「老後破産」は、日本人の高齢化などにより、取り上げられるようになったテーマの一つです。様々なメディアなどで目にする機会も増え、老後の生活を不安に感じる人もいるでしょう。 この記事では、老後破産の原因やその実態、老後破産に陥らないための準備や対策を解説します。 老後破産とは まず、「老後破産」という言葉に明確な定義はありません。そのため、この記事では「定年後の生活の中で、家計を維持できなくなること」と定義します。 自分はそれなりに貯蓄もあるし、関係のない話と思う人もいるかもしれません。しかし、仮に貯蓄が豊富にあったとしても、定年後20年、30年と暮らしていくことで、老後破産に陥るかもしれません。定年後は現役時代よりも収入が少なくなる、という人は多いでしょう。そうすると、現役時代と同じ生活水準を続けるには、貯蓄を切り崩しながら生活することになります。つまり、老後破産に陥る人は貧しい人ではなく、身の丈に合わない生活水準で、亡くなるまでに所有資産が尽きてしまう人とも言えます。 老後破産の実態 公的機関が行った調査から、老後破産の実態を探ります。 老後破産の割合は増加傾向 まずは、破産者における高齢者の割合を見てみましょう。「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、60歳以上の破産債務者の割合が増加しています。2002年調査では約17%でしたが、2020年調査では約25%となっています。一方で、あくまで「高齢者の割合」なので、件数が増加しているとも限りません。また、人口動態として、高齢者の割合が増加していることも、この結果の要因となるでしょう。 出典)日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会 2020年破産事件及び個人再生事件記録調査 老後破産予備軍は約7%? 次に、心理的な側面から、老後破産に陥りそうな「老後破産予備軍」の人を見てみましょう。「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によると、経済的な暮らし向きについて、心配ないと考えている65歳以上の人が68.5%を占めています。つまり、3人に2人が老後を心配なく暮らしています。一方で、「家計が苦しく、非常に心配である」という回答も約7%あります。この層がいわゆる「老後破産予備軍」と言えるかもしれません。 出典)内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」 老後破産の原因 「老後破産」に限ったものではありませんが、「破産」の原因は「2020年日弁連破産事件及び個人再生事件記録調査」によって報告されています。破産理由は、調査年によって多少異なりますが、いずれの年も上位の3項目は「生活苦・低所得」「病気・医療費」「負債の返済」です。 「生活苦・低所得」は、2005年~2020年調査の6回にわたる調査のいずれにおいても、割合が60%を超えています。高齢者にとっても、おそらくこの傾向は変わらないでしょう。 次に、「病気・医療費」は、20%を超える結果が続いています。この結果から、普段は問題なく暮らせていたとしても、大きな病気や突発的な事故により、急にまとまった資金が必要になることで、破産理由になることが考えられます。 最後に、「負債の返済」は、2020年に約20%という結果が出ています。これは、カードローンやキャッシングといった借り入れが中心と考えられます。なぜなら、同調査内の住居形態の質問によると、「本人所有」がわずか3.67%であり、住宅ローンが重荷になったと考えにくいためです。 つまり、破産と老後破産の原因の傾向が同じものと考えると、「低所得などによる生活苦状態が続く」「突発的にまとまったお金が必要になる」「借り入れが積み重なる」などが理由と考えられます。 老後破産の対策 それでは、老後破産に陥らないためには、どのように対策をすればいいのでしょうか。定年前にできる準備と、定年後からでもできる対策を見ていきましょう。 定年前にできる老後破産の対策 老後の収入源の確保 老後の収入が公的年金だけでは、不足することを想定して、定年前に収入源を確保しておくといいでしょう。たとえば、iDeCoやNISAを活用した老後資金への備えのほか、民間保険会社の取り扱う個人年金、不動産投資といった手段もあります。ただし、運用方法によっては、元本割れのリスクもあるため、運用先や方法は慎重に判断しましょう。 老後を見据えた貯蓄 収入源の確保と併せて貯蓄も計画的に行いましょう。一方で、「計画的に」と言っても、老後の生活水準は個人差があるため、一概にいくらあればいいとも言い切れません。それらしい金額を算出したいのであれば、何年生き、毎年いくら収支がマイナスだから、合計でいくら必要になる、と計画を立てるべきです。一方で、将来何が起こるかわからないのも事実です。「老後2,000万円問題」で取り上げられたように、「2,000万円貯蓄する」と決めてもいいかもしれません。 住宅ローンの完済 老後の生活を考えるにあたり、住宅ローンの完済は重要です。住宅ローンを30歳の時に返済期間35年で借りた場合、完済年齢は65歳です。定年や完済年齢は個人差がありますが、定年後も住宅ローンが残る場合は、繰り上げ返済の活用を考えましょう。老後資金を確保するための住宅ローンの返済術は以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編) 健康の維持 60歳以上では、入院が必要となる病気やケガが増加します。公益財団法人生命保険文化センターの統計「性・年齢階級別にみた入院受療率(人口10万対)」によれば、入院受療率が40~44歳では311人(0.311%)に対して、65~69歳では1,305人(1.305%)と4倍以上となります。医療費を抑えるという意味でも、長く働くという意味でも健康に気をつけることが重要です。 出典)公益財団法人 生命保険文化センター 定年後からでもできる老後破産の対策 家計収支の見直し まずは、家計収支を見直しましょう。老後破産の原因の一つが現役時代と同水準の生活を続けてしまうことです。老後の収入源が年金のみの人は、現役時代と比較すると収入が減少してしまうでしょう。収入を増やすのは難しくとも、支出の中の不必要なもの、削れるものはあるかもしれません。 再雇用やアルバイト 老後破産の対策として、定年後も仕事を続けることが有効です。独立行政法人労働政策研究・研修機構の行った「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると再雇用や継続雇用制度によって、60歳以降も働き続けることができる企業は増加傾向にあります。また、健康上の理由などによって、フルタイムで働くことが難しい場合は、アルバイトを検討してもいいかもしれません。 出典)独立行政法人 労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」 持ち家を活用した資金調達 家計収支の改善だけでは難しい場合には、持ち家を活用した資金調達も検討してみましょう。リバースモーゲージやリースバックを活用することで、不足する老後資金を確保できるかもしれません。詳細は以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? まとめ 少子高齢化の進む日本においては、今の現役世代は十分な額の公的年金の給付を受けられない可能性があり、自分で準備しておくことが求められます。これから老後を迎える人についても、早い段階で専門家のアドバイスを受けるようにするとよいでしょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックを利用することで老後の不安を解消し、より快適な生活が送れるように...
昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際は家族や友人関係、医療・介護、財産など、生前のうちに確認し、準備しておくべきことはたくさんあります。 老後の不安を解消し、残りの人生を自分らしく生きるには、終活について理解しておくことが大切です。この記事では終活ですることや始めるタイミング、老後資金の準備について解説します。 終活とは 終活は週刊誌によって作られた言葉で、「人生の最期を迎えるための活動」といった意味に加え、「残りの人生をより前向きに自分らしく生きるための活動」という意味もあります。 終活が注目されるようになった背景には、高齢化によって老後破産や孤独死、認知症、相続トラブルなどの増加が社会問題化していることがあります。厚生労働省の簡易生命表(2019年)によれば、男性の平均寿命は81.41年、女性は87.45年です。また、90歳まで生存する人の割合は男性27.2%、女性51.1%となっています。 このような背景から「老後生活の不安を解消したい」「家族に負担をかけたくない」と考える人が増え、終活に取り組む人が増えていると考えられます。 出典)厚生労働省「2019年(令和元年)生命簡易表の概況」 終活はいつから準備する? 終活を始めるタイミングは人それぞれで正解はありません。「仕事を辞めて年金生活になった」「一定の年齢に達した」など、人生の転機を迎えたときや死を意識したタイミングで、少しずつ進めていくといいでしょう。 ただし、認知症を患うなど、意思表示ができなくなると始めるのは難しくなります。そのため、まだ元気なうちに、「少し早いかな」と思うぐらいのタイミングで始めるのがおすすめです。 終活では何を準備する? 終活では、現在の状況と将来するべきことを整理するために、エンディングノートを作成するといいでしょう。エンディングノートに法的な効力はなく、書き方のルールもないので、好きな方法で作成して構いません。エンディングノートでは、主に以下の内容について整理します。 自身や家族、友人のこと 自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や趣味などを書いておけば、誰が書いたものかが一目でわかります。スマホやインターネットなど、自身が契約しているサービスについても伝えておくと家族は助かるでしょう。また、家族や友人の連絡先、自身との関係なども書いておくと、必要に応じて連絡をとることができます。 医療や介護のこと 判断力が低下したり、意思表示ができなくなったりしたときのために、かかりつけ医や持病、飲んでいる薬、アレルギーなどについて書いておくといいでしょう。また、介護や延命治療に関する希望を伝えておくと、もしものときに家族が判断しやすくなります。 財産に関すること 老後生活が長くなるほど、財産を適切に管理することの重要性は高まります。収入や支出の項目・金額を整理して、老後の家計収支を把握しましょう。また、預貯金や不動産、金融資産など保有中の資産を一覧にしておくことも大切です。 葬儀やお墓のこと 最近では、葬儀やお墓に対する考え方が多様化しており、その様式もさまざまです。たとえば、葬儀は一般葬の他に、参列者が親族のみの家族葬や一日葬などもあります。また、お墓も代々受け継いでいく家族墓だけでなく、永大供養墓や散骨といった形もあります。そのため、葬儀やお墓についての希望、連絡先のリストなどを書いておくといいでしょう。 相続のこと 相続トラブルを避けるには、相続人や相続財産について整理する必要があります。また、預貯金や不動産といった資産だけでなく、借金などの負債も相続財産に含まれる点に注意が必要です。相続について希望がある場合は、遺言書の作成も検討しましょう。 終活をするメリット 終活をするメリットとしては下記のようなことが挙げられます。 万が一の備えになる 医療や介護に関する希望を家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておくことは万が一の際の備えになります。例えば、認知症になって判断力が低下したり、意識不明や重篤な状態に陥ってしまった場合に、延命治療や介護の希望などを伝えておくと、家族が判断をしやすくなります。 また、エンディングノートに自身のアレルギーや持病、常備薬を記載しておくことももしものときの備えになります。 相続をスムーズに進められる 財産の整理や相続の準備をしておくことで、残された家族が相続をスムーズに進められます。例えば、エンディングノートに保有している金融資産や不動産などをまとめて記載しておくと、残された家族が財産を把握しやすくなります。 また、相続について希望がある場合は、遺言書を作成しておくことも有効です。財産の整理や遺言書の作成をしておくことで相続をスムーズに進められるだけでなく、トラブルを回避することにもつながります。 葬儀やお墓の手配をスムーズに進められる 葬儀やお墓の希望について家族に伝えておくことで、手配をスムーズに進めることができます。自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。そこで、葬儀やお墓について希望を伝えておくことで、家族が段取りをしやすくなり、負担を軽減することができます。 また、事前に自身でお墓を用意しておいたり葬儀費用を準備しておくことも、残された家族の負担を軽減することができます。 自身の経済状況を把握できる エンディングノートに自身の財産等をまとめることで経済状況を把握できます。そして、自身の経済状況を把握することは、健全な家計収支の維持にもつながります。 自身の経済状況を把握し、今後の人生をどのように過ごすのか改めて見直すことは充実した老後生活を送るためにも大切です。 備忘録になる エンディングノートに保有している銀行口座や保険、株式をまとめておくと備忘録になります。また、各種暗証番号等を記載しておけるエンディングノートなどもあります。 このようにエンディングノートを備忘録として活用するのも一つの有効な方法であると言えます。 人生の振り返りができる 終活は自身の人生を振り返る良い機会でもあります。エンディングノートには様々な種類があり、中には自分史や思い出について記載できるものもあります。このようなことを改めて整理することで、今までの自身の人生を振り返ることができます。 今後の人生をより良く生きるためにこれまでの自身の人生を振り返ることもおすすめです。 生きがいや目標を発見できる 終活では、残された家族の負担を軽減することにフォーカスされることが多いです。しかし、自身の人生を振り返り、今後の人生をより良く自分らしく生きることができるようにするというのも終活を行う目的の一つです。 終活に際しては、これからのセカンドライフで何をしたいか、だれと会いたいかなどを整理してみるとよいでしょう。そうすることで、新たな生きがいや目標を発見することができるかもしれません。 終活をしなかった場合に生じる問題 終活をしなかった場合、下記のような問題が生じる可能性があります。 医療や介護に関する希望を把握できない 年を重ねるにつれて医療や介護が必要になる可能性が高くなります。万が一意識不明や重篤な状態に陥り意思表示が難しくなった場合に、延命治療や介護の希望がわからないと家族が判断をしにくくなります。 相続トラブルが発生する 終活によって自身の財産の整理や相続に関する希望を遺しておかなかった場合、相続トラブルが生じる可能性が高くなります。相続トラブルは遺産内容が不透明であることや遺産分割の割合に偏りがあることに起因するケースが多いです。 葬儀やお墓の準備に手間がかかる 自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。例えば、葬儀の日程や形式、寺院の選定、訃報を知らせるべき方の選定などです。これらのことを一から決めるのは非常に手間がかかります。 残された家族が財産を把握できない 自身の財産をまとめて記録しておかないと、残された家族が財産を把握しにくくなります。近年ではパソコンやスマートフォンなどに保存しているデジタルデータなど目に見えない財産も増えています。これらの財産は、家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておかないと把握できない可能性が高いです。 十分な老後資金が準備できているかを確認する 終活の中でも、優先的に取り組んでおきたいのが老後資金の問題です。残された家族のことを思えば、自身が亡くなった後のことについて考えるのは大切なことです。しかし、終活では、自身の老後生活に問題がないかを確認するのが、最優先で取り組むべき課題です。 現在の家計収支や資産状況を整理・把握して、十分な老後資金が準備できているかを確認しましょう。もし老後資金が不足するようなら、早急に対策をたてる必要があります。 終活に「リースバック」という選択肢も 老後資金が足りない場合、持ち家があるなら「リースバック」という選択肢があります。リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。 リースバックはローン商品ではなく、売却と賃貸が一体となった不動産取引であるため、利用にあたって年齢や収入の制限はありません。また、持ち家を売却すると、通常は別の住居を確保する必要がありますが、リースバックならそのまま住み続けることが可能です。 加えて、リースバックを利用して不動産を現金化すれば財産を分配しやすくなるため、相続トラブルを回避するための手段としても活用できます。 終活に関するよくある質問 終活をしている人はどのような理由で始めますか? インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。また、約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。 出典)PRTIMES「デジタル終活知っている?希望するお墓のカタチは?20~70代にきく終活に関する意識調査(マクロミル調べ)」 生前整理として残しておくべきものはどういうものですか? 生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。 終活として断捨離しておくと良いものはありますか? 不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。 終活をする上での注意点は何ですか? 終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。 出典)消費者庁 「第1部 第1章 第4節(4)高齢者が巻き込まれる詐欺的なトラブル」 《Appendix》エンディングノートの記載例 以下はエンディングノートに記載する内容の一例です。 自分自身や家族、友人のこと 自分自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や家族、友人についての記載例です。下記の内容以外にも自身で書きたいことがあれば記載しておくと誰が書いたのか分かりやすくなります。また、家族や友人については、自身の死後に連絡を希望するかまで記載をしておくと家族が判断をしやすくなるでしょう。 自分のこと 名前山田 太郎 生年月日1950年1月1日 住所〒〇〇〇ー〇〇〇〇東京都新宿区西新宿〇ー〇〇 本籍地〒〇〇〇ー〇〇〇〇東京都渋谷区道玄坂〇ー〇〇ー〇〇 血液型A型 趣味釣り読書 家族・友人のこと 氏名関係住所連絡先訃報について 山田 花子妻東京都新宿区〇〇・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせる 山田 次郎子東京都世田谷区〇〇・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせる 山田 二郎弟埼玉県〇〇市・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせない 佐藤 三郎友人福島県〇〇市・・・〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇知らせない 医療や介護のこと 医療や介護についての記載例です。持病については、常備薬やかかりつけの病院まで記載をしています。また、万が一の際に備えて延命治療や介護の希望についても記載をしておくと良いでしょう。 医療や介護のこと 持病高血圧 常備薬〇〇、〇〇〇〇 かかりつけの病院〇〇病院 〇〇科 担当医:〇〇 アレルギー卵、えび、かに、いか 延命治療希望しない 介護の希望自宅で家族に介護をしてもらいたい 財産のこと 財産についての記載例です。下記では、預貯金と株式について記載していますが、それ以外でも、資産を保有している場合は一覧にしてまとめておくと良いでしょう。 預貯金のこと 金融機関名〇〇銀行支店名〇〇支店 口座番号〇〇〇〇〇〇〇口座名義山田 太郎 口座種別普通備考 株式のこと 預入証券会社〇〇証券口座番号〇〇〇〇〇〇〇 名義人山田 太郎備考〇〇の株式を100株保有 葬儀やお墓のこと 葬儀やお墓についての記載例です。葬儀については、下記のような事項について記載をしておくと葬儀の準備がスムーズに進みやすいです。また、下記以外にも葬儀に参列してほしい人を表にしてまとめておいたり、納棺時の服装や棺に入れてほしいものなどを記載することもあります。 葬儀のこと 葬儀を希望する/しない希望する 葬儀会社・斎場株式会社〇〇住所:東京都新宿区〇ー〇〇 費用について準備している 葬儀の種類家族葬 宗教の希望仏教 遺影についてあり(机の引き出しの一番上) 戒名についてこだわりはありません お墓のこと お墓の有無先祖代々のお墓 埋葬方法の希望永代供養墓 お墓がある場合墓地・霊園の名称:〇〇霊園住所:東京都練馬区〇〇ー〇〇連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 相続のこと 下記は遺言書についての記載例です。遺言書がある場合は、保管している場所まで記載をしておくと良いでしょう。また、遺言書の有無以外にも、遺産分割や遺品の処分について希望がある場合は、記載をしておくことをおすすめします。 相続のこと 遺言書の有無有 遺言書の種類自筆証書遺言(机の一番下の引き出し) 遺言書の関係者弁護士:〇〇連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 まとめ 終活は、家族の負担を減らせるのはもちろん、残りの人生を自分らしく生きることにも役立ちます。終活ですることはたくさんありますが、最優先して取り組むべきことは財産整理です。家計収支や資産状況を整理した結果、持ち家があって老後資金が不足しそうな場合はリースバックの活用を検討しましょう。 リースバックならSBIスマイル さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 リースバックとは、資産を売却した後もそのまま使い続けられる資産活用の取引手法です。 「セール・リースバック」や「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれ、所有している資産を第三者に売却し、同... { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "終活をしている人はどのような理由で始めますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。その次に約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。" } }, { "@type": "Question", "name": "生前整理として残しておくべきものはどういうものですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。" } }, { "@type": "Question", "name": "終活として断捨離しておくと良いものはありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。" } }, { "@type": "Question", "name": "終活をする上での注意点はありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text":"終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。 " }} ] }
住宅ローンの返済が滞ると、「競売」という言葉が頭をよぎる人もいるかもしれません。競売とは、返済ができなくなったときに、裁判所を通じて自宅が強制的に売却される法的手続きです。競売は、債権者が債務を回収するための手続きであり、「市場価格より安く売却される」、「余計な費用がかかる」、「周囲に知られてしまう」など、生活への影響が大きく、できる限り避けたいものです。 この記事では、競売の基本的な仕組みや種類、手続きの流れをわかりやすく解説するとともに、競売を回避するための具体的な方法についても紹介します。 競売とは?基本の仕組みと種類 競売とは、ローンなどの債務を返済できなくなった場合に、債務者が所有する不動産を裁判所の手続きにより強制的に売却し、その売却代金を債権者への返済に充てる法的手続きです。この手続きは、債権者(金融機関など)が裁判所に申し立てを行い、不動産が差し押さえられることで始まります。 競売は、債権者が債務の回収を図るための法的手段であり、債務者にとっては資産を失うだけでなく、生活への影響も大きいため、事前に仕組みを理解しておくことが重要です。 競売の種類と違い 競売と一口に言っても、実は3つの種類があり、それぞれ背景や目的が異なります。ここではその違いをわかりやすくご紹介します。 ① 強制競売 裁判所の判決や調停、公正証書などに基づき、債務者の財産を強制的に売却する手続きです。たとえば、未払いの賃料や損害賠償などが対象になります。 ② 担保不動産競売 住宅ローンなどで設定された抵当権などの担保権を実行するための競売です。ローンの返済が滞った場合、金融機関が担保不動産を差し押さえ、競売にかけることで債権を回収します。 ③ 形式競売 遺産分割や共有物の解消、破産手続きなどで不動産を現金化する必要がある場合に行われる競売です。債務の返済目的ではなく、財産の整理や分配を目的としています。 公売との違い 競売と似た制度に「公売」がありますが、目的や手続きの主体が異なります。 競売:民間の債権回収を目的とし、裁判所が手続きを進める(根拠法:民事執行法) 公売:税金の滞納に対する回収を目的とし、国税局や税務署が手続きを進める(根拠法:国税徴収法) どちらも不動産が強制的に売却される点では共通していますが、制度の背景や流れは大きく異なります。 競売の流れと手続きのステップ 督促から差押え、入札、落札までの流れ 住宅ローンなどの返済が滞った場合、競売に至るまでにはいくつかの段階があります。特に保証会社がついている融資では、競売の流れは、初めて見ると複雑に感じるかもしれません。ここでは、実際にどのようなステップで進むのかを順を追って説明します。 金融機関から督促状や催告状が届く 保証会社が金融機関へ代位弁済を行う 保証会社から代位弁済分の支払いを求める求償通知が届く 求償に応じられない場合、保証会社が裁判所へ競売の申立てを行う 裁判所から「競売開始決定通知」が届き、不動産が差し押さえられる 裁判所の執行官が、不動産の現況を調査するために訪問する 裁判所が不動産の評価書や物件明細書を作成し、競売の情報が公告される 指定された期日に、裁判所で不動産の入札が行われる 最高額で入札した落札者が決まり、裁判所から売却決定の通知が届く 不動産が落札者に売却され、退去を求められる このように、競売は法的な手続きに基づいて進行し、最終的には不動産が強制的に売却されることになります。 裁判所の関与と現況調査の内容 競売手続きでは、裁判所が中心となって進行します。特に「現況調査」は重要なステップで、以下のような内容が含まれます。 執行官による物件の訪問・写真撮影 占有者(居住者)の確認 建物の状態や周辺環境の調査 必要に応じて近隣住民への聞き取り この調査結果は、裁判所のホームページなどで公開されるため、競売にかけられていることが周囲に知られる場合もあります。 関連記事はこちら担保不動産競売までの流れをわかりやすく解説 競売のデメリットとリスク 競売には、金銭面だけでなく精神面でも大きな負担がかかることがあります。ここでは、競売の主なデメリットを整理してみましょう。 市場価格より安く売却される 競売物件は、買主にとってリスクが高いため、落札価格が市場価格を下回るのが一般的です。主な理由は以下のとおりです。 建物に欠陥があっても、買主が修繕費を負担する必要がある 前の所有者が退去しない場合、交渉や法的手続きが必要になる 「競売物件」への心理的抵抗感がある 通常の不動産取引よりも手続きが複雑 競売では、「売却基準価額」が市場価格の7〜8割程度に設定される傾向があり、「買受可能価額(最低落札価格)」はその8割前後となるのが一般的です。結果として、実際の売却価格は市場価格の半分〜6割程度になることもあります。 余計な費用がかかる 競売には、通常の不動産売却では発生しない費用がかかります。代表的なものが「予納金」と「遅延損害金」です。 予納金:裁判所に競売を申し立てる際に必要な費用。東京23区では、請求債権額に応じて80万〜200万円程度が必要です(最終的には売却代金から差し引かれ、債務者が負担する形になります)。 遅延損害金:ローン延滞が続くことで発生する追加利息。競売完了までに1年以上かかることもあり、負担額が膨らむことがあります。 ※令和2年3月31日以前に受理された申立てについては60万円 出典)裁判所|不動産競売事件(担保不動産競売,強制競売,形式的競売)の申立てについて これらの費用が重なることで、競売後も残債が残るケースが少なくありません。 周囲に知られるリスクと心理的負担 競売は裁判所の手続きで進められるため、物件情報が公示されます。以下のような情報がインターネット上に掲載されることがあります。 所在地・外観・室内写真 執行官による現地調査の結果 占有者の状況や周辺環境 名前が公開されることはありませんが、近隣住民や知人に知られてしまう可能性もあり、精神的な負担も大きくなります。 競売後に残る債務とその対応 「競売で家を売れば借金もなくなる」と思っていませんか?実は、売却後も借金が残るケースは少なくありません。 残債が残る理由 競売価格が市場価格よりも低いため、売却代金がローン残高に届かない 遅延損害金や手続き費用が加算され、債務額が膨らむ 残債の返済義務はどうなる? 競売後も、残ったローンの返済義務はなくなりません。引き続き、残債務を返済する必要があります。債権者は、状況に応じて以下のいずれかに変更されることがあります。 元の金融機関(ローンを借りた先) 保証会社(代位弁済を行った場合) サービサー(債権回収を専門とする業者) サービサーは、債権を譲り受けた後、債務者に対して返済の交渉を行います。多くの場合、分割払いでの返済が提案されますが、条件は債権者との交渉次第です。 競売を回避するための3つの方法 競売の申立てが行われた後でも、開札期日の前日までは取り下げが可能です。ただし、債権者との交渉は簡単ではなく、現実的な対策が必要です。ここでは、競売を回避するための代表的な3つの方法をご紹介します。 不動産担保ローンを活用する 他の金融機関から新たに融資を受けて残債を返済できれば、競売の手続きは取り下げられます。ただし、延滞歴や収入状況によっては審査が厳しくなることもあります。 一方で、不動産に評価余力がある場合は、柔軟な審査を行う金融機関から融資を受けられる可能性もあります。返済期間を延ばすことで、毎月の返済負担を軽減できるケースもあります。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 任意売却で市場価格に近い金額で売却する 任意売却とは、債権者の同意を得たうえで、通常の不動産取引と同じ方法で物件を売却する方法です。競売と違い、市場価格に近い金額で売却できる可能性があり、残債の圧縮にもつながります。 まずは、任意売却に対応している不動産会社や弁護士に相談することが重要です。 関連記事はこちら競売を回避する「任意売却」とは?注意点や流れを解説 リースバックで住み続ける選択肢も 「家を手放したくない」「住み慣れた場所に住み続けたい」という人には、リースバックという方法もあります。リースバックは、自宅を売却して現金を得た後も、賃料を支払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。 債権者の同意が得られれば、競売を回避しながら生活環境を維持することが可能です。関連記事はこちらリースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説 競売に関するよくある質問(FAQ) 競売に関して不安や疑問を抱えている人は少なくありません。ここでは、よく寄せられる質問とその答えをわかりやすくご紹介します。 競売はいつから始まるのですか? 競売は、ローンの延滞が続き、債権者が裁判所に申立てを行った時点から正式に始まります。具体的には、督促状や催告状が届いた後、保証会社による代位弁済が行われ、裁判所から「競売開始決定通知」が届くことで、差押えが確定します。この通知が届いた段階で、競売の手続きが本格的に進行することになります。 任意売却は誰でも利用できますか? 任意売却は、債権者の同意が得られれば、ほとんどの人が利用可能です。ただし、売却価格が債権者の希望に近いことや、残債の返済方法について合意できることが前提となります。専門的な交渉が必要になるため、任意売却に詳しい不動産会社や弁護士への相談が重要です。 競売になったら、すぐに退去しなければなりませんか? 競売が成立し、落札者が決まった後でも、すぐに退去を求められるわけではありません。落札者との間で退去時期の調整が行われることもありますが、最終的には法的手続きにより退去が求められるため、早めの準備が必要です。 まとめ 競売は、ローン返済が難しくなったときに起こりうる法的手続きですが、売却価格が安くなったり、余計な費用がかかったり、周囲に知られてしまうなど、多くのリスクがあります。さらに、競売後も残債が残る可能性があるため、生活への影響は大きくなりがちです。 こうした事態を避けるためには、早めの対応が何よりも大切です。不動産担保ローンや任意売却、リースバックなど、状況に応じた回避策を検討し、専門家に相談することで、より良い選択ができる可能性があります。 競売は避けられる可能性があります。まずは、信頼できる相談先に話してみることが、解決への第一歩です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 「金銭消費貸借契約証書」の重要性とは? 金融機関から借入れた不動産担保ローンの返済が困難になってしまうと、担保として提供している不動産は金融機関によって売却されることになります。これは、不動産担保ローンを借入れるときの〝常識〟です... { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [ { "@type": "Question", "name": "競売はいつから始まるのですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "競売は、ローンの延滞が続き、債権者が裁判所に申立てを行った時点から正式に始まります。督促状や催告状が届いた後、保証会社による代位弁済が行われ、裁判所から競売開始決定通知が届くことで差押えが確定し、手続きが本格的に進行します。" } }, { "@type": "Question", "name": "任意売却は誰でも利用できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "任意売却は、債権者の同意が得られれば、ほとんどの人が利用可能です。ただし、売却価格が債権者の希望に近いことや、残債の返済方法について合意できることが前提となります。専門的な交渉が必要なため、任意売却に詳しい不動産会社や弁護士への相談が重要です。" } }, { "@type": "Question", "name": "競売になったら、すぐに退去しなければなりませんか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "競売が成立し、落札者が決まった後でも、すぐに退去を求められるわけではありません。落札者との間で退去時期の調整が行われることもありますが、最終的には法的手続きにより退去が求められるため、早めの準備が必要です。" } } ] }
「保証人」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。一方で、保証人が「どのような責任を負うことになるか」理解をしている人は少ないかもしれません。また、一口に「保証人」と言っても、「物上保証人」「連帯保証人」では、責任範囲が異なることをご存知でしょうか。 この記事では、ローンなどの債務における「保証人」や「物上保証人と連帯保証人の違い」について解説します。 そもそも保証人とは 保証人とは、債務者が債務不履行となったときに、その履行の責任を負う人です。融資とその返済を例に挙げると、債務者が返済できなくなった時に、債務者に代わって返済義務を負う人のことを言います。 ところで、何故保証人を立てる必要があるのでしょうか?例えば、金融機関から担保融資を受ける際、債務者本人が担保を提供して、その評価の範囲内でお金を借りることが一般的です。 しかし、返済ができなくなった時に、担保の価値が減少していたら、金融機関は融資金を回収できなくなります。これは金融機関にとっての大きなリスクです。 このようなリスクを避けるために、保証人を立てることで、追加で担保を提供することや、債務を保証人が引き受けることができます。そのため、担保融資では、担保提供と共に保証人が必要になります。 一方で、充分な担保が提供されている場合や、保証協会の保証付き融資などは、保証人が免除されることもあります。 出典)内閣府「保証人とは(法的整理)」 関連記事はこちら住宅ローンの保証会社とは?役割や種類、利用時の注意点を解説 物上保証人とは 物上保証人とは、自分の財産を他人の債務の担保に提供する人のことです。一般的には担保提供者と呼ばれます。あくまで「担保の提供」であり、債務を負担するわけではないため、物上保証人の負担割合は、自身が提供した担保以上の返済義務を負いません。 担保融資を受ける際、債務者に担保として提供する物がない場合は、家族や親戚などが物上保証人になる方法もあります。その際は、物上保証人となることに同意し、本人の所有物である担保を提供することが必要です。 物上保証人になると、債務者が返済できなくなった際には抵当権が実行され、自分が提供した担保の範囲内で物的有限責任を負うという特徴があります。 たとえば、債務者のAさんが3,000万円の借り入れを金融機関から行い、物上保証人のBさんが2,000万円の担保を提供したとします。債務者のAさんが返済できなくなり、債務不履行となった場合、金融機関は抵当権を実行して、物上保証人のBさんの担保から債権回収を行います。 この場合、1,000万円の債務が残りますが、物上保証人のBさんは、残った債務まで返済する義務はありません。 連帯保証人とは 連帯保証人は、「催告の抗弁」「検索の抗弁」「分別の利益」という、通常「保証人」が持つ権利が認められない保証人のことです。順に説明します。 「催告の抗弁」とは、保証人が債権者から債務の履行を請求されたときに、まずは債務者に請求するよう求めることを指します。「検索の抗弁」とは、保証人が債権者に対し、債務者が弁済可能な資産などを所有しているときに、保証債務の履行を拒否できることを指します。 「分別の利益」とは、保証人が複数存在する場合、その頭数で割った金額についてのみ支払義務が生じることです。 これらのことから、連帯保証人の責任範囲は債務者と同等となります。つまり、「連帯保証人」は、本来債務者が負担すべき債務についても、履行せざるを得なくなる恐れがあり、通常の「保証人」よりも重い責任が課されます。 住宅ローンを組む際は保証人が不要 通常、単独で住宅ローンを組む際は購入する家が担保となり、抵当権が設定されるため保証人を立てる必要はありません。例外として、購入する不動産が共有名義の場合や土地の所有者と建物の所有者が異なる場合などは担保提供が必要となります。 例えば、親の所有する土地に子どもが家を建てる場合は、担保提供として金融機関から連帯保証人となることを求められます。住宅ローンの返済が滞った場合や万が一の場合に、金融機関は家だけの抵当権を設定しても担保としての意義がほとんどないからです。 親子間で担保提供が発生する場合は、将来親が亡くなった際に相続人とのトラブルに発展する場合があるため、家を建てる前に話し合うことが重要です。 夫婦で借りる住宅ローン 夫婦で借りる住宅ローンは、ペアローンやフラット35の収入合算を利用する方法があります。フラット35の収入合算には連帯保証型と連帯債務型があります。連帯保証型では夫婦のうち一人が借主となり住宅ローンの返済義務を負い、もう一人がその連帯保証人となって借主が住宅ローンを返済できなくなった際に代わりに返済義務を負います。 夫婦で住宅ローンを組む場合は、それぞれの商品の返済責任義務について確認しておくことが大切です。 物上保証人と連帯保証人の違い 債務者が債務不履行となった場合で考えてみましょう。物上保証人は自身が差し入れた担保の評価範囲内にのみ返済義務が生じます。一方で、連帯保証人は、債務者の債務が完済されるまで返済責任義務が生じます。 つまり、担保提供の有無にかかわらず、金融機関に返済を命じられたら、すべての債務の返済義務が生じます。そのため、物上保証人と比べると責任範囲が広く、リスクも大きくなることがわかります。 このような違いがあるので、保証人となる依頼を受けている場合は、保証内容の範囲やリスクを充分理解しておく必要があります。安易に連帯保証人となることを引き受けないことが大切です。 不動産担保ローンでは保証人が必要? 不動産担保ローンでは、債務者の所有不動産である場合、保証人が原則不要という会社も多いです。なぜなら、担保として提供する不動産の評価が高ければ、債務者自身が責任を負うことができるからです。仮に債務不履行となったとしても、担保として提供している不動産の売却により、融資金を回収できるので、保証人は必要ないのです。 ただし、債務者以外の第三者から担保提供を受ける場合は、保証人が不要とは限りません。この場合、担保の提供者が物上保証人もしくは連帯保証人のどちらかになることが一般的です。 物上保証人になるか、連帯保証人になるかは、金融機関がリスクをどのように考えるかによって分かれます。物上保証人の場合、返済の責任は担保の評価内となります。そのため、債務不履行になったとき、担保の評価が債務残高を下回っていれば、残債分を回収できなくなります。 一方で、連帯保証人の場合、担保の評価が債務残高を下回っていたとしても、その残債までも支払う義務が発生します。このように、債務者自身の与信が低いと判断される場合などに、連帯保証人となることを求められるかもしれません。 まとめ 担保融資では、債務者以外の第三者から担保提供してもらう場合、担保の提供者に物上保証人または連帯保証人になってもらうことが一般的です。物上保証人の責任範囲が担保の評価内なのに対して、連帯保証人は債務が完済するまでが責任範囲となるので、連帯保証人のほうが物上保証人に比べると責任が重くなります。 保証人の違いを正しく理解し、契約後に後悔しないよう気をつけましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産担保ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りるローンのことです。無担保ローンに比べて、まとまった金額を低金利で借りられる一方、返済が滞ると不動産が競売にかけられるリスク...
不動産担保の基礎知識(3)では、土地の種類には「用途的地域」という分類があることを解説しました。土地の価値を評価するには、その土地が何に使われているかという「現況」(現在の状況)に加え、周辺地域の土地の利用状況から「何の用途に使うのが合理的なのか」を考慮することが重要になります。用途的地域とは、そうした地域の用途を分類しています。 用途的地域は、法律や条例に基づいた基準ではありません。国土交通省が公表している「不動産鑑定評価基準」が定めている「種別」です。ただし、国土交通省は、国家資格として「不動産鑑定士」を所管していますので、不動産評価の基準としては法令に準ずるもの、といっていいでしょう。 そして、その不動産鑑定評価基準には、「不動産の類型」という項目があります。土地と建物からなる不動産の「権利関係」に着目して分類をしたもので、こちらは法令に基づいた基準となっています。この記事では、この不動産の類型についてお話しします。 土地の権利の「類型」は5種類ある 不動産の類型は、土地と建物に関する「権利」によって分類し、不動産の評価に役立てようというものです。類型には、土地の権利のみに着目する場合と、土地と建物の両方の権利関係をみる場合との2つのパターンがあります。まず、土地のみに着目したものについて説明しましょう。 土地だけをみるものは、不動産鑑定評価基準では「宅地」の類型といいます。ここでいう宅地とは、冒頭で述べた用途的地域に基づいたものです。したがって、一般の住居が多い「住宅地」、小売店や飲食店、雑居ビル、スーパーなどが多い「商業地」、町工場や工場が多い「工業地」などが対象となります。こうした宅地の類型には以下の5種類があります。 ①更地(さらち) 土地の上に建物がなく、土地の所有者が自由に使える状態のことです。一般的に更地というと、建物がなくて地面がむき出しの状態が思い浮かびますが、宅地の類型では、〝建物がない〟というだけではなく、③の「借地権」が付いていない土地、という意味を含んでいます。 ②建付地(たてつけち) 土地の上には建物があり、土地と建物の所有者が同じで、土地だけを評価する際の分類です。実際に評価の対象となることは、それほど多くありません。 ③借地権(しゃくちけん) 土地の所有者に賃料を支払って、土地を借りている人の権利。借りている人は「借地権者」、貸している土地の所有者は「借地権設定者」と呼ばれます。 ④底地(そこち) 賃料を受け取って土地を貸している所有者の権利。借地権を持っている人がいるため、底地の権利があっても、土地を自由には使えません。 ⑤区分地上権(くぶんちじょうけん) 他人の所有する土地の地下、あるいは、土地の上にある空間に、何らかのモノを設置する場合、設置をする側が有する権利。具体的には、地下の場合はトンネルや地下道、土地の上の空間の場合は送電線などが考えられます。借地権と同じく、区分地上権を持つ人は、土地の所有者に賃料を支払います。これを評価することも、最近はかなり減っています。 以上が宅地の類型になります。あまり聞き慣れないものがあったと思いますが、宅地には商業地や工業地が含まれているため、さまざまな様態があります。 土地と建物の権利関係には4種類ある 次は、「建物及びその敷地の類型」で、土地と建物の権利関係から分類したものです。以下、4種類があります。 ①自用(じよう)の建物及びその敷地 土地と建物の所有者が一致しているケースです(「自用」とは自家用という意味です)。具体的には、一戸建て住宅、自社ビルなどが該当します。不動産評価においては最も一般的といえるものです。 ②貸家及びその敷地 土地の所有者が賃貸アパートやマンション、貸しビルなどを建てており、その建物を他人が借りているケースです。これもお馴染みのものといえるでしょう。 ③借地権付建物 宅地の類型で触れた借地権を有する人が所有する建物が建っている状態です。具体的には、親が所有する土地に子供が家を建てているような場合です。建物が自家用か、さらに別の人へ貸しているかで、違いがあります。 ④区分所有建物及びその敷地 複数の人が建物と土地の一部分を所有している状態です。いちばんわかりやすいのは分譲マンションのオーナーです。また、ビルを共同で開発して一部を所有しているケースも該当します。 不動産評価の指針となる「種別」と「類型」 「不動産担保の基礎知識」の(3)と(4)で、不動産を評価する際の分類方法である種別と類型について解説をしてきました。この2つを用いると、例えば、評価対象となる不動産が、商店街に近接する地域にあれば種別は「商業地」、一戸建ての自宅であれば類型は「自用の建物及びその敷地」というように分類されます。 現実の不動産は、こうした種別や類型に、スムーズに当てはまらないものも少なくありません。しかし、そもそも基準がなければ、他の物件との比較や評価自体が困難になります。自分の不動産の価値を知るためにも、不動産の分類について知っておいて損はありません。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 無料の仮審査を申し込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産は用いられる指標や利用状況などによって、算出される価値が異なるという特徴を持ちます。また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 この記事では、不動産評価におけ...
不動産は、「土地」と土地の上に建っている「建物」から構成されています。そして、土地にはさまざまな分類方法によって定義される「種類」があります。不動産を売却したり、ローンの担保とする場合、土地の価値(=価格)を算定することになりますが、その際に重要となるのは「用途的地域」という分類による種類です。この記事では、この用途的地域について説明をしていきます。 登記簿に記載されている「地目」とは? 土地の種類と聞いて、どんなものが頭に浮かびますか?「住宅地」や「農業地」、あるいは建物などが何もない地面だけの「更地」(さらち)といったものでしょうか。このように、一般的には、土地は利用されている状況によっていろいろな種類に分かれます。 ただし、土地には様々な法律や規制が存在し、それぞれの法律や規制によって利用状況の定義が異なるため、法律や規制の数と同じだけの種類があるといえます。その結果、名称は同じでも内容は微妙に違う、といったことがあり、分かりづらくなっているのです。 最も基本的な種類は、登記簿に記載されている「地目」(ちもく)でしょう。利用状況によって分類したもので、宅地・田・畑・牧場・原野・塩田・鉱泉地・池沼・山林・墓地・境内地・運河用地・水道用地・用悪水路・ため池・堤・井溝(せいこう)・保安林・公衆用道路・公園・鉄道用地・学校用地・雑種地、と合計23種類もあります。 地目は登記事項ですので、不動産登記法によって定義されている土地の種類といえます。なお、登記簿の地目は「畑」であったとしても、現在は住宅になっているなど、地目と現在の利用状況が異なっている場合は少なくありません。その場合、固定資産税などの不動産にかかる税金は、地目ではなく現在の利用状況を基にして課税されます。 土地の現況を表しているのが「用途的地域」 そこで、「現在の利用状況はどうなっているのか」といった観点から分類しているのが用途的地域になります。用途的地域は、大きく分けて「宅地地域」「農地地域」「林地地域」の3種類があります。保有している土地の周辺地域が、建物が建てられている「宅地」がほとんどであれば宅地地域となります。同じく、田んぼや畑が多ければ農地地域となります。 次に、宅地地域は、「住宅地域」「商業地域」「工業地域」「その他」の4つに分類されます。この分類は、建っている建物の種類によります。住宅が多ければ住宅地域、個人商店やスーパー、雑居ビルなどが多ければ商業地域、町工場や工場が多ければ工業地域、といった具合です。ここからさらに、住宅地域にあるのが「住宅地」、商業地域にあるのが「商業地」、工業地域にあるのが「工業地」となり、これが土地の種類となります。 ここで注意点があります。用途的地域は、都市計画法で定められている「用途地域」とは違うことです。都市計画法上の用途地域は、「第1種低層住居専用地域」や「近隣商業地域」、「準工業地域」といった区分をしており、それぞれ、土地の広さや建物の高さ、容積率などに明確な基準があります。用途的地域と用途地域は名称が酷似しているため、混同されることが多く、注意が必要です。 用途地域と比較すると、用途的地域には明確な数値による基準はありませんが、おもに以下の4つの条件が判断材料となります。 自然的条件…地理的な位置、地質や地盤などの自然環境 社会的条件…人口の状態、都市インフラや公共施設の整備状況など 経済的条件…物価や賃金の状態、雇用や消費・投資といった経済および金融活動の状況 行政的条件…土地利用や建築物に関する規制、不動産取引に関する規制など この4つの条件を総合的に考慮して、住宅地なのか商業地なのか、あるいは工業地なのかを判断することになります。 「用途的地域」の有用性について では、明確な基準がない用途的地域の分類には、どんな意味があるのでしょうか。例えば、住宅地の中に、ポツンと小さな畑がある状況をイメージしてみましょう。確かに、現在の土地の利用状況は農地かもしれません。しかし、売却するとなったときには、土地の価値は農地として算定するよりも、住宅地として算定するほうが実態に近いといえます(住宅地として算定する方が土地の価値は高くなります)。また、商業地の中に一軒家が建っているケースもよくありますが、この一軒家の土地は、住宅地としてではなく、商業地として価値を算定するのが相応しいといえます。 このように、土地の価値を算定するときは、単に登記簿上の地目や、町名などの行政区分上の地域をみるのではなく、現在の土地の利用状況を含めた周辺地域の状況全体を考慮することが不可欠といえます。売却や不動産担保ローンの融資にあたっては、まず用途的地域を把握し、その地域内にある土地の公示価格や取引の実際のケースを基にして、土地の評価をすることが大事です。そうした総合的な判断をする際に、用途的地域による分類は有効になるのです。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 権利関係からみた不動産の分類について 不動産担保の基礎知識(3)では、土地の種類には「用途的地域」という分類があることを解説しました。土地の価値を評価するには、その土地が何に使われているかという「現況」(現在の状況)に加え、周辺...
「家を担保にローンを組むのは少し怖いけれど、返せなくなったら具体的にどういうリスクがあるの?」不動産担保ローンや住宅ローンを検討する際、そのような不安を抱える方は少なくありません。 抵当権の仕組みを曖昧にしたまま契約を進めてしまうと、将来の売却や相続のタイミングで、思わぬトラブルを招くケースもあります。 この記事では、執筆時点の法令・実務に基づき、抵当権の基礎知識はもちろん、実務で混同されやすい「根抵当権」との違いまでを解説します。 抵当権の基本構造と実行リスク 抵当権とは、金融機関(債権者)が融資を行う際、お金を借りる人(債務者)が所有する不動産に対して設定する権利のことです。万が一、ローンの返済が滞った場合、金融機関はその不動産を競売にかけ、売却代金から優先的に貸付金の回収を図ることができます。 不動産担保ローンや住宅ローンなどの契約にあたり、金融機関は貸金業法等の趣旨に則り、まず個人の返済能力(属性や信用情報)を厳格に審査します。不動産の担保価値さえあれば必ず融資を受けられるわけではなく、万が一ローンの返済が滞った場合の「最終的な備え」として設定されるのが抵当権です。 抵当権が設定されても、所有者はそのまま不動産を使用できます。住居として住み続けることも、賃貸物件として家賃収入を得ることも可能です。しかし、返済不能に陥ると抵当権が実行され、競売によって強制的に不動産が売却されるリスクが生じます。 競売を回避するための選択肢については、以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら競売を回避する「任意売却」とは?注意点や流れを解説 抵当権と根抵当権の比較 根抵当権(ねていとうけん)は抵当権の一種であり、返済が滞った際に不動産を競売にかけて資金を回収する基本構造は同じです。しかし、対象となる債権の範囲や完済後の取り扱いにおいて、決定的な違いがあります。 それぞれの主な項目は下表のとおりです。 項目 抵当権 根抵当権 対象債権 特定の1つのローン契約のみ 規定された範囲内で不特定多数 限度額の考え方 個別の債権額(借入額) 極度額(あらかじめ定めた担保の上限額) ローン完済時の効力 完済と同時に消滅する 完済しても権利は残り、追加融資が可能 追加融資時の登記手続き 融資のたびに設定登記が必要 極度額の範囲内であれば不要 ※上記は一般的な仕組みの目安であり、実際の融資条件や取り扱いは金融機関によって異なります。 抵当権は特定の1つのローンに対してのみ有効なため、完済すれば権利は消滅します。一方、根抵当権はあらかじめ「極度額(担保の限度額)」を定めておき、その範囲内であれば何度でも融資を受けられる仕組みです。 例えば、極度額を3,000万円に設定しておけば、最初に1,000万円を借り、返済途中でも限度額の範囲内で追加融資をスムーズに受けることができます。事業の運転資金などで複数回の借り入れを行う可能性がある場合、融資のたびに発生する登記手続きの手間や費用(登録免許税や司法書士報酬など)を省略できる点が大きなメリットです。 なお、根抵当権の権利は完済しても自動的には消滅しませんが、債権者と債務者の合意があれば抹消手続きを行うことが可能です。 抵当権の設定・抹消の手続きと費用 抵当権の設定および抹消の手続きは、いずれも不動産を管轄する法務局で行います。それぞれのタイミングと費用の目安は以下の通りです。 手続きの種類 タイミング 登録免許税の目安 その他の主な費用 設定登記 ローン契約時 融資額 × 0.4% 収入印紙代、司法書士への報酬など 抹消登記 ローン完済時 不動産1件につき 1,000円 司法書士への報酬(依頼した場合)など ※上記は2026年3月時点の税制に基づく一般的な計算目安です。軽減措置の有無や実際の費用は、融資条件や個別の状況によって異なります。 例えば、1,000万円の融資を受ける場合、設定時の登録免許税は4万円となる計算です(※2026年3月時点の税率)。また、土地と建物それぞれの抵当権を抹消する場合は、合計2,000円の登録免許税がかかります。 ローンの返済が終了すれば金融機関の権利はなくなりますが、法務局で自ら「抹消登記」を行わない限り、登記簿上には抵当権が記載されたままになります。抵当権が残ったままだと、将来その不動産を売却する際などに支障をきたす恐れがあるため、完済後は速やかに抹消手続きを行うことが推奨されます。 関連記事はこちら住宅ローン完済後の手続きについて解説 抵当権に関するよくある疑問 相続時の取り扱い 団体信用生命保険(以下、団信)に加入していた場合、債務者が死亡した際に支払われる保険金で残債が完済されるため、相続のタイミングで抵当権を抹消することができます。一方で、団信に加入していなかった場合は、抵当権が付いた状態の不動産を、ローンの返済義務とともに相続人が引き継ぐことになります。 なお、抵当権が設定されているからといって不動産自体の相続税評価額が直接下がるわけではありません。ただし、相続税額を計算する際、相続財産全体からローンの残債分を差し引く(債務控除)のが一般的です。 売却時の取り扱い 抵当権付きの不動産であっても売却自体は可能です。ただし、購入者へ引き渡すまでに「売却代金や自己資金を用いてローンを完済し、抵当権の抹消手続きを同時に行うこと」が実務上の必須条件となります。 登記簿での確認方法 設定されている抵当権の内容は、法務局で取得できる不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の「権利部(乙区)」という欄で確認できます。見方の詳細は以下の記事で解説しています。 関連記事はこちら登記簿謄本(登記事項証明書)とは?取得方法や記載内容を解説 まとめ 抵当権が実行されると、担保としている大切な不動産を手放さなければならない事態に発展します。不動産を担保にローンを組む場合は、将来のリスクを十分に把握し、無理のない返済計画が立てられるか慎重に検討する選択が求められます。 また、完済後の抵当権抹消登記を放置してしまうと、将来の売却や相続時に思わぬトラブルの種となります。設定登記や抹消登記は専門的な書類準備が必要となることも多いため、金融機関や司法書士等の専門家に相談しながら、正確に手続きを進めるようにしてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 「用途」からみた土地の種類 不動産は、「土地」と土地の上に建っている「建物」から構成されています。そして、土地にはさまざまな分類方法によって定義される「種類」があります。不動産を売却したり、ローンの担保とする場合、土地...
ローンは、分類の方法によってさまざまな種類に分かれます。その分類方法のひとつに、融資をする際に担保を必要とするかどうか、というものがあります。文字どおり、担保が不要なものは「無担保ローン」で、担保が必要なものが「有担保ローン」になります。有担保ローンの代表的なものは不動産担保ローンですが、担保となるものは不動産だけではありません。この記事では、担保にはどのようなものがあるのかについて、解説をしていきます。 「人的担保」と「物的担保」 融資における担保を大きく分けると「人的担保」と「物的担保」があります。人的担保とは、融資を受けた人(=債務者)が何らかの理由で返済ができなくなったときに、債務者以外の人が債務者に代わって返済をするという契約を結ぶことです。シンプルにいうと、保証人などを付けておくこと、となります。具体的な人的担保は、「保証人」「連帯保証人」「連帯債務」の3つに分かれ、法律上には明確な違いが存在します。 保証人 保証人は、債務者が返済できなくなった場合に代わって返済をする義務を負いますが、融資をした金融機関(=債権者)が返済を請求してきたときに、「まずは債務者に請求をするように」という主張をする権利があります。この権利は法律上、「催告の抗弁」といいます。また、債務者が返済できる資力があるにもかかわらず返済を拒否したときは、「債務者の財産を強制執行せよ」と債権者に主張できます。この権利は「検索の抗弁」と呼ばれます。さらに、保証人が複数いる場合、保証人はその人数で割った金額のみを返済する義務を負うことになります。 連帯保証人 次に連帯保証人は、保証人の権利である「催告の抗弁」や「検索の抗弁」という権利はありません。そして、連帯保証人すべてが全額を返済する義務があります(ただし連帯保証人の返済額の合計が債務額を超えることはありません)。つまり、債務者と同じ義務を負う保証であり、保証人よりも重い責任が課せられることになります。 連帯債務 3番目の連帯債務は、複数の債務者で同一の債務を引き受けることです。簡単にいうと、債務者自体が複数いる、ということです。そのため、人的担保としては最も重いといえるでしょう。具体的には、夫婦で借りられる住宅ローンを夫婦で借りた場合、その夫婦は連帯債務者になります。債権者は、連帯債務者に対しては、別々に債務の返済を請求することができます。 「物的担保」としての不動産は「抵当権」となる 物的担保は、〝人〟ではなく〝物〟を担保とすることで、法律上は、他の債権者の存在を考えることなく、担保として提供された物あるいは財産権から優先的に債権を回収できる権利のことです。ただし、これは法律上の広い意味ですので、以下、金融機関の融資における物的担保に絞って述べていきます。 抵当権 まず、不動産は物的担保の代表例ですが、融資をする際には「抵当権」が設定されて物的担保となります。抵当権とは、債務者から担保として提供された不動産を、債務者に利用させながら、債務が履行されない場合にその不動産を売却して、代金から債権を回収する権利のことです(不動産担保については「不動産担保の基礎知識」の(2)以降で詳しく解説する予定です)。 不動産以外の「物的担保」 有価証券 不動産以外の担保としてよく使われるものに、有価証券があります。有価証券とは、財産権を表す証券のことで、具体的には、国債や社債などの債券、株式、手形、小切手などです。有価証券担保で留意すべき点は、有価証券の種類によって担保としての評価が変わってくることです。例えば、国債は、国が発行している債券なので信用力や流動性が高いといえます。そのため、社債や株式、手形よりも担保としての価値が高く、評価額も高くなります。また、同じ株式であっても、日常的に取引されていて流動性が高い上場株式の方が、取引されることが少ない未上場株式よりも、担保の価値が高くなります。なお、融資において有価証券を担保とする場合、有価証券は債権者が預かるのが一般的です。 売掛債権 会社であれば、「売掛債権」を担保にするケースもあります。売掛債権とは、商品やサービスを販売した会社が顧客から代金の支払いを受ける権利のことです。企業同士の取引は、商品やサービスの販売をした後に、納品をし、請求書を発行して、代金を受け取るという流れが一般的です。つまり、代金を受け取るまでには1~2か月かかることが多く、代金を受け取るまでの期間、商品やサービスを販売した側は売掛債権を保有することになります。この売掛債権を担保として融資を受けるわけです。実際に売掛債権を担保とするときには、代金の支払いを受けることになっている「売掛先」に、担保にすることを通知する場合と通知しない場合に分かれますが、通知をしないケースが多いようです。 その他の担保 このほか、普通預金や定期預金を担保とする「預金担保」や、ゴルフ会員権を担保にする「ゴルフ会員権担保」、会社の商品を担保とする「商品担保」などがあります(商品担保は「動産担保」とも呼ばれます)。ただ、いずれも物的担保としては、一般的な存在ではなく、担保として取り扱っている金融機関は限られているのが現状です。しかし、有価証券や売掛債権を含めて、借り入れをする人の条件やニーズに合致すれば、有意義なローンを組める可能性があります。該当する場合、検討する価値は十分にあるといえるでしょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 抵当権とは?根抵当権との違いや設定・抹消登記について解説 「家を担保にローンを組むのは少し怖いけれど、返せなくなったら具体的にどういうリスクがあるの?」不動産担保ローンや住宅ローンを検討する際、そのような不安を抱える方は少なくありません。 抵当権の...