金融/不動産知恵袋

住宅ローン

  • 住宅ローンを払い終えたらやること

    住宅ローンの返済期間は長期にわたるため、払い終えると精神的に楽になるでしょう。しかし、住宅ローンは完済した後もやらなければならない手続きがあります。 手続きを忘れてしまうと、売却や資産活用の際に不都合が生じる可能性があるので注意が必要です。今回は、住宅ローン完済までの平均期間や完済後に必要な手続きについて詳しく解説します。 住宅ローン完済までの平均どれぐらいかかるのか? 住宅ローンは、30年程度の長期にわたって返済を続けるイメージがあるのではないでしょうか。しかし、実際には比較的短期間で払い終える人もいます。ここでは、住宅ローン完済までの平均期間など、住宅ローンの返済事情について確認していきましょう。 住宅ローン完済までの平均期間は16年 住宅金融支援機構の「2020年度 住宅ローン貸出動向調査」によれば、住宅ローン完済までの平均期間は16年となっています。この結果を見て、「意外と短い」と感じたかもしれません。完済までの期間が短い理由は、以下3つの要因が影響しているからだと考えられます。 住み替えによる完済 借り換えによる完済 繰り上げ返済 転勤や子どもの独立などで間取りがライフスタイルに合わなくなり、住み替えを検討するケースがあります。住宅ローンが残っている状態で住み替えをするときは、残債を完済しなくてはなりません。住み替えにあたって自己資金が不足している場合、新たな住宅ローンを借りるケースもあります。 低金利の影響で、現在は住宅ローン金利も下がっています。金利が比較的高い時期に住宅ローンを組んだ場合、低金利のローンに借り換えることで、毎月の返済額や総返済額を減らすことが可能です。調査結果には、既存の住宅ローンを完済して新たな住宅ローンを組むケースも含まれています。 また、手元資金に余裕がある場合は、繰り上げ返済によって当初の予定よりも早期に完済するケースもあるでしょう。 繰り上げ返済を行えば平均完済期間は短くなりますが、住み替えや借り換えは完済後に新たな住宅ローンを組むことになります。そのため、完済までの期間が短くなるどころか長期化することもあります。 住宅ローン完済までの期間は長期化傾向にある 住宅金融支援機構の調査結果では、2016年度以降は住宅ローンの新規貸出期間や平均完済期間は延びています。約定貸出期間は「25.6年(2016年度)→27.0年(2019年度)」、平均完済期間は「15.0年(2016年度)→16.0年(2019年度)」となっており、住宅ローンの返済期間は長期化していることがわかります。 返済期間の長期化の理由として考えられるのは以下2つです。 繰り上げ返済の減少 借り換えメリットの減少 住宅ローンを借りてマイホームを購入すると、住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)が利用できます。10年間にわたって住宅ローン年末残高の1%が所得税から控除されるため、積極的に繰り上げ返済をする必要がなく、返済期間の長期化につながっています。 また、低金利環境が長く続いており、住宅ローンの適用金利も下がっています。低金利で住宅ローンを借りることができれば、繰り上げ返済や借り換えによる利息軽減効果はあまり期待できません。繰り上げ返済や借り換えのメリットが減少していることも、返済期間が長期化している理由の一つといえます。 参考)住宅金融支援機構「2020年度 住宅ローン貸出動向調査P15」 住宅ローンの完済後に必要な手続き 住宅ローンを払い終えた後は、どのような手続きが必要なのでしょうか。ここでは、住宅ローン完済の方法と完済後に必要な手続きについて説明します。 完済後の手続き①:繰り上げ完済の場合の手続き 住宅ローンを約定返済で完済する場合には、特に手続きをする必要がないですが、繰り上げ返済で完済する場合は、原則として金融機関の窓口で手続きします。契約者本人が訪問して返済依頼書を提出し、返済用口座に返済資金を入金するのが一般的な流れです。ただし、中にはインターネットで手続きが可能な金融機関もあります。 住宅ローンの繰り上げ完済には、借入残高の他に完済日当日までの未払利息、金融機関所定の手数料も必要です。繰り上げ完済を行う場合は事前にシミュレーションをして、必要な金額を把握しておきましょう。 また、繰り上げ完済の手続きはすぐにできるわけではなく、通常は数週間~1カ月程度かかるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。まずは住宅ローンを借りている金融機関に問い合わせて、手続きの流れや必要書類を確認することから始めましょう。 完済後の手続き②:抵当権の抹消手続き 住宅ローン完済後は、抵当権の抹消手続きが必要です。抵当権は自動的に解除されるわけではないので、手続きをしなければ、完済後も抵当権は設定されたままになってしまいます。 抵当権が設定された状態で放置しておいても、直ちに不都合が生じるわけではありません。しかし、不動産を売却したり、相続が発生したり、不動産を担保に新たな融資を受けたりする場合はスムーズに手続きができなくなります。 そのため、住宅ローンを完済したタイミングで抵当権の抹消手続きを行っておくほうがよいでしょう。抵当権の抹消は、自身で必要な書類を準備して手続きを行うか、司法書士などの専門家に依頼します。抵当権抹消手続きの流れは、後ほど詳しく説明します。 完済後の手続き③:火災保険への質権設定の解除 火災保険の質権設定とは、あまり一般的ではありませんが、保険金請求権や返還保険料請求権に対して質権を設定することです。質権を設定すると、火災保険の支払いが発生した場合に、保険金が契約者ではなく金融機関に支払われます。 仮に住宅ローンの担保となっている建物が火災で全焼した場合、金融機関は抵当権を実行できなくなります。建物が火災で全焼しても金融機関が貸付金を回収できるように、住宅ローンを組むときに火災保険の質権設定がされているケースもあります。 住宅ローンの完済後、金融機関から「保険証券」「質権消滅承認請求書」などの書類が送られてくるので、保険会社に連絡して質権消滅手続きを行います。不明点があれば、金融機関や保険会社に相談しましょう。 なお、火災保険が満期を迎えた後は、「更新」「乗り換え」「解約」の3つの選択肢がります。火災や自然災害で建物が被害を受けると、生活を立て直すためにまとまったお金がかかります。基本的に解約は避け、更新または乗り換えを検討するのがおすすめです。 抵当権の抹消手続きガイド 先程も触れたように、抵当権の抹消は自身で手続きできます。また、自身で手続きを行うのが不安な場合は、司法書士に依頼することも可能です。ここでは、抵当権の抹消手続きの流れや必要書類、費用などについて詳しく説明します。 抵当権抹消手続きのステップ 抵当権抹消手続きの流れは以下の通りです。 金融機関から完済書類を受領 管轄の法務局を確認 抵当権抹消登記申請書の取得、記入(法務局HPからダウンロード可) 必要書類の準備 法務局へ申請 住宅ローンの完済後、金融機関から抵当権抹消に関する書類が送付されます。抵当権抹消手続きは法務局で行うため、物件所在地の管轄の法務局を調べましょう。法務局HPから抵当権抹消登記申請書をダウンロードして印刷し、必要事項を記入します。記入内容に誤りがあると、手続き完了までに時間がかかるので注意が必要です。 必要書類が準備できたら、法務局に持参して申請を行います。無事に受理され、申請内容に問題がなければ手続きは完了です。申請内容に不備があった場合は法務局から連絡が来るので、指示に従って補正申請を行いましょう。 抵当権抹消手続きに必要な書類 抵当権抹消手続きに必要な書類で、金融機関から送られてくるものは以下の通りです。 登記済証(登記識別情報) 弁済証書/抵当権解除証書 抵当権抹消の委任状 金融機関の資格証明書 登記済証は、抵当権設定時に抵当権者(金融機関)に交付される書類です。法務局がオンライン化された後に発行された場合は登記識別情報になります。登記済証は赤いゴム印が押されており、登記識別情報はパスワード部分にシールが貼られています。 弁済証書/抵当権解除証書は、住宅ローンの返済が終了したことを証明する書類で、金融機関によって名称が異なります。 抵当権抹消の委任状は、金融機関が物件所有者に抵当権抹消手続きを委任するための書類です。代理人欄が空欄になっているので、申請者の署名・捺印が必要です。 金融機関の資格証明書は、住宅ローンを借りていた金融機関の登記簿です。「代表者事項証明書」「登記事項証明書」など、金融機関によって名称が異なります。金融機関の資格証明書は、有効期限が3カ月しかないので注意しましょう。 自分で抵当権抹消手続きを行う場合は、上記書類の他に印鑑証明書や本人確認書類、抵当権抹消登記申請書の作成なども必要です。 抵当権抹消手続きでかかる費用 抵当権抹消手続きでは以下の費用がかかります。 登録免許税 登記取得費用 登録免許税は、登記申請の際にかかる税金で、1つの不動産につき1,000円かかります。たとえば、一戸建ての場合は土地と建物それぞれ1,000円ずつかかるため、合計2,000円*です。 ※土地が一筆の場合を想定しています。 また、抵当権を抹消したい不動産の登記内容を確認したり、手続き後に抵当権抹消が行われたかを確認したりするための登記取得費用も必要です。物件種類や取得方法によって変わってきますが、一般的には一通につき数百円程度かかります。 司法書士に任せて抵当権抹消手続きを行う 抵当権抹消登記は法務局で手続きを行いますが、平日しか受け付けてくれないため、仕事をしながらでは難しいかもしれません。また、申請内容に不備があると、何度も法務局に出向く必要があります。 専門家である司法書士に依頼すれば、自身で手続きを行うより費用はかかりますが、確実に手続きをしてもらえるので安心です。 司法書士会のホームページを確認し、住んでいる地域の司法書士に連絡してみるといいでしょう。また、住宅ローンを借りていた金融機関に司法書士を紹介してもらう方法もあります。 抵当権抹消手続きを司法書士に依頼する場合、登録免許税や登記取得費用に加えて司法書士報酬がかかります。司法書士報酬は1~1.5万円が相場で、実費と合わせて数万円程度の費用がかかります。 住宅ローンの借り換えの場合は、完済する住宅ローンの抵当権抹消と新たに借りる住宅ローンの抵当権設定を同時に依頼する形になります。 抵当権抹消手続きを行わなかった場合どうなる 住宅ローンを完済した後に抵当権を抹消しなくても、すぐに大きな影響が出るわけではありません。しかし、不動産の売却や借入を行う際にスムーズに手続きができなくなるので、完済後は速やかに手続きをしておくほうがいいでしょう。 売却への影響 住宅ローンを完済した不動産を売却する場合、抵当権が設定されたままでは買主側に不都合が生じます。不動産会社の買取にせよ、仲介で個人に売却するにせよ、新しい買主はその不動産を担保にローンを借りる際に抵当権を設定する必要があるからです。 法律上では抵当権が設定されたままでも、不動産を売却することは可能です。しかし、実際の取引においては「抵当権が残っている状態では売却できない」と考えておくといいでしょう。 ローン審査への影響 住宅ローンを完済した不動産を担保に借り入れをしない限り、抵当権を抹消しなくても不都合はありません。住宅ローンを完済していれば、抵当権が残っていても信用情報においては借り入れがないことになっています。 ただし、住宅ローンを完済した不動産を担保に新たな借り入れを行う場合、抵当権の設定が必要になるため、完済した住宅ローンの抵当権は解除しなくてはなりません。 今は予定がなくても、急にまとまったお金が必要になれば、不動産を担保に借り入れを行う可能性も考えられます。資金が必要になったときに慌てずに済むように、住宅ローンを完済したタイミングで抵当権を抹消しておきましょう。 完済後に資産価値を活かす方法 子どもの教育費や両親の介護、自身の老後資金など、まとまったお金が必要になることがあります。そのようなときに、住宅ローンを完済した持ち家を活用すれば、資金を工面できるかもしれません。ローン完済後に持ち家の資産価値を活かす方法は、以下のページで紹介しています。 参考)住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス 不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を担保にお金を借りることができるローンです。資金使途は原則自由で、生活資金や教育資金、事業資金など幅広い資金ニーズに対応できるのが魅力です。ご相談や仮審査は無料で承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。 参考)不動産担保フリーローン|SBIエステートファイナンス まとめ 住宅ローンを払い終えたら、そのタイミングで抵当権を抹消しておくのがおすすめです。抵当権が設定されたままでも、当面は不都合が生じることはありません。しかし、抵当権が設定されたままでは、不動産の売却や借り入れの手続きに時間がかかってしまいます。 抵当権の抹消は自身で手続きできますが、司法書士に依頼することも可能です。申請内容に不備があると時間や手間がかかるので、不安がある場合は司法書士に依頼して手続きを進めましょう。 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ロー...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.05.12住宅ローン
  • 住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

    長く住み続ける予定でマイホームを購入しても、仕事や人間関係、環境の変化などを理由に「住み替えたい」と思うこともあるでしょう。しかし、住宅ローンが残っている状況では、新しい家に住み替えができるか不安を感じるのではないでしょうか。 住宅ローンが残っている場合、自宅の売却代金で残債を完済するのが基本です。ただし、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合は、「住み替えローン」を利用する方法もあります。 今回は、住み替えローンの概要やメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。 住み替えローンとは? 住み替えローンとは、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない時に、残債を新居の購入代金と併せて借入する事ができるローンのことです。 自宅の資産価値よりも住宅ローン残高のほうが多い状態のことを「オーバーローン(貸出超過)」といいます。住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新たに購入する家の購入資金をまとめて借りることができるため、オーバーローン状態であっても利用できます。 「住み替えたいが自宅の売却代金で住宅ローンを返済しきれない」という場合は、住み替えローンを検討するといいでしょう。 住み替えローンを利用する際の流れ 住み替えローンの手続き自体は、通常の住宅ローンと大きな違いはありません。ただし、住み替えの際は「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。 自宅の売却活動では、不動産仲介業者に自宅の査定を依頼し、仲介により売却するのが一般的です。また、不動産会社と直接取引することで、より早期に売却できます。どちらも売却価格の合意後に売買契約を締結することになります。また、新居の購入活動では、不動産会社に物件を紹介してもらい、購入物件が決まったら売主と売買契約を締結します。 住み替えローンを利用するときは、自宅の売却(住宅ローンの完済)と新居の購入の決済は同じ日に行わなくてはなりません。自宅の売却と新居の購入はどちらから始めても構いませんが、なるべく平行して活動を進めて決済日を合わせる必要があります。 住み替えローンのメリット 住み替えローンのメリットは以下の通りです。 住宅ローンの残債を完済できなくても住み替えができる 住み替えローンの最大のメリットは、自宅の売却代金で住宅ローン残債を完済できなくても住み替えができることです。 住宅ローンの残債が減るのを待つことなく、自分の好きなタイミングで住み替えができます。転勤や子どもの進学などでどうしても住み替えが必要な場合は、住み替えローンを利用するといいでしょう。 手元資金を使わずに済む 住み替えローンは、住宅ローン完済のために手元資金を使わずに済むのもメリットです。 手元資金で住宅ローンの残債を完済すれば借入はなくなりますが、大幅に手元資金が減ってしまう可能性があります。急にまとまったお金が必要になる可能性もあるので、もしものときに備えて「まとまったお金を残しておきたい」と考える人もいるでしょう。 住み替えローンを利用すれば、手元にお金を残しながら新居に住み替えができます。 住み替えローンのデメリット 一方で、住み替えローンには以下のデメリットもあります。 不動産の価格以上に借入金額が膨らむ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることになるため、借入金額が膨らんでしまいます。借入金額が増えれば、これまでよりも返済負担は大きくなるでしょう。 せっかく住み替えをしても、ローン返済が困難になれば新居を手放すことになりかねません。住み替えローンを利用する場合は、無理なく返済できるかを見極めることが大切です。 金融機関の審査が厳しい 住み替えローンは、住宅ローンに比べると金融機関の審査が厳しい傾向にあります。 不動産(新居)の評価額以上の金額を融資するオーバーローンであるため、返済能力や新居の担保価値を厳しく審査されます。そのため、勤務先や年収、ローン返済歴などによっては審査落ちの可能性もあります。 住み替えローンの注意点 住み替えローンは、自宅の売却と新居の購入を同時決済しなくてはなりません。そのため、不動産会社や金融機関と相談し、同じ日に決済できるように調整する必要があります。 新居の購入は物件や購入日を自分で選べるため、コントロールできる部分が多いといえますが、仲介で自宅の売却をしようとしても、買主が見つからないと手続きを進めることができないため、決済日の調整が難しいでしょう。 そのため、売却は購入のタイミングに併せて不動産会社に直接買い取りを依頼するなど、購入と同時に決済が出来るよう段取りをしておく必要があります。このように売却を仲介ではなく、不動産会社による直接買い取りにする場合には、価格が時価より下がりやすいので注意が必要です。 自宅売却で譲渡損失が生じても税制上の特例が使える 自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合、譲渡損失(売却損)が発生する可能性が高いでしょう。マイホームの売却で譲渡損失が生じた場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。 本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。 また、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、最長3年間にわたって繰り越して各年の所得から控除できるため、所得税や住民税が軽減されます。特例が利用できるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 参考)国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることができるのがメリットです。ただし、借入金額が膨らむため、審査に通ったとしても毎月の収支を圧迫する恐れがあります。住み替えローンの利用は慎重に判断しましょう。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 持ち家に住んでいても、ライフスタイルの変化や金銭的な問題で「住み替え」を検討することがあるでしょう。しかし、住み替えたいと思っても、どのような手順で住み替えを進めたらよいかわからないのではな...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 住宅ローンを比較する5つのポイント

    マイホームは、住宅ローンを利用して購入するのが一般的です。さまざまな金融機関が住宅ローンを扱っているので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 自分に合った住宅ローンを選ぶには、比較するポイントを理解しておくことが大切です。今回は、住宅ローンを比較する5つのポイントをお伝えします。 住宅ローンの比較ポイント1:審査基準 住宅ローンでは、基本的に審査金利と返済比率が独自に決められています。 まず、審査金利とは、住宅ローン審査で使われる金利のことで、通常は適用金利よりも高めに設定されています。次に、返済比率は年収に対する年間返済額の割合(年間返済額÷年収)を意味し、一般的には30~35%が基準といわれています。 高めの金利で審査が行われると借入可能額が下がるため、借入希望額によっては審査に落ちる可能性があります。また、連帯債務者の収入を返済比率にどのように組み込むかによっても、審査結果は変わってきます。 注文住宅の場合は、土地先行決済の分割融資(つなぎ融資、土地先行融資)への対応が可能かどうかも確認しておきたいポイントです。 まずは不動産会社や金融機関の担当者に話を聞き、借りられそうだと判断できる場合は仮審査に申し込んでみましょう。 住宅ローンの比較ポイント2:金利 住宅ローンは適用金利が下がるほど、毎月の返済額や総返済額を減らすことができます。金利タイプが同じであれば、最も金利が低い住宅ローンを選ぶといいでしょう。 住宅ローンで比較が難しいのが、固定金利期間選択型(当初固定型)の住宅ローンです。固定金利期間が終了すると、一般的に変動金利に切り替わるため、当初の固定金利だけでなく、変動金利も考慮して比較する必要があります。 住宅ローンの比較ポイント3:手数料 住宅ローンを借りる際は以下の手数料がかかります。 事務手数料 保証料 司法書士に払う登記費用 事務手数料は、借入金額にかかわらず定額の場合もあれば、借入金額の一定割合(借入金額×〇%)の場合もあります。借入金額が大きいときは、定額を選ぶと費用を抑えられる可能性があります。 保証料は、保証会社に支払う費用です。債務者が住宅ローンを返済できなくなった場合、保証会社が代わりに返済する仕組みになっています。保証料は一括で払うか、0.2%程度の金利が上乗せされます。 保証料が無料の住宅ローンもありますが、その場合は事務手数料が高くなることがあります。そのため、事務手数料と保証料はセットで比較するといいでしょう。 住宅ローンを借りる際は所有権の移転登記や抵当権を設定する必要があるため、司法書士に払う登記費用もかかります。司法書士は一般的に自分で探すのではなく、金融機関や不動産会社に紹介してもらえます。 また、繰り上げ返済や借り換えなどを見据えて、一部繰上返済手数料や全額繰上返済手数料も忘れずに確認しておきましょう。 住宅ローンの比較ポイント4:団体信用生命保険 住宅ローンの団体信用生命保険(団信)とは、債務者が返済期間中に死亡または高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残債が全額弁済される保険のことです。団体信用生命保険は、特約の種類や上乗せされる保険料(金利)が比較対象となります。 特約については、特定の疾病にかかると住宅ローン残高が0円になる、一定期間の返済相当額を保障してくれるなど、さまざまな種類があります。住宅ローンを比較する際は、特約の種類をそろえるとわかりやすいでしょう。 団体信用生命保険は、基本的に年齢や性別による保険料の違いはありません。一方で、医療保険やがん保険で保障を確保しようとすると、年齢が高くなるほど保険料が割高になるため、借入時の年齢が上がれば上がるほど団体信用生命保険による保障が有利に働きます。 住宅ローンの比較ポイント5:口座開設の手間、返済のしやすさ 住宅ローンでは、他の金融機関の口座を返済口座に指定できないことが多いため、口座を持っていない場合は新たに口座開設が必要になります。 マイホームを購入するときはやることが多いので、金利差が小さい場合はすでに口座を持っている金融機関で住宅ローンを借りるのも一つの考え方です。取引の実績があれば、金利優遇などを受けられる可能性もあります。 ただし、口座開設の手続きはアプリ上で完結するなど、短時間で済むこともあります。また、他の金融機関から手数料無料で返済口座に資金移動ができたり、他行の口座を返済口座に指定できたりする銀行もあります。 住宅ローンを選ぶときは、口座開設の手間や返済のしやすさについても比較しましょう。 まとめ 上記で紹介した5つのポイント以外にも、住宅ローンを利用すると、特典を受けられることがあります。たとえば、金融機関によっては、振込手数料やATM手数料が一定回数まで無料になります。また、新たな借り入れの際に金利優遇が適用されることもあります。住宅ローンの特典内容は金融機関によって異なるので、どのような特典を受けられるかも確認しておくといいでしょう。 住宅ローンは、比較するポイントを明確にすると選びやすくなります。ただし、希望条件をすべて満たす住宅ローンがあるとは限らないので、何を重視するか優先順位をつけることが大切です。マイホームを購入するときは、今回紹介したポイントを参考に住宅ローンを比較してみましょう。 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ロー...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.04.21住宅ローン
  • 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

    持ち家に住んでいても、ライフスタイルの変化や金銭的な問題で「住み替え」を検討することがあるでしょう。しかし、住み替えたいと思っても、どのような手順で住み替えを進めたらよいかわからないのではないでしょうか。 住み替えには費用がかかりますし、売却によって利益が出れば税金がかかるケースもあります。スムーズに住み替えを進めるには、活動を始める前に全体の流れや費用を把握することが大切です。 今回は住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例について詳しく解説します。 住み替えの流れは? 住み替えには、「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。まずは売却と購入それぞれの流れを確認しておきましょう。 自宅を売却するまでの流れ 自宅を売却するまでの流れは以下の通りです。 不動産査定 売却活動 売買契約 決済 引き渡し まずは不動産会社(仲介業者)に自宅の査定を依頼し、いくらで売れそうかを確認します。査定金額に納得できたら、不動産会社と媒介契約を締結して売却活動を進めます。 買主が見つかって売却金額や引渡日などの条件が決定したら、売買契約を締結し、決済後に物件の引き渡しを行います。一連の手続きは、不動産会社がサポートしてくれます。 新居を購入するまでの流れ 一方、新居を購入するまでの流れは以下の通りです。 物件探し 物件見学 売買契約 決済 引き渡し 不動産会社に訪問したり、インターネットの物件情報を確認したりして、新居の候補となる物件を探しましょう。良さそうな物件が見つかったら、実際に物件を見学して自身の希望通りの条件かどうかなど確認します。 購入する物件が決まったら売主と売買契約を締結し、決済完了後に物件が引き渡されます。なお、住宅ローンを利用する場合は、契約前後にローンの申し込みが必要です。 住み替えにかかる費用 住み替えでは、自宅の売却と新居の購入それぞれで費用がかかります。 自宅の売却でかかる費用 自宅の売却でかかる費用をまとめました。 仲介手数料 ※不動産仲介による売却の場合 印紙税 一括繰上返済手数料・登記費用 ※住宅ローンが残っている場合 所得税・住民税 ※譲渡益が出た場合 引っ越し費用、仮住まいの賃料など ※売り先行の場合 仲介手数料と印紙税は不動産の売買価格によって変化します。たとえば、売買価格が3,000万円なら、仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」がかかるので「96万円+消費税」、印紙税は「本則税率:2万円、軽減税率:1万円」となります。 住宅ローンを組んでいる場合には完済の手数料や抵当権抹消の登記費用が掛かります。また、譲渡益が出た場合は所得税・住民税がかかりますが、税制上の特例を利用することで税金がかからないケースもあります。 その他、住み替えを売り先行で行う場合には新居購入までの仮住まいが必要なので、賃貸住宅への引っ越し費用や賃料なども必要です。 新居の購入でかかる費用 新居の購入でかかる費用は以下の通りです。 仲介手数料 ※不動産仲介による購入の場合 印紙税 登記費用 融資事務手数料、保証料など ※住宅ローンを組む場合 保険料 引っ越し費用、不動産取得税、固定資産税など 新居の購入でかかる仲介手数料や印紙税も、自宅の売却と同じく売買価格によって変動します。 新たに住宅ローンを組む場合は、事務手数料や保証料のほか、司法書士に依頼する抵当権設定費用なども必要です。 その他、火災保険や固定資産税などまとまった費用がかかります。不動産は高額のため諸費用も多くかかります。そのため、資金が不足しないように、住み替えをする前に必ず費用を見積もっておきましょう。 (参考) ・公益社団法人 全日本不動産協会「仲介手数料について」 ・不動産売買契約書の印紙税の軽減措置 住み替えの際に利用できる特例 住み替えの際は、税制上の特例を利用することで税負担の軽減が可能です。 譲渡益が出た場合 自宅の売却で譲渡益が出た場合は、以下2つの特例が利用できます。 3,000万円の特別控除 買い替え特例 3,000万円の特別控除とは、マイホームを売却したときに、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。譲渡益が3,000万円以下の場合、3,000万円の特別控除が適用されれば所得税・住民税はかかりません。 買い替え特例とは、マイホームを買い替えたときに、一定の要件を満たすと譲渡益にかかる税金を将来に繰り延べることができる特例です。自宅を売却した年には譲渡益への課税は行われず、将来新居を売却するときに課税されます。 3,000万円の特別控除と買い替え特例は併用できないため、どちらかを選択する必要があります。どちらが有利かは譲渡所得の金額などによって変わってくるため、判断できない場合は税理士などの専門家に相談しましょう。 (参考) ・国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 ・国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 譲渡損失が出た場合 自宅の売却で譲渡損失が出た場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。 本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。 損益通算を行っても所得から控除しきれなかった譲渡損失は、マイホームを売却した年の翌年から最長3年間繰り越して、各年の所得から控除できます。本特例を利用すれば、給与所得などにかかる所得税・住民税が軽減されます。 特例が適用されるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えをスムーズに行うには、流れや費用を確認した上で、自分に合った方法で手続きを進めることが大切です。不動産会社や税理士などと相談しながら、新居への住み替えを成功させましょう。 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点

    住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ローンの借り換えは諸費用がかかるため、必ず効果が出るとは限りません。金利やローン残高、返済期間といった諸条件によっては損をするケースもあるため、住宅ローンを借り換えるべきかを冷静に見極めることが大切です。 今回は、住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点について説明します。 借り換えの効果が期待できないケースがある 住宅ローンの借り換えを検討するときは、総返済額だけに注目しないことが大切です。借り換えによって総返済額が減少したとしても、諸費用を合算して考えると、実際には総返済額がほとんど変わらない、または損をするケースもあります。 一般的に、住宅ローンの借り換え効果が期待できる目安は以下の通りです。 金利差1.0%以上 ローン残高1,000万円以上 残存返済期間10年以上 これら3つの条件に当てはまる場合は、借り換えを検討してみるといいでしょう。住み替えの予定があるなど完済までの期間が短い、または借り換え前と後の金利差が小さい場合は、住宅ローンの借り換え効果は期待できません。 住宅ローンの借り換えには諸費用がかかる 住宅ローンの借り換えを検討する際は、どのような諸費用がかかるかを理解しておくことが大切です。借り換えでかかる主な諸費用をまとめました。 完済にかかる費用:繰り上げ返済手数料、抵当権抹消登記費用など 借入にかかる費用:保証料、事務手数料、抵当権設定費用、印紙税など 既存の住宅ローンを完済するときは、繰り上げ返済手数料や抵当権を抹消するための費用がかかります。また、新たに借りる住宅ローンについては、保証料や事務手数料、抵当権の設定費用などが必要です。 住宅ローンに関する各種手数料は、金融機関によって異なります。また、店頭とインターネットのどちらで手続きするかによって、手数料が変わることもあります。 借り換えにかかる諸費用が高額になると、費用を回収するまでに長期間かかるので注意しましょう。 諸費用を組み込んで借り換えをすると元金が増加する 住宅ローン借り換えの諸費用を準備できないときは、諸費用を組み込んで借り換えをすることも可能です。すべての諸費用をローンに組み込めるとは限りませんが、準備するお金は少なく済みます。 ただし、諸費用を組み込むと元金が増加し、諸費用を別途支払うより月々の返済額や総返済額が増えてしまうため、結果として借り換え効果が小さくなります。 金利などの諸条件によっても変わりますが、基本的には諸費用を元本に組み込まずに借り換え・返済する計画を立てましょう。 住宅ローンの借り換えをうまく利用するには 住宅ローンの借り換えをうまく利用するには、借り換えによって得られる効果やリスクをはっきりさせることが大切です。具体的には、以下の3点について検討しましょう。 将来的な住み替えの可能性は? 将来的に現在の持ち家を売却して、別の家に住み替える可能性はないでしょうか。住み替えの予定があるなら、あと何年住んだら借り換えのメリットが出るのかを試算しておきましょう。退職金などの臨時収入で早期に完済した場合も借り換え効果が少なくなります。 具体的な予定がなくても、子どもが独立して夫婦二人の生活になれば、現在よりコンパクトな物件に住み替えたいと考えるかもしれません。 ライフスタイルの変化に対応できるように、住み替えや早期完済の可能性を考慮して住宅ローンの借り換えを検討することが大切です。 毎月の返済額の軽減効果は? 住宅ローンの借り換えを検討するときは、毎月の返済額の軽減効果も判断材料となります。毎月の返済軽減額と借り換えにかかる諸費用を比較し、何年で諸費用を回収できるかを試算しましょう。 実際に計算をしてみると、予想以上に諸費用の回収に期間がかかることもあります。最終的には総返済額を減らすことができても、一時的に手元資金が不足して急な出費に対応できなくなる恐れがあるので注意が必要です。 諸費用を含めた総返済額の軽減効果は? 諸費用を含めて総返済額の軽減効果を得られないと、住宅ローンの借り換えを行うメリットはありません。「元々の総返済額」と「借り換え後の総返済額+諸費用」を比較し、どれだけ返済負担が軽減できるのかを確認しましょう。 住宅ローンの借り換えでは2つの金融機関と同時やり取りする必要があり、手続きも煩雑で時間と手間がかかります。「労力に見合った借り換え効果を得られるか」という視点で、借り換えを行うか判断するといいでしょう。 まとめ 持ち家で住宅ローンを返済している場合、新しい住宅ローンに借り換えることで総返済額を軽減できる可能性があります。ただし、ここ数年の低金利の環境下に借り入れをした人にとっては、住宅ローンの借り換えでメリットが出せるケースはそれほど多くありません。 借り換えを行うか判断する際は、諸費用を含めて総返済額の軽減効果を得られるか見極めることが大切です。ホームページで「住宅ローンの借り換えシミュレーション」を提供している金融機関もあるので、借り換えを検討するときに活用してみましょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編) 住宅ローンの返済に追われて貯金する余裕がないと、老後に不安を感じるのではないでしょうか。さらに、自宅の住み替えを予定している場合は、より多くの資金を準備しなくてはなりません。現在の年齢が60...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.03.03住宅ローン
  • 住宅ローン減税特例が延長!さらに床面積が40平米以上に緩和

    2020年12月21日に閣議決定された2021年度(令和3年度)税制改正の大綱において、住宅ローン減税及び住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の延長等が盛り込まれました。今回の措置は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図るために策定されたものです。 今後の国会で関連税制法が成立することが前提にはなりますが、マイホーム取得にかかる税負担を軽減できる可能性があります。マイホーム取得を検討しているのであれば、税制改正の内容を理解しておくことが大切です。 今回は、住宅ローン減税の仕組みや緩和される適用要件について詳しく解説します。 そもそも住宅ローン減税とは 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、個人がマイホームの新築や取得、増改築等を行う場合、一定の要件を満たすと住宅ローン年末残高の1%が所得税から控除される制度です。所得税から控除しきれない場合は、住民税から控除することも可能です。 マイホームの取得で住宅ローン減税が適用されれば、住宅ローン金利の負担軽減が期待できます。なお、住宅ローン減税の適用を受けるには確定申告が必要ですが、会社員(給与所得者)の場合は、2年目以降は年末調整で控除の適用を受けられます。 (参考)国税庁「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」 住宅ローン減税の控除期間13年の適用要件について 2019年10月に実施された消費税率の引き上げ(8%→10%)に伴い、住宅ローン減税の控除期間が従来の10年から13年に延長されました。控除期間の延長は、建物購入価格の消費税増税分の負担を軽減することが目的で、特別特定取得にあたる場合に適用されます。 特別特定取得とは、消費税率10%が適用される新築や中古住宅の取得を指し、その住宅に「2019年10月1日~2020年12月31日」の間に居住を開始した場合に適用されます。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響で入居が期限に遅れた場合は、一定の要件を満たした上で、2021年12月末までに入居すれば特別措置の対象となります。 控除額は、10年目までは「住宅ローン年末残高×1%(控除限度額50万円)」です。11~13年目は、「住宅ローン年末残高×1%」または「建物価格(消費税を除く)×2%÷3」のいずれか低い金額が控除額となります。 (参考)国土交通省「消費税率引上げに伴う住宅取得に係る対応について」」 2021年度税制改正の概要 2021年度税制改正の概要は以下の通りです。 住宅ローン減税 住宅ローン減税については、現行の特別特定取得における控除期間13年の措置について、契約期限と入居期限をともに1年延長することが盛り込まれました。 具体的には、契約期限(注文住宅は2020年10月~2021年9月、分譲住宅等は2020年12月~2021年11月)と入居期限(2021年1月~2022年12月)を満たす者に、現行の控除期間13年が適用されます。 また、上記の措置については、新たに床面積要件がこれまでの「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和されます。ただし、「40㎡以上50㎡未満」の住宅については、「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限が設けられている点に注意が必要です。 住宅ローン減税 改正概要 改正前 改正後 50㎡以上 (特別特定取得) 13年控除 *1 期限延長:13年控除 *1 50㎡以上 10年控除 *1 変更なし:10年控除 *1 40㎡以上50㎡未満 (特別特定取得) 対象外 拡充:13年控除 *2 40㎡以上50㎡未満 対象外 変更なし:対象外 ※1:「合計所得金額3,000万円以下」の所得制限あり ※2:「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限あり 住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置 住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置とは、父母や祖父母などの直系尊属から住宅の新築や取得、増改築等の資金として贈与を受けた場合に、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。 住宅取得等資金については、2021年4月~12月の住宅取得等に係る契約について、2020年度と同額の非課税限度額(最大1,500万円)を適用することが盛り込まれました。 また、2021年1月以後の贈与については、床面積要件がこれまでの「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和されます。ただし、「40㎡以上50㎡未満」の住宅については、住宅ローン減税の場合と同様に「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限が設けられています。 (参考) ・国土交通省「住宅ローン減税等が延長されます!」 ・国土交通省「令和3年度住宅税制改正概要(住宅ローン減税・贈与税非課税措置)」 適用要件の緩和で今までと何が変わる? 2021年度税制改正において、住宅ローン減税や住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の適用要件が緩和されることで、40㎡台のマンションが値上がりする可能性があります。 40㎡台のマンションは、今まで住宅ローン減税の適用外であることがハードルとなっていました。しかし、適用要件が緩和されたことで、今後は購入を検討する人が増えると予想されます。 40㎡台の物件は、単身者やDINKs世帯(子供がいない共働き世帯)からすれば問題ない広さです。比較的価格が抑えられていることから購入しやすく、住宅ローン減税が適用されれば、購入のハードルはさらに下がるでしょう。 まとめ 住宅ローン減税の控除期間13年の措置が延長されるなど、2021年税制改正では個人の住宅取得を支援する内容が盛り込まれています。適用要件が緩和され、今までは対象外だった40㎡台の物件にも住宅ローン減税が適用されるのは重要なポイントです。 住宅ローン減税が適用されれば、長期的にはまとまった金額の節税が期待できます。マイホームの取得を検討しているなら、今回の税制措置をうまく活用しましょう。 自営業の自宅購入で住宅ローンの審査に落ちた!次なる手段は? 住まいにこだわりを持って暮らす方はとても多いですよね。特に最近、働き方の多様化で増えているフリーランスなど自営業の中で、自宅や離れにアトリエなど仕事場を持ちたいと思っている方もよく見かけます...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 住宅ローンの返済が厳しくなった人はどうすればいい?FPが解説

    コロナ禍による収入減で、住宅ローンの返済に苦しむ人も増えているようです。住宅ローンの返済が厳しくなったときにできることは何があるでしょう? また、2020年12月から「自然災害債務整理ガイドライン」にコロナ禍で失業・収入減となり返済が困難になった人に適用される特則が加わったことによる変更点についても知っておきましょう。 苦しいときは延滞前に金融機関に相談を コロナ禍の影響で、2020年冬のボーナスは減額や支給がない企業も増えました。特に、中小企業への影響は大きく、飲食・観光含むサービス業などではボーナスどころか、会社の存続すら危ぶまれるところもあるようです。 コロナ禍による収入減や、ボーナス減・不支給で、住宅ローンの返済に苦しむ人はどうしたらいいのでしょうか。選択できる方法を考えてみましょう。 まず、最初のステップで絶対にやってはいけないのは、住宅ローンの延滞です。家計が厳しい、住宅ローンの返済ができないという場合は、とにかく金融機関へ相談に行きましょう。この段階では他の方法はありません。 金融機関に相談して認められれば、返済期間を延ばしてもらう、しばらく利息だけの返済にしてもらうなどの方法が適用されます。ただし、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)などの状況によっては適用されない場合もあるので注意が必要です。 フラット35では次のような選択肢がありますが、適用を受けるには一定条件もあります。 <フラット35の返済方法の変更メニュー> 返済期間の延長(最長15年、完済時の年齢上限80歳) 最長3年間、元金の支払いを据置いて利息だけ支払う(返済期間は変わらず) ボーナス払いの見直し(ボーナス返済分を月払いに変更など) 機構団信特約料が別払いならその支払いの猶予も可 ※出典:住宅金融支援サイト 民間の住宅ローンについては、金融機関によって対応が異なりますが、選択できる方法としては、次のようなもの挙げられます。ただし、現在の家計や返済負担率などの状況によっては、適用されないケースもありますので、個別に相談をして確認しましょう。 <民間の返済方法の変更メニュー> 返済期間の延長 返済猶予(一定期間、利息だけの支払いとする) ボーナス払いの見直し(ボーナス返済分を月払いに変更など) 金利タイプの変更(例:固定金利期間選択型→変動金利型) ※注・家計や返済負担率などの状況によっては、適用されないケースもある 例えば、残債2800万円の住宅ローン(詳細条件は下記の通り)で、条件変更や返済猶予が受けられた場合、どれくらい軽減されるかを試算したものです。 <現在のローン> 残債2800万円 毎月返済額(ボーナス払い分)82,782円(191,016円) 残返済期間28年 全期間固定金利1.4% ボーナス払いなしに変更した場合 残債2800万円 毎月返済額100,780円 残返済期間28年 全期間固定金利1.4% ボーナス払いなし&変動金利0.5%に変更した場合 残債2800万円 毎月返済額89,321円 残返済期間28年 変動金利0.5% ボーナス払いなし&変動金利&返済期間を5年延長した場合 残債2800万円 毎月返済額76,716円 残返済期間33年 変動金利0.5% 参照:SBIエステートファイナンス 返済シミュレーション 住宅ローンの返済が苦しくなったときの最初の方法としては上記のようなものとなりますが、あくまでも一時しのぎにすぎません。これによって時間を稼いでいる間に、家計や収入の立て直しを図ることがマストです。それが難しい場合は、後述する売却などの手段を検討することになります。 住宅ローンを延滞し続けるとどうなる? 最初の段階で延滞してはいけないと前述しましたが、もしも延滞してしまったらどうなるのかについても知っておきましょう(金融機関によっても異なる場合があるので、実際には借りている金融機関で確認を)。 延滞1カ月 延滞をしてしまうと、返済する予定だった住宅ローンの元金部分に遅延損害金が発生します(遅延日数分)。さらに、金融機関によっては金利優遇が受けられなくなることもあり、店頭金利の適用となって返済額が大きく増加する場合もあります。 延滞2~3カ月 金融機関から催告書や督促状が届き、延滞損害金の請求もあります。 延滞4~6カ月 金融機関から、「期限の利益の喪失」に関する通知が届き、住宅ローン債務の一括返済を求められます。保証会社を利用している住宅ローンでは、保証会社が金融機関に対して「代位弁済」し、以降は保証会社から請求されます。 *延滞3カ月超は信用情報機関に載り、一定期間、借入れやクレジットカードの使用などが制限される可能性もあります。 延滞7~12カ月 ・住んでいたマイホームは任意売却(残債がある状態で抵当権を解除しての売却)をしたり、競売にかけられたりします。 参照:関連コラム「競売とは」 競売や任意売却をしても住宅ローンが完済しきれずに残ってしまうと、その債務を返済しながらの生活になってしまいます(無担保ローンで高金利)。これを解消できるよう、後述する「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」がコロナ禍も対象とする特則もできました。 収入改善のめどがつかないときは売却も… コロナ禍で住宅ローンの返済が困難な状態にあり、返済猶予などをしても収入回復のメドが立たないという場合もあるでしょう。その場合は、傷が深くなる前に、売却など別の方法を検討する必要があります。 最も避けなくてはいけないことが、一時しのぎで高金利のカードローンやキャッシングなどに手を出す行為です。 どうしても、今後3カ月から半年以内に家計や収入の立て直しが難しいときは、家計のダメージが広がらないうちに住宅を手放すことを考えましょう。自主的な売却の方が競売よりも高く売れる可能性が高いです。ただし、有利に売却しようと考えたら、時間がかかります。不動産業者の直接買い取りだと早めに売れますが、価格は2~3割程度安くなります。 なお、自宅を売却してもそのまま済み続けたい場合にはリースバックという選択肢もあります。 参照:「リースバックとは」 「自然災害債務整理ガイドライン」にコロナ禍が加わった 最後に1つ、重要な変更点を押さえておきましょう。 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に、新型コロナウイルス感染症の影響で失業や収入減となり住宅ローンの返済が困難になった人に適用される特則ができ、2020年12月1日から適用となりました。 この特則は、住宅ローンを借りている人が、債務免除を受けて、生活再建を行うことを目的としています。自己破産等の法的倒産手続きではなく、特定調整手続きを活用した債務整理による債務免除を行うことで、信用情報に登録されることもありません。 対象となるのは、2020年2月1日以前からの債務(住宅ローンやその他のローンが幅広く含まれる)に加え、2020年10月30日までに新型コロナ対応のために負担した債務です。 特定調停手続で債務整理をした場合は、以下のようなメリットを受けながら、対象債務の減免が受けられます。 ・特別定額給付金などの 差押禁止財産に加え、財産の 一部を手元に残せる ・信用情報登録機関に登録されないので、その後の借入の可能性を残せる ・弁護士、不動産鑑定士など専門家の支援が無償で受けられる 一定の財産を残しつつローンの減額や免除を受けることができ、住宅を手放さずに、住宅ローン以外のローンだけを減免する方法もあるようです。 簡易裁判所の特定調停手続を行う必要がありますが、弁護士などの登録支援専門家が必要な書類の作成や債権者との協議などの手続を無償で支援してくれます。利用するには、最も借入残高が多い債権者から、制度利用の同意を得た上で弁護士などに手続支援を依頼します。こうした制度も上手に活用しましょう。 (参考) ・自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについて ・日本弁護士連合会のチラシ リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。

    2021.01.13住宅ローン
  • コロナで住宅ローンの返済がお困りの方へ、ローン減免制度を紹介!

    新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した人を対象に、住宅ローンに加え、カードローン等のその他の債務を抱える方の返済負担を軽減する制度が新たに開始されました。新制度は自然災害による被災者向けの債務整理ガイドラインを改正し、新型コロナを対象に加えた特則で、2020年12月1日から適用されています。 住宅ローンの返済が困難になって自己破産を行う場合、通常は自宅を手放さなくてはなりません。しかし、新制度を利用すれば、自宅を手放すことなく債務の減額・免除を受けられる可能性があります。 今回は、ローン減免の新制度の概要やポイント、申請の流れについて解説します。 ローン減免制度の概要 ローン減免の新制度は、新型コロナの影響で返済困難となった債務を抱える個人・個人事業主の生活や事業の再建を支援するための制度です。新制度を利用すれば、住宅ローンに加えてカードローンなどの債務を抱える個人・個人事業主は、住宅を手放すことなく、住宅ローン以外の債務の減額・免除を申し出ることができます。具体的には、新型コロナの影響で、以下のような状況にある場合に利用可能です。 失業または収入の減少によりローンが返済できない 住宅ローンに加えてカードローンなどの債務も増え、返済の見通しが立たない 事業を廃業して再スタートしたいが債務を返済できない 新制度では、以下の債務が減免の対象となります。 2020年2月1日以前に借りていた債務 2020年2月2日~10月30日に借りた新型コロナ対応関連の債務 2020年2月1日以前の債務は、住宅ローンやカードローン、事業性ローンなどが対象です。2020年2月2日以降の債務は、政府系金融機関や民間金融機関の新型コロナ関連の貸付が対象となります。 債務の減免を受けるには、一定の要件を満たすことや借入先の同意、簡易裁判所の特定調停手続きが必要です。一定の要件を満たしているかは、債務者の財産や新型コロナの影響前後の収入状況、信用情報などから総合的に判断されます。 ローン減免制度の3つのポイント ローン減免の新制度のポイントは以下3つです。 手続支援を無料で受けられる 新制度を利用する場合、弁護士などの「登録支援専門家」による手続支援を無料で受けられます。手続きには金融機関との協議や書類作成などが必要ですが、専門家から無料で支援してもらえるため、ローン返済が困難な人にとっては利用しやすいでしょう。 個人信用情報として登録されない 債務整理を行う場合、通常は個人信用情報に登録されるため、当面は借り入れが難しくなります。しかし、新制度なら個人信用情報に登録されないため、将来借り入れがしやすいメリットがあります。 財産の一部を手元に残せる 債務者の生活状況や個別事情によって異なりますが、財産の一部を手元に残すことも可能です。新制度を利用することで、通常の債務整理(自己破産など)より多くのお金を残せるかもしれません。 ローン減免制度の申請の流れ ローン減免の新制度を申請するときの流れは以下の通りです。 借入先の金融機関に手続着手を申出 専門家による手続支援の開始 債務整理の申出 特定調停の申立 調停条項の確定(債務整理の成立) 新制度の利用を希望する場合、まずは最も多額のローンを借りている金融機関に手続着手の申出を行います。金融機関の同意を得られたら、地元弁護士会などを通じて登録支援専門家による手続支援を依頼しましょう。 その後は専門家の支援を受けながら、金融機関に債務整理の申出を行い、必要書類の作成や金融機関との協議を進めます。債務整理の対象にしようとするすべての金融機関から同意を得られた場合、簡易裁判所へ特定調停を申し立て、調停条項が確定すれば債務整理は成立します。 ローン減免制度の注意点 ローン減免の新制度を利用する際は、以下の点に注意する必要があります。 新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合は利用できない 過去に滞納などの契約違反があると利用できない可能性がある 特定調停の申立費用は債務者の負担となる 今回の新制度は、あくまでも新型コロナの影響での失業・収入減により、債務の返済が困難になった個人・個人事業主が支援の対象です。新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合、新制度は利用できません。 利用要件を満たすかどうかは、収入状況やローンの支払条件、家計の状況などから総合的に判断されます。そのため、過去に滞納などの契約違反がある場合は、金融機関から同意を得られない可能性があります。 また、専門家による手続支援は無料で受けられますが、特定調停の申立費用については債務者の負担となります。 まとめ 新型コロナの影響で住宅ローンやカードローンなどの返済に困っている場合、ローン減免の新制度を利用すれば、自宅を手放さずに済むかもしれません。また、新制度は個人信用情報に傷がつかないので、将来借り入れがしやすいメリットもあります。専門家による手続支援も無料で受けられるので、まずはローンを借りている金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。 コロナウイルスの影響で住宅ローンの返済に困ったらリースバックの検討を コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。住宅ローンそのものの見直しも考えられますが、長期的なローン負担を気にして、もっと迅速かつ身軽に...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2020.12.16住宅ローン
  • 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!?

    不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増やすことが出来る自宅購入も不動産投資の一種といえるでしょう。 不動産投資には空室リスクをはじめ、さまざまなデメリットが存在しますが、自宅購入ならこれらのデメリットをカバーできます。自宅購入で失敗を避けるには、不動産投資と同様に物件選びやローンの借り方に注意することが大切です。 今回は、自宅購入が不動産投資より優れている理由や自宅購入の失敗例について解説します。 自宅購入が不動産投資より優れている5つの理由 自宅購入が不動産投資より優れている理由は以下の5つです。 空室リスクがない マンションやアパートといった収益不動産への投資では、入居者がいれば毎月家賃収入を得られますが、空室になってしまうと家賃は入ってきません。不動産投資では家賃収入でローンを返済していくこととなりますが、空室期間が長くなると自己資金の持ち出しが発生し、返済が困難になる可能性があります。 一方で自宅購入の場合は、自身が居住するため空室はありません。もちろん自身が居住するため家賃収入は得られませんが、ローンを完済すれば自宅は資産となります。そのまま住み続けられるのはもちろん、ある程度残債が減ることで「売却してまとまった現金を手に入れる」「自宅を担保にお金を借りる」など、資金調達手段として活用できるのも魅力です。 自らの努力で資産価値を維持できる 不動産投資の場合、たとえオーナーであっても、賃貸中は入居者の許可なく部屋に入ることはできません。入居者やその使い方によっては資産価値を低下させる恐れがありますが、賃貸中にオーナーができることは限られてしまいます。 一方で自宅購入であれば、自らの努力で資産価値を維持することが可能です。定期的にメンテナンスをしたり、必要に応じてリフォームをしたりすることで、建物を健全な状態に保てます。 ローンをより低金利で借りることができる 不動産投資ローンに比べると、住宅ローンは低金利で借りることができます。不動産は物件価格が高額なので、少しの金利差で総返済額は大きく変わります。 不動産投資ローンの場合、物件の担保評価や債務者の属性などによって適用金利は変わってきます。一般的に金利は2%以上になることが多く、住宅ローンのような低金利で借りることは難しいでしょう。 一方で住宅ローンの場合、変動金利なら0.5%未満で借りることも可能です。また、最長35年間固定金利で借りられる「フラット35」の適用金利は1.310%~2.060%(返済期間21~35年の場合:2020年11月現在)で、固定金利でも低金利で借りられます。 参考) ・価格.COM 住宅ローン商品一覧 ・【フラット35】 団信がより優れている 不動産の購入でローンを借りる場合、万一に備えて団体信用生命保険(団信)に加入するのが一般的です。そして、団信の保証内容は、不動産投資ローンより住宅ローンのほうが手厚い傾向にあります。 団信の仕組みとして、被保険者が死亡または所定の高度機能障害になったときに、ローン残高を保険金で一括返済するのは同じです。しかし、住宅ローンの場合は「がん保障特約」「疾病保障付き」など内容が充実しており、上乗せされる金利も比較的低くなっています。 税制面での優遇が非常に大きい 自宅購入は、不動産投資に比べて税制面での優遇も非常に大きいものがあります。具体的には、以下2つの税制優遇が受けられます。 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除) 売却時の3,000万円の特別控除 住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して自宅を購入した場合に当初10年間(2020年12月31日までに居住した場合は13年間)、住宅ローン年末残高の1%(控除限度額40万円)が所得税から控除される制度です。所得税の節税によって、金利負担を軽減できます。 また、自宅を売却したときは、所有期間にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。自宅を売却して利益が出たとしても、譲渡所得が3,000万円までは税金がかかりません。 参考) ・国税庁 所得税 No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除) ・国税庁 譲渡所得 No.3302 マイホームを売ったときの特例 自宅購入の3つの失敗例を紹介 このように、自宅購入は不動産投資にはないメリットがありますが、購入物件やローンの借り方によっては失敗してしまうこともあります。ここでは、自宅購入の失敗例を3つ紹介します。 必要以上の家を購入する たとえば、こだわりの注文住宅を建てるなど、必要以上の家を購入すると失敗しやすくなります。注文住宅は、あくまでも建てた人にとって利便性が高いだけで、一般に受け入れられるとは限りません。 そのため、建築に係るコストと市場評価との乖離が広がり、思うような価格で売却できなくなる恐れがあります。将来の売却を視野に入れるのであれば、必要以上の家を購入するのは避けたほうがいいでしょう。 今買える物件を買ってしまう 購入物件を十分に検討せず、今買える物件を買ってしまうのも失敗例のひとつです。たとえば、長期間売れ残っている物件は、需要が少ないと考えられます。このような物件は市場の流通性が低いので、なかなか買い手が見つからず、売却時に苦労する可能性があります。 そのため、購入したいと思った時に売り出している物件の中から選ぶのではなく、市場価値のある(=需要のある)不動産の売り出しを待つことが良いと言えるでしょう。 今借りれるローンを借りてしまう 住宅ローンは、金利によって数年後の残債が大きく変わります。転職直後など条件が悪くなりやすいときに高い金利で住宅ローンを借りると、毎月の返済額や総返済額が増えてしまいます。 今住宅ローンを借りれたとしても、状況によっては、もう少し待ったほうがより良い条件で借りれるケースもあります。住宅ローンを借りる際は、より有利な条件で借りられるタイミングを見極めることも大切です。 まとめ ここまで紹介したように、自宅購入は不動産投資にはないメリットがたくさんあります。もし賃貸暮らしのまま、不動産投資を始めようとしているのであれば、収益不動産を購入して家賃収入を得ることと、自宅を購入して家賃の支出を無くすことと、どちらがお得かを検討してみましょう。また、自宅を購入する方がより安全な投資になるかもしれないということを頭に入れておいてください。 住宅ローンがある自宅を賃貸に出さないといけなくなった時の対処法 転勤や介護などに伴うライフスタイルの変化によって、自宅として住んでいた家から一時的に別の家に引っ越しする必要がある場合、「売却する」「賃貸に出す」の2つの選択肢があります。住宅ローンの残債が...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編)

    近年、60歳を過ぎて老後を迎えても、住宅ローンを完済していない人が増えています。定年後も働いて安定収入がある人や預貯金が十分にある人であれば、住宅ローンが残っていても問題なく生活できるかもしれません。 しかし、老後に十分な余裕がない場合、住宅ローンの返済は家計に大きな負担となります。そして、住宅ローンが残っている状況で老後資金を確保するには、不動産をうまく活用することが大切です。今回は、60歳以上の人が老後資金を確保するための住宅ローン返済術を紹介します。 住宅ローンの状況を整理する 不動産を利用して老後資金を確保するために、まずは住宅ローンの状況を整理しましょう。具体的には、以下の項目について確認します。 年齢(現在の年齢、完済予定年齢) 借入金額(現在の残債、当初の借入金額) 借入金利(変動金利の固定金利のどちらか) 返済期間(残返済期間、当初返済期間) これらの状況によって、とるべき解決策は変わってきます。退職希望年齢は、今のところの予定で問題ありません。その他の項目は、住宅ローンの返済予定表で確認できます。 不動産を利用して老後資金を確保する方法をケース別に紹介 住宅ローンや家計の状況などによって、最適な解決策は異なります。ここでは、4つのケース別に、不動産を利用した老後資金対策を紹介します。 ①住宅ローンの返済額が大きく、毎月の返済が厳しい 住宅ローンの返済が厳しい場合は、毎月の支払い額を抑えて返済負担を軽減することが大切です。具体的には、以下2つの解決策があります。 (1)リバース60 リバース60とは、住宅ローンの一種で満60歳以上の方向けの商品です。通常の住宅ローンとは違い、毎月の支払いは利息のみです。元金は債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 現在の住宅ローンをリバース60へ借り換えることで元金の返済義務がなくなり、毎月の返済が利息のみとなるので、毎月の支払い額を減らせます。ただし、元金は据え置きのため、支払いが生涯続くことになる点に注意が必要です。 参考)リバース60とは (2)リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックで賃貸に切り替えることで、住宅ローンの返済額と管理費や修繕積立金、固定資産税を併せた金額より家賃のほうが低くなれば、毎月の支払い額を減らせます。運営会社との相談にはなりますが、毎月の家賃は売却価格との調整が可能です。 参考)リースバックとは ②お金が必要となったが、預貯金がほとんどない 十分な預貯金がない場合、不動産(自宅)を担保とした借り入れを検討しましょう。ただし、住宅ローンの残債がある程度減っていることが条件となります。利用できるローン商品は以下2つです。 (1)不動産担保ローン 不動産担保ローンは文字通り、不動産を担保に借り入れができるローンです。無担保ローンよりも金利が低く、長期間の借り入れができるので、返済額を抑えながら必要な資金を確保できます。 不動産担保ローンは事務手数料や印紙代、登記費用などがかかりますが、借入金額と相殺されるため、手元資金を用意する必要はありません。一方で、万が一返済不能となった場合は不動産を失う可能性もあるので、無理のない返済計画を立てることが大切です。 参考)不動産担保ローンとは? (2)リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみで、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みとなっています。 不動産担保ローンと異なり、毎月の返済は利息のみなので、月々の支払いをさらに抑えることができます。ただし、元金は据え置きのため、借入額が増加するほど支払いが厳しくなり、返済期間が長期化する恐れがあります。 参考)リバースモーゲージのデメリットは?老後資金づくりの方法を紹介 ③住宅ローン完済の見通しが立たない 住宅ローン完済の見通しが立たない場合は、以下のサービスを利用して住宅ローンを完済し、少しずつ家計収支を改善していくのがおすすめです。 (1)リバース60 60歳を過ぎると通常の住宅ローンを組むのは難しくなりますが、リバース60は対象年齢が「満60歳以上」で、収入が公的年金のみでも利用できます。毎月の支払いは利息のみで済むので、毎月の返済額を抑えられるのもメリットです。借り入れた資金で住宅ローンを完済しながら、家計収支の改善が期待できます。 (2)リースバック 住宅ローンの返済が難しい場合は、自宅の売却を検討しなくてはなりません。リースバックなら、自宅を売却した資金で住宅ローンを完済した後も、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。今後も自宅に住み続けたいなら、リースバックも選択肢のひとつになるでしょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済事例 ここでは、老後資金を確保するために不動産を活用した事例を2つ紹介します。 事例①:住宅ローン+管理費の支払額が大きく、毎月の返済がつらい Aさんの住宅ローンの状況 年齢63歳(住宅ローン借入年齢40歳) 借入金額1,700万円(当初借入額4,000万円) 借入金利2.0% 返済期間12年(当初借入期間35年) 毎月返済15.7万円(ローン返済 + 管理費等) Aさんは、自宅マンションの購入で借りた住宅ローンの返済がまだ12年残っていますが、ローン返済と管理費の支払額が大きく、家計を圧迫しています。そこで、毎月の収支を改善するためにリースバックを利用しました。 Aさんのリースバック利用後の状況 年齢63歳 借入金額0円 家賃11万円 リースバックを利用したことで、住宅ローンを完済したうえで、手元資金300万円を確保しました。買取の金額は2,500万円まで可能とのことでしたが、毎月の支払いを抑えるために調整した結果、毎月の支払い額を4.7万円削減することができました。 事例②:急遽お金が必要となったが預貯金がほとんどない Bさんの住宅ローンの状況 年齢67歳(住宅ローン借入年齢35歳) 借入金額300万円(当初借入金額3,500万円) 借入金利2.0% 返済期間3年(当初借入期間35年) 毎月返済11.6万円 Bさんは急遽まとまったお金が必要になりましたが、預貯金がほとんどない状況です。住宅ローンの返済は残り3年で残債も少なくなっていたので、必要資金の借り入れと併せて、返済負担の大きい住宅ローンの完済のため、以下の条件で不動産担保ローンを借りることにしました。 Bさんの不動産担保ローン利用後の状況 年齢67歳 借入金額500万円 借入金利5.0% 返済期間10年 毎月返済5.3万円 自宅を担保に不動産担保ローンを利用することで、住宅ローンの完済費用と急遽必要となった資金を調達できました。また、返済期間を10年としたことで、毎月の返済金額を6.3万円削減することに成功しました。なお、諸費用は20万円程度かかりましたが、融資金で精算することで、持ち出しなく融資を受けることが出来ました。 まとめ 60歳を過ぎて住宅ローンの返済が残っていると、老後の生活費に不安を感じるかもしれません。しかし、不動産(自宅)をうまく利用すれば、毎月の支払額を減らしたり、まとまった資金を調達したりすることも可能です。不動産を利用した老後資金の確保を検討してみましょう。 不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンとは、不動産を担保にすることで、お金を借りることができるローンです。不動産を担保にするため、まとまった金額を低金利で借り入れることが可能です。一方で、万が一返済不能になった場...記事を読む リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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