固定資産税を払い忘れるとどうなる?納期限を過ぎたときの対処法を解説

公開日:2025.05.21

固定資産税は、住宅などの不動産を所有している人に毎年課される税金です。固定資産税を払い忘れてしまうと延滞金が発生したり、最終的には財産を差し押さえられたりする場合もあります。この記事では、固定資産税の納期限や払い忘れたときに起こること、納期限を過ぎてしまったときの対処法を解説します。

固定資産税の納期限はいつ?

固定資産税は、毎年1月1日時点の土地・家屋の所有者が納める税金です。納税義務者には、自治体から毎年納税通知書が届きます。原則として年4回の納期に分けて納めます。納期は条例によって定められるため、自治体によってことなります。例えば、東京23区の令和7年度の納期は以下のとおりです。

  • 第1期:令和7年6月1日~6月30日(納期限6月30日)
  • 第2期:令和7年9月1日~9月30日(納期限9月30日)
  • 第3期:令和7年12月1日~令和8年1月5日(納期限1月5日)
  • 第4期:令和8年2月1日~3月2日(納期限3月2日)

納税者が希望すれば、一度に全額を納めることも可能です。1年分の一括払用納付書には納期限の記載はありませんが、これは第1期から第4期までの税額をまとめて納めるためのものです。第1期納期限以降に納付した場合、納期限の翌日から納付日までの期間に応じて延滞金が発生する場合があるので、注意が必要です。

出典)東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

固定資産税を払い忘れるとどうなる?

納期限を過ぎても固定資産税を納付しない場合、段階的にさまざまな対応が取られます。具体的には以下のとおりです。

督促状が届く

固定資産税を納期限までに納めないと、まずは自治体から督促状が届きます。督促状とは、税金の納付を促すために発行される書類です。地方税は、原則として納期限から20日以内に督促状が発行されます。督促状の送付後、電話や訪問などが行われる場合もあります。

催告書が届く

督促状が届いても納税しない場合は、自治体から催告書が届きます。催告書では法的措置を予告される場合があり、督促状よりも強く納税を求める意味合いがあります。また、財産の差し押さえを行うために、金融機関や勤務先などに対して財産調査が行われます。

本来の税額とは別に延滞金が発生する

納期限の翌日から納付日までの日数に応じて、本来の税額とは別に延滞金が発生します。延滞金の利率は、滞納期間や年によって異なります。令和7年分については、納期限の翌月から1ヵ月は税額に年2.4%、1ヵ月経過後は税額に年8.7%の割合を乗じた金額です。

固定資産税の納期限が過ぎてしまったときの対処法

もし固定資産税の納期限が過ぎてしまったことに気づいたら、放置せずにすぐ対処することが重要です。ここでは、具体的な対処法を紹介します。

納付書があれば金融機関などで納付できる

納期限が過ぎてしまっても、手元に納付書があれば金融機関やコンビニエンスストアなどで納付できる場合があります。納付書が使用できるかを確認したうえで、できるだけ早く納付しましょう。なお、滞納期間によっては、延滞金がかかる場合もあるので注意が必要です。

納付書をなくした場合は自治体に再発行を依頼する

固定資産税の納付書をなくした場合は、自治体の担当窓口に連絡して納付書の再発行を依頼しましょう。自治体の窓口に直接訪問する方法以外に、電話やインターネット(電子申請)で再発行の手続きができる場合もあります。再発行された納付書が手元に届き次第、速やかに納付を行いましょう。

払えない場合は自治体の窓口に相談する

経済的な理由などで固定資産税を払うのが難しい場合は決して放置せず、できるだけ早く自治体の窓口に相談しましょう。状況によっては、分割納付や差し押さえの猶予などが認められるかもしれません。相談する際は、事情を正直に伝えることが大切です。

固定資産税の払い忘れを防ぐための対策

最も確実な方法は、口座振替を利用することです。銀行口座から自動的に引き落とされるため、固定資産税を払い忘れる心配がありません。多くの自治体で口座振替が利用できるので、手続き方法を確認してみるとよいでしょう。

その他にも、近年ではQRコード決済を利用することで、納期に合わせた支払予約をできるサービスもあります。いずれにしても、納税通知書が届いたらすぐに納期限を確認しましょう。事前に資金を準備しておき、納期限を待つことなく速やかに納付することが重要です。

まとめ

固定資産税の払い忘れは、延滞金の発生やローン審査への影響だけでなく、最終的には財産の差し押さえという深刻な事態につながるリスクがあります。万が一納期限が過ぎてしまった場合は絶対に放置せず、自治体に相談することが大切です。口座振替を利用するなど、払い忘れを防ぐ対策を検討しましょう。

執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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