火・津波による損害を対象とします。損害の程度に応じて、保険金は次のとおり支払われます。 損害の程度 支払われる保険金 全損 地震保険金額の100%(時価額が限度) 大半損 地震保険金額の60%(時価額の60%が限度) 小半損 地震保険金額の30%(時価額の30%が限度) 一部損 地震保険金額の5%(時価額の5%が限度) 出典)損害保険料率算出機構「地震保険基準料率」 重要な点は、地震保険の保険金額は、火災保険の30~50%の範囲内で設定する必要があることです。また、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限額となります。 つまり、建物が全壊しても、地震保険の保険金だけでは再建費用を全額カバーできません。これは、地震は一度に広範囲で甚大な被害をもたらすことがあり、民間の保険会社だけでは保険金の支払いを賄いきれなくなるリスクがあるためです。 そのため、地震保険は国と保険会社が共同で運営し、万が一の際も確実に保険金が支払われるよう、あえて補償額に上限を設けて制度の安定性を維持しています。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 出典)一般社団法人 日本損害保険協会「地震保険の保険金額の設定にあたっては、どのような制限がありますか。」 公的支援制度の内容と限界 「国からの支援があるから保険は不要」と考える人もいますが、公的支援には上限があります。地震などの災害で住宅が全壊するなどの著しい被害を受けた場合、「被災者生活再建支援制度」により、最大300万円の支援金を受け取ることができます。地域によっては、自治体独自の支援制度を設けている場合もあります。 しかし、昨今の建築費の高騰を考慮すると、最大300万円の支援金だけで住宅を再建することはほぼ不可能です。地震保険は、この不足分を補うための重要な手段といえます。 出典)内閣府「公的支援制度について」 地震リスクと地震保険加入率の地域差 地震保険の必要性を判断するうえで、自分が住む地域の地震リスクを把握することは重要です。ここでは、地域別の地震リスクと地震保険の加入率を紹介します。 地震リスクが高い地域の分布 国立研究開発法人 防災科学技術研究所の「J-SHIS Map」によると、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い地域は下図のとおりです。 出典)国立研究開発法人 防災科学技術研究所「J-SHIS Map」 中でも千島海溝に面している北海道東部、南海トラフ地震が想定される九州から四国、関東までの太平洋側地域の地震リスクが特に高いことがわかります。 地震保険加入率の都道府県別データ 損害保険料率算出機構のデータによると、地震保険の世帯加入率は地域によって大きく異なります。 出典)損害保険料率算出機構「地震保険 世帯加入率」 2024年のデータでは、最も加入率が高いのが宮城県の53.5%、次いで愛知県の44.8%、熊本県の43.4%となっており、過去に大地震を経験した地域やリスクが高いとされる地域で加入率が高い傾向にあります。 ※上記統計は、居住用建物および家財を対象として損害保険会社が取り扱っている「地震保険」のみの数値であり、各種共済については含みません。 地震保険料を決める建物構造と耐震性能 地震保険の保険料は、所在地と建物構造によって大きく変わります。さらに、耐震性能による割引制度を活用すれば、負担を大きく減らすことが可能です。 地震保険料の決定要因|所在地と建物構造 地震保険料は、建物の所在地(都道府県)と建物の構造区分(イ構造・ロ構造)によって決まります。 【年間保険料の例】(注)契約金額1,000万円当たり(割引適用なしの場合) 建物の所在地(都道府県) 建物の構造区分 イ構造(主として鉄骨・コンクリート造) ロ構造(主として木造) 北海道・青森県・岩手県・秋田県・山形県・栃木県・群馬県・新潟県・富山県・石川県・福井県・長野県・岐阜県・滋賀県・京都府・兵庫県・奈良県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・鹿児島県 7,300 円 11,200 円 宮城県・福島県・山梨県・愛知県・三重県・大阪府・和歌山県・香川県・愛媛県・宮崎県・沖縄県 11,600 円 19,500 円 茨城県・徳島県・高知県 23,000 円 41,100 円 埼玉県 26,500 円 41,100 円 千葉県・東京都・神奈川県・静岡県 27,500 円 41,100 円 出典)政府広報オンライン「被災後の生活再建を助けるために。もしものときの備え「地震保険」を」 東京・神奈川など地震リスクが高い地域は保険料も高額で、さらに木造住宅は鉄骨造より約1.5倍~2倍高い傾向があります。加入前に、自分の居住エリアと建物構造を確認し、年間保険料の目安を把握しておきましょう。 耐震性能による地震保険料の割引制度 建物に所定の免震・耐震性能がある場合、以下の割引制度を利用して保険料の負担を減らすことができます。 制度 割引率 要件 免震建築物割引 50% 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく免震建築物である場合 耐震等級割引・耐震等級3 50% 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)又は国土交通省の定める「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」に基づく耐震等級を有している場合 耐震等級割引・耐震等級2 30% 耐震等級割引・耐震等級1 10% 耐震診断割引 10% 地方公共団体等による耐震診断又は耐震改修の結果、改正建築基準法(昭和56年(1981年)6月1日施行)における耐震基準を満たす場合 建築年割引 10% 昭和56年(1981年)6月1日以降に新築された建物である場合 出典)政府広報オンライン「被災後の生活再建を助けるために。もしものときの備え「地震保険」を」 ※割引制度の適用を受けるためには、所定の確認資料の提出が必要です。 ※上記の割引は重複して適用することはできません。 新築や耐震等級が高い住宅なら、保険料は半額になる可能性があります。加入前には、免震建築物割引や耐震等級割引など、適用できる割引条件を必ず確認しましょう。 地震保険加入判断のためのチェックポイント ここまでの情報を踏まえ、地震保険に加入すべき人の特徴を整理します。 自己資金と住宅再建費用の関係 自宅が全壊した場合、公的支援(最大300万円)だけでは再建費用を賄うことはほぼ不可能です。預貯金や自己資金で建て直しや仮住まいの費用をカバーできない場合、地震保険の必要性は非常に高いといえます。 地震リスクが高い地域での備え 南海トラフ地震など、マグニチュード8~9クラスの地震が30年以内に発生する確率は70~80%と予測されています。地震リスクが高い地域に住んでいる場合、経済的な備えとして地震保険は重要です。 ただし、地震は予測できないため、リスクマップだけで判断せず、万が一に備える姿勢が必要です。 家財の損害と地震保険の必要性 地震保険は建物だけでなく、家財も補償対象です。高額な家具や家電が多い場合、損害額も大きくなるため、家財を対象とした地震保険の加入も検討しましょう。 地震補償保険などで不足分を補う方法 通常の地震保険は火災保険の最大50%までしか補償されません。住宅ローンが残っている場合や、元の生活水準を維持したい場合は、地震補償保険などの上乗せ商品や地震保険に追加できる上乗せ特約を検討することが有効です。これにより、再建費用を確実に確保できます。 ※筆者作成 まとめ 日本は世界有数の地震多発国であり、過去には幅広い地域で震度6~7規模の大地震が発生しています。公的支援制度だけで自宅を再建するのは難しく、十分な自己資金がない場合は地震保険の必要性は非常に高いといえます。 ただし、地震保険は火災保険の最大50%までしか補償されません。備えが不十分と感じる場合は、地震補償保険などの上乗せ商品や地震保険に追加できる上乗せ特約を検討し、再建費用を確保することが安心につながります。万が一に備えるため、保険料の目安や割引制度を確認し、自分に合った補償を選ぶことが生活再建のカギとなります。 保険料は月々1,210円※から ※栃木・マンション・保険金額300万円タイプの場合です。SBIリスタ少短のWEBサイトに遷移します。 保険料は月々1,210円※から ※栃木・マンション・保険金額300万円タイプの場合です。 SBIリスタ少短のWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 新耐震基準とは?中古住宅購入時に確認すべき耐震性能のポイント 日本は世界でも有数の地震の多い国であり、住宅の「耐震性」は、安心して暮らすために欠かせない重要な要素です。特に中古住宅を購入する際には、その建物がどの耐震基準に基づいて建てられているかを確認...

  • 地震保険料控除とは?年末調整・確定申告の書き方と記入例

    地震保険料控除とは?年末調整・確定申告の書き方と記入例

    地震保険料控除は、年末調整や確定申告で適用できる所得控除制度のひとつです。地震保険料を支払っている方が一定の条件を満たすことで、所得税や住民税の課税所得から控除され、税負担を軽減できます。 この記事では、制度の概要・対象条件・控除額の計算方法・証明書の取得手順・記入例・注意点まで、わかりやすく解説します。 地震保険料控除とは?制度概要と対象条件 地震保険料控除は、1月1日から12月31日までの1年間に支払った地震保険料に応じて、所得税や住民税の課税所得から一定額を差し引ける制度です。これにより、地震への備えをしながら税負担を軽減できます。 この制度は、2006年の税制改正で「損害保険料控除」が廃止されたことを受け、2007年1月から新たに導入されました。地震保険に加入している方は、年末調整や確定申告でこの控除を適用することで節税効果が得られます。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 控除の対象となる契約条件 地震保険料控除を受けるには、次の条件を満たす必要があります。 居住用として常時使用する建物、または生活に必要な家財が補償対象であること 契約者本人、または生計を一にする配偶者や親族が所有する建物や家財であること なお、空き家やセカンドハウスなど、居住用として使用していない不動産は対象外です。申告前に契約内容を必ず確認しましょう。 出典)国税庁「No.1146 地震保険料控除の対象となる保険や共済の契約」 旧長期損害保険契約の経過措置 2006年12月31日以前に契約した「長期損害保険契約」は、以下の条件をすべて満たす場合に限り、経過措置として控除対象となります。 契約日が2006年12月31日以前であること 保険期間又は共済期間が10年以上で、満期返戻金等があること 2007年1月1日以降に契約内容の変更(異動)を行っていないこと この経過措置は、古い契約を継続している方にとって重要なポイントです。自身が加入している地震保険がどちらに該当するのか確認するようにしましょう。 出典) ・国税庁「No.1145 地震保険料控除」 ・国税庁「地震保険料控除に関する経過措置」 地震保険料控除の金額と計算方法 地震保険料控除の控除額は、契約の種類によって異なります。「地震保険契約」と「旧長期損害保険契約(経過措置)」で計算方法が変わるため、以下で詳しく解説します。 地震保険契約の場合 2007年以降に契約した地震保険はこちらに該当します。控除額は、年間の支払保険料に応じて次のように決まります。控除額には上限があり、5万円を超える部分は一律で5万円となります。 税の種類 年間の支払保険料 控除額 所得税 5万円以下 支払保険料全額 5万円超 一律5万円 住民税 5万円以下 支払保険料×1/2 5万円超 一律2万5,000円 旧長期損害保険契約(経過措置)の場合 2006年12月31日以前に契約した長期損害保険契約は、一定条件を満たす場合に限り控除対象です。控除額は次のとおりです。旧契約は控除額の計算が複雑なので、証明書に記載された金額をよく確認するようにしましょう。 税の種類 年間の支払保険料 控除額 所得税 1万円以下 支払保険料全額 1万円超2万円以下 支払保険料×1/2+5,000円 2万円超 一律1万5,000円 住民税 5,000円以下 支払保険料全額 5,000円超1万5,000円以下 支払保険料×1/2+2,500円 1万5,000円超 一律1万円 両方の契約がある場合の上限 地震保険契約と旧長期損害保険の両方を契約している場合、それぞれの控除額を合算できます。ただし、合算後の上限額は所得税が5万円、住民税が2万5,000円です。複数契約がある場合でも、上限を超える控除はできないので注意しましょう。 出典) ・国税庁「No.1145 地震保険料控除」 ・東京都主税局「個人住民税(地震保険料控除)」 地震保険料控除証明書の取得方法と提出書類 地震保険料控除を受けるためには、保険会社が発行する「地震保険料控除証明書」が必須です。証明書がないと控除を適用できないため、手元に届いているか必ず確認しましょう。 控除証明書の取得方法 地震保険料控除を受けるには、保険会社から発行される「地震保険料控除証明書」が必要です。一般的に、毎年10月頃に保険会社から契約者宛てにハガキ形式などで郵送されます。もし手元に届かない場合や紛失した場合は、速やかに保険会社のホームページやコールセンターを通じて再発行を申し込みましょう。 また、一部の保険会社では電子データでの交付にも対応しています。e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用する場合は、電子データの活用が便利です。 年末調整と確定申告での提出書類の違い 地震保険料控除を受けるには、会社員などが勤務先で行う「年末調整」と、自営業者などが自身で行う「確定申告」の2種類のどちらかの手続きが必要です。 年末調整 勤務先に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に、保険会社名や支払保険料、控除額などを記入し、控除証明書を添付して提出します。 確定申告 確定申告書の第一表および第二表に必要事項を記入し、控除証明書を添付して提出します。なお、マイナポータル連携を利用してe-Taxで申告する場合は、控除証明書の添付を省略可能です。 出典)国税庁「No.1145 地震保険料控除」 確定申告における地震保険料控除の記入例 ここでは、年間の地震保険料と控除額が「25,000円」の場合を例に、確定申告書の記入箇所を解説します。 確定申告書(第一表)の記入例 下図左側の「所得から差し引かれる金額」の項目にある「地震保険料控除」の欄に、控除額「25,000」を記入します。 確定申告書(第二表)の記入方法 「保険料等の種類」の欄にある「地震保険料控除」の箇所に、地震保険料「25,000」を記入します。 e-Taxの入力手順 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に従って金額を入力するだけで、自動的に控除額が計算され、確定申告書に反映されます。「控除の入力」画面にある「地震保険料控除」の項目から手続きを進められます。 出典) ・国税庁「令和6年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」 ・国税庁「令和6年分確定申告書作成コーナー(地震保険料を支払った場合)」 地震保険料控除に関する注意点とよくある間違い 確定申告の内容に誤りがあると、税務署から確認の連絡がきたり、修正申告が必要になったりする場合があります。以下の点に注意しましょう。 火災保険料部分は控除対象外 地震保険は多くの場合、火災保険とセットで契約しますが、控除の対象となるのは「地震保険料」の部分のみです。火災保険料は地震保険料控除の対象にはなりません。控除証明書の控除対象保険料をよく確認し、金額を間違えないよう注意しましょう。 一括払い契約の控除額計算 長期契約で保険料を一括払いしている場合、その年に控除できるのは「1年分相当」の保険料のみです。この場合、控除対象額は「一括払い保険料 ÷ 保険期間(年)」で算出します。 正確な金額は、毎年送付される控除証明書に記載されています。 店舗併用住宅の控除額計算 店舗や事務所と自宅が一体となった「店舗併用住宅」の場合、控除対象となるのは「居住用部分」のみです。建物全体に対する保険料ではなく、「地震保険料 × 住居部分の延床面積 / 建物全体の延床面積」で算出した金額をもとに申告する必要があります。 ただし、住居として使用している面積が建物全体の90%以上である場合は、居住専用とみなされ、地震保険料の全額を控除対象とすることができます。 出典)国税庁「法第77条《地震保険料控除》関係」 地震補償保険が控除対象外となる理由 地震への備えとして、単独で加入できる「地震補償保険」という商品(保険会社により名称は異なります)がありますが、これは税制上の地震保険料控除の対象外です。 出典)国税庁「No.1146 地震保険料控除の対象となる保険や共済の契約」 地震保険との違いと補償範囲 地震補償保険(保険会社により名称は異なります)は、民間保険会社が提供する任意の補償商品であり、公的制度である「地震保険」とは異なります。地震保険は法律に基づき、火災保険とセットで契約し、補償額や条件に制限があります。 一方、地震補償保険は、地震保険の不足分を補うために設計されており、補償範囲や金額は保険会社ごとに異なります。 なぜ税制優遇がないのか 控除のメリットがないにもかかわらず検討される背景には、公的な仕組みである「地震保険」特有の補償限度額があります。 通常の地震保険は、法律により「火災保険金額の30%~50%」の範囲内でしか設定できません。また、建物は5,000万円、家財は1,000万円という上限もあります。そのため、万が一の大震災で自宅が全壊した場合でも、受け取れる保険金は最大で建物の再調達価格の半額程度にとどまります。 こうした「地震保険だけではカバーしきれない費用」への備えとして、上乗せで保険金を受け取れる地震補償保険が存在します。税制優遇はありませんが、リスク対策手段のひとつとして理解しておくとよいでしょう。 出典)損害保険協会「地震保険の保険金額の設定にあたっては、どのような制限がありますか。」 まとめ 地震保険料控除は、地震への備えをしながら税負担を軽減できる重要な制度です。 年末調整や確定申告で正しく申告するためには、次のポイントを押さえておきましょう。 控除対象は「地震保険料」のみ。火災保険料は対象外 毎年10月頃に届く「地震保険料控除証明書」を必ず確認 年末調整では勤務先に提出、確定申告では申告書に記入し添付 e-Taxを利用すれば控除証明書の添付を省略できる場合あり 一括払い契約や店舗併用住宅の場合は計算方法に注意 正しい手続きを行うことで、所得税は最大5万円、住民税は最大2万5,000円の控除が受けられます。控除証明書を紛失した場合は早めに再発行を依頼し、申告期限までに準備を整えましょう。 保険料は月々1,210円※から ※栃木・マンション・保険金額300万円タイプの場合です。SBIリスタ少短のWEBサイトに遷移します。 保険料は月々1,210円※から ※栃木・マンション・保険金額300万円タイプの場合です。 SBIリスタ少短のWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 新耐震基準とは?中古住宅購入時に確認すべき耐震性能のポイント 日本は世界でも有数の地震の多い国であり、住宅の「耐震性」は、安心して暮らすために欠かせない重要な要素です。特に中古住宅を購入する際には、その建物がどの耐震基準に基づいて建てられているかを確認...

  • 能登半島地震の被害と復興の状況は?今後の課題と地震保険や防災対策の備え

    能登半島地震の被害と復興の状況は?今後の課題と地震保険や防災対策の備え

    2024年1月1日に発生した能登半島地震では、16万件を超える大規模な住宅被害が発生しました。日本は地震大国であり、今後も大地震が発生するリスクがあります。地震による住宅被害を最小限に抑え、生活を再建するにはどのような備えが必要なのでしょうか。 この記事では、能登半島地震のデータをもとに、住宅被害の実態や復興の進捗、今後の課題、地震保険や防災対策の備えについて解説します。 能登半島地震による住宅被害の実態 能登半島地震では、住宅被害が16万件を超え、生活基盤に深刻な影響を与えました。特に古い木造住宅の倒壊が目立ち、耐震化の遅れが課題として浮き彫りになっています。ここでは、被害規模とライフラインへの影響を整理し、なぜこれほどの被害が発生したのかを考えます。 被害規模と住宅倒壊の状況 2024年1月1日午後4時10分、石川県能登地方でマグニチュード7.6、最大震度7の地震が発生しました。その後半年間で震度5強以上の地震が12回観測され、被害は石川県を中心に新潟・富山・福井にも広がりました。 内閣府の報告による住宅被害の状況は次のとおりです。 被害区分 棟数 全壊 6,536棟 半壊 2万3,693棟 一部破損 13万5,122棟 出典)内閣府 防災情報のページ「令和6年能登半島地震に係る被害状況等について」 合計16万件超の住宅が損壊し、生活再建に大きな課題を残しました。 火災発生やライフラインへの影響 地震の揺れだけでなく、二次災害も深刻でした。発生から約2か月間で火災は17件、交通網は寸断され、電気・水道などライフラインの復旧に時間を要しました。 断水 最大約13万5,000戸 停電 最大約4万4,000戸 長期の避難生活を余儀なくされた世帯も多く、災害時のライフライン確保の重要性が改めて浮き彫りになりました。 出典)内閣府 防災情報のページ「特集① 令和6年能登半島地震」 復興の進捗と現在の住まいの状況 能登半島地震の発生から1年以上が経過し、被災地は「避難」から「復旧」、そして「生活再建」へと移行しています。しかし、復興は長期化しており、高齢化や建設業者不足などの課題が影響しています。ここでは、仮設住宅の設置状況、公費解体とインフラ復旧、災害公営住宅の整備、不動産市場の変化を整理します。 仮設住宅の設置状況 生活の基盤となる住まいの確保は、復興の第一歩です。能登半島地震では住宅の全壊・半壊が相次ぎ、自力で住居を確保できない世帯に対し、災害救助法に基づく応急仮設住宅が提供されました。必要戸数6,882戸は2024年12月23日にすべて建設完了しました。 仮設住宅はプレハブ型が中心で、入居条件は「住宅が全壊し居住できない」など所定の要件を満たすことが必要です。しかし、長期入居によるコミュニティの分断や孤独問題など、生活再建には新たな課題も生じています。 出典) ・石川県「応急仮設住宅(建設型)について(災害救助法:令和6年(2024年)能登半島地震)」 ・内閣府 防災情報のページ「能登半島地震・豪雨におけるこれまでの取組と今後の対応方針について」 公費解体とインフラ復旧の現在地 仮設住宅の整備と並行して、倒壊した家屋の処理やインフラ復旧も進められています。公費解体は、所有者に代わって自治体が解体を行う制度で、放置された家屋による防災・衛生リスクを防ぐために重要です。2025年10月末時点で申請棟数約4万棟のうち95%が完了し、街の景観は「倒壊家屋」から「更地」へと変わりつつあります。 インフラについては、上下水道の応急復旧は完了しましたが、耐震化を含む本復旧は2028年度末を目標に進行中です。完全復旧まで時間を要するため、住民の帰還や生活再建には長期的な課題が残っています。 出典) ・石川県「公費解体の進捗状況(令和7年10月末)p.1」 ・国土交通省「令和6年能登半島地震からの復旧・復興状況と今後の見通し (令和7年9月末時点)p.4」 災害公営住宅の整備と将来を見据えた工夫 仮設住宅の次のステップとして、恒久的な住まいとなる災害公営住宅の整備が進められています。能登半島地震では、石川県と富山県の10市町で約3,000戸の建設が計画され、2026年夏頃から順次入居が始まる予定です。 災害公営住宅は、長期的な生活再建を支える重要な施策ですが、人口減少や高齢化を踏まえた工夫も求められています。具体的には、将来的に「移住者への分譲」や「福祉施設等への転用」が可能な設計を採用するなど、資産価値を維持する取り組みが検討されています。 また、コミュニティの維持や高齢者支援のため、共用スペースや見守り体制の整備も課題となっています。 出典) ・国土交通省「令和6年能登半島地震による被災者の住まいの確保」 ・国土交通省「中長期的活用を見据えた災害公営住宅の供給上の工夫についてp.8」 ・国土交通省「令和6年能登半島地震からの復旧・復興状況と今後の見通し (令和7年9月末時点)p.15」 不動産市場や賃貸需要の変化 震災は地域の不動産市場にも大きな影響を与えています。国土交通省の「令和7年地価公示」によると、石川県全体では住宅地の地価変動率が前年比+0.6%とわずかに上昇しましたが、甚大な被害を受けた能登地方では地価が大きく下落しました。 全国の地価変動率下位10地点はすべて能登地方が占めており、被災リスクの高まりや再建コスト増、人口流出が背景にあります。賃貸市場では、震災直後に仮住まい需要が急増し、家賃の上昇や空室率の低下が見られました。 しかし、長期的には人口減少や経済活動の停滞により、空室率の上昇や家賃の下落が懸念されています。こうした不動産価値の変動は、生活再建や資産形成に大きな影響を与えるため、今後の動向を注視する必要があります。 出典) ・国土交通省「令和7年地価公示の概要 p.5,p.8」 ・公益社団法人 石川県宅地建物取引業協会「第19回不動産市況DI調査」 今後の課題と生活再建に必要な資金と支援策 能登半島地震では、公的支援や保険金が生活再建を支えましたが、受け取れる金額には限度があります。住宅再建には数千万円単位の費用がかかることもあり、資金不足や二重ローン問題が深刻化しています。ここでは、公的支援の課題と地震保険の現状を整理し、今後の備えについて考えます。 公的支援の課題と「二重ローン」のリスク 能登半島地震では「被災者生活再建支援金」や「災害援護資金」などの公的支援が用意されましたが、これだけで元の生活を取り戻すことは困難です。支援金は最大300万円、自治体の上乗せを含めても数百万円規模にとどまり、住宅再建には数千万円単位の費用がかかるケースが多いためです。 特に深刻なのが「二重ローン」の問題です。自宅が全壊しても既存の住宅ローンは免除されず、再建のために新たな借り入れを行うと返済負担が二重になります。国や自治体は「災害援護資金」の貸付や「フラット35」の返済猶予措置を設けていますが、あくまで一時的な支援であり、最終的な返済負担は残ります。 こうした現状から、生活再建には公的支援だけでなく、自助努力による備えが不可欠です。 出典) ・石川県「令和6年能登半島地震における被災者生活再建支援金について」 ・石川県「令和6年能登半島地震 被災者生活再建支援制度 市町独自制度一覧」 ・珠洲市「珠洲市住まい再建支援金」 ・内閣府 防災情報のページ「災害援護資金の貸付」 地震保険の現状と課題 能登半島地震では、地震保険の重要性が改めて浮き彫りになりました。損害保険協会によると、2024年5月31日時点の支払保険金額は約910億円、支払件数は10万3,439件に上りました。しかし、2022年度の石川県の世帯加入率は30.2%、富山県は27.0%であり、生活再建資金の不足が深刻な課題となっています。 地震保険は火災保険に付帯する形で加入しますが、補償額は火災保険の30~50%に制限され、建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円までです。再建費用を全額カバーすることはできず、保険料負担や補償額の制限が加入率の低さにつながっています。 今後は、上乗せ補償や民間保険の活用、加入促進策が課題です。次章では、地震への備えと保険の重要性をさらに詳しく解説します。 出典) ・一般社団法人 日本損害保険協会「令和6年能登半島地震に係る地震保険の 支払件数・支払保険金等について」 ・損害保険料率算出機構「2022年度 地震保険世帯加入率」 地震への備えと保険の重要性 能登半島地震では、住宅被害が16万件を超え、生活再建には公的支援だけでなく保険や自助努力が不可欠であることが明らかになりました。ここでは、地震への備えとして、ハザードマップの活用、保険の見直し、経済的な準備のポイントを整理します。 ハザードマップで災害リスクを確認する重要性 能登半島地震では、地盤の弱い地域や津波リスクのある沿岸部で住宅被害が集中しました。こうした被害を防ぐために重要なのがハザードマップです。ハザードマップは、洪水・津波・土砂災害などのリスクや避難場所、避難経路を示した地図で、自治体や国土交通省のサイトで確認できます。 マイホームを購入する際は、必ずハザードマップで災害リスクを確認し、できるだけ安全な立地を選ぶことが生活再建の第一歩です。また、現在の住まいでも避難経路や避難所を事前に把握しておくことが重要です。 関連記事はこちらハザードマップとは?使い方や活用ポイントを解説 火災保険と地震保険の違いと補償の限界 火災保険と地震保険では補償範囲に大きな違いがあります。火災保険は火災や風水害などによる損害を補償しますが、地震・噴火・津波による損害は対象外です。一方、地震保険は地震・噴火・津波を原因とする火災や損壊、埋没、流失を補償します。 ただし、地震保険の補償額は法律で制限されており、火災保険の30~50%の範囲で設定されます。建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円が上限です。これは、巨大災害時に保険金総額が膨らみすぎないよう国と民間が共同で運営しているためです。 能登半島地震では、地震保険の支払保険金額は約910億円に達しましたが、再建費用を全額カバーするには不十分なケースが多く、自己資金や追加補償の必要性が浮き彫りになりました。こうした補償の限界を理解し、上乗せ保険や資金計画を検討することが重要です。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 地震保険の加入率と見直しのポイント 地震保険の世帯加入率は2024年の全国平均で35.4%、火災保険契約における地震保険付帯率は70.4%と過去最高を記録しました。しかし、能登半島地震では加入率が低い地域で生活再建資金の不足が深刻化し、保険の重要性が改めて浮き彫りになりました。 地震保険を見直す際は、次のポイントを確認しましょう。 居住エリアのリスク ハザードマップで地震・津波・液状化リスクを確認。 再建資金の有無 自己資金だけで生活再建が可能か。 資産の保全 建物や家財が高額な場合、失った際の経済的ダメージに耐えられるか。 地震保険は火災保険の30~50%しか補償されないため、上乗せ補償や特約の活用も検討し、万が一に備えた資金計画を立てることが重要です。 出典) ・損害保険料率算出機構「2024年度 地震保険付帯率、世帯加入率」 ・損害保険料率算出機構「火災保険契約のうち70.4%が地震保険を付帯(2024年度地震保険付帯率)」 まとめ 能登半島地震の被害と復興の状況から、生活再建には公的支援だけでは不十分であることがわかります。万が一に備えて耐震補強や防災グッズの準備に加え、地震保険の見直しや資金計画を検討することが重要です。 万が一の際に資金不足に陥らないよう、今のうちから以下の対策を検討しておきましょう。 耐震補強や防災グッズの準備 ハザードマップでリスク確認 地震保険や火災保険の補償内容を見直す 上乗せ補償や生活再建資金の計画を検討 災害はいつ起こるかわかりません。物理的・経済的な備えの両面から、ご家族の暮らしを守る準備を始めましょう。 保険料は月々1,210円※から ※栃木・マンション・保険金額300万円タイプの場合です。SBIリスタ少短のWEBサイトに遷移します。 保険料は月々1,210円※から ※栃木・マンション・保険金額300万円タイプの場合です。 SBIリスタ少短のWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 新耐震基準とは?中古住宅購入時に確認すべき耐震性能のポイント 日本は世界でも有数の地震の多い国であり、住宅の「耐震性」は、安心して暮らすために欠かせない重要な要素です。特に中古住宅を購入する際には、その建物がどの耐震基準に基づいて建てられているかを確認...

  • 【フラット35】日銀利上げ直後2026年1月金利予想|公認会計士・千日太郎が機構へ直接取材と12月17日の機構債から分析!

    【フラット35】日銀利上げ直後の2026年1月金利は2.08%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2025年12月は1.97%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の12月金利を1.90%~1.95%と予想し、結果は1.97%となりました。 12月19日の日銀会合では、政策金利の0.75%への引き上げが決定され、約30年ぶりの水準となりました。この決定を受け、債券市場では新発10年国債利回りが2%超に急騰した一方で、為替市場では1ドル=157円の円安に振れ、金融市場全体に大きな変動が生じています。 この記事では、この環境の変化を踏まえた【フラット35】の2026年1月の金利予想を、最新データと機構への取材情報から解説します。 2026年1月の【フラット35】金利は2.08% に決定しました(更新日:2026年1月5日)。 【フラット35】2025年12月金利予想の結果と検証 2025年12月の金利は1.97%に決定 2025年12月の【フラット35】金利は1.97%に決定し、11月下旬での予想(1.90%~1.95%)をやや上回る結果です。 背景には、新発10年国債利回りと機構債の表面利率がともに0.15ポイント上昇したことがありますが、住宅金融支援機構の調整により急騰は回避されました。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 金利上昇が抑えられた要因 金利上昇が抑えられた最大の理由は、住宅金融支援機構が逆ザヤを許容して低金利を維持していることです。逆ザヤとは、機構債の「仕入金利」が【フラット35】の貸出金利を上回る状態を指します。 この状態は2025年6月に初めて確認され、たいそう驚いたものですが、直近の2025年12月では逆ザヤの幅が0.33ポイントまで拡大しています。つまり、住宅金融支援機構は収益を犠牲にしてでも、急激な【フラット35】金利上昇を利用者に転嫁しない方針を取っています。 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 月 機構債表面利率(機構債発表日) フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%(5月22日)1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%(6月20日)1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%(7月18日)1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%(8月21日)1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%(9月19日)1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%(10月17日)1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%(11月20日)1.97%-0.33ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 【フラット35】2026年1月金利予想 2026年1月の金利は1.99%~2.04%と予想 12月の日銀会合で政策金利が0.75%に引き上げられた影響で、新発10年国債利回りは会合前の1.95%前後から週明けには2.10%まで急騰しました。市場は今回の決定を「タカ派寄り」と受け止め、長期金利に強い上昇圧力がかかっています。 この国債利回りの上昇は、住宅金融支援機構が【フラット35】の資金調達に用いる機構債の表面利率にも直結します。12月時点で機構債は2.30%でしたが、1月は2.45%へ上昇。ローンチスプレッドは0.51%で横ばいです。 こうした状況を踏まえ、千日太郎の【フラット35】予想レンジは1.99%~2.04%としました。急騰局面でも、機構の「激変緩和」策により上昇幅は抑えられると見ています。 【フラット35】金利推移と2026年1月予想 2025年10月 2025年11月 2025年12月 2026年1月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 1.89% 1.90% 1.97% 1.99%~2.04%※1/5発表の金利は2.08%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:1.99%「激変緩和」 1.99%のシナリオは「激変緩和」措置への期待です。10年国債利回りの上昇に伴う機構債の表面利率の上昇を、住宅ローンの金利に反映させないことで、住宅金融の円滑化を図るというシナリオです。金利が2.00%を超えるかどうかは心理的な壁として作用するため、願わくば2%台に抑えてほしいという期待も込めての予想です。 シナリオ②:2.04%「マイナス幅の限度+激変緩和」 逆ザヤの限界を考慮した場合、【フラット35】金利の理論値は2.12%ですが、前月比で+0.15ポイントの急上昇は避けたいところです。そこで、「激変緩和」により上昇幅を+0.07ポイント程度に抑え、2.04%とするシナリオです。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2025年12月22日時点) 機構債発表日 2025年9月19日 2025年10月17日 2025年11月20日 2025年12月17日 機構債の表面利率(※1) 2.12% 2.15% 2.30% 2.45% 新発10年国債利回り(※2) 1.61% 1.64% 1.79% 1.94% ローンチスプレッド(※1) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】2026年1月金利予想の背景要因と機構の戦略 千日太郎の予想として、今回は「市場金利は急上昇したが、フラット35の金利上昇は最小限に抑えられる(1.99%~2.04%)」と見ています。その根拠は、金利決定に影響する3つの要素を分析した結果です。 市場要因(上昇要因) 機構債の表面利率(上昇要因) 機構債の戦略的判断(抑制要因:逆ザヤとE55債) それぞれの動きを順に見ていきます。 市場要因(国債利回り・ローンチスプレッド) まず、金利のベースとなる「新発10年国債利回り」は、日銀の利上げを受けて1.79%から1.94%へ0.15ポイント上昇しました。 一方で、投資家の期待利回りである「ローンチスプレッド(国債との金利差)」は、直近3ヶ月間0.51%で横ばいを維持しています。 これは、国債の金利が上がった分だけ、機械的に調達コスト(機構債)も上がったことを意味します。 機構債の表面利率の動向 住宅金融支援機構の資金調達コストにあたる「機構債の表面利率」は、2.30%から2.45%へ0.15ポイント上昇しました。 通常であれば、仕入値(機構債)の0.15ポイントの上昇を売値(フラット35)に転嫁し、【フラット35】金利は2.12%まで上がる計算です。しかし、今回はそこまでは上がらないと予想しています。その理由が次の要素です。 機構の戦略的判断 住宅金融支援機構は以下の2つの手段で金利上昇を抑えていると考えられます。 ①「逆ザヤ」の許容(短期的対策) 2025年12月の逆ザヤ幅は-0.33ポイントと過去最大に達しました。ここから、急激な金利上昇(激変)を緩和するために、逆ザヤ幅を維持、あるいは一時的に拡大させてでも、急激な金利転嫁を防ぐはずです。 ②「E55債」による調達コスト圧縮(中長期的対策) 赤字(逆ザヤ)を垂れ流し続けることはできません。そこで切り札となるのが、新たな資金調達手段「E55(イーゴーゴー)債」です。 E55債の概要と特徴 2025年11月に、住宅金融支援機構への直接取材でその実務面を聞く機会を得ました。E55債は、長期金利が上昇する環境下でも低金利の住宅ローンを提供するために開発された新たな資金調達方法です。2025年10月発行分では、通常の機構債よりも実際に低コストでの調達を実現しています。 E55債の概要 発表日 表面利率 10年国債利回り ローンチスプレッド 2025年10月22日1.63%1.27%0.36% ※出典)住宅金融支援機構「発行実績-E55債」 E55債が低金利で調達できる理由は、「未償還残高が一定割合(55%)を下回ると全額繰上償還される」という特殊なルールにあります。 通常の機構債 機構債の未償還残高総額が当初発行総額の10%以下になるまで、原則として全額繰上償還されません。 E55債 機構債の未償還残高総額が当初発行総額の55%以下となった場合、1年以内に全額繰上償還をする義務があります。 投資家にとっては通常の機構債よりも「早くお金が返ってくる可能性が高い」ため、リスクが低く、そのぶん低い金利でも買ってくれるのです。この仕組みにより投資家のリスクが低下し、低金利での発行が可能になります。E55債の発行が増えれば、【フラット35】の金利上昇はさらに抑えられる見込みです。 ■機構債の種類と償還ルールの違い 出典:S&P Global Ratings 住宅金融支援機構債券の概要 2025年11月17日 まとめ 12月の日銀利上げにより、市場金利は急騰しました。新発10年国債利回りは2%超、機構債の表面利率も2.45%まで上昇しています。通常であれば【フラット35】の金利は大幅に引き上げられる局面ですが、住宅金融支援機構は逆ザヤの許容とE55債による低コスト調達という戦略で、急激な上昇を抑えています。 2026年1月の予想レンジは1.99%~2.04%。心理的な「2%超え」を避ける調整が働く可能性が高く、長期固定金利の安定性は維持される見込みです。 今後もインフレや追加利上げで市場金利は上昇圧力を受けますが、【フラット35】は政策的な役割と新たな資金調達手段により、利用者にとって安心感のある選択肢であり続けるでしょう。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

  • 海外送金サービス比較|銀行・ネット銀行・資金移動業者の手数料・対応国・スピード

    銀行・ネット銀行・資金移動業者の海外送金サービスを比較

    海外送金サービスは銀行・ネット銀行・資金移動業者など多様な選択肢がありますが、どれを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。サービスごとに手数料・対応国・送金スピードが異なるため、比較して選ぶことが重要です。 この記事では、海外送金サービスを選ぶ前に知っておきたい基本から、手数料の仕組み・為替レートの影響・送金スピードの違いまで詳しく解説します。 海外送金サービスを選ぶ前に知っておきたい基本 海外送金サービスを利用する際には、単に「どの会社が安いか」だけでなく、仕組みや注意点を理解しておくことが重要です。送金方法や手数料の構造、為替レートの影響、着金までのスピードなど、複数の要素が総コストや利便性に直結します。 ここでは、海外送金の基本的な仕組みと、選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。 海外送金の仕組みと注意点 海外送金は、ある国の銀行や送金サービスから別の国の受取人の口座へ資金を移動する仕組みです。一般的には、以下の流れで行われます。 送金依頼 送金額・通貨・受取人情報を指定 為替換算 円を外貨に両替(為替レート+スプレッドが適用) 送金処理 SWIFTネットワークや送金業者のシステムを通じて資金移動 着金 受取人の口座に入金(中継銀行を経由する場合あり) 注意点として、送金手数料の他に中継銀行手数料や受取銀行手数料が発生するケースがあります。また、送金目的によっては税務署への申告や本人確認(KYC)が必要になるため、事前に確認しておきましょう。 関連記事はこちら海外送金とは?初心者にもわかる仕組み・手数料・安全な方法まとめ 手数料・為替レートの関係 海外送金の総コストは、単なる「送金手数料」だけではありません。以下の3つの要素が密接に関係しています。 送金手数料(及び関連手数料) 銀行やサービスによって異なり、送金時の手数料に加え、中継銀行や受取銀行の手数料が発生する場合もあり、これらを含めた総額で比較が必要です。 為替レート+スプレッド 金融機関が設定するスプレッドは、市場レートと銀行や送金サービスが提示するレートの差を指し、これも実質的なコストとなります。スプレッドが広い場合は実質的なコストが増加します。 例えば、「手数料ゼロ」をうたうサービスでも、為替レートに大きなスプレッドが含まれている場合があります。また、スピードを重視して即日送金を選ぶと、追加手数料が発生するケースもあります。総コスト+利便性(スピード)のバランスを考えて選ぶことが重要です。 海外送金サービスを選ぶ3つの重要ポイント 海外送金サービスを選ぶ際には、単に「手数料が安い」だけで判断するのではなく、総コスト・対応国・送金スピードを総合的に比較することが、失敗しない選び方の基本です。 手数料の違いと総コストの考え方 海外送金の費用は、送金手数料だけでなく、為替レートのスプレッドや中継銀行・受取銀行の追加手数料も含まれます。例えば、手数料が無料と表示されていても、為替レートに大きなスプレッドが設定されている場合、結果的に高くなることがあります。 送金手数料が固定額なのか、送金額に応じて変わるのかを確認しましょう。また、為替レートにどれくらいのスプレッドが含まれているかを公式サイトでチェックすることも重要です。さらに、中継銀行や受取銀行で追加の手数料が発生する場合があるので、事前に把握しておくと安心です。 関連記事はこちら海外送金の手数料を安くするには?主要サービス比較と注意点を解説 対応国・通貨の確認方法 サービスによって、送金できる国や通貨の種類は異なります。特にビジネス利用で様々な国と取引をする場合は、対応範囲が広いサービスを選ぶことが重要です。 送金できる国や地域を公式サイトで確認しましょう。米ドルやユーロ以外の通貨にも対応しているかどうかもチェックが必要です。ビジネス利用の場合は、請求書対応や複数送金機能があるかどうかも見ておくと便利です。 送金スピードの確認と注意点 即日送金などのスピードはサービスを選ぶ上で魅力的ですが、スピードだけで選ぶのではなく、その業者が信頼できるかどうかも同時に確認が必要です。 まずは、着金までにどれくらい時間がかかるのかを確認しましょう。即日送金なのか、数営業日かかるのかで利便性が大きく変わります。 それと同時に、安全性のチェックも不可欠です。金融庁(財務局)への登録有無(資金移動業者の場合)はもちろん、暗号化や二段階認証などのセキュリティ対策、法令に基づく厳格な本人確認(KYC)が行われている事業者であるかを必ず確認してください。 海外送金サービスの比較【メガバンク・ネット銀行・資金移動業者】 海外送金サービスには、メガバンク・ネット銀行・資金移動業者という3つの主要な選択肢があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、利用目的や送金条件によって適したサービスは異なります。ここでは、各分類の特徴を整理します。 メガバンクの特徴とメリット・デメリット メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など)は、海外送金において高い信頼性を持ち、世界中の銀行ネットワークを通じて安全に資金を移動できます。 メリット 対面窓口での相談が可能で、トラブル時も安心 大手金融機関としての高い社会的信用と堅牢なコンプライアンス体制 デメリット ネット専業や資金移動業者に比べ、総コストが割高な傾向 着金までに時間がかかる場合が多い ネット銀行の特徴とメリット・デメリット ネット銀行(楽天銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行など)は、オンラインで完結できる利便性が魅力です。スマホやPCから簡単に送金でき、総コストもメガバンクより比較的安い傾向があります。多通貨対応や原則24時間手続き可能な点も特徴です。 メリット 手数料が安い(数百円~) 銀行窓口に行く必要がなく、原則24時間手続きが可能 デメリット 対面でのサポートを受けられない 一部の銀行では個人向けの海外送金機能自体がない 資金移動業者の特徴とメリット・デメリット 資金移動業者は、銀行以外の企業が提供する海外送金サービスで、手数料の安さや送金スピードの速さが特徴です。金融庁に登録された事業者であり、資金決済法に基づいて運営されています。 メリット 独自の送金スキームにより、銀行に比べて手数料・為替コストが格安な場合が多い 最短即日着金など、着金スピードが速い デメリット 1回あたりの送金限度額(例:100万円など)が設けられている場合がある 銀行ではないため、預金保険制度(ペイオフ)の対象外 比較表【手数料・対応通貨・送金スピード・サポート体制】 銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 三井住友銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,500円/件 6通貨 未記載 窓口・電話・チャット 三菱UFJ銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,000円/件 12通貨 未記載 窓口・WEBサポート・電話・チャット みずほ銀行 個人:8,000~8,500円/件法人:7,000~7,500円/件みずほダイレクトアプリ:5,000円 7通貨 送金手続きから一週間程度 窓口(一部テレビ電話の店舗あり)・チャット ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・三井住友銀行 「海外への送金・海外からの送金・外貨建て送金」 ・MUFG 「外国送金」 ・みずほ銀行 「外国への送金・受け取り」 ネット銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 楽天銀行 750円/件 67通貨 送金日から1営業日~5営業日程度 電話・メール ソニー銀行 3,000円/件 11通貨 送金実行から3営業日~4営業日以上 電話・チャット・WEBフォーム 住信SBIネット銀行(法人) 2,500円/件 10通貨 SWIFT発信日からおおむね1日~3日程度 WEBフォーム・チャット・電話 ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・楽天銀行「海外送金」 ・ソニー銀行「ソニー銀行からの外貨送金」 ・住信SBIネット銀行「法人のお客さま 外貨送金・外貨受取サービス」 資金移動業者 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 Wise(ワイズ) 0.33%~ 24通貨 送金手続きから最短即日~最長5日 電話・メール・チャット Revolut(レボリュート) 送金手数料は無料 41通貨 送金手続きから最短即日~最長2営業日 チャット PayPal(ペイパル) 499円/件 22通貨 即時振替:数分(最長30分)標準振替:約3~6営業日 電話・メール SBIレミット 460円~/1件 13通貨 送金方法、着金方法、送金先国により変化 ■現金受取の場合 最短:10分/通常:1~3時間程度 ■銀行口座の場合 最短:10分/通常:1~2営業日 電話・メール ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・wise:公式サイト ・Revolut:公式サイト ・PayPal:公式サイト ・SBIレミット:公式サイト 目的別に見る海外送金サービスの特徴 海外送金サービスは、利用目的によって重視すべきポイントが異なります。ここでは、留学・仕送りの場合、ビジネス・法人送金の場合、高額送金や投資の場合に分けて、選び方の視点を整理します。 留学や仕送りに利用する場合 少額の海外送金を行う場合は、手数料の水準と利便性を重視することがポイントです。オンラインで簡単に手続きできるサービスや、スマホアプリで送金履歴を確認できる仕組みがあると、管理がしやすくなります。 また、即日着金や現金受取に対応しているサービスは、急ぎの送金にも対応しやすく、安心です。留学や仕送りでは、送金のタイミングが重要になるため、スピードと使いやすさを兼ね備えたサービスを選びましょう。 ビジネスや法人送金に利用する場合 法人送金では、対応通貨の幅と業務効率化機能を重視することがポイントです。請求書対応や複数送金機能があるサービスは、経理業務の負担を減らします。 さらに、会計ソフトとの連携や送金履歴の一括管理を備えたサービスは、業務効率化に役立ちます。ビジネス利用では、こうした機能を確認して選ぶことも重要です。 高額送金や投資向けに利用する場合 まとまった金額(例:100万円超)を送金する場合は、送金上限額と安全性を確認することが不可欠です。暗号化通信や二段階認証などのセキュリティ対策、金融庁登録の有無を必ずチェックしましょう。 まとめ 海外送金サービスは、銀行・ネット銀行・資金移動業者など複数の選択肢があります。それぞれに手数料の仕組み、対応通貨、送金スピードといった特徴があり、どのサービスが適しているかは利用目的によって異なります。 選ぶ際には、次のポイントを総合的に確認しましょう。 総コストの把握 送金手数料だけでなく、為替レートのスプレッドや中継銀行手数料など、その他のコストも含めて比較する。 送金スピードの確認 利便性(スピード)を追求しつつ、金融庁(財務局)登録の有無(資金移動業者の場合)やセキュリティ対策も必ず確認する。 用途による使い分け 少額・急ぎなら「資金移動業者」、高額・安心重視なら「銀行」など、目的に応じて使い分ける。 海外送金は、利便性だけでなく安全性やコスト面のリスク管理も欠かせません。公式サイトや金融庁の登録情報を確認し、信頼できるサービスを選ぶことが、安心して送金するための第一歩です。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。 ※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2025.12.24海外送金
  • 海外送金の方法を徹底解説|銀行・ネット銀行・資金移動業者の違い

    海外送金の方法はどれが最適?銀行・ネット銀行・資金移動業者の違いと選び方

    海外送金は、留学費用の支払いや海外で暮らす家族への仕送りなど、さまざまな目的で利用される重要な手段です。しかし、送金方法によって手数料や着金までのスピード、対応通貨などに大きな違いがあるため、選び方には注意が必要です。 この記事では、銀行・ネット銀行・資金移動業者が提供する海外送金サービスについて、それぞれの特徴・メリット・デメリット・手数料の比較をわかりやすく整理し、送金目的に応じた最適な選び方も解説します。 海外送金とは?仕組みと基本の流れを解説 海外送金とは、ある国から金融機関や送金サービスを通じて、別の国の銀行口座や現地の受取人に資金を送ることを指します。主な利用目的としては、留学費用の支払い、海外在住の家族への生活費の送金、海外旅行時の資金準備、海外企業との取引などが挙げられます。 関連記事はこちら海外送金とは?初心者にもわかる仕組み・手数料・安全な方法まとめ 海外送金の一般的な流れ 海外送金の仕組みは、利用するサービスによって異なります。銀行を通じた送金では、送金元の銀行から中継銀行を経由し、最終的に受取先の銀行口座へ資金が着金するのが一般的です。 この際、国際送金ネットワーク(SWIFTなど)を利用するため、送金手数料のほかに中継銀行への手数料が発生することがあり、中継銀行の数が多いほど、手数料が高くなる傾向があります。 一方、資金移動業者を利用する場合は、銀行送金とは異なる仕組みが採用されていることが多く、中継銀行を介さずに現地の提携先へ直接送金されるケースもあります。送金方法によって仕組みや費用が異なるため、目的に応じて適切なサービスを選ぶことが重要です。 為替レート・スプレッド・中継銀行の影響 海外送金では、送金手数料以外にも、為替レートやスプレッド、中継銀行の有無といった要素が最終的な送金額に影響します。 為替レートは、異なる通貨を交換する際の比率であり、日々変動しています。送金時のレートによって、受取側が実際に受け取る金額が変わるため、送金のタイミングは重要です。 また、金融機関が設定するスプレッドは、市場レートと銀行や送金サービスが提示するレートの差を指し、これも実質的なコストとなります。スプレッドが大きいほど、同じ送金額でも受取金額は減少します。特に流通量が少ない通貨ではスプレッドが広がる傾向があるため注意が必要です。 さらに、銀行送金では中継銀行を経由することが一般的で、その際に追加手数料が発生する場合があります。利用前には、中継銀行を経由するかどうか、そして追加手数料がかかる可能性について、金融機関やサービスの案内で確認しておくと安心です。 一方、資金移動業者の多くは中継銀行を介さずに送金できる仕組みがあり、為替コストや手数料を抑えやすいという特徴があります。こうした費用面やサービスなどの違いを理解したうえで、自分に合った送金方法を選ぶことが大切です。 銀行による海外送金の特徴とサービス内容の整理 銀行を通じた海外送金は、メガバンクや地方銀行など多くの金融機関で対応しており、信頼性の高い方法として広く利用されています。ここでは、銀行送金の特徴やメリット・デメリット、主要銀行のサービス内容について詳しく解説します。 銀行送金の主な特徴と利用方法 銀行による海外送金は、店頭窓口・ATM・インターネットバンキングなど、複数の手段で手続きが可能です。特にインターネットバンキングを利用すれば、自宅やスマートフォンから24時間いつでも送金できるため、利便性が高まっています。 ただし、店頭窓口やATMは銀行の営業時間内に限られるため、急ぎの送金には不向きな場合もあります。送金先の国や通貨によって対応状況が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。 銀行送金のメリット・デメリット 銀行による海外送金のメリットは、対面での相談が可能な点です。例えば、留学費用を海外の大学に送金する際など、初めての手続きでも店頭でスタッフに直接質問できるため安心です。また、長年の実績がある銀行を利用することで、セキュリティ面でも信頼性が高く、安心して利用できます。 一方で、銀行送金にはいくつかのデメリットもあります。まず、送金手数料が比較的高く、店頭での手続きでは1件あたり7,000円以上かかるケースもあります。また、国際送金ネットワーク(SWIFT)を利用するため、中継銀行を経由することが一般的であり、その際に追加の手数料が発生します。 さらに、送金額が少額であっても、手数料が割高になることがあるため、コスト面では注意が必要です。少額の送金を行う場合やスピードを重視する場合は、ネット銀行や資金移動業者の利用も検討すると良いでしょう。 銀行ごとの手数料・対応通貨・送金スピードの比較 具体的に、各銀行が提供しているサービスの特徴についてまとめると、次のとおりです。 銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 三井住友銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,500円/件 6通貨 未記載 窓口・電話・チャット 三菱UFJ銀行 店頭窓口:7,000~7,500円/件インターネットバンキング:2,500~3,000円/件 12通貨 未記載 窓口・WEBサポート・電話・チャット みずほ銀行 個人:8,000~8,500円/件法人:7,000~7,500円/件みずほダイレクトアプリ:5,000円 7通貨 送金手続きから一週間程度 窓口(一部テレビ電話の店舗あり)・チャット ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・三井住友銀行 「海外への送金・海外からの送金・外貨建て送金」 ・MUFG 「外国送金」 ・みずほ銀行 「外国への送金・受け取り」 ネット銀行による海外送金の特徴とサービス内容の整理 ネット銀行を利用した海外送金は、店舗に足を運ぶ必要がなく、スマートフォンやパソコンから手軽に手続きできる点が大きな魅力です。忙しくて銀行窓口に行く時間が取れない方や、オンラインで完結したい方にとって、非常に便利な選択肢といえるでしょう。 ネット銀行送金の主な特徴と利用方法 ネット銀行は実店舗を持たない分、運営コストが抑えられており、その分送金手数料も一般的に銀行の店頭手続きよりも安く設定されています。多くのネット銀行では、海外送金に対応しており、スマートフォンアプリやウェブサイトを通じて、24時間いつでも送金手続きが可能です。 送金方法は銀行と同様に、送金先の口座情報を入力し、為替レートを確認したうえで送金を実行する流れとなります。アプリ連携に対応しているサービスも多く、操作性や利便性の面でも優れています。 ネット銀行送金のメリット・デメリット ネット銀行を利用する最大のメリットは、手数料の安さと利便性です。店舗を持たないことで運営コストが抑えられており、その分ユーザーにとっての負担も軽減されています。また、インターネット環境さえあれば、時間や場所を問わず送金できるため、忙しい方でもスムーズに利用できます。 一方で、デメリットとしては、サポート体制が電話やメールに限られることが多く、対面での相談ができません。操作に不安がある場合や複雑な手続きが必要な場合は、事前にサポート内容を確認しておくことが重要です。 ネット銀行ごとの手数料・対応通貨・送金スピードの比較 具体的に、各ネット銀行が提供しているサービスの特徴についてまとめると、次のとおりです。 ネット銀行 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 楽天銀行 750円/件 67通貨 送金日から1営業日~5営業日程度 電話・メール ソニー銀行 3,000円/件 11通貨 送金実行から3営業日~4営業日以上 電話・チャット・WEBフォーム 住信SBIネット銀行(法人) 2,500円/件 10通貨 SWIFT発信日からおおむね1日~3日程度 WEBフォーム・チャット・電話 ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・楽天銀行「海外送金」 ・ソニー銀行「ソニー銀行からの外貨送金」 ・住信SBIネット銀行「法人のお客さま 外貨送金・外貨受取サービス」 関連記事はこちら海外送金の手数料を安くするには?主要サービス比較と注意点を解説 資金移動業者による海外送金の特徴とサービス内容の整理 銀行やネット銀行以外にも、資金移動業者を利用して海外送金を行う方法があります。近年では、手数料の安さや送金スピードの速さから、個人・法人問わず利用が広がっている送金手段のひとつです。ここでは、資金移動業者の仕組みや特徴、代表的なサービスの比較、安全性について詳しく解説します。 資金移動業者の主な特徴と利用方法 資金移動業者とは、金融庁(財務局)に登録された送金サービス事業者のことで、銀行とは異なる仕組みで海外送金を提供しています。登録情報は金融庁の公式サイトで公開されており、事業者の信頼性を確認することが可能です。 資金移動業者の多くは、インターネットやスマートフォンアプリを通じて送金手続きを行う形式を採用しており、店舗に出向く必要がありません。送金ルートも銀行送金とは異なり、中継銀行を介さずに現地の提携先へ直接送金するケースが多いため、手数料が比較的安く、着金までの時間も短縮される傾向があります。 対応通貨の種類も豊富で、サービスによっては40種類以上の通貨に対応しているものもあり、柔軟な送金が可能です。 出典)金融庁「資金移動業者登録一覧」 資金移動業者のメリット・デメリット 資金移動業者を利用するメリットは、手数料の安さと送金スピードの速さです。サービスによっては、送金から着金までが即日で完了するケースもあり、急ぎの送金にも対応しやすいのが特徴です。また、対応通貨が多く、受け取り方法は口座振込をはじめ、現金受取やカードチャージなど、資金移動業者によって様々な方法があり、選択肢も広がります。 一方で、デメリットとしては、サービスによっては日本語対応が限定されていたり、サポートがチャットやメールに限られていたりする場合があります。操作に慣れるまで時間がかかることもあるため、初めて利用する際は事前に使い方を確認しておくと安心です。 資金移動業者ごとの手数料・対応通貨・送金スピードの比較 代表的な資金移動業者のサービス内容は以下のとおりです。 資金移動業者 送金手数料 対応通貨 送金スピード(着金日) サポート体制 Wise(ワイズ) 0.33%~ 24通貨 送金手続きから最短即日~最長5日 電話・メール・チャット Revolut(レボリュート) 送金手数料は無料 41通貨 送金手続きから最短即日~最長2営業日 チャット PayPal(ペイパル) 499円/件 22通貨 即時振替:数分(最長30分)標準振替:約3~6営業日 電話・メール SBIレミット 460円~/1件 13通貨 送金方法、着金方法、送金先国により変化 ■現金受取の場合 最短:10分/通常:1~3時間程度 ■銀行口座の場合 最短:10分/通常:1~2営業日 電話・メール ※本比較表は、記事公開時点において以下の出典元を参考に筆者が作成したものであり、最新の料金や条件を保証するものではありません。上記以外の手数料や実際の取引に際しては、必ず各金融機関の公式情報をご確認ください。 出典) ・wise:公式サイト ・Revolut:公式サイト ・PayPal:公式サイト ・SBIレミット:公式サイト 資金移動業者の法的な位置づけと安全性のポイント 資金移動業者は、金融庁(財務局)の登録を受けて事業を行っており、法的にも問題なく利用できる送金手段です。登録事業者の本店所在地や連絡先は公式サイトで公開されているため、利用前に確認しておくと安心です。 また、顧客から預かった資金は、資金移動業者の事業資金とは分けて金融機関に保管されており、万が一の事態にも備えた管理体制が整えられています。サービスの多くはインターネットを介して提供されますが、HTTPS暗号化や二段階認証などのセキュリティ対策も導入されており、安全性の面でも信頼できる仕組みが構築されています。 まとめ|送金目的に応じたおすすめの方法と選び方 海外送金サービスは、提供する会社によって、手数料や送金スピード、対応通貨、サポート体制が異なります。 銀行は安心感と信頼性が高く、窓口で直接相談できる点が強みです。ネット銀行は、一般的に銀行窓口よりも送金手数料が安いのが特徴で、スマートフォンやパソコンから手軽に送金できるため、忙しい方やオンラインで完結したい方に適しています。資金移動業者は、手数料が安く、送金スピードも早く、対応通貨が多いことに加え、口座振込以外にも現金受取やカードチャージなど柔軟な方法を選べるのがポイントです。 例えば、学費や生活費を送る場合は、手数料とスピードのバランスを重視したい、ビジネスで利用する場合は、対応通貨やサポート体制を重視したいなど、それぞれの用途に応じてサービスを確認しておくことが重要です。利用前には、送金先の国や通貨、サービスの最新情報を公式サイトでチェックすることで、安心してスムーズに海外送金を行うことができます。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 安心・便利な海外送金ならSBIレミット SBIレミットの国際送金について、webサイトで詳しく説明いたします。 ※SBIレミットのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2025.12.17海外送金
  • リースバックがやばいって本当なの?騙されないための正しい使い方を紹介

    リースバックがやばいって本当なの?騙されないための正しい使い方を紹介

    急にまとまったお金が必要。でも住み慣れた自宅から離れたくない──そんなときに活用できるサービスとして「リースバック」があります。自宅を売却しても、そのまま住み続けられる便利な仕組みですが、インターネットで検索すると「リースバック やばい」「後悔した」という不安な声を目にすることがあります。 リースバックは、信頼のできる不動産事業者を選び、うまく活用すれば、有用なサービスとなり得ます。しかし、デメリットや注意点を把握しないまま利用してしまうと、あとから後悔する恐れがあります。 この記事では、リースバックがやばいと言われる理由や知っておくべきデメリット、後悔しないための対策についてわかりやすく解説します。この記事を読めば、リースバックの不安を解消し、安心して賢い選択ができます。 そもそもリースバックとは? リースバックとは、自宅を売却した後、賃貸契約を結びそのまま同じ家に住み続けられる仕組みです。まとまった資金が必要なときや、老後の生活費を確保したいときに利用されることが多いです。詳しい仕組みやメリットや活用事例については以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 なお、リースバックとよく比較される商品に「リバースモーゲージ」があります。どちらも資金調達の手段という点では共通していますが、仕組みや対象年齢などに違いがあります。詳しい比較は以下の記事で解説しています。 関連記事はこちらリースバック・リバースモーゲージ・リ・バース60の違いを徹底比較 なぜリースバックは「やばい」と言われるのか まず、リースバックが「やばい」と言われる背景について、代表的なポイントを整理します。リースバックが不安視される理由を知ることで、情報の真偽を見極めやすくなります。 情報が少なく仕組みがわかりにくい リースバックというサービスの仕組み自体は、不動産の売買契約と賃貸借契約という世間でも広く認知されている契約に基づいた体系です。しかし、この売買と賃貸借という契約が複合的に行われていることが、仕組みをわかりにくくしている要因の一つです。 また、リースバックはまだ普及して間もないサービスであるため、国や地方自治体で設けている制度や仕組みに関する情報が、まだ十分に浸透しているとは言えません。 そのため、初めて聞く人にとっては「売却しても住み続けられる」という仕組みを理解できず、中には不透明に感じる人もいると考えられます。 一部の不動産事業者によるトラブル事例がある さまざまなメディアでも取り上げられるように、過去には一部の不動産事業者による不適切な対応や契約トラブルが報告されています。こうした事例は決して多くはないものの、金銭が絡む取引であるため、利用者にとって大きな不安要素となっています。 想定外の条件で後悔する人がいる リースバックは契約時にまとまったお金を手に入れて、以後家賃を支払っていくという仕組みですが、契約後に「家賃の支払いが想定より厳しかった」など、事前計画が甘く後悔する場合もあります。この後、注意すべきデメリットについて詳しく解説します。 知っておくべきリースバックのデメリット リースバックはうまく活用すれば便利な仕組みですが、契約内容によっては思わぬ落とし穴があります。ここでは、後悔しないために知っておくべきデメリットを詳しく解説します。 家賃が高くなる リースバックでは、周辺の賃料相場だけでなく、不動産の売却価格とのバランスで家賃が決まります。売却価格が高いと家賃も高くなる傾向があるため、注意が必要です。 また、契約後に固定資産税の上昇や、土地、建物の価格上昇などの理由から、家賃の引き上げを求められる場合もあります。契約書の内容を事前に確認し、担当者に不明点を必ず確認しましょう 家賃について納得しておかないと、「資金が多めに手に入ったところまでは良かったが、結局毎月の支払いが大変」という後悔につながる恐れがあります。リースバックの家賃設定については以下の記事で詳しく解説しているので、契約前に必ず確認しましょう。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!家賃相場よりも高い? 売却価格が市場価格より安くなる リースバックにおける売却価格は基本的に市場価格70%前後まで下がることが一般的です。これは、買主である不動産事業者が、借主の家賃滞納リスクや、購入後も不動産を自由に扱えない制約を抱えることなどが要因です。 さらに、不動産事業者によっては、相場価格よりも大幅に低額な売却価格を提示する場合もあります。そのため、リースバックを利用する際は、必ず複数の不動産事業者に相談し、売却価格を比較しておきましょう。 こうした確認を十分にしないと、「本当はもっと高く売れたのではないか」という後悔につながる恐れがあります。 長期的に住み続けられない場合がある 賃貸借契約は、「定期借家契約」と「普通借家契約」に分類されます。定期借家契約の場合、当初の契約期間が終了すると貸主と借主の双方の合意がないと再契約できず、住み続けることができません。 一方、普通借家契約は借主の希望のみで更新が可能ですが、リースバックにおいては、定期借家契約を採用している場合が多いため注意が必要です。 「ずっと住めると思っていたのに、契約期間が終わったら退去しなければならなかった」という後悔を防ぐためには、契約形態を必ず確認しましょう。長期的な居住を希望する場合は、普通借家契約を選べるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? 買い戻しが難しい場合がある リースバックでは「将来、家を買い戻したい」と考える人も少なくありません。しかし、契約条件によっては買い戻しができない場合があります。買い戻しが可能な場合でも、売却時より高い価格が設定されることが多く、資金計画を誤ると大きな負担になります。 さらに、買い戻しの条件は事業者ごとに異なり、契約書に明記されていないケースもあります。「買い戻せると思っていたのに、実際はできなかった」という後悔を防ぐためには、契約前に必ず契約書に記載されている買戻し条件を確認し、将来の資金計画も含めて慎重に判断しましょう。 関連記事はこちらリースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説 リースバックを利用する際の注意点 リースバックを利用する際には、以下のポイントをチェックしましょう。 信頼できる不動産事業者を選ぶ 事前に契約内容を確認する 複数の不動産事業者を比較する リースバックを利用する際には、サービス利用後の資金計画も大切です。賃料を支払いながらどれくらいの期間住み続けられるか、老後の資金計画に影響がないかなど、長期的な視点で判断しましょう。 信頼できる不動産事業者を選ぶ リースバックを安心して利用するためには、信頼できる不動産事業者を選びましょう。特に取扱実績の多い大手企業は、契約内容が明確で、トラブルが発生した場合でも適切に対応してくれるため、安心して任せられます。 また、事前に口コミや評判をチェックし、信頼性を確認しておくことも忘れないようにしましょう。信頼できる不動産事業者を選ぶことで、不透明な条件や不利な契約を避けられます。 事前に契約内容を確認する リースバックの契約には、売買価格や賃料、買い戻し条件などの経済条件のほか、賃貸借の期間や維持費用など重要な内容が多く含まれています。特に目先の倍場価格ではなく、賃料の値上げや違約金については、事前にしっかりと確認しておく必要があります。 他にも、居住期間中には修繕費用や退去時の原状回復費用が発生することもあります。築年数の古い物件は修繕費が高額になることがあるため、事前に費用やどちらが負担するのかを確認しておくと安心です。 複数の不動産事業者を比較する 上述のようにリースバックの仕組みは、不動産売買契約と不動産賃貸借契約という二種類の契約から成っています。ただし、同じリースバックでも不動産事業者によって、売買に関連して買戻し条項(不動産売買予約契約)の有無や、不動産賃貸借契約が普通借家契約なのか定期借家契約なのかなど、条件面で違いがあります。 サービスの利用時には、わかりやすい「売買価格」や「家賃」に着目してしまいますが、その裏には様々な条件が設けられており、一社だけで判断することは難しいでしょう。そのため、必ず複数の不動産事業者に問い合わせをして、経済条件や会社・担当者の信頼性を見極める必要があります。 まとめ リースバックは、自宅を売却しながら住み続けられる便利な仕組みですが、契約内容や条件を十分に理解しないまま利用すると、後悔やトラブルにつながる恐れがあります。 安心して利用するためには、信頼できる事業者を選び、契約書の内容を細部まで確認することが不可欠です。この記事で紹介した注意点を参考に、複数の業者を比較し、納得できる条件で契約するかどうかを慎重に判断しましょう。 Appendix:国土交通省ガイドブック リースバックを検討する際は、国土交通省が公開している「住宅のリースバックに関するガイドブック」も参考になります。このガイドブックでは、契約時の確認不足によるトラブルを防ぐため、以下の点に注意するよう呼びかけています。 違約金や解約条件を事前に確認する 賃料や契約期間の取り決めを明確にする 契約内容は必ず書面で確認する 営業トークを鵜呑みにせず、家族や専門家に相談する また、以下の記事でもリースバックのトラブル事例と対策について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 関連記事はこちらリースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックのよくあるご相談7選 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。老後資金を確保したい高齢者を中心に、リースバックの利用者...

  • フラット35「ダブルフラット」とは?2本の住宅ローンで返済負担を軽減する方法

    フラット35「ダブルフラット」とは?2本の住宅ローンで返済負担を軽減する方法

    「住宅ローンは1人につき1本だけ」と思っていませんか? 実は、返済期間の異なる2本のローンを組み合わせることで、将来の返済負担を軽減できる方法があります。 それが、住宅金融支援機構が提供するフラット35「ダブルフラット」という制度です。この記事では、ダブルフラットの仕組みやメリット、注意点を解説します。 フラット35「ダブルフラット」の仕組みとは? 一般的には「住宅ローンは1人につき1本」が基本ですが、金融機関によっては複数のローンを組み合わせることも可能です。代表的な例が「ミックスローン」で、固定金利と変動金利を組み合わせたり、返済期間を分けたりすることで、柔軟な返済プランが設計できます。 ダブルフラットは、返済期間の異なる2本のフラット35を組み合わせて利用する住宅ローンです。例えば、返済期間が最長20年のフラット20と最長35年のフラット35を組み合わせることで、将来の返済額を減らすことができます。 そのほかにも、フラット35を2本組み合わせたり、フラット20を2本組み合わせたりすることもできます。なお、フラット20は、返済期間が15年以上20年以下のフラット35商品です。一度20年以下で契約すると、後から21年以上に変更することは原則できません。 出典) ・【フラット35】「ダブルフラット」 ・【フラット35】「【フラット35】」 ・【フラット35】「【フラット20】」 ダブルフラットの利用条件と金利の仕組み ダブルフラットを利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、申込者の利用条件の一部や金利の仕組みについて解説します。 申込者は同一人物であること ダブルフラットは、1人の申込者が返済期間の異なる2本のフラット35を組み合わせて利用する制度です。制度上、申込者は同一人物であることが条件となっており、夫婦それぞれが1本ずつ契約する「ペアローン」のような形では利用できません。 関連記事はこちらフラット35のペアローンとは?夫婦で住宅ローンを組むメリットと注意点を解説 返済負担率の基準を満たすこと 返済負担率とは、年収に対する住宅ローンなどの年間返済額の割合です。以下の基準を満たしていることが求められます。 年収 返済負担率の上限 400万円未満 30%以下 400万円以上 35%以下 この基準を超えると、審査に通るのは難しくなります。そのため、事前に返済額をシミュレーションし、返済負担率が基準内に収まるように計画を立てることが重要です。 融資率によって適用金利が変わる 融資率とは、物件価格に対してどれくらいの金額を借りるかを示す割合です。住宅金融支援機構の【フラット35】では、融資率が9割以下か9割超かによって、適用される金利が異なります。 例えば、2025年12月時点の金利では以下のような差があります。 【フラット35】借入期間:21年以上35年以下 融資率 金利の範囲 最も多い金利 9割以下 年1.970%~年4.510% 年1.970% 9割超 年2.080%~年4.620% 年2.080% 出典)【フラット35】「借入期間:21年以上35年以下」 このように、融資率が9割を超えると0.11ポイント金利が上昇するため、総返済額にも大きな影響を与えます。ダブルフラットでも、2本のローンの合計が物件価格の9割を超える場合、「融資率9割超」の金利が適用されます。そのため、借入額の設定は慎重に行い、事前にシミュレーションしておくことが重要です。 ダブルフラットのメリット ダブルフラットには、将来の返済負担を軽減できることや、金利の低いローンを活用することで総返済額を抑えられるといったメリットがあります。さらに、返済方法の選択肢も広がるため、ライフプランに合わせた柔軟な返済設計が可能です。ここでは、ダブルフラットを利用することで得られる主なメリットについて詳しく解説します。 将来の返済負担を軽減できる 返済期間が20年のフラット20と、35年のフラット35を組み合わせた場合を考えてみましょう。借り入れから20年間は、2本のローンを同時に返済するため、毎月の返済額はやや高くなります。しかし、21年目以降はフラット20が完済されることで、返済額が減り、将来的な負担を軽減できます。 たとえば、フラット20の完済時期を60歳に設定すれば、定年後の収入減少を見据えた返済計画を立てることも可能です。ライフステージに合わせた設計ができる点は、ダブルフラットの大きなメリットといえるでしょう。 出典)【フラット35】「ダブルフラット」 総返済額を抑えられる フラット20は返済期間が短いため、フラット35よりも金利が低めに設定されています。 この特徴を活かして、フラット35とフラット20を組み合わせることで、金利の低いローンを一部に充てることができ、結果として総返済額を抑えることにつながります。 たとえば、同じ3,000万円を借りる場合でも、フラット20を併用することで、フラット35単独よりも数百万円単位で返済額が少なくなるケースもあります。(後述する「ダブルフラットの返済シミュレーション」で詳しく紹介します。) 返済方法を柔軟に選べる ダブルフラットでは、元利均等返済と元金均等返済を組み合わせたり、ボーナス併用払いと毎月払いを併用したりすることができます。2本のローンそれぞれで返済方法を選べるため、家計の状況や収入のタイミングに合わせて、無理のない返済プランを設計することが可能です。 たとえば、フラット20は元金均等返済で早めに元本を減らし、フラット35は元利均等返済で安定した支払いを続けるなど、目的に応じた使い分けもできます。 ダブルフラットの返済シミュレーション ダブルフラットを使った場合と、通常のフラット35だけを使った場合で、返済額がどれくらい違うのかを比較してみましょう。 ■フラット35の融資条件 ・借入金額:3,000万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.97%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし ■ダブルフラットの融資条件 〇フラット35 ・借入金額:1,500万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.97%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし 〇フラット20 ・借入金額:1,500万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.58%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし 借入内容 借入期間 毎月返済額 総返済額 フラット35 35年 98,917円 41,545,177円 ダブルフラット ・フラット35 ・フラット20 当初20年 121,373円 ・49,458円(フラット35) ・72,935円(フラット20) 38,276,787円 (約326万円削減) 21年〜35年 49,458円 ※住宅保証機構株式会社「返済額の試算」を基に筆者作成 試算の結果、フラット35単独利用時との差は以下のとおりです。 総返済額:約 326万円 抑えられる 月々の返済額(当初20年):約 2万2,000円 増える 月々の返済額(21年目以降):約 4万9,000円 減る つまり、「当面の負担は増えても、総返済額と将来の負担を確実に減らしたい」という方に適したプランです。教育費のピークや定年退職の時期など、ライフプランに合わせて検討しましょう。 ダブルフラットの注意点 ダブルフラットを利用する際は、以下の点に注意が必要です。 同一金融機関での申込が必要 2本のローンは同じ金融機関で申し込む必要があります。ダブルフラットを取り扱っていない金融機関もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。 諸費用が1本のローンよりも多くかかる それぞれのローンに対して、金銭消費貸借契約、抵当権設定などの手続が必要となり、融資手数料、金銭消費貸借契約書の印紙税、抵当権設定のための費用などが1本のローンの場合と比べて多くかかります。返済額の軽減効果と諸費用を含めた総コストの比較も忘れずに行いましょう。 団信はそれぞれの契約に紐づく 団体信用生命保険は、ローン契約者が死亡・高度障害になった場合に残債が免除される保険です。2本のローンそれぞれに個別で加入する必要があります。加入は任意ですが、2本とも加入するか、しないかを選ぶ必要があります。 関連記事はこちら住宅ローンの団体信用生命保険とは?保障内容や特約を解説 ペアローンでは利用不可 夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むペアローンでは、1人につき1本の契約となるため、ダブルフラットは利用できません。 まとめ ダブルフラットは、2本の住宅ローンを組み合わせることで、将来の返済額を抑えられる制度です。特に、定年後の生活を見据えた返済計画を立てたい方におすすめです。 ただし、諸費用や団信の加入など、単独ローンとは異なる点もあるため、事前のシミュレーションと比較検討が重要です。まずは金融機関に相談し、ライフプランに合った返済方法を検討してみてください。 専門家に相談してみる 住宅ローンや不動産売買の資金計画など、お客さまのご状況にあわせてサポートします。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門家に相談してみる 住宅ローンや不動産売買の資金計画など、お客さまのご状況にあわせてサポートします。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 フラット35とは?初心者にもわかりやすく特徴やメリットを解説 フラット35は、自宅購入時に利用できる住宅ローン商品の一つです。住宅ローンを検討する際、全期間固定金利で自宅を購入したい場合は、フラット35が有力な選択肢となるでしょう。 この記事では、フラ...