不動産価値の高め方とは?立地条件と不動産価値の関係

更新日: / 公開日:2019.01.29

不動産の価格は価値と連動するため、高く売るためには価値を高めることが大切です。

それでは、所有する不動産をできるだけ高く売るために、オーナーは何を行えば良いのでしょうか。

不動産価値を高めるための方法や高く売れるための条件などを、弊社内で実施したアンケート結果を基にご紹介していきます。

1.不動産価値を高める方法

一般的に、不動産の価値は年数が経過していくにつれ、少しずつ低下してしまいます。

ただ、リフォームなどをして手を加えることで、能動的に資産価値を高めることも可能ですし、駅から近い、環境が良いなどの利便性が高いエリアの場合、基本的に不動産価値は高くなります。

次の章から、不動産価値の高め方について具体的に説明していきます。

2.不動産価値を短期的に高める方法

まずは、短期的(1年以内)に不動産価値を高める方法をご紹介していきます。

「仮にあなたが持っている不動産を短期間(1年以内)で売却しようと考えた場合、より不動産価値を高めるためにどんなことをしますか。具体的に教えてください。」という内容でアンケートを実施しました。

自由回答で実施したのですが、「リフォーム」「掃除・クリーニング」「立地条件・周辺環境をアピール」という3つが意見として多く寄せられました。

実際の回答も含めながら、なぜそれらが重要なのかを詳しくお話していきます。

リフォーム

築年数が経った不動産に長期間住んでいるとどうしても古い印象を受けてしまうため、リフォームにより築年数やエリアが同条件の不動産と差別化を図ることで、不動産価値を高めることが可能です。

短期的に価値を高める場合は、リフォームで部屋や外壁をきれいにするという回答が目立ちました。

特に、キッチンやトイレ、お風呂といった水回りは要チェックポイントですので、掃除できれいにするのが難しい場合は、リフォームをすることをおすすめします。

以下、アンケートの回答になります。
・外観をリフォームする。 第一印象をよくする。
・フルリフォームにより他の不動産と差別化を図る。
・ここに住みたいと思わせるような第一印象が大事である為、リフォーム等で見栄えを良くする。
・内装、外装の手入れと水周り等の注目ポイントの精査。

掃除・クリーニング

リフォームまではいかなくても、掃除・クリーニングを定期的に行い、部屋をきれいにしておくことは重要です。

リフォーム分の費用を不動産に反映させるのが難しい場合は、買い手の気持ちを考えると、やはりきれいな部屋の方が購買意欲がわき、印象も良くなります。

不動産に合わせ、部屋の掃除や定期的な除草、防草シートの設置、外構や庭木の手入れなどを行いましょう。

以下、アンケートの回答になります。

・土地であれば、定期的な除草、防草シートの設置などにより見栄えを良くする。建物付(マンション含)であれば建物内外のクリーニング。
・ハウスクリーニングなどを行い、建物の見栄えを良くする。
・不動産は見た目が大切だと思います。外構や庭木の手入れをする事で、購入者の印象が良くなると思います。
・建物内のクリーニングを行い見栄え等良くする。

立地条件・周辺環境をアピール

立地や周辺環境も不動産価値に大きく影響します。

立地や周辺環境を変更することはできませんが、同じ条件であってもアピールの方法で不動産価値に大きく影響します。

駅から徒歩数分や不動産周辺に大型商業施設、学校、病院、スーパー、コンビニ、ドラッグストアがあるなど、立地条件の良さ、利便性のプラス面を積極的にアピールしましょう。

以下、アンケートの回答になります。

・周辺環境や同エリアの売買事例を把握し、価格設定を不動産事業者に頼りきらない。
・不動産のモノにもよるが、売却したい不動産のアプローチブックを作成し、駅アクセスや周辺環境、不動産の将来性、住宅ローンシュミレーション等用意しアピールに努める。
・立地条件及び住宅設備のアピール。 仮に戸建てで長期優良住宅に認定されている場合であれば、税金の減税等をアピールする。
・利便性や周辺環境、今後の市場相場のアピール。

3.不動産価値を長期的に高める方法

次に、長期的(1年超)に不動産価値を高める方法をご紹介していきます。

「仮にあなたが持っている不動産を長期間(1年超)で売却しようと考えた場合、より不動産価値を高めるためにどんなことをしますか。具体的に教えてください。」という内容でアンケートを実施しました。

自由回答で実施したのですが、「リフォーム・リノベーション」「収益不動産としての価値を高める」という2つに意見が集中しました。

先ほどと同様に、実際の回答も含めながら、なぜそれらが重要なのかを確認していきましょう。

リフォーム・リノベーション

長期的に不動産の価値を高めようとしたとき、リフォームやリノベーションが有効な手段となります。

リフォームは老朽化した不動産を新築のようにするものですが、リノベーションでは、建物の価値をより高めるため、設備をより現代的なものにしたり、耐久性を高めたりします。

短期的に不動産価値を高める場合は、内部や外壁などの一部をリフォームすると答えた方が多かったですが、長期的に高めていく場合は、全体的にリフォームやリノベーションを実施して、価値を高めていくと答えた方が多かったです。

以下、アンケートの回答になります。

・外観及び室内設備のフルリフォーム実施。
・特定の層に対し響くリフォーム(音楽可など)の実施とそれに伴う家賃の向上。
・外観及び室内設備のフルリフォーム実施。
・リノベーションによる資産価値の向上。

収益不動産としての価値を高める

収益不動産として価値を高めていくことも選択肢の一つと言えます。

需要の大きいエリア(立地)であれば、入居者の入れ替え時や更新時に家賃の値上げを行い、不動産価値を上げることも有効です。

以下、アンケートの回答になります。

・エリア特性も、考慮しリノベ後のリロケーション計画(企業単身赴任者用収益)優良企業を借り主とした収益不動産として、その時の為替レートにより有利な海外投資家へ販売。
・賃貸需要が旺盛な地域であれば、収益不動産の建設やリフォーム。
・特定の層に対し響くリフォーム(音楽可など)の実施とそれに伴う家賃の向上。
・収益不動産であれば、属性の悪いテナントの入れ替えや不動産の大規模修繕を行って不動産価値の維持を図ります。 実需であれば、室内のクリーニングや水周りの更新、外壁の補修等を実施して不動産の価値の維持を図ります。

4.立地条件と不動産価値の関係

立地条件は良いほど不動産価値は上がるのが一般的です。

ただ、状況によっては立地条件が良くても相場以下の評価になることもありますし、立地条件はそれほど良くなくても、相場以上の評価になることもあるのです。

このような場合、一体どんなケースが考えられるのでしょうか。

そこで、「立地条件がそれほど良くない不動産でも相場以上の価値を評価した経験があれば、その理由や背景などを詳しく教えてください。」「立地条件が良い不動産でも相場以下の価値を評価した経験があれば、その理由や背景などを詳しく教えてください。」とそれぞれの状況について、実例を調査してみました。

立地条件が影響しないケースは少ない

どちらも「特にない」という回答が4割前後を占めており、立地条件は非常に大きな要因の1つであるということが、再認識できる結果となりました。

ただその中でも、道路付けや嫌悪施設(墓地など)の状況によっては、相場より高い(もしくは低い)評価をしたことがあるという経験をした人も少なくありませんでした。

また、戦略的にあえて相場より高く(もしくは低く)評価したという経験をしている人も一部いました。

最後に、それぞれの主な回答をご紹介していきます。

立地条件がそれほど良くない不動産でも相場以上の価値を評価した理由

・室内・エクステリア設備と建物のグレード、大型分譲地などの生活環境、道路付け・地形・高低差といった要因が良好だったため。
・建物の仕様や大手建築メーカーの建築など、残存価値を最大化して評価したため。
・再開発事業などで今後の発展が見込まれたため。
・個別要因に優れていたため(注文建築の築浅不動産・前面接道が南で向かいに公園等の公共施設空地が有る・エリア人気により潜在需要が高く不動産化後の販売期間が短期な不動産(一般公開しなくても売買が可能なエリア))etc。
・容積率の緩和が適用されたため。

立地条件が良い不動産でも相場以下の価値を評価した理由

・立地条件は最寄り駅からの距離だけではなく、道路付け、地形、高低差は当然評価に影響する。その他嫌悪施設、騒音なども評価にマイナスに影響を与える。
・近隣に嫌悪施設がある場合は、立地が良くても総売価の評価をつけざるを得ないため。。
・個別要因比較において、条件(地形、道路条件等)が劣ると判断される場合、価格面で競争力を付けるため。
・路地状敷地、三角地など地形が不正形なため。。
・道路付けや地形、高低差等に加えて、境界確定が出来ないことが明らかなため。

5.まとめ

不動産価値は、立地条件や道路付けなどで大きく価値は変動しますが、購入後もリフォームやリノベーション、清掃などで高めることが可能です。

できるだけ価値を高めるためにも、定期的な掃除などできる部分から始めていきましょう。


執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

関連キーワード