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「フラット35」の記事一覧

  • 【2026年最新】フラット35金利推移グラフと今後の動向分析

    【2026年最新】フラット35金利推移グラフと今後の動向分析

    2026年現在、長引く低金利環境から一転し、フラット35の金利は急ピッチで上昇しています。「金利が上がっている」というニュースを見て、全期間固定金利の住宅ローンの動向が気になっている人もいるでしょう。 不安を感じる方も多いかもしれませんが、フラット35の制度を賢く活用すれば、現在でも金利負担を抑えて住宅ローンを組むことは十分に可能です。 この記事では、フラット35の金利推移と今後の見通し、そしてより低金利で組むための戦略について、一般的な条件である「返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下」の最低金利を基準に解説します。 フラット35の金利推移(制度開始から2022年頃まで) 紹介するフラット35の最低金利は、制度開始(2003年10月)から2011年前後までは2%台後半~3%前後で推移していました。その後は低下傾向となり、日銀がマイナス金利政策を導入した2016年から2022年頃までは1%台前半で推移する状況が続きました。しかし、2022年以降は上昇傾向に転じています。 ※筆者作成 ※2017年9月以前は、団信特約料を含まないベース金利の推移となります。 出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 【2003年〜】制度開始からリーマンショック前後の推移 フラット35は、2003年10月に前身の住宅金融公庫(現在は住宅金融支援機構)が取り扱いを始めました。制度開始当初、フラット35の最低金利は3%前後で推移しましたが、景気減速懸念などから長期金利が低下したことに伴い、2004年12月に2%台前半まで低下しました。 その後は国内景気の回復を背景に、2006年に日銀が量的緩和政策とゼロ金利政策を相次いで解除した影響を受け、金利は再び上昇傾向に転じました。その結果、2007年頃から2011年前後にかけて、おおむね2%台後半で推移しています。しかし、2008年秋の世界的金融危機(リーマンショック)を契機に日銀をはじめ各国の主要な中央銀行が金融緩和に踏み切ったことで、その後の金利は再び低下局面へと向かいました。 【2008年〜】世界的な金融緩和からアベノミクスの低下局面 さらに金利低下を加速させたのが、2013年4月に日銀が導入した「量的・質的金融緩和(いわゆる異次元緩和)」です。これは、デフレ脱却を目指して市場に大量の資金を供給する大規模な金融政策であり、長期国債の買い入れが大幅に拡大されました。 この政策により長期金利には強い低下圧力が働き、リーマンショック後もしばらくは2%台で推移していたフラット35の最低金利は、2015年末には1.5%台まで低下します。これが、直後の「マイナス金利政策」における過去最低水準の金利へと繋がる重要な下地となりました。 【2016年〜】マイナス金利政策と過去最低水準の記録 2016年1月、日銀はマイナス金利政策を導入しました。マイナス金利政策とは、民間銀行が中央銀行(日本では日銀)に預ける当座預金の一部にマイナス金利を適用する政策です。銀行が企業や家計にお金を貸し出すように促し、経済の活性化や物価上昇につなげる狙いがあります。 同年9月には長短金利操作(YCC:イールドカーブ・コントロール)も導入され、「(長期金利の指標である)10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買い入れを行う」と定められました。 企業や家計がお金を借りやすくなるように長期金利の上昇を抑制し、経済活動を活発化させることが主な目的です。この日銀の金融政策に伴い、フラット35の最低金利は一時1.0%を下回る水準まで低下しました。 その後、2017年10月の制度変更でフラット35は団体信用生命保険(団信)付きの住宅ローンになり、公表される最低金利の水準が上昇しました(団信なしで加入することも可能)。それでも、コロナ禍から経済正常化に転換する2022年頃まで、最低金利は1%台前半で推移する状況が続きました。 出典)住宅金融支援機構【フラット35】「団体信用生命保険(団体信用生命保険制度のご案内)」 2026年現在のフラット35金利 フラット35の金利は、金融市場における「長期金利(10年国債利回り)」と強く連動します。近年の長期金利の上昇により、2026年に入ってからフラット35の最低金利は2%を超える水準まで上昇しています。 長期金利を押し上げている主な要因は、以下の3点です。 日銀による政策金利の引き上げ(利上げ) 日銀による長期国債の買い入れ減額 国債増発など、国の財政悪化に対する懸念 日本は低金利が長く続いてきましたが、2024年3月に日銀はマイナス金利政策を解除し、長短金利操作の終了も決めました。この政策転換により、直近では金利が上昇傾向にあります。 また、日銀は2024年7月に長期国債買い入れの減額計画を発表しました。日銀が買い入れ額を減らすと債券市場における国債の需給バランスが崩れ、長期金利に上昇圧力が働く恐れがあります。 日銀は複数回の利上げを実施し、2025年12月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%に引き上げました。この決定により、政策金利は約30年ぶりの高水準となりました。政策金利とは、景気や物価を安定させるために中央銀行が設定する短期金利で、民間銀行の預金金利や貸出金利に影響を与えます。 長期金利も上昇傾向にあり、2026年1月には10年国債利回りが一時2.3%台を超え、約27年ぶりとなる高水準となりました。日銀がコントロールする短期的な政策金利とは異なり、長期金利は債券市場における「国債の需給(買いたい人と売りたい人のバランス)」や将来の金利・物価見通しを反映して決まります。 日銀の利上げによる金利の先高観に加え、政府の拡張的な財政運営観測により「将来的に国債が増発され、財政が悪化するのではないか」との懸念から、市場で日本国債を売る動きが広がりました。国債は「売られて価格が下がると、金利(利回り)が上がる」という傾向にあるため、これが長期金利の急上昇に繋がっています。 出典) ・日本銀行「2025年12月金融政策決定会合での決定内容」 ・日本銀行「金融市場調節方針の変更および長期国債買入れの減額計画の決定について」 ・財務省「国債金利情報」 フラット35の金利が決まる仕組み 2026年1月のフラット35の最低金利は2.08%となり、2017年10月に現行制度になってから初めて2%を超え、2026年4月の最低金利は2.49%となっています。この上昇の背景には、単なる長期金利の上昇だけでなく、「資金調達コストと貸出金利の逆転」という異例な事態がありました。 フラット35の原価にあたるのは、住宅金融支援機構が発行する「機構債」の利率です。通常、私たちが借りる金利は、この原価に機構の利ざやを上乗せして決まります。しかし、2025年半ば以降、長期金利の急騰によって機構債の利率が先行して跳ね上がりました。 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」と住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移(令和5年4月以降)」をもとに作成 データを詳細に見ると、2025年6月(機構債条件決定日2025年5月22日)を皮切りに、原価である「機構債の利率(1.94%)」が、貸出金利である「フラット35の金利(1.89%)」を上回る「逆ザヤ」の状態に突入したのです。 本来、原価よりも安く貸し出すことは持続困難です。それにもかかわらず、その後も長期金利の上昇に伴って調達コストと貸出金利の逆転幅は拡大し続け、2026年初頭には一時0.5%以上の差が開く事態となりました。 住宅金融支援機構は国民の住生活を支援する公的機関であるため、急激な金利転嫁を一定期間抑制したものの、逆ザヤ幅の拡大により金利水準の適正化(引き上げ)へと動いたと推測されます。 現在、フラット35の金利が急ピッチで上昇しているのは、この「逆ザヤ」状態を解消し、健全な運営コストを確保するための「適正化」の動きだと考えられます。 ただし、フラット35は全期間固定金利のため、いったん住宅ローンを組めば借りたときの金利がずっと続きます。今後、このコスト調整がさらに進み金利が上がったとしても、返済中に適用金利が上がって返済額が増えることはありません。 フラット35の金利見通しと急騰リスク 今後のフラット35の金利は、引き続き「長期金利(10年国債利回り)」の動向と日銀の金融政策、そして政府の財政運営のバランスに大きく左右される見通しです。 前述の通り、金利変動の主な要因(日銀の利上げ、国債買い入れ減額、財政悪化懸念)は現在も進行中です。日銀は2026年1月の展望レポートで継続的な利上げ姿勢を示しているほか、国債買い入れの減額も2027年3月まで段階的に進められる予定です。 出典)日本銀行「長期国債買入れの減額計画(2025年6月金融政策決定会合)」 【メインシナリオ:緩やかな上昇継続】 これらの要因から、中長期的に金利には一定の上昇圧力が働き続けると推測されます。ただし、日銀の植田総裁は長期金利の急上昇には機動的に対応する姿勢をみせており、状況次第で買い入れ減額計画の見直しも選択肢に含まれています。 そのため、直近1年間のような急ピッチな上昇がそのまま加速し続けるよりは、当面は市場動向を伺いながら、抑制されたペースで推移する可能性が高いという見方が一般的です。 【リスクシナリオ:想定以上の急騰リスク】 一方で、想定を上回るペースでインフレが加速した場合や、安定した政治運営下で政府の積極的な財政出動(国債の増発)が観測され、市場の警戒が強まった場合には、日銀のコントロールを離れて長期金利が一段と跳ね上がるリスクも否定できません。 現時点では、楽観・悲観のどちらか一方に偏ることなく、金利上昇が続く前提で「自身の返済計画がどこまでの上昇に耐えられるか」を把握しておくことが、有効な対策といえます。過度に不安視せず、まずは現在の金利水準でシミュレーションを行うなど、冷静に情報収集を進めることが推奨されます。 出典)日本銀行「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」 フラット35の金利負担を抑える3つのアプローチ フラット35の金利引き下げメニューは、それぞれ単独でも活用できますが、「組み合わせ」によって真価を発揮します。より戦略的に住宅ローンを組むための、具体的な3つのアプローチを見てみましょう。 戦略1:制度をフル活用する「ポイント最大化戦略」(子育てプラス×住宅性能×維持保全型) 戦略2:保障とコストを分ける「コスト最適化戦略」(団信なし×民間生保)」 戦略3:制度と公的支援の「ハイブリッド戦略」(中古リノベ×中古プラス×自治体の補助金) ポイント最大化戦略(子育てプラス×住宅性能×維持保全型) 子育て世帯が一定の要件を満たす長期優良住宅を取得する場合、「子育てプラス+ZEH+維持保全型」の組み合わせにより、合計5ポイント以上の獲得が期待できます。 出典)住宅金融支援機構「家族構成と建て方に合わせた組合せで金利を引下げ!」 こどもの人数によっては、子育てプラスだけで2ポイント以上を得られます。住宅性能では、ZEH(ゼッチ)の適用要件を満たすと3ポイント確保でき、長期優良住宅なら維持保全型で1ポイントが追加されます。 5ポイント以上獲得できれば、当初5年間の最大引き下げ(年1.00%)に加え、6〜10年目も金利引き下げ(年0.25%)が適用されるため、長期的な返済負担を大きく抑えることができます。 例えば、2026年4月現在の金利水準(年2.49%)で借入額3,000万円・35年返済を組んだ場合、最初の5年間は適用金利が「年1.49%」まで下がり、月々の返済額は約1.5万円軽減されます。さらに、35年間の総返済額で見ると約167万円もの大幅な軽減効果が期待できる計算となります。 関連記事はこちらフラット35子育てプラスとは?金利引き下げの条件や注意点を解説 コスト最適化戦略(団信なし×民間生保)」 フラット35を団信なしで借り入れ、民間の収入保障保険に加入する方法です。フラット35は団信加入が必須ではなく、加入しない場合は適用金利が0.2%下がります。掛け捨ての収入保障保険で団信と同等の保障を確保すれば、新機構団信付きのフラット35よりもトータルの支払い額を抑えられる傾向があります。 それでは、借入金額3,000万円の場合の返済額の違いを比較表で見てみましょう。 【シミュレーション条件】 借入金額3,000万円 返済期間35年 (団信付き)適用金利2.49%、(団信なし)適用金利2.29% 元利均等返済、ボーナス払いなし 新機構団信付き 新機構団信なし 差額 月々の返済額 約10万7,000円 約10万3,900円 約3,100円 総返済額 約4,497万円 約4,363万円 約133万円 ※総返済額は千円未満切り捨てで算出。 ※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。 ※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。 出典)住宅金融支援機構「ローンシミュレーション(借入希望金額から返済額を計算)」にて筆者試算 上記の場合、新機構団信を外すことで総返済額が約133万円軽減されます。したがって、自身で加入する民間の保険料総額が「133万円」を下回れば、「団信なし+民間の収入保障保険」のほうがトータルコストで有利といえます。 出典)住宅金融支援機構「健康上の理由その他の事情で新機構団信制度に加入しない場合も、【フラット35】は利用できますか。」 民間保険利用時の損益分岐点(月額目安) 軽減額の133万円を返済期間の35年(420ヵ月)で割ると、ひと月あたり約3,100円の差額となります。したがって、自身で加入する民間の収入保障保険(万が一の際は一括受取でローンを完済する想定)の保険料が「毎月約3,100円以下」に収まるのであれば、団信に加入するよりもトータルコストで有利になるとシミュレーションできます。 生命保険料控除による経済的メリット 民間の生命保険の保険料は「生命保険料控除」の対象となる点も大きなメリットです。住宅ローンの金利に含まれる団信の特約料は税額控除の対象外ですが、民間の生命保険であれば年末調整や確定申告によって所得税・住民税の負担が軽減されるため、金利差による約133万円の軽減額に加え、プラスαの経済的メリットが期待できます。 ただし、民間保険の保険料は年齢や健康状態(喫煙の有無など)で大きく変動します。加入者の条件によっては、新機構団信にそのまま加入するほうが有利になる場合もあるため、事前に比較・見積もりが必要です。 なお、自己資金(頭金)を1〜2割以上用意できる場合は、一般的な買取型よりも低金利が設定されやすい「保証型のフラット35」を選ぶほうが、さらにトータルコストで有利になる可能性があります。 関連記事はこちらフラット35の買取型・保証型の違いを徹底比較!どっちがいい? ハイブリッド戦略(中古リノベ×中古プラス×自治体の補助金) 物件価格を抑えつつ理想の住まいを叶える「中古購入+リノベーション」では、フラット35の優遇制度と国・自治体の支援を組み合わせることで、新築と比較して、高い費用対効果が期待できます。 ポイント累積による金利引き下げ期間の延長 フラット35は、複数のメニューを組み合わせることで引き下げ期間を延ばすことが可能です。以下は、4ポイント(最大年1.0%引き下げ)を超える場合のシミュレーション例です。 【シミュレーション条件】 中古プラスで1ポイント リノベ(金利Aプラン)で4ポイント 子育てプラス(子ども2人)で2ポイント 元利均等返済、ボーナス払いなし ※合計7ポイント獲得(当初5年間は年1.0%、6~10年目は年0.75%の金利引き下げ) 通常、年1.0%の引き下げは「当初5年間」で終了しますが、このようにポイントを積み上げることで、金利上昇期の不安を長期にわたって解消できます。 出典)住宅金融支援機構「家族構成と建て方に合わせた組み合わせで金利を引下げ!」 国・自治体の補助金と住宅ローン控除の併用 金利だけでなく、以下の「直接的な資金支援」を組み合わせるのがハイブリッド戦略の肝です。 省エネリフォーム補助金:断熱改修や高効率給湯器の設置で、国や自治体から数十万円単位の補助を受けられる可能性があります。 所得税の住宅ローン控除:リフォーム費用も借入額に含めて控除対象にできます。ただし、中古住宅の場合は「新耐震基準」への適合など、適用要件を満たす必要がある点に注意が必要です。 なお、実際の軽減額や補助金の採択可否は個別の物件や自治体により異なります。適用条件や補助額は自治体によって異なるため、購入前に自治体の公式ホームページで最新情報を確認するか、フラット35取扱金融機関の窓口でシミュレーションを含めた事前相談を行うことを推奨します。 出典) ・東京都「既存住宅の省エネ診断・省エネ設計への補助」 ・国税庁「住宅ローン控除を受ける方へ」 まとめ フラット35の最低金利は、マイナス金利政策が始まった2016年~2022年頃までは1%台前半で推移していましたが、2026年に入ってからは2%を超える水準まで上昇しています。日銀の利上げや積極財政による財政悪化への懸念など、今後1~2年は長期金利に上昇圧力が働きやすい環境にある点に注意が必要です。 フラット35をより低金利で組むためには、この記事で紹介した「金利引き下げメニューの組み合わせ」や「民間保険の活用」、「中古リノベのハイブリッド戦略」を賢く使い分けることが重要です。 まずはご自身のライフプランや希望する物件の条件において、どの戦略がもっとも効果的なのか、複数の金融機関で具体的なシミュレーションから始めてみることをおすすめします。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2026.04.29 フラット35住宅ローン
  • 【2026年5月】フラット35金利予想:2.67~2.77%|公認会計士・千日太郎が4月17日の機構債から分析

    【フラット35】2026年5月金利は2.71%に決定|公認会計士の予測と機構債分析

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年4月金利は2.49%に決定|公認会計士の予測と機構債分析)では、【フラット35】の2026年4月金利を2.25%~2.35%と予想しましたが、予想より大幅に上がり、2.49%と予想レンジから外れる結果となりました。 まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年5月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。 【2026年5月 フラット35金利予想】 予想レンジ:2.67% ~ 2.77% 傾向:上昇 要因:新発10年国債利回りの上昇 原油価格の高騰による物価上昇懸念や、日銀の利上げ観測も加わり、新発10年国債利回りは上昇傾向で推移しています。これに伴い、固定金利タイプの住宅ローンにも上昇圧力がかかっています。 この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、その根拠となる国債・機構債の動きと、私たち借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について解説します。 2026年5月の【フラット35】金利は2.71%に決定しました(更新日:2026年5月1日)。 【フラット35】2026年4月金利予想の結果と検証 2026年4月の金利決定結果(2.49%) 2026年4月の【フラット35】金利は2.49%に決定し、3月下旬での予想レンジ(2.25%~2.35%)の上限から0.14ポイント上がる結果となりました。 今回の予想は、機構債の表面利率が0.14ポイント上がったことに鑑みたものです。悲観的に見れば【フラット35】金利も同等の0.14ポイント上昇する恐れもありましたが、機構側の激変緩和措置により、0.10ポイント程度の上昇に抑えられると期待していました。しかし結果は、前月の【フラット35】金利(2.25%)から0.24ポイント上昇の2.49%となり、悲観的なシナリオをさらに超える大幅な上昇となっています。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 想定以上の金利上昇と縮小する逆ザヤ 予想を超える金利上昇とはいえ、【フラット35】の金利上昇が抑制されている状態は継続しています。これを支えているのは、過去連続10か月にわたって【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。 2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大を続け、2026年2月には0.52ポイントに達しました。一方で、3月には0.40ポイント、4月には0.30と逆ザヤが縮小傾向にあります。 この動きを踏まえて、独立行政法人として国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構が、どこまでこの「逆ザヤ」を許容し貸付金利の上昇を抑制するかが予想の焦点となります。 2026年2月から3月の動きを踏まえ、千日太郎は次の点に焦点を当てています。 2026年2月の逆ザヤ「0.52ポイント」で機構の許容上限を超えた 2026年3月以降どこまでの許容上限に設定するかが焦点 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 年月 機構債表面利率 機構債発表日 フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%5月22日1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%6月20日1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%7月18日1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%8月21日1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%9月19日1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%10月17日1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%11月20日1.97%-0.33ポイント 2026年1月2.45%12月17日2.08%-0.37ポイント 2026年2月2.78%1月22日2.26%-0.52ポイント 2026年3月2.65%2月18日2.25%-0.40ポイント 2026年4月2.79%3月18日2.49%-0.30ポイント 出典) ・住宅金融支援機構「既発債情報」 ・住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 ※「住まいとお金の知恵袋編集部」作成 【フラット35】2026年5月金利予想 2026年4月から5月にかけて、新発10年国債利回りは2.24%から2.42%(※)へ、0.18ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.79%から2.97%へと0.18ポイント上がっています。単純計算すれば、5月の【フラット35】も同程度の0.18ポイント上がる計算となります。 これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。 ※10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】金利推移と2026年5月予想 2026年2月 2026年3月 2026年4月 2026年5月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 2.26% 2.25% 2.49% 2.67%~2.77%※5/1発表の金利は2.71%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:激変緩和措置を織り込んだ現実的上限(2.67%) 下限の2.67%は、機構債の上昇幅(0.18ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを前月と同じ「0.30ポイント」に維持するという前提のシナリオです。2月から4月まではひと月あたり0.10ポイントのペースで逆ザヤが縮小してきましたが、これはあまりに急ピッチです。さらに4月から5月の新発10年国債利回りの上昇幅も大きいことから、激変緩和措置として逆ザヤの縮小を一時停止する可能性があるとみています。 シナリオ②:逆ザヤ縮小ペースの継続(2.77%) 上限の2.77%は、機構債の上昇幅(0.18ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを「0.20ポイント」に縮小するという前提のシナリオです。2月から4月まで続いた「ひと月あたり0.10ポイントの逆ザヤ縮小」のルールが5月にも適用されるとすれば、十分にあり得る現実的なシナリオとなります。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2026年4月17日時点) 機構債発表日 2026年1月22日 2026年2月18日 2026年3月18日 2026年4月17日 機構債の表面利率(※1) 2.78% 2.65% 2.79% 2.97% 新発10年国債利回り(※2) 2.27% 2.12% 2.24% 2.42% ローンチスプレッド(※1) 0.51% 0.53% 0.55% 0.55% ※1:出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2:10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 まとめ 最近の【フラット35】金利は、新発10年国債利回りの上昇を背景に、上昇圧力が続く局面にあります。中東情勢などの不確定要素も相まって、市場は想定以上に振れやすい環境です。こうした中で、将来の金利を固定できる点は家計の見通しを安定させる大きなメリットといえます。また、逆ザヤ幅は縮小傾向にあるものの、まだ調達金利よりも低い金利で提供されていることは確かです。 今のように変化の激しい経済環境にあって【フラット35】は、公的融資という側面から急激な変動が抑えられることが期待されます。複数の金融機関で仮審査に申し込み、変動金利・固定金利の両面で返済シミュレーションを実施するなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをおすすめします。 ※この記事は2026年4月17日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2026.04.22 フラット35住宅ローン
  • 【2026年4月】フラット35金利予想:2.25~2.35%|公認会計士・千日太郎が3月18日の機構債から分析

    【フラット35】2026年4月金利は2.49%に決定|公認会計士の予測と機構債分析

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年3月金利は2.25%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の2026年3月金利を2.13%~2.17%と予想しましたが、結果は2.25%となりました。 まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年4月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。 【2026年4月 フラット35金利予想】 予想レンジ:2.25% ~ 2.35% (※理論上の上限リスク:2.39%) 傾向:前月比 横ばい ~ +0.10ポイント程度 要因:新発10年国債利回りの上昇 2026年3月現在、中東情勢の緊迫化などを背景に新発10年国債利回りは高い水準で推移しており、固定金利タイプの住宅ローンには上昇圧力がかかっています。 この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、最新の機構債と市場動向から2026年4月の【フラット35】金利予想を解説します。 2026年4月の【フラット35】金利は2.49%に決定しました(更新日:2026年4月1日)。 【フラット35】2026年3月金利予想の結果と検証 2026年3月の金利決定結果(2.25%) 2026年3月の【フラット35】金利は2.25%に決定し、2月下旬での予想レンジ(2.13%~2.17%)の上限から0.08ポイント高い結果となりました。 千日太郎の予想は、3月は新発10年国債利回りが0.15ポイント下がり、機構債の表面利率も0.13ポイント下がったことに鑑み、0.09~0.13ポイント程度の低下を期待したものでした。しかし、【フラット35】の低下は、わずか0.01ポイントにとどまっています。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 金利上昇が抑えられた要因(拡大する逆ザヤ) 予想以上に金利が上昇したとはいえ、市場金利の上昇幅に比べれば【フラット35】の上昇は抑制されています。これを支えているのは、過去連続10か月にわたって【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。 2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大を続け、2026年2月には0.52ポイントに達しましたが、3月には0.40ポイントとなりました。独立行政法人として国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構が、自身の収益を圧迫してでも、どこまでこの「逆ザヤ」を許容し貸付金利の上昇を抑制するかが予想の焦点となります。 2月から3月の動きを踏まえ、千日太郎は次のような仮説を立てています。 2月の逆ザヤ「0.52ポイント」で機構の許容上限を超えた 3月以降は新たな許容上限として「0.40ポイント」を設定した 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 年月 機構債表面利率 機構債発表日 フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%5月22日1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%6月20日1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%7月18日1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%8月21日1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%9月19日1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%10月17日1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%11月20日1.97%-0.33ポイント 2026年1月2.45%12月17日2.08%-0.37ポイント 2026年2月2.78%1月22日2.26%-0.52ポイント 2026年3月2.65%2月18日2.25%-0.40ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※「住まいとお金の知恵袋編集部」作成 【フラット35】2026年4月金利予想 2026年3月から4月にかけて、新発10年国債利回りは2.12%から2.24%へ、0.12ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.65%から2.79%へと0.14ポイント上昇しています。単純計算すれば、4月の【フラット35】は0.12~0.14ポイントの上昇となります。 これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。 【フラット35】金利推移と2026年4月予想 2026年1月 2026年2月 2026年3月 2026年4月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 2.08% 2.26% 2.25% 2.25%~2.35%※4/1発表の金利は2.49%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:激変緩和措置を織り込んだ現実的上限(2.35%) 直近の住宅金融支援機構の動向を踏まえると、機構債の上昇幅(0.14ポイント)がそのまま反映されるのではなく、激変緩和措置によって一定の上昇幅に抑制される可能性が高いと予測されます。逆ザヤの許容範囲を考慮した現実的な着地点として、2.35%を予想のメインレンジの上限とします。 シナリオ②:激変緩和措置の最大限適用(2.25%) 下限となる2.25%は、激変緩和措置により金利上昇が抑制されるシナリオです。これまでも急激な市場金利の上昇局面において、住宅金融支援機構は貸付金利の上昇を抑制してきた実績があります。仮に同措置が最大限適用された場合、前月水準に据え置かれる可能性も残されています。 ただし、金利が横ばいとなる可能性は限定的と推測されます。仮に【フラット35】が前月と同水準の2.25%となった場合、逆ザヤは0.54ポイントに達し、直近で最大であった2月の0.52ポイントを超えてさらに拡大することになるためです。 シナリオ③:機構債上昇幅の完全反映(理論上の上限リスク・2.39%) リスクシナリオとして、住宅金融支援機構がこれ以上の逆ザヤ拡大を許容せず、機構債の表面利率の上昇幅(0.14ポイント)をそのまま貸付金利に反映させた場合、2.39%まで上昇する恐れがあります。あくまで理論上の上限値ですが、市場の振れ幅を考慮し、最悪のケースとして想定しておく必要があります。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2026年3月18日時点) 機構債発表日 2025年12月17日 2026年1月22日 2026年2月18日 2026年3月18日 機構債の表面利率(※1) 2.45% 2.78% 2.65% 2.79% 新発10年国債利回り(※2) 1.94% 2.27% 2.12% 2.24% ローンチスプレッド(※1) 0.51% 0.51% 0.53% 0.55% ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 まとめ 最近の【フラット35】金利は、新発10年国債利回りの上昇を背景に、上昇圧力が続く局面にあります。一方で、中東情勢など不確定要素も多く、市場は想定以上に振れやすい環境です。また、日銀の利上げ路線が継続される見通しであることから、金利が低下に転じる可能性は低いと推測されます。 こうした中で将来の金利を固定できる点は、家計の見通しを安定させる大きなメリットです。短期的な上下に一喜一憂するのではなく、長期での返済可能性とリスク許容度を踏まえ、ご自身に合った選択をすることが重要です。 引き続き【フラット35】については、公的融資という側面から急激な変動が抑えられると予測されますが、早めの資金計画や仮審査の申し込みなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをおすすめします。 ※この記事は2026年3月18日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2026.03.19 フラット35住宅ローン
  • 【2026年3月】フラット35金利予想:2.13%~2.17%|公認会計士・千日太郎が2月18日の機構債から分析!

    【フラット35】2026年3月金利は2.25%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。 衆院選後の過度な財政不安や日銀の早期利上げ観測が後退し、新発10年国債利回りが急低下しています。市場金利が下がれば、固定金利タイプの住宅ローンも下がるのが基本セオリーであり、【フラット35】も低下が予想されます。 まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年3月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。 【2026年3月 フラット35金利予想】 予想レンジ:2.13% ~ 2.17% 傾向:前月比 ▲0.09%~▲0.13%の低下 要因:新発10年国債利回りの低下 前回の記事(【フラット35】2026年2月金利は2.26 %に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の2026年2月金利を2.18%~2.28%と予想し、結果は2.26%となりました。 この記事では、急変する市場の中で「なぜ3月はこの金利予想になるのか」、その根拠となる国債・機構債の動きと、私たち借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について詳しく解説します。 2026年3月の【フラット35】金利は2.25%に決定しました(更新日:2026年3月2日)。 【フラット35】2026年2月金利予想の結果と検証 2026年2月の【フラット35】金利は2.26%に決定 2026年2月の【フラット35】金利は2.26%に決定し、2026年1月下旬での予想レンジ(2.18%~2.28%)の中で、上限に近い結果となりました。 金利上昇の背景として、2月は新発10年国債利回りが0.33ポイント上昇し、それに伴い機構債の表面利率も0.33ポイント上昇したことが挙げられます。これに対し、【フラット35】の金利上昇は引き続き抑えられている状況です。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 金利上昇が抑えられた要因(拡大する逆ザヤ) 予想以上に市場金利が上昇したとはいえ、その上昇幅に比べれば【フラット35】の上昇はかなり抑制されています。これを支えているのは、過去連続9か月にわたって【フラット35】の金利が機構債の表面利率(調達コスト)を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。 昨年の6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大を続け、2026年2月には10倍の0.52ポイントに達しています。特に衆院選直前の1月から2月にかけての拡大幅は大きく、住宅金融支援機構が自らの利益を犠牲にして、どこまでこの「逆ザヤ」を容認して金利を抑え込むかが、今後の予想の核となります。 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 年月 機構債表面利率 機構債発表日 フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%5月22日1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%6月20日1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%7月18日1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%8月21日1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%9月19日1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%10月17日1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%11月20日1.97%-0.33ポイント 2026年1月2.45%12月17日2.08%-0.37ポイント 2026年2月2.78%1月22日2.26%-0.52ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※筆者作成 【フラット35】2026年3月金利予想 衆院選の自民大勝によって株価は高騰し、上がるかと思われた新発10年国債利回りは静観、その後低下傾向となっています。日銀の植田総裁は2月16日に高市首相と会談しましたが「一般的な経済、金融情勢の意見交換であった」とし、具体的な内容については明言しませんでした。 実際、2026年3月に向けての市場動向を見ると、新発10年国債利回りは2.27%から2.12%(※)へ、0.15ポイントの大幅低下となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.78%から2.65%へと0.13ポイント低下しています。 単純計算すれば、3月の【フラット35】は0.13~0.15%の低下となります。しかし、今回は逆ザヤの抑制(機構側の赤字縮小)が働き、実際の低下幅は若干抑えられると見込んでいます。 これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。 ※10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】金利推移と2026年3月予想 2025年12月 2026年1月 2026年2月 2026年3月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 1.97% 2.08% 2.26% 2.13%~2.17%※3/2発表の金利は2.25%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:2.13%(機構債の低下を素直に反映) 下限の2.13%は、機構債の表面利率の低下が最大限に発揮されるシナリオです。10年国債利回りの低下幅は0.15ポイントですが、こちらはあくまで指標であるため、住宅金融支援機構が実際に資金調達する「機構債の低下幅(0.13ポイント)」を採用しました。 シナリオ②:2.17%(「激変緩和」の反動で下げ幅を抑える) 上限の2.17%は、機構側がこれまでの「激変緩和」の反動として、金利の低下幅をあえて抑えるというシナリオです。 1月から2月にかけては、積極財政を警戒した10年国債利回りの上昇がピークを迎え、機構債表面利率に対する【フラット35】の逆ザヤが-0.52ポイントという異常値に達していました。このまま、機構債の低下幅と同じ幅で【フラット35】を下げてしまうと、今後も0.52ポイントという大きな逆ザヤ(機構側の赤字)水準を維持・拡大することになってしまいます。 歴史的な長期金利の上昇を住宅ローン利用者が被らないようにするための、例外的な「激変緩和」措置であったとするならば、今回の金利低下局面では、低下幅を少し渋る(抑える)動きに出ると予想されます。 ただし、低下幅が抑えられて2.17%となったとしても、逆ザヤは-0.48ポイントとなり、依然として大幅な利用者優遇状態であることに変わりはありません。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2026年2月18日時点) 機構債発表日 2025年11月20日 2025年12月17日 2026年1月22日 2026年2月18日 機構債の表面利率(※1) 2.30% 2.45% 2.78% 2.65% 新発10年国債利回り(※2) 1.79% 1.94% 2.27% 2.12% ローンチスプレッド(※1) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 53bps(0.53%) ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 まとめ 衆院選後は、過度な財政不安や日銀の早期利上げ観測が後退し、新発10年国債利回りは低下傾向にあります。しかし植田総裁は依然として利上げ路線を継続する意向を示しており、住宅ローンの金利が一本調子で下がるシナリオを描きにくい状況です。 引き続き【フラット35】については、公的融資という側面から急激な変動(上昇)が抑えられ、借り手にとって有利な「逆ザヤ」状態が続くとみていますが、早めの資金計画や仮審査の申し込みなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをお勧めします。 ※この記事は2026年2月18日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2026.02.20 フラット35住宅ローン
  • 【2026年2月】フラット35金利予想:2.18%~2.28%へ急騰か?|公認会計士・千日太郎が1月22日の機構債から分析!

    【フラット35】2026年2月金利は2.26 %に決定|公認会計士の予測と機構債分析!

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。 まずは、最新の機構債と市場動向から2026年2月の【フラット35】金利予想を以下のように分析しました。 【2026年2月 フラット35金利予想】 予想:2.18%~2.28% 傾向:前月比+0.10%~+0.20% の上昇 要因:新発10年国債利回りの急上昇(2.27%へ到達) 前回の記事(【フラット35】日銀利上げ直後の2026年1月金利は2.08%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の2026年1月金利を1.99%~2.04%と予想し、結果は2.08%となりました。 解散総選挙後を織り込んで、新発10年国債利回りが急上昇しています。積極財政・赤字国債増発への警戒から国債売りが出ているという見方です。新発10年国債利回りが上がれば、固定金利タイプの住宅ローンは上がります。【フラット35】も例外ではありません。 この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、その根拠となる国債・機構債の動きと、私たち借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について解説します。 2026年2月の【フラット35】金利は2.26% に決定しました(更新日:2026年2月2日)。 【フラット35】2026年1月金利予想の結果と検証 2026年1月の金利は2.08%に決定 2026年1月の【フラット35】金利は2.08%に決定し、12月下旬での予想(1.99%~2.04%)を上回る結果となりました。 背景には、1月は新発10年国債利回りが0.15ポイント上昇し、機構債の表面利率も0.15ポイント上昇したことがあります。これに対し、【フラット35】の上昇はある程度抑えられましたが、予想レンジを超える上げ幅となりました。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 金利上昇が抑えられた要因(拡大する逆ザヤ) 予想以上に金利が上昇したとはいえ、市場金利の上昇幅に比べれば【フラット35】の上昇は抑制されています。これを支えているのは、過去連続8か月にわたって【フラット35】が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。 昨年6月に初めて0.05ポイントの逆ザヤを目の当たりにしたときは驚いたものですが、今年の1月ではその幅が0.37ポイントまで拡大しています。現在は住宅金融支援機構が利益を犠牲にして、どこまでこの「逆ザヤ」を容認して金利を抑え込むかが予想の核となっています。 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 年月 機構債表面利率(機構債発表日) フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%(5月22日)1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%(6月20日)1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%(7月18日)1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%(8月21日)1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%(9月19日)1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%(10月17日)1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%(11月20日)1.97%-0.33ポイント 2026年1月2.45%(12月17日)2.08%-0.37ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※筆者作成 【フラット35】2026年2月金利予想 1月22日・23日の日銀会合では政策金利据え置きが決定されましたが、植田総裁は最近の新発10年国債利回りの動向について「かなり速いスピードで上昇している」との認識を示しました。 実際、2026年2月に向けての市場動向を見ると、新発10年国債利回りは1.94%から2.27%へ、0.33ポイントの大幅上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率も2.45%から2.78%へと、同じく0.33ポイント上昇しています。市場金利通りに計算すれば、2月の【フラット35】は2.40%を超えてくる水準です。しかし、今回は急激な変動を避けるための政策的配慮が働き、上昇幅は一定程度抑えられると見込みます。 これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。 【フラット35】金利推移と2026年2月予想 2025年11月 2025年12月 2026年1月 2026年2月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 1.90% 1.97% 2.08% 2.18%~2.28%※2/2発表の金利は2.26%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:2.18%「激変緩和」 下限の2.18%は、機構による「激変緩和措置」が最大限に発揮されるシナリオです。10年国債利回りの急上昇に対し、その上昇分をそのまま住宅ローン金利に転嫁すれば、住宅市場への悪影響は避けられません。 日銀総裁も金利上昇スピードをけん制している局面であり、住宅金融支援機構がさらに逆ザヤ幅を拡大させてでも、金利上昇を0.1%程度に抑え込む(2.08%→2.18%)という読みです。 シナリオ②:2.28%「上昇圧力の反映」 上限の2.28%は、市場金利の上昇圧力を一定程度反映せざるを得ないシナリオです。 2月機構債が決まった時点の新発10年国債利回りは2.27%まで上昇しています。 これまで【フラット35】の金利が新発10年国債利回りを下回ったことはありません。そのため、いくら政策的に金利を抑えるとしても、この「新発10年国債利回り(2.27%)」よりは低くできないのではないか?という読みです。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2026年1月22日時点) 機構債発表日 2025年10月17日 2025年11月20日 2025年12月17日 2026年1月22日 機構債の表面利率(※1) 2.15% 2.30% 2.45% 2.78% 新発10年国債利回り(※2) 1.64% 1.79% 1.94% 2.27% ローンチスプレッド(※1) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 まとめ 昨年の利上げをきっかけに新発10年国債利回りは大幅に上昇し、さらに解散総選挙後の積極財政による国債増発を警戒した金利上昇に拍車がかかっています。 日銀は1月会合で金利を据え置きましたが、植田総裁は今後も利上げ路線を継続する意向を示しており、住宅ローンの変動金利も固定金利も上昇基調が続く公算が大きいと言えます。 民間銀行は住宅ローンの金利を上げざるを得ない中、【フラット35】については独自の緩和措置により、急激な上昇はある程度抑えられるとみていますが、早めの資金計画や仮審査の申し込みなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをお勧めします。 ※この記事は2026年1月22日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2026.01.28 フラット35住宅ローン
  • 【フラット35】日銀利上げ直後2026年1月金利予想|公認会計士・千日太郎が機構へ直接取材と12月17日の機構債から分析!

    【フラット35】日銀利上げ直後の2026年1月金利は2.08%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2025年12月は1.97%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の12月金利を1.90%~1.95%と予想し、結果は1.97%となりました。 12月19日の日銀会合では、政策金利の0.75%への引き上げが決定され、約30年ぶりの水準となりました。この決定を受け、債券市場では新発10年国債利回りが2%超に急騰した一方で、為替市場では1ドル=157円の円安に振れ、金融市場全体に大きな変動が生じています。 この記事では、この環境の変化を踏まえた【フラット35】の2026年1月の金利予想を、最新データと機構への取材情報から解説します。 2026年1月の【フラット35】金利は2.08% に決定しました(更新日:2026年1月5日)。 【フラット35】2025年12月金利予想の結果と検証 2025年12月の金利は1.97%に決定 2025年12月の【フラット35】金利は1.97%に決定し、11月下旬での予想(1.90%~1.95%)をやや上回る結果です。 背景には、新発10年国債利回りと機構債の表面利率がともに0.15ポイント上昇したことがありますが、住宅金融支援機構の調整により急騰は回避されました。 なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 金利上昇が抑えられた要因 金利上昇が抑えられた最大の理由は、住宅金融支援機構が逆ザヤを許容して低金利を維持していることです。逆ザヤとは、機構債の「仕入金利」が【フラット35】の貸出金利を上回る状態を指します。 この状態は2025年6月に初めて確認され、たいそう驚いたものですが、直近の2025年12月では逆ザヤの幅が0.33ポイントまで拡大しています。つまり、住宅金融支援機構は収益を犠牲にしてでも、急激な【フラット35】金利上昇を利用者に転嫁しない方針を取っています。 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 月 機構債表面利率(機構債発表日) フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%(5月22日)1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%(6月20日)1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%(7月18日)1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%(8月21日)1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%(9月19日)1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%(10月17日)1.90%-0.25ポイント 2025年12月2.30%(11月20日)1.97%-0.33ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 【フラット35】2026年1月金利予想 2026年1月の金利は1.99%~2.04%と予想 12月の日銀会合で政策金利が0.75%に引き上げられた影響で、新発10年国債利回りは会合前の1.95%前後から週明けには2.10%まで急騰しました。市場は今回の決定を「タカ派寄り」と受け止め、長期金利に強い上昇圧力がかかっています。 この国債利回りの上昇は、住宅金融支援機構が【フラット35】の資金調達に用いる機構債の表面利率にも直結します。12月時点で機構債は2.30%でしたが、1月は2.45%へ上昇。ローンチスプレッドは0.51%で横ばいです。 こうした状況を踏まえ、千日太郎の【フラット35】予想レンジは1.99%~2.04%としました。急騰局面でも、機構の「激変緩和」策により上昇幅は抑えられると見ています。 【フラット35】金利推移と2026年1月予想 2025年10月 2025年11月 2025年12月 2026年1月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 1.89% 1.90% 1.97% 1.99%~2.04%※1/5発表の金利は2.08%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:1.99%「激変緩和」 1.99%のシナリオは「激変緩和」措置への期待です。10年国債利回りの上昇に伴う機構債の表面利率の上昇を、住宅ローンの金利に反映させないことで、住宅金融の円滑化を図るというシナリオです。金利が2.00%を超えるかどうかは心理的な壁として作用するため、願わくば2%台に抑えてほしいという期待も込めての予想です。 シナリオ②:2.04%「マイナス幅の限度+激変緩和」 逆ザヤの限界を考慮した場合、【フラット35】金利の理論値は2.12%ですが、前月比で+0.15ポイントの急上昇は避けたいところです。そこで、「激変緩和」により上昇幅を+0.07ポイント程度に抑え、2.04%とするシナリオです。 機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移 主要データ(2025年12月22日時点) 機構債発表日 2025年9月19日 2025年10月17日 2025年11月20日 2025年12月17日 機構債の表面利率(※1) 2.12% 2.15% 2.30% 2.45% 新発10年国債利回り(※2) 1.61% 1.64% 1.79% 1.94% ローンチスプレッド(※1) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】2026年1月金利予想の背景要因と機構の戦略 千日太郎の予想として、今回は「市場金利は急上昇したが、フラット35の金利上昇は最小限に抑えられる(1.99%~2.04%)」と見ています。その根拠は、金利決定に影響する3つの要素を分析した結果です。 市場要因(上昇要因) 機構債の表面利率(上昇要因) 機構債の戦略的判断(抑制要因:逆ザヤとE55債) それぞれの動きを順に見ていきます。 市場要因(国債利回り・ローンチスプレッド) まず、金利のベースとなる「新発10年国債利回り」は、日銀の利上げを受けて1.79%から1.94%へ0.15ポイント上昇しました。 一方で、投資家の期待利回りである「ローンチスプレッド(国債との金利差)」は、直近3ヶ月間0.51%で横ばいを維持しています。 これは、国債の金利が上がった分だけ、機械的に調達コスト(機構債)も上がったことを意味します。 機構債の表面利率の動向 住宅金融支援機構の資金調達コストにあたる「機構債の表面利率」は、2.30%から2.45%へ0.15ポイント上昇しました。 通常であれば、仕入値(機構債)の0.15ポイントの上昇を売値(フラット35)に転嫁し、【フラット35】金利は2.12%まで上がる計算です。しかし、今回はそこまでは上がらないと予想しています。その理由が次の要素です。 機構の戦略的判断 住宅金融支援機構は以下の2つの手段で金利上昇を抑えていると考えられます。 ①「逆ザヤ」の許容(短期的対策) 2025年12月の逆ザヤ幅は-0.33ポイントと過去最大に達しました。ここから、急激な金利上昇(激変)を緩和するために、逆ザヤ幅を維持、あるいは一時的に拡大させてでも、急激な金利転嫁を防ぐはずです。 ②「E55債」による調達コスト圧縮(中長期的対策) 赤字(逆ザヤ)を垂れ流し続けることはできません。そこで切り札となるのが、新たな資金調達手段「E55(イーゴーゴー)債」です。 E55債の概要と特徴 2025年11月に、住宅金融支援機構への直接取材でその実務面を聞く機会を得ました。E55債は、長期金利が上昇する環境下でも低金利の住宅ローンを提供するために開発された新たな資金調達方法です。2025年10月発行分では、通常の機構債よりも実際に低コストでの調達を実現しています。 E55債の概要 発表日 表面利率 10年国債利回り ローンチスプレッド 2025年10月22日1.63%1.27%0.36% ※出典)住宅金融支援機構「発行実績-E55債」 E55債が低金利で調達できる理由は、「未償還残高が一定割合(55%)を下回ると全額繰上償還される」という特殊なルールにあります。 通常の機構債 機構債の未償還残高総額が当初発行総額の10%以下になるまで、原則として全額繰上償還されません。 E55債 機構債の未償還残高総額が当初発行総額の55%以下となった場合、1年以内に全額繰上償還をする義務があります。 投資家にとっては通常の機構債よりも「早くお金が返ってくる可能性が高い」ため、リスクが低く、そのぶん低い金利でも買ってくれるのです。この仕組みにより投資家のリスクが低下し、低金利での発行が可能になります。E55債の発行が増えれば、【フラット35】の金利上昇はさらに抑えられる見込みです。 ■機構債の種類と償還ルールの違い 出典:S&P Global Ratings 住宅金融支援機構債券の概要 2025年11月17日 まとめ 12月の日銀利上げにより、市場金利は急騰しました。新発10年国債利回りは2%超、機構債の表面利率も2.45%まで上昇しています。通常であれば【フラット35】の金利は大幅に引き上げられる局面ですが、住宅金融支援機構は逆ザヤの許容とE55債による低コスト調達という戦略で、急激な上昇を抑えています。 2026年1月の予想レンジは1.99%~2.04%。心理的な「2%超え」を避ける調整が働く可能性が高く、長期固定金利の安定性は維持される見込みです。 今後もインフレや追加利上げで市場金利は上昇圧力を受けますが、【フラット35】は政策的な役割と新たな資金調達手段により、利用者にとって安心感のある選択肢であり続けるでしょう。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2025.12.24 フラット35住宅ローン
  • フラット35「ダブルフラット」とは?2本の住宅ローンで返済負担を軽減する方法

    フラット35「ダブルフラット」とは?2本の住宅ローンで返済負担を軽減する方法

    「住宅ローンは1人につき1本だけ」と思っていませんか? 実は、返済期間の異なる2本のローンを組み合わせることで、将来の返済負担を軽減できる方法があります。 それが、住宅金融支援機構が提供するフラット35「ダブルフラット」という制度です。この記事では、ダブルフラットの仕組みやメリット、注意点を解説します。 フラット35「ダブルフラット」の仕組みとは? 一般的には「住宅ローンは1人につき1本」が基本ですが、金融機関によっては複数のローンを組み合わせることも可能です。代表的な例が「ミックスローン」で、固定金利と変動金利を組み合わせたり、返済期間を分けたりすることで、柔軟な返済プランが設計できます。 ダブルフラットは、返済期間の異なる2本のフラット35を組み合わせて利用する住宅ローンです。例えば、返済期間が最長20年のフラット20と最長35年のフラット35を組み合わせることで、将来の返済額を減らすことができます。 そのほかにも、フラット35を2本組み合わせたり、フラット20を2本組み合わせたりすることもできます。なお、フラット20は、返済期間が15年以上20年以下のフラット35商品です。一度20年以下で契約すると、後から21年以上に変更することは原則できません。 出典) ・【フラット35】「ダブルフラット」 ・【フラット35】「【フラット35】」 ・【フラット35】「【フラット20】」 ダブルフラットの利用条件と金利の仕組み ダブルフラットを利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、申込者の利用条件の一部や金利の仕組みについて解説します。 申込者は同一人物であること ダブルフラットは、1人の申込者が返済期間の異なる2本のフラット35を組み合わせて利用する制度です。制度上、申込者は同一人物であることが条件となっており、夫婦それぞれが1本ずつ契約する「ペアローン」のような形では利用できません。 関連記事はこちらフラット35のペアローンとは?夫婦で住宅ローンを組むメリットと注意点を解説 返済負担率の基準を満たすこと 返済負担率とは、年収に対する住宅ローンなどの年間返済額の割合です。以下の基準を満たしていることが求められます。 年収 返済負担率の上限 400万円未満 30%以下 400万円以上 35%以下 この基準を超えると、審査に通るのは難しくなります。そのため、事前に返済額をシミュレーションし、返済負担率が基準内に収まるように計画を立てることが重要です。 融資率によって適用金利が変わる 融資率とは、物件価格に対してどれくらいの金額を借りるかを示す割合です。住宅金融支援機構の【フラット35】では、融資率が9割以下か9割超かによって、適用される金利が異なります。 例えば、2025年12月時点の金利では以下のような差があります。 【フラット35】借入期間:21年以上35年以下 融資率 金利の範囲 最も多い金利 9割以下 年1.970%~年4.510% 年1.970% 9割超 年2.080%~年4.620% 年2.080% 出典)【フラット35】「借入期間:21年以上35年以下」 このように、融資率が9割を超えると0.11ポイント金利が上昇するため、総返済額にも大きな影響を与えます。ダブルフラットでも、2本のローンの合計が物件価格の9割を超える場合、「融資率9割超」の金利が適用されます。そのため、借入額の設定は慎重に行い、事前にシミュレーションしておくことが重要です。 ダブルフラットのメリット ダブルフラットには、将来の返済負担を軽減できることや、金利の低いローンを活用することで総返済額を抑えられるといったメリットがあります。さらに、返済方法の選択肢も広がるため、ライフプランに合わせた柔軟な返済設計が可能です。ここでは、ダブルフラットを利用することで得られる主なメリットについて詳しく解説します。 将来の返済負担を軽減できる 返済期間が20年のフラット20と、35年のフラット35を組み合わせた場合を考えてみましょう。借り入れから20年間は、2本のローンを同時に返済するため、毎月の返済額はやや高くなります。しかし、21年目以降はフラット20が完済されることで、返済額が減り、将来的な負担を軽減できます。 たとえば、フラット20の完済時期を60歳に設定すれば、定年後の収入減少を見据えた返済計画を立てることも可能です。ライフステージに合わせた設計ができる点は、ダブルフラットの大きなメリットといえるでしょう。 出典)【フラット35】「ダブルフラット」 総返済額を抑えられる フラット20は返済期間が短いため、フラット35よりも金利が低めに設定されています。 この特徴を活かして、フラット35とフラット20を組み合わせることで、金利の低いローンを一部に充てることができ、結果として総返済額を抑えることにつながります。 たとえば、同じ3,000万円を借りる場合でも、フラット20を併用することで、フラット35単独よりも数百万円単位で返済額が少なくなるケースもあります。(後述する「ダブルフラットの返済シミュレーション」で詳しく紹介します。) 返済方法を柔軟に選べる ダブルフラットでは、元利均等返済と元金均等返済を組み合わせたり、ボーナス併用払いと毎月払いを併用したりすることができます。2本のローンそれぞれで返済方法を選べるため、家計の状況や収入のタイミングに合わせて、無理のない返済プランを設計することが可能です。 たとえば、フラット20は元金均等返済で早めに元本を減らし、フラット35は元利均等返済で安定した支払いを続けるなど、目的に応じた使い分けもできます。 ダブルフラットの返済シミュレーション ダブルフラットを使った場合と、通常のフラット35だけを使った場合で、返済額がどれくらい違うのかを比較してみましょう。 ■フラット35の融資条件 ・借入金額:3,000万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.97%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし ■ダブルフラットの融資条件 〇フラット35 ・借入金額:1,500万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.97%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし 〇フラット20 ・借入金額:1,500万円(融資率9割以下) ・借入金利:年1.58%(2025年12月時点) ・元利均等返済、ボーナス払いなし 借入内容 借入期間 毎月返済額 総返済額 フラット35 35年 98,917円 41,545,177円 ダブルフラット ・フラット35 ・フラット20 当初20年 121,373円 ・49,458円(フラット35) ・72,935円(フラット20) 38,276,787円 (約326万円削減) 21年〜35年 49,458円 ※住宅保証機構株式会社「返済額の試算」を基に筆者作成 試算の結果、フラット35単独利用時との差は以下のとおりです。 総返済額:約 326万円 抑えられる 月々の返済額(当初20年):約 2万2,000円 増える 月々の返済額(21年目以降):約 4万9,000円 減る つまり、「当面の負担は増えても、総返済額と将来の負担を確実に減らしたい」という方に適したプランです。教育費のピークや定年退職の時期など、ライフプランに合わせて検討しましょう。 ダブルフラットの注意点 ダブルフラットを利用する際は、以下の点に注意が必要です。 同一金融機関での申込が必要 2本のローンは同じ金融機関で申し込む必要があります。ダブルフラットを取り扱っていない金融機関もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。 諸費用が1本のローンよりも多くかかる それぞれのローンに対して、金銭消費貸借契約、抵当権設定などの手続が必要となり、融資手数料、金銭消費貸借契約書の印紙税、抵当権設定のための費用などが1本のローンの場合と比べて多くかかります。返済額の軽減効果と諸費用を含めた総コストの比較も忘れずに行いましょう。 団信はそれぞれの契約に紐づく 団体信用生命保険は、ローン契約者が死亡・高度障害になった場合に残債が免除される保険です。2本のローンそれぞれに個別で加入する必要があります。加入は任意ですが、2本とも加入するか、しないかを選ぶ必要があります。 関連記事はこちら住宅ローンの団体信用生命保険とは?保障内容や特約を解説 ペアローンでは利用不可 夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むペアローンでは、1人につき1本の契約となるため、ダブルフラットは利用できません。 まとめ ダブルフラットは、2本の住宅ローンを組み合わせることで、将来の返済額を抑えられる制度です。特に、定年後の生活を見据えた返済計画を立てたい方におすすめです。 ただし、諸費用や団信の加入など、単独ローンとは異なる点もあるため、事前のシミュレーションと比較検討が重要です。まずは金融機関に相談し、ライフプランに合った返済方法を検討してみてください。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 フラット35とは?初心者にもわかりやすく特徴やメリットを解説 フラット35は、自宅購入時に利用できる住宅ローン商品の一つです。住宅ローンを検討する際、全期間固定金利で自宅を購入したい場合は、フラット35が有力な選択肢となるでしょう。 この記事では、フラ...

    2025.12.10 フラット35住宅ローン
  • フラット35のペアローンとは?夫婦で住宅ローンを組むメリットと注意点を解説

    フラット35のペアローンとは?夫婦で住宅ローンを組むメリットと注意点を解説

    住宅ローンを組もうとしたけど、希望物件の価格に対して借入額が足りない… そんな悩みを抱える方にとって、フラット35のペアローンは有力な選択肢です。ペアローンを利用すれば、借入可能額を増やすことができ、返済方法や団体信用生命保険(以下、団信)の設計も柔軟に対応可能です。 この記事では、ペアローンの仕組みや申込条件、収入合算との違い、団信の取り扱い、そしてメリット・注意点まで、住宅ローン選びの判断材料として活用できる情報を詳しく解説します。 ペアローンとは ペアローンとは、1つの物件に対して、夫婦や親子などがそれぞれ主たる債務者となり、住宅ローンを組む方法です。単独でローンを組むよりも借入可能額が増えるため、取得する住宅の選択肢が広がります。 ペアローンは、特に若い世代で多く利用されています。住宅金融支援機構の調査によると、ペアローンの利用割合は全体で25.9%ですが、年代別では20代が44.0%、30代が29.6%となっています。 出典)住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)p.10」 収入合算との違い(連帯保証型・連帯債務型) 収入合算とは、申込者本人の収入に、配偶者や親などの収入を加えて、1本の住宅ローンを組む方法です。主に以下の二つのタイプがあります。 連帯保証型:合算者は連帯保証人となり、申込者本人が返済できなくなった場合にのみ返済義務を負います。 連帯債務型:合算者は連帯債務者となり、申込者本人と同等の返済義務を負います。 一方、ペアローンでは、2人がそれぞれ主たる債務者となり、2本の独立した住宅ローンを組む点が大きな違いです。これにより、団信の加入方法や返済設計にも柔軟性が生まれます。 項目 ペアローン 収入合算(連帯債務型) 契約 2本 1本 債務者 主債務者2人 主債務者+連帯債務者 団信 個別加入 ペア連生団信あり 出典)フラット35「収入合算できる方」 関連記事はこちら住宅ローンのペアローンと収入合算の違いとは? フラット35ペアローンの申込要件や借入・返済の仕組み フラット35では、2024年10月からペアローンの取り扱いが開始されました。夫婦や親子などがそれぞれ主たる債務者となることで、借入可能額が増え、返済方法や団信の設計も柔軟に対応できるのが特徴です。 ここでは、申込要件から借入額・金利、返済方法まで、基本的な仕組みを簡潔に解説します。 申込要件と対象者の範囲 ペアローンを利用するための申込要件と対象者の範囲は、主に次のとおりです。 申込者と配偶者、または親や子などの親族であること 申込時の年齢が満70歳未満であること ※その他の申込要件などは、【フラット35】のWebサイトをご確認ください。 借入額・期間・金利の考え方 ペアローンでは、各人100万円以上8,000万円以下(1万円単位)で借入可能です。夫婦で利用すれば、最大1億6,000万円まで借りられます。借入期間は15年以上で、「80歳−申込時年齢」または「35年」の短い方が上限です。夫婦それぞれ異なる期間を設定でき、ライフプランに合わせた設計が可能です。 金利は借入期間や融資率(借入額合計 ÷ 住宅の建設費または購入価額)などにより決まり、融資率が9割以下の場合は低金利となる傾向があります。また、住宅性能や家族構成に応じた金利引き下げ制度も利用可能で、ペアローンでは2人それぞれに同じ条件が適用されます。 関連記事はこちらフラット35の金利引き下げメニューについて詳しく解説 返済方法と家計管理の工夫 ペアローンでは、返済方法や返済口座をそれぞれ個別に設定できます。たとえば、元利均等返済と元金均等返済を夫婦で分けることで、収入状況に応じた柔軟な返済が可能です。返済口座を分けることで、共働き世帯の資金管理もスムーズになります。 担保は、借入対象の住宅および敷地全体に対して、2本の融資それぞれに、住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位(同順位)の抵当権を設定する必要があります。 ペアローンにおける団信の取り扱い 住宅ローンを組む際には、万が一の事態に備えるための団信の加入が重要です。ペアローンでは、夫婦それぞれが主たる債務者となるため、団信もそれぞれの契約に対して個別に加入する必要があります。 一方、収入合算(連帯債務型)では、「ペア連生団信」という制度が利用可能です。これは、どちらか一方に万が一のことがあった場合、残りの住宅ローン残高が全額保障される仕組みです。 ペアローンではこの制度が使えないため、パートナーの債務は団信で完済されても、自身の債務は残り、返済を継続する必要があります。 関連記事はこちら住宅ローンの団体信用生命保険とは?保障内容や特約を解説 ペアローンでの団信加入の仕組み ペアローンでは、2人それぞれが独立したローン契約を結ぶため、団信も個別に加入する形になります。たとえば、夫は三大疾病保障型、妻は一般団信といったように、健康状態や希望に応じて異なる保障内容を選択できるのが特徴です。 また、団信への加入は任意です。保険料を抑えたい場合や、他の生命保険で保障を確保している場合は、加入しない選択もできます。 フラット35のペアローンのメリット フラット35のペアローンには、単独ローンや収入合算にはない、いくつかの大きなメリットがあります。ここでは主な3つの利点を紹介します。 借入期間を個別に設定できる 収入合算(連帯債務型)では、借入期間を夫婦で同一にする必要がありますが、ペアローンではそれぞれが別々の借入期間を設定できます。たとえば、夫は35年、妻は20年といったように、ライフプランや収入状況に応じて柔軟に設計できるのが特徴です。 団信プランを柔軟に選べる 前述のとおり、ペアローンでは団信に個別加入する必要がありますが、これは柔軟な保障設計が可能であるというメリットにもつながります。たとえば、夫は三大疾病保障型、妻は一般団信といったように、それぞれの健康状態や希望に応じたプランを選択できます。 また、団信への加入は任意であり、保険料を抑えたい場合や他の保険でカバーしている場合は、加入しない選択も可能です。 返済口座を分けて家計管理しやすい ペアローンの場合、2本のローン契約がそれぞれ独立しているため、返済口座も別々に設定できます。返済口座を分けられることで、資金移動の手間が省け、共働き世帯などの家計管理にも適しています。 フラット35ペアローンの注意点とリスク フラット35のペアローンを利用する際は、以下の点に注意が必要です。 パートナーの返済滞納による一括返済リスク ペアローンでは、夫婦それぞれが主たる債務者としてローン契約を結んでいるため、どちらか一方が返済を滞納すると、金融機関からもう一方にも一括返済を求められる可能性があります。 このような事態を防ぐためには、日頃から返済状況を共有し、万が一の際に金融機関がもう一方に通知できるよう、事前に同意を取っておくことが重要です。 万が一の際も自身の返済は継続される ペアローンでは、団信によりパートナーの債務は完済されますが、自身の返済義務は残るため、万が一の事態にも対応できるよう、余裕を持った返済計画を立てておくことが大切です。 契約が2本になることで諸費用が増える ペアローンは2人それぞれがローン契約を結ぶため、登記費用や事務手数料などの諸費用も2本分必要になります。単独ローンや収入合算型に比べて、初期費用の負担が大きくなる点には注意が必要です。 費用面での比較を事前に行い、総コストを把握したうえでペアローンを選択することが望ましいでしょう。 まとめ|ペアローンを選ぶ際の判断ポイント フラット35のペアローンは、単独ローンに比べて借入可能額が大きく、夫婦それぞれが異なる借入期間や団信プランを選択できるなど、柔軟な住宅ローン設定が可能です。返済口座を分けられる点も、共働き世帯などにとっては資金管理の面でメリットがあります。 一方で、ローン契約が2本になることで諸費用が増えるほか、パートナーが返済を滞納した場合や万が一の事態が起きた際には、自身の債務が残るなどのリスクもあります。ペア連生団信が利用できない点も、収入合算型との大きな違いです。 このようなメリット・デメリットがあることを理解したうえで、フラット35のペアローンを利用するかを判断しましょう。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 「フラット50」とは? 2025年制度改正で住宅の対象が拡大 「人生100年時代」を見据え、住宅ローンの返済期間も長期化しています。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット50」は、その名のとおり最長50年という長期返済が可能な全期間...

    2025.12.03 フラット35住宅ローン
  • 【フラット35】2025年12月金利予想|公認会計士が11月20日の機構債から分析!

    【フラット35】2025年12月は1.97%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】11月金利は1.90%に決定|千日太郎の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の11月金利を1.89%~1.92%と予想し、結果は1.90%となりました。予測は的中しましたが、その背景には国債利回りや機構債の動き、そして住宅金融支援機構の「激変緩和」策がありました。 今回は、2025年12月の【フラット35】金利を予想します。11月20日に発表された機構債の表面利率は2.30%と大幅に上昇し、新発10年国債利回りも1.79%まで急伸。さらに、逆ザヤ問題が過去最大に拡大する中、住宅金融支援機構がどこまで金利を抑えられるのかが焦点です。 この記事では、12月の金利予想レンジと2つのシナリオ、その背景にある国債利回り・機構債・ローンチスプレッド・E55債の影響をわかりやすく解説します。 2025年12月の【フラット35】金利は1.97% に決定しました(更新日:2025年12月1日)。 【フラット35】2025年11月金利予想の結果とその検証 2025年11月の金利は1.90%に決定|金利予想は的中 2025年11月の【フラット35】金利は1.90%に決定しました。これは、前回の記事で提示した予想レンジ(1.89%~1.92%)の下限に収まる結果です。 予想が的中した背景には、国債利回りや機構債の動き、そして住宅金融支援機構による「激変緩和」策がありました。急激な金利変動を避けるため、機構は過去の事例同様、上昇幅を最小限に抑える調整を行ったと考えられます。 フラット35金利の決定ロジックと背景 【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 2025年10月の主要データは以下のとおりです。 新発10年国債利回り:1.64%(前月比+0.03ポイント) 機構債の表面利率:2.15%(前月比+0.03ポイント) ローンチスプレッド:0.51%(横ばい) このデータから、機構債の表面利率は前月比で0.03ポイント上昇していますが、【フラット35】の10月から11月にかけての金利は、住宅金融支援機構が調整幅を広げることで、0.01ポイントの上昇で抑えられました。これは、住宅ローン利用者の負担増を避けるための政策的判断といえます。 なぜ金利上昇が抑えられたのか? 最大の理由は、住宅金融支援機構が逆ザヤを許容して低金利を維持していることです。 逆ザヤとは、機構債の「仕入れ金利」が【フラット35】の「貸出金利」を上回る状態を指します。 2025年10月の機構債の表面利率が2.15%に対し、2025年11月の【フラット35】は1.90%。その差は0.25ポイントで、過去最大の逆ザヤ幅となっています。営利を目的としない住宅金融支援機構だからこそ可能な調整ですが、この状態が長期化すれば、今後の金利政策に影響を与える可能性があります。 逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35) 月 機構債表面利率(機構債発表日) フラット35金利 金利差(逆ザヤ) 2025年6月1.94%(5月22日)1.89%-0.05ポイント 2025年7月1.88%(6月20日)1.84%-0.04ポイント 2025年8月2.02%(7月18日)1.87%-0.15ポイント 2025年9月2.08%(8月21日)1.89%-0.19ポイント 2025年10月2.12%(9月19日)1.89%-0.23ポイント 2025年11月2.15%(10月17日)1.90%-0.25ポイント ※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 【フラット35】2025年12月金利予想 2025年12月の金利予想レンジは1.90%~1.95% 2025年11月は、新発10年国債利回りが1.79%まで急上昇し、機構債の表面利率も2.30%と過去半年で最大の上昇幅を記録しました。 通常であれば、この水準の機構債利率に連動して【フラット35】の金利も大きく上昇するはずですが、住宅金融支援機構は過去の傾向から急激な変化を避ける調整を行うと見られます。 そのため、2025年12月の【フラット35】金利は1.90%~1.95%と予想します。これは、前月比で最大でも+0.05ポイント程度の上昇にとどまる見込みです。 【フラット35】金利推移と2025年12月予想 9月 10月 11月 12月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※) 1.89% 1.89% 1.90% 1.90%~1.95%※12/1発表の金利は1.97%でした ※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 シナリオ①:1.90%「激変緩和」 このシナリオでは、住宅金融支援機構が国債利回りや機構債の急騰をあえて反映させず、金利を据え置く、または最小限の上昇に抑えると想定します。 背景には、住宅ローン利用者の負担増を避ける政策的意図があります。過去の事例でも、急騰局面では「激変緩和」が適用され、金利上昇幅は0.00~0.03ポイント程度に抑えられたケースが多く見られます。この場合、2025年12月の金利は前月と同じ1.90%となる可能性があります。 シナリオ②:1.95%「マイナス幅の限度+激変緩和」 もう一つのシナリオは、逆ザヤの限度を考慮しつつ、過去の調整パターンを踏まえたものです。2025年10月の機構債の表面利率と2025年11月の【フラット35】の金利差は0.25ポイントと過去最大に拡大しました。 もしこの差を維持するなら、2025年12月の【フラット35】金利は2.05%になる計算ですが、これは前月比で+0.15ポイントと急激な上昇です。過去の事例では、こうした急騰局面では「激変緩和」により上昇幅を0.05ポイント程度に抑える傾向があるため、1.95%が現実的な上限と考えられます。 主要データ(機構債・国債・ローンチスプレッドの推移) 主要データ(2025年11月20日時点) 機構債発表日 2025年8月21日 2025年9月19日 2025年10月17日 2025年11月20日 機構債の表面利率(※1) 2.08% 2.12% 2.15% 2.30% 新発10年国債利回り(※2) 1.61% 1.61% 1.64% 1.79% ローンチスプレッド(※1) 47bps(0.47%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。 【フラット35】2025年12月金利予想の背景にある4つの要素 新発10年国債利回りの急上昇(+0.15ポイント) 2025年10月から11月にかけて、新発10年国債利回りは1.64%から1.79%へ急伸しました。この背景には、高市政権による積極的な財政出動と、インフレ期待の高まりがあります。 特に、2025年度補正予算案の規模拡大が議論され、国債増発観測が強まったことで、長期金利に上昇圧力がかかりました。国債利回りは【フラット35】の金利決定に直結するため、この急騰は12月金利予想において最も重要な要素です。 機構債の表面利率と逆ザヤ問題(過去最大0.25ポイント) 機構債の表面利率は、2025年10月の2.15%から11月には2.30%へと0.15ポイント上昇しました。これに対して、【フラット35】の金利は10月から11月に1.90%へわずかに上昇しただけで、両者の差は0.25ポイントに拡大しました。 この「逆ザヤ」は過去最大であり、住宅金融支援機構が収益を犠牲にして低金利を維持している状態です。非営利の政策機関だからこそ可能な対応ですが、この状況が長期化すれば、今後の金利政策に影響を与える可能性があります。 ローンチスプレッドの横ばい傾向と意味 ローンチスプレッドとは、機構債の表面利率と新発10年国債利回りの差であり、2025年12月時点で0.51%の横ばいです。この横ばい傾向は、機構債のリスクプレミアムが安定していることを示し、市場が長期金利の急騰を一時的な現象と見ている可能性を示唆します。 つまり、スプレッドが拡大していないことは、【フラット35】の金利が急騰するリスクをやや緩和する要因となっています。 E55債の登場|低コスト資金調達の可能性 2025年10月に導入されたE55債は、住宅金融支援機構が新たに採用した資金調達手段です。従来の機構債と同様、住宅ローン債権を裏付けに発行されますが、特徴はより低コストである点にあります。 具体的には、表面利率が1.63%と機構債よりも低く、ローンチスプレッドも0.36%と小さいため、発行額が拡大すれば、機構はより安価に資金を調達でき、【フラット35】の低金利維持に寄与する可能性があります。今後、E55債の発行動向は、フラット35の金利動向を占う重要な指標となるでしょう。 E55債の概要 発表日 表面利率 10年国債利回り ローンチスプレッド 2025年10月22日1.63%1.27%0.36% ※1 出典)住宅金融支援機構「貸付債権担保E55債発行条件」 【フラット35】2025年12月金利予想の再確認と今後の見通し 住宅ローン利用者への影響|返済額はどう変わる? 2025年12月の【フラット35】金利は、前月比で最大+0.05ポイント程度の上昇が見込まれます。仮に金利が1.90%から1.95%に上昇した場合、借入金額3,000万円・返済期間35年のケースでは、月々の返済額が764円増加します。 一見すると小幅な増加ですが、長期的には総返済額で約320,000円の差が生じるため、金利動向を注視することが重要です。 借り換え検討のタイミングと注意点 今後の金利上昇局面では、以下のポイントを押さえておく必要があります。 固定金利の早期確保:変動金利から固定金利への切り替えを検討するタイミング 借り換えシミュレーションの実施:金利差だけでなく、諸費用や残債額を考慮した総合判断 フラット35の特徴を理解:長期固定で安心感がある一方、借り換え時の手数料や団信条件も確認 特に、今後の国債利回りの動向次第では、民間銀行の固定金利が先に上昇する可能性があるため、早めの行動がリスク回避につながります。 低金利はいつまで続く?政策と市場動向を徹底分析 高市政権の積極財政とインフレ圧力により、長期金利は上昇傾向にあります。しかし、住宅金融支援機構は政策的役割を担う非営利機関であり、「住宅金融の円滑化」を目的に、急激な金利上昇を抑える調整を続けています。 さらに、2025年10月に導入されたE55債による低コスト資金調達が進めば、【フラット35】の低金利維持に寄与する可能性があります。ただし、逆ザヤが長期化すれば、将来的には金利引き上げ圧力が強まるため、2026年以降は緩やかな上昇トレンドに入る可能性も視野に入れておくべきでしょう。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2025.11.27 フラット35住宅ローン
  • 【フラット35】11月金利予想|公認会計士・千日太郎が10月17日の機構債から分析!

    【フラット35】11月金利は1.90%に決定|千日太郎の予測と機構債分析!

    こんにちは、公認会計士の千日太郎です。2025年10月、自民党の新総裁に利上げ慎重派とされる高市早苗氏が選ばれ、衆議院本会議で第104代内閣総理大臣に正式に指名されました。日本維新の会との連立により過半数を確保し、憲政史上初の女性首相として高市内閣が発足しています。 高市政権の経済・金融政策は、財政出動と持続的な賃上げを重視するスタンスであり、住宅ローン金利にも影響を与える可能性があります。 この記事では、【フラット35】の11月金利予測を中心に、新発10年国債と機構債の金利推移、2つの予測シナリオとその根拠について、わかりやすく解説していきます。 2025年11月の【フラット35】金利は 1.90% に決定しました(更新日:2025年11月4日)。 【フラット35】11月金利予想 高市氏が新総裁に選ばれた直後は「高市トレード」で株価は高騰、新発10年国債利回りも一時は1.7%を超える勢いでしたが、10月中旬頃には、利回りは以前の水準に戻りました。 新発10年国債利回りについては、住宅ローンの固定金利に影響を与え、住宅金融支援機構が【フラット35】の資金調達方法としている機構債の表面利率にも影響してきます。 では早速、これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移と【フラット35】の金利予想です。 10月の金利予想と実態 10月の金利予想では、機構債の表面利率は0.04ポイント上昇したものの、新発10年国債利回りが横ばいであったため、【フラット35】の上昇は抑えられて、1.89%~1.93%の間と予想しました。結果、【フラット35】の金利は予想レンジの下限である1.89%に落ち着きました。 11月の新発10年国債利回りは0.03ポイント上昇し、ローンチスプレッドは横ばいで機構債の表面利率は0.03ポイント上昇しています。前月同様に【フラット35】の金利上昇は抑えられることを見込んで、1.89%~1.92%と予想します。 主要データ(2025年10月17日時点) 機構債発表日 2025年7月18日 2025年8月21日 2025年9月19日 2025年10月17日 機構債の表面利率(※1) 2.02% 2.08% 2.12% 2.15% 新発10年国債利回り(※2) 1.55% 1.61% 1.61% 1.64% ローンチスプレッド(※1) 47bps(0.47%) 47bps(0.47%) 51bps(0.51%) 51bps(0.51%) ※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」 ※2 新発10年国債利回りは便宜上、機構債の表面利率からローンチスプレッドを差し引いた数値としています。 8月 9月 10月 11月千日太郎の予想 【フラット35】の金利(※3) 1.87% 1.89% 1.89% 1.89%~1.92%※11/1発表の金利は1.90%でした ※3 出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」 なお、この予測ロジックは以下のとおりです。詳細は後述します。 ・予測ロジック(簡易式) 予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量) 新発10年国債利回りと機構債の金利推移 10月の新発10年国債利回りは、1.61%から1.64%へ0.03ポイント上昇し、機構債の表面利率も2.12%から2.15%へ0.03ポイント上昇しました。 ローンチスプレッドとは? 新発10年国債利回りと機構債の表面利率の差は“ローンチスプレッド”といわれます。このローンチスプレッドは、拡大傾向にありました。これは、住宅ローン利用者にとって、新発10年国債利回りが上昇した際に、住宅ローン金利の上昇幅がより大きくなることを意味します。 2025年7月から10月までのローンチスプレッドの動き 2025年7月 :0.47%(前月より+0.02ポイント) 2025年8月 :0.47%(前月と横ばい) 2025年9月 :0.51%(前月より+0.04ポイント) 2025年10月:0.51%(前月と横ばい) 7月から8月にかけては、横ばいで推移しましたが、9月には0.04ポイント拡大し、10月は再び横ばいとなりました。これは、投資家の長期金利の先高観が強まっていることを意味します。 機構債と【フラット35】の金利推移 機構債の表面利率は2.12%から2.15%へ0.03ポイント上昇しました。これに対して、千日太郎の【フラット35】金利予想は、1.89%から1.92%とし、横ばいから0.03ポイントの上昇に抑えられるというものです。 なぜ金利が抑えられるのか? この予想は、過去5か月にわたって【フラット35】が機構債の表面利率を下回っていることにあります。これは、住宅金融支援機構が収益性を問わず、低金利政策を維持していることを意味します。 【フラット35】(買取型)の仕組みをおさらい 【フラット35】(買取型)は、住宅金融支援機構が機関投資家に「機構債」という債券を販売して資金を集め、その資金で住宅ローンを提供する仕組みです(詳細は後述)。簡単に言えば、機構債の表面利率は「仕入れ値」、【フラット35】の金利は「販売価格」にあたります。 2025年6月から10月まで異例のマイナス収支が続く 対象月 機構債(前月) 【フラット35】金利 金利差 6月1.94%1.89%-0.05ポイント 7月1.88%1.84%-0.04ポイント 8月2.02%1.87%-0.15ポイント 9月2.08%1.89%-0.19ポイント 10月2.12%1.89%-0.23ポイント(過去最大) 上記は直近5か月の動きです。5月の機構債の表面利率は、【フラット35】の金利に対して、0.05%マイナスです。これは、住宅金融支援機構が1.94%で資金を仕入れて、1.89%の金利の住宅ローンとしてわたしたちに提供していることを意味します。 続いて、7月は0.04ポイントの差でしたが、8月は0.15ポイントにマイナス幅が一気に拡大し、さらに9月は0.19ポイント、10月は過去最大の0.23%までマイナス幅が拡大しました。つまり5か月連続で異例のマイナス収支が続いているだけでなく、その幅も拡大傾向にあるのです。 関連記事はこちらフラット35の買取型・保証型の違いを徹底比較!どっちがいい? 住宅金融支援機構がどこまで金利を抑えるか?2つの予想シナリオ 千日太郎の予想としては11月も収支がマイナスの状態が続くと見ています。そのため、金利の予想レンジを1.89%~1.92%とし、以下2つの予想シナリオを想定しています。 シナリオ①:1.89%「激変緩和」 10月は新発10年国債利回りが上昇していないにもかかわらず、機構債の表面利率が上昇しています。その上昇をあえて住宅ローンの金利に反映させないというシナリオです。 シナリオ②:1.93%「マイナス幅の限度」 9月の機構債の表面利率と10月の【フラット35】の金利差は、前述のとおり0.23ポイントでした。10月の機構債の表面利率が2.15%なので、仮にマイナス幅を0.23ポイントとすると11月の【フラット35】の金利は1.92%になるというシナリオです。 【フラット35】の金利が抑えられるのはいつまで? 【フラット35】の金利抑制は、日銀がマイナス金利政策を解除した2024年3月以降も続いていました。しかし、機構債の利率を下回る水準をつけたのは2025年6月が初めてです。 この背景には、住宅金融支援機構は非営利の独立行政法人であり、国の政策的役割を担っているという特性があります。しかし、営利を目的としていない住宅金融支援機構といえども、このような状態を永続的に続けられるものではありません。 政局は流動的ですが、高市氏も玉木氏も財政重視の立場をとっているため、今後も住宅金融支援機構がコストを上回る水準で【フラット35】を提供し続けることを期待しています。 【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み 住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。 出典)フラット35「Qフラット35のしくみを教えてください。」 この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を安全資産という考えで購入するので、その表面利率は新発10年国債利回りに連動する傾向があります。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 千日太郎(Sennichi Taro) 公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。 著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。 住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

    2025.10.21 フラット35住宅ローン
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