2020.12.23

終活とは?終活では何を準備すればいい?

updated:2021.09.28

昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことなどから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際は家族や友人関係、医療・介護、財産など、生前のうちに確認し、準備しておくべきことはたくさんあります。

老後の不安を解消し、残りの人生を自分らしく生きるには、終活について理解しておくことが大切です。今回は終活でやることや始めるタイミング、老後資金の準備について解説します。

終活とは

終活は週刊誌によって作られた言葉で、「人生の最期を迎えるための活動」といった意味に加え、「残りの人生をより前向きに自分らしく生きるための活動」という意味もあります。

終活が注目されるようになった背景には、高齢化によって老後破産や孤独死、認知症の増加、相続トラブルなどが社会問題化していることがあります。厚生労働省の簡易生命表(2019年)によれば、男性の平均寿命は81.41年、女性は87.45年です。また、90歳まで生存する人の割合は男性27.2%、女性51.1%となっています。

このような背景から「老後生活の不安を解消したい」「家族に負担をかけたくない」と考える人が増え、終活に取り組む人が増えていると考えられます。

(参考)厚生労働省「2019年(令和元年)生命簡易表の概況」

終活はいつから準備する?

終活を始めるタイミングは人それぞれで正解はありません。「仕事を辞めて年金生活になった」「一定の年齢に達した」など、人生の転機を迎えたときや死を意識したタイミングで、少しずつ進めていくといいでしょう。

ただし、認知症を患うなど、意思表示ができなくなると始めるのは難しくなります。そのため、まだ元気なうちに、「少し早いかな」と思うぐらいのタイミングで始めるのがおすすめです。

終活では何を準備する?

終活では、現在の状況と将来やるべきことを整理するために、エンディングノートを作成するといいでしょう。エンディングノートに法的な効力はなく、書き方のルールもないので、好きな方法で作成して構いません。エンディングノートでは、主に以下の内容について整理します。

自身や家族、友人のこと

自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や趣味などを書いておけば、誰が書いたものかが一目でわかります。スマホやインターネットなど、自身が契約しているサービスについても伝えておくと家族は助かるでしょう。また、家族や友人の連絡先、自身との関係なども書いておくと、必要に応じて連絡をとることができます。

医療や介護のこと

判断力が低下したり、意思表示ができなくなったりしたときのために、かかりつけ医や持病、飲んでいる薬、アレルギーなどについて書いておくといいでしょう。また、介護や延命治療に関する希望を伝えておくと、もしものときに家族が判断しやすくなります。

財産に関すること

老後生活が長くなるほど、財産を適切に管理することの重要性は高まります。収入や支出の項目・金額を整理して、老後の家計収支を把握しましょう。また、預貯金や不動産、金融資産など保有中の資産を一覧にしておくことも大切です。

葬儀やお墓のこと

最近では、葬儀やお墓に対する考え方が多様化しており、その様式もさまざまです。たとえば、葬儀は一般葬の他に、参列者が親族のみの家族葬や一日葬などもあります。また、お墓も代々受け継いでいく家族墓だけでなく、永大供養墓や散骨といった形もあります。そのため、葬儀やお墓についての希望、連絡先のリストなどを書いておくといいでしょう。

相続のこと

相続トラブルを避けるには、相続人や相続財産について整理する必要があります。また、預貯金や不動産といった資産だけでなく、借金などの負債も相続財産に含まれる点に注意が必要です。相続について希望がある場合は、遺言書の作成も検討しましょう。

終活をするメリット

終活をするメリットとしては下記のようなことが挙げられます。

万が一の備えになる

医療や介護に関する希望を家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておくことは万が一の際の備えになります。例えば、認知症になって判断力が低下したり、意識不明や重篤な状態に陥ってしまった場合に、延命治療や介護の希望などを伝えておくと、家族が判断をしやすくなります。

また、エンディングノートに自身のアレルギーや持病、常備薬を記載しておくことももしものときの備えになります。

相続をスムーズに進められる

財産の整理や相続の準備をしておくことで、残された家族が相続をスムーズに進められます。例えば、エンディングノートに保有している金融資産や不動産などをまとめて記載しておくと、残された家族が財産を把握しやすくなります。

また、相続について希望がある場合は、遺言書を作成しておくことも有効です。財産の整理や遺言書の作成をしておくことで相続をスムーズに進められるだけでなく、トラブルを回避することにもつながります。

葬儀やお墓の手配をスムーズに進められる

葬儀やお墓の希望について家族に伝えておくことで、手配をスムーズに進めることができます。自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。そこで、葬儀やお墓について希望を伝えておくことで、家族が段取りをしやすくなり、負担を軽減することができます。

また、事前に自身でお墓を用意しておいたり葬儀費用を準備しておくことも、残された家族の負担を軽減することができます。

自身の経済状況を把握できる

エンディングノートに自身の財産等をまとめることで経済状況を把握できます。そして、自身の経済状況を把握することは、健全な家計収支の維持にもつながります。

自身の経済状況を把握し、今後の人生をどのように過ごすのか改めて見直すことは充実した老後生活を送るためにも大切です。

備忘録になる

エンディングノートに保有している銀行口座や保険、株式をまとめておくと備忘録になります。また、各種暗証番号等を記載しておけるエンディングノートなどもあります。

このようにエンディングノートを備忘録として活用するのも一つの有効な方法であると言えます。

人生の振り返りができる

終活は自身の人生を振り返る良い機会でもあります。エンディングノートには様々な種類があり、中には自分史や思い出について記載できるものもあります。このようなことを改めて整理することで、今までの自身の人生を振り返ることができます。

今後の人生をより良く生きるためにこれまでの自身の人生を振り返ることもおすすめです。

生きがいや目標を発見できる

終活では、残された家族の負担を軽減することにフォーカスされることが多いです。しかし、自身の人生を振り返り、今後の人生をより良く自分らしく生きることができるようにするというのも終活を行う目的の一つです。

終活に際しては、これからのセカンドライフで何をしたいか、だれと会いたいかなどを整理してみるとよいでしょう。そうすることで、新たな生きがいや目標を発見することができるかもしれません。

(参考)日本FP協会 「終活、何をしておくか」

終活をしなかった場合に生じる問題

終活をしなかった場合、下記のような問題が生じる可能性があります。

医療や介護に関する希望を把握できない

年を重ねるにつれて医療や介護が必要になる可能性が高くなります。万が一意識不明や重篤な状態に陥り意思表示が難しくなった場合に、延命治療や介護の希望がわからないと家族が判断をしにくくなります。

相続トラブルが発生する

終活によって自身の財産の整理や相続に関する希望を遺しておかなかった場合、相続トラブルが生じる可能性が高くなります。相続トラブルは遺産内容が不透明であることや遺産分割の割合に偏りがあることに起因するケースが多いです。

葬儀やお墓の準備に手間がかかる

自身の死後、葬儀やお墓のことなど残された家族には決めるべきことが多くあります。例えば、葬儀の日程や形式、寺院の選定、訃報を知らせるべき方の選定などです。これらのことを一から決めるのは非常に手間がかかります。

残された家族が財産を把握できない

自身の財産をまとめて記録しておかないと、残された家族が財産を把握しにくくなります。近年ではパソコンやスマートフォンなどに保存しているデジタルデータなど目に見えない財産も増えています。これらの財産は、家族に伝えておいたり、エンディングノートに記載をしておかないと把握できない可能性が高いです。

十分な老後資金が準備できているかを確認する

終活の中でも、優先的に取り組んでおきたいのが老後資金の問題です。残された家族のことを思えば、自身が亡くなった後のことについて考えるのは大切なことです。しかし、終活では、自身の老後生活に問題がないかを確認するのが、最優先で取り組むべき課題です。

現在の家計収支や資産状況を整理・把握して、十分な老後資金が準備できているかを確認しましょう。もし老後資金が不足するようなら、早急に対策をたてる必要があります。

終活に「リースバック」という選択肢も

老後資金が足りない場合、持ち家があるなら「リースバック」という選択肢があります。リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。

リースバックはローン商品ではなく、売却と賃貸が一体となった不動産取引であるため、利用にあたって年齢や収入の制限はありません。また、持ち家を売却すると、通常は別の住居を確保する必要がありますが、リースバックならそのまま住み続けることが可能です。

加えて、リースバックを利用して不動産を現金化すれば財産を分配しやすくなるため、相続トラブルを回避するための手段としても活用できます。

終活に関するよくある質問

終活をしている人はどのような理由で始めますか?

インターネット調査会社マクロミルの調査によると、終活を始めている人のうち約89%の方が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答しました。また、約48%の方が「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」、約35%の方が「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と回答しています。

(参考)マクロミル 「デジタル終活知っている?希望するお墓のカタチは?20~70代にきく終活に関する意識調査」

生前整理として残しておくべきものはどういうものですか?

生前整理として残しておくべきものには、生活必需品などの現在使用しているものに加え、相続にかかわる財産、形見として残したいものなどがあります。特に、相続にかかわる財産は自身の死後に保管場所がわかるようエンディングノートに記載しておくなど工夫が必要です。

終活として断捨離しておくと良いものはありますか?

不用なものやしばらく使用していないものは処分をしてしまうことをおすすめします。特に、家具などの処分に労力を要するものは、事前に処分しておくと残された家族の負担を減らすことができます。また、目に見えるものだけでなく、パソコンに保管されたデータなどのデジタルデータも整理しておくと良いでしょう。

終活をする上での注意点は何ですか?

終活をする人を狙った詐欺や悪徳商法が増加しています。お金が絡むものは、自身で決めるのではなく、家族と相談するなど慎重に判断することをおすすめします。

(参考)消費者庁 「第1部 第1章 第4節(4)高齢者が巻き込まれる詐欺的なトラブル」

《Appendix》エンディングノートの記載例

以下はエンディングノートに記載する内容の一例です。

自分自身や家族、友人のこと

自分自身の基本情報(氏名、生年月日、住所、本籍地など)や家族、友人についての記載例です。下記の内容以外にも自身で書きたいことがあれば記載しておくと誰が書いたのか分かりやすくなります。また、家族や友人については、自身の死後に連絡を希望するかまで記載をしておくと家族が判断をしやすくなるでしょう。

自分のこと

名前 山田 太郎
生年月日 1950年1月1日
住所 〒〇〇〇ー〇〇〇〇
東京都新宿区西新宿〇ー〇〇
本籍地 〒〇〇〇ー〇〇〇〇
東京都渋谷区道玄坂〇ー〇〇ー〇〇
血液型 A型
趣味 釣り
読書

家族・友人のこと

氏名 関係 住所 連絡先 訃報について
山田 花子 東京都新宿区〇〇・・・ 〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 知らせる
山田 次郎 東京都世田谷区〇〇・・・ 〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 知らせる
山田 二郎 埼玉県〇〇市・・・ 〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 知らせない
佐藤 三郎 友人 福島県〇〇市・・・ 〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇 知らせない

医療や介護のこと

医療や介護についての記載例です。持病については、常備薬やかかりつけの病院まで記載をしています。また、万が一の際に備えて延命治療や介護の希望についても記載をしておくと良いでしょう。

医療や介護のこと

持病 高血圧
常備薬 〇〇、〇〇〇〇
かかりつけの病院 〇〇病院 〇〇科 担当医:〇〇
アレルギー 卵、えび、かに、いか
延命治療 希望しない
介護の希望 自宅で家族に介護をしてもらいたい

財産のこと

財産についての記載例です。下記では、預貯金と株式について記載していますが、それ以外でも、資産を保有している場合は一覧にしてまとめておくと良いでしょう。

預貯金のこと

金融機関名 〇〇銀行 支店名 〇〇支店
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇 口座名義 山田 太郎
口座種別 普通 備考

株式のこと

預入証券会社 〇〇証券 口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
名義人 山田 太郎 備考 〇〇の株式を100株保有

葬儀やお墓のこと

葬儀やお墓についての記載例です。葬儀については、下記のような事項について記載をしておくと葬儀の準備がスムーズに進みやすいです。また、下記以外にも葬儀に参列してほしい人を表にしてまとめておいたり、納棺時の服装や棺に入れてほしいものなどを記載することもあります。

葬儀のこと

葬儀を希望する/しない 希望する
葬儀会社・斎場 株式会社〇〇
住所:東京都新宿区〇ー〇〇
費用について 準備している
葬儀の種類 家族葬
宗教の希望 仏教
遺影について あり(机の引き出しの一番上)
戒名について こだわりはありません

お墓のこと

お墓の有無 先祖代々のお墓
埋葬方法の希望 永代供養墓
お墓がある場合 墓地・霊園の名称:〇〇霊園
住所:東京都練馬区〇〇ー〇〇
連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇

相続のこと

下記は遺言書についての記載例です。遺言書がある場合は、保管している場所まで記載をしておくと良いでしょう。また、遺言書の有無以外にも、遺産分割や遺品の処分について希望がある場合は、記載をしておくことをおすすめします。

相続のこと

遺言書の有無
遺言書の種類 自筆証書遺言(机の一番下の引き出し)
遺言書の関係者 弁護士:〇〇
連絡先:〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇

まとめ

終活は、家族の負担を減らせるのはもちろん、残りの人生を自分らしく生きることにも役立ちます。終活でやることはたくさんありますが、最優先して取り組むべきことは財産整理です。家計収支や資産状況を整理した結果、持ち家があって老後資金が不足しそうな場合はリースバックの活用を検討しましょう。

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執筆者紹介

「金融/不動産知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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