2019.01.22

不動産評価の方法と不動産価値の考え方

公開日:2019.01.22

不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。

また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。

この記事では、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント、戸建てとマンションで異なる資産価値の考え方などをご紹介していきます。

1.不動産評価の方法

不動産投資を始める前に、まず不動産評価の方法を把握することが重要なポイントです。

不動産評価の方法は、1つの土地に対して4つの種類があります。

・時価(不動産業者による評価など)
・相続税路線価
・固定資産税評価額
・公示価格(国土交通省の地価公示や都道府県地価調査)

このうちどれを適用するかによっても計算結果(金額)は異なりますが、どの評価方法でも重要なポイントは同じです。

ただ、不動産や市況によって異なるため、実際に計算される際の重要度順が明確に決まっているわけではありません。

そこで、プラス面・マイナス面の重要なポイントを、弊社内で実施したアンケート結果を基にご紹介していきます。

2.不動産評価のプラス面で重要なポイント

まずは、プラス面からご紹介していきます。

「不動産を評価する際に最も重要なポイントを重要度合いの高いものから3つまで選んでください。」という質問をしたところ、「最寄り駅からの距離や公共交通機関の利便性」「築年数や建物のグレード」「不動産の階数、方位、位置」という3つが、最も多くの支持を集めました。

結果画像「不動産を評価する際に最も重要なポイントを重要度合いの高いものから3つまで選んでください。」
 

それでは、詳しく見ていきましょう。

最寄り駅からの距離や公共交通機関の利便性

基本的には駅に近い方が不動産評価は高くなります。

公共交通機関の利便性が高い都市部では、駅からの距離が重要な評価ポイントであり、公共交通機関が揃っているエリアでは土地そのものも高くなります。

逆に地方部では車での移動が中心であることから、都市部ほど最寄り駅からの距離が評価に影響しないこともあります。

築年数や建物のグレード

築年数は、建物の状態や地域の人気度と異なり、誰でも確認できる客観的なデータであり、評価において重要な情報となります。

一般的に古いものほど資産価値は下がりますが、エリアや不動産の種類、室内の状況によって変化します。例えば、築年数が古い不動産であっても、人気エリアや利便性の高いエリアであれば資産価値は下がりにくい傾向にあるといえます。

また、建物の耐用年数は木造が22年、鉄筋コンクリート造が47年と国によって定められおり、耐用年数が長い鉄筋コンクリート造の方が、不動産評価は高くなる傾向にあります。

不動産の階数、方位、位置

不動産の階数や方位、位置なども気にする方が多いため、評価に影響してきます。

特にマンションでは、階層や部屋向きが重要です。低層階と高層階では、眺望の良い高層階が人気のため、価格が高くなる傾向にあります。

方位はそれぞれにメリット・デメリットがありますが、「南→東→西→北」の順に人気です。

やはり日当たりの良い南向きを好む方が多く、日照が悪い北向きなどよりも価格は高くなる傾向です。

ただし、この傾向もエリアや立地によって変わる場合があるため、必ずではないということを念頭においておきましょう。

3.不動産評価のマイナス面で重要なポイント

次に、マイナス面を見ていきましょう。

「不動産価値が下落する要因として最も影響度が高いと思うものを3つまで選んでください。」という質問をしたところ、「エリア周辺の過疎化」「日銀の金融政策の「金融の引き締め」」「近隣に嫌悪施設(高速道路、火葬場、刑務所等)の建設が予定」という3つが、最も多くの支持を集めました。

結果画像「不動産価値が下落する要因として最も影響度が高いと思うものを3つまで選んでください。」
 

それでは、詳しく見ていきましょう。

エリア周辺の過疎化

過疎化や少子化が進んでいる地域は土地の需要がなく、時価が低くなるケースも見られます。

評価額もある程度は地域の情勢を取り込んで決定されますが、まったく人気のない土地は、想像以上に価格が下がってしまうこともあります。

今後そのエリアが発展するのか衰退するのかは、不動産評価に大きな影響を及ぼす可能性があります。

日銀の金融政策の「金融の引き締め」

日銀によって融資が引き締められると、不動産の需要が減少し、早期に利益確定をしたい売り手が徐々に価格を下げ、不動産価格が全体的に下落する可能性があります。

近隣に嫌悪施設(高速道路、火葬場、刑務所等)の建設が予定

嫌悪施設は周辺の土地の地価に影響を及ぼすマイナス要因となる場合があります。

嫌悪施設とは火葬場や刑務所、高速道路など生活をしていく上で不快に感じる可能性のある施設のことです。

たとえば、準住居地域で、路線価が同じ2つの土地があるとします。

一方の土地は隣にカラオケスナックがあり、深夜まで大音量の音楽が聞こえてきます。もう一方の土地の隣にあるのは美容院で18時には閉店するため、日中、多少客の出入りはあるものの夜はいたって静かです。

この場合、評価価格は当然後者のほうが高くなります。

また相続税の評価額や売却のしやすさなどにも悪影響を及ぼす可能性があります。

4.戸建てとマンションで違う資産価値の考え方

ここからは、戸建てとマンションの資産価値の違いを見ていきましょう。

「仮に最寄り駅から都心までの距離が同じ不動産の場合、資産価値が最も下がらないと思う立地条件」という質問を、戸建てとマンションそれぞれで行ってみました。

戸建て

戸建ての場合、利便性の高いエリアが人気です。

以下の条件を満たすエリアが上位を占めており、交通の利便性と日常生活のしやすさを重要視する傾向にあります。

・駅から徒歩5分以内
・複数の路線が使える最寄り駅
・駅前が賑やかでショッピングモールやスーパーなどがある

特に東京都の場合は、公共交通機関での移動が主なため、最寄り駅などが重要視されることが多いです。

結果画像「仮に最寄り駅から都心までの距離が同じ不動産の場合、資産価値が最も下がらないと思う立地条件(戸建て)」
 

※アンケート結果

マンション

マンションの場合もやはり駅から近いエリアが人気です。

以下が条件の上位を占め、戸建て同様に交通の利便性が資産価値を下げない条件であることが窺えます。

・駅から徒歩5分以内
・複数の路線が使える最寄り駅(快速特急や通勤特急が止まる最寄り駅)

特にマンションの場合は駅から離れても部屋の平均面積に大きな変化はありません。

そのため、戸建てよりも駅に近い場所の方が、資産価値が高い傾向にあります。

結果画像「仮に最寄り駅から都心までの距離が同じ不動産の場合、資産価値が最も下がらないと思う立地条件(マンション)」
 

※アンケート結果

5.まとめ

不動産の評価方法についてご紹介しました。

都市部では、駅に近い、商業施設が近くにあるなど利便性の高いエリアが人気です。

不動産の評価ポイントとしてエリアが一番重要視されることを覚えておきましょう。


執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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