年収1,800万円世帯の住宅ローン借入可能額は?返済シミュレーションも紹介

更新日: / 公開日:2025.07.02

住宅ローンを利用して自宅を購入する場合、「年収1,800万円の世帯は、どのくらい借りられるのか」と気になる方もいるかもしれません。共働き世帯では、世帯年収を合算できるため、借入可能額が単身世帯より高くなる傾向があります。

この記事では、年収1,800万円の世帯が借りられる住宅ローンの目安を解説します。さらに、返済シミュレーションや住宅ローンを組む場合の注意点も紹介します。

住宅ローンの借入可能額はどう決まる?

年収1,800万円世帯の住宅ローン借入可能額は?返済シミュレーションも紹介

住宅ローンの借入可能額は、金融機関が申込人の返済能力や不動産の価値などを総合的に判断して決定します。一般的には、以下のような項目が重要視されます。

返済負担率

返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です。住宅ローンは給与などの収入から返済されるため、申込者の返済能力を判断する指標となります。金融機関の審査ではこの比率が35%前後まで承認されるケースもありますが、「借りられる上限額」まで目一杯ローンを組んでしまうと、生活費にしわ寄せがいき、将来の家計が立ち行かなくなるリスクが高まります。

以下では、日々の生活に余裕を持てる「返済負担率15%」から、融資の上限となる「35%」まで、適用金利1%の場合の月々の返済額、借入可能額の目安を比較します。
【条件】

  • 返済期間:35年
  • 適用金利:1.0%(変動金利を想定)
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし)
返済負担率年間返済額月々の返済額借入可能額の目安
15%270万円22.5万円約7,970万円
20%360万円30.0万円約1億627万円
25%450万円37.5万円約1億3,283万円
30%540万円45.0万円約1億5,940万円
35%630万円52.5万円約1億8,597万円

出典)住宅金融支援機構「毎月の返済額から借入可能金額を計算」をもとに「住まいとお金の知恵袋編集部」試算

※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。

※金利はシミュレーションのための仮定値であり、実際の適用金利を示すものではありません。また、将来の金利変動によって、借入後の返済負担率および返済額が変動することもあります。

上記のように、返済負担率をどこに設定するかによって、購入できる住宅の価格帯(借入可能額)は大きく変わります。上限とされる返済負担率35%の場合、1億8,000万円以上の借入も可能と試算されますが、一般的に無理のない返済の目安とされる返済負担率は20〜25%程度であり、上記試算では1億600万〜1億3,200万円の水準となります。

融資率

融資率とは、不動産の購入金額に対する住宅ローンの借入金額の割合です。以下の算式で計算します。

融資率(%)=住宅ローンの借入金額÷不動産の購入金額×100

融資率の上限は、金融機関や住宅ローン商品ごとに異なります。最近では融資率100%で融資を受けることができる住宅ローン商品もありますが、一般的に不動産価格の10~20%程度の頭金を準備したほうが良いとされています。融資率が高いほど自己資金は少なく済む一方で、金融機関から提示される金利が高くなったり、審査が厳しくなったりします。

返済能力

金融機関は、申込者の年収や勤務先、勤続年数をもとに返済能力を判断します。そのため、収入の安定性や勤務先、勤続年数、預貯金などが審査の対象となり、借入可能額に影響を与えます。

不動産の担保価値

一般的に金融機関は、申込者が住宅ローンを組む際、購入する不動産に抵当権を設定します。申込者が万が一住宅ローンを返済できなくなると、金融機関は抵当権を実行して担保不動産を売却し、借入金の返済に充当します。このような仕組みのため、不動産の担保価値も住宅ローンの借入可能額を決定する重要な要素となります。

借入期間・年齢

金融機関は、住宅ローンの申込条件として、借入期間や完済時年齢を設定しています。借入期間は最長35年、完済時年齢は80歳未満とする金融機関が一般的です。若いうちに借り入れをするほうが、借入期間を長く設定できるため、借入可能額を増やすことができます。

平均的な「年収倍率」と自身の適正額を比較する

自身の予算設定が世間一般と乖離していないかを確認する補助指標として、「年収倍率」があります。年収倍率とは「住宅の購入価格が世帯年収の何倍にあたるか」を示す指標です。
住宅金融支援機構の「2025年度 フラット35利用者調査」によると、【フラット35】利用者の全国平均は以下の通り5.3倍〜7.8倍の水準となっています。なお、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査では、年収倍率は「所要資金÷世帯年収」で算出されます。

住宅種別年収倍率
土地付注文住宅7.8倍
マンション7.5倍
注文住宅6.9倍
建売住宅6.9倍
中古マンション5.6倍
中古戸建5.3倍

出典)住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査p.12」をもとに「住まいとお金の知恵袋編集部」作成

年収倍率を確認指標として活用する

上記のデータは「あらゆる所得層を含む【フラット35】利用者の全国平均」であり、年収1,800万円の世帯に適した予算水準を示すものではないことに注意が必要です。

そのうえで、前述の返済負担率をベースに算出した借入金額約1億3,200万円(返済負担率25%、適用金利1%、元利均等返済)の年収1,800万円における年収倍率は約7.3倍となり、【フラット35】利用者の平均的な年収倍率と同程度の水準となります。

年収倍率は「ご自身の資金計画が世間の相場から乖離していないか」を確認する補助的な指標として活用しつつも、平均値に縛られず、あくまでご自身の「返済負担率」や「将来の支出見込み」を軸に判断することが大切です。

借入金額別の住宅ローン返済シミュレーション

前述の返済負担率から借入金額を1億600万円、1億3,200万円としたときの「返済期間35年、元利均等返済、ボーナス払いなし」を条件にシミュレーションすると以下のようになります。
<借入金額1億600万円の場合>

適用金利月々の返済額総返済額
1.0%約29.9万円約1億2,567万円
2.0%約35.1万円約1億4,748万円
3.0%約40.8万円約1億7,133万円

<借入金額1億3,200万円の場合>

適用金利月々の返済額総返済額
1.0%約37.3万円約1億5,650万円
2.0%約43.7万円約1億8,365万円
3.0%約50.8万円約2億1,336万円

出典)住宅金融支援機構「返済プラン比較シミュレーション」にて「住まいとお金の知恵袋編集部」試算

※将来にわたり金利は変動しないと仮定した試算

※本試算は、上記出典をもとに算出した参考値です。実際の金額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。

適用金利の違いは、毎月の返済額および総返済額に大きく影響します。特に借入金額が大きくなるほど、同一の金利差であっても返済負担の差額が拡大する構造となっています。

年収1,800万円の世帯が住宅ローンを組む注意点

年収1,800万円の世帯は一般的な家庭よりも高所得であるため、高額な住宅ローンを組めます。一方で、以下の点に注意しながら計画することが重要です。

無理のない返済計画を立てる

人生では教育費や老後資金など、住宅購入の他にもまとまったお金が必要な場面があります。また、万が一の病気やケガなどにより収入が減少することもあるでしょう。無理なく返済を続けられるように、将来のライフイベントにおける支出や収入の変化も考慮に入れて住宅ローンの借入金額を決めることが重要です。

自身に合った金利タイプを選ぶ

住宅ローンの金利タイプは、大きく変動金利と固定金利の2つに分けられます。変動金利は金利が低めに設定されていますが、将来金利が上昇して返済負担が増えるリスクがあります。
一方、固定金利は将来の金利上昇リスクを回避できますが、借入時の金利は比較的高めです。それぞれメリット・デメリットがあるため、比較検討したうえで自身に合った金利タイプを選択しましょう。

諸費用がかかることを考慮する

不動産を購入する場合、不動産価格以外にもさまざまな諸費用がかかります。具体的には、仲介手数料、事務手数料、登記費用、火災保険料、地震保険料などがあります。住宅ローンを契約する前に、諸費用がいくらかかるかを把握しておきましょう。

まとめ

年収1,800万円の世帯は、年収倍率が6倍以上ともなれば住宅ローンを1億円以上借りられます。しかし、将来のライフイベントや収入減少のリスクも考慮に入れて、無理のない返済計画を立てることが重要です。「借りられる金額」ではなく、「無理なく返済できる金額」を意識して住宅ローンを組むようにしましょう。

執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

関連キーワード