公開日:2026.04.22
こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年4月金利は2.49%に決定|公認会計士の予測と機構債分析)では、【フラット35】の2026年4月金利を2.25%~2.35%と予想しましたが、予想より大幅に上がり、2.49%と予想レンジから外れる結果となりました。
まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年5月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。
【2026年5月 フラット35金利予想】
原油価格の高騰による物価上昇懸念や、日銀の利上げ観測も加わり、新発10年国債利回りは上昇傾向で推移しています。これに伴い、固定金利タイプの住宅ローンにも上昇圧力がかかっています。
この記事では、急変する市場の中で「なぜこの予想になるのか」、その根拠となる国債・機構債の動きと、私たち借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について解説します。

2026年4月の【フラット35】金利は2.49%に決定し、3月下旬での予想レンジ(2.25%~2.35%)の上限から0.14ポイント上がる結果となりました。
今回の予想は、機構債の表面利率が0.14ポイント上がったことに鑑みたものです。悲観的に見れば【フラット35】金利も同等の0.14ポイント上昇する恐れもありましたが、機構側の激変緩和措置により、0.10ポイント程度の上昇に抑えられると期待していました。しかし結果は、前月の【フラット35】金利(2.25%)から0.24ポイント上昇の2.49%となり、悲観的なシナリオをさらに超える大幅な上昇となっています。
なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。
予想を超える金利上昇とはいえ、【フラット35】の金利上昇が抑制されている状態は継続しています。これを支えているのは、過去連続10か月にわたって【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回っている、いわゆる「逆ザヤ」現象です。
2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大を続け、2026年2月には0.52ポイントに達しました。一方で、3月には0.40ポイント、4月には0.30と逆ザヤが縮小傾向にあります。
この動きを踏まえて、独立行政法人として国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構が、どこまでこの「逆ザヤ」を許容し貸付金利の上昇を抑制するかが予想の焦点となります。
2026年2月から3月の動きを踏まえ、千日太郎は次の点に焦点を当てています。
逆ザヤの推移(機構債 vs フラット35)
| 年月 | 機構債表面利率 | 機構債発表日 | フラット35金利 | 金利差(逆ザヤ) |
|---|---|---|---|---|
| 2025年6月 | 1.94% | 5月22日 | 1.89% | -0.05ポイント |
| 2025年7月 | 1.88% | 6月20日 | 1.84% | -0.04ポイント |
| 2025年8月 | 2.02% | 7月18日 | 1.87% | -0.15ポイント |
| 2025年9月 | 2.08% | 8月21日 | 1.89% | -0.19ポイント |
| 2025年10月 | 2.12% | 9月19日 | 1.89% | -0.23ポイント |
| 2025年11月 | 2.15% | 10月17日 | 1.90% | -0.25ポイント |
| 2025年12月 | 2.30% | 11月20日 | 1.97% | -0.33ポイント |
| 2026年1月 | 2.45% | 12月17日 | 2.08% | -0.37ポイント |
| 2026年2月 | 2.78% | 1月22日 | 2.26% | -0.52ポイント |
| 2026年3月 | 2.65% | 2月18日 | 2.25% | -0.40ポイント |
| 2026年4月 | 2.79% | 3月18日 | 2.49% | -0.30ポイント |
出典)
・住宅金融支援機構「既発債情報」
・住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」

※「住まいとお金の知恵袋編集部」作成
2026年4月から5月にかけて、新発10年国債利回りは2.24%から2.42%(※)へ、0.18ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.79%から2.97%へと0.18ポイント上がっています。単純計算すれば、5月の【フラット35】も同程度の0.18ポイント上がる計算となります。
これまでの機構債の表面利率や新発10年国債利回りの推移を踏まえた、【フラット35】の金利予想は以下のとおりです。
※10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。
【フラット35】金利推移と2026年5月予想
| 2026年2月 | 2026年3月 | 2026年4月 | 2026年5月 | |
|---|---|---|---|---|
| 【フラット35】の金利(※) | 2.26% | 2.25% | 2.49% | 千日太郎の予想 2.67% ~ 2.77% |
※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)」
下限の2.67%は、機構債の上昇幅(0.18ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを前月と同じ「0.30ポイント」に維持するという前提のシナリオです。2月から4月まではひと月あたり0.10ポイントのペースで逆ザヤが縮小してきましたが、これはあまりに急ピッチです。さらに4月から5月の新発10年国債利回りの上昇幅も大きいことから、激変緩和措置として逆ザヤの縮小を一時停止する可能性があるとみています。
上限の2.77%は、機構債の上昇幅(0.18ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを「0.20ポイント」に縮小するという前提のシナリオです。2月から4月まで続いた「ひと月あたり0.10ポイントの逆ザヤ縮小」のルールが5月にも適用されるとすれば、十分にあり得る現実的なシナリオとなります。
主要データ(2026年4月17日時点)
| 機構債発表日 | 2026年1月22日 | 2026年2月18日 | 2026年3月18日 | 2026年4月17日 |
|---|---|---|---|---|
| 機構債の表面利率(※1) | 2.78% | 2.65% | 2.79% | 2.97% |
| 新発10年国債利回り(※2) | 2.27% | 2.12% | 2.24% | 2.42% |
| ローンチスプレッド(※1) | 0.51% | 0.53% | 0.55% | 0.55% |
※1:出典)住宅金融支援機構「既発債情報」
※2:10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。
最近の【フラット35】金利は、新発10年国債利回りの上昇を背景に、上昇圧力が続く局面にあります。中東情勢などの不確定要素も相まって、市場は想定以上に振れやすい環境です。こうした中で、将来の金利を固定できる点は家計の見通しを安定させる大きなメリットといえます。また、逆ザヤ幅は縮小傾向にあるものの、まだ調達金利よりも低い金利で提供されていることは確かです。
今のように変化の激しい経済環境にあって【フラット35】は、公的融資という側面から急激な変動が抑えられることが期待されます。複数の金融機関で仮審査に申し込み、変動金利・固定金利の両面で返済シミュレーションを実施するなど、金利上昇リスクへの備えを進めておくことをおすすめします。
※この記事は2026年4月17日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。
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