不動産担保ローンとカードローンの違いとは

更新日: / 公開日:2019.10.08

不動産担保ローンとカードローンは、資金が必要な際に利用できるローンという点では同じですが、特徴やメリット、デメリットは異なります。それぞれの違いを理解し、不動産担保ローンとカードローンを適切に使い分けることが大切です。

この記事では、不動産担保ローンとカードローンの違いについて解説します。なお、カードローンには不動産担保ローンのカード型もありますが、この記事でのカードローンは一般的な無担保カードローンと定義します。

不動産担保ローンとカードローンの概要

不動産担保ローンの概要

不動産担保ローンとは、不動産を担保に資金を借りる有担保ローンです。資金使途は原則自由であり、様々な用途で利用することができます。詳しくは、以下の記事で解説しています。

カードローンの概要

カードローンとは、利用限度額の範囲なら、銀行やコンビニのATMやインターネットを利用して、何度でも自由に借入や返済ができる無担保ローンのことです。銀行や消費者金融が提供しており、入会金や年会費は必要ありません。資金の利用目的は原則自由で、旅行やレジャー、冠婚葬祭、美容代など、さまざまな用途に利用できます。

ただし、サービスによっては、事業性資金には利用できないこともあります。契約できる年齢には制限があり、20歳以上の方が対象です。また、高齢者の年齢制限は、60代後半までが上限となることがほとんどです。カードローンの中には、初めて利用する方を対象に無利息期間を設定しているサービスもあります。

カードローンのメリット

カードローンを利用するメリットとして、以下のものが挙げられます。

審査が早い

カードローンは審査が早く、短時間で資金調達が可能です。カードローンは無担保なので、担保について審査する時間を省略できるからです。中には「最短30分で審査結果を回答できる」とうたっているカードローンもあります。申し込みはインターネットで完結するので、店舗に訪問して手続きする必要もありません。

保証人不要

ローンを利用する場合は、保証人が必要なケースもあります。家族や友人に保証人をお願いすることを心苦しいと感じる方は多いのではないでしょうか。また、保証人が思うように見つからないと、保証人を探すのに大変な労力がかかります。カードローンは保証人不要で利用でき、限度額の範囲内であれば何度でも自由に借入や返済が可能です。

ATMやインターネットで借入・返済できる

ATMやインターネットで借入や返済できるのも、カードローンのメリットのひとつです。急にお金が必要になった場合でも、近くの銀行やコンビニATMですぐに借りることができます。時間帯によっては、ATM手数料0円で利用可能です。また、スマホやパソコンから手続きすれば、登録口座に振込してもらえます。

カードローンのデメリット

カードローンは先ほど紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

金利が高い

カードローンの金利は一般的に4%~15%で、さらに高い金利が適用されることもあります。カードローンは担保という保証がないため、利用者が返済できなくなった場合のリスクに備えて金利は高めに設定されています。借入金利が高いと利息の負担額が大きくなり、返済総額が増えてしまいます。

返済期間が長期化しやすい

カードローンは、返済期間が長期化しやすいのもデメリットです。ほとんどのカードローンは、「定額(定率)リボルビング方式」と呼ばれる返済方式を採用しており、借入残高に応じて決めた固定金額または借入残高の一定割合を毎月返済していきます。リボルビング方式は、毎月の返済額は少額で済みますが、返済額に占める利息の割合が大きいのが特徴です。元本の返済がなかなか進まないため、返済期間が長期化しやすくなります。

不動産担保ローンとカードローンの違い

カードローンと比較した不動産担保ローンのメリット

不動産担保ローンは、カードローンよりも低金利で借入できます。カードローン金利は一般的に4%~15%ですが、不動産担保ローンは一般的に2%~10%程度です。

また、カードローンの限度額は最大1,000万円程度ですが、不動産担保ローンなら、担保とする不動産の価値によっては1億円以上の資金を借りることも可能です。さらに不動産担保ローンは返済期間を10年~30年と長期に設定することができ、カードローンに比べて長期間の借入がしやすいメリットもあります。

カードローンと比較した不動産担保ローンのデメリット

不動産担保ローンは、担保となる不動産の価値を評価する必要があるため、融資に時間がかかります。カードローンのように短時間で審査終了、即日融資というわけにはいきません。

また、カードローンは通常、手数料は発生しませんが、不動産担保ローンでは事務手数料、不動産鑑定費用、抵当権の登記費用などがかかります。借りたお金を返済できなくなると、担保にした不動産を処分されてしまうのもデメリットです。

不動産担保ローンとカードローンをどう使い分ける?

不動産担保ローンを検討した方がいい場合

担保にできる不動産を保有していることが前提ですが、まとまった資金を低金利で調達したい場合は不動産担保ローンを検討するといいでしょう。カードローンと比較して金利が低く、返済期間を長く設定できるため、月々の返済額も安く済みます。事業の運転資金や開業資金など、まとまったお金を借りて長期に渡って返済していきたい場合は、不動産担保ローンが向いているといえます。

カードローンを検討した方がいい場合

カードローンは急に資金が必要な場合や必要な金額が少額な場合は、即日融資が可能で借入時の手数料がかからないカードローンを検討するといいでしょう。ただし、不動産担保ローンと比較して高金利なので、返済が長期化しないように注意が必要です。医療費や冠婚葬祭費用など、急に必要となった費用を一時的に借りて短期間で返済する場合は、カードローンが向いているといえます。

まとめ

カードローンは気軽に利用できますが、金利が高いので、長期間にわたって利用すると利息の負担額が大きくなってしまいます。カードローンはどうしても資金が必要なときに短期間だけ利用し、なるべく早く返済することを心掛けましょう。

一方で、担保にできる不動産を保有している人がまとまった資金を低金利で調達したい場合は、不動産担保ローンがおすすめです。不動産担保ローンとカードローンそれぞれのメリットとデメリットを比較し、ご自身の状況に合わせてどちらを利用するか判断しましょう。


執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。