【2026年5月】フラット35金利予想:2.67~2.77%|公認会計士・千日太郎が4月17日の機構債から分析

公開日:2026.04.22

こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年4月金利は2.49%に決定|公認会計士の予測と機構債分析)では、【フラット35】の2026年4月金利を2.25%~2.35%と予想しましたが、予想より大幅に上がり、2.49%と予想レンジから外れる結果となりました。

まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年5月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。

【2026年5月 フラット35金利予想】

  • 予想レンジ:2.67% ~ 2.77%
  • 傾向:上昇
  • 要因:新発10年国債利回りの上昇

原油価格の高騰による物価上昇懸念や、日銀の利上げ観測も加わり、新発10年国債利回りは上昇傾向で推移しています。これに伴い、固定金利タイプの住宅ローンにも上昇圧力がかかっています。

この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、その根拠となる国債・機構債の動きと、私たち借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について解説します。

【フラット35】2026年4月金利予想の結果と検証

【2026年5月】フラット35金利予想:2.67~2.77%|公認会計士・千日太郎が4月17日の機構債から分析

2026年4月の金利決定結果(2.49%)

2026年4月の【フラット35】金利は2.49%に決定し、3月下旬での予想レンジ(2.25%~2.35%)の上限から0.14ポイント上がる結果となりました。

今回の予想は、機構債の表面利率が0.14ポイント上がったことに鑑みたものです。悲観的に見れば【フラット35】金利も同等の0.14ポイント上昇する恐れもありましたが、機構側の激変緩和措置により、0.10ポイント程度の上昇に抑えられると期待していました。しかし結果は、前月の【フラット35】金利(2.25%)から0.24ポイント上昇の2.49%となり、悲観的なシナリオをさらに超える大幅な上昇となっています。

なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。

・予測ロジック(簡易式)
予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量)

想定以上の金利上昇と縮小する逆ザヤ

予想を超える金利上昇とはいえ、【フラット35】の金利上昇が抑制されている状態は継続しています。これを支えているのは、過去連続10か月にわたって【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。

2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大を続け、2026年2月には0.52ポイントに達しました。一方で、3月には0.40ポイント、4月には0.30と逆ザヤが縮小傾向にあります。
この動きを踏まえて、独立行政法人として国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構が、どこまでこの「逆ザヤ」を許容し貸付金利の上昇を抑制するかが予想の焦点となります。

2026年2月から3月の動きを踏まえ、千日太郎は次の点に焦点を当てています。

  • 2026年2月の逆ザヤ「0.52ポイント」で機構の許容上限を超えた
  • 2026年3月以降どこまでの許容上限に設定するかが焦点

逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35)

年月機構債表面利率機構債発表日フラット35金利金利差(逆ザヤ)
2025年6月1.94%5月22日1.89%-0.05ポイント
2025年7月1.88%6月20日1.84%-0.04ポイント
2025年8月2.02%7月18日1.87%-0.15ポイント
2025年9月2.08%8月21日1.89%-0.19ポイント
2025年10月2.12%9月19日1.89%-0.23ポイント
2025年11月2.15%10月17日1.90%-0.25ポイント
2025年12月2.30%11月20日1.97%-0.33ポイント
2026年1月2.45%12月17日2.08%-0.37ポイント
2026年2月2.78%1月22日2.26%-0.52ポイント
2026年3月2.65%2月18日2.25%-0.40ポイント
2026年4月2.79%3月18日2.49%-0.30ポイント

出典)
・住宅金融支援機構「既発債情報
・住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)

※「住まいとお金の知恵袋編集部」作成

【フラット35】2026年5月金利予想

2026年4月から5月にかけて、新発10年国債利回りは2.24%から2.42%(※)へ、0.18ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.79%から2.97%へと0.18ポイント上がっています。単純計算すれば、5月の【フラット35】も同程度の0.18ポイント上がる計算となります。

これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。

※10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。

【フラット35】金利推移と2026年5月予想

2026年2月2026年3月2026年4月2026年5月
【フラット35】の金利(※)2.26%2.25%2.49%千日太郎の予想
2.67% ~ 2.77%

※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)

シナリオ①:激変緩和措置を織り込んだ現実的上限(2.67%)

下限の2.67%は、機構債の上昇幅(0.18ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを前月と同じ「0.30ポイント」に維持するという前提のシナリオです。2月から4月まではひと月あたり0.10ポイントのペースで逆ザヤが縮小してきましたが、これはあまりに急ピッチです。さらに4月から5月の新発10年国債利回りの上昇幅も大きいことから、激変緩和措置として逆ザヤの縮小を一時停止する可能性があるとみています。

シナリオ②:逆ザヤ縮小ペースの継続(2.77%)

上限の2.77%は、機構債の上昇幅(0.18ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを「0.20ポイント」に縮小するという前提のシナリオです。2月から4月まで続いた「ひと月あたり0.10ポイントの逆ザヤ縮小」のルールが5月にも適用されるとすれば、十分にあり得る現実的なシナリオとなります。

機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移

主要データ(2026年4月17日時点)

機構債発表日2026年1月22日2026年2月18日2026年3月18日2026年4月17日
機構債の表面利率(※1)2.78%2.65%2.79%2.97%
新発10年国債利回り(※2)2.27%2.12%2.24%2.42%
ローンチスプレッド(※1)0.51%0.53%0.55%0.55%

※1:出典)住宅金融支援機構「既発債情報

※2:10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。

まとめ

最近の【フラット35】金利は、新発10年国債利回りの上昇を背景に、上昇圧力が続く局面にあります。中東情勢などの不確定要素も相まって、市場は想定以上に振れやすい環境です。こうした中で、将来の金利を固定できる点は家計の見通しを安定させる大きなメリットといえます。また、逆ザヤ幅は縮小傾向にあるものの、まだ調達金利よりも低い金利で提供されていることは確かです。

今のように変化の激しい経済環境にあって【フラット35】は、公的融資という側面から急激な変動が抑えられることが期待されます。複数の金融機関で仮審査に申し込み、変動金利・固定金利の両面で返済シミュレーションを実施するなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをおすすめします。

※この記事は2026年4月17日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。

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執筆者紹介

千日太郎(Sennichi Taro)
公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。
著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。
住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

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