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住宅ローン

  • 住宅ローン減税特例が延長!さらに床面積が40平米以上に緩和

    2020年12月21日に閣議決定された2021年度(令和3年度)税制改正の大綱において、住宅ローン減税及び住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の延長等が盛り込まれました。今回の措置は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図るために策定されたものです。 今後の国会で関連税制法が成立することが前提にはなりますが、マイホーム取得にかかる税負担を軽減できる可能性があります。マイホーム取得を検討しているのであれば、税制改正の内容を理解しておくことが大切です。 今回は、住宅ローン減税の仕組みや緩和される適用要件について詳しく解説します。 そもそも住宅ローン減税とは 住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)とは、個人がマイホームの新築や取得、増改築等を行う場合、一定の要件を満たすと住宅ローン年末残高の1%が所得税から控除される制度です。所得税から控除しきれない場合は、住民税から控除することも可能です。 マイホームの取得で住宅ローン減税が適用されれば、住宅ローン金利の負担軽減が期待できます。なお、住宅ローン減税の適用を受けるには確定申告が必要ですが、会社員(給与所得者)の場合は、2年目以降は年末調整で控除の適用を受けられます。 (参考)国税庁「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」 住宅ローン減税の控除期間13年の適用要件について 2019年10月に実施された消費税率の引き上げ(8%→10%)に伴い、住宅ローン減税の控除期間が従来の10年から13年に延長されました。控除期間の延長は、建物購入価格の消費税増税分の負担を軽減することが目的で、特別特定取得にあたる場合に適用されます。 特別特定取得とは、消費税率10%が適用される新築や中古住宅の取得を指し、その住宅に「2019年10月1日~2020年12月31日」の間に居住を開始した場合に適用されます。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響で入居が期限に遅れた場合は、一定の要件を満たした上で、2021年12月末までに入居すれば特別措置の対象となります。 控除額は、10年目までは「住宅ローン年末残高×1%(控除限度額50万円)」です。11~13年目は、「住宅ローン年末残高×1%」または「建物価格(消費税を除く)×2%÷3」のいずれか低い金額が控除額となります。 (参考)国土交通省「消費税率引上げに伴う住宅取得に係る対応について」」 2021年度税制改正の概要 2021年度税制改正の概要は以下の通りです。 住宅ローン減税 住宅ローン減税については、現行の特別特定取得における控除期間13年の措置について、契約期限と入居期限をともに1年延長することが盛り込まれました。 具体的には、契約期限(注文住宅は2020年10月~2021年9月、分譲住宅等は2020年12月~2021年11月)と入居期限(2021年1月~2022年12月)を満たす者に、現行の控除期間13年が適用されます。 また、上記の措置については、新たに床面積要件がこれまでの「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和されます。ただし、「40㎡以上50㎡未満」の住宅については、「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限が設けられている点に注意が必要です。 住宅ローン減税 改正概要 改正前 改正後 50㎡以上 (特別特定取得) 13年控除 *1 期限延長:13年控除 *1 50㎡以上 10年控除 *1 変更なし:10年控除 *1 40㎡以上50㎡未満 (特別特定取得) 対象外 拡充:13年控除 *2 40㎡以上50㎡未満 対象外 変更なし:対象外 ※1:「合計所得金額3,000万円以下」の所得制限あり ※2:「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限あり 住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置 住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置とは、父母や祖父母などの直系尊属から住宅の新築や取得、増改築等の資金として贈与を受けた場合に、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。 住宅取得等資金については、2021年4月~12月の住宅取得等に係る契約について、2020年度と同額の非課税限度額(最大1,500万円)を適用することが盛り込まれました。 また、2021年1月以後の贈与については、床面積要件がこれまでの「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和されます。ただし、「40㎡以上50㎡未満」の住宅については、住宅ローン減税の場合と同様に「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限が設けられています。 (参考) ・国土交通省「住宅ローン減税等が延長されます!」 ・国土交通省「令和3年度住宅税制改正概要(住宅ローン減税・贈与税非課税措置)」 適用要件の緩和で今までと何が変わる? 2021年度税制改正において、住宅ローン減税や住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の適用要件が緩和されることで、40㎡台のマンションが値上がりする可能性があります。 40㎡台のマンションは、今まで住宅ローン減税の適用外であることがハードルとなっていました。しかし、適用要件が緩和されたことで、今後は購入を検討する人が増えると予想されます。 40㎡台の物件は、単身者やDINKs世帯(子供がいない共働き世帯)からすれば問題ない広さです。比較的価格が抑えられていることから購入しやすく、住宅ローン減税が適用されれば、購入のハードルはさらに下がるでしょう。 まとめ 住宅ローン減税の控除期間13年の措置が延長されるなど、2021年税制改正では個人の住宅取得を支援する内容が盛り込まれています。適用要件が緩和され、今までは対象外だった40㎡台の物件にも住宅ローン減税が適用されるのは重要なポイントです。 住宅ローン減税が適用されれば、長期的にはまとまった金額の節税が期待できます。マイホームの取得を検討しているなら、今回の税制措置をうまく活用しましょう。 自営業の自宅購入で住宅ローンの審査に落ちた!次なる手段は? 住まいにこだわりを持って暮らす方はとても多いですよね。特に最近、働き方の多様化で増えているフリーランスなど自営業の中で、自宅や離れにアトリエなど仕事場を持ちたいと思っている方もよく見かけます...記事を読む

  • 住宅ローンの返済が厳しくなった人はどうすればいい?FPが解説

    コロナ禍による収入減で、住宅ローンの返済に苦しむ人も増えているようです。住宅ローンの返済が厳しくなったときにできることは何があるでしょう? また、2020年12月から「自然災害債務整理ガイドライン」にコロナ禍で失業・収入減となり返済が困難になった人に適用される特則が加わったことによる変更点についても知っておきましょう。 苦しいときは延滞前に金融機関に相談を コロナ禍の影響で、2020年冬のボーナスは減額や支給がない企業も増えました。特に、中小企業への影響は大きく、飲食・観光含むサービス業などではボーナスどころか、会社の存続すら危ぶまれるところもあるようです。 コロナ禍による収入減や、ボーナス減・不支給で、住宅ローンの返済に苦しむ人はどうしたらいいのでしょうか。選択できる方法を考えてみましょう。 まず、最初のステップで絶対にやってはいけないのは、住宅ローンの延滞です。家計が厳しい、住宅ローンの返済ができないという場合は、とにかく金融機関へ相談に行きましょう。この段階では他の方法はありません。 金融機関に相談して認められれば、返済期間を延ばしてもらう、しばらく利息だけの返済にしてもらうなどの方法が適用されます。ただし、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)などの状況によっては適用されない場合もあるので注意が必要です。 フラット35では次のような選択肢がありますが、適用を受けるには一定条件もあります。 <フラット35の返済方法の変更メニュー> 返済期間の延長(最長15年、完済時の年齢上限80歳) 最長3年間、元金の支払いを据置いて利息だけ支払う(返済期間は変わらず) ボーナス払いの見直し(ボーナス返済分を月払いに変更など) 機構団信特約料が別払いならその支払いの猶予も可 ※出典:住宅金融支援サイト 民間の住宅ローンについては、金融機関によって対応が異なりますが、選択できる方法としては、次のようなもの挙げられます。ただし、現在の家計や返済負担率などの状況によっては、適用されないケースもありますので、個別に相談をして確認しましょう。 <民間の返済方法の変更メニュー> 返済期間の延長 返済猶予(一定期間、利息だけの支払いとする) ボーナス払いの見直し(ボーナス返済分を月払いに変更など) 金利タイプの変更(例:固定金利期間選択型→変動金利型) ※注・家計や返済負担率などの状況によっては、適用されないケースもある 例えば、残債2800万円の住宅ローン(詳細条件は下記の通り)で、条件変更や返済猶予が受けられた場合、どれくらい軽減されるかを試算したものです。 <現在のローン> 残債2800万円 毎月返済額(ボーナス払い分)82,782円(191,016円) 残返済期間28年 全期間固定金利1.4% ボーナス払いなしに変更した場合 残債2800万円 毎月返済額100,780円 残返済期間28年 全期間固定金利1.4% ボーナス払いなし&変動金利0.5%に変更した場合 残債2800万円 毎月返済額89,321円 残返済期間28年 変動金利0.5% ボーナス払いなし&変動金利&返済期間を5年延長した場合 残債2800万円 毎月返済額76,716円 残返済期間33年 変動金利0.5% 参照:SBIエステートファイナンス 返済シミュレーション 住宅ローンの返済が苦しくなったときの最初の方法としては上記のようなものとなりますが、あくまでも一時しのぎにすぎません。これによって時間を稼いでいる間に、家計や収入の立て直しを図ることがマストです。それが難しい場合は、後述する売却などの手段を検討することになります。 住宅ローンを延滞し続けるとどうなる? 最初の段階で延滞してはいけないと前述しましたが、もしも延滞してしまったらどうなるのかについても知っておきましょう(金融機関によっても異なる場合があるので、実際には借りている金融機関で確認を)。 延滞1カ月 延滞をしてしまうと、返済する予定だった住宅ローンの元金部分に遅延損害金が発生します(遅延日数分)。さらに、金融機関によっては金利優遇が受けられなくなることもあり、店頭金利の適用となって返済額が大きく増加する場合もあります。 延滞2~3カ月 金融機関から催告書や督促状が届き、延滞損害金の請求もあります。 延滞4~6カ月 金融機関から、「期限の利益の喪失」に関する通知が届き、住宅ローン債務の一括返済を求められます。保証会社を利用している住宅ローンでは、保証会社が金融機関に対して「代位弁済」し、以降は保証会社から請求されます。 *延滞3カ月超は信用情報機関に載り、一定期間、借入れやクレジットカードの使用などが制限される可能性もあります。 延滞7~12カ月 ・住んでいたマイホームは任意売却(残債がある状態で抵当権を解除しての売却)をしたり、競売にかけられたりします。 参照:関連コラム「競売とは」 競売や任意売却をしても住宅ローンが完済しきれずに残ってしまうと、その債務を返済しながらの生活になってしまいます(無担保ローンで高金利)。これを解消できるよう、後述する「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」がコロナ禍も対象とする特則もできました。 収入改善のめどがつかないときは売却も… コロナ禍で住宅ローンの返済が困難な状態にあり、返済猶予などをしても収入回復のメドが立たないという場合もあるでしょう。その場合は、傷が深くなる前に、売却など別の方法を検討する必要があります。 最も避けなくてはいけないことが、一時しのぎで高金利のカードローンやキャッシングなどに手を出す行為です。 どうしても、今後3カ月から半年以内に家計や収入の立て直しが難しいときは、家計のダメージが広がらないうちに住宅を手放すことを考えましょう。自主的な売却の方が競売よりも高く売れる可能性が高いです。ただし、有利に売却しようと考えたら、時間がかかります。不動産業者の直接買い取りだと早めに売れますが、価格は2~3割程度安くなります。 なお、自宅を売却してもそのまま済み続けたい場合にはリースバックという選択肢もあります。 参照:「リースバックとは」 「自然災害債務整理ガイドライン」にコロナ禍が加わった 最後に1つ、重要な変更点を押さえておきましょう。 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に、新型コロナウイルス感染症の影響で失業や収入減となり住宅ローンの返済が困難になった人に適用される特則ができ、2020年12月1日から適用となりました。 この特則は、住宅ローンを借りている人が、債務免除を受けて、生活再建を行うことを目的としています。自己破産等の法的倒産手続きではなく、特定調整手続きを活用した債務整理による債務免除を行うことで、信用情報に登録されることもありません。 対象となるのは、2020年2月1日以前からの債務(住宅ローンやその他のローンが幅広く含まれる)に加え、2020年10月30日までに新型コロナ対応のために負担した債務です。 特定調停手続で債務整理をした場合は、以下のようなメリットを受けながら、対象債務の減免が受けられます。 ・特別定額給付金などの 差押禁止財産に加え、財産の 一部を手元に残せる ・信用情報登録機関に登録されないので、その後の借入の可能性を残せる ・弁護士、不動産鑑定士など専門家の支援が無償で受けられる 一定の財産を残しつつローンの減額や免除を受けることができ、住宅を手放さずに、住宅ローン以外のローンだけを減免する方法もあるようです。 簡易裁判所の特定調停手続を行う必要がありますが、弁護士などの登録支援専門家が必要な書類の作成や債権者との協議などの手続を無償で支援してくれます。利用するには、最も借入残高が多い債権者から、制度利用の同意を得た上で弁護士などに手続支援を依頼します。こうした制度も上手に活用しましょう。 (参考) ・自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについて ・日本弁護士連合会のチラシ リースバックとは?メリット・デメリットを解説 リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。高齢...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。

    2021.01.13住宅ローン
  • コロナで住宅ローンの返済がお困りの方へ、ローン減免制度を紹介!

    新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した人を対象に、住宅ローンに加え、カードローン等のその他の債務を抱える方の返済負担を軽減する制度が新たに開始されました。新制度は自然災害による被災者向けの債務整理ガイドラインを改正し、新型コロナを対象に加えた特則で、2020年12月1日から適用されています。 住宅ローンの返済が困難になって自己破産を行う場合、通常は自宅を手放さなくてはなりません。しかし、新制度を利用すれば、自宅を手放すことなく債務の減額・免除を受けられる可能性があります。 今回は、ローン減免の新制度の概要やポイント、申請の流れについて解説します。 ローン減免制度の概要 ローン減免の新制度は、新型コロナの影響で返済困難となった債務を抱える個人・個人事業主の生活や事業の再建を支援するための制度です。新制度を利用すれば、住宅ローンに加えてカードローンなどの債務を抱える個人・個人事業主は、住宅を手放すことなく、住宅ローン以外の債務の減額・免除を申し出ることができます。具体的には、新型コロナの影響で、以下のような状況にある場合に利用可能です。 失業または収入の減少によりローンが返済できない 住宅ローンに加えてカードローンなどの債務も増え、返済の見通しが立たない 事業を廃業して再スタートしたいが債務を返済できない 新制度では、以下の債務が減免の対象となります。 2020年2月1日以前に借りていた債務 2020年2月2日~10月30日に借りた新型コロナ対応関連の債務 2020年2月1日以前の債務は、住宅ローンやカードローン、事業性ローンなどが対象です。2020年2月2日以降の債務は、政府系金融機関や民間金融機関の新型コロナ関連の貸付が対象となります。 債務の減免を受けるには、一定の要件を満たすことや借入先の同意、簡易裁判所の特定調停手続きが必要です。一定の要件を満たしているかは、債務者の財産や新型コロナの影響前後の収入状況、信用情報などから総合的に判断されます。 ローン減免制度の3つのポイント ローン減免の新制度のポイントは以下3つです。 手続支援を無料で受けられる 新制度を利用する場合、弁護士などの「登録支援専門家」による手続支援を無料で受けられます。手続きには金融機関との協議や書類作成などが必要ですが、専門家から無料で支援してもらえるため、ローン返済が困難な人にとっては利用しやすいでしょう。 個人信用情報として登録されない 債務整理を行う場合、通常は個人信用情報に登録されるため、当面は借り入れが難しくなります。しかし、新制度なら個人信用情報に登録されないため、将来借り入れがしやすいメリットがあります。 財産の一部を手元に残せる 債務者の生活状況や個別事情によって異なりますが、財産の一部を手元に残すことも可能です。新制度を利用することで、通常の債務整理(自己破産など)より多くのお金を残せるかもしれません。 ローン減免制度の申請の流れ ローン減免の新制度を申請するときの流れは以下の通りです。 借入先の金融機関に手続着手を申出 専門家による手続支援の開始 債務整理の申出 特定調停の申立 調停条項の確定(債務整理の成立) 新制度の利用を希望する場合、まずは最も多額のローンを借りている金融機関に手続着手の申出を行います。金融機関の同意を得られたら、地元弁護士会などを通じて登録支援専門家による手続支援を依頼しましょう。 その後は専門家の支援を受けながら、金融機関に債務整理の申出を行い、必要書類の作成や金融機関との協議を進めます。債務整理の対象にしようとするすべての金融機関から同意を得られた場合、簡易裁判所へ特定調停を申し立て、調停条項が確定すれば債務整理は成立します。 ローン減免制度の注意点 ローン減免の新制度を利用する際は、以下の点に注意する必要があります。 新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合は利用できない 過去に滞納などの契約違反があると利用できない可能性がある 特定調停の申立費用は債務者の負担となる 今回の新制度は、あくまでも新型コロナの影響での失業・収入減により、債務の返済が困難になった個人・個人事業主が支援の対象です。新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合、新制度は利用できません。 利用要件を満たすかどうかは、収入状況やローンの支払条件、家計の状況などから総合的に判断されます。そのため、過去に滞納などの契約違反がある場合は、金融機関から同意を得られない可能性があります。 また、専門家による手続支援は無料で受けられますが、特定調停の申立費用については債務者の負担となります。 まとめ 新型コロナの影響で住宅ローンやカードローンなどの返済に困っている場合、ローン減免の新制度を利用すれば、自宅を手放さずに済むかもしれません。また、新制度は個人信用情報に傷がつかないので、将来借り入れがしやすいメリットもあります。専門家による手続支援も無料で受けられるので、まずはローンを借りている金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。 コロナウイルスの影響で住宅ローンの返済に困ったらリースバックの検討を コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。住宅ローンそのものの見直しも考えられますが、長期的なローン負担を気にして、もっと迅速かつ身軽に...記事を読む

    2020.12.16住宅ローン
  • 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編)

    近年、60歳を過ぎて老後を迎えても、住宅ローンを完済していない人が増えています。定年後も働いて安定収入がある人や預貯金が十分にある人であれば、住宅ローンが残っていても問題なく生活できるかもしれません。 しかし、老後に十分な余裕がない場合、住宅ローンの返済は家計に大きな負担となります。そして、住宅ローンが残っている状況で老後資金を確保するには、不動産をうまく活用することが大切です。今回は、60歳以上の人が老後資金を確保するための住宅ローン返済術を紹介します。 住宅ローンの状況を整理する 不動産を利用して老後資金を確保するために、まずは住宅ローンの状況を整理しましょう。具体的には、以下の項目について確認します。 年齢(現在の年齢、完済予定年齢) 借入金額(現在の残債、当初の借入金額) 借入金利(変動金利の固定金利のどちらか) 返済期間(残返済期間、当初返済期間) これらの状況によって、とるべき解決策は変わってきます。退職希望年齢は、今のところの予定で問題ありません。その他の項目は、住宅ローンの返済予定表で確認できます。 不動産を利用して老後資金を確保する方法をケース別に紹介 住宅ローンや家計の状況などによって、最適な解決策は異なります。ここでは、4つのケース別に、不動産を利用した老後資金対策を紹介します。 ①住宅ローンの返済額が大きく、毎月の返済が厳しい 住宅ローンの返済が厳しい場合は、毎月の支払い額を抑えて返済負担を軽減することが大切です。具体的には、以下2つの解決策があります。 (1)リバース60 リバース60とは、住宅ローンの一種で満60歳以上の方向けの商品です。通常の住宅ローンとは違い、毎月の支払いは利息のみです。元金は債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 現在の住宅ローンをリバース60へ借り換えることで元金の返済義務がなくなり、毎月の返済が利息のみとなるので、毎月の支払い額を減らせます。ただし、元金は据え置きのため、支払いが生涯続くことになる点に注意が必要です。 参考)リバース60とは (2)リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックで賃貸に切り替えることで、住宅ローンの返済額と管理費や修繕積立金、固定資産税を併せた金額より家賃のほうが低くなれば、毎月の支払い額を減らせます。運営会社との相談にはなりますが、毎月の家賃は売却価格との調整が可能です。 参考)リースバックとは ②お金が必要となったが、預貯金がほとんどない 十分な預貯金がない場合、不動産(自宅)を担保とした借り入れを検討しましょう。ただし、住宅ローンの残債がある程度減っていることが条件となります。利用できるローン商品は以下2つです。 (1)不動産担保ローン 不動産担保ローンは文字通り、不動産を担保に借り入れができるローンです。無担保ローンよりも金利が低く、長期間の借り入れができるので、返済額を抑えながら必要な資金を確保できます。 不動産担保ローンは事務手数料や印紙代、登記費用などがかかりますが、借入金額と相殺されるため、手元資金を用意する必要はありません。一方で、万が一返済不能となった場合は不動産を失う可能性もあるので、無理のない返済計画を立てることが大切です。 参考)不動産担保ローンとは? (2)リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみで、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みとなっています。 不動産担保ローンと異なり、毎月の返済は利息のみなので、月々の支払いをさらに抑えることができます。ただし、元金は据え置きのため、借入額が増加するほど支払いが厳しくなり、返済期間が長期化する恐れがあります。 参考)リバースモーゲージのデメリットは?老後資金づくりの方法を紹介 ③住宅ローン完済の見通しが立たない 住宅ローン完済の見通しが立たない場合は、以下のサービスを利用して住宅ローンを完済し、少しずつ家計収支を改善していくのがおすすめです。 (1)リバース60 60歳を過ぎると通常の住宅ローンを組むのは難しくなりますが、リバース60は対象年齢が「満60歳以上」で、収入が公的年金のみでも利用できます。毎月の支払いは利息のみで済むので、毎月の返済額を抑えられるのもメリットです。借り入れた資金で住宅ローンを完済しながら、家計収支の改善が期待できます。 (2)リースバック 住宅ローンの返済が難しい場合は、自宅の売却を検討しなくてはなりません。リースバックなら、自宅を売却した資金で住宅ローンを完済した後も、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。今後も自宅に住み続けたいなら、リースバックも選択肢のひとつになるでしょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済事例 ここでは、老後資金を確保するために不動産を活用した事例を2つ紹介します。 事例①:住宅ローン+管理費の支払額が大きく、毎月の返済がつらい Aさんの住宅ローンの状況 年齢63歳(住宅ローン借入年齢40歳) 借入金額1,700万円(当初借入額4,000万円) 借入金利2.0% 返済期間12年(当初借入期間35年) 毎月返済15.7万円(ローン返済 + 管理費等) Aさんは、自宅マンションの購入で借りた住宅ローンの返済がまだ12年残っていますが、ローン返済と管理費の支払額が大きく、家計を圧迫しています。そこで、毎月の収支を改善するためにリースバックを利用しました。 Aさんのリースバック利用後の状況 年齢63歳 借入金額0円 家賃11万円 リースバックを利用したことで、住宅ローンを完済したうえで、手元資金300万円を確保しました。買取の金額は2,500万円まで可能とのことでしたが、毎月の支払いを抑えるために調整した結果、毎月の支払い額を4.7万円削減することができました。 事例②:急遽お金が必要となったが預貯金がほとんどない Bさんの住宅ローンの状況 年齢67歳(住宅ローン借入年齢35歳) 借入金額300万円(当初借入金額3,500万円) 借入金利2.0% 返済期間3年(当初借入期間35年) 毎月返済11.6万円 Bさんは急遽まとまったお金が必要になりましたが、預貯金がほとんどない状況です。住宅ローンの返済は残り3年で残債も少なくなっていたので、必要資金の借り入れと併せて、返済負担の大きい住宅ローンの完済のため、以下の条件で不動産担保ローンを借りることにしました。 Bさんの不動産担保ローン利用後の状況 年齢67歳 借入金額500万円 借入金利5.0% 返済期間10年 毎月返済5.3万円 自宅を担保に不動産担保ローンを利用することで、住宅ローンの完済費用と急遽必要となった資金を調達できました。また、返済期間を10年としたことで、毎月の返済金額を6.3万円削減することに成功しました。なお、諸費用は20万円程度かかりましたが、融資金で精算することで、持ち出しなく融資を受けることが出来ました。 まとめ 60歳を過ぎて住宅ローンの返済が残っていると、老後の生活費に不安を感じるかもしれません。しかし、不動産(自宅)をうまく利用すれば、毎月の支払額を減らしたり、まとまった資金を調達したりすることも可能です。不動産を利用した老後資金の確保を検討してみましょう。 不動産担保ローンとは? 文字通り、不動産担保ローンとは、不動産を担保にしてお金を借りることができるローンのことです。一般的に、不動産は土地や建物、マンションなどを指しますが、お金を融資する金融機関によっては、別荘な...記事を読む リースバックとは?メリット・デメリットを解説 リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。高齢...記事を読む

  • 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編)

    住宅ローンの返済に追われて貯金する余裕がないと、老後に不安を感じるのではないでしょうか。さらに、自宅の住み替えを予定している場合は、より多くの資金を準備しなくてはなりません。現在の年齢が60代未満であれば、老後を迎えるまで一定の期間があるので、今のうちに住宅ローンを見直し、計画的に返済していけば、老後資金を確保することは十分に可能です。そこで今回は、60代未満の人が老後資金を確保するための住宅ローンの返済方法をパターン別に紹介します。 まずは住宅ローンの現状を整理する 住宅ローンを返済しながら老後資金を確保するために、まずは返済している住宅ローンの現状を整理することから始めましょう。具体的には、以下の項目について確認しておくことが大切です。 年齢(現在の年齢、完済予定年齢、退職希望年齢) 借入金額(当初の借入金額、現在の残債) 借入金利(変動金利の固定金利のどちらか) 返済期間(当初の借入期間、残りの返済期間) 余裕資金があるか 毎月の収支に余裕があるか これらの状況によって、最適な返済方法は変わってきます。金利や残返済期間、余裕資金があるかどうかによって、「借り換えを検討するか」「繰り上げ返済をするか」といった判断材料となるので、紙やテキストファイルに書き出して整理しておきましょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済方法をケース別に紹介 住宅ローンの金利や残りの返済期間、返済年齢、退職希望年齢などによって、最適な返済方法は異なります。ここでは、4つのケースについて、住宅ローンをどのように返済すべきかを説明します。 ①現在の借入金利が高く、残りの返済期間が長い場合 現在の住宅ローン金利が高く、返済期間が長く残っている場合は、住み替えの予定の有無によって対応が変わります。 住み替えの予定がない場合は、新たな住宅ローンに借り換えるのがおすすめです。借り換えによって金利が下がれば、月々の返済額や総返済額を減らせるので、結果として老後資金を確保しやすくなります。また、借り換え時に返済条件を変更して返済期間を短くすれば、完済時期を早めることも可能です。 一方、住み替えの予定がある場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。住み替えの際には、現在所有している不動産を売却する費用に加え、新しく購入する不動産を購入する費用など多くの資金が必要となります。そのため、住宅ローンの返済を続けながら、余剰資金は住み替え予定の物件購入の頭金のために貯金しておくといいでしょう。 ②現在の借入金利が高く、残りの返済期間が短い場合 現在の住宅ローン金利が高く、残りの返済期間が短い場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。手元資金に余裕があると、繰り上げ返済を検討するかもしれませんが、残債が少ないにも関わらず繰り上げ返済をしても、利息軽減効果はそれほど期待できません。そのままローン返済を続けながら、老後のために余剰資金を貯金に回すといいでしょう。 ③現在の借入金利が低く、残りの返済期間が長い場合 現在の住宅ローン金利が低く、残りの返済期間が長い場合は、退職希望年齢と住宅ローンの完済時年齢によって対応が変わります。 完済時年齢が退職希望年齢より遅い場合(退職希望年齢<完済年齢)、手元資金に余裕があるなら期間短縮型の繰り上げ返済がおすすめです。期間短縮型とは、毎月の返済額は変わりませんが、残りの返済期間が短くなる繰り上げ返済方法です。繰り上げ返済によって、短縮された期間の支払利息が減るので、総返済額を減らしながら完済までの期間を早めることができます。しかし、余裕資金がなければそのまま返済を続け、余剰資金ができたタイミングで繰り上げ返済を検討しましょう。 一方で、完済年齢が退職希望年齢より早い場合(退職希望年齢>完済年齢)は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。住宅ローンは各種ローンの中でも金利が低いため、繰り上げ返済をしたとしても効果がほとんどないこともあります。予定通り返済を続ければ、退職時に住宅ローンを完済できるゆとりがある状態なので、住宅ローンについては特に手当てが必要ないでしょう。 ④現在の借入金利が低く、残りの返済期間が短い場合 現在の住宅ローン金利が低く、残りの返済期間が短い場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。すでに金利が低く、残債も少ないので、繰り上げ返済や借り換えを検討する必要性は低いでしょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済事例 ここでは、住宅ローンの返済方法の見直し事例を2つ紹介します。 事例①:住み替えの予定がないので、住宅ローンの借り換えを実行 Aさんの住宅ローンの状況 年齢45歳 借入金額3,000万円(残2,000万円) 借入金利2% 返済期間30年(残18年) Aさんは住み替えを予定していないため、より多くの老後資金を確保するために住宅ローンの借り換えを行いました。3,000万円を金利2%(期間30年)で借りて12年間返済してきており、残債は約2,000万円、残りの返済期間は18年です。この状況で、2,000万円を金利1%(期間18年)の条件で借り換えるときの効果は以下の通りです。 毎月の返済額:約11万円→約10万円(約1万円減) 総返済額:約2,360万円→約2,190万円(約170万円減)※手数料は考慮外 現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を約170万円減らすことができました。 事例②:退職前の住宅ローン完済を目指して繰り上げ返済を実行 Bさんの住宅ローンの状況 年齢52歳 借入金額4,000万円(残2,300万円) 借入金利2% 返済期間30年(残15年) 住宅ローンを返済中のBさんは、このままでは65歳の退職希望年齢後も返済が続くため、退職前のローン完済を目指して期間短縮型の繰り上げ返済を行いました。4,000万円を金利2%(期間30年)で借りた住宅ローンについて、16年1ヵ月目に500万円を期間短縮型で繰り上げ返済したときの効果は以下の通りです。 借入期間:30年→26年5ヵ月(3年7ヵ月短縮) 総返済額:約5,330万円→約5,190万円(約140万円減)※手数料は考慮外 繰り上げ返済によって借入期間を約3年半短縮でき、総返済額を約140万円減らすことができました。 まとめ 住宅ローンの現状を整理し、計画的に返済していけば、ローン返済を続けながら老後資金を確保できます。60代未満の人は、老後までの時間が残されているうちに住宅ローンの見直しを行ってみてはいかがでしょうか。 老後資金はいくら必要?老後生活の“最後の砦”となるマイホーム 人生100年時代、長くなる老後期に備えて、老後資金はいくら用意しておけばいいのでしょうか。実際に高齢者はどのように老後資金を捻出しているのかについてもデータを見てみましょう。また、マイホーム...記事を読む

  • 任意整理完済後は住宅ローンが借りれない!ではどうする?

    借金の返済が出来なくなってしまった場合など、任意整理をすれば返済負担を軽減できる可能性があります。しかし、任意整理はどのように行うのか、任意整理をした場合に自宅などの所有資産がどうなるか気になるのではないでしょうか。また、任意整理後に資金が必要になった時にどのような資金調達の方法があるのかによって、任意整理を行うのか、もしくは自己破産も視野に入れるべきなのかの判断も変わってくるでしょう。そこで今回は、任意整理の概要や任意整理後に新規借り入れが利用できるかを解説します。 任意整理は債務整理のひとつ 任意整理とは、債務整理の方法のひとつです。債務整理は返済が困難になった借金の減額・免除を認めてもらうための手続きで、主に以下の3種類があります。 任意整理:債権者に対して返済の一部(主に利息部分)を減額してもらう手続き 民事再生(個人再生):裁判所を通じて債務を大幅に減額してもらう手続き 自己破産:裁判所を通じてすべての債務を免除してもらう手続き 任意整理は、民事再生や自己破産に比べると手続きが簡単で、弁護士などの専門家に依頼することで対応してもらえます。なお、裁判所を通さずに専門家が債権者と直接交渉を行うため、官報に掲載されることはなく、他人に知られずに返済困難となった借金の整理ができます。 任意整理の目的は、当初の予定よりも返済負担を軽くすることにあります。民事再生や自己破産に比べて減額できる金額は小さく、利息部分を減額して元本のみの返済となることが多いです。 任意整理した時に自宅はどうなる? 任意整理では、債務者のすべての保有財産を整理するのではなく、あくまでも個別の借り入れに対して調整を行います。たとえば、「A社の借金は任意整理をするが、B社の借金は任意整理をしない」といった選択も可能です。また、所有している自宅を処分する必要はないので、任意整理後もそのまま自宅に住み続けられます。一方で、同じ債務整理でも自己破産の場合は保有資産をすべて売却する必要があるので注意が必要です。 任意整理後に住宅ローンを借り入れできる? 任意整理成立時の契約条件により、ほとんどのケースで任意整理した債権を返済中は新規借り入れが禁止されています。その契約に違反して追加の融資を受けてしまうと、任意整理した債権が返済できないまま契約解除となってしまう恐れがあるので注意が必要です。ただし、任意整理が終了して債権者との和解が成立した後であれば、ローンの種類によっては新規借り入れが可能な場合もあります。 住宅ローンや無担保ローンは厳しい 任意整理後は住宅ローンや無担保ローンを新規で借りるのは厳しいでしょう。住宅ローンや無担保ローンは、職業や年収などの属性はもちろん、延滞歴などの信用情報も審査対象です。任意整理をすると信用情報に記録されるため、金融機関からは「返済の確実性が低い」と厳しい見方をされることになります。そのため、任意整理後すぐはもちろんのこと、任意整理した債権を完済した後でも数年間は、一般的なローンを借りるのは難しいと考えておいたほうがいいでしょう。 不動産担保ローンであれば可能な場合も 不動産担保ローンの場合、任意整理した債権を完済した後であれば、新規借り入れが可能な場合もあります。なぜなら不動産担保ローンは、担保となる不動産の価値に重点を置いているからです。信用情報に任意整理の記録が残っていたとしても、不動産に一定の価値があれば、与信面で審査が否決されるとは限りません。また、任意整理をしても所有中の不動産を処分する必要はないので、自宅を担保に不動産担保ローンを借りられる可能性は十分にあるでしょう。ただし、不動産担保ローンを借りるには、融資金で任意整理した債務を完済することが条件となるケースがほとんどです。 リースバックという選択肢も 任意整理後にまとまった資金が必要な場合は、「リースバック」という選択もあります。リースバックとは、不動産の売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックはローン商品ではなく、不動産売買であるため、一般的なローンのように与信面の審査は厳しくありません。そのため、リースバックなら任意整理後すぐであったとしても、自宅に住み続けながら手元資金を確保できます。 ただし、リースバックは自宅の売却価格が市場価格よりも安くなることや、家賃の支払いが必要です。また、売却後も同じ家に住み続けられるのがメリットですが、ずっと住み続けられるとは限りません。「定期借家契約」の場合、運営会社の事情で契約が更新されず、引っ越しが必要になる可能性がある点に注意が必要です。 まとめ 任意整理後に資金調達が必要な場合は、不動産担保ローンとリースバックを検討しましょう。任意整理後はしばらく一般的なローンを借りることができませんが、不動産担保ローンなら可能な場合もあります。また、リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら手元資金を確保できます。不動産担保ローンとリースバックは特徴が異なるので、それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、どちらを利用するか判断することが大切です。 不動産担保ローンとは? 文字通り、不動産担保ローンとは、不動産を担保にしてお金を借りることができるローンのことです。一般的に、不動産は土地や建物、マンションなどを指しますが、お金を融資する金融機関によっては、別荘な...記事を読む リースバックとは?メリット・デメリットを解説 リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。高齢...記事を読む

    2020.09.30住宅ローン
  • コロナで住宅ローン負担増、借り換えできない場合の選択肢とは!

    新型コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。とはいえ、住宅ローンそのものの借り換えが思うように進まない方もいるでしょう。今回は、住宅ローンの返済に不安をもつ方が、少しでも気持ちを楽にして今後を過ごせる手段として、どのような方法があるのかをご紹介します。 <ご相談者 Hさん> 61歳男性・会社員(年収400万円) 妻は病弱で専業主婦。子供はいない。 新型コロナウイルスの影響で、夫の会社の業績が落ち、ボーナスは大幅減。 45歳で購入したマンションの住宅ローンはボーナス返済が大きく辛い。 借り換えをしようとしたが、審査で落ちてしまった。 ボーナスダウンで住宅ローンが重荷に、借り換えしたかったが… Hさん:会社員の我が家でも新型コロナウイルスによる収入ダウンの影響を受けています。60歳までは色々な手当があったのですが、定年後に再雇用となったことに加え、新型コロナウイルスの影響によりボーナスも大幅減です。 FP吹田:この新型コロナウイルスの影響は大変ですよね。何年前に住宅ローンを借りられたのですか?当初の借入額や金利、返済期間を教えてください。また、繰上返済などをされたかどうかも念のため教えてください。 Hさん:はい、住宅ローンは45歳のとき、今から16年前に3,300万円を公庫で借りて、当初の金利は2.5%、借入期間は35年でした。当時は忙しくて金利などに無頓着だったこともあり、繰上返済もせずほったらかしでした。 FP吹田:仕事が忙しいと、なかなか住宅ローンを見直しする時間もとれなかったでしょうね。 Hさん:ただ、返済開始から11年目以降に金利が上がる段階金利型だったので、金利が2.5%から3.5%になり、今の返済は毎月9.5万円、ボーナス月で22.5万円も返済があります。今私は61歳ですから、まだ19年も今の返済が続くのは辛いと思って借り換えを試みたのですが、ダメでした。 FP吹田:そうだったのですか。住宅ローンの審査は金融機関ごとに異なりますが、ご年齢が61歳であることや再雇用により給料が減少したことで断られてしまった可能性がありますね。 Hさん:借り換えができないとなると、どうしたらいいでしょうか?なんだか、今後も返済し続けるということに大きなストレスを感じてきました。とはいっても、いきなり賃貸物件へ引越すのも、妻の身体が弱いので体力的に心配です。 住宅ローンを完済しつつ、今の自宅に住み続ける手段への転換も FP吹田:なるほど。新型コロナウイルスの時代に、今後も住宅ローンを返済し続けることそのものに、ストレスを感じていらっしゃるのですね。とはいっても、奥様のことを心配して、いきなり引っ越しは避けたいのが本音ですね。今、このタイミングで両方を満たせる手段がありそうと言ったらご興味ありますか? Hさん:そんな方法があるのですか? FP吹田:はい、不動産という資産があって、ある程度住宅ローンを返済されてきたからこそできる手段で、リースバックというものです。 Hさん:どんな内容なのですか? FP吹田:簡単に言うと、ご自宅をリースバック運営会社に売却し、そのままその会社から現在の自宅を賃借して住み続けるというものです。以下に仕組みやメリット・デメリットを整理してみました。参考までに住宅ローンの借り換えとも比較しています。 リースバックと住宅ローンの借り換えのメリット・デメリット リースバック 住宅ローンの借り換え 仕組み不動産を売却後、そのまま賃借して住み続ける住宅の所有権はそのまま、 住宅ローンの借入先を変更 メリット 手元資金を確保する事ができる 借り換えできれば、金利条件などでローン返済が軽くなる 融資審査ではなく不動産売却後の入居審査のため、融資に比べ審査が通りやすい 所有権は変わらない デメリット 所有権を手離すことになる(売却価格は周辺相場よりも安くなりがち) 不動産を所有することで生じるリスクが残る。(災害リスク・金利上昇リスクなど) Hさん:なるほど。自宅を所有し続けるのではなく、売却するけれども、引越しをしたりすることなく、そのまま住み続けるということですね。 FP吹田:はい、売却代金が入るので、住宅ローン残高が残っていたとしても、残債を売却金額が上回っていれば住宅ローンを精算することが可能です。 Hさん:あとは、家賃を払うのですね。 FP吹田:はい、毎月の家賃(リース料)という形なので、管理費や修繕費用、固定資産税などの維持費がかからないですし、会社によっては賃借の費用である敷金・礼金・更新料も不要な場合もあります。 Hさん:維持費がかからないのは、本当に気楽になりますね。固定資産税も重荷でしたから。気になるのはいくらで売れるかですね。 FP吹田:はい、売却価格が周辺相場より下がる傾向はありますが、買い手が見つかるまで待つこともなく迅速に現金化できることや、今後、新型コロナウイルスの影響で不動産の価値も変わる可能性を考えると、今の時点で整理してみる価値はあるかと思います。 Hさん:確かに。今の自分の状態から優先順位を考えると、住宅ローンから解放されることと、維持費負担も楽になること、引っ越さなくてもいいという利点は、無視できませんね。検討してみます。たぶん、妻も賛成してくれると思います。 FP吹田:はい、共同生活者でもある奥様と相談されて、今後の生活で一番不安が少ないこと、安心できることを優先に意思決定されるのがよいと思います。今回、住宅ローンの借り換えができなかったのがきっかけですが、今までの延長でご自宅を所有することよりも、大切なことに気づかれたのではないでしょうか? Hさん:はい。これだけ環境が変化すると、自宅の所有に伴う負担がずいぶん重荷になっていたのに気づきました。住宅ローンを返し続ける重荷がなくなれば、今後は、働き方や生活拠点ももう少し自由に妻と話し合っていけそうです。前向きに検討します。 まとめ 住宅ローンの借り換えができない現実に!住宅ローンを完済し、かつ引っ越しをせずに生活を維持できる方法は? リースバックのメリットとデメリット 不動産売却により住宅ローン残高の精算ができる 引っ越しせずに今の自宅に住み続けられる 固定資産税などの維持費や、修繕費用などの突発的な出費がなくなる 自宅の所有権はなくなる 売却価格は、周辺相場より安くなりがち 毎月のリース料(家賃)が発生する リースバックとは?メリット・デメリットを解説 リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。高齢...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など

  • コロナウイルスの影響で住宅ローンの返済に困ったらリースバックの検討を

    コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。住宅ローンそのものの見直しも考えられますが、長期的なローン負担を気にして、もっと迅速かつ身軽になれる手段を求める方も増えています。今回は、コロナの長期化に不安をもつ方が、今できることとしてどんな手段があるのかをご紹介します。 <ご相談者 Hさん> 54歳男性。会社員 妻(52歳)はパート。子供はいない。 コロナウイルスの影響で、夫の勤め先の業績が落ち、ボーナスは見込めず、基本給のみに。 妻のパート先も休業などでなくなり、夫婦の稼ぎは大幅にダウンしている。 35歳で購入した住宅のローンは、定年退職金で完済しようと思っていたが、その前に収入ダウンで家計全体がきつくなっている。 (1)住宅ローンが重荷だが、この時期、引越しは避けたい Hさん:会社員の我が家でもコロナによる収入ダウンの影響が出ています。自分はボーナスがなくなり、月収も基本給のみになるとのこと。妻はパートが全くなくなり、このままでは、住宅ローンの返済も心配です。 FP吹田:この時期、本当に収入ダウンが深刻になりつつありますよね。住居費は、住宅ローンのほか維持費もありますか?全体では住居費はどのくらいの負担なのでしょうか? Hさん:はい、マンションなので、管理費や修繕積立金もあります。住宅ローンが月15万円、マンションの管理費や修繕積立金を入れると月17.5万円相当の支出が続くのは痛いです。何かいい方法はありますでしょうか? FP吹田:コロナウイルスの影響に対して、金融機関による住宅ローンの返済方法の変更が柔軟になりつつあります。Hさんの場合、まず考えられるのは、住宅ローンの返済期間を延長して、毎月返済額を軽くする方法でしょう。 Hさん:なるほど。借り換えではなく、借入をしている金融機関に相談をするのですね? FP吹田:はい、借り換えは審査に時間もかかりますし、収入が下がっている場合は、難しいかもしれません。現在の住宅ローンの返済残高と残りの期間はどのくらいでしょうか? Hさん:残高は2,570万円ほどで、残りの期間は16年あります。 FP吹田:なるほど。現在54歳とのことなので、返済期間の延長で完済時年齢を80歳ギリギリまで期間を延ばすとすると、残り16年を26年まで10年間延長することができそうですね。住宅ローンの金利はどのくらいですか? Hさん:1.40%です。返済期間が10年延びることで、どのくらい毎月返済が軽くなるでしょうか? FP吹田:ざっと試算しますと、10年間の期間延長で、毎月の住宅ローンの返済は10万円になりますね。現在と比較すると、毎月の返済額は5万円ほど減りますが、期間延長によって、支払う利子の合計は300万円から480万円へと約180万円も膨らんでしまいます。 Hさん:そんなに膨らむのですか? 毎月5万円の減少は大きいですが、利子の負担が少し気になりますね。今後の働き方を考えると、転職の可能性もあるかもしれません。せっかく買った家ですが、転職するなら、この住まいにずっと住む必要があるかわからないですし、いっそのこと、売却も視野に入れたほうがいいでしょうか? (2)売却でまとまったお金が入り、そのまま住み続けられるリースバックも FP吹田:この時期、一般的な不動産売却を考えるのは、様々な手続きや引っ越しの手間などを考えると大変だと思います。まずは引っ越しをしないで、生活を立て直すための資産や預貯金を整理することを優先してはいかがでしょうか? Hさん:なるほど、引越しをしないで、整理できることからですね。どのような方法がありますか? FP吹田:はい、ご自宅を不動産業者へ売却するけれども、そのまま借りるというリースバックという方法なら、売却資金が入って、住宅ローンは完済されますよね。そして引越しせずに、今のお部屋に家賃相当のリース料を払って住み続けることが可能です。 Hさん:なるほど。今の生活は大きく変えずに、住宅ローンがなくなるのですね。デメリットは何でしょうか? FP吹田:デメリットは、売却価格がやや安めになる点と、リース料がかかることですね。先ほどの住宅ローンの期間延長と比べた特徴を表にしてみました。 リースバック 住宅ローンの期間延長 仕組み 不動産を売却するが、そのまま賃借して住み続ける 住宅の所有権はそのまま、住宅ローンの返済期間を延ばし、返済額を軽減 メリット ・買主を探す必要がなく、比較的早く現金化できる・売却後も住み慣れた家に住み続けることが出来る・不動産の価格下落リスクを回避することができる ・毎月のローン返済が軽くなる・所有権は変わらない デメリット ・売却価格が周辺相場よりも安くなりがち、売却価格によっては住宅ローンを完済できないことがある・毎月のリース料(家賃)が発生する・敷金や礼金、更新料の負担がある(一部の企業では無料) ・返済金額が長くなることで、利息負担総額は膨らむ・固定資産税や管理費・修繕費用など維持費がかかる Hさん:なるほど。一般的な不動産売却では引っ越しなどの手間がありますが、現在の住環境を変える必要がないというのは大きなメリットですね。 FP吹田:そうですね。他に、ご自宅の現金化とローン完済が迅速にできることも、新型コロナウイルスが不動産価格にどう影響するのか不透明である今の時期には重要でしょう。売却価格やリース料については、一度、担当者に相場観など調べてもらって確認してみる価値はあると思いますよ。 Hさん:そうですね。住宅ローンがなくなって、どの程度現金が残るのか、リース料の負担も今後どのくらい生活設計に影響が出るのか、チェックしてもらいたいです。 FP吹田:そうですね。将来の生活設計については、今のお住まいでずっとリース料を払い続けるというよりも、ご夫婦の働き方や暮らしのベースに応じて拠点などもう一度見直していくべきだと思います。転職やリモートワークなどから、エリアももっと柔軟に考えられるかもしれませんよね。お引越しを落ち着いた頃にできると考えれば、住居費の負担も身の丈に合ったものにできると思いますよ。 Hさん:確かにそうですね。今はある意味、我が家にとっても非常事態で、大きな過渡期だと思います。過去のことに縛られずに、リセットできるように身軽にしておくことが一番なのかなと思っています。過渡期の整理の手段として、リースバックも検討してみます。 まとめ 住宅ローンが辛い家計、引越しせずに生活を立て直す手段は? 住宅ローンの期間延長は? 利子の負担増加で支払総額は膨らむことになり、相当な金額になることもある。 借入金融機関との交渉のみでいいので、早く対応ができる。 リースバックの効果は? 引っ越し不要で、売却により住宅ローンを完済でき、そのまま住み続けられる。 金利上昇や災害時など、突発的な出費のリスクを軽減できる。 現在の住宅ローン残高や売却価格次第では手元に大きな資金を用意できる。 リースバックで、もしもに備える!急な医療・介護費用の資金調達法! 親の医療費や介護費用が、ご自身の家族の教育費などと重なって、ダブルパンチになる世代が増えています。高齢の親の入院など急な連絡をもらっても慌てずに対処できるよう、お金の調達の選択肢を増やしてお...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など

  • 自営業の自宅購入で住宅ローンの審査に落ちた!次なる手段は?

    住まいにこだわりを持って暮らす方はとても多いですよね。特に最近、働き方の多様化で増えているフリーランスなど自営業の中で、自宅や離れにアトリエなど仕事場を持ちたいと思っている方もよく見かけます。そのような想いが強い一方で、自営業者はいざ住宅を購入しようとすると、収入面の審査などで、住宅ローンの借入が希望通り進まないケースが多いのも事実です。 今回は、そうした状況に不安をもつ自営業者の方の例をご紹介します。 <ご相談者 Sさん> 46歳男性。絵画やデザインの仕事をしている自営業。 妻(39歳)は輸入雑貨のECショップを始めたところ。 今まで賃貸だったが、どうしても部屋が手狭になり、夫婦とも仕事場をアレンジしたくなってきた。 夫婦とも収入に波があり、かつ夫はリウマチの薬を飲んでいるため、住宅ローンが組めず、住宅購入をあきらめていた。 (1)仕事場のアレンジなど、住宅購入が魅力だが、住宅ローンがネック Sさん:絵画やデザインの仕事をしていると、年数が経つにつれて、やはりアトリエが欲しくなりますよね。妻とも冗談っぽく、今の賃貸を卒業して購入できたらいいねとよく話しています。 FP吹田:なるほど。ご夫婦で夢について話せるのはとてもいいですね。 Sさん:いやいや、それが叶わぬ夢のようなかんじになってしまうのですよ。私たちの収入は自営なので波があるし、何といっても自分がリウマチの薬を飲んでいるので、住宅ローンは無理だろうと思っています。 FP吹田:そうなのですか。確かに住宅ローンは、団体信用生命保険という生命保険がセットされるのが通常で、その審査を壁に感じる人も多くいます。団信の中でも、健康状態の告知がゆるいワイド団信というものもありますが…。 Sさん:実は、2年ほど前に、住宅展示場に行って試しに審査が通るのかどうか仮申請したことがあったのですが、審査がゆるいところでも通らなかったのですよ。また、仮に通ったとしても、収入面からも、なかなか希望の借入額は無理だろうとのことでした。 FP吹田:そうだったのですね。ご希望の借入額はどれくらいを考えていらしたのですか? Sさん:借入希望は3500万円ほどですかね。自分の確定申告の所得があまり多くなくて。 FP吹田:自営業の方は、会社員のような給与支給額ではなく、実際の経費や社会保険料控除などを差し引いた課税対象所得で審査されますから、会社員より借入額が少なめになる傾向があるのですよね。 Sさん:はい。妻はECサイトの仕事をやり始めて間もないので、ローンは難しいでしょうし、やっぱり打つ手はないでしょうか? (2)住宅ローンが厳しい場合は不動産担保ローンという方法も FP吹田:住宅購入時に組むローンは、もともと不動産を担保にした借り入れですよね。呼び名は違いますが、購入したい住宅を担保に不動産担保ローンを活用するという方法はいかがでしょうか? Sさん:これから購入する住宅を担保に、住宅ローン以外でも不動産担保ローンというものがあるのですね。なるほど、住宅ローンとどう違うのですか? FP吹田:不動産を担保にすることは同じでも、実は結構、利用者の条件や内容の特徴などが異なるのですよ。例えば、借入対象者について、不動産担保ローンは、住宅ローンのように安定収入をメインに審査されるのではなく、不動産の担保評価を反映させた上で、毎月の収支などを総合的に見るので、自営業者にとっては、門戸が広いと言えます。主な違いを表にまとめてみたので、ご参考ください。 【表】不動産担保ローンと住宅ローンの主な違い   不動産担保ローン 住宅ローン 担保は? 不動産 借入者の審査は? 不動産担保評価と返済者の毎月の収支など総合判断 購入・所有者本人で過去3年の安定収入など信用重視 団信(団体信用生命保険)は? 不要・選べるところもある 必要(健康チェック有) 保証会社の保証は? 原則不要 必要 金利は? 変動金利・固定金利など、住宅ローンより高め 変動金利・固定金利など、比較的低い 頭金は? 3割~4割程度 1割~2割程度 住宅ローン控除は? なし あり Sさん:なるほど。自分のような健康面で不安な人間でもチャンスありでしょうか? FP吹田:はい、不動産担保ローンは、団信も不要のところが多いので、Sさんでも利用できる選択肢は多いと思います。ちなみに、Sさんは、今はリウマチで投薬を受けていらっしゃいますが、既に加入された生命保険などはありますでしょうか? Sさん:はい、生命保険は昔、元気なうちに加入したものがあります。うちは子供もいないし、妻もある程度は稼げるようになりつつあるので、万一の際は、生命保険を補うなどで、何とかなるかと思います。 FP吹田:それをお伺いできてほっとしました。なお、不動産担保ローンは金利面では、住宅ローンよりは比較的高めになることや、住宅ローンに比べて必要な頭金が多く必要になってしまうのは否めません。 Sさん:それはしょうがないかなと思います。むしろ、自分のようなものが借りる民間のビジネスローンは二桁金利だったりするので、それより低いなら御の字です。また、頭金についても現在の貯蓄から取り崩しても生活に支障のない範囲になるので大丈夫だと思います。 FP吹田:それは、不動産が担保だからですよね。ローンの仕組みを考えると、無担保よりは担保があることの強みは大きいと言えます。 Sさん:はい、これから購入する不動産を担保に使えるローンがあるのを知って、ちょっと希望が見えてきました。物件は郊外でも、庭のある土地付きを考えているので、不動産担保を意識しながら探してみます。 FP吹田:はい、自営業の方は、ご自身の力で今後の収入を増やす工夫もできるのが醍醐味ですが、まずは返済プランを無理のないように組むことも忘れないでくださいね。 まとめ 自営業や持病がある方にとって住宅購入で使える手段は? 住宅ローンの可能性は? 団体信用生命保険とセットなのが原則なので、選択肢が非常に狭い。 借入可能額は、自営業の課税所得が基準なので、会社員より低めになりがち。 不動産担保ローンの可能性は? 団信がない商品も多い。既に生命保険契約があるなら持病がある方も利用価値大。 不動産の担保評価と返済者の収支を総合的に審査されるので、自営業者も可能性大。 金利は、住宅ローンより高めだが、事業用ローンなどよりは低め。頭金の金額を考慮した上で返済プランをしっかりたてれば利用価値大。 不動産担保ローンと住宅ローンの違いとは マイホームを購入するときは、住宅ローンを利用するのが一般的です。しかし、何らかの事情により住宅ローンを利用できない、あるいは住宅ローンの審査に通らないこともあるでしょう。住宅ローンを利用でき...記事を読む 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 吹田 朝子( Tomoko Suita ) 人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント (社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長 一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。 <主な著書> 「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など

  • 住宅ローンがある自宅を賃貸に出さないといけなくなった時の対処法

    転勤や介護などに伴うライフスタイルの変化によって、自宅として住んでいた家から一時的に別の家に引っ越しする必要がある場合、「売却する」「賃貸に出す」の2つの選択肢があります。住宅ローンの残債がある自宅を賃貸に出すには、住宅ローンを借りている金融機関に相談し、どのような形にするのが良いかを話し合わなくてはなりません。住宅ローンは資金使途が自宅の取得に限られており、賃貸に出すと金融機関から残債の一括返済を求められる恐れがあります。 その場合は、不動産担保ローンに借り換えることで賃貸に出すことが可能となります。ただし、住宅ローンから不動産担保ローンへの借り換えにはデメリットもあるため、実際に借り換える前に仕組みやデメリットを理解しておくことが大切です。今回は、住宅ローンの残債がある自宅を賃貸に出さないといけなくなった時の対処法について解説します。 海外赴任が決まった、その時どうする? たとえば、住宅ローンを借りて自宅を購入後、急に海外赴任が決まって自宅からの住み替えが必要になったとしましょう。海外赴任が終わった後に自宅に戻ることを希望するなら、自宅を賃貸に出すことを検討するのではないでしょうか。しかし、住宅ローンの資金使途は自宅の購入に限定されているため、住宅ローンの残債がある不動産を賃貸に出すことは原則できません。無断で賃貸に出したことが発覚した場合は、金融機関からローン残債の一括返済を求められる恐れがあります。住宅ローンの返済中に転居を伴う転勤が決まったら、まずは住宅ローンを借りている金融機関に相談しましょう。金融機関がやむを得ないと判断すれば、住宅ローンの残債があっても賃貸に出せるかもしれませんが、残念ながら認められないケースもあります。その場合、住宅ローンから不動産担保ローンに借り換えれば不動産を賃貸に出せるようになるので、自宅を売却せずに済みます。 住宅ローンから不動産担保ローンに借り換えるデメリット 住宅ローンから不動産担保ローンに借り換えて賃貸に出すことには、以下のようなデメリットもあります。 金利が上がる 総返済額が増える 住宅ローンは不動産担保ローンよりも金利が低いので、不動産担保ローンに借り換えるとほとんどのケースで金利は上がります。金利が上がると総返済額も増えるため、借り換える際は返済できるかどうかを慎重に判断する必要があります。ただし、自宅を賃貸に出すと家賃収入が得られるため、安定した家賃収入が見込める物件であれば、家賃収入でローンを返済できるかもしれません。また、金融機関に借り換えの相談をすると、キャッシュフローを改善してローンの返済負担が軽減されるような提案をしてもらえます。まずは金融機関に相談して、提案された条件をもとに借り換えをするか判断するといいでしょう。 住宅ローンから不動産担保ローンへの借り換えイメージを紹介 ここでは、住宅ローンから不動産担保ローンへの借り換えイメージを紹介します。サラリーマンのCさんは、勤務している会社から海外赴任の内示を受け取りました。住宅ローン残債が減ってきたマイホームを賃貸に出し、海外赴任が終わったタイミングで住み慣れたマイホームに戻ることを考えています。 Cさんは金融機関にローンの相談をした結果、一括返済を求められたため、住宅ローンの残債がある自宅の区分マンションを担保にして、不動産担保ローンへの借り換えを行いました。借り換え前と借り換え後の状況は以下の通りです。 借り換え前 借り換え後 ローン残高 2,500万円 2,560万円(手数料等含む) 返済期間 20年 20年 金利 1.50% 6.00% 月々の返済額 12万円 18.3万円 家賃収入 0円 18.7万円※ ※時価5,000万円の物件で実質利回りが4.5%と仮定した場合 借り換えによって金利は1.5%から6.0%に上がり、月々の返済額が6.3万円増加しましたが、自宅を賃貸に出すことで月々18.7万円の収入を得ることが出来たため、月々の負担がなくローン残債を減らしていくことに成功しました。 実際に借り換えを行う場合は、不動産担保ローンを扱う金融機関に申込を行いましょう。審査に通過したら、住宅ローンを借りている金融機関に返済可能日などを確認のうえ契約手続きを進めます。手続きの流れの詳細は、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。 参考 不動産担保ローンを借り換えるメリット・デメリットとは? まとめ 住宅ローンのある自宅を賃貸に出したい場合は、不動産担保ローンへの借り換えを検討しましょう。不動産担保ローンなら賃貸に出すことができるので、転勤や介護で住み替えが必要になっても自宅を売却せずに済むかもしれません。ただ、不動産担保ローンへ借り換えるためには審査に通過する必要がありますので、まずは金融機関に相談して、借り換えることが出来るのか、借り換えた後の条件はどうなるのか、などを確認してみましょう。 不動産担保ローンの借り換えを分かりやすく解説 不動産担保ローンの借り換えとは、新たな不動産担保ローンを借りて、現在のローンを一括返済することです。不動産担保ローンからだけでなく、無担保ローンや住宅ローンなどから不動産担保ローンへの借り換...記事を読む 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。

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