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担保不動産競売までの流れと心得(1)――「金銭消費貸借契約証書」の重要性

金融機関から借入れた不動産担保ローンの返済が困難になってしまうと、担保として提供している不動産は金融機関によって売却されることになります。これは、不動産担保ローンを借入れるときの〝常識〟ですが、売却されることになった場合、実際にどんな手続きが発生するのかは、それほど知られてはいません。万が一、返済が困難になったときはもちろん、きちんと返済が終了したときにも関わる手続きが含まれていますので、4回にわたってお話しをしていきます。

不動産を担保にする権利「抵当権」

まず、不動産が担保にされたときの権利関係について、確認をしたいと思います。不動産担保ローンを融資するとき、金融機関は貸出先の不動産を担保にしますが、具体的には、「抵当権」を設定することになります。このとき、融資をする金融機関は「債権者」となり「抵当権者」になります。一方、融資を受ける方は、「債務者」となり「抵当権設定者」と呼ばれます。

抵当権は、債務者である金融機関が、担保とする不動産の登記簿謄本に登記することで完了します。登記されると、債務者がローンの返済が不可能になり(=「債務不履行」と呼ばれます)、裁判所が実施する「競売」(けいばい)などで不動産が売却された場合、優先して債務の返済を受けることができます。不動産を競売にかけることは「抵当権の実行」と呼ばれます。

なお、ローンを完済すれば抵当権を外すことができます。したがって、ローン返済期間の途中であっても、残りの借入額と利息をすべて繰り上げ返済してしまえば、抵当権を外せることになります。何らかの理由で、返済の途中で不動産を売却することになった場合は、まず完済をしてから売却します。抵当権が設定されている不動産には、基本的には買い手はつかないからです。抵当権が残ったままだと、不動産の前の所有者が債務不履行に陥ったときには、抵当権が実行されてしまいます。

また、ローンの返済が終わったとき、抵当権は自動的に抹消される、ということはありません。登記簿に記載されている抵当権は、抹消の手続きを行わない限り残ります。ローンを完済すれば、たとえ抵当権が記載されていても、金融機関の担保からは外れるのですが、抵当権が残っていると、その不動産を売却するときにスムーズにいかないケースが出てきます。したがって、完済したときには自分で手続きを行なう必要があります(費用を支払って、司法書士に代行してもらうことも少なくありません)。

「催告書」は法的手続きの通知書

では、ローンの返済が滞納した後の流れを追っていきましょう(以下は一般的に想定されるパターンで、すべての金融機関が該当するわけではありません)。

返済日に銀行口座からの引き落としができなかった場合、金融機関は、返済日の翌日に問い合わせの電話をしてくるはずです。問い合わせの内容は、支払いができなかった理由と、いつ頃に支払いができるのかという2つに集約されます。そして、金融機関としては、この段階で、融資先が債務不履行になっている可能性を視野に入れるようになります。

電話での問い合わせ以外に、支払いを催促する「督促状」(とくそくじょう)が郵送されてきます。この督促状は、返済を求める請求書にもなっており、「このまま滞納が続くとローンの残高と支払いの遅延損害金を一括返済してもらうことになる」といったことも記載されています。

請求書が届いた後も滞納が続き、返済の予定などを示さなかった場合は、「催告書」(さいこくしょ)が郵送されてきます。督促状との違いは、催告書は請求書ではなく、通知書であることです。何を通知するのかというと、「このまま滞納が続くと法的措置をとることになる」といった内容です。この法的措置とは抵当権の実行、つまり担保不動産の売却になります。

催告書は「内容証明郵便」で郵送されることがほとんどです。内容証明郵便とは、郵便局が「確実に郵送しました」という配達の記録を証明してくれるものです。催告書は、裁判所で不動産を競売にかけるときに必要な書類であることから、内容証明郵便を使うわけです。したがって、催告書が郵送されてきたら、すでに金融機関は法的な手続きを開始した可能性が高いと予想されます。

さらに、催告書が届いた場合、ローンの支払いの遅延などの情報を管理する「個人信用情報機関」は、目安として3か月以上の返済の遅延がある人を〝ブラックリスト〟に入れると考えられるため、その前に通知をすることになります。ただし、督促状や催告書が郵送された段階で、個人の信用情報には記録が残されていると考えたほうがいいでしょう。

「金銭消費貸借契約証書」の内容を確認しておくことが大事

たまに、ローンの契約を〝軽く〟考えてしまう人がいます。何の根拠もなく、「1回くらいの延滞であれば許されるだろう」といった思い込みなどです。しかし、多くの金融機関で、ローンの契約時に交わす「金銭消費貸借契約証書」に、「返済期日を1日過ぎただけでも『期限の利益喪失』事項に該当する」と記載しています。

「期限の利益」とは聞き慣れない言葉ですが、「ローンを分割払いで返済できる」ということで契約書に記載されます。この「期限の利益」を喪失してしまうと、ローンを借りた債務者は分割払いで返済できるという権利を失うため、残高と利息分を一括して支払わなければなりません。つまり、この通知が来た段階で、債務者は滞納分の支払いだけでは済まず、一括返済しか選択肢がないことになります。そもそも、毎月の返済が困難となり滞納をするわけですから、一括返済はほぼ不可能といえるでしょう。

もし、「返済期日を1日過ぎただけでも『期限の利益喪失』事項に該当する」と記載されていれば、契約書上の返済期日を過ぎてしまうと、金融機関から、いつ法的措置を取られたとしてもおかしくはないのです。「契約書なんてどれも同じだろう」とは考えず、金銭消費貸借契約証書の内容はきちんと理解しておくことが大切なのです。

▼シリーズ「担保不動産競売までの流れと心得」の記事一覧

・第1回:「金銭消費貸借契約証書」の重要性
・第2回:法的手続き開始から所有権の移転まで
・第3回:競売を回避する「任意売却」とは?
・第4回:「競売」の実態と今後の動向

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