公開日:2025.04.30
一般的な住宅ローンは、契約者本人が居住するための不動産取得に資金使途が限定されます。そのため、セカンドハウスを購入する目的で住宅ローンを組むことはできません。ただ、セカンドハウスローンやフラット35を利用すれば、セカンドハウス購入のための借り入れができる可能性があります。
この記事では、フラット35を利用して、セカンドハウスを購入する方法について詳しく解説します。
セカンドハウスとは、生活拠点としている自宅以外の別荘や別宅など、定期的に居住する目的で所有する住まいのことを指します。セカンドハウスローンとは、そのような自身のためのセカンドハウスや両親・子供のための不動産を購入する際に利用できるローンです。
住宅ローンは契約者本人が居住するための不動産取得に資金使途が限定されますが、セカンドハウスローンは生活拠点とは別の不動産の購入資金が資金使途の対象に含まれる点が大きな違いです。
また、一般的な住宅ローンは金利が低く設定されていますが、セカンドハウスローンは、住宅ローンとダブルローンになったり、自己居住用の住宅購入資金ではなかったりするので、金融機関はリスクが高いと判断するため、金利も高い傾向にあります。
セカンドハウスを購入するとき、セカンドハウスローンだけでなく、フラット35も利用できます。フラット35は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンです。全国300以上の提携金融機関が扱っており、最長35年間固定金利で融資を受けられます。
借入時に毎月の返済額や総返済額が確定するため、資金計画を立てやすいのが特長です。資金使途がセカンドハウスの購入だからといって、金利や対象となる不動産、借入金額、借入期間などの条件に差はありません。融資を希望する場合は、住宅金融支援機構ではなく、民間の提携金融機関に申し込みを行います。
フラット35でセカンドハウスを購入する場合は、以下の点について注意が必要です。
既にフラット35を利用して、契約者本人が居住する不動産を購入している場合、新たにセカンドハウス取得のためにフラット35を二重で借り入れることはできません。
フラット35を利用して契約者本人が居住する不動産を購入する場合、一定の要件を満たすと住宅ローン控除を利用できます。しかし、セカンドハウスの購入を目的とする場合は原則として住宅ローン控除の対象外です。
フラット35は、賃貸に利用する投資目的で借り入れができません。あくまで、契約者本人やその家族がセカンドハウスを購入して居住することが前提であるため、第三者に貸し出すといった目的では利用できません。
セカンドハウスを購入する目的でフラット35の融資を受けるには、金融機関の審査に通過する必要があります。ここでは、融資申し込み時の流れについて説明いします。
フラット35を利用する際の一般的な流れは以下のとおりです。
フラット35を利用してセカンドハウスの購入を希望する場合は、銀行等の金融機関や不動産会社、住宅ローン専門の相談窓口などで事前審査を申し込みます。事前審査に通過したら、必要書類を提出して本審査に進みます。
この段階では、自身の収入や購入物件などについて詳細な情報提供が必要です。本審査に通過し、契約手続きが完了すると融資が実行されます。
フラット35の申込条件は以下の3つです。なお、総返済負担率はフラット35だけでなく、自動車ローンやカードローンなどのすべての債務を含めて計算する点に注意が必要です。
フラット35に申し込む際は、主に次の書類を提出する必要があります。必要書類は主に以下のようなものですが、詳細は金融機関によって異なるため、事前に確認して早めに準備しましょう。
セカンドハウスローンやフラット35を利用すれば、別荘や週末を過ごすための別宅、単身赴任先の家など幅広い目的で不動産の購入を検討できます。一般的な住宅ローンとの違いを理解し、自身のライフプランや経済状況に応じて慎重に検討しましょう。
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