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不動産担保ローンとリバースモーゲージ、違いを知って賢く使い分けよう!

「現預金はあまり十分にはないけれど、実家など不動産はある」だから、それを活かしてお金を捻出したい!と思う方も多いのではないでしょうか?
例えば、親の介護施設などの費用を捻出する際など、ご実家の資産価値を活かそうと相談にいらっしゃる方もいます。
今回は、1人暮らしの親の介護に関わる費用に悩む62歳男性の事例をご紹介します。

[ ご相談者 Hさん ]
62歳男性 会社員(定年延長)配偶者あり、子は独立。
1人暮らしの母親(88歳)の足腰が弱くなり車椅子が必要になり(要介護3)、介護施設の入居を考えている。
Hさんには、弟がいるが、海外にいるので、介護面であまり協力は得られない。

(1)リバースモーゲージの特徴と注意点

Hさん:先日、母が米寿を迎えたのですが、最近足腰が弱まっていたからか、転倒して車椅子が必要になってしまいました。実家は昔ながらの二階建ての一軒家でバリアフリーではなく、そこで暮らすより、介護施設の方が安心かと探しています。ただ、両親も自分も、自由に使える現預金があまり手元にないので、その費用をどう捻出しようかと考えています。リバースモーゲージって聞いたことがあるのですが、どうなんでしょうか?

相談員:お母様所有のご実家を担保に年金形式でお金を借りる仕組みのリバースモーゲージを検討されているのですね。なぜ、リバースモーゲージをと思ったのですか?

Hさん:家を売るような話は、到底、母に言えないですし、まずは現状の住まいを維持した状態で、資金を捻出できたらと思ったもので。

相談員:なるほど。リバースモーゲージは、詳細は銀行によって異なりますが、おっしゃるとおりご実家はそのままで利用できるので、注目されていますね。ただし、年金形式で融資を受けられる目安は、担保評価額の約半分程度までが一般的と言われています。

Hさん:え?担保評価額の半分程度なのですか?もっと多いかと思ってました。

相談員:リバースモーゲージは、生きている限り年金形式で受け取れるものです。長寿化が進む中、あまり目一杯の融資は難しく、担保評価に対して保守的にならざるを得ません。しかも、その担保物件の評価額は毎年見直されるので、急な地価下落などがあると利用可能額が下がることもあり得ます。その場合、利用可能額を超えてしまった分は一括返済となるので注意が必要です。なので、リバースモーゲージが向いているのは、担保にする物件の評価額が一定額以上見込めて長期的に安定しているケースと言えますね。

Hさん:なるほど。うちは一戸建てとはいえ、そんなに評価額は高くないかもしれないですね。弟は海外にいるので、あまり相談できないですし。

相談員:弟さんがいらっしゃるのですね。相続人はHさんと弟さんのお2人ですか?というのも、リバースモーゲージは、ご実家の所有者であるお母様がお亡くなりになられた後に、売却して一括返済するというのが一般的なので、相続人全員の同意も必要になるのです。

Hさん:そうでしたか。母に万一の際の相続人は僕たち兄弟2人です。リバースモーゲージは、毎月の負担が利息だけと広告でみていいなと思ったのですが、実際は、借入可能額や相続人同意の件など、ちょっと厳しいかもしれません。他に売却せずにできる方法は何があるでしょうか?

(2)不動産担保ローンの特徴とデメリットの解消法

相談員:ちょうど、リバースモーゲージと不動産担保ローンの特徴を一覧にした表があるので、こちらを見てみましょう。

不動産担保ローンとリバースモーゲージの主な特徴

不動産担保ローン リバースモーゲージ
仕組みは? 一括借入れと返済 融資上限枠内の分割借入れ(年金形式)
担保は? 不動産 不動産
借入可能目安は? 物件の評価額の8~7割程度 物件の評価額(毎年見直し)の5割程度
所有権の移転は? なし なし
最終形は? 返済できれば、不動産はそのまま。返済できない場合は、担保不動産を売却。 死亡時に不動産を売却して元本一括返済(一部例外あり)
毎月の負担は? 元本と利息 毎月利息分のみ負担
金利は? 変動金利、固定金利 変動金利が多い
相続人の同意は? 不要 必要
年齢・所得・資金使途は? 制限が少ない 制限がある(高齢者向け)

Hさん:不動産担保ローンだと、担保物件の評価額の8~7割程度までみてもらえるのですね。

相談員:はい、個別事情による部分もありますが、一般的には8~7割程度と言われており、担保物件についても一戸建てのみでなく、マンションや借地権付建物含め、利用できる対象も幅広いと言えます。

Hさん:なるほど。毎月の負担は、元本と利息ですよね。そこがちょっと不安だったりします。

相談員:確かに、毎月の返済が重荷になることを心配される方も多いでしょう。その場合の対策として、返済期間が最長で25年程度まで可能なところを利用し、例えば、お母様の寿命を全うできるような期間にすれば、最後に売却して清算ということもしやすいのではないでしょうか?

Hさん:なるほど。期間を長めに設計してもらうのですね。入居金が1000万円くらいとして、仮に1300万円くらい借りるとどの程度の負担になるのでしょうか?

相談員:そうですね、金利4%、元利均等返済方式で計算すると、毎月6.86万円台(初回の内訳は利息分が約4.33万円、元金返済分が約2.52万円)になります。

Hさん:そうか、はじめのうちは金利負担の割合が大きいから、仮にリバースモーゲージで利息のみ返済の場合と比べても、2倍に膨らむわけではないのですね。

相談員:元利均等返済方式なので、徐々に利息の割合が減っていき、元金と同等になるのが7~8年経過(93回目)のようです。

Hさん:なるほど。返済負担を考慮して余裕をもって借入額を設計してもらえたら有難いですね。母もどこまで長生きするかわかりませんが、この方法なら、海外の弟には手続きなど煩わせることなくできるので、検討してみます。もちろん、弟に一報は入れておきますが。

相談員:そうですね。不動産担保ローンは、資金使途も介護などにとどまらず、事業資金、生活資金など幅広く利用できるので、プランの柔軟性は高いといえます。最後にリバースモーゲージと不動産担保ローンそれぞれのメリットとデメリットを整理しておきますので、ご参考くださいね。

まとめ

リバースモーゲージの主なメリット・デメリットは?

◯ メリット
・毎月の返済が利息のみですむ
・死亡時に売却して返済すればいいので、生前の負担は少ない

△ デメリット
・年齢や所得、資金使途などの制限が大きい
・担保物件に条件があり、その評価額の5割程度が借入可能額の上限
・担保物件の評価額は毎年見直されるので、急に下がると、不足分の一括返済が求められる場合も
・手続きに相続人全員の同意が必要

不動産担保ローンの主なメリット・デメリットは?

◯ メリット
・年齢や所得制限があまりない
・担保物件の対象が幅広く、その評価額の8~7割程度まで借入可能
・資金使途も幅広く対応

△ デメリット
・毎月、元本と利息の返済が発生する

執筆者紹介

吹田 朝子( Tomoko Suita )
人とお金の理想的な関係を追求するお金のメンタリスト®・1級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー・キャリアコンサルタント
(社)円流塾代表理事、ぜにわらい協会会長、STコンサルティング(有)代表取締役社長
一橋大学卒業後、金融機関の主計部を経て1994年より独立。中小企業経営者から個人まで相談実績は3,300件以上。自己実現のためのお金の使い方や増やし方のサポートに力を入れている。
<主な著書>
「お金の流れをきれいにすれば100年人生は楽しめる!」スタンダーズ社・「小学生でもわかる!お金にまつわるそもそも事典」C&R研究所・「お金オンチの私が株式投資を楽しめるようになった理由」C&R研究所 など
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