【年収1,400万円】住宅ローンの借入目安と返済シミュレーション

公開日:2025.10.31

住宅ローンを考えるとき、「最大でいくら借りられるか」ではなく、「将来も安心して返済できるか」が大切なポイントです。この記事では、年収1,400万円の方に向けて、借入可能額や月々の返済額のシミュレーションを具体的にご紹介します。

この記事は関連記事の「年収別・住宅ローンの借入適正額早見表」の中でも、年収1,400万円の方向けの解説記事です。「年収別・住宅ローンの借入適正額早見表」では、他の年収層の目安も確認できますので、併せてご覧ください。

年収1,400万円の返済負担率別にみる借入可能額と家計への影響

【年収1,400万円】住宅ローンの借入目安と返済シミュレーション

年収1,400万円の方が住宅ローンを検討する際、借入額は「返済負担率」によって大きく変わります。ここでは、返済負担率15%〜35%までの借入可能額の目安をシミュレーションします。

【条件】

  • 返済期間:35年
  • 適用金利:1.0%
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし)
返済負担率年間返済額借入可能額の目安
15%210万円約6,199万円
20%280万円約8,265万円
25%350万円約1億332万円
30%420万円約1億2,398万円
35%490万円約1億4,465万円

出典)住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」をもとに筆者作成

※本試算は、住宅保証機構株式会社の「住宅ローンシミュレーション」をもとに算出した参考値です。実際の借入可能額は、金融機関の審査基準や個々の状況などによって異なります。

返済負担率が高くなるほど借入可能額は増えますが、将来の支出やライフプランを踏まえた慎重な資金計画が重要です。無理のない返済額を見極めるためにも、複数のシミュレーションを行い、家計への影響を具体的に把握しておきましょう。

年収倍率から見る年収1,400万円の購入価格の目安

住宅購入の予算を考える際に参考になる指標のひとつが「年収倍率」です。これは、住宅購入にかかる所要資金を世帯年収で除した数値で、住宅金融支援機構の調査によると、フラット35利用者の年収倍率は、住宅の種類によって平均的な倍率が異なります。
住宅金融支援機構の調査データを基に年収1,400万円の場合を算出すると、各住宅の種類ごとに、過去の購入実績に基づく「平均的な購入価格」は以下のようになります。

住宅の種類年収倍率平均的な購入価格(年収×年収倍率)
土地付注文住宅7.5倍1億500万円
マンション7.0倍9,800万円
注文住宅6.9倍9,660万円
建売住宅6.7倍9,380万円
中古マンション5.5倍7,700万円
中古戸建5.3倍7,420万円

出典)住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査(年収倍率(融資区分別)の推移)p.12」をもとに筆者作成

ただし、年収倍率は住宅購入の予算を考える際に参考になる指標のひとつであり、実際に無理なく返済できる金額とは異なります。資金計画を立てる際には、返済負担率や将来の支出も踏まえたシミュレーションを併せて行うことが重要です。

頭金1,500万円で購入した場合の返済額シミュレーション

年収1,400万円の方であれば、土地付き注文住宅やマンションなど、比較的高額な物件も現実的な選択肢になります。実際、首都圏では新築マンションの平均価格が9,000万円を超えていますが、十分に手が届く水準です。

ここでは、頭金1,500万円を用意した場合に、物件価格ごとにどれくらいの借入額と月々の返済額になるのかを試算します。家計への影響をイメージするための参考にしてください。

【条件】

  • 返済期間:35年
  • 適用金利:1.0%
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし)
物件価格借入額月々の返済額総返済額
8,000万円6,500万円183,485円77,063,810円
9,500万円8,000万円225,828円94,847,799円
1億1,000万円9,500万円268,171円112,631,772円

出典)住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」をもとに筆者作成

変動金利と固定金利で月々の返済額はどう変わる?

住宅ローンの金利タイプは、月々の返済額に大きく影響します。たとえば、変動金利は初期の返済額を抑えられる一方で、将来的に金利が上がると返済額も増えるリスクがあります。一方、固定金利は金利が一定のため、返済額が変わらず、長期的な資金計画を立てやすいのが特徴です。

将来の収入や支出の見通しを踏まえて、無理のない返済ができる金利タイプを選びましょう。

以下は、仮に変動金利型の当初の金利を0.5%、固定金利型の金利を1.5%とした場合の月々の返済額をシミュレーションしたものです。

【条件】

  • 借入額:6,500万円
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし)
金利タイプ金利月々の返済額
変動金利型0.5%168,730円
固定金利型1.5%199,019円

出典)住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」をもとに筆者作成

500万円の繰り上げ返済でどれだけの差が出る?

繰上返済には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの方法があります。どちらも住宅ローンの元金を前倒しで返済することで利息負担を軽減できますが、目的や効果が異なります。

特長期間短縮型返済額軽減型
返済期間短縮される変わらない
月々の返済額変わらない減少する
イメージ図(例)期間短縮型返済額軽減型

※筆者作成


以下の表は、5年後に500万円を繰上返済したとき、実際にどれくらいの差が出るのか、シミュレーションしたものです。

【条件】

  • 借入額:6,500万円
  • 適用金利:1.0%
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済(ボーナス払いなし)
通常返済繰上返済
期間短縮型返済額軽減型
月々の返済額183,485円183,485円167,403円
(軽減額16,082円)
返済期間35年約32年
(約3年短縮)
35年
総返済額77,063,810円75,424,465円76,274,287円
利息軽減額1,639,345円789,523円

出典)住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」をもとに筆者作成

繰上返済は、家計に余裕があるときに活用することで、将来の負担を軽くする有効な手段です。ライフプランや資金の流動性を踏まえ、無理のない範囲で計画的に進めましょう。

まとめ

年収1,400万円の方は、比較的高額な物件も選択肢に入るため、住宅購入の幅が広がります。しかし、借入額や返済額は慎重に検討することが重要です。返済負担率や年収倍率、金利タイプの違いによって、月々の返済額は大きく変わります。

また、繰上返済の活用によって、返済期間を短縮したり毎月の返済額を減らしたりすることも可能です。住宅ローンは長期にわたる支出だからこそ、ライフプランや将来の支出も見据えた資金計画が欠かせません。

複数のシミュレーションを行い、「無理なく返せるか」を軸に、納得のいく住宅購入を目指しましょう。

執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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