住まいとお金の知恵袋

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  • 市街化区域とは?市街化調整区域との違いを解説

    市街化区域とは?市街化調整区域との違いを解説

    住宅や土地の購入を検討している中で、「市街化区域」「市街化調整区域」という言葉を聞くことはないでしょうか。 どちらも都市計画法で定められた地域で、土地の使いみちや建築できる建物に制限があります。マイホームを購入してから後悔しないように、各区域の特徴を理解しておくことが大切です。 今回は、市街化区域の概要や市街化調整区域の違いについて解説します。 市街化区域とは? 市街化区域とは、都市計画法で分類されている都市計画区域の1つです。都市計画区域は以下の3種類があります。 住宅を建てる際の制約が少ない 生活インフラが整っている 売却しやすい 都市計画税がかかる 市街化区域は、基本的に住宅を自由に建てることが可能です。電気や水道、交通といった生活インフラも整っているため、需要が高く、売却しやすい特徴があります。 一方で、市街化区域内に住宅(土地・家屋)を所有すると都市計画税がかかります。1月1日現在で住宅を所有している人が対象です。税額は「課税標準額×0.3%」で、固定資産税と併せて課税されます。 用途地域とは? 用途地域とは、市街化地域内の土地の用途を13種類に区分し、建築できる建物や規模などを制限するものです。大きくは「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分けられます。各用途地域の特徴は以下の通りです。 区分用途地域概要 住居第一種低層住居専用地域低層住宅のための地域。小規模な店舗兼用住宅、小中学校などが建てられる 第二種低層住居専用地域主に低層住宅のための地域。小中学校、150㎡以下の店舗などが建てられる 第一種中高層住居専用地域中高層住宅のための地域。病院や大学、500㎡以下の店舗などが建てられる 第二種中高層住居専用地域主に中高層住宅のための地域。病院や大学、1,500㎡以下の店舗などが建てられる 第一種住居地域住居の環境を守るための地域。3,000㎡以下の店舗やホテルなどは建てられる 第二種住居地域主に住居の環境を守るための地域。店舗やホテル、カラオケボックスなどは建てられる 準住居地域国道や幹線道路と調和した住居の環境を守るための地域。 田園住居地域農地や農業関連施設と調和した住居の環境を守るための地域。 商業近隣商業地域周辺住民が日用品の買い物などをするための地域。住宅や店舗、小規模工場なども建てられる 商業地域銀行や映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域。住宅や小規模工場の建てられる 工業準工業地域主に軽工業の工場や施設が立地する地域。環境悪化のおそれがある工場以外はほぼ建てられる 工業地域どんな工場でも建てられる地域。住宅や店舗は建てられるが、学校や病院などは建てられない 工業専用地域工場のための地域。どんな工場でも建てられるが、住宅や店舗、学校などは建てられない 市街化調整区域とは? 市街化調整区域は、都市計画法では「市街化を抑制すべき区域」と定義されています。原則として開発行為や都市施設の整備は行われず、基本的に住宅は建てられません。すでに建築されている物件の購入後のリフォームや、建て替えをする場合も自治体の許可が必要です。 市街化調整区域であっても、自治体によっては開発行為が一部認められるケースもあります。 市街化調整区域の特徴 市街化調整区域の主な特徴は下記のとおりです。 価格が割安な傾向にある 固定資産税が低い 都市計画税がない 建て替え、増改築などが制限される インフラ整備が進んでいないことがある 売却しにくい 住宅ローンが借りづらい 市街化調整区域は、市街化区域に比べると価格が安く、固定資産税が低い傾向にあります。都市計画税は課税されないため、取得費用や維持費用の軽減が期待できます。 一方で、住宅の建て替えや増改築を行うには自治体の許可が必要になるなどの制限があります。また、周辺のインフラ施設の整備が進んでおらず、生活するには不便を感じるかもしれません。このような事情から売却しにくく、住宅ローンを借りづらい傾向にあります。 非線引き区域とは? 非線引き区域は、都市計画法では「区域区分が定められていない都市計画区域」と定義されています。区域区分が定められていないため、土地利用の制限が緩いのが特徴です。ただし、自治体が土地利用方針を策定しているケース もあります。 参考)成田市「非線引き都市計画区域における土地利用方針」 非線引き区域の特徴 非線引き区域の特徴は以下の通りです。 土地利用の制限が緩い 用途地域が指定されていることもある インフラ整備が進んでいないことがある 地域住民が望まない土地利用の恐れがある 売却しにくい 住宅ローンが借りづらい 非線引き区域は制限が緩いため、基本的には自由に土地利用が可能です。ただし、市街化地域と同じように用途地域が指定されていることもあります。 市街化区域とは異なり、積極的に開発行為や都市施設の整備が進められる地域ではないため、インフラ整備が進んでいない可能性があります。また、規制が緩い分、地域住民が望まない形で土地が利用される恐れがあるのもデメリットです。 このような事情から市街化調整区域と同様に売却しにくく、住宅ローンを借りづらい傾向にあります。 区域区分や用途地域の調べ方 区域区分や用途地域は、自治体のホームページで確認できます。住所を指定すると、その区域の詳細がわかる地図情報を提供している自治体もあります。 担当部署(例:都市計画課)に問い合わせて教えてもらうことも可能です。 住宅や土地を売買する際は、不動産業者に確認してもらうのも一つの方法です。 参考)成田市「都市計画情報(なりた地図情報等)について」 まとめ 住宅や土地を売買する場合、市街化区域であればスムーズに取引できます。マイホームの購入を予定しているなら、物件が市街化区域内にあるかを確認しておきましょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/

    2022.05.25用語
  • 定期借家契約と普通借家契約の違いとは?

    定期借家契約と普通借家契約の違いとは?

    自宅を賃貸するには、「定期借家契約」と「普通借家契約」のどちらかの契約をする必要がありますが、両者は賃貸借期間や契約更新などが異なります。賃貸住宅に安心して住めるように、それぞれの契約の仕組みを理解しておくことが大切です。 今回は、定期借家契約と普通借家契約の違いについて詳しく解説します。 定期借家契約と普通借家契約 定期借家契約とは? 定期借家契約とは、契約期間があらかじめ決められている賃貸借契約です。契約の更新がないため、契約期間が満了すると借主は退去しなくてはなりません。ただし、期間満了後に貸主と借主の双方が合意すれば再契約は可能です。 定期借家契約の場合、借主の希望通りに住み続けることができないという制約があるため、普通借家契約に比べると割安な家賃で設定されることが多いです。貸主側は、「転勤で一時的に不在となる自宅を貸し出す」「将来住む予定の実家(空き家)を期間限定で賃貸に出す」といった場面での活用が考えられます。 普通借家契約とは? 普通借家契約は、一般的な賃貸借契約です。契約期間は通常1年以上で設定され、期間満了後は借主が希望すれば契約は更新されるため、長く住み続けることが可能です。借主が手厚く保護される契約形態であるため、貸主からの一方的な都合による退去はありません。 定期借家契約と普通借家契約の主な違い 定期借家契約と普通借家契約の主な違いは以下の2つです。 契約の更新 定期借家契約は、期間満了によって契約は終了します。更新はなく、貸主と借主の双方で合意できた場合のみ再契約が可能です。借主が「住み続けたい」と思っても、貸主の意向で再契約が認めらなければ退去する必要があります。 一方、普通借家契約は借主が希望すれば、原則として契約は更新されます。「建物に問題がある」、「借主が契約違反した」などの正当事由がない限り、貸主は契約更新を拒絶できません。 賃料の増減額請求権 賃料の増減額請求権とは、現在支払っている(または受け取っている)賃料が近隣相場と比較して不相当となった場合、賃貸借契約の相手方に対して賃料の減額(増額)を請求できる権利です。 賃貸住宅の賃料相場は、不動産価格や築年数によって変動します。そのため、同じ物件に長く住んでいると、入居時に定めた賃料が相場と合わなくなることがあります。 定期借家契約と普通借家契約ともに、原則として賃料増減額請求権が認められます。ただし、定期借家契約は賃料増減額請求権を排除する特約を定めることが可能です。賃料増減の特約がある場合は、その定めに従うことになります。(借地借家法第38条) 普通借家契約は賃料増減額請求権を排除する特約が無効ですが、賃料を値上げしないことについての特約は認められます。(借地借家法第32条) 定期借家契約と普通借家契約の違い一覧 定期借家契約と普通借家契約の違いを一覧にまとめました。 定期借家契約と普通借家契約の違い 定期借家契約普通借家契約 契約方法公正証書などの書面口頭、書面 契約更新期間満了により終了借主の希望により更新 賃貸借期間制限なし1年以上 賃貸借期間の上限制限なし制限なし(2000年3月1日より前の契約は20年) 中途解約貸主、借主ともに自己都合の中途解約は原則不可借主からは可能貸主からは正当事由が必要 賃料の増減請求原則可能原則可能 契約方法、契約更新 普通借家契約は口頭でも可能ですが、定期借家契約は公正証書などの書面で行う必要があります。また、定期借家契約は賃貸借契約書とは別に、契約の更新がないことを書面で交付して説明しなくてはなりません。 賃貸借期間 普通借家契約は1年以上で設定する必要があり、1年未満の場合は期間の定めのない賃貸借契約とみなされます。一方で、契約期間1年以上の定期借家契約は、貸主は期間満了の1年~6ヵ月前までに借主に対して契約終了を通知する義務があります。通知をしない場合、貸主は契約終了を借主に対抗できません。借主は、通知の日から6ヵ月を経過するまでは同条件で住み続けられます。 中途解約 普通借家契約は、借主からの中途解約はいつでも可能ですが、貸主からの場合は正当事由が必要で、特約がある場合はその定めに従うこととなります。定期借家契約では、貸主と借主のどちらも中途解約は原則認められません。ただし、床面積200㎡未満の居住用建物でやむを得ない事情がある場合は借主からの中途解約は可能です。また、特約がある場合はその定めに従うこととなります。 まとめ 定期借家契約は貸主の合意を得られなければ再契約ができず、退去する必要があります。短期間の入居なら家賃が安く済むかもしれませんが、長く住むには不向きです。賃貸物件を借りたり、リースバックで自宅を売却したりする場合は、定期借家契約と普通借家契約の違いを理解しておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバック契約の流れと注意点を紹介、賃貸契約の期間に要注意 リースバックとは、不動産売却と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅の売却でまとまった資金を手に入れた後も、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。老後資金を確保したいときや相続トラブ...記事を読む

    2022.04.13用語
  • 確定申告とは?手続きの流れとやり方をわかりやすく解説

    確定申告とは?手続きの流れとやり方をわかりやすく解説

    確定申告は、「個人事業主やフリーランスが行うもの」というイメージがあるかもしれません。しかし、実際は会社員でも確定申告が必要になることがあります。確定申告はどんなときに必要で、どのように手続きをすればよいのでしょうか。 今回は、確定申告の概要や手続きの流れ、やり方をわかりやすく解説します。 確定申告とは 確定申告とは、毎年1月1日~12月31日の1年間に生じたすべての所得金額と所得税額を計算して、翌年の定められた期間内に確定申告書を提出する手続きです。確定申告をすることで、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金との過不足が調整されます。 納税者が自ら税金を計算して納税するため、「申告納税方式」と呼ばれます。確定申告期間は毎年2月16日~3月15日です。申告期限が土日祝日の場合は、その翌日が期限となります。 確定申告が必要な人 ここでは、確定申告が必要な人の要件を説明します。 会社員の場合 会社員は勤務先で年末調整を受けられるので、基本的に確定申告は不要です。ただし、以下の要件に当てはまる場合は確定申告をする必要があります。 年収が2,000万円を超える人 給与を1か所から受けていて、かつ、給与所得以外(副業など)の所得が年20万円を超える人 給与を2カ所以上から受け取り、かつ、年末調整をされなかった給与収入と給与所得以外(副業など)の所得の合計が20万円を超える人 副業をしている会社員は、副業で得た所得(収入-必要経費)が年20万円を超えると確定申告が必要です。2カ所以上の勤務先から給与を受け取っている場合も、確定申告が必要になることが多いので注意しましょう。 参考)国税庁 確定申告の流れ・申告書の提出が必要な方 会社員以外の場合 会社員以外で確定申告が必要な人は以下の通りです。 事業所得や不動産所得などがある人 公的年金受給者で所得控除を差し引いても残額がある人 退職所得がある人 個人事業主やフリーランスは、原則として毎年確定申告をしなくてはなりません。 退職金は、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると源泉徴収によって課税関係が終了します。ただし、外国企業から受け取った退職金など、源泉徴収されないものがある場合は確定申告が必要です。 参考)国税庁「確定申告が必要な方」 確定申告をしたほうが良い人 以下に当てはまる場合は、確定申告をすると税負担の軽減が期待できます。 医療費が10万円を超えた人 寄附やふるさと納税をした人 住宅ローンを借りた人 事業で赤字を出した人 FXや株(一般口座)で損を出した人 医療費控除や寄附金控除、住宅ローン減税など、年末調整対象外の各種控除を受けるには確定申告が必要です。各種控除を受けることで、納めすぎた税金が還付されます。なお、住宅ローン控除は借り入れた年に確定申告をすれば、次年度以降は年末調整の対象となります。 会社員がふるさと納税を行った場合、寄附先が5自治体以内ならワンストップ特例制度を利用することで、確定申告が不要になります。 事業の赤字やFX・株式投資の損失は、確定申告をすると損失の繰越控除が適用されます。繰り越した損失は翌期以降の所得から差し引けるので、翌期以降の所得税・住民税が軽減されます。 確定申告の流れ 確定申告は以下の流れで手続きを進めます。 必要書類を準備する まずは確定申告に必要な書類を準備しましょう。主な必要書類は以下の通りです。 確定申告書(AまたはB) 源泉徴収票 各種控除証明書 金融機関の口座情報 マイナンバーカード 確定申告書はAとBの2種類があります。確定申告書Aは、申告できる所得が限定されている簡易版です。確定申告書Bは、すべての所得の申告に使用できます。会社員や年金受給者が医療費控除などを受ける場合は、確定申告書Aを使うといいでしょう。 個人事業主やフリーランスは、上記のほかに収支内訳書、青色申告決算書、日々の取引を記録した帳簿なども必要です。 h3>確定申告書を作成する 必要書類が準備できたら、書類の内容に基づいて確定申告書を作成します。主な作成方法をまとめました。 国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成する 会計ソフトで作成する 確定申告会場や税務署で作成する 税理士に依頼する 国税庁の確定申告書等作成コーナー(Webサイト)では、画面の案内に従って金額等を入力すると確定申告書を作成できる仕組みになっています。最近はスマホやタブレット端末で作成することも可能です。 個人事業主やフリーランスは、市販の会計ソフトを使うと帳簿や青色申告決算書なども一緒に作成できるので便利です。 自分で作成するのが難しい場合は、必要書類を持参して確定申告会場や税務署に訪問すると、税務署の職員に作成方法を教えてもらえます。また、費用はかかりますが、税理士に代行してもらうことも可能です。 確定申告書を税務署に提出する 確定申告書の作成が完了したら税務署に提出します。提出方法は以下3つです。 郵送 税務署に持参 e-Tax(電子申告) 所轄税務署に郵送、直接持参するほかに、e-Taxを利用してパソコンやスマホで提出する方法もあります。申告期間は毎年2月16日~3月15日ですが、還付申告の場合はその年の翌年1月1日から5年間提出できます。 納税または還付手続きを行う 確定申告書を提出したら、納税または還付手続きを行いましょう。税金の納付方法は以下5つです。 振替納税 電子納税(e-Tax) クレジットカード納付 コンビニ納付 窓口納付 振替納税は、金融機関の口座からの引き落としで納付する方法です。一度手続きを行うと、次回以降も振替納税となります。毎年確定申告を行う場合は振替納税が便利です。e-Taxを利用して、パソコンやスマホから納付することも可能です。 「国税クレジットカードお支払サイト」を利用すれば、クレジットカードで納付できます。ただし、納付額に応じた決済手数料がかかるので注意しましょう。そのほかに、コンビニや税務署の窓口で納付する方法もあります。 還付の場合は、確定申告書に記入した預貯金口座に還付金が振り込まれます。通常、還付手続きまでは1ヵ月~1カ月半程度かかりますが、e-Taxの場合は3週間程度で処理されることもあります。 確定申告の注意点 確定申告の際は、以下の点に注意が必要です。 確定申告をしないとどうなる? 申告義務があるのに確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税が課される場合があります。確定申告が必要な場合は、必ず期限までに手続きを行いましょう。申告義務がない場合は何もありませんが、申告をしないと還付を受けられません。 確定申告の内容を間違えたときの対処法 確定申告の内容に誤りがあった場合は、申告内容の訂正が可能です。 税額を少なく申告していたときは「修正申告」を行います。なるべく早く修正申告を行い、延滞税と併せて必要な税額を納付しましょう。 税額を多く申告していたときは「更正の請求」を行います。請求内容が認められると、納めすぎた税金が還付されます。 まとめ 確定申告を一度経験すれば、手続きの流れとやり方は理解できます。申告義務がなくても、確定申告をすれば税金が還付されるケースもあります。確定申告を行う場合は必要書類を準備して、期限内に手続きを行いましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 納税証明書とは?種類ごとの記載事項や取得方法などを解説 金融機関の融資や自治体のサービス、車検などを申し込むときに納税証明書が必要になることがあります。そもそも、納税証明書とはどのような書類なのでしょうか。 日常生活で納税証明書が必要になる場面は...記事を読む

    2022.01.19用語
  • 不動産の登記簿謄本とは?取得方法とその費用を紹介

    不動産の登記簿謄本とは?取得方法とその費用を紹介

    「登記簿謄本が必要って言われたけど何?」「どこでもらえばいいの…」そのような疑問を持っている方もいるでしょう。不動産売買や相続などでよく耳にする「登記簿謄本」とは、不動産についての重要な記録です。しかし、どのようなことが書かれていて、どのように取得できるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、不動産の登記簿謄本の記載内容や取得方法・費用まで分かりやすく解説します。 不動産の登記とは そもそも「登記」とは、一定の事項を一定の手続に従って登記簿という公の帳簿に記入することで、財産や人に関する事実、法律関係を一般に公示して、その内容を明確にするものです。不動産の登記は不動産登記法に基づいて、下記のような事項が記録され、法務局に保管されています。 土地や建物の所在地や構造・種類などの状態 不動産の現在の所有や過去の所有者 不動産にどんな権利があり誰がその権利をもっているのか 金融機関の借入金額や利率 不動産登記の効力 不動産登記の大きな役割が、第三者に不動産の所有権を法的に主張できるということです。 民法第177条では、不動産の権利について次のように定めています。 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 引用)e-GOV 法令検索 民法第177条より そのため、登記がなければ不動産の所有者と法的には認められません。相続などで、不動産を所有した場合、登記を変更せずに所有権が故人のままということはよくあります。しかし、登記上の所有者が変更されていない場合、相続人が不動産を売却しようにも自分に所有権がないので売却ができません。不動産の売買や相続など、所有権に変更がある場合は、登記の変更まですることで後々のトラブルを回避できるようになるでしょう。 不動産の登記簿謄本とは 不動産登記の情報が記載されているのが、不動産の登記簿謄本です。登記簿謄本は、法務局で管理している公の帳簿であり、請求することで誰でも閲覧できます。登記簿謄本を見ることで、その不動産が誰のものであるのか、金融機関の抵当権が設定されているかなどが明確にわかります。不動産の売買や相続などの場面で、不動産の状態を確認したり、登記内容を変更したりするためなどに必要となります。 登記簿謄本と登記事項証明書の違い なお、不動産の登記簿謄本と同等の効力を有する書類として「登記事項証明書」というものがあります。登記簿謄本は、以前は紙でのみ作成・保管されていたものです。しかし、現在は電子データとして登記内容が紙の登記簿謄本と一緒に保管されています。そのため、不動産登記を取得する際、この電子データから証明書を発行するため「登記事項証明書」と呼ばれるようになったのです。 登記簿謄本(登記事項証明書)の記載事項 登記簿謄本(登記事項証明書)の記載は、次の4つに分かれます。 表題部 権利部(甲区) 権利部(乙区) 共同担保目録 表題部 表題部では土地や建物の所在地や状態など、「どのような不動産であるのか」が記載されています。所在地や面積だけでなく具体的な建物の種類や構造・地番が記載されています。 権利部(甲区) 権利部は甲区と乙区に分かれます。甲区では、「だれが不動産の所有者か」が記載されています。所有者の住所や氏名・取得日などが記載されており、いつ誰が誰から不動産を相続したなどの入手の経緯まで把握できます。 権利部(乙区) 乙区では、所有権以外の権利に関しての記載があります。たとえば、抵当権や地上権などの、その不動産にどのような権利が設定されているのかはこの部分を見ると分かります。不動産によっては、利用に制限があるため、購入前にどんな権利が設定されている不動産なのか、確認することが重要です。 共同担保目録 抵当権が複数の不動産に設定されている場合、この共同担保目録にその旨が記載されます。不動産を購入し住宅ローンを組む場合は、一般的には購入する不動産を担保として抵当権が設定されます。この時、基本的に建物と土地の両方に抵当権が設定されるので、それぞれの共同担保目録に記載されます。 登記簿謄本(登記事項証明書)の取得方法と費用 登記簿謄本は次の方法で取得できます。 登記所の窓口 郵送 オンライン 登記所の窓口 法務局や地方法務局・支所などの窓口で申請することで取得できます。以前は、取得する不動産の管轄地域の法務局でしか取得できませんでしたが、登記の電子化により、管轄外であっても最寄りの法務局で取得可能です。窓口申請の場合、手数料として600円が必要になります。 郵送 法務局に出向けないという場合は、郵送での申請・受け取りも可能です。申請書類に記載し、手数料と返信封筒を同封し郵送すれば、返送されます。郵送の場合は、手数料として500円と返信封筒用の切手代が必要です。 オンライン オンラインでの申請であれば、いつでも申請できるので便利でしょう。法務局のホームページから申請し、郵送か窓口受け取りで取得できます。オンラインで申請する場合、窓口で受け取る場合は480円、郵送で受け取る場合は500円と送料が必要です。郵送であれば、申請してから手数料の納付後1~2日で発送されるのが一般的でしょう。 登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する際の注意点 どの申請方法であっても、取得する不動産の土地の所在地を示す「地番」が必要になります。この地番は普段目にしている住所表示とは異なることが多いので注意しましょう。正確な地番は、次のような方法で調べられます。 不動産の権利書 固定資産税評価 法務局への問い合わせ ブルーマップ*の確認 なお、ブルーマップとは、株式会社ゼンリンが提供する地図帳のことで、住居表示だけでなく地番も確認できるサービスです。その他、用途地域・容積率・建ぺい率なども確認することができます。 まとめ 不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の記載内容や取得方法・費用についてお伝えしました。登記簿謄本は不動産の状態や所有者・権利などが記載された重要な記録です。不動産売買や相続などでは必要となるため、オンラインなどを活用して早めに準備するようにしましょう。 納税証明書とは?種類ごとの記載事項や取得方法などを解説 金融機関の融資や自治体のサービス、車検などを申し込むときに納税証明書が必要になることがあります。そもそも、納税証明書とはどのような書類なのでしょうか。 日常生活で納税証明書が必要になる場面は...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.10.27用語
  • 納税証明書とは?種類ごとの記載事項や取得方法などを解説

    納税証明書とは?種類ごとの記載事項や取得方法などを解説

    金融機関の融資や自治体のサービス、車検などを申し込むときに納税証明書が必要になることがあります。そもそも、納税証明書とはどのような書類なのでしょうか。 日常生活で納税証明書が必要になる場面は多くないので、種類や取得方法がよくわからない人も多いでしょう。そこで今回は、納税証明書の概要や種類ごとの記載事項、取得方法などについて詳しく解説します。 納税証明書とは 納税証明書とは、納付すべき税額や納付した税額、所得金額などを証明する書類です。住宅ローンなどの融資審査を受けたり、自治体のサービスを利用したりする際に提出を求められることがあります。納税証明書は、証明する税金の種類(税目)によって記載事項や発行依頼先が異なります。 課税証明書や所得証明書と納税証明書の違い 納税証明書と似た書類に「課税証明書」や「所得証明書」があります。課税証明書とは、対象税目の課税額を証明する書類です。所得証明書は、1年間(1月1日~12月31日)の所得金額を証明する書類になります。 納税証明書は、対象税目の課税額の納付状況を証明する書類です。そのため、課税証明書や所得証明書とは証明内容が異なります。納税証明書を求められた際に、課税証明書や所得証明書を提出しても要件を満たさないので注意しましょう。 納税証明書の種類と対象税目 納税証明書は、課税主体に応じて「国税」「県税(都税)」「市税」の3種類に分けられます。 国税は国が課税・徴収する税金です。県税(都税)は都道府県、市税は市区町村が課税・徴収する税金で、両者を合わせて「地方税」といいます。主な対象税目はそれぞれ以下の通りです。 国税:所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税など 県税(都税):住民税(県民税)、事業税、自動車税、不動産取得税など 市税:住民税(市民税)、固定資産税・都市計画税、軽自動車税など 納税証明書を取得する際は、対象税目を管轄する窓口に申請します。国税は現在の住所地を所轄する税務署、県税は県税事務所(都税は都税事務所)、市税は市区町村役場が窓口です。ただし、東京23区内では市町村税も都税として課税されているため、市区町村役場ではなく、一律で都税事務所で取得する点には注意が必要です。 最近では、国税はオンラインでの交付請求にも対応しています。地方税は、マイナンバーカードを利用したコンビニ交付サービスに対応している自治体もあります。 参考) ・財務省「税金には、どういった種類のものがありますか」 ・東京都主税局 納税証明書の記載事項(国税) 国税の納税証明書の種類と主な記載事項をまとめました。 国税の納税証明書の種類と主な記載事項 納税証明書の種類証明内容 その1所得金額(所得税、復興特別所得税、法人税) その2所得金額(所得税、復興特別所得税、法人税) その3未納税額がないこと その3の2所得税、復興特別所得税、消費税・地方消費税(個人用) その3の3法人税、消費税・地方消費税(法人用) その4証明期間に滞納処分を受けたことがないこと 国税は、税目や証明内容によって納税証明書の種類が変わってきます。国税の納税証明書が必要な場合は、証明内容に応じた納税証明書の種類を選ぶ必要があります。融資の際などに書類を求められた場合、取得書類を間違えてしまうと再取得が必要となるため、取得の前に必ず確認しておきましょう。 参考)国税庁「[手続名]納税証明書の交付請求手続」 納税証明書の記載事項(都税・県税) 東京都が課税・徴収している各税目について、納付すべき税額や納付した税額、未納額などが証明されます。主な記載項目は以下の通りです。 納税義務者の住所(所在地) 氏名(名称) 税目 年度 課税額 未納額 課税事務所等 ここでは都税について説明していますが、道府県が発行する納税証明書も記載事項に大きな違いはありません。 都税の納税証明書は、今年度分を含めて6年度分を発行できます。証明書に納付日の記載はありません。また、「未納税額がないことの証明」や「完納証明」は東京都主税局では発行していないため、納税証明書で代用する必要があります。 「滞納処分を受けたことがないことの証明」は発行していますが、未納税額がないことの証明にはならないので注意しましょう。 参考)東京都主税局「納税証明Q&A」 自動車税の納税証明書 自動車税は、都道府県が課税・徴収する税金です。車検を受ける際は、運輸支局・自動車検査登録事務所にて納税確認を電子的に行えるようになったため、平成27年4月から、車検時の自動車税納税証明書の提示が省略可能になりました。一方で、自動車税の納付間もない場合など、納付してからすぐに車検を受けるときなどには、紙の納税証明書が必要な場合があります。 自動車税の納税通知書は、金融機関やコンビニで納付して領収日付印が押されると「納税証明書」として利用できます。納税証明書には、自動車登録番号や車体番号などが記載されています。 紛失等で納税証明書の再交付を希望する場合は、都道府県の自動車税事務所の窓口などで申請が可能です。 参考) ・東京都主税局「納税証明Q&A」 ・千葉県「車検のとき、納税証明書がいらなくなったと聞きましたが。」 納税証明書の記載事項(市税) 市区町村が課税・徴収する税金について、納付すべき金額や納付した税額が証明されます。たとえば、横浜市の納税証明書には以下の事項が記載されています。 納税義務の確定した納付すべき税額 納付済の税額 滞納処分を受けたことがないこと* 法定納期限等* ※は申出がない場合は記載なし 他の市区町村が発行する納税証明書についても、記載内容に大きな違いはありません。 市税の納税証明書は、市区町村役場の担当窓口に申請すれば取得できます。証明内容によっては申出が必要だったり、別の書類が必要になったりする可能性もあります。証明が必要な内容を窓口で伝えた上で申請することが大切です。 参考)横浜市「納税証明書」 まとめ 納税証明書は、証明内容や税目によって証明書の種類や取得方法が異なります。必要なときに問題なく手続きができるように、納税証明書の内容や申請窓口を理解しておきましょう。 融資のリスケとは?メリットやデメリットを解説! 中小企業経営者は、景気悪化などで経営不振に陥り、資金繰りに悩むこともあるでしょう。借入金の返済に困ったときは、金融機関にリスケ(リスケジュール)を依頼する方法があります。 ただし、リスケには...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.10.20用語
  • 融資のリスケとは?メリットやデメリットを解説!

    融資のリスケとは?メリットやデメリットを解説!

    中小企業経営者は、景気悪化などで経営不振に陥り、資金繰りに悩むこともあるでしょう。借入金の返済に困ったときは、金融機関にリスケ(リスケジュール)を依頼する方法があります。 ただし、リスケにはデメリットもあるので、特徴を理解してから計画的に進めることが大切です。今回は、融資のリスケの現状やメリット・デメリット、リスケで立て直せないときの対処法について解説します。 リスケ(リスケジュール)とは? リスケとは、リスケジュール(reschedule)の略語です。ビジネス用語で「スケジュールの見直し」の意味でよく使われますが、もう一つの意味で「返済計画の見直し」という意味があります。 一般的に、銀行などの金融機関が使うリスケとは、後者を意味しており、借入金の返済が困難になった際に返済条件を変更するという意味で使われます。資金繰りが厳しくなった中小企業者は、金融機関と交渉することで融資のリスケができるかもしれません。具体的には、以下のような対応がとられます。 一定期間、返済額を減額する 一定期間、元本支払いを据え置きする 返済期間を延長し、返済額を減額する 2009年に施行された中小企業金融円滑化法により、中小企業者はリスケに対応してもらいやすくなりました。中小企業金融円滑化法は2013年3月末で期限を迎えていますが、金融庁は金融機関に対して、引き続き円滑な資金供給や貸付条件等の変更に努めるように要請しています。そのため、現在もリスケに応じてもらいやすい状況が続いています。 参考)金融庁「中小企業等に対する金融円滑化対策について」 融資のリスケはどれくらい行われている? 金融庁は、貸付条件の変更等の状況について実績を公開しています。2020年3月10日~2021年3月末でリスケの申込みを行った中小企業者の数は、銀行分で約44万件、協同組織金融機関分(信用金庫など)で約41万件です。多くの中小企業者が、金融機関にリスケの相談・交渉を行っています。 審査中や取下げを除くリスケの実行率は、銀行分が99.0%、協同組織金融機関分が99.5%です。実行率が非常に高いことから、正当な理由があればリスケに応じてもらえることがわかります。 参考)金融庁「金融機関における貸付条件の変更等の状況について」 融資のリスケをするメリット・デメリットは? リスケをするメリット 借入金の返済に困ったときにリスケをするメリットは以下の2つです。 借り換えをするよりも余計な費用がかからない 経営立て直しのための時間的猶予をもらえる 資金繰りを改善するには、借り換えという選択肢もありますが、借り換えは既存借入の全額返済手数料、新規借入の事務手数料などの費用が発生します。一方で、リスケによる支払条件の変更であれば、余計な費用はかかりません。 また、リスケをすると資金繰りが楽になるので、経営立て直しに集中して取り組むことができます。経営課題の改善に取り組んで業績が回復すれば、今まで通り事業を継続できるでしょう。 リスケをするデメリット リスケをするデメリットは以下の2つです。 新規の融資を受けづらくなること 返済が長期化する 通常、リスケが行われている期間は、その金融機関からは追加融資を受けられません。返済原資を明確に示すことができなければ、他の金融機関から融資を受けるのも難しいでしょう。 新規融資を受けられないと手元資金のみで資金繰りをしなくてはならないため、リスケの前に運転資金を確保する必要があります。 リスケは、返済が長期化するのもデメリットです。返済条件の見直しによって、一時的に資金繰りは楽になるかもしれません。しかし、長い目で見るとかえって返済負担が増し、経営にマイナスの影響を与える可能性もあります。 融資のリスケを受けるためには? いざ融資のリスケをしようと思っても、どのように進めていいのかわからないかもしれません。そのような中小企業者のために、中小企業庁では事業再生を支援するため、窓口相談や債権者調整等を含む再生計画の策定支援を行っています。 この支援は令和2年4月より、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、資金繰りに窮する中小企業者を支援するために始まりましたが、令和三年度以降も支援の実施が継続されています。 参考)特例リスケ支援(PDF形式:849KB) (令和3年4月14日更新) また、このリスケ支援においては、スピーディーな対応や、専門家のアドバイスを受けることが出来たことに伴って、利用者の97%が満足と回答しています。他にも中小企業庁のサイトでは参考事例なども記載されています。リスケを検討している場合には、このような国の制度を利用することを検討してみてはいかがでしょうか。 参考)中小企業庁 新型コロナ特例リスケジュール 融資のリスケをする際の注意点は? リスケはあくまでも返済条件の見直しです。債務や利息が免除されるわけではありません。そのため、元本の返済が猶予されている間も利息の支払いは必要です。 リスケによって返済条件が見直されるのは、一般的に半年~1年程度の一定期間のみです。リスケ期間中に経営立て直しに取り組み、業績を改善させる必要があります。 現在は金融機関にリスケを申込むと、高い確率で引き受けてもらえます。金融庁は中小企業者に対する金融の円滑化を金融機関に要請していますが、今後は方針が変わる可能性もあります。リスケを検討しているなら、早めに金融機関に相談したほうよいかもしれません。 融資のリスケで立て直すことができなかった場合には? リスケを行っても経営を立て直すことができなかった場合、不動産を所有していればその不動産を活用して資金を確保できるかもしれません。具体的には、下記のような方法があります。 融資のリスケ以外の資金調達方法①:不動産担保ローン 1つ目は、不動産担保ローンによって借り換えをすることです。不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を担保にお金を借りることができる商品で、既存の借入金の借り換えとしても利用することができます。借り換えによって毎月の返済額を減らすことができれば、資金繰りが楽になって経営立て直しに注力できます。しかし、このような状況で借り換え先を見つけるのは簡単ではないでしょう。特に、銀行などでは融資を断られる可能性が高いですが、ノンバンクの不動産担保ローンであれば利用可能な場合もあります。 不動産担保ローンは、信用力と担保不動産の価値を総合的に判断して審査を行うため、融資のリスケをしているような状況であっても融資を受けられる可能性もあります。また、銀行では扱わない築古や2番抵当、家族所有物件などの不動産も担保として申込みできます。上記のような特徴のある不動産担保ローンであれば、借り換え先として利用できるかもしれません。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 融資のリスケ以外の資金調達方法②:リースバック もう1つは、リースバックを利用する方法です。リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスのことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。リースバックを利用することで、自宅に住み続けながらまとまった資金を手に入れることができるのです。 リースバックによって事業の運転資金を確保すれば資金繰りを改善できる可能性があります。また、リースバックで売却した不動産は、将来的に買戻しができますので、経済状況が安定すれば、再び所有することも可能です。一方で、リースバックは、基本的に売却価格が市場価格よりも安くなります。加えて、所有権がリースバック運営会社に移転しますので、リフォームや建て替えなどが自由にできなくなってしまう点に注意が必要です。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 融資のリスケ以外の資金調達方法③:任意売却 上記以外では、任意売却という方法もあります。任意売却とは、債務者が自分の意志で不動産を売却する方法です。任意売却によって自宅を売却すれば、借入金を返済し経営の立て直しに注力できる可能性があります。 リスケを行っても借入金を返済することができなければ、担保として提供した不動産は債権者の申し立てにより、競売にかけられてしまう可能性があります。競売では、売却価格が市場価格の7~8割程度に設定されることが一般的です。また、競売にかけられたことを周囲に知られてしまったり、余計な費用がかかってしまうなどのデメリットもあります。 一方で、任意売却の場合は、市場価格に近い価格で売却することができますので、競売などに比べてより高値で不動産を売却できる可能性があります。加えて、任意売却は通常の販売方法で売り出しますので、自身の状況が周囲に知られてしまうことはありませんし、売却したお金から諸経費を支払うことが認められているため、事前に余計な費用を準備する必要もありません。ただし、任意売却をするためには、事前に債権者である金融機関の同意が必要になります。 関連記事はこちら担保不動産競売までの流れと心得(3)――競売を回避する「任意売却」とは? まとめ 借入金の返済に困ったときは、金融機関にリスケを申込むことで返済条件を見直してもらえる可能性があります。リスケをして一時的に資金繰りが楽になれば、経営立て直しに集中して取り組むことが可能です。 不動産を所有している場合は、リスケ以外の選択肢としてノンバンクの不動産担保ローンやリースバックも検討してみましょう。 不動産担保ローンならSBIエステートファイナンス リースバックならSBIスマイル 物上保証人と連帯保証人の違いとは、不動産担保ローンで必要になる保証人はどちら? 「保証人」という言葉を知っている人は多いかと思いますが、実際に「どのような責任を負うことになるのか」と理解をしている人は少ないのではないでしょうか。保証人と一言で言っても、「物上保証人」・「...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.10.13用語
  • DINKsマンションとは?メリットや注意点を解説

    DINKsマンションとは?メリットや注意点を解説

    ここ数年、”DINKsマンション”や”コンパクトマンション”の供給戸数が再び増加しており、今後さらに人気が高まる可能性があります。DINKsマンションを購入するメリットがある一方で、購入する際に注意すべき点もあります。そこで今回は、DINKsマンションを購入するメリットや注意点を解説します。 DINKsマンションについて DINKsマンションとは? DINKsとは、「Double Income No Kids」の頭文字を並べた言葉で、結婚後も子供を持たずに夫婦とも職業活動に従事するライフスタイルを指します。 つまり、DINKsマンションとは、夫婦二人で暮らすために適した間取りになっており、単身者向けよりも広く、ファミリー向けよりも狭い30~50㎡程度の大きさのマンションを指します。 参考)知恵蔵2015『DINKs 』 - コトバンク - 執筆:山田昌弘、2007年 DINKsマンションは増加傾向にある 2019年3月に株式会社不動産経済研究所から出されたプレスリリースによれば、首都圏のコンパクトマンションのシェアは、2009年の10.5%から2014年の供給が3.7%に右肩下がりに減少した後、2018年は8.7%に右肩上がりに増加しています。 出典:株式会社不動産研究所「首都圏コンパクトマンション(専有面積30㎡以上50㎡未満)供給動向」P.1 また、2021年度の税制改正により、住宅ローン減税の面積要件が緩和されることが発表されたため、人気が更に高まっていくことも予想されます。住宅ローン減税については後程紹介します。 DINKsマンションのメリット DINKsマンションを購入する主なメリットは下記3つです。 手に入りやすい価格帯である DINKsマンションは一般的に30~50㎡程度の大きさのマンションです。そのため、70㎡~80㎡程度のファミリータイプのマンションに比べて値段が安く、比較的購入しやすいと言えます。 ファミリータイプのマンションを購入しようと思ったが、住宅ローンが組むことが出来ずに住宅購入を断念した人でも、DINKsマンションの価格帯であれば購入できる可能性があります。また、住宅ローンが低金利となっている現在の環境下では、毎月の住居費負担も小さく、場合によっては同じ大きさのマンションに賃貸で住むよりも住居費を抑えられる可能性があります。 資産価値が維持されやすい DINKs世帯を対象としたマンションは、居住者に共働き世帯を想定しているため、駅までのアクセスや生活利便性の高い立地にも多く供給されています。駅までの距離が近い物件や、物件周辺に24時間営業のスーパーやドラッグストア、コンビニなどがある場合には、生活利便性が高いため資産価値が維持されやすいと言えます。 また、DINKsマンションの購入者は、20~30代の若い共働き世帯だけでなく、子供が独立した後のシニア層など、年齢や性別を問わず需要を見込めます。幅広い世代からの需要を期待できるため、資産性が維持されやすいと言えるでしょう。 出口戦略が取りやすい 資産価値が維持される不動産は、売却をする際に高値で売却できる可能性や、売り出しから早期に売れるといったメリットがあります。その他にも、需要の高い物件であれば、売却ではなく賃貸に出すという選択肢を持てるでしょう。 ただし、自宅を賃貸に出す場合で住宅ローンが残っている場合には、住宅ローンを借り換える必要があるため、具体的な資金計画を立てて採算が合うか確認する必要があります。住宅ローンの残っている自宅を賃貸に出す時の注意点については下記をご参考ください。 詳細はこちら住宅ローンがある自宅を賃貸に出さないといけなくなった時の対処法 DINKsマンションを購入する際の注意点 DINKsマンションを購入する際の主な注意点は下記2つです。 住宅ローン減税の適用外の場合がある 住宅ローン減税は年末の借入金残高に基づいて、所得控除を受けることが出来るため、制度を活用することで税負担を大きく減少することが出来ます。しかし、住宅ローン減税には面積要件が定められており、「住宅の床面積が50平方メートル以上」である必要があります。 令和3年度の税制改正の大綱において、上述の面積要件が緩和されることが閣議決定されましたが、なお40㎡未満のマンションは適用対象外のため住宅ローン減税を受けることが出来ません。住宅ローン減税や2021年度税制改正についての詳細は下記をご参考ください。 詳細はこちら「住宅ローン減税特例が延長!さらに床面積が40平米以上に緩和」 住み替えの資金計画がうまくいかない場合がある DINKsマンションを購入する人の中には、購入前から住み替えを前提としていたり、家族が増えることで手狭になったりすることで、住み替えが必要となるケースもあるでしょう。賃貸への住み替えを検討する場合や、既に住宅ローンがほとんど残っていない場合には大きな問題が起こりづらいですが、残債が多く残っている場合には資金面やスケジュール面でのハードルが上がるため注意が必要です。 自宅の住宅ローンが残っていることで、新居の住宅ローン審査に通らない場合や、自宅を早く売らなければならないことで、思ったより低い価格で売却しなければならない場合もあります。そのため、住み替えを前提としたDINKsマンションの購入の場合には、住み替えの流れなどを正確に把握しておく必要があるでしょう。住み替えの流れや費用についての詳細は下記をご参考ください。 詳細はこちら住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 まとめ DINKsマンションにはメリットがある一方で、住み替えを前提に購入する場合などには注意が必要です。現在賃貸に住んでいて家賃がもったいないからといった理由で住宅購入を考える人もいるかもしれませんが、DINKsマンションを購入するメリットと注意点を正しく理解した上で検討しましょう。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 今回は、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント、戸建...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.06.23用語
  • 競売とは?競売を回避すべき理由とその回避方法

    競売とは?競売を回避すべき理由とその回避方法

    住宅ローンや不動産担保ローンの返済が困難になった場合、担保として提供した不動産は債権者の申し立てにより、裁判所を通じて強制的に売却されてしまいます。この売却の手続きを「競売」といいます。競売という言葉を聞いたことはあっても、競売がどのようなものであるかよくわからないのではないでしょうか。 競売にはデメリットがあるので、ローン返済が困難になったとしても、絶対に回避すべきです。また、不動産を担保にローンを借りるのであれば、もしものときの備えとして、競売について理解しておくことが大切です。今回は、競売を回避すべき理由や回避する方法について解説します。 競売を避けなければならない3つの理由 競売を避けなければならない主な理由は以下3つです。 落札価格(売却価格)が市場価格よりも安くなる 競売物件は買主にとってリスクが高いため、落札価格(売却価格)は市場価格の6~7割程度となるケースが多いです。市場価格より落札価格が安くなる理由として、たとえば、落札した建物に欠陥が見つかれば、買主が修繕費を負担しなくてはなりません。また、前の所有者が落札後も退去しなければ、退去してもらうための交渉や手続きも必要ですし、そもそも“競売物件”に対する抵抗感もあります。ほかにも通常の不動産取引に比べて、競売は手続きが煩雑であることも一因となります。 このように、競売は落札者の負担が大きいことから、落札価格は市場価格より安くなる傾向があります。そのため、本来の不動産の市場価値であれば残債を完済できたにもかかわらず、競売で担保不動産を売却することによって 、債務が残ってしまうかもしれません。 競売にかけられたことを周囲に知られてしまう可能性がある 不動産を競売にかけられると、周囲に知られてしまう可能性があります。なぜなら、裁判所による競売・差押えは公示され、所在地や外観、室内写真など、物件情報の詳細がインターネット上に掲載されるからです。名前が公開されることはありませんが、近所の人や会社などが見れば、競売にかけられていることはすぐにわかります。 また、競売の手続きが進むと、裁判所の執行官による現地調査が行われ、占有者や 物件状態の確認、外観や室内の写真撮影、周辺住民への聞き取りなども行われます。また、インターネットなどに掲載された情報をもとに、落札を目的に不動産業者が物件確認に訪れることも多いです。 このように、競売にかけられると周囲に知られる可能性があるので、精神的なダメージを受けるかもしれません。 余計な費用がかかる 競売では、通常の不動産取引では負担する必要がない余計な費用がかかります。競売が実行されるまでには、各種書面の送付や現況調査など、さまざまな費用が発生しますが、これらの費用は予納金によって賄われます。予納金とは、裁判所に競売の手続きを申し立てるときに債権者が納めるお金です。たとえば、競売物件が東京23区の場合、予納金の額は以下の通りです 請求債権額 予納金の額 2,000万円未満 80万円(令和2年3月31日以前に受理された申し立てについては60万円) 2,000万円以上 5,000万円未満 100万円 5,000万円以上 1億円未満 150万円 1億円以上 200万円 参考) 裁判所|不動産競売事件(担保不動産競売,強制競売,形式的競売)の申立てについて 予納金は競売手続きを開始するときは債権者が債務者に代わって立替をしますが、最終的には売却代金から差し引かれて債権者に返還されるため、実質的には債務者が負担することになります。 また、ローンの延滞が始まってから競売で売却されるまでは、延滞分の遅延損害金や罰則金も発生します。延滞から競売による売却まで一年以上かかる場合もあるため、残債によってはかなりの額になります。こうした費用が重なり債務者の負担金額が増加するため、競売で不動産を売却しても、残債を完済できないケースが多いです。 競売の流れ 一般的に住宅ローンなどの保証会社がついている融資の場合、競売の大まかな流れは下記の通りです。 金融機関から一括返済を求められる(督促状・催告状が届く) 保証会社が金融機関に一括返済を行う(代位弁済) 裁判所から競売開始決定通知が届く(差押え) 不動産の現況調査が行われる 競売の入札が実施される 落札者に不動産が売却される(退去) 上記 のような流れで競売手続きが開始され、最終的には担保不動産が売却されます。競売の流れは、以下のコラムで詳しく解説しています。 参考) 担保不動産競売までの流れと心得(1)――「金銭消費貸借契約証書」の重要性 競売を回避する方法 売却が実施されて売却代金が納付されるまで、つまり、開札期日の前日までは競売取り下げの手続きができます。この期日までに金融機関が申し立てを取り下げてくれれば競売を回避できますが、取り下げには債権者が作成する取下書を執行裁判所窓口に提出する事が必要であり、取り下げるのは簡単ではありません。競売を回避したいのであれば、金融機関が競売の申し立てをする前に下記のような対策を講じる必要がある でしょう。 競売を回避するには、以下3つの方法があります。 不動産担保ローン 任意売却 リースバック まず、一般的に他の金融機関の住宅ローンへの借り換えは、延滞歴や資産状況を考えると現実的には難しいですが、不動産担保ローンの場合は審査が柔軟な会社もあり、不動産に評価余力があれば融資を受けられるかもしれません。 次に、任意売却とは、債務者が自分の意志で不動産を売却する方法です。競売を回避するには最も現実的な方法で、市場価格に近い値段で売却できる可能性もあります。しかし、任意売却は債権者である金融機関の同意を得る必要があるので、まずは借入をしている金融機関に相談するといいでしょう。 最後に、同じ家に住み続けたい場合はリースバックも選択肢のひとつです。リースバックは自宅をリースバック運営会社に売却し、その運営会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられます。不動産に評価余力があれば利用できるかもしれません。 このように、競売を回避する方法は複数あります。ローン返済が難しい場合は、金融機関に相談したうえで、すぐに競売を回避するための対策を検討しましょう。 不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンとは、不動産を担保にすることで、お金を借りることができる商品です。不動産を担保にするため、まとまった金額を低金利で借り入れることが可能です。一方で、万が一返済不能になった場合...記事を読む リースバックとは?仕組みを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2020.07.15用語
  • 物上保証人と連帯保証人の違いとは、不動産担保ローンで必要になる保証人はどちら?

    物上保証人と連帯保証人の違いとは、不動産担保ローンで必要になる保証人はどちら?

    「保証人」という言葉を知っている人は多いかと思いますが、実際に「どのような責任を負うことになるのか」と理解をしている人は少ないのではないでしょうか。保証人と一言で言っても、「物上保証人」・「連帯保証人」では責任範囲が大きくことなるので、保証人になる場合は慎重に確認することが大切です。本コラムでは物上保証人と連帯保証人の違いについて説明していきます。 保証人とは?どんな時に必要になるのか 保証人とは、融資の返済できなかった場合に、債務者(借金をした本人)に代わって返済義務を負う人のことを言います。 金融機関などから融資を受ける場合には、基本的に債務者本人が不動産や定期預金、有価証券などを担保として差し入れて、その評価の範囲内でお金を貸すことになることが多いです。しかし、返済ができなくなってしまった時(債務不履行)に、担保の価値が下がってしまったとしたら、担保ではカバーできなくなってしまいます。そんなことを避けるために、保証人が担保を提供して不足分をカバーしたり、融資の残債を保証人が返済したりすることになるのです。 ほとんどの融資で担保提供と共に保証人が必要になりますが、充分な担保が差し入れられている場合などは免除されることもあります。また、保証協会の保証付き融資などでも保証人が免除されるものもあります。 物上保証人とは? 物上保証人とは、自分以外の人の債務を自分の財産(主に不動産など)から担保(保証)した人のことを指します。債務を負担する訳ではないので、自身が提供した担保以上に返済の義務はありません。 一般的に、多くの金融機関では融資の契約をする債務者は担保を差し入れることにより融資を受けられることになります。しかし、債務者に担保として差し入れる物がない場合は、家族や親戚などに物上保証人になることを依頼し、その人の所有物である担保を差し入れてもらうという方法があるのです。 債務者が返済できなくなった時には抵当権が実行され、物上保証人は自分が提供した財産の範囲で物的有限責任を負うという特徴があります。 たとえば、債務者Aが3,000万円の借入を金融機関から行い、物上保証人Bが2,000万円の担保を差し入れて金融機関が抵当権を設定するとします。債務不履行となり債務者Aが返済できなくなった場合、金融機関は抵当権を実行して物上保証人Bの担保から債権回収を行います。そうすると1,000万円の残債が残りますが、物上保証人Bに残債まで返済する義務はありません。 連帯保証人とは? 連帯保証人は、「催告の抗弁」「検索の抗弁」「分別の利益」という通常保証人が持つ権利が認められない保証人のことです。 通常、金融機関が債務者ではなく保証人に対して返済の請求をしてきた場合、「先に債務者に請求してください。」と「催告の抗弁」をすることができます。しかし、連帯保証人はこのような主張をすることができず、金融機関から支払いを命じられたら支払いを拒否することができません。 また、保証人が債務者に取り立てができる十分な財産があると立証した場合、先にその主債務者の財産から取立てをしなければならない「検索の抗弁」を使うことができます。ただし、こちらも連帯保証人には主張する権利はありません。 「分別の利益」とは、保証人が複数存在する場合、その頭数で割った金額についてのみ支払義務が生じることですが、連帯保証人の場合は保証人が何人いようと、借金全額について支払わなければならないのです。(ただし、連帯保証人の返済額の合計が債務額の範囲に限定されます) このように、連帯保証人の責任の範囲は債務者と同等で、通常の保証人より重い責任が課されることになります。 物上保証人と連帯保証人の違いは? 債務者が債務不履行となった場合、物上保証人は自身が差し入れた担保の評価範囲内にのみ返済義務が生じます。しかし、連帯保証人の場合は、債務者の債務が完済されるまで返済責任義務が生じるため、担保提供の有無にかかわらず、金融機関に返済を命じられたらすべてを返済しなくてはいけません。そのため、物上保証人と比べると責任範囲が広く、リスクも大きくなります。 このような違いがあるので、担保提供や連帯保証人の依頼を受けている場合は、保証内容の範囲やリスクを充分理解して金銭消費貸借契約を締結すべきと言えます。 不動産担保ローンでは保証人が必要? 不動産担保ローンでは、債務者が自分で不動産を用意できる場合、保証人が原則不要と言っている会社も多いです。担保提供する不動産の評価が高く、ローン分をカバーできるならば、債務者が自分自身で責任を負うことができます。債務不履行となったとしても処分した不動産により、ローンの残債を補填できるので保証人は必要ないのです。 ただし、債務者以外の第三者から担保提供を受ける場合は、担保提供者に物上保証人もしくは連帯保証人のどちらかになってもらうこと多いです。物上保証人の場合、返済の責任は担保の評価内となります。そのため、債務不履行になったときに担保の評価が債務残高を下回っていれば、残債分を返済できなくなってしまう可能性があるのです。一方、連帯保証人の場合、債権者が返済できなくなった場合の残債が、担保として差し入れた不動産の範囲に収まらなかった場合は、その残債までも支払う義務が発生します。このように、物上保証人では債務不履行になったときに残債を回収できなくなるリスクが高くなるので、債務者自身の与信等が低いと判断される場合、連帯保証人が必要になるケースもあるのです。 まとめ 不動産担保ローンでは、債務者以外の第三者から担保提供してもらう場合、担保提供者に物上保証人または連帯保証人になってもらう必要があります。物上保証人の責任範囲が担保の評価内なのに対して、連帯保証人は債務が完済するまでが責任範囲となるので、連帯保証人のほうが物上保証人に比べると責任が重くなります。 もし不動産担保ローンの保証人になることを依頼された場合は、物上保証人なのか連帯保証人なのかを契約時にきちんと確認する必要があると言えます。契約後に「こんなはずでは…。」ということがないように気をつけてください。 不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 不動産担保ローンとは、不動産を担保にすることで、お金を借りることができる商品です。不動産を担保にするため、まとまった金額を低金利で借り入れることが可能です。一方で、万が一返済不能になった場合...記事を読む 「不動産担保ローン」の審査基準と審査通過のためのポイント 不動産担保ローンを活用して資金調達するには、金融機関の審査を通過する必要があります。不動産担保ローンを利用した経験がないと、どのように行動すれば審査にたどり着き、審査を通過することができるか...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2020.01.07用語
  • 権利関係からみた不動産の分類について――不動産担保の基礎知識(4)

    権利関係からみた不動産の分類について――不動産担保の基礎知識(4)

    不動産担保の基礎知識(3)では、土地の種類には「用途的地域」という分類があることを解説しました。土地の価値を評価するには、その土地が何に使われているかという「現況」(現在の状況)に加え、周辺地域の土地の利用状況から「何の用途に使うのが合理的なのか」を考慮することが重要になります。用途的地域とは、そうした地域の用途を分類しています。 用途的地域は、法律や条例に基づいた基準ではありません。国土交通省が公表している「不動産鑑定評価基準」が定めている「種別」です。ただし、国土交通省は、国家資格として「不動産鑑定士」を所管していますので、不動産評価の基準としては法令に準ずるもの、といっていいでしょう。 そして、その不動産鑑定評価基準には、「不動産の類型」という項目があります。土地と建物からなる不動産の「権利関係」に着目して分類をしたもので、こちらは法令に基づいた基準となっています。今回は、この不動産の類型についてお話しします。 土地の権利の「類型」は5種類ある 不動産の類型は、土地と建物に関する「権利」によって分類し、不動産の評価に役立てようというものです。類型には、土地の権利のみに着目する場合と、土地と建物の両方の権利関係をみる場合との2つのパターンがあります。まず、土地のみに着目したものについて説明しましょう。 土地だけをみるものは、不動産鑑定評価基準では「宅地」の類型といいます。ここでいう宅地とは、冒頭で述べた用途的地域に基づいたものです。したがって、一般の住居が多い「住宅地」、小売店や飲食店、雑居ビル、スーパーなどが多い「商業地」、町工場や工場が多い「工業地」などが対象となります。こうした宅地の類型には以下の5種類があります。 ①更地(さらち) 土地の上に建物がなく、土地の所有者が自由に使える状態のことです。一般的に更地というと、建物がなくて地面がむき出しの状態が思い浮かびますが、宅地の類型では、〝建物がない〟というだけではなく、③の「借地権」が付いていない土地、という意味を含んでいます。 ②建付地(たてつけち) 土地の上には建物があり、土地と建物の所有者が同じで、土地だけを評価する際の分類です。実際に評価の対象となることは、それほど多くありません。 ③借地権(しゃくちけん) 土地の所有者に賃料を支払って、土地を借りている人の権利。借りている人は「借地権者」、貸している土地の所有者は「借地権設定者」と呼ばれます。 ④底地(そこち) 賃料を受け取って土地を貸している所有者の権利。借地権を持っている人がいるため、底地の権利があっても、土地を自由には使えません。 ⑤区分地上権(くぶんちじょうけん) 他人の所有する土地の地下、あるいは、土地の上にある空間に、何らかのモノを設置する場合、設置をする側が有する権利。具体的には、地下の場合はトンネルや地下道、土地の上の空間の場合は送電線などが考えられます。借地権と同じく、区分地上権を持つ人は、土地の所有者に賃料を支払います。これを評価することも、最近はかなり減っています。 以上が宅地の類型になります。あまり聞き慣れないものがあったと思いますが、宅地には商業地や工業地が含まれているため、さまざまな様態があります。 土地と建物の権利関係には4種類ある 次は、「建物及びその敷地の類型」で、土地と建物の権利関係から分類したものです。以下、4種類があります。 ①自用(じよう)の建物及びその敷地 土地と建物の所有者が一致しているケースです(「自用」とは自家用という意味です)。具体的には、一戸建て住宅、自社ビルなどが該当します。不動産評価においては最も一般的といえるものです。 ②貸家及びその敷地 土地の所有者が賃貸アパートやマンション、貸しビルなどを建てており、その建物を他人が借りているケースです。これもお馴染みのものといえるでしょう。 ③借地権付建物 宅地の類型で触れた借地権を有する人が所有する建物が建っている状態です。具体的には、親が所有する土地に子供が家を建てているような場合です。建物が自家用か、さらに別の人へ貸しているかで、違いがあります。 ④区分所有建物及びその敷地 複数の人が建物と土地の一部分を所有している状態です。いちばんわかりやすいのは分譲マンションのオーナーです。また、ビルを共同で開発して一部を所有しているケースも該当します。 不動産評価の指針となる「種別」と「類型」 「不動産担保の基礎知識」の(3)と(4)で、不動産を評価する際の分類方法である種別と類型について解説をしてきました。この2つを用いると、例えば、評価対象となる不動産が、商店街に近接する地域にあれば種別は「商業地」、一戸建ての自宅であれば類型は「自用の建物及びその敷地」というように分類されます。 現実の不動産は、こうした種別や類型に、スムーズに当てはまらないものも少なくありません。しかし、そもそも基準がなければ、他の物件との比較や評価自体が困難になります。自分の不動産の価値を知るためにも、不動産の分類について知っておいて損はありません。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 ▼シリーズ「不動産担保の基礎知識」の記事一覧 ・第1回:融資における担保の種類 ・第2回:不動産の「抵当権」とは? 内容から手続きまで ・第3回:「用途」からみた土地の種類 ・第4回:権利関係からみた不動産の分類について 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2019.04.23用語
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