住まいとお金の知恵袋
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「老後の住まい」の記事一覧

  • 老後のマンション住まいのメリット・デメリットを解説

    老後の住まいとしてマンションを検討することがあるかもしれません。マンションは利便性が高いイメージがありますが、実際に住んだことがない人は、自分に合っているか不安に感じることもあるでしょう。 この記事では、戸建てと比較しながら老後の住まいにマンションを選ぶメリットやデメリット、注意点について解説します。 老後の住み替えの主な理由 SBIエステートファイナンス株式会社が2022年6月に実施したアンケート調査によると、60歳以上の持ち家所有者で「自宅を住み替えたい」と考えている人の主な理由は、「建物の老朽化」と「間取りへの不満(広すぎる、狭すぎる)」がともに38%を占めていました。 これらの理由から簡易的なリフォームでは解決しにくい建物への不満があると考察できます。また、建物自体に問題がなくとも、定年退職や子どもの独立といったライフイベントがタイミングとして考えられるでしょう。 関連記事はこちらシニアが自宅売却と物件購入を同時に実現する難しさ 高齢になるほどマンションは困りごとが少ない 住宅金融支援機構の調査によると、住宅について困っていることについて「特に困っていることはない」と回答した50代~70代の割合は以下のとおりです。 「特に困っていることはない」の割合 年代/住まい マンション 戸建て 50代51.4%42.3% 60代62.3%39.0% 70代80.0%43.4% マンションと戸建てを比較すると、全年代でマンションのほうが「特に困っていることがない」という回答が多い結果となりました。さらに、マンションは高齢になるほど「特に困っていることはない」の割合が増加しており、70代では8割にのぼります。 出典)住宅金融支援機構「高齢者の住宅ニーズ等の分析」P.16 項目別では、マンションは「住宅が狭い」、戸建ては「庭の手入れや冬の雪かきが面倒」「内壁や外壁がところどころ傷んでいる」の割合が高くなっています。 出典)住宅金融支援機構「高齢者の住宅ニーズ等の分析」P.16 老後の住まいにマンションを選ぶメリット 老後のマンション住まいは、戸建てに比べて次のようなメリットがあります。 管理が楽 マンションでは、毎月管理費と修繕積立金を支払うことで管理会社が共用部の清掃や修繕を行います。エントランスや廊下、庭などの清掃は管理人に任せることができます。さらに、エレベーターなどの設備の故障、建物の劣化なども管理会社が修繕工事を手配してくれます。 戸建てでは、基本的に清掃や修繕はすべて自分で行うことになるので、マンションのほうが管理は楽といえます。 利便性が高い 高齢になるにつれて、体力面で長距離の移動は難しくなるかもしれません。郊外に位置する戸建ての場合、エリアによっては買い物や通院に時間がかかります。 マンションは都市部の駅近など、利便性の高いエリアに供給されていることが多いです。公共交通機関が利用しやすく、商業施設や病院などが近くにあるマンションなら老後も快適に暮らせるでしょう。 セキュリティが高い マンションは、セキュリティが高いのもメリットです。近年では、オートロックや防犯カメラ、宅配ボックスなどが標準でついているところもあります。外部から侵入しにくい環境が整っているため、防犯面以外でも無理な勧誘などのトラブルを回避できるでしょう。 戸建てもセキュリティ対策は可能ですが、共用のエントランスや常駐の管理人がいないため、マンションに比べると外部から侵入しやすく、防犯強化のための費用もかかります。 資産価値が維持されやすい 戸建ては、築年数が古くなると建物の評価が下がることが一般的です。それに対して、マンションは資産価値が維持されやすく、立地が良ければ築年数が古くなっても値上がりする可能性もあります。 万が一、老後の生活費が不足した場合、資産価値が維持されていれば、不動産売却や自宅を担保にした借り入れにより、まとまった資金を作ることも可能です。 老後の住まいを選ぶ際のポイント 老後の住まいを選ぶ際の主なポイントは次の3つです。 持ち家か賃貸か マンションか戸建てか 都市部か郊外か 住まいを選ぶうえではさまざまな要因が関係しますが、基本的には上記3つを組み合わせて考えるといいでしょう。それぞれの特徴を理解できれば、自分に合った理想の住まいが見えてきます。老後の住まいを選ぶ3つのポイントについては、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちら老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説 老後の住まいにマンションを選ぶ注意点 老後の住まいにマンションを選ぶ場合は、次のような点に注意が必要です。 騒音やプライバシーのトラブルがある マンションは、同じ建物内に多くの人が住む集合住宅です。部屋は別でも近隣との居住空間は近いため、騒音やプライバシーに関するトラブルが発生しやすい環境といえます。 生活音だけでなく、ゴミの出し方や駐車場の使い方などでトラブルになり、人間関係がうまくいかなくなる場合もあります。 戸建ても近隣トラブルが発生する恐れはありますが、近隣とは建物が分かれており、一定の距離が保たれているため、マンションに比べるとトラブルは発生しにくいでしょう。 リフォームやリノベーションの制限がある マンションでは管理規約が定められており、その規約を守って生活する必要があります。規約において、リフォームやリノベーションに制限が設けられているケースも少なくありません。 希望に合わせてリフォームやリノベーションができる戸建てに比べると、マンションは自由度は低いといえるでしょう。 マンションならではの制限がある マンションは「ペット禁止」などの制限が設けられていることもあり、戸建てに比べると自由度が低い傾向にあります。また、思わぬエレベーターの故障など、マンションならではの問題が発生することもあります。 まとめ マンションのメリットは、物件管理に手間がかからず、利便性やセキュリティが高いことです。また、戸建てに比べて資産価値が維持されやすい傾向にあります。一方で、騒音などのトラブルが発生しやすく、リフォームなどの制限が設けられていることがあります。 それぞれのメリットとデメリットを比較検討したうえで、老後の住まいにマンションを選ぶかを検討しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 シニアが住み替える際の4つのポイント シニア世代は、子どもの独立や退職などをきっかけに生活環境が大きく変化します。今住んでいる家がライフスタイルに合わなくなると、将来を見据えて住み替えを検討することもあるでしょう。 この記事では...

    2024.08.14住み替え老後の住まい
  • 老後に賃貸物件は借りにくい?

    老後に賃貸物件は借りにくい?その理由や対策を紹介

    「持ち家より賃貸物件で暮らしたい」という希望がある一方で、「老後に賃貸物件を借りられないのでは」と不安を感じている人もいるでしょう。しかし、「老後に賃貸物件は借りにくい」のは事実なのでしょうか。 この記事では、「老後に賃貸物件は借りにくい」と言われる理由とその対策を紹介します。 「老後に賃貸物件は借りにくい」という結果が出ている 神奈川県が不動産業者を対象に実施したアンケートによると、賃貸住宅の媒介で家主から入居を断るように言われた住宅確保要配慮者※の割合は下表のとおりです。 住宅確保用配慮者の区分 2018年度 2023年度 高齢者 57.6% 49.6% 知的・精神障がい者 55.9% 52.2% 外国人 51.7% 46.0% ※住宅確保要配慮者とは、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯など、法律において住宅の確保に配慮が必要と定められている人のこと 出典)神奈川県住宅計画課「神奈川県における高齢者・住宅に関する状況等について」 「高齢者」であることは、不動産業者が家主から入居を断られる理由において、2018年度は第1位、2023年度は第2位です。2023年度において、知的・精神障がい者に次ぐ理由であり、外国人よりも拒否感が高い結果となっています。 2018年度に比べて割合は下がっているものの、家主の約半数が、高齢者の入居に対して拒否感を抱いているようです。 高齢者が賃貸物件を借りにくい理由 神奈川県の同アンケートにおいて、家主が入居を断った理由で高齢者に当てはまると考えられるものは以下のとおりです。 家主が断った理由 2018年度 2023年度 病気や事故(孤立死等)に不安がある 73.7% 65.1% 単身者など介護者がいないことに不安がある 30.5% 34.9% 家賃の支払いに不安がある 50.5% 34.3% 緊急連絡先となる人がいない 31.6% 37.8% 出典)神奈川県住宅計画課「神奈川県における高齢者・住宅に関する状況等について」 「病気や事故に不安がある」は、2018年度が第1位、2023年度が第2位でした。「単身者など介護者がいない」「緊急連絡先となる人がいない」も3割を超えています。 賃貸住宅で孤立死が発生すると、家主は原状回復や家財の処分などを対応しなければならない他、親族と連絡が取れないこともあるなど、多大な労力がかかります。また、状況によってはいわゆる事故物件となり、不動産評価額の下落や収益低下が懸念されるため、家主の不安につながっていると考えられます。 なお、「家賃の支払いに不安がある」も3割を超えていますが、2018年度に比べると割合は低下しており、働き続ける高齢者が増加しているなどの社会背景も考えられます。 老後に賃貸物件を借りやすくするには 老後に賃貸物件を借りやすくするためには、可能な限り家主側の不安を解消することが重要です。ここでは、家主側の不安を解消するための手段をいくつか紹介します。 緊急連絡体制を整備しておく 上述の調査結果でも多かった「病気や室内での孤立死」や「緊急連絡先がいない」といった家主側の不安を解消するために、可能であれば連帯保証人になってもらい、緊急連絡先として登録させてもらいましょう。 また、親族が近くに住んでいる場合は、親族が近くにいることを家主に伝えれば、安心してもらえるかもしれません。 もし近隣に頼れる人がいない場合は、民間の安否確認サービスや身元保証サービスなどを活用し、緊急連絡体制を整備しておくことも有効です。その際は、費用やサービス内容に差があるため、事前に説明を受けて納得のできる事業者を選ぶことが重要です。 家賃の滞納リスクを軽減する 「家賃の支払い」の不安を解消する場合も、親族に連帯保証人になってもらう方法が有効です。もし、親族に連帯保証人になってもらうのが難しい場合や、単身で頼れる親族がいない場合は、滞納家賃の保証制度を検討しましょう。 例えば、一般財団法人高齢者住宅財団では、60歳以上の高齢者世帯を対象に「家賃債務保証」を提供しています。入居者が家賃を滞納した場合、月額家賃の12ヵ月分相当を限度に高齢者住宅財団から家主に家賃が支払われる仕組みです。 保証料は原則入居者負担で、契約時に一括で支払います。2年間の保証の場合、月額家賃の35%です。賃貸住宅の家主から利用申請を行い、保証契約を締結します。 まずは家主に、高齢者住宅財団の家賃債務保証を利用した入居が可能かを確認するといいでしょう。 出典)一般社団法人 高齢者住宅財団「家賃債務保証」 老後の住まいの選択肢 上述のような対策をしても家主の同意を得られない場合は、高齢者向けの住宅を検討しましょう。近年では、高齢者向け住宅の供給が増加傾向にあります。 例えば、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者が住みやすいように配慮された賃貸住宅です。一般的な賃貸住宅と同じように、毎月賃料を支払って利用します。 バリアフリーに配慮された設計になっており、安否確認と生活相談の提供が義務付けられています。自立した生活を送りながらも、適度なケアを受けられるのが特徴です。 関連記事はこちらサービス付き高齢者向け住宅とは?入居条件や費用を解説 また、賃貸ではありませんが、資金に余裕がある場合はシニア向け分譲マンションも選択肢です。バリアフリー化されており、レストランでの食事提供や見守り、生活相談などの高齢者向けの様々なサービスを受けられます。 また、温泉やフィットネスジムなどの共用施設が充実している物件も多いため、趣味を充実させたい人に向いているでしょう。 関連記事はこちらシニア向け分譲マンションとは?特徴とメリット・デメリットを解説 まとめ 入居者の病気や孤立死、家賃の滞納などへの不安から、高齢者の入居に拒否感を抱く家主が一定割合存在するため、老後の賃貸は借りにくいのが現状です。 ただし、家賃保証債務や民間の身元保証サービスなどを活用することで、老後も賃貸物件に入居できる可能性は高まります。一般的な賃貸住宅への入居が難しい場合は、高齢者向け住宅の利用も視野に入れましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 セーフティネット住宅とは?入居条件や費用をわかりやすく解説 賃貸住宅は持ち家に比べて気軽に引っ越しもでき、自由度が高いのが魅力です。しかし、働いていない高齢者などは入居を断られることがあります。そこで、賃貸住宅に安心して入居するために、「セーフティネ...

    2024.02.07老後の住まい
  • セーフティネット住宅とは

    セーフティネット住宅とは?入居条件や費用をわかりやすく解説

    賃貸住宅は持ち家に比べて気軽に引っ越しもでき、自由度が高いのが魅力です。しかし、働いていない高齢者などは入居を断られることがあります。そこで、賃貸住宅に安心して入居するために、「セーフティネット住宅」を利用するのも選択肢です。 この記事では、セーフティネット住宅の概要や入居条件、費用について詳しく解説します。 セーフティネット住宅とは セーフティネット住宅とは、住宅セーフティネット制度に登録されている、住宅確保要配慮者(詳細は後ほど説明)の入居を拒まない賃貸住宅です。 高齢者や障がい者など、住宅の確保に配慮が必要な人は今後も増加が見込まれています。しかし、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅は、財政的な負担が大きいことから増加が見込めない状況です。 そこで、2017年10月に、増加している民間の空き家を活用した住宅セーフティネット制度が始まりました。住宅セーフティネット制度は、以下3つの柱で成り立っています。 住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度 登録住宅の改修や入居者への経済的な支援 住宅確保要配慮者に対する居住支援 【参考】住宅セーフティネットの仕組み 出典)国土交通省「住宅セーフティネット制度について」 住宅確保要配慮者とは セーフティネット住宅は、住宅確保要配慮者が賃貸人に入居を申し込みできます。住宅確保要配慮者の範囲は以下のとおりです。 ①低額所得者(月収15.8万円(収入分位25%)以下) ②被災者(発災後3年以内) ③高齢者 ④障がい者 ⑤子ども(高校生相当まで)を養育している者 ⑥住宅の確保に特に配慮を要するものとして国土交通省令で定める者 上記⑥は、外国人や東日本大震災等の大規模災害の被災者(発災後3年以上経過)などが含まれます。 住宅確保要配慮者の厳しい現状 国土交通省の資料によると、賃貸人は住宅確保要配慮者の入居に対して以下のようなネガティブな意識を持っています。 〇住宅確保要配慮者の入居に対する賃貸人(大家等)の意識 出典)国土交通省「住宅セーフティネット制度の現状について」(P.3) 賃貸人の約7割は高齢者や障がい者の入居、賃貸人の約6割は外国人の入居に対して拒否感を抱いています。また、賃貸人が入居を制限する理由は以下のとおりです。 〇賃貸人(大家等)の入居制限の理由 出典)国土交通省「住宅セーフティネット制度の現状について」(P.3) 賃貸人は、他の入居者や近隣住民との協調性、家賃の支払い、居室内での死亡事故等に対して不安を強く感じているようです。これらの結果から、住宅確保要配慮者が一般的な賃貸住宅を利用するのは困難であり、住宅セーフティネット制度が必要とされていることが分かります。 セーフティネット住宅の登録基準 賃貸人は、セーフティネット住宅として都道府県、政令市、中核市に賃貸住宅を登録できます。主な登録基準は以下のとおりです。 ①耐震性を有すること ②住戸の床面積が原則25㎡以上であること ③家賃の額が近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないこと 共同居住型住宅(シェアハウス)については、住宅全体の面積や専用居室、共用部分について別途基準が定められています。 入居を受け入れる住宅確保要配慮者の範囲 セーフティネット住宅では、住宅確保要配慮者の受け入れが必要です。ただし、すべての住宅確保要配慮者を受け入れる必要はなく、範囲を限定して登録できます。例えば、「高齢者の入居は拒まない」「高齢者、低額所得者の入居は拒まない」といった具合です。マンションなどの集合住宅については、住戸単位での登録が可能です。 セーフティネット住宅の費用 国土交通省の資料によると、セーフティネット住宅の家賃の状況は以下のようになっています。 〇セーフティネット住宅の家賃の状況 出典)国土交通省「住宅セーフティネット制度の現状について」(P.7) 全国では家賃5~8万円、東京都では家賃6~10万円の住宅が全体の70%以上を占めています。なお、一般的な賃貸住宅に住むときと同様に、敷金や礼金が必要な場合もあります。 セーフティネット住宅の現状 2022年12月末現在、登録住宅のほとんどが共同住宅です。戸建て住宅は0.1%しかありません。戸建て住宅への入居を希望する場合、セーフティネット住宅の物件を見つけるのは難しいでしょう。また、登録住宅の空室率は2.3%となっており、既にほとんど埋まっている状態です。 住宅確保要配慮者の対象を見る限り、セーフティネット住宅の需要は高まると考えられます。現在は需給バランスが取れておらず、このままでは今後増加が見込まれる単身世帯の需要に対応できない恐れがあります。 空き家問題の解決に繋がるか 住宅セーフティネット制度は、住宅確保要配慮者への住居提供だけでなく、空き家問題の解決策としても期待されています。 セーフティネット住宅の提供は、公営のみでは限界があるので、民間の協力が不可欠です。そこで、空き家となっている住宅をセーフティネット住宅として提供することが推奨されています。 セーフティネット住宅は需要増加が見込まれているため、空き家の登録が増えれば、「要配慮者の住宅確保」と「空き家の解消」という2つの課題を同時に解決できる可能性があるといえます。 まとめ セーフティネット住宅であれば、高齢者や障がい者、子育て世帯など、住宅の確保に配慮が必要な人でも安心して入居できます。入居可能な物件は「セーフティネット住宅情報提供システム」で検索可能です。 一般的な賃貸住宅への入居が難しい場合は、セーフティネット住宅を検討してみてはいかがでしょうか。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 老人ホーム・介護施設とは?公的施設と民間施設の違いも解説 誰でも年をとると、身の回りのことができなくなったり、思ったようにできなくなったりしていきます。体が弱ってきたとき、あるいは要介護状態になったとき、自宅以外の住まいの選択肢として、どのような候...

    2024.01.10老後の住まい
  • 老後の住まいのトレンドは?

    高齢者の住まいの現状は?老後の快適な暮らしのための対策を紹介

    高齢になって体力が低下し、介護の必要性が高まってくると、間取りや設備などに住みづらさを感じるかもしれません。老後を快適に過ごすためには、住まいへの備えが不可欠です。 高齢期の住まいにはさまざまな選択肢があるため、現状や課題を把握したうえで、対策を行うことが大切です。この記事では、高齢者の住まいの現状や老後の快適な暮らしのための対策を紹介します。 高齢者の居住状況 65歳以上の高齢者単身、夫婦世帯の居住状況は以下のとおりです。 持ち家:989万世帯 賃貸:292万世帯 施設:224万人 持ち家の内訳は、単身世帯が422万世帯(約43%)、夫婦世帯が566万世帯(約57%)です。 賃貸は全体の約37%(109万戸)を公営住宅などの公的賃貸住宅が占めています。高齢になると民間賃貸住宅への入居を断られる場合があることから、公的賃貸住宅の割合が高くなっていると考えられます。 施設は、特別養護老人ホーム(特養)をはじめ、介護老人保健施設(老健)や、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など、さまざまな選択肢があります。 高齢者の住まい 介護保険の第1号被保険者(65歳以上の方)3,588万人のうち、3,486万人(約97%)が在宅です。また、要支援、要介護認定者690万人のうち、588万人(約85%)が在宅で介護を受けています。高齢者の9割以上、要介護の高齢者でも約8割が在宅で暮らしているのが現状です。 なお、上述の在宅人数は、居住系サービスを利用している人数も含まれます。居住系サービスとは、施設系サービス(特養、老健など)以外のケア付き住宅のことで、具体的には有料老人ホームやサ高住などが該当します。 高齢者の介護場所の希望 1人暮らしの高齢者が希望する介護場所をみると、要介護度が高くなるにつれて介護施設やケア付き住宅を希望する人が増加しています。 ※国土交通省「高齢者の住まいに関する現状と施策の動向」をもとに編集部作成 そもそも頼る親族がいないことも考えられますが、「親族に迷惑をかけたくない」「要介護度が高いと施設のほうが安心」といった理由も考えられます。 高齢期の快適な暮らしのための対策 要介護認定を受けた高齢者の約8割は、在宅で介護を受けているのが現状です。また、多くの高齢者は、要介護度が低いうちは自宅での介護を希望しています。老後を快適に暮らすには、住まいへの備えが不可欠といえるでしょう。 まずは「持ち家か賃貸か」「介護を受ける場所は自宅か施設か」など、元気なうちに自身のこれからの住まいについて考えておくことが大切です。できる限り自宅に住み続けたい場合は、手すりの設置や段差の解消、トイレの改修といったバリアフリー化を行い、高齢期も安心して暮らせる住環境を整える必要があります。 また、高齢期の住まい選びやリフォームではまとまったお金がかかるため、老後の生活資金が不足しないよう資金計画を立てることも重要です。老後の住まい選びについては、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説 出典)国土交通省「高齢者の住まいに関する現状と施策の動向」 まとめ 日本は今後も人口減少が続き、65歳以上の高齢者の割合が増えていく見込みです。国は老後も安心して暮らせる住環境の整備に取り組んでおり、高齢期の住まいの選択肢は増えています。 老後もできる限り現在の自宅に住み続けるなら、バリアフリー化などのリフォームが必要になるでしょう。介護施設への入居を視野に入れている場合は、賃貸への住み替えも選択肢です。 元気なうちに、老後の住まいについてしっかりと考えておくことが大切です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 高齢者の自宅売却のトラブルが増加!回避するための対策とは? 「強引に勧誘された」「高額の違約金を請求された」など、高齢者の自宅売却に関するトラブルが増加しています。 相手に言われるがまま売買契約をしてしまうと、高齢者の場合は「住む場所が見つからない」...

    2023.11.22老後の住まい
  • 高齢者の自宅売却トラブルに注意

    高齢者の自宅売却のトラブルが増加!回避するための対策とは?

    「強引に勧誘された」「高額の違約金を請求された」など、高齢者の自宅売却に関するトラブルが増加しています。 相手に言われるがまま売買契約をしてしまうと、高齢者の場合は「住む場所が見つからない」「違約金の支払いで老後資金が足りない」などの問題が生じる恐れがあります。老後も持ち家で安心して生活するには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。 この記事では、高齢者の自宅売却のトラブル事例や回避するための対策を紹介します。 高齢者の自宅売却トラブルが増加している 国民生活センターの資料によると、契約当事者が60歳以上の自宅売却に関する相談件数は、以下のとおり推移しています。 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 571件 564件 657件 616件 610件 出典)国民生活センター「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」 2018年以降は600件を超えているものの、全体的には横ばいで推移しています。 一方で、70歳以上の高齢者の自宅トラブルは増加傾向にあります。以下は、契約当事者の年代別相談割合です。 60歳未満 60~69歳 70~79歳 80歳以上 2016年 35.6% 28.2% 20.6% 15.6% 2017年 35.0% 25.5% 21.9% 17.6% 2018年 34.8% 19.9% 26.1% 19.3% 2019年 34.5% 19.6% 25.5% 20.4% 2020年 30.1% 17.6% 30.4% 21.9% 出典)国民生活センター「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」 60歳未満および60歳代は年々減少していますが、70歳以上は増加が続いています。2020年は70歳以上の相談割合が52.3%で、全体の半分以上を占めている状況です。 自宅売却はクーリング・オフ制度を利用できない クーリング・オフとは、一度契約の申し込みや締結を行っても、一定期間内であれば無条件で申し込みの撤回や契約解除ができる制度です。しかし、自宅を不動産業者に売却する場合には、このクーリング・オフ制度を利用できません。 クーリング・オフはできないものの、契約破棄することも可能です。ただし、ほとんどの場合で契約解除には、売買金額の2割程度の違約金が発生するため、経済的に大きな負担となります。 高齢者の自宅売却に関するトラブル事例 高齢者の自宅売却について、具体的にどんなトラブルが発生しているのでしょうか。ここでは、国民生活センターに寄せられた相談事例を3つ紹介します。 長時間の居座り 長期間の勧誘を受け、強引に契約させられた80代女性の事例です。 1人暮らしの自宅に突然、不動産業者が2人で訪ねてきた。「住んでいるマンションを売らないか」と勧められ、連日朝10時から夜まで居座られた。弱気になり「売値を200~300万円上乗せしてくれるなら」と答えたら、2,300万円で売ることになってしまった。書面に署名押印したが、何の書類か覚えておらず、「やっぱり待ってほしい」と言っても取り合ってもらえなかった。 高額の解約料請求 強引に契約させられ、「解約には違約金がかかる」と言われた80代女性の事例です。 不動産業者から「自宅マンションを売ってほしい」と何度か電話があったが、断っていた。後日、外出先から戻るとエントランスで不動産業者が待っており、悪いと思って自宅に上げた。業者は「住み替えの物件を紹介する」と言って勝手に話を進め、内容を理解できないまま書面に署名押印し、その場で手付金約450万円を渡された。翌日不動産業者に契約をキャンセルすると電話すると、「解約料として約900万円支払ってほしい」と言われた。 契約に関する虚偽の説明 嘘の説明を信じて、自宅の売却と賃貸借の契約をしてしまった70代女性の知人の事例です。 知人宅に電話があり、その後不動産業者が訪ねてきた。知人はその日のうちに自宅マンションを約2,000万円で売却し、家賃18万円でそのまま住む契約をした。マンションの相場はもっと高額なはずだが、「このマンションは10年後には取り壊される」という虚偽の説明を信じて契約してしまった。知人は1週間後に不動産業者と会い、「キャンセルしたい」と伝えたが、できないと説得されて手付金を受け取ってしまった。 高齢者が自宅売却のトラブルを回避するには? 自宅売却に関するトラブルを避けるために、以下の3つを心掛けましょう。 わからない、納得できない場合は絶対に契約しない 不動産業者から話を聞いても、契約内容がわからない場合や納得できない場合は絶対に契約しないことが大切です。不動産売買はさまざまな手続きが必要で、仕組みも複雑です。自宅売却はクーリング・オフができないため、よくわからないまま契約してしまうと後悔するかもしれません。 1人で対応すると相手のペースで話を進められ、適切な判断ができない可能性があります。契約前に家族や友人などに相談し、不動産業者との面談ではできるだけ立ち会ってもらいましょう。相談できる身近な人がいない場合には、弁護士などの専門家に相談するのもひとつの手です。 迷惑な勧誘ははっきり断る 「夫(妻)と相談します」「考えてみます」のような断り方をすると、可能性があると判断され、今後も勧誘が続いてしまいます。不動産業者から電話や訪問で勧誘されても、自宅を売却するつもりがないなら「自宅は売りません」とはっきり断ることが大切です。 今後も勧誘してほしくない場合は、「もう勧誘はやめてください」と明確に意思を伝えましょう。消費者が断ったにも関わらず、不動産業者が勧誘を続けることは宅地建物取引業法で禁止されています。 不要な勧誘を避けるには、「知らない電話番号からの電話には出ない」「訪問されても玄関ドアを開けない(インターフォンで対応)」などの対策も有効です。 トラブルになりそうな場合は相談する 「不動産業者の説明がよくわからない」「よく考えずに契約してしまった(解約したい)」など、トラブルになりそうな場合は、なるべく早く消費者生活センターなどに相談しましょう。 連絡先:消費者ホットライン「188(いやや)」 消費者ホットライン「188」に電話し、アナウンスに従って自宅の郵便番号を入力すると、最寄りの消費者生活センターや市区町村の消費生活相談窓口につながります。また、長期間の居座りは不退去罪に当たる可能性があるため、状況によっては警察を呼ぶことも検討しましょう。 まとめ 高齢者が自宅売却のトラブルに巻き込まれると、住む場所が見つからなかったり、高額の違約金を請求されたりする恐れがあります。不動産業者から電話や訪問で勧誘されても、自宅を売るつもりがないなら「売りません」とはっきり断ることが大切です。 不安な場合やトラブルに巻き込まれそうなときは、消費者ホットライン「188」に電話して相談しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説 「終活」という言葉が一般に広がるなか、近年、「住まいの終活」についても注目されるようになってきました。どのような内容なのか、どうしたらいいのかなどについて考えてみましょう。 「住まいの終活」...

    2023.11.08老後の住まい自宅売却
  • シニア向け分譲マンションとは

    シニア向け分譲マンションとは?特徴とメリット・デメリットを解説

    シニア向け分譲マンションは、高齢者向けのマンションです。シニア向け分譲マンションに限らず、高齢者向け住宅にはさまざまな種類があるため、他の住宅との違いを理解しておくことが大切です。この記事では、シニア向け分譲マンションの特徴や、メリットとデメリットについて解説します。 シニア向け分譲マンションとは? シニア向け分譲マンションとは、高齢者が住みやすいように配慮された分譲マンションです。高齢者向けの設備やサービス、共用施設が充実しており、法律上は一般的な分譲マンションと変わりません。 購入後は物件の所有権を取得するため、売却や賃貸への転用が可能です。また、所有者が死亡した場合は相続が発生します。入居条件はマンションによって異なりますが、基本的には自立した生活ができる高齢者が対象です。入居後に介護が必要になった場合は、外部の業者に介護サービスを依頼する必要があります。 入居時点で要支援、要介護の認定を受けていても、入居可能な物件もありますが、基準はマンションによって異なります。介護度によっては入居が難しい場合もあるため、事前に入居条件を確認しておくことが大切です。 シニア向け分譲マンションのメリット シニア向け分譲マンションには、以下のようなメリットがあります。 バリアフリー化されている シニア向け分譲マンションは、高齢者が安全に生活できるように室内や共用部分がバリアフリー化されています。つまずいて転倒しないように手すりが設置されていたり、間取りも広めにとられていたりするため、老後も生活しやすいでしょう。 高齢者向けサービスを利用できる シニア向け分譲マンションには、高齢者向けのサービスが付随しています。例えば、レストランでの食事提供や見守りサービス、生活相談などの高齢者向けサービスを利用できるマンションもあります。なお、具体的なサービス内容は施設によって異なるので注意が必要です。 また、医療、介護サービスを利用する場合、基本的には自分で外部の業者を探して契約しなくてはなりません。ただし、入居者が円滑に医療、介護サービスを受けられるように、マンションが外部の医療機関や介護事業者と提携している場合もあります。 共用施設が充実している シニア向け分譲マンションは、温泉やレストラン、フィットネスジムなどの共用施設が充実しています。図書館やプール、ゲストルーム、カラオケ、シアタールームなどが利用できるマンションもあるため、趣味を充実させたい人に向いているでしょう。コンシェルジュが常駐しており、困ったことがあればすぐに対応してもらえる物件もあります。 シニア向け分譲マンションのデメリット 一方で、シニア向け分譲マンションには以下のようなデメリットもあります。 費用が高い シニア向け分譲マンションは設備やサービスが充実している分、その維持費のために一般的な分譲マンションよりも費用は高くなります。費用相場は以下のとおりです。 物件価格:数千万円~数億円 月額利用料:10~30万円 分譲形式のため、家賃を払うのではなく、物件を購入することになります。住宅ローンを組むことも可能ですが、金融機関に相談したうえで、無理のない返済計画を立てる必要があるでしょう。 月額利用料の中には、管理費や修繕積立金、食費、水道光熱費、その他サービス利用料などが含まれます。マンションによって料金が異なるため、金額や内訳を確認しておくことが大切です。入居中に介護が必要になった場合は、介護サービス費の負担も追加で発生します。 選択肢が少ない シニア向け分譲マンションは、一般的な分譲マンションに比べて選択肢が少なくなります。また、市場が未成熟で供給戸数はそれほど多くないため、売却したいと思っても簡単に買い手が見つからない恐れがあります。介護施設などへの移動が必要になった場合、なかなか売却できずに困るかもしれません。 シニア向け分譲マンション以外の選択肢 老後の住まいとして高齢者向け住宅を検討する場合、シニア向け分譲マンションの他に以下のような選択肢があります。 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者が住みやすいように配慮された賃貸住宅です。一般的な賃貸住宅と同じように、毎月賃料を払って利用します。バリアフリーに対応しており、安否確認と生活相談の提供が義務付けられているのが特徴です。 所有権は得られませんが、その分シニア向け分譲マンションに比べると費用負担を抑えられます。死ぬまで住み続けられるか不安に思うかもしれませんが、「終身建物賃貸借契約」を選択できる施設であれば、死ぬまで住み続けることが可能です。 関連記事はこちら終身建物賃貸借契約とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説 シニア向け分譲マンションと同様、自立した生活ができる高齢者が対象であるため、医療、介護サービスを受けるには外部業者との契約が必要です。ただし、施設内で必要な介護サービスを受けられる「特定施設」の指定を受けているサ高住もあります。 関連記事はこちらサービス付き高齢者向け住宅とは?入居条件や費用を解説 有料老人ホーム 有料老人ホームとは、介護サービスや生活支援などのサービスを受けられる居住施設です。「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類があります。介護付と住宅型は介護サービスを受けられます。健康型は自立した生活ができる高齢者が対象で、要介護となった場合は退去しなくてはなりません。 入居一時金と月額利用料が必要で、金額は施設によって異なります。契約方法は、利用権方式や建物賃貸借方式、終身建物賃貸借方式があります。利用権方式の場合は、入居時に一時金を払うことによって、専用居室や共用施設などを利用できる権利が保障されます。 関連記事はこちら有料老人ホームとは?費用やサービスをわかりやすく解説 まとめ シニア向け分譲マンションは高齢者に配慮した設備やサービスに加えて、温泉やフィットネスジムなどの共用施設も充実しています。一般的な分譲マンションに比べると費用は高めですが、趣味を充実させたい人に向いているでしょう。 サ高住や有料老人ホームとの違いを理解したうえで、老後の住まいとしてシニア向け分譲マンションを検討してみてはいかがでしょうか。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説 老後に豊かな生活を送るには、ライフスタイルに合わせて住まいを選ぶ必要があります。しかし、住まいを選ぶ際には多くの選択肢があるので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 老後...

    2023.10.18老後の住まい
  • 有料老人ホームとは

    有料老人ホームとは?費用やサービスをわかりやすく解説

    有料老人ホームは、さまざまな種類や提供サービスの違いから、詳しくはわからないという人も多いでしょう。また、高齢者向けの住宅は、有料老人ホーム以外にも複数の形態があるので、検討の際には詳しく理解しておく必要があります。 この記事では、有料老人ホームの入居条件や費用、利用状況などを詳しく解説します。 有料老人ホームとは 「有料老人ホーム」とは、老人福祉法第29条第1項の規定に基づき、高齢者の心身の健康保持及び生活の安定のために設置される施設です。老人を入居させたうえで以下のいずれかのサービス(複数可)を提供している施設を、有料老人ホームと呼びます。 食事の提供 介護(入浴・排泄・食事)の提供 洗濯・掃除等の家事の供与 健康管理 なお、根拠法である老人福祉法では、「老人」という言葉に、年齢等の具体的な条件は定義されていません。 有料老人ホームの類型 有料老人ホームは、「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3つの類型に分けられます。 介護付有料老人ホーム 介護付有料老人ホームは、介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護等が必要となっても、施設が提供する介護サービスである「特定施設入居者生活介護」を利用しながら、施設での生活を継続することが可能です。 住宅型有料老人ホーム 住宅型有料老人ホームは、生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら、施設の生活を継続することが可能です。 健康型有料老人ホーム 健康型有料老人ホームは、食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければなりません。 有料老人ホームの費用 有料老人ホームの費用について、根拠法である老人福祉法の第29条で以下のとおり定められています。 有料老人ホームの設置者は、家賃、敷金及び介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として受領する費用を除くほか、権利金その他の金品を受領してはならない。 出典)老人福祉法(e-Gov法令検索) この定義からわかるように、有料老人ホームでは、施設の利用上必要となる範囲の費用しか、基本的にはかかりません。厚生労働省の「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」によると、利用料が以下のとおり定められています。 家賃 家賃は、施設の整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額等を基礎として合理的に算定され、近傍同種の住宅の家賃から算定される額を大幅に上回らないこと (厚生労働省の令和3年度調査*によると、介護付は月84,790円、住宅型は月40,926円) 敷金 敷金を受領する場合には、その額は6か月分を超えないこととし、退去時に居室の原状回復費用を除き全額返還すること (厚生労働省の令和3年度調査*によると、介護付は月94,710円、住宅型は月45,367円) サービス費用 サービス費用は、入居者に対するサービスに必要な費用の額(食費、介護費用その他の運営費等)を基礎とする適切な額とすること (厚生労働省の令和3年度調査*によると、介護付は月122,457円、住宅型は月72,480円) ※令和3年度「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究事業」報告書を参考としています。健康型のデータがないのは、健康型は施設数が他2類型と比較してかなり少ないため、十分な調査ができなかったものと推測されます。 有料老人ホーム入居時の前払い金 上述の主な費用に加えて、入居時に終身にわたって受領すべき家賃又はサービス費用の全部又は一部を前払金として一括して受領する、前払い方式を採用している施設もあります。前払金がない施設もあれば、1,000万円を超える施設もあります。前払金は老人福祉法の第29条で以下のとおり定められています。 有料老人ホームの設置者のうち、終身にわたって受領すべき家賃その他厚生労働省令で定めるものの全部又は一部を前払金として一括して受領するものは、当該前払金の算定の基礎を書面で明示し、かつ、当該前払金について返還債務を負うこととなる場合に備えて厚生労働省令で定めるところにより必要な保全措置を講じなければならない。 出典)老人福祉法(e-Gov法令検索) また、厚生労働省の「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」によると、基本的な前払金の算定方法を以下のとおり記載されています。 ①期間の定めがある契約の場合 (1ヶ月分の家賃又はサービス費用)×(契約期間(月数)) ②終身にわたる契約の場合 (1ヶ月分の家賃又はサービス費用)×(想定居住期間※(月数))+(想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて受領する額) ※想定居住期間は、入居者の終身にわたる居住が平均的な余命等を勘案して想定される期間と、同指導指針内で定義されています。 有料老人ホームの費用を抑える方法 有料老人ホームに入居する場合、以下の制度を利用することで、入居中の費用を抑えられる可能性があります。 高額介護サービス費制度 月々の利用者負担額(福祉用具購入費や食費・居住費等一部を除く。)の合計額が所得に応じて区分された上限額を超えた場合、その超えた分が介護保険から支給される制度です。詳細な上限額(月額)は以下のとおりです。 ・高額介護サービス費制度の負担の上限額(月額) ※厚生労働省ホームページを基に編集者作成 支給対象者には、各自治体から高額介護サービス費支給申請書が送られてきます。受け取ったらしっかりと申請手続きを行いましょう。 高額医療、高額介護合算制度 同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合は、合算後の負担額が軽減されます。決められた上限額(年額)を500円以上超えた場合、医療保険者に申請をすると超えた分が支給されます。詳細な上限額(年額)は以下のとおりです。 ・高額医療、高額介護合算制度の負担の上限額(年額) ※厚生労働省ホームページを基に編集者作成 合算期間は8月1日から翌年の7月31日までの1年間で、各自治体の窓口に申請することで利用することができます。 その他の老健施設との違い 一般的に老人ホームと呼ばれるものの中には、有料老人ホーム以外の施設も存在します。どのような施設があるのかを紹介します。 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) サービス付き高齢者向け住宅は、「状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅」です。有料老人ホームとは異なり、1日のスケジュールが決められているわけではないため、食事や入浴の時間などは自分のペースで決められます。 見守りサービスや生活相談といったサービスが付いているので、一人暮らしに不安を感じられている方にとって、適度なサポートを受けながら自由な暮らしができます。 関連記事はこちらサービス付き高齢者向け住宅とは?入居条件や費用を解説 特別養護老人ホーム(特養) 特別養護老人ホームは、介護老人福祉施設とも呼ばれており、要介護状態の高齢者が入居できる公的施設であるのが特徴です。公的施設という性質上、民間の有料老人ホームと比べると安い費用で入所できます。 ただし、人気があるので申請から入所まで、時間がかかってしまう点に注意しておきましょう。 関連記事はこちら特別養護老人ホームとは?費用や入居条件、サービス内容を解説 まとめ 有料老人ホームには3つの類型があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。生活状況や介護の有無、将来的な費用負担なども考慮し、利用する施設を検討することが大切です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 老人ホーム・介護施設とは?公的施設と民間施設の違いも解説 誰でも年をとると、身の回りのことができなくなったり、思ったようにできなくなったりしていきます。体が弱ってきたとき、あるいは要介護状態になったとき、自宅以外の住まいの選択肢として、どのような候...

    2023.10.04老後の住まい
  • サービス付き高齢者向け住宅とは?

    サービス付き高齢者向け住宅とは?入居条件や費用を解説

    サービス付き高齢者向け住宅とは、サ高住とも呼ばれる高齢者のための集合住宅です。サービス付き高齢者向け住宅への入居を検討しているなら、あらかじめ必要な情報を集めておくことが大切です。 この記事では、サービス付き高齢者向け住宅の入居条件や費用、利用状況などを詳しく解説します。 サービス付き高齢者向け住宅とは サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、「状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅」です。「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」に基づき、都道府県から登録を受けた住宅をサービス付き高齢者向け住宅と呼びます。 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準は以下のとおりです。 住宅に関する基準 サービス付き高齢者向け住宅では、高齢者が生活するのに相応しい規模と設備を確保する目的で、住宅に関する基準が設けられています。詳細は以下のとおりです。 各専用部分の床面積は、原則25㎡以上(※1) 各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること(※2) バリアフリー構造であること ※1:ただし、居間、食堂、台所そのほかの住宅の部分が、高齢者が共同して利用するため十分な面積を有する場合は18㎡以上 ※2:ただし、共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備または浴室を備えることにより、各戸に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合は、各戸に台所、収納設備または浴室を備えずとも可 サービスに関する基準 サービス付き高齢者向け住宅では、専門家が日中建物に常駐してサービスを提供することが、認定の基準となっています。サービス内容は、安否確認と生活相談の2つが必須のサービスとして定められています。 なお、施設によって違いがありますが、食事の提供などの生活支援サービスを提供している施設もあります。実際に入居を検討する際には、どういったサービスが受けられるのかを施設に確認しておくことが大切です。 契約内容に関する基準 サービス付き高齢者向け住宅では、高齢者が安心して長く住み続けられるように、契約内容に関する基準も設けられています。いくつか抜粋して紹介します。 専用部分が明示された契約であること 長期入院などを理由に事業者から一方的に解約できないことになっている等、居住の安定が図られていること 敷金などの、家賃、サービスの対価以外の金銭を受領しないこと サービス付き高齢者向け住宅の入居条件 サービス付き高齢者向け住宅の入居対象者は、「60歳以上の方」もしくは「要介護、要支援認定を受けている60歳未満の方」です。ただし、施設によっては、認知症や感染症に関する独自の入居条件を追加している施設もあります。申し込みの前に確認しておきましょう。 同居者の入居条件 サービス付き高齢者向け住宅では、一定の条件を満たせば同居することも可能です。同居者の入居条件は以下のとおりです 入居者の配偶者 60歳以上の入居者の親族 要介護、要支援認定を受けている入居者の親族 特別な理由で知事から認められている者 なお、施設によっては2人部屋がなく、部屋が別々になることもあります。あらかじめ施設に確認しておくといいでしょう。 サービス付き高齢者向け住宅の入居費用 サービス付き高齢者向け住宅は、賃貸借契約を事業者と締結して入居する形となるため、初期費用や毎月の家賃などが発生します。国土交通省が公表している資料によると、令和2年8月時点でのサービス付き高齢者向け住宅の入居費用は概ね10万円前後です。 ・サービス付き高齢者向け住宅の入居費用 出典)厚生労働省「第5回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料」 なお、サービス付き高齢者向け住宅では、上図の費用に含まれない「家賃、サービスの対価以外の金銭」を受領しないことが、高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)で定められています。 サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームとの違い 有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違いは、下図のようになります。 ・図:有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違い ※厚生労働省が公表している図を元に編集者が作成 サービス付き高齢者向け住宅のうち約96%が有料老人ホームにも該当することが分かっています。 高齢者向け施設のうち、①食事の提供、②介護(入浴、排泄、食事)の提供、③洗濯や掃除等の家事の供与、④健康管理のいずれかをひとつでも提供していれば、有料老人ホームと呼ばれます。 この4つのサービスは、どれもサービス付き高齢者向け住宅と認定されるために必要なサービスに含まれません。しかし、サービス付き高齢者向け住宅の約96%が①食事の提供、を行っており、結果的に有料老人ホームにも該当するのが実態です。 介護が受けられるサービス付き高齢者向け住宅とは 上図の「有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違い」のとおり、サービス付き高齢者向け住宅の中には、特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設も一定数存在します。 平成26年の国土交通省の調査によると、「特定施設入居者生活介護の指定を受ける予定はない」と回答したサービス付き高齢者向け住宅が95.1%と多数を占めていることが分かっています。 約10年前の調査結果ではありますが、特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅が少数である状況は、現在も大きくは変わっていないと推測されます。 サービス付き高齢者向け住宅の利用者 国土交通省が公表している「サービス付き高齢者向け住宅の現状等」を基に、入居者の要介護度や年齢の分布を紹介します。自分の状況が、サービス付き高齢者向け住宅の利用者の状況に該当するかを、参考にすることもおすすめです。 要介護度 サービス付き高齢者向け住宅の入居者を要介護度別で見ると、どの区分も一定数入居していることが分かります。 ・サービス付き高齢者向け住宅入居者の要介護度別比率 出典)厚生労働省「第5回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料」 ※編集者が一部加工 年齢 入居者の年齢は、85歳以上が全体の57.3%と最も高く、75~84歳も30.8%となっており、全体の約9割が75歳以上であることが分かります。 ・サービス付き高齢者向け住宅入居者の年齢別比率 出典)厚生労働省「第5回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料」 サービス付き高齢者向け住宅の利用が向いている人 サービス付き高齢者向け住宅に向いている人は、「自立した生活を送りたい人」です。サービス付き高齢者向け住宅はあくまでも「状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅」であり、基本的に24時間の医療体制や充実した介護サービスが付いている施設ではありません。 そのため、申し込み時点で介護なしで生活するのが困難な人や、健康面の不安を抱えており、常に見守りを必要としている人は、サービス付き高齢者向け住宅ではなく、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームを検討する方が安心して生活できる可能性があります。 ただし、サービス付き高齢者向け住宅は要介護度の高い人が住めない施設ではありません。自身の希望や健康状態を考慮したうえで、施設選びを行いましょう。 >特別養護老人ホームとは? まとめ サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーに配慮した設計になっており、見守りサービスや生活相談などに対応してくれるのが特徴です。自立した生活を送りながらも、適度なケアを受けたいという方は、サービス付き高齢者向け住宅の利用を検討してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 介護老人保健施設とは?費用や入所条件をわかりやすく解説 介護老人保健施設は、介護保険施設のひとつです。老健とも称され、介護保険法に基づいてサービスが提供されます。介護老人保健施設への入所を検討しているなら、あらかじめ必要な情報を集めておくことが大...

    2023.09.13老後の住まい
  • 介護老人保健施設とは?費用や入所条件をわかりやすく解説

    介護老人保健施設とは?費用や入所条件をわかりやすく解説

    介護老人保健施設は、介護保険施設のひとつです。老健とも称され、介護保険法に基づいてサービスが提供されます。介護老人保健施設への入所を検討しているなら、あらかじめ必要な情報を集めておくことが大切です。 この記事では、介護老人保健施設の特徴や費用、入所条件などの基本的な内容と、施設を選ぶ際のポイントと注意点について解説します。 介護老人保健施設とは 介護老人保健施設とは、要介護者を対象に、在宅復帰や在宅療養支援を行うための施設です。リハビリを中心とした心身の機能維持と改善の役割を担っており、長く入所することを目的とした施設ではありません。介護保険法では、次のように定義されています。 介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。(介護保険法第8条第28項) 出典)e-Gov法令検索「介護保険法」 介護老人保健施設は、施設の人員数や設備の基準が厚生労働省によって細かく定められています。 施設の人員数に関する基準 介護老人保健施設は、厚生労働省によって、サービスを提供するうえでの必要な人員が、以下のとおり定められています。 ・介護老人保健施設の人員基準 出典)厚生労働省「介護老人保健施設(参考資料)」 介護老人保健施設は常勤の医師がおり、看護職員もしくは介護職員が24時間常駐しています。夜間対応の体制が整えられているため、専門職員による医療ケアを受けられます。 施設及び設備に関する基準 介護老人保健施設は、厚生労働省によって、サービスを提供するうえでの必要な設備が、以下のとおり定められています。 ・介護老人保健施設の施設及び設備 出典)厚生労働省「介護老人保健施設(参考資料)」 介護老人保健施設は入所者が適切な環境で過ごせるよう、設備にも基準が設けられています。適切な環境で専門職員による、介護やリハビリ等のサービスを受けられます。 介護老人保健施設の費用 介護老人保健施設にかかる費用は、「施設サービス費」「居住費と食費」「その他日常生活費」の大きく3つに分けられます。 まず、「施設サービス費」は、介護保険の対象となるサービスに該当するため、利用者の自己負担額は1割~3割です。自己負担の割合は所得があるか否か、などによって変わります。たとえば、要介護5の人が多床室を利用し、自己負担額を1割とした時、1か月の自己負担額の目安は、約25,200円です。 次に、「居住費や食費」「その他日常生活費」は、介護保険の対象外となるため、全額が自己負担です。前述と同様に、たとえば、要介護5の人が多床室を利用した場合、居住費が約25,650円、食費が約43,350円、日常生活費が約10,000円です。 つまり、自己負担額1割の要介護5の人が介護老人保健施設の多床室を利用する場合、1か月の負担額は約104,000円です。なお、介護老人保健施設にかかる費用として、実際に自己負担額として支払った金額は、全て医療費控除の対象となります。 出典)厚生労働省「サービス利用者の費用負担等」 介護老人保健施設の入所条件 介護老人保健施設の「入所条件」として、一律で定められた案内はありません。一方で、介護老人保健施設を利用できる人は、前述のとおり「要介護者である」ことが条件となっています。そのため、要介護認定を受けていない人の最初の手続きは、「要介護認定を受けること」になるでしょう。 要介護認定の手続きは、市区町村を通じて以下の手順で行います。 市区町村の窓口に要介護認定の申請を行う 認定調査員が自宅を訪問し、認定調査を行う 主治医に意見書を作成してもらう 要介護度が判定される 結果が通知される 入所者の要介護度の情報 厚生労働省が公表している、介護老人保健施設の要介護度別の入所者数のグラフを紹介します。結果は以下のとおりです。 ・介護老人保健施設の要介護度別の入所者数 出典)厚生労働省「介護老人保健施設(参考資料)」 まずは、いずれの要介護者も年々増加していることがわかります。これは、日本人の平均年齢が上がっていることからも、当然の結果と言えるでしょう。また、介護度に注目すると、要介護1が少ないことが分かります。これは、要介護1の状況は軽度であるため、介護老人保健施設を利用するまでもないと考えている人が多いからかもしれません。 介護老人保健施設を選ぶポイント 介護老人保健施設を選ぶときは、事前に押さえておくべきポイントがあります。 在宅復帰率を確認する 在宅復帰率とは、介護老人保健施設を退所して、在宅の暮らしに復帰できた割合を示すものです。介護老人保健施設はリハビリなどの医療ケアを通じて、在宅復帰を目指すことを目的としています。そのため、リハビリを受けた結果、どれくらいの割合で自宅に戻れるのかが、介護老人保健施設を選ぶポイントになります。 厚生労働省の公表している「介護老人保健施設における看取りの基本的な方針について」の調査結果によると、在宅復帰率が高い施設は積極的に施設内見取りを行っている傾向がある、という結果が出ています。 ・介護老人保健施設における看取りの基本的な方針について 出典)厚生労働省「介護老人保健施設(参考資料)」 看取りの方針を確認する 介護老人保健施設に入所後、必ずしも自宅に戻れるとは限りません。そのため、看取りに関する施設側の対応方針も確認しておきましょう。看取り対応の有無や、どのような体制で看取りを行ってもらえるかなど、細かな部分まで疑問点を解消しておきましょう。 事前に見学をする 施設を選ぶときは、できるだけ事前に見学を行うと安心です。実際に目でみることで、ホームページの情報だけでは分からない部分にも気付けます。見学を行う際は、入所者の様子や職員の対応、施設の清潔感や設備の安全性などを確認しましょう。気になる点は職員に直接尋ねられるので、不安の解消にも繋がります。 介護老人保健施設を利用する際の注意点 介護老人保健施設を利用する際、注意しておきたい点もあります。 入所期間が限られる 介護老人保健施設の入所期間は、原則として3ヶ月です。入所期間が限られているのは、自宅への復帰を目的としたリハビリサービスの提供が中心であるためです。そのため、退所後にどのようなサポートを受けるか、についてもあらかじめ検討しておきましょう。 生活面のサービスが不十分である あくまで、リハビリサービスの提供を行う施設であるため、生活支援としての買い物や洗濯などには対応しない施設もあります。入所を検討している施設が、どの程度までの支援を受けられるのか、事前に確認しておきましょう。 投薬に制限がある 医療費や薬代は施設側が負担してくれる一方で、施設に相談することなく、薬の処方や診療を受けてしまうと、全額自己負担となることもあります。施設自体に診療や薬の処方を受けられる環境は整っていますが、必要な薬の種類や量によっては、制限を受ける恐れもあるので注意しましょう。 まとめ 介護老人保健施設は、介護保険法に基づく公的な施設であり、主にリハビリを中心にサービス提供を行っています。医師や看護師が常駐しており、利用者は手厚い医療ケアを受けられるのが特徴です。心身の機能維持と改善を図り、在宅復帰を目指すために上手に活用しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 特別養護老人ホームとは?費用や入居条件、サービス内容を解説 特別養護老人ホームは、公的施設という性質上、入居条件が細かく定められています。そのため、特別養護老人ホームの利用を検討する前に、そもそも自分が条件に合致しているのかを判断する必要があります。...

    2023.08.30老後の住まい
  • 特別養護老人ホームとは

    特別養護老人ホームとは?費用や入居条件、サービス内容を解説

    特別養護老人ホームは、公的施設という性質上、入居条件が細かく定められています。そのため、特別養護老人ホームの利用を検討する前に、そもそも自分が条件に合致しているのかを判断する必要があります。 この記事では、特別養護老人ホームの入居条件やサービス内容、養護老人ホームとの違いなどを解説します。 特別養護老人ホームとは 特別養護老人ホームとは、要介護状態の高齢者が入居できる公的な介護施設です。在宅での介護が困難な高齢者が対象となっており、施設の目的が老人福祉法で定義されています。老人福祉法の記載内容を要約すると、以下のとおりです。 65歳以上の者であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものを入所させ、養護することを目的とする(老人福祉法第11条の1、第20条の5) 出典)e-Gov法令検索(老人福祉法) 特別養護老人ホームの入居条件 特別養護老人ホームの入居条件は、基本的に要介護度によって決められています。 要介護3以上 要介護3以上の認定を受けている方であれば、40歳からでも特別養護老人ホームへの入居が可能です。要介護3は自力での立ち上がりや歩行が困難であり、認知症の症状が見られるなど、食事や排泄など身の回りのことのほとんどに介護が必要な状態をいいます。 要介護1〜2 特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上の方を対象としていますが、特例によって要介護1~2の場合であっても入居できる場合があります。主な入居条件は以下のとおりです。 認知症である者であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られること 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られること 家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難であること 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であること 要介護1とは、日常生活における部分的な介護が必要な状態をいいます。具体的には、起き上がりや立ち上がり、買い物などに介助が必要な状態です。 要介護2も部分的な介護が必要であり、要介護1と比べて歩行や薬の服用、金銭管理などが自力でできないことが増えるため、見守りや介助が必要な状態をいいます。 出典)厚生労働省「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」の一部改正について(通知) 特別養護老人ホームで受けられる7つのサービス 特別養護老人ホームでは、生活全般に関するさまざまなサービスが受けられます。具体的に提供されている7つのサービスについて解説します。 ①食事 特別養護老人ホームでは、入居者の健康状態や好みを考慮した栄養バランスのとれた食事が提供されます。入居者にとって食事は楽しみのひとつであるため、季節に応じた食事や誕生日の特別食など、栄養士が献立を立てて調理しています。 できるだけ家庭と同じような時間帯に食事は提供され、自立を促すために離床して食事ができるようにサポートしてくれます。 ②排泄 排泄に関しては、入居者の身体能力を考慮した上で必要な介助を行っています。尿意や便意がなくても、排尿・排便間隔を把握してトイレへと誘導するケースが多いです。 自力で移動が可能な方にはトイレで排泄するように促し、ベッドから動けない寝たきりの場合はベッド上で排泄の介助を行ってもらえます。 ③入浴 一般的に、多くの事業所で入浴回数は週2回以上となっています。体調不良で入浴できないときには、体を清拭して衛生状態を保つなど、入居者の状況に応じた対応をとってもらえるので安心です。 また、寝たきりの場合でも機械浴槽で入浴することができ、しっかりとケアを行ってもらえます。 ④リハビリ 食事や排泄など、日常生活を送る上で必要な機能の維持、回復を図るために入居者の状況に応じたリハビリを行っています。手先を動かす遊びや体操など、レクリエーションも兼ねたリハビリも取り入れられています。 ⑤生活支援 居室などの掃除は定期的に行われており、清潔な住空間が保てるように配慮されています。洗濯サービスは無料で提供される場合が多く、生活支援のサービスは充実しています。 ⑥レクリエーションやイベント 手先や身体を使うゲームなど、リハビリの一環としてレクリエーションが行われています。季節に応じたイベントや誕生日会などが積極的に開催されており、お花見や紅葉狩りなどの外出の機会も設けられているので、ストレスの解消につながる工夫がなされています。 ⑦医療ケア 医療ケアについてはすべての処置が行えるわけではありませんが、とこずれの処置やたんの吸引、胃ろうの対応などが可能です。医師や看護職員によって対応が行われ、緊急時や夜間にも対応できる体制が整えられています。 特別養護老人ホームのメリット 特別養護老人ホームを利用するメリットは以下のとおりです。 費用が安い 特別養護老人ホームの特徴として、入居一時金が不要であったり、費用が所得に応じて減免されたりする点があげられます。低所得の方であっても入居しやすい仕組みが整えられており、有料老人ホームよりも費用は安く抑えられるでしょう。 24時間介護が受けられる 特別養護老人ホームは、24時間体制で介護を受けられます。夜間においても、入居者25~30名に1人の割合で介護士を配置することが基準として定められているため、夜間の緊急対応なども行ってもらえます。 看取りが可能な場合がある 厚生労働省は、特別養護老人ホームが要介護高齢者のための施設であることから、看取りの体制を整えることを重要視しています。そのため、特別養護老人ホームの中には看取りが可能な施設も一定数存在します。 特別養護老人ホームのデメリット 特別養護老人ホームを利用するデメリットは以下のとおりです。 入居待ちが生じる恐れがある 特別養護老人ホームは、費用面や手厚いサービスなどを理由として、入居希望者が多い施設です。厚生労働省の令和4年度調査によると、全国の2022年4月時点で入居申込済みだが、入居できていない人数は、要介護3以上の方で約25.3万人、要介護2以下の方で約2.2万人いると公表されています。調査結果からも分かるとおり、入居待ちの待機時間が生じる恐れがあると考えられます。 なお、入居の難易度は地域によって異なるので、希望する地域の入居状況を事前に確認しておきましょう。 医療ケアに限界がある 特別養護老人ホームはあくまで介護施設であり、医療機関ではありません。24時間必ず看護師が常駐している施設ではないため、施設内での緊急対応が難しい場合もあるでしょう。 また、医療ケアについても施設内に万全の体制が整っているわけではなく、緊急時は近隣の病院へ搬送しなければならない場合もあります。 年金だけで特別養護老人ホームへ入れる? 厚生労働省年金局が2022年12月に公表した「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、2021年度の厚生年金保険における老齢年金受給額は平均月額14万5,665円(年額174万7,980円)となっています。一方、国民年金保険の老齢年金では平均月額5万6,479円(年額67万7,748円)です。 特別養護老人ホームの年間費用は、厚生労働省の目安によれば月額14万1,430円程度(年額169万7,160円、要介護5の方がユニット型個室を利用したケース)となっています。個室や相部屋などの住環境によって自己負担額に違いはありますが、国民年金だけですべてをまかなうのは難しい部分があるといえるでしょう。 出典)令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 特別養護老人ホームと養護老人ホームの違いは? 特別養護老人ホームと名称がよく似ている施設として、養護老人ホームがあります。それぞれの入居条件やサービス内容などの違いは以下のとおりです。 特別養護老人ホーム 養護老人ホーム 施設の目的 要介護高齢者にリハビリ等を提供し在宅復帰を目指す施設 環境的、経済的に困窮した高齢者の入所施設 入居条件 原則として、要介護3以上であること 原則として、自立して生活していること サービス内容 身体介護を中心とした自立支援 食事の提供や健康管理などの自立支援 上記のように、特別養護老人ホームは要介護認定を受けた高齢者の身体介護を中心とした自立支援を行う施設です。一方、養護老人ホームは経済的に困窮しているものの、自立して生活している高齢者を社会復帰させるための施設です。 また、両者は施設の目的や対象者、入居条件などが異なる施設であり、選ぶ基準として「介護の有無」があげられます。介護が必要かどうかで、どちらの施設を選ぶべきかを判断してみましょう。 まとめ 特別養護老人ホームは公的施設であるため、有料老人ホームなどと比べると費用が安く、看取りが可能な施設もあるので人気です。一方で、入居待ちが生じている点や医療ケアに限界がある点などに注意が必要です。特別養護老人ホームの基本的な特徴を把握した上で、自分にあった施設かどうかを検討してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 老人ホームや介護施設にかかる費用、選び方を解説 老後の住まいを考えたとき、老人ホームや介護施設などの、高齢者向け住宅を検討するかもしれません。一方で、これらの施設にかかる費用がいくらなのか、そもそもどのような人が、どのような施設を選ぶべき...

    2023.08.16老後の住まい
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