公開日:2026.01.28
こんにちは、公認会計士の千日太郎です。
まずは、最新の機構債と市場動向から2026年2月の【フラット35】金利予想を以下のように分析しました。
【2026年2月 フラット35金利予想】
前回の記事(【フラット35】日銀利上げ直後の2026年1月金利は2.08%に決定|公認会計士の予測と機構債分析!)では、【フラット35】の2026年1月金利を1.99%~2.04%と予想し、結果は2.08%となりました。
解散総選挙後を織り込んで、新発10年国債利回りが急上昇しています。積極財政・赤字国債増発への警戒から国債売りが出ているという見方です。新発10年国債利回りが上がれば、固定金利タイプの住宅ローンは上がります。【フラット35】も例外ではありません。
この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、その根拠となる国債・機構債の動きと、私たち借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について解説します。

2026年1月の【フラット35】金利は2.08%に決定し、12月下旬での予想(1.99%~2.04%)を上回る結果となりました。
背景には、1月は新発10年国債利回りが0.15ポイント上昇し、機構債の表面利率も0.15ポイント上昇したことがあります。これに対し、【フラット35】の上昇はある程度抑えられましたが、予想レンジを超える上げ幅となりました。
なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。
予想以上に金利が上昇したとはいえ、市場金利の上昇幅に比べれば【フラット35】の上昇は抑制されています。これを支えているのは、過去連続8か月にわたって【フラット35】が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。
昨年6月に初めて0.05ポイントの逆ザヤを目の当たりにしたときは驚いたものですが、今年の1月ではその幅が0.37ポイントまで拡大しています。現在は住宅金融支援機構が利益を犠牲にして、どこまでこの「逆ザヤ」を容認して金利を抑え込むかが予想の核となっています。
逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35)
| 年月 | 機構債表面利率(機構債発表日) | フラット35金利 | 金利差(逆ザヤ) |
|---|---|---|---|
| 2025年6月 | 1.94%(5月22日) | 1.89% | -0.05ポイント |
| 2025年7月 | 1.88%(6月20日) | 1.84% | -0.04ポイント |
| 2025年8月 | 2.02%(7月18日) | 1.87% | -0.15ポイント |
| 2025年9月 | 2.08%(8月21日) | 1.89% | -0.19ポイント |
| 2025年10月 | 2.12%(9月19日) | 1.89% | -0.23ポイント |
| 2025年11月 | 2.15%(10月17日) | 1.90% | -0.25ポイント |
| 2025年12月 | 2.30%(11月20日) | 1.97% | -0.33ポイント |
| 2026年1月 | 2.45%(12月17日) | 2.08% | -0.37ポイント |
※出典)住宅金融支援機構「既発債情報」

※筆者作成
1月22日・23日の日銀会合では政策金利据え置きが決定されましたが、植田総裁は最近の新発10年国債利回りの動向について「かなり速いスピードで上昇している」との認識を示しました。
実際、2026年2月に向けての市場動向を見ると、新発10年国債利回りは1.94%から2.27%へ、0.33ポイントの大幅上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率も2.45%から2.78%へと、同じく0.33ポイント上昇しています。市場金利通りに計算すれば、2月の【フラット35】は2.40%を超えてくる水準です。しかし、今回は急激な変動を避けるための政策的配慮が働き、上昇幅は一定程度抑えられると見込みます。
これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。
【フラット35】金利推移と2026年2月予想
| 2025年11月 | 2025年12月 | 2026年1月 | 2026年2月 | |
|---|---|---|---|---|
| 【フラット35】の金利(※) | 1.90% | 1.97% | 2.08% | 千日太郎の予想 2.18%~2.28% |
※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」
下限の2.18%は、機構による「激変緩和措置」が最大限に発揮されるシナリオです。10年国債利回りの急上昇に対し、その上昇分をそのまま住宅ローン金利に転嫁すれば、住宅市場への悪影響は避けられません。
日銀総裁も金利上昇スピードをけん制している局面であり、住宅金融支援機構がさらに逆ザヤ幅を拡大させてでも、金利上昇を0.1%程度に抑え込む(2.08%→2.18%)という読みです。
上限の2.28%は、市場金利の上昇圧力を一定程度反映せざるを得ないシナリオです。 2月機構債が決まった時点の新発10年国債利回りは2.27%まで上昇しています。
これまで【フラット35】の金利が新発10年国債利回りを下回ったことはありません。そのため、いくら政策的に金利を抑えるとしても、この「新発10年国債利回り(2.27%)」よりは低くできないのではないか?という読みです。
主要データ(2026年1月22日時点)
| 機構債発表日 | 2025年10月17日 | 2025年11月20日 | 2025年12月17日 | 2026年1月22日 |
|---|---|---|---|---|
| 機構債の表面利率(※1) | 2.15% | 2.30% | 2.45% | 2.78% |
| 新発10年国債利回り(※2) | 1.64% | 1.79% | 1.94% | 2.27% |
| ローンチスプレッド(※1) | 51bps(0.51%) | 51bps(0.51%) | 51bps(0.51%) | 51bps(0.51%) |
※1 出典)住宅金融支援機構「既発債情報」
※2 10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。
昨年の利上げをきっかけに新発10年国債利回りは大幅に上昇し、さらに解散総選挙後の積極財政による国債増発を警戒した金利上昇に拍車がかかっています。
日銀は1月会合で金利を据え置きましたが、植田総裁は今後も利上げ路線を継続する意向を示しており、住宅ローンの変動金利も固定金利も上昇基調が続く公算が大きいと言えます。
民間銀行は住宅ローンの金利を上げざるを得ない中、【フラット35】については独自の緩和措置により、急激な上昇はある程度抑えられるとみていますが、早めの資金計画や仮審査の申し込みなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをお勧めします。
※この記事は2026年1月22日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。
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