「フラット50」とは? 2025年制度改正で住宅の対象が拡大

更新日: / 公開日:2024.12.18

「人生100年時代」を見据え、住宅ローンの返済期間も長期化しています。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット50」は、その名のとおり最長50年という長期返済が可能な全期間固定金利型住宅ローンです。

この記事では、フラット50の仕組みやメリット、そして2025年の制度改正によって拡大する「融資対象」について解説します。

「フラット50」を利用できる住宅の条件

フラット50は、どんな住宅でも利用できるわけではありません。50年という長期間にわたって資産価値を維持できる「質の高い住宅」であることが利用の前提となります。

これまでは「長期優良住宅」の認定が必須でしたが、2025年10月より対象が拡大され、「管理計画認定マンション」や「予備認定マンション」も対象となりました。

出典)【フラット35】「2025年度制度改正のお知らせ

長期優良住宅(戸建て・マンション)

原則として、以下のような基準をすべて満たし、「長期優良住宅」の認定を受けた住宅が対象です。

項目認定基準の内容
劣化対策数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
耐震性地震に強く、倒壊しにくい構造であること
維持管理配管の点検、清掃、交換が行いやすいこと
省エネルギー性断熱性能が一定基準を満たすこと
居住環境良好な景観の形成、地域における居住環境の維持・向上に配慮していること
住戸面積良好な居住水準の確保に必要な規模を有すること
維持保全計画将来を見据えて定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること
災害配慮自然災害による被害の発生・防止・軽減に配慮されていること

【2025年追加】管理計画認定マンション・予備認定マンション

制度改正により、長期優良住宅の認定がない中古マンションであっても、以下のいずれかに該当する場合はフラット50の対象となりました。

  • 管理計画認定マンション:適切な管理計画を持ち、自治体の認定を受けたマンション
  • 予備認定マンション:管理計画認定の基準を概ね満たしていると判定されたマンション

これにより、「建物の性能」だけでなく「管理体制(ソフト面)」がしっかりしているマンションであれば、フラット50を利用できるチャンスが広がりました。

出典)
・公益財団法人 マンション管理センター「予備認定基準
・国土交通省「マンションの管理計画認定の基準

フラット50の対象となる住宅・技術基準

フラット50は長期優良住宅であることに加えて、フラット35の技術基準に適合している住宅が借り入れの対象です。

フラット35では、新築住宅と中古住宅でそれぞれ技術基準が定められています。物件検査に合格し、技術基準に適合した住宅であることを証明する「適合証明書」を取得したうえで、取扱金融機関へ借り入れの申し込みをしなくてはなりません。

出典)【フラット35】「【フラット50】及び金利引継特約付き【フラット35】の技術基準の概要(新築住宅)

フラット35の適合証明書や住宅の技術基準については、以下の記事で詳しく解説しています。

フラット50の利用条件と特徴

住宅金融支援機構は、フラット50の主な特徴として次の4つを挙げています。

  • 最長50年の全期間固定金利
  • 長期優良住宅取得時に利用できる
  • 住宅ローン付きで売却が可能
  • フラット35またはフラット20との併用が可能

最長50年の返済期間を選択できるのは、申込時に30歳未満の人が対象です。30歳以上の人は、「80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」が返済期間の上限となります。申込時の年齢が35歳であれば、返済期間は最長44年です。

また、長期優良住宅の特徴として、返済中に住宅を売却する場合、買主は売主が利用していた借入金利のままフラット50の債務を引き継ぐことができる「金利引継特約」を利用できます。
詳しくは以下の「フラット35のさまざまな優遇制度」の中で解説しています。

また、住宅金融支援機構ではフラット50の借入金額は物件価格の9割が上限ですが、フラット35またはフラット20を併用すれば、物件価格までの借り入れを希望することが可能としています。

出典)フラット35「【フラット50】

フラット50のメリット・デメリット

フラット50には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

フラット50やフラット35を申し込むには、次の総返済負担率(年収に占める年間合計返済額の割合)の基準を満たす必要があります。

年収400万円未満400万円以上
総返済負担率30%以下35%以下

返済期間が長くとれるフラット50では、フラット35と比較すると総返済負担率が小さくなります。そのため、35年では基準を満たせなくても、50年ならより高額な物件の借り入れが可能になるかもしれません。

例えば、以下の条件で返済期間を50年と35年で比較すると総返済負担率(小数点第三位以下切り捨て)の違いは下表のようになります。

  • 年収  :500万円
  • 借入金額:5,000万円
  • 適用金利:2.07%(50年)、1.970%(35年)
  • 返済方法:元利均等返済
フラット50フラット35
返済期間50年35年
総返済負担率32.11%39.56%

年収500万円の人がフラット35を借りる場合は、総返済負担率35%以下の基準を超えてしまいますが、フラット50の場合は返済期間が長くなるため総返済負担率は35%以内に収まります。

そのため、フラット50を利用すれば、現在の年収ではローンを組むことが難しい高額な物件でも、購入の可能性が広がり、理想の住環境を手に入れられるかもしれません。

デメリット

フラット50は、返済期間を長くできる一方で、その他の条件が同一であれば総返済額が増加します。これは、返済期間が長期化すると月々の返済額に占める利息の割合が増加し、元金の償還が遅くなるためです。

また、フラット20やフラット35に比べると金利が高いのもデメリットです。新機構団信付きの借入金利水準は、「最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】」をご確認ください。

フラット50を利用した場合の返済シミュレーション

では、返済期間を延ばすことで、実際に月々の負担はどれくらい変わるのでしょうか。満29歳の人が3,000万円を借り入れる場合、フラット50とフラット35の返済シミュレーション結果はそれぞれ以下のとおりです。

フラット50フラット35
適用金利年2.070%年1.970%
返済期間50年35年
月々の返済額80,300円98,917円
総返済額48,179,700円41,545,175円
完済時年齢80歳65歳

※前提条件:2025年12月時点で試算。元利均等返済、ボーナス返済なし、2025年12月の最も多い金利(融資率9割以下)

月々の返済額はフラット35が約9.8万円であるのに対し、フラット50は約8万円に抑えられます。一方で、総返済額はフラット50のほうが約660万円増え、完済時年齢は80歳となります。

まとめ

フラット50は、長期優良住宅や管理計画認定マンションなどを対象とした、最長50年の全期間固定金利の住宅ローンです。返済期間が長くとれるため、フラット35よりも月々の返済額を抑えることができます。

「質の高い家」や「管理の良いマンション」を検討中の方は、選択肢の一つとしてフラット50を検討してみてはいかがでしょうか。

SBIアルヒの店舗にて、
フラット35の無料相談ができます。

※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。



執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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