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「住宅ローン」の記事一覧

  • ダブルローンとは

    ダブルローンとは?住宅ローン二重払いの審査基準や代替手段を解説

    住宅の住み替えを検討する際に、「ダブルローン」という言葉を目にすることがあります。ダブルローンとは、旧居の住宅ローンを残したまま新居を購入し、一時的に2本のローンの契約・返済が重複する状態を指します。 仮住まいが不要になるメリットがある反面、一時的な返済負担率の上昇により家計の圧迫要因となるため、資金計画における慎重な判断が求められます。 ■本記事の結論(要約) ・ダブルローンの壁: 返済負担率の上限(目安:30〜35%)と旧居の売却リスクにより、審査は通常の住宅ローンよりも厳格化する傾向にある。 ・審査通過が難しい場合の代替手段: 自身の状況に合わせて「売り先行」「売却つなぎ融資」「買取保証」「住み替えローン」の4つから最適な手段へ方針転換する。 この記事では、ダブルローンの基本構造から金融機関の審査基準、そして審査の壁を越えられない場合の具体的な代替手段まで、詳しく解説します。 ダブルローンとは?発生するタイミングとペアローンとの違い ダブルローンとは、住み替えなどで一時的に2つの住宅ローンを同時に契約・返済する状態です。 「住宅ローンが2本」という共通点から、夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約するペアローンとよく混同されますが、両者は仕組みや目的が異なります。 ダブルローンは、新居を決めてから自宅を売却する「買い先行」の住み替えで発生することが多いです。旧居の売却が完了し、その売却代金で旧住宅ローンを完済すれば、ダブルローン状態は解消されます。 よくある誤解:「ペアローン」との違い ダブルローンとペアローンの主な違いは以下の通りです。 ダブルローン ペアローン 内容 住み替えで一時的に2つの住宅ローンを同時に契約・返済する状態 夫婦や親子などがそれぞれ住宅ローンを契約・返済する状態 対象となる住宅 2つの住宅(旧居と新居) 1つの住宅 契約者(債務者) 1人 2人 ローンの本数 2本(旧居と新居) 2本(夫婦などがそれぞれ契約) 目的 「買い先行」による住み替えの円滑化 借入可能額の増加 ダブルローンは、「買い先行」による住み替えをスムーズに進めるために、1人の契約者が2本の住宅ローンを契約します。 一方、ペアローンは、1つの物件に対して、夫婦や親子などがそれぞれ住宅ローンを契約します。主に借入可能額を増やすことを目的に利用されます。 関連記事はこちら住宅ローンのペアローンと収入合算の違いとは? ダブルローンのメリット・デメリット ダブルローンを活用すれば、仮住まい不要で新居への引っ越しが可能です。 一方で、旧居の売却が完了するまでは住宅ローンの二重払いが発生するため、一時的に家計を圧迫する恐れがあります。 【メリット】仮住まい不要で新居へ引っ越し可能 ダブルローンのメリットは、旧居の売却完了を待たずに新居を購入、転居できる点です。これにより、仮住まいへの転居費用や賃料負担、引っ越し作業の労力を削減できます。 また、希望条件に合う物件が見つかったときに、旧居の売却を待つことなく、すぐに購入手続きに移行できるのもメリットです。 【デメリット】売却までの「二重払い」が家計を圧迫 ダブルローンのデメリットは、旧居が売れるまで住宅ローンの返済が二重になることです。一時的に返済額が膨らみ家計を圧迫します。 また、旧居の売却活動が想定より長期化した場合、手元資金が枯渇する恐れがあります。 収入や手元資金と返済額のバランス、旧居の売却時期などを検討し、計画的な売却活動と余裕をもった返済計画を立てることが重要です。 ダブルローンの審査は厳しい?審査に影響する2つのポイント 金融機関は貸し倒れリスクを回避するため、一般的にダブルローン状態での審査は通常の住宅ローン審査よりも厳しい傾向にあります。 金融機関の審査では、「返済負担率」と「旧居の売却予定の確実性」の2つがポイントです。 審査のカギ:「返済負担率」の上限(目安:30〜35%) 返済負担率とは、年収に対するすべての借り入れの年間返済額の割合です。住宅ローンの審査では、この返済負担率が重視されます。 金融機関によって基準は異なりますが、一般的には30%〜35%程度が上限の目安です。 住宅金融支援機構が提供するフラット35の基準を例に挙げると、年収400万円未満は30%、400万円以上は35%が上限と規定されています。 また、金融機関は将来の金利上昇リスクなどを加味し、実際の適用金利よりも高い「審査金利」を用いて返済負担率を算出することがある点にも注意が必要です。 【具体例での計算シミュレーション】 例えば、年収600万円の人が、旧居のローン(月8万円)と新居のローン(月10万円)を抱えた場合、年間の合計返済額は216万円(月18万円×12ヶ月)となります。この場合、返済負担率は36%(216万円÷600万円)となり、一般的な上限である35%を超過します。 <例:返済負担率の上限が35%の場合> 年収 新旧住宅ローン 年間合計返済額の上限額 400万円 約140万円(月額約11.6万円) 600万円 約210万円(月額約17.5万円) 800万円 約280万円(月額約23.3万円) 1,000万円 約350万円(月額約29.1万円) ※住宅ローン以外の目的別ローン(自動車ローンや教育ローンなど)の返済額も「年間合計返済額」に含まれる場合があります。 一般的な金融機関では、ダブルローン状態となることで返済負担率が基準を超過し、新居の住宅ローンを組めないケースが少なくありません。 関連記事はこちら住宅ローンの審査基準は?通らない場合の対処法も紹介 関連記事はこちら【早見表】年収別・住宅ローンの借入適正額 審査の補完要素:旧居の完済予定(売却の確実性) ダブルローンの審査では、旧居が確実に売却できるかどうかも重要な判断材料になります。 売却代金で旧住宅ローンを完済すれば、ダブルローン状態が解消されて返済負担率が下がり、新住宅ローンの返済の確実性が高まるからです。 売却見込みが不透明と判断されると審査落ちのリスクもあります。売却の確実性を証明するために、金融機関から以下の書類などの提出が求められることがあります。 不動産会社との媒介契約書(すでに売却活動を開始している証明) 買主との売買契約書(引き渡し日が確定している証明) また、売出価格が市場相場から乖離しており、売却見込みが不透明と判断された場合においても審査落ちのリスクが高まります。 ダブルローンが組めない・難しい場合の「4つの代替手段」 ダブルローンを組むのが難しい場合は、以下4つの代替手段が考えられます。ご自身の状況に合わせ最適な手段への方針転換を検討しましょう。 売り先行での住み替え 売却つなぎ融資の活用 買取保証の活用 住み替えローンの活用 対策①「売り先行」での住み替えによる確実な資金計画 売り先行とは、旧居を売却してから新居を購入する住み替え方法です。 旧居の住宅ローンを完済してから物件を探すため、資金計画や返済計画に確実性が増し、新居の住宅ローン審査に通りやすくなります。 ただし、新居が見つかるまでの仮住まいの確保や引っ越し作業など、時間や手間がかかるのがデメリットです。 対策②「売却つなぎ融資」の活用による資金不足の解消 売却つなぎ融資とは、売却予定の不動産を担保にして、融資を受けられるローンです。 買い先行で住み替えをする場合、旧居の売却代金は新居の購入後に受け取ることになるため、新居の手付金や頭金などに使うことができません。 売却つなぎ融資を活用すれば、一時的な資金不足を解消できるため、住み替えを進めやすくなります。 ただし、売却つなぎ融資の金利水準は、短期間のつなぎ資金という性質上、一般的に住宅ローンより高く設定されており、取り扱う金融機関も限定される点に注意が必要です。 関連記事はこちらつなぎ融資とは?メリット・デメリットや利用時の注意点を解説 対策③「買取保証」の活用による期限を決めた売却 買取保証は、一定期間は不動産仲介会社等を通じて市場で売却活動を行い、一定期間内に買主が見つからない場合、あらかじめ約束した保証金額で不動産仲介会社等が物件を直接買い取る仕組みです。 「いつまでに・いくらで売れるか」が確定するため、新居の資金計画が立てやすくなります。 ただし、買取保証は取り扱っている不動産仲介会社が限られ、不動産仲介会社の買取保証金額は相場より安い価格になる傾向があり注意が必要です。 関連記事はこちら住み替えの方法と成功させるポイント 関連記事はこちら不動産買取保証とは?メリット・デメリットや注意点を解説 対策④「住み替えローン」の活用によるローンの一本化 住み替えローンとは、旧居の売却額が現在の住宅ローン残高を下回る「オーバーローン」状態の際に、旧居の残債と新居の購入資金を合算して新たに借り入れる住宅ローンです。 ダブルローンが「2本のローンを並行して返済する」のに対し、住み替えローンは「新たな1本のローンにまとめて返済する」という明確な違いがあります。 住み替えローンは、残債の返済に自己資金を充てる必要のない点がメリットです。 ただし、金融機関としては通常の住宅ローンと比べ貸し倒れリスクが高くなるため、住み替えローンにおいても金融機関の審査は厳しくなる点に注意が必要です。 また、旧居の売却と新居の購入を同時に進めることが求められるため、金融機関や不動産業者など複数の関係者と協力し計画的に進める必要があります。 まとめ ダブルローンは住み替えをスムーズに進められますが、一定期間は二重返済になるため大きな負担を伴います。また、一般的な金融機関では返済負担率の基準を超過する場合があり、審査落ちのリスクが高まります。 万が一ダブルローンでの審査通過が難しい、あるいは返済計画に不安が残る場合は、「売り先行」への切り替えや、「売却つなぎ融資」「買取保証」「住み替えローン」といった代替手段を検討し、無理のない資金計画へ方針を転換しましょう。 なお、金融機関によってローンの審査基準(審査金利の設定や既存ローンの扱いなど)は大きく異なります。まずは複数の金融機関へ事前審査を申し込み、ご自身の正確な借入可能額と選択肢を客観的に把握することから始めてみてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 住宅ローンの本審査は複数の金融機関に申し込める?メリット・デメリットを解説 住宅ローンの審査に申し込んでも、必ずしもその金融機関で借りられるとは限りません。「1社だけの申し込みでは不安…」と感じる人もいるでしょう。実は、住宅ローンの本審査は複数の金融機関に申し込むこ...

    2026.06.17 住宅ローン
  • 住宅ローン借り換えの手数料・諸費用

    住宅ローン借り換えの手数料・諸費用はいくら?費用対効果の考え方と注意点

    「住宅ローンの返済負担軽減のために借り換えを検討しているが、手数料や諸費用がいくらかかるか気になる」という人もいるでしょう。借り換えによって金利は下がっても、手数料などを考慮すると費用対効果に見合わないこともあります。 実質的な金銭コストを把握・試算し、加えて時間的コスト(手間)を考慮した負担軽減効果を加味したうえで借り換えを判断することが大切です。 この記事では、住宅ローンの借換費用の内訳と相場、実質的な借換効果の試算方法を解説します。自身の状況に合わせた最適解を導き出すための判断材料としてご活用ください。 借換費用の内訳と相場 住宅ローンの借換費用は、借換時の残高や金融機関によって変動します。まずは自身の借入残高を基に概算費用を算出し、予算感を把握することが重要です。 借換先の金融機関に支払う費用 借換先の金融機関では主に以下の費用がかかります。 事務手数料 保証料 抵当権設定費用(登録免許税、司法書士報酬) 印紙税 団体信用生命保険料 事務手数料と保証料 住宅ローン契約時に借換先の金融機関へ事務手数料を支払います。支払方法には以下の2種類があります。 <事務手数料の種類> 特徴 費用の目安 定率型 借入金額に対して一定割合を支払う方式 借入金額×2.2%(税込)が一般的 借入金額に比例して高額になる 定額型 借入金額にかかわらず一定額を支払う方式 3.3万円(税込)~ 定率型は、借入金額が大きいほど手数料が増えることになりますが、余剰資金があり自己資金を充当して借入額を抑えることができれば、手数料を低減させることも可能です。また、定率型の方が定額型よりも金利が低い金融機関もあります。 さらに、金融機関によっては事務手数料に加えて保証会社宛ての「保証料」が必要です。保証料の支払方法には以下の2種類があります。 <保証料の種類> 特徴 費用の目安 一括前払い方式 (外枠方式) 借入時に現金で一括して支払う方式 借入金額と借入期間に比例して変動する 金利上乗せ方式 (内枠方式) 毎月の返済金利に一定割合を上乗せして支払う方式 適用金利に年0.2%程度の上乗せが一般的 事務手数料のみの場合もあれば、事務手数料と保証料の両方が必要な場合もあります。 初期費用を抑えたい場合は「定額型」や「金利上乗せ方式」が有効ですが、借入総額が増加する恐れがあります。事務手数料と保証料の合計額を算出し、自身の資金計画に沿った選択をしてください。 関連記事はこちら住宅ローンの事務手数料はいつ支払う?支払時期や負担を軽減する方法を解説 関連記事はこちら住宅ローンの保証料型と融資手数料型の違いとは? 抵当権設定費用 新たな借入先金融機関が不動産に抵当権を設定するための費用です。法務局へ納める「登録免許税」と、登記手続きを代行する司法書士への「司法書士報酬」で構成されます。 費用の目安 登録免許税 原則借入金額×0.4%(軽減措置適用の場合は0.1%) 司法書士報酬 5万円〜15万円程度(依頼先・地域により変動) 仮にローン残高2,000万円を借り換える場合、登録免許税は8万円(2,000万円×0.4%)です。 司法書士報酬は依頼先の事務所等によって異なりますが、手続きの確実性を担保するため、借換先の金融機関が司法書士を指定することが一般的です。 関連記事はこちら抵当権とは?根抵当権との違いや設定・抹消登記について解説 印紙税 借入金額に応じて印紙税がかかります。金銭消費貸借契約書に税額分の収入印紙を貼付するかたちで納めます。印紙税額は以下の通りです。 契約金額 印紙税額 1,000万円超 5,000万円以下 2万円 5,000万円超 1億円以下 6万円 出典)国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」 なお、Web上で電子契約をする場合は、紙の契約書がないため印紙税は不要ですが、電子契約手数料がかかることがあります。電子契約手数料は金融機関ごとに異なり、5,000円~1万円程度が目安です。 団体信用生命保険(団信特約料) 借換時には、原則として団信に再加入する必要があります。団信保険料は、適用金利に含まれていることも少なくありません。ただし、「がん団信」「8大疾病団信」など、特約を付加する場合は、適用金利に年0.1%〜0.3%程度が上乗せされるのが一般的です。 現在契約中の金融機関に払う費用 一方、現在住宅ローンを契約している金融機関に支払う費用は以下の通りです。 一括繰上げ返済手数料 抵当権抹消費用 一括繰上げ返済手数料 契約中の住宅ローンを全額返済(完済)する際の手数料です。金融機関や手続き方法(窓口、電話、Web)によって異なり、無料〜5万円程度が相場です。Web手続きを利用することで手数料を抑えられることがあります。 抵当権抹消費用 契約中の住宅ローンに設定されている抵当権を抹消するために、以下の費用がかかります。 費用の目安 登録免許税 不動産1件につき1,000円(土地1筆・建物1棟なら合計2,000円) 司法書士報酬 数万円程度~(依頼先によって異なる) 借換先の金融機関が指定する司法書士が、新たな抵当権設定と併せて抹消登記も担当するケースもあります。 借り換えの「経済的合理性」を判断する視点 諸費用を考慮したうえで、借り換えに経済的合理性(実質的な負担軽減)が生じる一般的な目安は以下の通りです。 当初借入金利と借換金利との差が1.0%以上 住宅ローン残高が1,000万円以上 住宅ローン残返済期間が10年以上 ※上記はあくまで目安であり、個別の条件や詳細なシミュレーションによって異なります。上記目安に当てはまらない項目がある場合においても、他の個別の条件や借換費用によっては経済合理性があることもあります。 借換費用を含めた「借換効果」の試算方法 借換費用を含めた実質的な借換効果は、以下の計算式で求められます。 借換効果 = (削減できる利息額) - (借換費用) ここでは、下記の前提条件をもとに、「借換費用を含めない試算」と「借換費用を含める試算」の2パターンの借換効果を比較します。 【前提条件】 <当初借入条件> 借入金額:3,000万円 金利:変動金利型1.7% 返済期間:35年 返済方式:元利均等返済・ボーナス払いなし 毎月の返済額(借換前):9万4,822円 <借換条件> 借換金額:2,317万円(借換時のローン残高) 金利:変動金利型1.0%※金利は将来にわたり変動しないと仮定 返済期間:25年 返済方式:元利均等返済・ボーナス払いなし <主な借換費用> 借り換えに伴う諸費用が以下のとおり約80万円発生し、あわせて団体信用生命保険の特約により年0.2%の金利上乗せがあるケースを想定します。 事務手数料:51万円※ローン借入金額(残高)×定率2.2%(税込)の概算額 保証料:なし 抵当権設定費用:20万円(登録免許税9万円+司法書士報酬11万円) 印紙税:2万円 8大疾病団信:年0.2%の金利上乗せ 一括繰上げ返済手数料:3.3万円 抵当権抹消費用:3.7万円(登録免許税0.2万円+司法書士報酬3.5万円) <借換費用を含めない試算結果> 借換なし (金利1.7%) 借換あり (金利1.0%) 差額 残り25年の 総返済額 約2,845万円 約2,620万円 ▲約225万円 毎月の返済額 9万4,822円 8万7,321円 ▲7,501円 出典)知るぽると「借入返済額シミュレーション」にて筆者試算 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 借換費用を含めないで試算すると、総返済額は約225万円、毎月の返済額は約7,500円の減少となりました。 <借換費用を含めた試算結果> 借換なし (金利1.7%) 借換あり (金利1.2%) 差額 残り25年の 実質負担額 約2,845万円 約2,764万円 (総返済額約2,684万円 +借換費用約80万円) ▲約81万円 毎月の返済額 9万4,822円 8万9,435円 ▲5,387円 出典)知るぽると「借入返済額シミュレーション」にて筆者試算 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 一方、借換費用を含めて試算すると、実質的な負担軽減額は約81万円、毎月の返済額は約5,400円の減少となりました。 このように、借換費用を含めるか次第で試算結果は大きく変わります。表面的な金利だけで判断せず、借換費用も含めた実質的な借換効果を確認することが大切です。 また、今回の試算では借換後の金利変動を考慮していませんが、変動金利へ借り換えた場合は金利変動による返済額変動の可能性があります。金利変動の影響や固定金利への借り換えのシミュレーションについては、以下の記事で説明をしていますので、ご参考にしてください。 関連記事はこちら住宅ローン借り換えシミュレーション | 金利上昇局面における「変動」と「固定」の比較 借換費用試算で見落としがちなポイント 住宅ローンの借換費用を試算する際に、見落としがちなポイントは以下の3つです。 戻り保証料(返還保証料)の有無 住宅ローン控除への影響 手続きにかかる時間的コスト 戻り保証料(返還保証料)の有無 契約中の住宅ローンで保証料を「一括前払い方式(外枠方式)」で支払いしている場合、借換時に一括繰上げ返済を行うことで保証料の一部が返還される可能性があります。 ただし、返戻の計算手続きにおいて、所定の保証会社事務手数料や振込手数料が差し引かれるのが一般的です。 戻り保証料(返還保証料)があれば、借換費用の補てんになるため、借り換えのハードルを下げるプラス要因となります。契約中の住宅ローンで保証料を一括払いしている場合は、あらかじめ戻り保証料(返還保証料)の有無と金額を確認しましょう。 住宅ローン控除への影響(借入期間要件など) 以下2つの要件を満たせば、借換後も引き続き住宅ローン控除を受けられます。 新しい住宅ローンが当初の住宅ローンの返済のためのものであること 新しい住宅ローンが住宅ローン控除の対象要件に当てはまること 出典)国税庁「No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき」 上記の証明として、新しい住宅ローンで当初の住宅ローンを一括返済したことがわかる書類を残しておきましょう。 また、住宅ローン控除には「返済期間が10年以上あること」などの要件があります。借り換えのタイミングで返済期間が10年未満になり控除を受けられなくなると、実質負担軽減効果が低下してしまうので注意が必要です。 関連記事はこちら【令和7年版】住宅ローン控除とは?取得した住宅の状況に分けて解説 手続きにかかる「時間的コスト(手間)」 借り換えには、事務手数料や保証料など金銭的コストだけでなく、各種証明書の取得手続き、審査申込手続き、面談などの「時間的コスト(手間)」を要します。また、手続きの進め方によっても手間の内容が異なります。 対面型:担当者に直接相談できるが、金融機関の店舗に出向く必要がある Web完結型:来店不要で手続きがWeb上で完結するが、必要書類のアップロードや規定の確認など、自身で管理・進行する必要がある サポートの必要性や自身が手続きに割ける時間を考慮して選択することが、スムーズな借り換えの鍵となります。 まとめ 住宅ローンの借り換えは、表面的な適用金利の水準だけを見て判断してはなりません。事務手数料や保証料、抵当権設定費用といった諸費用を踏まえ、実質的にどれだけの負担軽減効果があるかを試算することが求められます。 また、金銭的なコストだけでなく、契約手続きの手間といった時間的コストも考慮し、自身にとって最適な借換計画を検討しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 住宅ローンは変動から固定に借り換えるべき?金利上昇時の判断ポイントを解説 最近の金利上昇を受けて、「変動金利のままで大丈夫?」「固定金利に変えたほうが安心?」と悩む人も多いのではないでしょうか。 この記事では、変動金利から固定金利への借り換えが住宅ローンの返済額に...

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  • 住宅ローン借り換えシミュレーション

    住宅ローン借り換えシミュレーション | 金利上昇局面における「変動」と「固定」の比較

    「住宅ローンの金利が上がるかもしれない」というニュースを見て、借り換えのシミュレーションを試した方も多いのではないでしょうか。 住宅ローンの借り換えを検討する際、私たちはつい「月々の支払いや総返済額がいくら減るか」という”数字”に目を奪われがちです。しかし、借り換えには数字には表れないもう一つの重要な論点があります。 それは、将来の金利変動に怯えなくて済むという「安心感」です。 この記事では、金利上昇局面における借り換えを「経済合理性の追求(数字の損得)」と「安心感の確保(見えない不安の解消)」という2つの本質的な軸からシミュレーションし、後悔しないための判断基準を解説します。 借り換えにおける2つの戦略(経済合理性の追求と安心感の確保) 変動金利からの住宅ローン借り換えには、以下2つの戦略が考えられます。 より低金利の変動金利へ借り換え(経済合理性の追求) 固定金利へ借り換え(安心感の確保) 比較項目 変動金利への借り換え (経済合理性の追求) 固定金利への借り換え (安心感の確保) 基本特性 当面の金利水準を低く抑え、返済額を軽減する 将来の金利上昇リスクの影響を受けなくなる 内在するリスク 市場金利の上昇に伴い、将来的に返済額が増加するリスク 変動金利より高めに設定されるため、総返済額が増加するリスク 適した人 経済合理性を最優先し、金利上昇時は繰上げ返済などで対応可能な人 支出を確定させ、金利変動による家計への影響をゼロにしたい人 金利上昇時の影響 市場金利に連動して返済額が増加する 完済まで影響なし より低金利の変動金利へ借り換え(経済合理性の追求) 変動金利からより低い変動金利への借り換えは、当面の返済額が軽減される経済合理性のある戦略といえます。金利水準が維持される限り、返済額の軽減効果は継続します。 一方で、変動金利は市場金利の変動に連動するため、将来の金利上昇による返済額増加のリスクを伴います。 「5年ルール」や「125%ルール」を採用している金融機関であれば、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わりません。また、5年ごとに毎月の返済額が増えるときも、それまでの返済額の1.25倍が上限となります。 ただし、「5年ルール」や「125%ルール」は返済額の増加を繰り延べるものであり、利息そのものを免除するものではありません。急激な金利上昇時には、元金の返済が進みにくくなるだけでなく、本来支払うべき利息が毎月の返済額を上回り「未払利息」が発生する恐れがあります。 その後の金利動向や返済状況次第では、未払利息が解消されないまま繰り越されることもあります。繰上げ返済などで元金を償還しないと、最終返済日まで繰り越される恐れもあるため、毎月の支払いにおける元金と利息の支払内訳を把握しておくと安心です。 関連記事はこちら住宅ローンの5年ルールと125%ルールとは?メリット・デメリットを解説 固定金利へ借り換え(安心感の確保) 変動金利から固定金利への借り換えは、将来の金利上昇による返済額増加を回避できる安心感を確保する戦略といえます。一般的に、固定金利は変動金利より高めになる傾向にあり、結果として総返済額が増えることもあります。この追加負担は、金利変動による返済額増加の不安を解消するためのコストと整理できます。 返済額が完済まで確定するため、金利上昇局面でも返済額は増加せず家計は安定し、元金が予定どおりに減少します。将来の支出を見据え、安心感の確保を重視する人に向いています。 諸費用を踏まえた借り換え「3つの判断基準」の目安 住宅ローンの借り換えは返済額だけでなく、借り換え時の諸費用も踏まえて検討する必要があります。3つの判断基準について確認しましょう。 無視できない「諸費用」の内訳と実質コスト 住宅ローンの借り換えでは、新たに借り入れるローンの保証料や事務手数料に加え、既存のローンの繰上げ返済手数料などの諸費用がかかります。借り換え効果を正しく判断するには、諸費用を含めてシミュレーションを行い、「実質的にどれだけ負担が減るのか」を確認することが重要です。 借り換え効果が期待できる3つの目安 一般的に、諸費用の負担を踏まえた住宅ローンの借り換え効果が期待できる目安は以下の3つです。以下の条件を満たしているか確認してみましょう。 金利差1.0%以上 住宅ローン残高1,000万円以上 残存返済期間10年以上 ※あくまで目安のため、実際には個別のシミュレーションをしたうえで判断することが重要です。 1.金利差:利息削減の直接要因 金利差が大きいほど、元本に対する利息が減少し、諸費用の回収が容易になります。ただし、固定金利へ借り換える場合は、金利差だけでなく、金利上昇リスク回避のコストとしての判断が必要です。 2.ローン残高:削減額の規模要因 同じ金利差でも、残高が大きいほど削減される利息総額は増加します。残高が小さい場合、利息削減額が諸費用を下回り、借り換え効果が限定される傾向があります。 3.残存返済期間:金利差による削減効果の蓄積要因 返済期間が長いほど、利息が発生する期間が長く、金利差による削減効果が累積します。 返済終盤では利息割合が低下するため、借り換えによる効果は小さくなります。 関連記事はこちら住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 【実例比較】借入残高3,000万円・残り30年での借り換え効果をシミュレーション ここでは、具体的な条件を設定し、金利変動や借り換えによって返済額がどう変化するのかをシミュレーションします。 <シミュレーションの前提条件> 当初借入金額:3,000万円 当初借入金利:変動1.2% 返済期間:35年 返済方法:元利均等返済・ボーナス払いなし 借入後5年間は金利変動なし 5年経過後(残り30年)に借り換えを実行 借り換え時のローン残高は約2,645万円 借り換えにかかる諸費用:70万円 段階的に1%金利上昇:総返済額約400万円増加 まずは借り換えせずに金利上昇した場合のシミュレーション結果です。 返済期間 (フェーズ) 借り換えなし (金利1.2%固定の場合) 借り換えなし (段階的金利上昇シナリオ) 上昇シナリオ による差額 1〜5年目 金利:1.2% 月額:87,510円 金利:1.2% 月額:87,510円 差異なし 6〜10年目 金利:1.2% 月額:87,510円 金利:1.7% 月額:93,828円 +6,318円/月 11〜35年目 金利:1.2% 月額:87,510円 金利:2.2% 月額:99,387円 +11,877円/月 35年間の 総返済額 約3,675万円 約4,070万円 +約394万円 出典)知るぽると「借入返済額シミュレーション」にて筆者試算 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 上記試算では、金利が上昇すると総返済額は約394万円増加します。金利上昇は利息負担を累積的に押し上げるため、影響は長期にわたり総返済額に反映されます。金利リスクは「月額増加」だけではなく「総返済額の増加」として評価が必要です。金利上昇した場合の総返済額を踏まえ借り換えを検討しましょう。 低金利の変動金利へ借り換えた場合の効果と留意点 次に、より金利の低い変動金利へ借り換えた場合のシミュレーション結果です。 返済期間 (フェーズ) 借り換えなし (段階的金利上昇シナリオ) 借り換えあり (より低い変動金利へ) 借り換え による差額 1〜5年目 金利:1.2% 月額:87,510円 金利:1.2% 月額:87,510円 差異なし 6〜10年目 金利:1.7% 月額:93,828円 金利:1.0% 月額:85,059円 ▲8,769円/月 11〜35年目 金利:2.2% 月額:99,387円 金利:1.5% 月額:90,264円 ▲9,123円/月 35年間の 総返済額 約4,070万円 約3,743万円 ▲約326万円 借り換え 諸費用 - 70万円 +70万円 実質的な 削減効果 - - 実質負担▲約256万円 (総返済差額▲326万円 +諸費用70万円) 出典)知るぽると「借入返済額シミュレーション」にて筆者試算 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 上記の試算では、借り換えることで総返済額は約326万円減少し、借り換え諸費用70万円を含めても約256万円程度負担軽減する結果となります。また、毎月の返済額は約9,000円程度減少します。 ただし、変動金利への借り換えのため、シミュレーション以上の金利上昇により、返済額が増加する恐れもあります。さらに、5年ルール・125%ルールを採用している住宅ローンへ借り換える場合は、繰上げ返済の検討など未払利息のリスクへの備えも必要です。 固定金利(2.0%)へ借り換えた場合の効果と不確実性の回避 最後に固定金利へ借り換えた場合のシミュレーション結果です。 返済期間 (フェーズ) 借り換えなし (段階的金利上昇シナリオ) 借り換えあり (固定金利2.0%へ固定) 借り換え による差額 1〜5年目 金利:1.2% 月額:87,510円 金利:1.2% 月額:87,510円 差異なし 6〜10年目 金利:1.7% 月額:93,828円 金利:2.0% 月額:97,748円 +3,920円/月 (一時的な負担増) 11〜35年目 金利:2.2% 月額:99,387円 金利:2.0%(固定) 月額:97,748円 ▲1,639円/月 (後半の負担軽減) 35年間の 総返済額 約4,070万円 約4,044万円 ▲約26万円 借り換え 諸費用 - 70万円 +70万円 実質的な 削減効果 - - 実質負担+約44万円 (総返済差額▲26万円 +諸費用70万円) 出典)知るぽると「借入返済額シミュレーション」にて筆者試算 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 上記の試算結果では、借り換えなしの場合と比べて、固定金利へ借り換えることで総返済額は約26万円減少する一方で、借り換え諸費用を含めると約44万円の負担増加となります。ただし、想定以上に市場金利が上昇してもこれ以上返済額が増加しない安心感を確保できます。 シミュレーション通りにいかないケースと留意点 住宅ローンの借り換えを検討する際、いかなる前提に基づくシミュレーションであっても、将来の金利水準を正確に予測することは極めて困難であり、常に「金利予測の不確実性」という大前提のリスクを伴います。 金利は金融政策や物価動向、為替など複数の要因で変動するため、単一の試算結果のみで判断せず、複数のシナリオを想定しておく必要があります。 このマクロな金利変動リスクに加えて、実務上、個別の条件によって「事前のシミュレーション通りに事が進まないケース」として、主に以下の3つの具体的要因が挙げられます。 1.諸費用を含めた「実質コスト」の計算漏れ 事前に行ったシミュレーションほど実質的な負担額軽減効果が得られない場合、諸費用などの計算漏れが考えられます。自分で計算するのが難しい場合は、借り換え先の金融機関に相談しましょう。 2.健康状態変化による「団体信用生命保険(団信)」の再加入不可 借り換え時には、原則として団体信用生命保険(団信)の再加入が必要です。健康状態や既往歴によっては団信の再加入が認められず、借り換えができない恐れがあります。 3.収入状況や転職による「再審査」での条件悪化 借り換え時には、新たな借入先であらためて審査を受ける必要があります。年収や勤続年数、他の借入状況などが再確認されます。転職直後や収入が減少している場合、審査が厳しくなることもあるため注意が必要です。 関連記事はこちら住宅ローンの本審査後に転職したらどうなる?リスクと注意点、対処法を紹介 まとめ 住宅ローンの借り換えには、「経済合理性の追求」だけでなく「安心感の確保」の視点も考える必要があります。どちらを重視するかを明確にし、諸費用を含めてシミュレーションを行うことが重要です。 また、返済額軽減効果だけでなく、再審査や団信加入の可否も含めて、借り換えを実行すべきか冷静に判断しましょう。ご自身の状況に合わせた最適なプランを立てるために、金融機関の担当者や不動産の専門家に一度相談してみることをおすすめします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 【2026年最新】フラット35金利推移グラフと今後の動向分析 2026年現在、長引く低金利環境から一転し、フラット35の金利は急ピッチで上昇しています。「金利が上がっている」というニュースを見て、全期間固定金利の住宅ローンの動向が気になっている人もいる...

    2026.05.27 住宅ローン
  • 【2026年6月】フラット35金利予想:3.02~3.12%|公認会計士・千日太郎が5月21日の機構債から分析

    【フラット35】2026年6月金利は3.21%に決定|公認会計士の予測と機構債分析

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年5月金利は2.71%に決定|公認会計士の予測と機構債分析)では、【フラット35】の2026年5月金利を2.67%~2.77%と予想し、2.71%となり予想レンジ内に収まりました。 まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年6月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。 【2026年6月 フラット35金利予想】 予想レンジ:3.02%~3.12% 傾向:上昇 要因:新発10年国債利回りの上昇 中東情勢の不確実性や物価上昇、日銀の利上げ観測を背景に、新発10年国債利回りは上昇傾向で推移しています。これに伴い、固定金利タイプの住宅ローンにも上昇圧力がかかっています。 この記事では、金利上昇の根拠となる国債・機構債の動きと、借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について解説します。 2026年6月の【フラット35】金利は3.21%に決定しました(更新日:2026年6月1日)。 【フラット35】2026年5月金利予想の結果と検証 2026年5月の金利決定結果(2.71%) 2026年5月の【フラット35】金利は前月から0.22ポイント上昇の2.71%に決定し、4月下旬での予想レンジ(2.67%~2.77%)の中央あたりの結果となりました。この予想は、機構債表面利率の0.18ポイント上昇に加え、直近の「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の縮小傾向を加味したものでした。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) このうち「新発10年国債利回り + ローンチスプレッド」は、機構債の表面利率として発表されます。つまり、金利予想において最も重要なのは、機構の裁量による調整幅(逆ザヤ)の動向です。 金利上昇に加えて縮小する逆ザヤ 市場金利の上昇傾向は続いていますが、国債利回りの上昇幅に比べると【フラット35】の金利上昇は緩やかです。これは、過去11か月連続で【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回る「逆ザヤ」状態が維持されているためです。 2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大し、2026年2月には0.52ポイントに達しました。しかし、3月以降は縮小に転じ、5月時点では0.26ポイントまで縮小しています。 住宅金融支援機構が、自身の収益を圧迫してでもどこまでこの「逆ザヤ」を許容し、貸付金利の上昇を抑制するかが今後の予想の焦点となります。 2月から5月までの推移を踏まえ、次のようなシナリオが想定されます。 2月の逆ザヤ「0.52ポイント」で機構の許容上限を超えた 2026年3月以降、新たな許容上限を模索している段階 機構債表面利率 vs フラット35金利の推移(2025年4月以降) ※出典) ・住宅金融支援機構「既発債情報」 ・住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 ※上記出典を基に「住まいとお金の知恵袋編集部」作成 逆ザヤの推移(2025年4月以降) ※上記出典を基に「住まいとお金の知恵袋編集部」作成 【フラット35】2026年6月金利予想 2026年5月から6月にかけて、新発10年国債利回りは2.42%から2.74%(※)へ、0.32ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.97%から3.32%へと0.35ポイント上昇しています。これまでの数値を踏まえた、6月の【フラット35】金利予想の詳細は以下のとおりです。 ※10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】金利推移(直近3ヶ月)と2026年6月予想 2026年3月 2026年4月 2026年5月 2026年6月 千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 2.25% 2.49% 2.71% 3.02%~3.12%※6/1発表の金利は3.21%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:激変緩和措置を織り込んだ想定下限(3.02%) 下限の3.02%は、機構債の上昇幅(0.35ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを0.26ポイントから0.30ポイントに再拡大する想定のシナリオです。 融資実行の3ヵ月前に住宅ローンの契約を行うケースもあり、2026年3月時点の金利(2.25%)を前提に計画を立てていた借り手も存在します。契約時からの金利上昇幅が大きいほど、毎月の返済負担は当初の想定を超えて増加する恐れがあります。 国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構としては、このような局面において、逆ザヤを再拡大させて金利上昇を抑制する激変緩和措置を取る可能性が考えられます。 シナリオ②:逆ザヤ縮小ペースの継続(3.12%) 上限の3.12%は、機構債の上昇幅(0.35ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを0.20ポイントへと縮小する想定のシナリオです。 2月から4月までは毎月0.10ポイント程度ずつ逆ザヤが縮小してきましたが、5月は0.04ポイントの縮小(逆ザヤ0.26ポイント)に留まりました。6月の逆ザヤの縮小幅が2026年2月以降の平均(0.09ポイント)と同等となれば、0.17ポイントに縮小となりますが、激変緩和措置を織り込み、0.20ポイントまでの縮小を想定します。逆ザヤが0.20ポイントに縮小する場合、6月の【フラット35】金利は3.12%となります。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移(直近4ヶ月) 主要データ(2026年5月21日時点) 機構債発表日 2026年2月18日 2026年3月18日 2026年4月17日 2026年5月21日 機構債の表面利率(※1) 2.65% 2.79% 2.97% 3.32% 新発10年国債利回り(※2) 2.12% 2.24% 2.42% 2.74% ローンチスプレッド(※1) 0.53% 0.55% 0.55% 0.58% ※1:出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2:10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 まとめ 今回の機構債表面利率は大幅な上昇となりました。ただし、住宅金融支援機構は依然として逆ザヤを維持しており、市場の金利上昇分をそのまま利用者に転嫁しているわけではありません。今回も一定の激変緩和措置が講じられる可能性はあると考えられます。 住宅購入を検討するにあたり、目先の金利動向だけで焦って判断する必要はありません。変動金利と固定金利の双方にメリットとリスクが存在します。重要なのは最終的な損得ではなく、金利が変動しても生活を安定して維持できるかどうかです。金利の低さだけでなく、自身のライフプランに合ったリスクの取り方で住宅ローンを選ぶ視点が求められます。 ※この記事は2026年5月21日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。 次に読むべき記事 【2026年最新】フラット35金利推移グラフと今後の動向分析 2026年現在、長引く低金利環境から一転し、フラット35の金利は急ピッチで上昇しています。「金利が上がっている」というニュースを見て、全期間固定金利の住宅ローンの動向が気になっている人もいる...

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  • 新NISA運用か住宅ローンの繰上げ返済か?経済合理性とリスクから考える判断基準

    新NISA運用か住宅ローンの繰上げ返済か?経済合理性とリスクから考える判断基準

    住宅ローン返済中にまとまった余裕資金ができた場合、新NISAでの運用と住宅ローンの繰上げ返済、どちらを優先すべきか悩む方もいるかもしれません。 新NISAは、株式や投資信託などの投資から得られる運用益に通常約20%課される税金が、無期限で非課税になる税制優遇制度です。非常に魅力的な選択肢である一方、昨今は住宅ローン金利も上昇傾向にあるため、手元資金の使い道はより慎重に判断する必要があります。 【この記事の結論:優先すべきケースの目安】 新NISAを優先:資金効率(利回り)・手元資金の流動性(現金)を重視する人 繰上げ返済を優先:確実性を重視する人、比較的高金利の住宅ローンを組んでいる人 この記事では、新NISAで運用した場合と住宅ローンを繰上げ返済した場合のシミュレーション比較を通じて、金利上昇局面における最適な選択の判断基準を解説します。 新NISAと繰上げ返済を比較する3つの評価軸 どちらを優先すべきかは、現在の住宅ローンの借り入れ状況や、ご自身のリスク許容度によって異なります。まずは以下の3つの基準から、自身の状況を整理してみましょう。 経済合理性:期待運用利回りと借入金利の比較 重要な基準の一つは、投資による「期待利回り」と、住宅ローンの「借入金利」の差です。 新NISAの運用において、リスクを抑えて「国内外の株式と債券に半分ずつ分散投資(バランス型)」をした場合を想定してみましょう。公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオもこの配分に近い構成となっており、市場運用開始(2001年度)からの長期的な収益率は「年率平均+約4.7%」の実績を出しています(※過去の実績であり将来を保証するものではありません)。 一方、2026年4月現在の住宅ローン金利は、変動金利(新規借入・優遇金利)で0.8~1.0%程度、固定金利(【フラット35】の全期間固定金利)で2.1~2.7%程度が目安です(※金利は一般的条件を前提としており、お借入条件により異なります)。 仮に運用利回りを保守的に3.0%とし、借入金利を2.0%とした場合、単純な投資収益率の観点では「運用利回り(3.0%) > 借入金利(2.0%)」となります。この利回り差が維持される見込みであれば、資金効率の面では、繰上げ返済よりも新NISAでの運用を優先する考え方もあります。 出典)GPIF「第5期中期目標期間における基本ポートフォリオについて(詳細)P.9」 流動性と保障:手元資金の確保と団信の機能 次に考慮すべきは、手元にいつでも使える現金(流動資産)を残しておくことの重要性です。 新NISAの資産は価格変動リスクが伴うものの、必要に応じて売却し現金化できます(投資信託の場合、銘柄によって異なりますが、受渡日まで約2〜6営業日が目安です)。教育費や急な出費にも柔軟に対応可能です。一方、住宅ローンの繰上げ返済に充てた資金は手元からなくなるため、後から現金が必要になっても取り戻すことはできません。 また、住宅ローンには万が一の際にローン残高がゼロになる「団体信用生命保険(団信)」が付帯しているケースが多くあります。繰上げ返済をしてローン残高を減らすことは、実質的な生命保険の保障枠を自ら縮小させることにつながる点にも注意が必要です。 手元資金をすべて繰上げ返済に充てた後に万が一のことが起きた場合、ローンは消えますが家族に現金を残すことはできません。手元に十分な現金を残しつつ団信の保障を活かす意義も、あわせて検討しましょう。 制度的影響:住宅ローン控除による実質負担の変動 住宅ローン控除(減税)を受けている期間中かどうかも重要な判断材料です。 繰上げ返済によってローンの元本が減少すると、それに伴い「年末残高の0.7%」である住宅ローン控除の控除額そのものが目減りしてしまいます。つまり、繰上げ返済による利息軽減効果の一部が、控除額の減少によって相殺されてしまう(実質的な負担軽減効果が薄まる)点に注意が必要です。 控除期間中に繰上げ返済を行う場合は、返済後の年末残高がいくらになるか、事前に金融機関から送付される「返済予定表」や「年末残高等証明書」などで確認し、減税メリットとのバランスを見極めましょう。 関連記事はこちら【令和7年版】住宅ローン控除とは?取得した住宅の状況に分けて解説 利息軽減効果と期待運用益のシミュレーション比較 まとまった余裕資金がある場合、「繰上げ返済によってリスクなしで得られる利息削減」と「新NISAによってリスクを取って狙う将来の運用益」、どちらが目的に合致するかの比較が重要になります。 まずは基準となる「繰上げ返済」の効果を、具体的な数字で検証します。 繰上げ返済による利息軽減効果 住宅ローン金利が上昇した(または上昇が見込まれる)局面を想定し、以下の条件でシミュレーションを行います。 【前提条件】 当初の借入条件: 3,000万円(返済期間35年 / 当初10年固定金利 年1.0%) 現在の状況:11年目の金利見直しにより適用金利が「年1.5%」に上昇。 そのまま15年目まで経過し、現在の残高は約1,858万円(残期間20年) 繰り上げ返済額:2,380,820円(期間短縮型を実行) 【シミュレーション結果】 繰上げ返済「前」 繰上げ返済「後」 軽減効果 残りの返済期間 20年(240ヵ月) 17年1ヵ月 2年11ヵ月短縮 通算の返済期間 35年 32年1ヵ月 - 利息負担額 約293万円 約216万円 約76万円の削減 ※万円未満切り捨て。 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 ※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。なお、本シミュレーションは借入から15年が経過しているため「住宅ローン控除」の期間は終了している前提となります。 出典)住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」をもとに筆者作成 このシミュレーションから、繰上げ返済によって「リスクを取らずに約76万円の利息負担軽減(=リスクを取らずに得たリターンに相当)」ができたことがわかります。将来の金利変動等の影響を受けない、堅実な資金の使い道といえます。 新NISA(バランス型)による期待リターンの追求 次に、同じ「238万円」を新NISAで20年間運用した場合と比較します。新NISAで得られる運用益が、先ほどの「利息軽減額 約76万円」を上回れば、資金効率の観点では投資のほうが優位といえます。 想定利回り 20年後の運用益(新NISA) 繰上げ返済のメリット 有利な選択 5% 約393万円 約76万円 新NISA 3% 約191万円 1% 約52万円 繰上げ返済 ※複利計算:運用益={投資元本× (1+年利)^運用年数 }-投資元本。万円未満切り捨て。 前段で設定した保守的な期待利回り(年3.0%)が継続すれば、数値上は新NISAでの運用が優位になる計算です。ただし、投資には価格変動リスクが伴います。 運用利回りが住宅ローン金利(シミュレーション上は1.5%)を下回るリスク、あるいは元本割れのリスクを避けたい場合は、リスクなく利息負担を減らせる繰上げ返済のほうが堅実な選択となります。 目的・リスク許容度別:優先すべきケースの分類 ここまでのシミュレーションで確認した通り、新NISAによる運用と住宅ローンの繰上げ返済のどちらが最適かは、単なる数値上の損得だけでは決まりません。自身の現在の借入状況(金利水準)や今後のライフプラン、そして何より「どこまでのリスクなら許容できるか」によって適切な選択は異なります。 ここでは、それぞれの目的やリスク許容度に応じて、どちらを優先すべきかの具体的な判断基準を2つのケースに分けて整理します。 新NISAを優先すべきケース 以下のような目的や考えを持つ方は、手元資金を繰上げ返済に充てず、新NISAでの運用を優先することが選択肢となります。 資金効率を重視したい人 保守的な期待利回りであっても住宅ローン金利を上回る見込みがあり、長期的な資産形成を優先したいケースです。 将来のライフイベントに備えて流動性(現金)を確保したい人 教育費などのまとまった資金が数年内に必要になる見込みがある場合、引き出し(現金化)という概念のない繰上げ返済はリスクとなります。 なお、「ひとまず新NISAで運用し、将来的に住宅ローン金利が急騰した際に売却して一括返済に充てる」という柔軟な選択肢を持てることもメリットの一つです。ただし、金利上昇のタイミングで同時に株式相場などが下落した場合、損失を抱えた状態での売却を余儀なくされる恐れがある点には十分な留意が必要です。 繰上げ返済を優先すべきケース 一方で、以下に該当する場合は、投資リスクを取らずに繰上げ返済を優先する方が合理的な選択といえます。 比較的高金利の住宅ローンを組んでいる人 借入金利が高くなれば高くなるほど、投資でそれを安定的に上回るリターンを出し続けるハードルが高くなります。リスクなく高金利の利息負担を削減する方が合理的な選択肢といえます。 投資の価格変動リスクを避けたい人 新NISAには価格変動リスクが伴います。「含み損を抱えることにストレスを感じる」という方も、相場に左右されず確実に負債を減らせる繰上げ返済が適しているといえます。 定年後の住居費を下げたい人 約定返済のみでは定年後も住宅ローンの返済が続く場合、年金生活において住居費が大きな負担となる恐れがあります。退職前に「期間短縮型」の繰上げ返済を活用し、完済時期を早めることは、老後の家計の安全性を高める有効な手段となります。 ※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、 特定の商品や投資行動を勧誘するものではありません。投資には元本割れを含むリスクがあります。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断と責任において行ってください。 まとめ 新NISAによる運用か、住宅ローンの繰上げ返済か。この選択に万人共通の正解はありません。本記事で解説した「経済合理性」「流動性と保障」「制度的影響」の3つの評価軸をもとに、ご自身のライフプランやリスク許容度と照らし合わせて判断することが重要です。 金利上昇局面においては、リスクなく利息負担を減らせる繰上げ返済の重要性が高まる一方で、新NISAの非課税メリットを活かした資金効率の追求や、いつでも引き出せる流動性の高さも大きな強みとなります。 まずは、お手元の「返済予定表」や「年末残高等証明書」で現在の借入状況や住宅ローン控除の適用期間を確認し、実際の利息軽減効果とご自身の許容できる投資リスクのバランスをシミュレーションしてみることから始めましょう。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 プラチナNISAとは?いつから?導入見送りの代替案とシニア世代の活用法 金融庁が創設を検討している「プラチナNISA(高齢者向けNISA)」が注目を集めています。「年金の不足分を補えるかもしれない」と期待し、具体的にどのようなメリットがあるか気になっているシニア...

    2026.05.06 住宅ローン
  • 【2026年最新】フラット35金利推移グラフと今後の動向分析

    【2026年最新】フラット35金利推移グラフと今後の動向分析

    2026年現在、長引く低金利環境から一転し、フラット35の金利は急ピッチで上昇しています。「金利が上がっている」というニュースを見て、全期間固定金利の住宅ローンの動向が気になっている人もいるでしょう。 不安を感じる方も多いかもしれませんが、フラット35の制度を賢く活用すれば、現在でも金利負担を抑えて住宅ローンを組むことは十分に可能です。 この記事では、フラット35の金利推移と今後の見通し、そしてより低金利で組むための戦略について、一般的な条件である「返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下」の最低金利を基準に解説します。 フラット35の金利推移(制度開始から2022年頃まで) 紹介するフラット35の最低金利は、制度開始(2003年10月)から2011年前後までは2%台後半~3%前後で推移していました。その後は低下傾向となり、日銀がマイナス金利政策を導入した2016年から2022年頃までは1%台前半で推移する状況が続きました。しかし、2022年以降は上昇傾向に転じています。 ※筆者作成 ※2017年9月以前は、団信特約料を含まないベース金利の推移となります。 出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 【2003年〜】制度開始からリーマンショック前後の推移 フラット35は、2003年10月に前身の住宅金融公庫(現在は住宅金融支援機構)が取り扱いを始めました。制度開始当初、フラット35の最低金利は3%前後で推移しましたが、景気減速懸念などから長期金利が低下したことに伴い、2004年12月に2%台前半まで低下しました。 その後は国内景気の回復を背景に、2006年に日銀が量的緩和政策とゼロ金利政策を相次いで解除した影響を受け、金利は再び上昇傾向に転じました。その結果、2007年頃から2011年前後にかけて、おおむね2%台後半で推移しています。しかし、2008年秋の世界的金融危機(リーマンショック)を契機に日銀をはじめ各国の主要な中央銀行が金融緩和に踏み切ったことで、その後の金利は再び低下局面へと向かいました。 【2008年〜】世界的な金融緩和からアベノミクスの低下局面 さらに金利低下を加速させたのが、2013年4月に日銀が導入した「量的・質的金融緩和(いわゆる異次元緩和)」です。これは、デフレ脱却を目指して市場に大量の資金を供給する大規模な金融政策であり、長期国債の買い入れが大幅に拡大されました。 この政策により長期金利には強い低下圧力が働き、リーマンショック後もしばらくは2%台で推移していたフラット35の最低金利は、2015年末には1.5%台まで低下します。これが、直後の「マイナス金利政策」における過去最低水準の金利へと繋がる重要な下地となりました。 【2016年〜】マイナス金利政策と過去最低水準の記録 2016年1月、日銀はマイナス金利政策を導入しました。マイナス金利政策とは、民間銀行が中央銀行(日本では日銀)に預ける当座預金の一部にマイナス金利を適用する政策です。銀行が企業や家計にお金を貸し出すように促し、経済の活性化や物価上昇につなげる狙いがあります。 同年9月には長短金利操作(YCC:イールドカーブ・コントロール)も導入され、「(長期金利の指標である)10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買い入れを行う」と定められました。 企業や家計がお金を借りやすくなるように長期金利の上昇を抑制し、経済活動を活発化させることが主な目的です。この日銀の金融政策に伴い、フラット35の最低金利は一時1.0%を下回る水準まで低下しました。 その後、2017年10月の制度変更でフラット35は団体信用生命保険(団信)付きの住宅ローンになり、公表される最低金利の水準が上昇しました(団信なしで加入することも可能)。それでも、コロナ禍から経済正常化に転換する2022年頃まで、最低金利は1%台前半で推移する状況が続きました。 出典)住宅金融支援機構【フラット35】「団体信用生命保険(団体信用生命保険制度のご案内)」 2026年現在のフラット35金利 フラット35の金利は、金融市場における「長期金利(10年国債利回り)」と強く連動します。近年の長期金利の上昇により、2026年に入ってからフラット35の最低金利は2%を超える水準まで上昇しています。 長期金利を押し上げている主な要因は、以下の3点です。 日銀による政策金利の引き上げ(利上げ) 日銀による長期国債の買い入れ減額 国債増発など、国の財政悪化に対する懸念 日本は低金利が長く続いてきましたが、2024年3月に日銀はマイナス金利政策を解除し、長短金利操作の終了も決めました。この政策転換により、直近では金利が上昇傾向にあります。 また、日銀は2024年7月に長期国債買い入れの減額計画を発表しました。日銀が買い入れ額を減らすと債券市場における国債の需給バランスが崩れ、長期金利に上昇圧力が働く恐れがあります。 日銀は複数回の利上げを実施し、2025年12月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%に引き上げました。この決定により、政策金利は約30年ぶりの高水準となりました。政策金利とは、景気や物価を安定させるために中央銀行が設定する短期金利で、民間銀行の預金金利や貸出金利に影響を与えます。 長期金利も上昇傾向にあり、2026年1月には10年国債利回りが一時2.3%台を超え、約27年ぶりとなる高水準となりました。日銀がコントロールする短期的な政策金利とは異なり、長期金利は債券市場における「国債の需給(買いたい人と売りたい人のバランス)」や将来の金利・物価見通しを反映して決まります。 日銀の利上げによる金利の先高観に加え、政府の拡張的な財政運営観測により「将来的に国債が増発され、財政が悪化するのではないか」との懸念から、市場で日本国債を売る動きが広がりました。国債は「売られて価格が下がると、金利(利回り)が上がる」という傾向にあるため、これが長期金利の急上昇に繋がっています。 出典) ・日本銀行「2025年12月金融政策決定会合での決定内容」 ・日本銀行「金融市場調節方針の変更および長期国債買入れの減額計画の決定について」 ・財務省「国債金利情報」 フラット35の金利が決まる仕組み 2026年1月のフラット35の最低金利は2.08%となり、2017年10月に現行制度になってから初めて2%を超え、2026年4月の最低金利は2.49%となっています。この上昇の背景には、単なる長期金利の上昇だけでなく、「資金調達コストと貸出金利の逆転」という異例な事態がありました。 フラット35の原価にあたるのは、住宅金融支援機構が発行する「機構債」の利率です。通常、私たちが借りる金利は、この原価に機構の利ざやを上乗せして決まります。しかし、2025年半ば以降、長期金利の急騰によって機構債の利率が先行して跳ね上がりました。 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」と住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移(令和5年4月以降)」をもとに作成 データを詳細に見ると、2025年6月(機構債条件決定日2025年5月22日)を皮切りに、原価である「機構債の利率(1.94%)」が、貸出金利である「フラット35の金利(1.89%)」を上回る「逆ザヤ」の状態に突入したのです。 本来、原価よりも安く貸し出すことは持続困難です。それにもかかわらず、その後も長期金利の上昇に伴って調達コストと貸出金利の逆転幅は拡大し続け、2026年初頭には一時0.5%以上の差が開く事態となりました。 住宅金融支援機構は国民の住生活を支援する公的機関であるため、急激な金利転嫁を一定期間抑制したものの、逆ザヤ幅の拡大により金利水準の適正化(引き上げ)へと動いたと推測されます。 現在、フラット35の金利が急ピッチで上昇しているのは、この「逆ザヤ」状態を解消し、健全な運営コストを確保するための「適正化」の動きだと考えられます。 ただし、フラット35は全期間固定金利のため、いったん住宅ローンを組めば借りたときの金利がずっと続きます。今後、このコスト調整がさらに進み金利が上がったとしても、返済中に適用金利が上がって返済額が増えることはありません。 フラット35の金利見通しと急騰リスク 今後のフラット35の金利は、引き続き「長期金利(10年国債利回り)」の動向と日銀の金融政策、そして政府の財政運営のバランスに大きく左右される見通しです。 前述の通り、金利変動の主な要因(日銀の利上げ、国債買い入れ減額、財政悪化懸念)は現在も進行中です。日銀は2026年1月の展望レポートで継続的な利上げ姿勢を示しているほか、国債買い入れの減額も2027年3月まで段階的に進められる予定です。 出典)日本銀行「長期国債買入れの減額計画(2025年6月金融政策決定会合)」 【メインシナリオ:緩やかな上昇継続】 これらの要因から、中長期的に金利には一定の上昇圧力が働き続けると推測されます。ただし、日銀の植田総裁は長期金利の急上昇には機動的に対応する姿勢をみせており、状況次第で買い入れ減額計画の見直しも選択肢に含まれています。 そのため、直近1年間のような急ピッチな上昇がそのまま加速し続けるよりは、当面は市場動向を伺いながら、抑制されたペースで推移する可能性が高いという見方が一般的です。 【リスクシナリオ:想定以上の急騰リスク】 一方で、想定を上回るペースでインフレが加速した場合や、安定した政治運営下で政府の積極的な財政出動(国債の増発)が観測され、市場の警戒が強まった場合には、日銀のコントロールを離れて長期金利が一段と跳ね上がるリスクも否定できません。 現時点では、楽観・悲観のどちらか一方に偏ることなく、金利上昇が続く前提で「自身の返済計画がどこまでの上昇に耐えられるか」を把握しておくことが、有効な対策といえます。過度に不安視せず、まずは現在の金利水準でシミュレーションを行うなど、冷静に情報収集を進めることが推奨されます。 出典)日本銀行「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」 フラット35の金利負担を抑える3つのアプローチ フラット35の金利引き下げメニューは、それぞれ単独でも活用できますが、「組み合わせ」によって真価を発揮します。より戦略的に住宅ローンを組むための、具体的な3つのアプローチを見てみましょう。 戦略1:制度をフル活用する「ポイント最大化戦略」(子育てプラス×住宅性能×維持保全型) 戦略2:保障とコストを分ける「コスト最適化戦略」(団信なし×民間生保)」 戦略3:制度と公的支援の「ハイブリッド戦略」(中古リノベ×中古プラス×自治体の補助金) ポイント最大化戦略(子育てプラス×住宅性能×維持保全型) 子育て世帯が一定の要件を満たす長期優良住宅を取得する場合、「子育てプラス+ZEH+維持保全型」の組み合わせにより、合計5ポイント以上の獲得が期待できます。 出典)住宅金融支援機構「家族構成と建て方に合わせた組合せで金利を引下げ!」 こどもの人数によっては、子育てプラスだけで2ポイント以上を得られます。住宅性能では、ZEH(ゼッチ)の適用要件を満たすと3ポイント確保でき、長期優良住宅なら維持保全型で1ポイントが追加されます。 5ポイント以上獲得できれば、当初5年間の最大引き下げ(年1.00%)に加え、6〜10年目も金利引き下げ(年0.25%)が適用されるため、長期的な返済負担を大きく抑えることができます。 例えば、2026年4月現在の金利水準(年2.49%)で借入額3,000万円・35年返済を組んだ場合、最初の5年間は適用金利が「年1.49%」まで下がり、月々の返済額は約1.5万円軽減されます。さらに、35年間の総返済額で見ると約167万円もの大幅な軽減効果が期待できる計算となります。 関連記事はこちらフラット35子育てプラスとは?金利引き下げの条件や注意点を解説 コスト最適化戦略(団信なし×民間生保)」 フラット35を団信なしで借り入れ、民間の収入保障保険に加入する方法です。フラット35は団信加入が必須ではなく、加入しない場合は適用金利が0.2%下がります。掛け捨ての収入保障保険で団信と同等の保障を確保すれば、新機構団信付きのフラット35よりもトータルの支払い額を抑えられる傾向があります。 それでは、借入金額3,000万円の場合の返済額の違いを比較表で見てみましょう。 【シミュレーション条件】 借入金額3,000万円 返済期間35年 (団信付き)適用金利2.49%、(団信なし)適用金利2.29% 元利均等返済、ボーナス払いなし 新機構団信付き 新機構団信なし 差額 月々の返済額 約10万7,000円 約10万3,900円 約3,100円 総返済額 約4,497万円 約4,363万円 約133万円 ※総返済額は千円未満切り捨てで算出。 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 ※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。 出典)住宅金融支援機構「ローンシミュレーション(借入希望金額から返済額を計算)」にて筆者試算 上記の場合、新機構団信を外すことで総返済額が約133万円軽減されます。したがって、自身で加入する民間の保険料総額が「133万円」を下回れば、「団信なし+民間の収入保障保険」のほうがトータルコストで有利といえます。 出典)住宅金融支援機構「健康上の理由その他の事情で新機構団信制度に加入しない場合も、【フラット35】は利用できますか。」 民間保険利用時の損益分岐点(月額目安) 軽減額の133万円を返済期間の35年(420ヵ月)で割ると、ひと月あたり約3,100円の差額となります。したがって、自身で加入する民間の収入保障保険(万が一の際は一括受取でローンを完済する想定)の保険料が「毎月約3,100円以下」に収まるのであれば、団信に加入するよりもトータルコストで有利になるとシミュレーションできます。 生命保険料控除による経済的メリット 民間の生命保険の保険料は「生命保険料控除」の対象となる点も大きなメリットです。住宅ローンの金利に含まれる団信の特約料は税額控除の対象外ですが、民間の生命保険であれば年末調整や確定申告によって所得税・住民税の負担が軽減されるため、金利差による約133万円の軽減額に加え、プラスαの経済的メリットが期待できます。 ただし、民間保険の保険料は年齢や健康状態(喫煙の有無など)で大きく変動します。加入者の条件によっては、新機構団信にそのまま加入するほうが有利になる場合もあるため、事前に比較・見積もりが必要です。 なお、自己資金(頭金)を1〜2割以上用意できる場合は、一般的な買取型よりも低金利が設定されやすい「保証型のフラット35」を選ぶほうが、さらにトータルコストで有利になる可能性があります。 関連記事はこちらフラット35の買取型・保証型の違いを徹底比較!どっちがいい? ハイブリッド戦略(中古リノベ×中古プラス×自治体の補助金) 物件価格を抑えつつ理想の住まいを叶える「中古購入+リノベーション」では、フラット35の優遇制度と国・自治体の支援を組み合わせることで、新築と比較して、高い費用対効果が期待できます。 ポイント累積による金利引き下げ期間の延長 フラット35は、複数のメニューを組み合わせることで引き下げ期間を延ばすことが可能です。以下は、4ポイント(最大年1.0%引き下げ)を超える場合のシミュレーション例です。 【シミュレーション条件】 中古プラスで1ポイント リノベ(金利Aプラン)で4ポイント 子育てプラス(子ども2人)で2ポイント 元利均等返済、ボーナス払いなし ※合計7ポイント獲得(当初5年間は年1.0%、6~10年目は年0.75%の金利引き下げ) 通常、年1.0%の引き下げは「当初5年間」で終了しますが、このようにポイントを積み上げることで、金利上昇期の不安を長期にわたって解消できます。 出典)住宅金融支援機構「家族構成と建て方に合わせた組み合わせで金利を引下げ!」 国・自治体の補助金と住宅ローン控除の併用 金利だけでなく、以下の「直接的な資金支援」を組み合わせるのがハイブリッド戦略の肝です。 省エネリフォーム補助金:断熱改修や高効率給湯器の設置で、国や自治体から数十万円単位の補助を受けられる可能性があります。 所得税の住宅ローン控除:リフォーム費用も借入額に含めて控除対象にできます。ただし、中古住宅の場合は「新耐震基準」への適合など、適用要件を満たす必要がある点に注意が必要です。 なお、実際の軽減額や補助金の採択可否は個別の物件や自治体により異なります。適用条件や補助額は自治体によって異なるため、購入前に自治体の公式ホームページで最新情報を確認するか、フラット35取扱金融機関の窓口でシミュレーションを含めた事前相談を行うことを推奨します。 出典) ・東京都「既存住宅の省エネ診断・省エネ設計への補助」 ・国税庁「住宅ローン控除を受ける方へ」 まとめ フラット35の最低金利は、マイナス金利政策が始まった2016年~2022年頃までは1%台前半で推移していましたが、2026年に入ってからは2%を超える水準まで上昇しています。日銀の利上げや積極財政による財政悪化への懸念など、今後1~2年は長期金利に上昇圧力が働きやすい環境にある点に注意が必要です。 フラット35をより低金利で組むためには、この記事で紹介した「金利引き下げメニューの組み合わせ」や「民間保険の活用」、「中古リノベのハイブリッド戦略」を賢く使い分けることが重要です。 まずはご自身のライフプランや希望する物件の条件において、どの戦略がもっとも効果的なのか、複数の金融機関で具体的なシミュレーションから始めてみることをおすすめします。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2026.04.29 フラット35住宅ローン
  • 【2026年5月】フラット35金利予想:2.67~2.77%|公認会計士・千日太郎が4月17日の機構債から分析

    【フラット35】2026年5月金利は2.71%に決定|公認会計士の予測と機構債分析

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年4月金利は2.49%に決定|公認会計士の予測と機構債分析)では、【フラット35】の2026年4月金利を2.25%~2.35%と予想しましたが、予想より大幅に上がり、2.49%と予想レンジから外れる結果となりました。 まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年5月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。 【2026年5月 フラット35金利予想】 予想レンジ:2.67% ~ 2.77% 傾向:上昇 要因:新発10年国債利回りの上昇 原油価格の高騰による物価上昇懸念や、日銀の利上げ観測も加わり、新発10年国債利回りは上昇傾向で推移しています。これに伴い、固定金利タイプの住宅ローンにも上昇圧力がかかっています。 この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、その根拠となる国債・機構債の動きと、私たち借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について解説します。 2026年5月の【フラット35】金利は2.71%に決定しました(更新日:2026年5月1日)。 【フラット35】2026年4月金利予想の結果と検証 2026年4月の金利決定結果(2.49%) 2026年4月の【フラット35】金利は2.49%に決定し、3月下旬での予想レンジ(2.25%~2.35%)の上限から0.14ポイント上がる結果となりました。 今回の予想は、機構債の表面利率が0.14ポイント上がったことに鑑みたものです。悲観的に見れば【フラット35】金利も同等の0.14ポイント上昇する恐れもありましたが、機構側の激変緩和措置により、0.10ポイント程度の上昇に抑えられると期待していました。しかし結果は、前月の【フラット35】金利(2.25%)から0.24ポイント上昇の2.49%となり、悲観的なシナリオをさらに超える大幅な上昇となっています。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 想定以上の金利上昇と縮小する逆ザヤ 予想を超える金利上昇とはいえ、【フラット35】の金利上昇が抑制されている状態は継続しています。これを支えているのは、過去連続10か月にわたって【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。 2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大を続け、2026年2月には0.52ポイントに達しました。一方で、3月には0.40ポイント、4月には0.30と逆ザヤが縮小傾向にあります。 この動きを踏まえて、独立行政法人として国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構が、どこまでこの「逆ザヤ」を許容し貸付金利の上昇を抑制するかが予想の焦点となります。 2026年2月から3月の動きを踏まえ、千日太郎は次の点に焦点を当てています。 2026年2月の逆ザヤ「0.52ポイント」で機構の許容上限を超えた 2026年3月以降どこまでの許容上限に設定するかが焦点 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 年月 機構債表面利率 機構債発表日 フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%5月22日1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%6月20日1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%7月18日1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%8月21日1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%9月19日1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%10月17日1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%11月20日1.97%-0.33ポイント 2026年1月2.45%12月17日2.08%-0.37ポイント 2026年2月2.78%1月22日2.26%-0.52ポイント 2026年3月2.65%2月18日2.25%-0.40ポイント 2026年4月2.79%3月18日2.49%-0.30ポイント 出典) ・住宅金融支援機構「既発債情報」 ・住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 ※「住まいとお金の知恵袋編集部」作成 【フラット35】2026年5月金利予想 2026年4月から5月にかけて、新発10年国債利回りは2.24%から2.42%(※)へ、0.18ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.79%から2.97%へと0.18ポイント上がっています。単純計算すれば、5月の【フラット35】も同程度の0.18ポイント上がる計算となります。 これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。 ※10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】金利推移と2026年5月予想 2026年2月 2026年3月 2026年4月 2026年5月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 2.26% 2.25% 2.49% 2.67%~2.77%※5/1発表の金利は2.71%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:激変緩和措置を織り込んだ現実的上限(2.67%) 下限の2.67%は、機構債の上昇幅(0.18ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを前月と同じ「0.30ポイント」に維持するという前提のシナリオです。2月から4月まではひと月あたり0.10ポイントのペースで逆ザヤが縮小してきましたが、これはあまりに急ピッチです。さらに4月から5月の新発10年国債利回りの上昇幅も大きいことから、激変緩和措置として逆ザヤの縮小を一時停止する可能性があるとみています。 シナリオ②:逆ザヤ縮小ペースの継続(2.77%) 上限の2.77%は、機構債の上昇幅(0.18ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを「0.20ポイント」に縮小するという前提のシナリオです。2月から4月まで続いた「ひと月あたり0.10ポイントの逆ザヤ縮小」のルールが5月にも適用されるとすれば、十分にあり得る現実的なシナリオとなります。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2026年4月17日時点) 機構債発表日 2026年1月22日 2026年2月18日 2026年3月18日 2026年4月17日 機構債の表面利率(※1) 2.78% 2.65% 2.79% 2.97% 新発10年国債利回り(※2) 2.27% 2.12% 2.24% 2.42% ローンチスプレッド(※1) 0.51% 0.53% 0.55% 0.55% ※1:出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2:10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 まとめ 最近の【フラット35】金利は、新発10年国債利回りの上昇を背景に、上昇圧力が続く局面にあります。中東情勢などの不確定要素も相まって、市場は想定以上に振れやすい環境です。こうした中で、将来の金利を固定できる点は家計の見通しを安定させる大きなメリットといえます。また、逆ザヤ幅は縮小傾向にあるものの、まだ調達金利よりも低い金利で提供されていることは確かです。 今のように変化の激しい経済環境にあって【フラット35】は、公的融資という側面から急激な変動が抑えられることが期待されます。複数の金融機関で仮審査に申し込み、変動金利・固定金利の両面で返済シミュレーションを実施するなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをおすすめします。 ※この記事は2026年4月17日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2026.04.22 フラット35住宅ローン
  • 【年収600万】住宅ローンの借入目安と無理なく返済できる適正額

    【年収600万】住宅ローンの借入目安と無理なく返済できる適正額

    住宅ローンを検討する際、「今の年収でどれくらいの家が買えるのか」「いくらまでなら将来も安心して返済できるのか」と不安を感じる方は多いのではないでしょうか 。 年収600万円は、住宅ローンの審査において条件次第では5,000万円以上の高額借入が通る可能性もある層です。しかし、「金融機関が貸してくれる限度額」と「将来にわたって無理なく返済できる適正額」は必ずしも一致しません。 この記事では、年収600万円の世帯が安全に返済できる「借入適正額」のシミュレーションを中心に、将来の家計を守るための金利タイプの選び方や、無理のない繰り上げ返済のコツを解説します。 ■「年収600万円の住宅ローン」早見表 項目 目安とポイント 手取り年収の目安 約460万〜480万円(月額約38万〜40万円) 適正な借入金額の目安 約3,500万〜4,400万円(返済負担率20〜25%以内、金利1.0%、返済期間35年で算出した場合) 資金計画のポイント 金利上昇リスクへの備えと、余剰資金を活用した繰り上げ返済 ※関連記事「年収別・住宅ローンの借入適正額早見表」のうち、本ページは年収600万円の方向けの詳細解説です。他の年収層の目安については、以下のリンク先をご覧ください。 関連記事はこちら【早見表】年収別・住宅ローンの借入適正額 年収600万円で「借りられる額」と「返済できる額」のギャップ 「銀行の審査に通る金額=無理なく返済できる金額」ではありません。ここでは、限度額いっぱいまで借りてしまうことの危険性と、年収600万円の家計におけるリアルな「適正ライン」について解説します。 金融機関の審査上限(返済負担率35%)で借りるリスク 住宅ローンの借入金額を決める際、最も重要な指標となるのが「返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)」です。金融機関の審査によっては「返済負担率35%程度」まで借りられるケースもありますが、限度額まで借りると毎月の家計が著しく圧迫されるリスクが高まります。 多くの金融機関では、将来の金利上昇リスクを考慮するため、実際の適用金利よりも高めに設定した「審査金利(目安として年3〜4%前後)」を用いて、借入限度額を算出します。 しかし、銀行が審査で許容する「返済負担率(年収に対する返済額の割合)」は、一般的に年収の30〜35%前後と、家計の安全圏(20〜25%)よりも高めに設定されています。また、銀行は一般的に「税込みの額面年収」を基準に審査しますが、実際の生活は「税引き後の手取り年収」でやりくりしなければなりません。 そのため、「銀行が貸してくれる額(限界まで切り詰めた場合の完済可能額)」は、必ずしも「現在の生活水準を維持できる返済額」とは限らない点に注意が必要です。銀行の借入可能額はあくまで一つの目安とし、自分たちのライフスタイルに合った「返済できる適正額」を自分自身で見極めることが重要です。 【金利別】適正な借入額(返済負担率20〜25%)と月々の返済額シミュレーション ここでは、家計に十分なゆとりがある「返済負担率15%」から、銀行の審査上限目安となる「35%」まで、幅広いパターンでの借入可能額と月々の返済額をシミュレーションして比較します。 【条件】 返済期間:35年 適用金利:1.0% 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし) 返済負担率 年間返済額 月々の返済額 借入可能額の目安 15% 90万円 7.5万円 約2,656万円 20% 120万円 10.0万円 約3,542万円 25% 150万円 12.5万円 約4,428万円 30% 180万円 15.0万円 約5,313万円 35% 210万円 17.5万円 約6,199万円 出典)住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」をもとに筆者作成 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。また、計算上1,000円未満は切り捨てて表示しています。 ※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。 年収600万円(手取り月額約38万〜40万円)の場合、将来の教育費や車の買い替え、老後資金の貯蓄などを考慮すると、無理なく返済できる適正額は「返済負担率20〜25%(借入金額約3,500万〜4,400万円)」がひとつの目安となります。 例えば、手取り月額が38万円で返済負担率を25%(月々の返済額12.5万円)とした場合、手元に残る生活費は約25.5万円です。ここから家族の食費、光熱費、教育費、車の維持費、そして将来への貯蓄を捻出することを考慮すると、これ以上ローン比率を上げるのは生活にゆとりがなくなる恐れがあることがわかります。 平均的な「年収倍率」と自身の適正額を比較する 住宅探しの際によく耳にする指標に「年収倍率」があります。これは「住宅購入にかかる所要資金が年収の何倍にあたるか」を示すもので、平均的な負担感(購入水準)を知るための「補助指標」として活用することができます。なお、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査では、年収倍率は「所要資金÷世帯年収」で算出されます。 住宅金融支援機構の「2024年度 フラット35利用者調査」によると、フラット35利用者の年収倍率は以下の通りです。 土地付注文住宅:7.5倍 マンション:7.0倍 注文住宅:6.9倍 建売住宅:6.7倍 中古マンション:5.5倍 中古戸建:5.3倍 出典)住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査(年収倍率(融資区分別)の推移)p.12」をもとに筆者作成 年収倍率を確認指標として活用する ここで注意したいのは、これらの数値は所得水準の異なる世帯をすべて含めた「全国平均」かつ「フラット35利用者における平均」であり、年収600万円の世帯にとっての「安全な購入額」や「適正水準」を直接示すものではないという点です。 年収600万円で、先ほど算出した適正額(3,500万〜4,400万円)を年収倍率に当てはめると、約5.8倍〜7.3倍となります。全国平均(フラット35利用者)と比較して、この範囲内に収まっていれば「大きく無理のない購入水準」といえますが、もし7.5倍や8倍を超えるような場合は、全国の平均から大きく離れており、家計を圧迫するリスクが高いと判断できます。 年収倍率は「自分の計画が世間一般とかけ離れていないか」を確認する目安として活用しましょう。「みんながこれくらいで購入しているから」と平均値に合わせるのではなく、あくまで自身の「返済負担率」などを優先して総合的に判断することが重要です。 将来の安心を左右する「金利タイプ」の選び方 借入金額が決まったら、将来のライフプランに合わせて金利タイプ(変動・固定)を選び、返済計画を立てます。変動金利と固定金利の基本的な仕組みやメリット・デメリットについては、関連記事(【早見表】年収別・住宅ローンの借入適正額)で詳しく解説しています。 ここでは、年収600万円世帯における月々の返済額の違いと、金利上昇リスクへの備え方を見ていきましょう。 以下は、仮に変動金利型の当初の金利を0.5%、固定金利型の金利を1.5%とした場合の月々の返済額をシミュレーションしたものです。 【条件】 借入金額:3,000万円 返済期間:35年 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし) 金利タイプ 金利 月々の返済額 変動金利型 1.0% 84,685円 固定金利型 2.0% 99,378円 出典)住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」をもとに筆者作成 ※変動金利型の住宅ローンは、一般的に各金融機関が半年ごとに金利の見直しを行います。 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 年収600万円(手取り月額約38万〜40万円)の世帯において変動金利を選ぶ場合は、「将来金利が上昇し、月々の返済額が1〜2万円増えても家計のゆとりを維持できるか」を基準に判断することが重要です。 対策として、あえて変動金利を選びつつ、固定金利との差額(上記の例では約1.4万円)を「見えない支出」として毎月先取り貯蓄しておく手法も有効です。これにより、将来の金利上昇に対するクッション(資金的な余裕)を作ることができます。 一方で、教育資金などの支出がピークになる時期と金利上昇が重なるリスクを避けたい場合は、全期間固定金利を選んで支出を確定させるのも有効な戦略となります。 関連記事はこちら住宅ローンは変動から固定に借り換えるべき?金利上昇時の判断ポイントを解説 資金に余裕ができた際の「繰り上げ返済」活用法 年収600万円の世帯であれば、月々のやりくりやボーナスの活用によって、年間60万円(月3〜5万円+ボーナス)をコツコツ貯め、5年間で約300万円の余剰資金を準備することも視野に入ります。 まとまった資金ができたら、住宅ローンの元金を前倒しで返済する「繰上げ返済」を行うことで、利息負担を大きく軽減する効果が期待できます。 300万円の繰り上げ返済による利息軽減シミュレーション 以下の表は、借入金額3,000万円の場合において、5年後に約300万円を繰上げ返済したとき、実際にどれくらいの差が出るのかをシミュレーションしたものです。 【共通条件】 借入金額:3,000万円 適用金利:1.0% 返済期間:35年 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし) 5年経過後(残期間30年)に約300万円を繰上げ返済 通常返済 繰上げ返済 期間短縮型 ※1 返済額軽減型 実際の繰上金額 - 3,006,215円 3,000,000円 月々の返済額 84,685円 84,685円 75,036円(軽減額9,649円) 返済期間 35年 約31年1ヶ月(約3年11ヶ月短縮) 35年 総返済額 35,567,804円 34,593,824円 35,094,083円 利息軽減額 ー 973,980円 473,721円 ※1 期間短縮型は「将来の毎月の元金部分」を月単位で前倒しして支払う仕組みのため、指定額(300万円)に最も近い月数分の元金合計額(3,006,215円)を実際の繰り上げ額として算出しています。 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 ※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。 出典)住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」をもとに筆者作成 表の通り、同じ300万円を返済する場合でも、「期間短縮型」のほうが総支払利息の軽減効果は大きくなります。教育費が本格的にかかる前の「貯め時(子どもが小さいうち)」に積極的に期間短縮型を行えば、将来の家計負担を先回りして軽減しやすくなります。 一方で、すでに教育費の負担が重い時期や、毎月のキャッシュフロー(手元に残る現金)にゆとりを持たせたい場合は、月々の返済額が約1万円下がる「返済額軽減型」を選ぶのも有効な戦略です。ご家庭のライフステージに合わせて使い分けましょう。 ただし、手元資金をすべて繰上げ返済に回してしまうと、突発的な病気や減収などのトラブルに対応できなくなる恐れがあります。常に「生活防衛資金(例えば生活費の半年〜1年分程度)」は手元に残したうえで、余剰資金のみを繰上げ返済に充てるよう計画的に進めましょう。 まとめ 年収600万円の住宅ローンは、約3,500万〜4,400万円が無理なく返済できる適正額の目安となります。マイホーム購入においては、「今の年収で最大いくら借りられるか」ではなく、「将来、子どもが成長したときや、金利・収入に変化があったときでも安心して返済を続けられるか」という視点を持つことが何より重要です。 まずは適正額で予算を組み、金利上昇への備えや将来の繰り上げ返済までを見据えた、ゆとりのある資金計画を立てましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 【早見表】年収別・住宅ローンの借入適正額 住宅ローンを検討する際、「自分の年収でいくら借りられるのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。この記事では、年収400万円〜1,800万円の世帯を対象に、住宅ローンの無理なく返済できる...

    2026.04.08 住宅ローン自宅購入
  • 【2026年4月】フラット35金利予想:2.25~2.35%|公認会計士・千日太郎が3月18日の機構債から分析

    【フラット35】2026年4月金利は2.49%に決定|公認会計士の予測と機構債分析

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年3月金利は2.25%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の2026年3月金利を2.13%~2.17%と予想しましたが、結果は2.25%となりました。 まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年4月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。 【2026年4月 フラット35金利予想】 予想レンジ:2.25% ~ 2.35% (※理論上の上限リスク:2.39%) 傾向:前月比 横ばい ~ +0.10ポイント程度 要因:新発10年国債利回りの上昇 2026年3月現在、中東情勢の緊迫化などを背景に新発10年国債利回りは高い水準で推移しており、固定金利タイプの住宅ローンには上昇圧力がかかっています。 この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、最新の機構債と市場動向から2026年4月の【フラット35】金利予想を解説します。 2026年4月の【フラット35】金利は2.49%に決定しました(更新日:2026年4月1日)。 【フラット35】2026年3月金利予想の結果と検証 2026年3月の金利決定結果(2.25%) 2026年3月の【フラット35】金利は2.25%に決定し、2月下旬での予想レンジ(2.13%~2.17%)の上限から0.08ポイント高い結果となりました。 千日太郎の予想は、3月は新発10年国債利回りが0.15ポイント下がり、機構債の表面利率も0.13ポイント下がったことに鑑み、0.09~0.13ポイント程度の低下を期待したものでした。しかし、【フラット35】の低下は、わずか0.01ポイントにとどまっています。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 金利上昇が抑えられた要因(拡大する逆ザヤ) 予想以上に金利が上昇したとはいえ、市場金利の上昇幅に比べれば【フラット35】の上昇は抑制されています。これを支えているのは、過去連続10か月にわたって【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。 2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大を続け、2026年2月には0.52ポイントに達しましたが、3月には0.40ポイントとなりました。独立行政法人として国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構が、自身の収益を圧迫してでも、どこまでこの「逆ザヤ」を許容し貸付金利の上昇を抑制するかが予想の焦点となります。 2月から3月の動きを踏まえ、千日太郎は次のような仮説を立てています。 2月の逆ザヤ「0.52ポイント」で機構の許容上限を超えた 3月以降は新たな許容上限として「0.40ポイント」を設定した 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 年月 機構債表面利率 機構債発表日 フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%5月22日1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%6月20日1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%7月18日1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%8月21日1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%9月19日1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%10月17日1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%11月20日1.97%-0.33ポイント 2026年1月2.45%12月17日2.08%-0.37ポイント 2026年2月2.78%1月22日2.26%-0.52ポイント 2026年3月2.65%2月18日2.25%-0.40ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※「住まいとお金の知恵袋編集部」作成 【フラット35】2026年4月金利予想 2026年3月から4月にかけて、新発10年国債利回りは2.12%から2.24%へ、0.12ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.65%から2.79%へと0.14ポイント上昇しています。単純計算すれば、4月の【フラット35】は0.12~0.14ポイントの上昇となります。 これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。 【フラット35】金利推移と2026年4月予想 2026年1月 2026年2月 2026年3月 2026年4月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 2.08% 2.26% 2.25% 2.25%~2.35%※4/1発表の金利は2.49%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:激変緩和措置を織り込んだ現実的上限(2.35%) 直近の住宅金融支援機構の動向を踏まえると、機構債の上昇幅(0.14ポイント)がそのまま反映されるのではなく、激変緩和措置によって一定の上昇幅に抑制される可能性が高いと予測されます。逆ザヤの許容範囲を考慮した現実的な着地点として、2.35%を予想のメインレンジの上限とします。 シナリオ②:激変緩和措置の最大限適用(2.25%) 下限となる2.25%は、激変緩和措置により金利上昇が抑制されるシナリオです。これまでも急激な市場金利の上昇局面において、住宅金融支援機構は貸付金利の上昇を抑制してきた実績があります。仮に同措置が最大限適用された場合、前月水準に据え置かれる可能性も残されています。 ただし、金利が横ばいとなる可能性は限定的と推測されます。仮に【フラット35】が前月と同水準の2.25%となった場合、逆ザヤは0.54ポイントに達し、直近で最大であった2月の0.52ポイントを超えてさらに拡大することになるためです。 シナリオ③:機構債上昇幅の完全反映(理論上の上限リスク・2.39%) リスクシナリオとして、住宅金融支援機構がこれ以上の逆ザヤ拡大を許容せず、機構債の表面利率の上昇幅(0.14ポイント)をそのまま貸付金利に反映させた場合、2.39%まで上昇する恐れがあります。あくまで理論上の上限値ですが、市場の振れ幅を考慮し、最悪のケースとして想定しておく必要があります。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2026年3月18日時点) 機構債発表日 2025年12月17日 2026年1月22日 2026年2月18日 2026年3月18日 機構債の表面利率(※1) 2.45% 2.78% 2.65% 2.79% 新発10年国債利回り(※2) 1.94% 2.27% 2.12% 2.24% ローンチスプレッド(※1) 0.51% 0.51% 0.53% 0.55% ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 まとめ 最近の【フラット35】金利は、新発10年国債利回りの上昇を背景に、上昇圧力が続く局面にあります。一方で、中東情勢など不確定要素も多く、市場は想定以上に振れやすい環境です。また、日銀の利上げ路線が継続される見通しであることから、金利が低下に転じる可能性は低いと推測されます。 こうした中で将来の金利を固定できる点は、家計の見通しを安定させる大きなメリットです。短期的な上下に一喜一憂するのではなく、長期での返済可能性とリスク許容度を踏まえ、ご自身に合った選択をすることが重要です。 引き続き【フラット35】については、公的融資という側面から急激な変動が抑えられると予測されますが、早めの資金計画や仮審査の申し込みなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをおすすめします。 ※この記事は2026年3月18日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2026.03.19 フラット35住宅ローン
  • 【年収400万円】住宅ローンの借入目安と返済シミュレーション

    【年収400万円】住宅ローンの借入目安と返済シミュレーション

    住宅ローンを考えるとき、「最大でいくら借りられるか」ではなく、「将来も安心して返済できるか」が大切なポイントです。この記事では、年収400万円の方に向けて、借入可能額や月々の返済額のシミュレーションを具体的にご紹介します。 なお、以下の記事では、他の年収層の目安も確認できますので、併せてご覧ください。 関連記事はこちら【早見表】年収別・住宅ローンの借入適正額 年収400万円の返済負担率別にみる借入可能額と家計への影響 年収400万円の方が住宅ローンを検討する際、借入額は「返済負担率」によって大きく変わります。ここでは、返済負担率15%〜35%までの借入可能額の目安をシミュレーションします。 【条件】 返済期間:35年 適用金利:1.0% 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし) 返済負担率 年間返済額 借入可能額の目安 15% 60万円 約1,771万円 20% 80万円 約2,361万円 25% 100万円 約2,952万円 30% 120万円 約3,542万円 35% 140万円 約4,132万円 出典)一般社団法人 住宅金融普及協会「借入可能額の計算」をもとに筆者作成 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 ※適用金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。 特に意識したいのが「手取り年収」とのバランスです。一般的に、給与の手取り額は額面の75~85%程度といわれています。これを当てはめると、年収400万円の手取り額は300万円〜340万円程度となります。これを基に、月々の住宅ローン返済後に手元に残る生活費を試算すると、以下のようになります。 【試算】返済負担率25%の場合の手元資金 各金額の算出根拠 月々の返済額:約8.3万円 (年収400万円 × 返済負担率25% ÷ 12ヶ月) 月の手取り額:約26.6万円 (年収400万円 × 手取り率80% ÷ 12ヶ月)※手取り年収を320万円と仮定して試算 手元に残る生活費の計算 同じ年収だったとしても、ボーナスの有無で月々の返済負担は大きく変わります。 ここでは、年俸制(ボーナスなし)とボーナスが4か月分(年収に占める割合が25%)の場合のシミュレーションをします。 パターンA:ボーナスなし(月々均等払い)の場合 手取り年収:320万円(月給分のみの合計) 月の手取り額:約26.6万円(320万円 ÷ 12ヶ月) 月々の返済額:約8.3万円 手元に残るお金:約18.3万円 パターンB:ボーナスあり(手取り年収の25%がボーナス)の場合 手取り年収:320万円(月給分240万円 + ボーナス80万円) 月の手取り額:約20.0万円(月給分240万円 ÷ 12ヶ月) 月々の返済額:約8.3万円 手元に残るお金:約11.7万円 このように、ボーナスのない月の手取りから、住宅ローンを引いた残りの生活費は月約11.7万円になりました。ここからさらに、マンションの管理費・修繕積立金(月数万円程度)や固定資産税を支払うと、その月の家計はかなりタイトになります。 返済負担率が高くなるほど借入可能額は増えますが、将来の支出やライフプランを踏まえた慎重な資金計画が重要です。無理のない返済額を見極めるためにも、複数のシミュレーションを行い、家計への影響を具体的に把握しておきましょう。 関連記事はこちら手取り30万円で月10万円返済はきつい?住宅ローンの適正額とは 年収倍率から見る年収400万円の購入価格の目安 住宅購入の予算を考える際に参考になる指標のひとつが「年収倍率」です。これは、住宅購入にかかる所要資金を世帯年収で除した数値で、住宅金融支援機構の調査によると、フラット35利用者の年収倍率は、住宅の種類によって平均的な倍率が異なります。 住宅金融支援機構の調査データを基に年収400万円の場合を算出すると、各住宅の種類ごとに、過去の購入実績に基づく「平均的な購入価格」は以下のようになります。 住宅の種類 年収倍率 平均的な購入価格(年収×年収倍率) 土地付注文住宅 7.5倍 3,000万円 マンション 7.0倍 2,800万円 注文住宅 6.9倍 2,760万円 建売住宅 6.7倍 2,680万円 中古マンション 5.5倍 2,200万円 中古戸建 5.3倍 2,120万円 出典)住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査 p.12」をもとに筆者作成 平均的な購入価格は2,000万円〜3,000万円台となりますが、年収400万円の方が実際にこの価格帯の物件を購入するには、上記試算のように家計への影響が大きくなる可能性があります。そのため、購入には慎重な資金計画が欠かせません。 予算が厳しい場合の対策と「収入合算」の活用 特に都市部では、希望する立地や広さ、築年数などの条件をすべて満たす物件を、無理のない返済額で購入するのは難しい可能性が高く、選択肢が限られるのが現状です。こうした価格と条件のギャップに直面すると、不安を感じる方も多いでしょう。 そのような場合は、物件選びの優先順位を見直すことが重要です。たとえば、立地や広さの妥協、頭金の増額、補助制度の活用など、資金計画に柔軟性を持たせることで、選択肢を広げることができます。 また、もし配偶者に収入がある場合は、二人の収入を合わせる「収入合算(連帯債務)」や「ペアローン」を検討するのも有効な解決策です。借入可能額が増えるため、都市部の物件や希望条件を諦めずに済む可能性があります。 関連記事はこちら住宅ローンのペアローンと収入合算の違いとは? 頭金500万円で購入した場合の返済額シミュレーション ここでは、頭金500万円を用意した場合に、物件価格ごとにどれくらいの借入額と月々の返済額になるのかを試算します。家計への影響をイメージするための参考にしてください。 【条件】 返済期間:35年 適用金利:1.0% 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし) 物件価格 借入額 月々の返済額 総返済額 2,000万円 1,500万円 42,342円 17,783,999円 2,500万円 2,000万円 56,457円 23,711,998円 3,000万円 2,500万円 70,571円 29,639,998円 出典)一般社団法人 住宅金融普及協会「総支払額の計算」をもとに筆者作成 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 ※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。 変動金利と固定金利で月々の返済額はどう変わる? 住宅ローンの金利タイプは、月々の返済額に大きく影響します。たとえば、変動金利は初期の返済額を抑えられる一方で、将来的に金利が上がると返済額も増えるリスクがあります。一方、固定金利は金利が一定のため、返済額が変わらず、長期的な資金計画を立てやすいのが特徴です。 将来の収入や支出の見通しを踏まえて、無理のない返済ができる金利タイプを選びましょう。 以下は、仮に変動金利型の当初の金利を1.0%、固定金利型の金利を2.0%とした場合の月々の返済額をシミュレーションしたものです。 【条件】 借入額:1,500万円 返済期間:35年 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし) 金利タイプ 金利 月々の返済額 変動金利型 1.0% 42,342円 固定金利型 2.0% 49,689円 出典)一般社団法人 住宅金融普及協会「総支払額の計算」をもとに筆者作成 ※変動金利型の住宅ローンは、一般的に各金融機関が半年ごとに金利の見直しを行います。 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 ※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。 関連記事はこちら住宅ローンは変動から固定に借り換えるべき?金利上昇時の判断ポイントを解説 150万円の繰り上げ返済でどれだけの差が出る? 繰上返済には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの方法があります。どちらも住宅ローンの元金を前倒しで返済することで利息負担を軽減できますが、目的や効果が異なります。 特長 期間短縮型 返済額軽減型 返済期間 短縮される 変わらない 月々の返済額 変わらない 減少する イメージ図(例) ※筆者作成 関連記事はこちらフラット35の繰り上げ返済をする前に確認したい3つのポイント 以下の表は、5年後に150万円を繰上返済したとき、実際にどれくらいの差が出るのか、シミュレーションしたものです。 【共通条件】 借入額:1,500万円 適用金利:1.0% 返済期間:35年 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし) 通常返済 繰上返済 期間短縮型 返済額軽減型 月々の返済額 42,342円 42,342円 37,506円(軽減額4,836円) 返済期間 35年 約31年2ヶ月(約3年10ヶ月短縮) 35年 利息軽減額 ー 484,424円 236,155円 出典)金融広報中央委員会「知るぽると」をもとに筆者作成 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 ※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。 繰上返済は、家計に余裕があるときに活用することで、将来の負担を軽くする有効な手段です。ライフプランや資金の流動性を踏まえ、無理のない範囲で計画的に進めましょう。 まとめ 年収400万円の方にとって、住宅購入は資金面での制約が大きく、特に都市部では希望条件を満たす物件を無理なく取得するのは難しい可能性が高いのが現実です。借入可能額だけを基準に物件を選ぶと、将来的な返済負担が重くなるリスクもあります。 そのため、住宅取得を検討する際には、ローンによる購入だけでなく、賃貸の継続、中古物件の活用、地方移住による物件価格の抑制など、ライフスタイルに応じた選択肢を柔軟に検討することが重要です。 「持ち家=新築購入」という固定観念にとらわれず、自分にとって本当に必要な住まいの形を見極めることで、無理のない暮らしと将来の安心につながります。住宅ローンは長期にわたる支出だからこそ、「最大でいくら借りられるか」ではなく、「将来も安心して返済できるか」を軸に、納得のいく住まい選びを目指しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 【早見表】年収別・住宅ローンの借入適正額 住宅ローンを検討する際、「自分の年収でいくら借りられるのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。この記事では、年収400万円〜1,800万円の世帯を対象に、住宅ローンの無理なく返済できる...

    2026.02.25 住宅ローン自宅購入
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