リ・バース60は本当に危ない?誤解されがちな仕組みを解説

更新日: / 公開日:2025.01.28

「リ・バース60ってやばいの?」 そんな不安を感じている人も少なくありません。SNSや口コミでは、制度の仕組みが誤解され、「怖い」「危険」といった声が見られることもあります。
しかし、そもそもリ・バース60は、高齢者の住まいや資金計画を支えるために、住宅金融支援機構が提供する安心して利用できる住宅ローン制度です。

この記事では、リ・バース60に対する誤解の背景や制度の安全性、他のローン商品やサービスとの違い、契約前に知っておきたいポイントなどを、わかりやすく解説します。
なお、リ・バース60の基本的な仕組みや特徴について詳しく知りたい人は、以下の関連記事をご覧ください。

「リ・バース60はやばい」と言われる理由とは?

ネガティブな印象を持たれる背景

リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供する高齢者向けの住宅ローンです。契約者が亡くなった後に元金を一括返済する仕組みを採用しているため、一般的な住宅ローンとは異なる点が多く、「契約内容が複雑」「返済方法がわかりにくい」といった印象を持たれることがあります。

特に、「亡くなった後に家を失い、負債が残るのでは?」という懸念は、リ・バース60の仕組みを十分に理解していないことから生じる誤解です。実際には、ノンリコース型を選択すれば、自宅の売却代金で残債が完済されなかったとしても、相続人に追加の返済義務は発生しません。

よくある誤解とその発信源

リ・バース60に対する誤解は、以下のような情報源から広がる傾向があります。

SNSや口コミでの断片的な情報

本来の仕組みを無視した一部の情報が拡散され、「家を失う」「借金が残る」といった不安を煽る表現が、商品への誤解を生んでいます。

過去のリバースモーゲージ制度との混同

民間金融機関が提供するリバースモーゲージと、住宅金融支援機構の「リ・バース60」は制度設計が異なります。過去に報道された返済トラブルなどと混同されることで、商品全体に対する不安が広がることがあります。

相続に関する不安の拡大

「相続人が借金を背負うのでは?」という懸念は、リコース型とノンリコース型の違いを理解していないことに起因します。商品設計上、ノンリコース型を選択すれば、相続人に返済義務は生じません。

このような誤解は、リ・バース60の仕組みを正しく理解することで解消できます。次のセクションでは、リ・バース60の実際のリスクと安全性について詳しく解説します。

リ・バース60のリスクと仕組みの安全性

元金一括返済のタイミングと仕組み

リ・バース60では、契約者が亡くなった後に元金の一括返済が行われます。返済方法は、相続人が自己資金で支払うか、自宅を売却して返済するかを選択できます。

この仕組みは、契約者の生存中は利息のみを支払うことで月々の負担を軽減し、亡くなった後に元金を精算するという設計になっています。

ノンリコース型の安心設計

リ・バース60には「ノンリコース型」と「リコース型」の2種類があり、契約時に選択します。ノンリコース型では、担保不動産の売却代金で借入残高を返済し、それでも残債がある場合は、相続人に追加の返済義務は発生しません。

つまり、売却代金が不足しても、相続人が債務を引き継ぐことはありません。この設計により、相続人の経済的な負担を避けたいと考える契約者にとって、安心して利用できる商品となっています。

担保不動産の扱いと相続人の責任

一方、リコース型を選択した場合は、担保不動産の売却代金で借入残高を返済しきれないと、相続人が不足分を返済する義務を負うことになります。

リコース型は、ノンリコース型よりも金利が低く設定される傾向がありますが、相続人にとってはリスクがあるため、契約前に家族と十分に話し合い、商品の内容を理解したうえで選択することが重要です。

リ・バース60が向いている人・向いていない人

リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供する高齢者向けの住宅ローンであり、資金使途が住宅関連に限定されている点や、契約者の死亡後に元金を一括返済する仕組みなど、一般的な住宅ローンとは異なる特徴があります。

ここでは、商品設計上、リ・バース60が向いている人と、注意が必要な人を整理します。

リ・バース60が向いている人

以下のような人は、商品の目的や仕組みに合致しており、利用を検討する価値があります。

年金生活者で持ち家がある人

リ・バース60は、自宅を担保に住宅関連資金を借り入れる制度であり、月々の支払いが利息のみで済むため、年金収入など限られた収入でも利用しやすい設計です。

また、持ち家があることは制度の利用条件の一つであり、担保評価額に応じて融資額が決まるため、資金調達の選択肢として検討しやすいと言えます。

住み替えやリフォームを検討している人

リ・バース60は、住宅購入・建設・リフォーム・借り換えなど、住宅関連の資金使途に限定された制度です。そのため、老朽化した住まいの改修や、ライフスタイルの変化に伴う住み替えを検討している高齢者にとって、目的に合った資金調達手段として活用しやすい設計になっています。

特に、自己資金の負担を抑えながら住宅環境を整えたい人にとって、有力な選択肢となり得ます。

相続人と事前に話し合いができている人

リ・バース60は、契約者の死亡後に元金を一括返済する仕組みであるため、相続人の理解と協力が不可欠です。ノンリコース型を選択すれば、売却代金で残債が返済しきれない場合でも、相続人に追加の返済義務は発生しません。

とはいえ、契約内容や返済方法について事前に家族と共有しておくことで、将来的なトラブルや誤解を防ぎ、安心して制度を利用することができます。

注意が必要なケース

以下のような人は、制度の仕組みと目的に照らして、慎重な検討が必要です。

不動産を相続したい人

リ・バース60では、契約者の死亡後に元金を一括返済する必要があるため、担保となる自宅を売却して返済するケースも想定されます。そのため、自宅を相続財産として残したいと考えている人にとっては、制度の利用が相続計画に影響を及ぼす場合があります。

相続人との合意形成を図りつつ、資産全体の構成を踏まえた上で、制度の利用可否を慎重に見極めることが重要です。

自宅の評価額が低い人

リ・バース60の融資限度額は、自宅の担保評価額に基づいて決定されます。評価額が低い場合、希望する資金が借りられないことがあるため、商品の利用が制限されることがあります。

特に、評価額が下がる可能性がある物件については、仮審査を通じて事前に金融機関の判断を確認しておくと安心です。

生活資金としての利用を考えている人

リ・バース60は住宅ローンの一種であり、資金使途は住宅関連に限定されています。生活費や医療費、日常的な支出などには利用できないため、これらの目的で資金調達を検討している人には適していません。

住宅購入やリフォーム、借り換えなど、融資の対象となる資金使途を十分に理解したうえで、目的に合った商品を選ぶ必要があります。

リ・バース60とほかの商品・サービスとの比較

リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供する住宅ローンであり、民間金融機関が提供するリバースモーゲージや、不動産取引に該当するリースバックとは、仕組みや目的が異なります。

ここでは、それぞれの商品・サービスの違いを整理し、利用目的に応じた選択の参考になるよう比較します。

リバースモーゲージとの違い

リバースモーゲージは、主に民間金融機関が提供する商品で、生活費や医療費など幅広い資金使途に対応しています。一方、リ・バース60は住宅ローンの一種であり、資金使途が住宅関連に限定されている点が大きな違いです。

リ・バース60とリバースモーゲージの比較表
項目リ・バース60リバースモーゲージ
資金用途住宅購入・リフォーム・借り換えなど住宅関連生活費・医療費・旅行など
提供元住宅金融支援機構と提携する金融機関民間金融機関
所有権維持
毎月の支払い利息

リースバックとの違い

リースバックは、自宅を不動産会社などに売却し、その後も賃貸契約を結んで住み続けられるサービスです。資金調達の手段としては共通点がありますが、契約形態や所有権の扱いが大きく異なります。

リ・バース60とリースバックの比較表
項目リ・バース60リースバック
所有権維持売却により手放す
契約形態金銭消費貸借契約売買契約+賃貸契約
毎月の支払い利息家賃

リ・バース60を検討する前に知っておきたいこと

リ・バース60は、一般的な住宅ローンとは異なる仕組みを持つ商品です。契約前に確認しておきたいポイントを、よくある質問形式で整理しました。商品の基本的な特徴や注意点を理解することで、安心して検討することができます。

Q. リ・バース60を利用すると、自宅を手放すことになりますか?

A.いいえ。
リ・バース60では、自宅を担保に資金を借り入れますが、契約者の生存中は所有権を維持したまま住み続けることができます。亡くなった後に元金を一括返済する際、自宅を売却するかどうかは相続人の判断によります。

Q. 生活費や医療費など、住宅以外の目的に使えますか?

A. 使えません。
リ・バース60は住宅ローンの一種であり、資金使途は住宅関連に限定されています。具体的には、住宅の購入・建設・リフォーム・借り換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金などが対象です。

Q. 相続人に返済義務はありますか?

A. 契約の種類によって異なります。
ノンリコース型を選択した場合、自宅の売却代金で借入残高を返済しきれなくても、相続人に追加の返済義務は発生しません。一方、リコース型では、売却代金で不足が生じた場合、相続人がその差額を返済する必要があります。

Q. 金利はどのように決まりますか?

A. 金利は金融機関ごとに異なります。
固定金利型と変動金利型があり、選択するタイプによって返済額が変わります。また、ノンリコース型とリコース型でも金利設定に差があるため、契約前に金融機関の条件を比較することが大切です。

まとめ

リ・バース60は、住宅金融支援機構が提供する高齢者向けの住宅ローン制度であり、住宅関連資金に特化した設計となっています。「やばい」「怖い」といった印象は、制度の仕組みや契約内容に対する誤解から生じることが多く、正しく理解することで不安は解消できます。

この記事では、制度に対する誤解の背景、実際のリスクと安全性、他制度との違い、そして契約前に確認すべきポイントを整理しました。特に、ノンリコース型を選択することで相続人の返済義務が発生しない仕組みや、資金使途が住宅関連に限定されている点など、制度の特徴を理解することが重要です。

リ・バース60は、住まいに関する課題を抱える高齢者にとって、有効な選択肢となり得ます。検討にあたっては、金融機関ごとの条件を比較し、家族と十分に話し合ったうえで、専門家への相談を活用することをおすすめします。

執筆者紹介

「SBIシニアの住まいとお金」スタッフ
シニア世代の住まいから、住宅ローンや老後の資産形成などのポイントをわかりやすく丁寧に解説していきます。様々な資格と経歴を持った住まいとお金のプロフェッショナルが執筆、監修を行っています。
関連キーワード
#住宅ローン