金融/不動産知恵袋

相続

  • 空き家を相続したらどうするべき?対処方法や税制特例について解説

    相続で取得した実家に住む予定がない場合、何もしなければ空き家になってしまいます。空き家の状態で放置することには、さまざまなリスクが存在します。 そのため、空き家を相続する予定があるなら、どのように対処するかを事前に考えておくことが大切です。今回は、相続した空き家を放置するリスクや対処方法、税制特例について解説します。 空き家問題は深刻化している 総務省の「住宅・土地統計調査(2018年)」によると、全国の空き家率は13.6%で過去最高となりました。「居住世帯のない住宅」のうち空き家は846万戸で、2013年からの5年間で26万戸(3.2%)増加しています。 空き家数はこれまで一貫して増加が続いており、空き家問題は深刻化しています。2014年11月には「空き家等対策特別措置法」が公布され、さまざまな対策が講じされていますが、空き家の増加を抑制できていないのが現状です。 参考) ・総務省統計局「2018年(平成30年)住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」 ・国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の概要」 相続した空き家を放置するリスク 相続した空き家を放置すると、以下のようなリスクがあります。 固定資産税の負担が増える 住宅用地の固定資産税は、特例措置によって以下のように減額されています。 小規模住宅用地(200㎡以下の部分:6分の1に減額) 一般住宅用地(200㎡を超える部分:3分の1に減額) しかし、適切な管理を行わずに空き家を放置すると特例措置の対象から除外されるため、固定資産税の負担が増えてしまいます。 参考)国土交通省「空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置(固定資産税等)」 劣化による資産価値下落リスク 実物資産である不動産は、適切に管理を行わないと建物が劣化して資産価値が下落するリスクがあります。特に居住者がいない物件は特に劣化が早いため、早めに対策をする必要があるでしょう。 資産価値が下がるとなかなか買い手が見つからず、売却が困難となります。「賃貸に出す」「不動産を担保に融資を受ける」など、資産として活用することも難しくなるでしょう。 周辺住民とのトラブル 空き家を放置して建物が劣化すると、倒壊や屋根・外壁の落下、火災が発生する恐れがあります。また、ゴミの不法投棄、衛生の悪化、悪臭、雑草などにより、周辺環境に大きな影響を与えます。何も対策を講じなければ、周辺住民とトラブルになりかねません。 空き家を相続したときの対処方法 空き家を相続したら、まずは相続登記を行いましょう。相続登記とは、相続した不動産の所有権(名義)を前の所有者から相続人に移転する手続きです。名義変更を行わないと、売却などの取引を行うことができません。 相続登記を自身で行うのが難しい場合は、司法書士に代行してもらうといいでしょう。相続登記が済んだ後は、以下3つの対処方法が考えられます。 売却する 相続した空き家を売却して現金化する方法です。複数の相続人がいる場合、現金化することで遺産を分割しやすくなるでしょう。売却後は維持費が不要となり、管理の手間がかからなくなるのもメリットです。 賃貸に出す 相続した空き家を入居希望者に貸し出す方法です。空き家を賃貸に出せば、毎月家賃収入を得られます。 ただし、空き家を賃貸に出せる状態にするには、リフォームやハウスクリーニングが必要です。また、入居者がいないと賃料を得られないので、賃貸需要があるかを見極めることが大切です。 住居として使う 相続した空き家を自身の住居として利用する方法もあります。築年数が古く、間取りがライフスタイルに合わなくても、リフォームを行って住みやすくすることは可能です。すでに持ち家に住んでいる場合は、セカンドハウスとして利用してもいいでしょう。 相続した空き家を売却するときの税制特例 不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、通常は譲渡所得税がかかります。しかし、空き家の売却で一定の要件を満たすと以下の税制特例が適用されるため、譲渡所得税の節税になります。 相続不動産についての特例については下記のコラムで詳しく解説しています。 関連記事はこちら相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説 売却が難しい場合は相続放棄も選択肢 相続した実家が遠方にあって住む予定がなく、売却も難しい場合は「相続放棄」も選択肢となります。 ただし、相続財産をすべて放棄することになるため、プラスの財産(預貯金など)があっても引き継ぐことができません。また、相続放棄をしても、相続財産管理人が管理を開始するまでは実家の管理責任はなくなりません。 相続放棄するほうがよいかは状況によって異なるので、弁護士などの専門家に相談して判断しましょう。 まとめ まずは空き家を相続する前に、相続した後にどのように活用するかを考え、売却が出来ないなど扱いに困るような物件であれば相続放棄をするという選択肢があります。一方で、需要のあるエリアなどの不動産であれば、売却や賃貸に出すなどの選択肢があるでしょう。自身で判断できない場合には、専門家に依頼するなどして、後悔のない選択をしましょう。 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 相続財産には預貯金や有価証券のほかに、土地や建物といった不動産も含まれます。相続で不動産を取得した場合、相続税評価額はどのように算出すればよいでしょうか。今回は、相続不動産の評価方法や特例に...記事を読む 不動産相続で知っておきたい手続きと費用 不動産を相続することになった場合、さまざまな手続きが必要になります。相続は何度も経験するものではないので、どのように対応すればよいかわからないのではないでしょうか。 不動産相続では、相続税が...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.09.08相続
  • 不動産相続で知っておきたい手続きと費用

    不動産を相続することになった場合、さまざまな手続きが必要になります。相続は何度も経験するものではないので、どのように対応すればよいかわからないのではないでしょうか。 不動産相続では、相続税がかかる場合もある他、不動産は均等に分割しづらいことなどから、相続人が複数いる場合にトラブルが発生することもあります。不動産相続をスムーズに進めるには、手続きの流れを理解して早めに準備をすることが大切です。 今回は、不動産相続で知っておきたい手続きの流れと費用について詳しく解説します。 不動産相続の手続きのステップ 不動産の相続が発生したときは、以下の流れで手続きを進めることになります。 相続人や相続財産を確認する 遺産分割協議で遺産の分け方を決める 相続不動産の名義を変更する 相続税の申告・納付をする 相続発生時に慌てずに済むように、不動産相続の大まかな流れを把握しておきましょう。 STEP1:相続人や相続財産を確認する 相続が発生したときに、最初にやらなくてはならないのが相続人や相続財産を確認することです。具体的には以下の通りです。 相続人の確定 誰が遺産を相続する権利を持っているのかをはっきりさせるために、相続人を確定させます。そのためには、被相続人(亡くなった人)の相続関係を調査しなくてはなりません。 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、相続情報を調査して法定相続人を確定させましょう。必要書類を準備して法務局に依頼すれば、相続関係が一覧でわかる「法定相続情報一覧図」を作成してもらうことも可能です。 遺言書の確認 相続が発生したら、被相続人が遺言書を残していないかを確認します。遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って相続を進めなくてはなりません。また、遺言書で法定相続人以外の人を相続人として指定している可能性もあります。 遺言書は、主に「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2つがあります。公正証書遺言は情報が登録されているので、公証人役場に確認すれば、遺言書の有無を確認できます。一方、自筆証書遺言の場合は、被相続人の机の引き出しや金融機関の貸金庫など、思い当たる場所を探す必要があります。 遺産の確認 被相続人がどのような財産を残しているかを確認しましょう。主な相続財産の種類は以下の通りです。 現金、預貯金 有価証券 不動産 生命保険の死亡保険金 貸付金 宝石、美術品 ゴルフ会員権 特許権、著作権 資産だけでなく、負債(債務、税金の未払いなど)も調べることが必要です。相続では、基本的に資産だけを引き継ぐことはできません。そのため、負債のほうが多い場合は、相続放棄を検討する必要があります。 遺産分割のやり直しを避けるためにも、被相続人のすべての財産(資産と負債の両方)を調べましょう。 相続放棄をする場合(3ヵ月以内) 相続財産を調べた結果、借金など負債のほうが多いケースもあるでしょう。その場合は、相続放棄も選択肢の1つです。 相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内に家庭裁判所に申述すれば、相続放棄ができます。 相続放棄をすれば、被相続人が残した借金を返済する必要はなくなります。 ただし、相続放棄をすると、預貯金や不動産といった資産を相続する権利も放棄することになるので慎重に判断しましょう。 参考)国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分 限定承認をする場合(3ヵ月以内) 限定承認とは、被相続人の資産の範囲内で負債を相続することです。 相続では、資産と負債がどれくらいあるのか、すぐに把握できないこともあります。限定承認を選択すれば、たとえ債務があっても資産の範囲で引き受けられるので安心です。 ただし、限定承認は相続人全員が共同で家庭裁判所に申述する必要があります。申述期限は、相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内です。 故人の準確定申告が必要な場合(4ヵ月以内) 準確定申告とは、被相続人の1月1日から死亡した日までに確定した所得金額および税金を計算して確定申告をすることです。確定申告が必要な人が翌年の1月1日から確定申告期限までの間に確定申告をせずに亡くなった場合、提出が必要なので注意が必要です。 相続人は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に準確定申告(申告と納税)をしなくてはなりません。 準確定申告が必要な場合は、期限までに申告・納税を行いましょう。 参考)国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告) STEP2:遺産分割協議で遺産の分け方を決める 相続人と相続財産が確認できたら、遺産の分け方を決めていきます。被相続人が遺言書を残している場合は、遺言書の内容に従って財産を分割します。ただし、一定の相続人には「遺留分」が認められています。 遺留分とは、配偶者や子供、直系尊属(※1)など、一部の法定相続人(※2)が取得できる一定割合の相続財産のことです。たとえば、遺言書に法定相続人以外の人に財産をすべて残すと書かれていても、配偶者や子などには遺留分が認められます。 遺言書がない場合は、遺産分割協議を行います。遺産分割協議とは、相続人が集まって相続財産をどう分けるかを話し合う手続きのことです。 遺産分割協議は基本的に相続人全員で行う必要がありますが、全員で集まって話し合う必要はありません。相続人全員が合意していれば、「メールや電話で話し合う」「数人で話し合った内容を他の相続人が了承する」といった形でも可能です。 遺産分割について合意したら、遺産分割協議書を作成して相続人全員が署名・捺印します。遺産分割協議がまとまらない場合は、調停が必要になることもあるので、弁護士などの専門家に相談しましょう。 ※1被相続人の父母、父母がどちらも亡くなっている場合は祖父母 ※2兄弟姉妹や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に相続人となる甥姪には遺留分が認められていません STEP3:相続不動産の名義を変更する 遺産分割協議が終了して相続する財産が決まったら、相続不動産の名義変更を行います。 実家の土地・建物などを相続する場合、不動産の所有権を相続人に移転する相続登記が必要です。不動産の相続登記は、必要書類を準備した上で、対象不動産を管轄する法務局に申請します。 法定相続分通りに相続する場合、相続登記の必要書類は以下の通りです。 登記申請書 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 法定相続人の戸籍謄本 法定相続人の住民票 登録免許税(収入印紙) また、遺産分割協議によって財産を分割する場合は、遺産分割協議書や相続人の印鑑証明書も必要です。 相続登記に期限はありませんが、名義を変更しておかないと、相続不動産の売却や不動産を担保にした借り入れができません。そのため、相続が発生したときに、相続登記を済ませておくのがおすすめです。 なお、自身で手続きするのが難しい場合は、司法書士に代行してもらうことも可能です。 STEP4:相続税の申告・納付をする 最後に相続税の申告・納付を行います。手続きの流れは以下の通りです。 相続税の課税遺産総額を確認 まずは相続税の課税遺産総額を確認します。相続税は、正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額に対して課税されます。正味の遺産額とは、相続等によって取得した財産の価額と相続時精算課税の適用を受ける財産の価額を合計した金額から、債務や葬式などの金額を差し引いたものです。 相続時精算課税制度の詳しい説明はこちら 課税遺産総額 = 正味の遺産額 - 基礎控除額 相続税の基礎控除額は、以下の算式で求められます。 基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 参考)国税庁 No.4152 相続税の計算 たとえば、法定相続人が配偶者と子の2人の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円 + 600万円 × 3人)です。 正味の遺産額が1億円の場合、課税遺産総額は5,200万円(1億円 - 4,800万円)となります。相続財産が4,800万円以下であれば、課税遺産総額は0となるため、相続税はかかりません。 相続税申告書の作成 課税遺産総額を求めたら、相続税を計算して申告書を作成します。相続税は自身で計算することもできますが、難しい場合は税理士に代行してもらうことも可能です。 相続税の申告は期限があり、申告漏れなどの誤りがあると修正申告が必要になるので、心配な場合は税理士に依頼することを検討しましょう。相続税の計算方法は、後ほど詳しく説明します。 相続税の申告・納付をする 相続税の申告書が作成できたら、必要書類を添えて所轄税務署に提出し、税金を納付します。相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。 本人確認書類や相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書の写し、相続人全員の印鑑証明書などを添付します。 また、不動産相続の場合は、固定資産税評価証明書や登記事項証明書なども必要です。 期限までに申告をしないと、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかることがあるので注意しましょう。 参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類 不動産相続の対象 相続が発生した場合、誰が不動産の相続対象となるのでしょうか。ここでは、相続人の優先順位について確認していきましょう。 相続人の優先順位 法定相続人には優先順位があり、以下の通りです。 相続人の範囲 第1順位死亡した人の子供 第2順位死亡した人の直系尊属(父母や祖父h簿など) 第3順位死亡した人の兄弟姉妹 また、財産の原則的な相続割合のことを「法定相続分」、被相続人が遺言で定めた相続分のことを「指定相続分」といいます。指定相続分は法定相続分に優先するため、遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って相続財産を分割することになります。 法定相続分は以下の通りです。 法定相続分 相続人 相続分 配偶者と子供の場合配偶者1/2 子ども1/2 配偶者と直系尊属の場合配偶者2/3 直系尊属1/3 配偶者と兄弟姉妹の場合配偶者3/4 兄弟姉妹1/4 たとえば、配偶者と子2人が法定相続人の場合、法定相続分は以下のようになります。 配偶者:1/2 子A:1/4(1/2×1/2) 子B:1/4(1/2×1/2) 相続財産が1億円であれば、配偶者が5,000万円(1億円×1/2)、子A、Bがそれぞれ2,500万円(1億円×1/4)を相続します。 参考)国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分 不動産相続でかかる税金 不動産相続では以下の税金がかかります。 登録免許税 相続税 登録免許税は、不動産の相続登記を行う際にかかる税金です。登録免許税の税額は「不動産価格×0.4%」で、不動産価格は市町村役場で管理している固定資産課税台帳の価格になります。 また、基礎控除額を超える財産を相続する場合は相続税もかかります。相続税総額を算出する際は、各人が相続などで実際に取得した財産に直接税率を乗じるというものではありません。相続税を計算する手順及びイメージ図は以下の通りです。 課税遺産総額を法定相続分で分割したものとして各人の取得金額を算出する 各人の課税額を算出し、合計して相続税総額を算出する 相続税総額を各人の相続分に按分して、実際に収める税金を決定する 各人の課税額を算出する際には、取得金額に基づき、速算表から以下のように計算します。 2,600万円 × 15% - 50万円 = 340万円 相続税の速算表 法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額 1,000万円以下10%- 3,000万円以下15%50万円 5,000万円以下20%200万円 1億円以下30%700万円 2億円以下40%1,700万円 3億円以下45%2,700万円 6億円以下50%4,200万円 6億円超55%7,200万円 この速算表で計算した各人の課税額の合計が、相続税総額となります。そして、各人が実際に相続した相続分に従って相続税総額を案分し、各人の税額を算出します。 相続税は財産の評価方法や計算方法が複雑で、相続開始から10ヵ月以内に申告・納付を行わなくてはなりません。実際に相続税を計算する際は、税理士などの専門家に相談しながら進めるのが確実です。 参考)国税庁 No.4155 相続税の税率 不動産相続の相談先 ここまで確認してきたように、不動産相続ではさまざまな手続きが必要です。そのため、専門知識がない個人が、すべての手続きを行うのは難しいかもしれません。不動産相続について相談したい場合は、誰に依頼すればよいのでしょうか。 不動産相続は、以下のように相談内容によって依頼先は分かれます。 相続登記についての相談:司法書士 税金についての相談:税理士 トラブルについての相談:弁護士 まず、相続登記は、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士によって金額は異なりますが、登録免許税とは別に10万円程度の費用が発生します。 次に、相続税をはじめとする税金については、税理士に依頼するといいでしょう。相続財産の確認や税金計算、申告書の作成などを任せられます。 相続税申告の費用は税理士によって異なりますが、課税遺産総額の0.5~1.0%程度が相場となります。つまり、課税遺産総額が5,000万円であれば、25~50万円程度が目安です。税理士によって専門分野が異なるので、依頼の際には相続税に詳しい税理士を探しましょう。 最後に、相続トラブルに備えたい場合は、弁護士を検討しましょう。状況によっては遺言書の検認が必要だったり、相続放棄を検討したりするケースもあります。「遺産分割協議がまとまらない」といったトラブルが見込まれる場合は、弁護士に相談すると安心です。 弁護士に依頼するときは相談料や着手金、報酬金などがかかります。弁護士によって費用は異なるので、事前に金額を確認してから依頼しましょう。 上記以外に、不動産相続で納税資金などが必要な場合は、金融機関に相談するのがおすすめです。相続税の納税資金などが足りない場合、相続不動産を担保に融資を受けられる可能性があります。 不動産相続による資金不足ならSBIエステートファイナンス ここでは、不動産相続による資金不足についてSBIエステートファイナンスに相談するメリットを3つご紹介します。 メリット①:相続税の支払代金に活用できる 相続財産がすべて現金であれば、相続税が発生しても相続した現金で納税できます。しかし、不動産相続の場合は、相続財産の額によっては納税資金が足りず、相続税を納めるのが難しいケースもあります。 SBIエステートファイナンスの不動産担保ローンを利用すれば、相続不動産を担保に融資を受けることが可能です。原則として資金使途は自由であるため、相続税の支払代金に活用できます。 メリット②:代償分割や遺留分減殺請求の支払に活用できる 代償分割とは、現物の財産を取得した相続人が、他の相続人に代償金を支払うことで清算する遺産分割方法です。たとえば、5,000万円の不動産を子2人で相続するときに、兄が不動産を取得し、弟に2,500万円の代償金を支払うケースが該当します。 遺留分減殺請求とは、遺言によって特定の相続人が財産を取得した場合などに、相続財産の最低割合の受け取りが保証されている遺留分を取り戻す制度です。 不動産を相続し、代償分割や遺留分減殺請求によって支払いが生じる場合は、資金を準備しなくてはなりません。SBIエステートファイナンスの不動産担保ローンなら、相続不動産を担保に融資を受けられるため、支払代金を用意できます。 メリット③:相続発生前の親族間売買に 不動産は現金のように分割できないため、相続人が複数いる場合はトラブルになる可能性があります。親が存命中に子へ不動産を売却しておけば、相続トラブルを避けられるかもしれません。 しかし、不動産の親子間売買では金融機関の審査が厳しくなるため、住宅ローンを組むのが難しいケースがあります。また、親子間売買であっても、通常の不動産売買と同じように、譲渡益が発生する場合は譲渡所得税がかかります。 SBIエステートファイナンスの不動産担保ローンであれば、親子間売買であっても融資を受けられる可能性があります。相続時に不動産担保ローンを利用する方法については、下記の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら相続で不動産担保ローンを利用する4つの事例を紹介 不動産相続の準備はお早めに 親が亡くなった場合は、相続以外にもしなくてはならないことが多くあります。不動産相続は手続きが複雑で時間がかかりますが、相続手続きの多くには期限が設けられているため、じっくり考える余裕がないのが実情です。 そのため、不動産を相続する予定があるなら、実際に相続が発生したときに慌てずに済むように、早めに準備しておくとよいでしょう。 まとめ 不動産相続が発生したら、相続人や財産の確認、名義変更、遺産分割協議、相続税の申告・納付など、やるべきことがたくさんあります。どのように対応すればよいかわからない場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談して手続きを進めましょう。 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 相続財産には預貯金や有価証券のほかに、土地や建物といった不動産も含まれます。相続で不動産を取得した場合、相続税評価額はどのように算出すればよいでしょうか。今回は、相続不動産の評価方法や特例に...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.07.14相続
  • 相続で不動産担保ローンを利用する4つの事例を紹介

    不動産を含む相続では相続税の支払いなどで現金が必要になることも多いです。そのような時には、不動産担保ローンを活用できるかもしれません。相続で不動産担保ローンを利用する方法として、「相続が発生してから」不動産担保ローンを利用する場合と、「相続が発生する前に」不動産担保ローンを利用する場合の大きく二つに分かれます。本記事では、不動産担保ローンの4つの活用方法をご紹介していきます。 相続が発生してから不動産担保ローンを利用する 相続が発生してから不動産担保ローンを利用するケースは、下記3つが考えられます。 相続税の支払いに利用する 法定相続分の支払いに利用する(代償分割) 遺留分の支払いに利用する 相続税の支払いに利用する 不動産を相続すると、その資産価値に応じて相続税を支払う必要があります。相続税として納める税金は基本的に現金で用意しなければなりません。特に相続財産として不動産のみを相続したような場合では、相続税の支払いを現金で用意できないこともあるでしょう。このような場合、不動産担保ローンを活用することが考えられます。 ちなみに、相続した不動産を売却して相続税の支払いをすることもできますが、買主が見つかるまでに時間がかかることがあり、このような場合にも不動産担保ローンの活用は有効な手段の一つです。相続税は相続があったことを知ったときから10カ月以内に納める必要があります。 法定相続分の支払いに利用する(代償分割) 相続方法にはいくつかの種類がありますが、代償分割を選んだ場合に、不動産担保ローンを活用できます。代償分割とは、相続人の内の誰かひとりまたは数人が不動産などの現物を相続し、その他の相続人に対して相続分に応じた現金を支払う方法です。 例えば、相続財産が3,000万円で、配偶者と子2人の相続人がいるケースを考えてみましょう。配偶者と子の場合の法定相続分は配偶者:1/2、子:1/2です。今回のケースでは、子供が2人のため、配偶者の法定相続分は2分の1、子の法定相続分は4分の1ずつとなります。 法定相続人が配偶者と子の場合 - 配偶者:1/2、子:1/2 法定相続人が配偶者と親の場合 - 配偶者:2/3、親:1/3 法定相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合 – 配偶者3/4、兄弟姉妹:1/4 相続財産3,000万円が全て現金であれば、配偶者に1,500万円、子に750万円ずつ相続させることが可能です。しかし、相続財産が不動産しかないような場合、簡単に分割することができません。こうした場合に、ひとりの子が不動産を相続して、不動産を相続しなかった配偶者や子に法定相続分に応じた支払いをするといった方法があります。この方法を代償分割と呼びます。 上記の場合、他の相続人に支払うための資金を現金で用意しなければなりませんが、多額の現金を手元から支払うのは難しいでしょう。不動産担保ローンを活用すれば、相続した不動産を担保に代償分割のための資金を借りることができます。 遺留分の支払いに利用する 遺留分の支払いに不動産担保ローンを活用することも考えられます。遺留分とは配偶者や子供、直系尊属(※1)など、一部の法定相続人(※2)が取得できる一定割合の相続財産のことです。その遺留分の総額は相続財産全体の1/2で、法定相続人が直系尊属のみの場合は1/3となります。また、遺留分の総額から法定相続人の法定相続分に応じて遺留分が決定します。 ※1被相続人の父母、父母がどちらも亡くなっている場合は祖父母 ※2兄弟姉妹や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に相続人となる甥姪には遺留分が認められていません。 法定相続人にはそれぞれ法定相続分が決められていますが、遺言によって、法定相続人以外や法定相続分とは異なる配分で相続がなされることがあります。しかし、遺留分が認められている法定相続人は、自分に認められた遺留分までであれば、相続後に遺留分減殺請求を求めることができます。 例えば、先ほどと同様に相続財産が3,000万円で、配偶者と子2人の相続人がいる場合で、被相続人の遺言によって、子の内の1人だけにこの3,000万円の相続がされるケースを考えてみましょう。 相続人が配偶者と子なので、相続財産全体の1/2が遺留分の総額として扱われます。そして、法定相続分は配偶者が1/2、子が1/2となるので、配偶者は1/4(1/2×1/2)、子は1/4を2人で分けて1/8(1/2×1/2×1/2)の遺留分として認められます。つまり、相続財産を受け取らなかった配偶者は、相続財産の4分の1である750万円、子は相続財産の8分の1である375万円分遺留分減殺請求できます。 上記の場合、遺留分減殺請求を受けた側は現金で支払わなければなりませんが、多額の現金を手元から支払うのは難しいでしょう。しかし、相続不動産を担保にして、不動産担保ローンを活用することで問題を解決できるかもしれません。 相続が発生する前に不動産担保ローンを利用する 相続が発生する前に不動産担保ローンを利用するケースは、親族間売買が考えられます。 親族間売買をする 相続発生前に、あらかじめ不動産の親族間売買をする場合には、不動産担保ローンの利用が考えられます。居住用財産で、自己居住用であれば住宅ローンを利用することも考えられますが、そうでない場合には住宅ローンの利用はできません。また、銀行などの金融機関では一般的に親族間売買を取り扱っていません。 一方で、不動産担保ローンであれば住宅ローンのように自己居住用でなければならないといった制約はなく、親族間売買でも取り扱うことの出来る可能性があります。ただし、住宅ローンと比べると金利が高いなど、融資条件が悪くなってしまう点には注意が必要です。 まとめ 相続時に不動産担保ローンを利用する4つの事例を解説しました。不動産の相続では相続税の支払いに現金を用意できず困る場合があるでしょう。また、速やかに売却活動を行っても、中々買い手が見つからず、相続税の支払いに間に合わない場合もあります。 このような場合、不動産担保ローンを有効に活用出来るかもしれません。その他にも、遺留分や代償分割など活用できる機会は多いため、手元資金が不足する時には、不動産担保ローンを検討してみるといいでしょう。 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 相続財産には預貯金や有価証券のほかに、土地や建物といった不動産も含まれます。相続で不動産を取得した場合、相続税評価額はどのように算出すればよいでしょうか。今回は、相続不動産の評価方法や特例に...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説

    相続財産には預貯金や有価証券のほかに、土地や建物といった不動産も含まれます。相続で不動産を取得した場合、相続税評価額はどのように算出すればよいでしょうか。今回は、相続不動産の評価方法や特例について解説します。 相続財産のうち不動産が占める割合は? 国税庁の資料によると、2019年の相続財産の金額構成比は以下の通りです。 土地:27.3% 家屋:5.4% 有価証券:15.3% 預貯金39.2% その他12.8% 最も多いのが預貯金で、全体の約4割となっています。不動産の割合も多く、土地と家屋で全体の3割弱を占めています。この結果から、相続において不動産の重要度が高いことがわかります。 参考:国税庁「令和元年(2019年)分の相続税の申告状況について」 相続税評価額の評価方法 土地や建物の資産価値(取引価格)は、最寄り駅からの距離や利便性、築年数などによって左右されます。しかし、不動産の相続税評価額は、通常の取引価格とは異なります。詳しい評価方法は以下の通りです。 土地 土地の評価方法には、「路線価方式」と「倍率方式」の2つがあります。 路線価方式とは、路線価が定められている地域(都市部などの市街化地域)の評価方法です。路線価は、道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格のことで、国税庁が毎年7月に公表しています(基準日は毎年1月1日)。 倍率方式とは、都市郊外など路線価が定められていない地域の評価方法です。その年の固定資産税評価額に、一定の倍率(地域によって異なる)を乗じて計算します。 路線価方式・倍率方式ともに、評価額は公示価格(国土交通省が毎年3月に公表する土地取引の指標となる価格)の8割程度が目安となります。 建物 建物の評価額は、「固定資産税評価額×1.0」で計算されます。つまり、建物の評価額は固定資産税評価額と同じです。 固定資産税評価額は、固定資産税を計算する際の基準となる価格のことで、公示価格の7割程度が目安となります。固定資産税評価額を調べる場合は、固定資産税の納税通知書を確認するか、自治体の担当部署に問い合わせるといいでしょう。 その他の不動産 借地権がついていたり、賃貸に出していたりする不動産は、権利関係に応じて評価額が調整されます。たとえば、貸宅地や貸家(マンション、アパートなど)は、通常の評価額から借地権割合や借家権割合などが調整されるため、評価額は下がります。 参考:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」 土地の相続税評価額を下げる「小規模宅地等の特例」 小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた土地や事業を営んでいた土地などを相続したときに、一定の要件を満たすことで、その土地の評価額を最大80%減額できる特例です。本特例によって評価額が下がれば、相続税を節税できます。 適用対象となる宅地の種類と評価額の減額割合、限度面積は以下の通りです。 特定居住用宅地:80%減額(330㎡まで) 特定事業用宅地:80%減額(400㎡まで) 貸付事業用宅地:50%減額(200㎡まで) たとえば、実家の土地(特定居住用宅地)を400㎡相続し、その土地の評価額が3,000万円だった場合、減額後の評価額は以下のように計算します。 3,000万円-(3,000万円×330㎡÷400㎡×80%)=1,020万円 特定居住用宅地の限度面積は330㎡であるため、相続した400㎡のうち、330㎡について評価額が減額されます。 本特例の適用を受けるには、相続税の申告書に特例を受けようとする旨を記載した上で、「小規模宅地等に係る計算の明細書」「遺産分割協議書の写し」などの一定の書類を添付する必要があります。 自身で手続きをするのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 参考:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 不動産の評価方法によっては争続になることも 相続人が複数人いる場合、不動産の評価方法は争点の一つです。 不動産の相続税評価額は、実勢価格の8割程度で評価されます。そのため、遺産分割協議で相続税評価額を使うか、実勢価格を使うかによって、以下のように相続人の間で不公平が生じる可能性があります。 土地を相続する人:相続税評価額が有利 土地を相続しない人:実勢価格が有利 たとえば、相続財産6,000万円(預貯金3,000万円、不動産3,000万円(実勢価格3,750万円))を、AさんとBさんで2分の1ずつ相続するとします。 相続税評価額で分ける場合、Aさんが預貯金、Bさんが不動産を取得すれば、3,000万円ずつ相続することになります。しかし、不動産を実勢価格で考えると、Aさんは3,000万円、Bさんは3,750万円となり、Bさんの取得分が多くなってしまいます。そのため、相続財産を一律で相続税評価額で考えると、争続に発展する場合があります。 相続財産に不動産が含まれている場合は、相続トラブルを避けるために、遺産分割の方法について相続人同士で十分に話し合うことが大切です。 まとめ 相続した不動産は、路線価や固定資産評価額などで評価されます。「小規模宅地等の特例」の適用を受ければ評価額が減額されるため、相続税の節税が可能です。不動産の評価方法や税制特例について、自身で判断するのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 不動産評価の方法と不動産価値の考え方 不動産はさまざまなポイントで評価されるのが特徴です。 また、戸建てとマンションでも資産価値の考え方は異なる場合があります。 今回は、不動産評価のプラス面およびマイナス面で重要なポイント、戸建...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 相続で取得した不動産に不動産取得税はかかる?仕組みや注意点について解説

    マイホームの購入など、不動産を取得したときには不動産取得税がかかります。では、相続で不動産を取得した場合には、不動産取得税はかかるのでしょうか。 相続により不動産を取得した場合、原則不動産取得税はかかりません。しかし、相続時にも贈与とみなされる場合には、不動産取得税がかかるケースもあります。そのため、不動産を相続する前に、課税の仕組みや注意点について理解しておくことが大切です。今回は、不動産取得税の仕組みや相続時の不動産取得税について解説します。 不動産取得税とは 不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得したときに、不動産を取得した人に対して課税される税金です。不動産を購入したときはもちろん、家屋の建築などで取得した場合にもかかります。なお、有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税されます。 不動産取得税の税額は、以下の算式」で計算されます。 「不動産取得税=取得した不動産の価格(課税標準額)×税率」 課税標準額は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。不動産の購入価格や工事建築費ではないので注意しましょう。税率は、2024年3月31日まで土地・家屋(住宅)は3%、住宅以外の不動産は4%です。 参考:東京都主税局「不動産取得税」 相続時に不動産取得税がかからない理由 相続で不動産を取得したときに不動産取得税はかからない理由は、売買や贈与等とは異なり、あくまで「形式的な所有権の移動」とみなされるため、非課税となります。 一方で、相続時もしくは相続に関連して不動産を取得する場合でも、贈与とみなされる場合は不動産取得税がかかります。具体的には、以下のようなケースです。 不動産取得税がかかるケース1:死因贈与 死因贈与とは、財産の所有者(贈与者)が生前のうちに、契約で財産を渡す相手(受贈者)を決めることです。贈与者の死亡を条件として、受贈者に財産を贈与する契約を締結します。 遺言により財産を譲り渡す「遺贈」と似ていますが、死因贈与は贈与者と受贈者の間で契約が必要です。死因贈与は相続には含まれません。そのため、死因贈与で不動産を取得した場合も不動産取得税がかかります。 参考:山形県「不動産を相続したときには、不動産取得税は課税されますか?」 不動産取得税がかかるケース2:特定遺贈 相続人が残した遺言書によって財産を引き継ぐケース(遺贈)もあります。遺言書で財産を残す方法には、「包括遺贈」と「特定遺贈」の2つがあります。 包括遺贈:遺産の全部または一定割合を残す方法 特定遺贈:遺産のうち具体的な資産を指定して残す方法 包括遺贈では、「Aさんに遺産の~%を遺贈する」のように財産の割合を示しますが、どの財産を残すかは明確にしません。一方、特定遺贈は「Bさんに自宅を遺贈する」のように、どの財産を残すかを具体的に指定します。 包括遺贈では、相続人・相続人以外を問わず不動産取得税はかかりませんが、特定遺贈で法定相続人以外の人が不動産を相続する場合は、課税されます。 参考:東京都主税局「Q23 遺贈により不動産を取得した場合、不動産取得税は非課税になりますか。」 不動産取得税がかかるケース3:相続時精算課税制度 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の両親や祖父母から、20歳以上の子または孫に財産の贈与するときに利用できる贈与税の制度です。 相続時精算課税制度を利用すると、同一の贈与者からの贈与であれば、総額2,500万円まで贈与税が課税されません。また、限度額に達するまでは何回でも控除できます。ただし、相続時には、相続時精算課税制度の贈与財産と他の相続財産を合計して相続税を計算する必要があります。 相続時精算課税制度の適用を受け、贈与として不動産を取得した場合は不動産取得税がかかります。 参考:東京都主税局「Q3 贈与税において、相続時精算課税制度の適用を受けたのですが不動産取得税は課税されますか。」 関連記事はこちら相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介 まとめ 原則として相続によって不動産を取得した場合は、不動産取得税は課税されません。ただし、死亡を原因とした死因贈与や遺贈、相続時精算課税制度によって取得した場合は課税されます。 両親などから不動産を引き継ぐ予定がある場合、不動産取得税のほかに相続税、贈与税なども考慮する必要があります。自身で最適なタイミングを判断するのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 参考:東京都主税局「Q22 相続により不動産を取得した場合、不動産取得税は非課税になりますか。」 相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説 相続で取得した不動産に住む予定がない場合は、売却を検討することもあるでしょう。相続不動産を売却して現金化すれば、複数の相続人がいても財産を分けやすくなります。 相続不動産の売却には税金がかか...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.06.09相続
  • 相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説

    相続で取得した不動産に住む予定がない場合は、売却を検討することもあるでしょう。相続不動産を売却して現金化すれば、複数の相続人がいても財産を分けやすくなります。 相続不動産の売却には税金がかかりますが、税制特例を利用すれば節税できるかもしれません。今回は、相続不動産の売却にかかる税金と税制特例、売却時の注意点について解説します。 相続不動産の売却でかかる税金の種類 相続不動産の売却でかかる税金は、相続時に支払う「登録免許税」と売却時に支払う「印紙税」「譲渡所得税」の3つです。それぞれの内容を確認していきましょう。 登録免許税 登録免許税とは、相続登記の際にかかる税金です。相続登記では、相続した不動産の所有権を被相続人から相続人へ変更する手続きをします。被相続人の名義のままでは不動産を売却できないため、売却前に所有権を相続人へ変更しておく必要があります。 登録免許税の税額は「不動産価格×0.4%(1,000分の4)」です。不動産価格は、市町村役場で管理している固定資産課税台帳の価格となります。 登録免許税は、原則として現金で法務局に納付しますが、オンライン申請なら電子納付も可能です。なお、相続登記を自身で行わずに司法書士に依頼する場合、報酬も含めて司法書士に支払うのが一般的です。 参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」 印紙税 印紙税とは、不動産売買契約書に貼付する印紙のことです。契約金額によって、印紙税額は以下のように異なります。 印紙税額一覧表 契約金額 印紙税額 軽減税額 100万円超 500万円以下2,000円1,000円 500万円超 1,000万円以下10,000円5,000円 1,000万円超 5,000万円以下20,000円10,000円 5,000万円超 1億円以下60,000円30,000円 1億円超 5億円以下100,000円60,000円 ※2014年(平成26年)4月1日~2022年(令和4年)3月31日に作成される「不動産の譲渡に関する契約書」については税額が軽減されています。 たとえば、相続不動産を3,000万円で売却する場合、印紙税額は2万円(軽減税額1万円)となります。 参考:国税庁「印紙税額一覧表(令和2年(2020年)4月現在)」 譲渡所得税 譲渡所得税とは、不動産の売却益(譲渡所得)に対して課税される税金です。相続不動産を売却して譲渡所得が生じる場合は、所得税や住民税を納める必要があります。譲渡所得は以下の計算式で求められます。 譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 譲渡価額は、不動産の売却代金です。 取得費は、売却する不動産を取得するためにかかった費用のことです。相続不動産の場合、被相続人がその不動産を買い入れたときの購入代金や仲介手数料などの合計額となります。 建物については、減価償却費を控除した後の金額です。また、相続で払った登記費用も取得費に含まれます。取得費がわからない場合は、売却代金の5%相当額を取得費とすることも可能です。 譲渡費用には、相続不動産を売却するときに払う仲介手数料などが含まれます。特別控除額は、税制特例が適用されるときに控除できる金額です(後ほど詳しく説明します)。 譲渡所得の税額は、譲渡所得に税率をかけて計算します。税率は、不動産の所有期間に応じて以下のように異なります。 長期譲渡所得:20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%) 短期譲渡所得:39.63%(所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%) ※復興特別所得税の税率は2.1%で、これを所得税に乗じた値となります 不動産を売却した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。相続不動産の場合、被相続人の取得時期がそのまま相続人に引き継がれるため、被相続人の取得日から所有期間を判定します。 (参考) ・国税庁「土地や建物を売ったとき」 ・国税庁「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」 相続不動産を売却するときの税制特例 相続不動産の売却では、税制特例を利用すると譲渡所得税の節税になります。ここでは、相続不動産の売却で適用される税制特例を3つ紹介します。税制特例の適用を受けるには確定申告が必要です。 取得費加算の特例 「取得費加算の特例」とは、売却する相続不動産に対する相続税を取得費に加算できる特例です。取得費が増えると課税所得が減るので、譲渡所得税の節税になります。 本特例の適用を受けるには、相続税申告期限の翌日以降3年以内(相続開始から3年10ヵ月以内)に売却する必要があります。 参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」 相続空き家の3,000万円特別控除 「相続空き家の3,000万円特別控除」とは、相続した空き家を売却するときに、一定の要件を満たすと最高3,000万円の特別控除が適用される特例です。課税所得を大きく減らせるので、譲渡所得税の節税になります。 「1981年(昭和56年)5月31日以前に建築」「マンション(区分所有建物)不可」などの条件があるため、適用対象となる建物は限定されます。また、取得費加算の特例とは併用できない点にも注意が必要です。 参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 居住用財産の3,000万円特別控除 「居住用財産の3,000万円特別控除」とは、マイホームを売却したときに、一定の要件を満たすと最高3000万円の特別控除が適用される特例です。相続した不動産に相続人が居住していた場合は、本特例の適用を受けられます。 以前に住んでいた場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。本特例は、取得費加算の特例との併用が可能です。 参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 相続不動産の売却における注意点 相続不動産の売却における注意点は以下2つです。 確定申告が必要 相続不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、確定申告をして譲渡所得税を納めなくてはなりません。原則として、相続不動産を売却した翌年の2月16日~3月15日が確定申告期間となります。 期限までに確定申告をしないと無申告加算税や延滞税が課される可能性があるので、手続きを忘れないようにしましょう。 なお、税制特例を考慮して計算した結果、譲渡所得がマイナスとなって譲渡所得税がかからない場合も確定申告は必要です。たとえ要件を満たしていても、確定申告をしないと税制特例は適用されないので注意が必要です。 分割方法によって支払う税金が変わる 相続不動産の分割方法は、「代償分割」と「換価分割」の2つがあります。 代償分割:特定の相続人が不動産を相続・売却し、他の相続人に代償金を支払う方法 換価分割:相続人全員で不動産を相続・売却し、その売却代金を分割する方法 どちらを選択するかによって、譲渡所得税額が変わることがあり、各種税金の精算方法も変わってきます。税理士などの専門家に相談した上で、どちらを選ぶか判断するといいでしょう。 まとめ 相続不動産の売却では税金がかかりますが、税制特例をうまく利用すれば節税できる可能性があります。自分で確定申告をしたり、特例が適用されるか判断したりするのが難しい場合は、税理士や不動産会社などの専門家に相談しましょう。 住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと 長寿化に伴い、自身の老いや死に関するさまざまな事柄に備える「終活」が注目されるようになりました。終活で準備しておくべきことはたくさんありますが、「持ち家をどうするか」は大きなテーマの一つでは...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.06.02相続
  • 相続時精算課税制度とは?メリット・デメリットを紹介

    相続時精算課税制度は、両親や祖父母から財産の贈与を受けるときに選択できる制度です。この制度を利用することで、贈与時の負担軽減につながる可能性があります。 ただし、相続時精算課税制度にはデメリットもあるため、制度の内容を理解した上で利用を検討することが大切です。今回は、相続時精算課税制度の概要やメリット・デメリットを紹介します。 相続時精算課税制度の概要 相続時精算課税制度とは 相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。同一の贈与者からの贈与であれば、2,500万円まで贈与税は課税されず、限度額に達するまで何回でも控除でき、限度額を超えた部分については、一律20%の贈与税率が適用されます。 また、相続時には、相続時精算課税制度の贈与財産と他の相続財産と合計して相続税を計算します。贈与税を支払っている場合は、相続税から支払済の贈与税を差し引くことができます。 相続時精算課税制度利用の流れ 相続時精算課税制度を利用する子または孫は、最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要です。戸籍謄本などの一定の書類とともに、贈与税の申告書に添付して納税地の所轄税務署長に提出します。 参考)国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」 相続時精算課税制度のメリット 相続時精算課税制度のメリットと想定されるケースは以下の通りです。 税金の支払いを先延ばしにできる 相続時精算課税制度で財産を贈与すれば、2,500万円までは贈与税がかかりません。また、制度を利用して相続が発生するまで贈与財産に対する税金の支払いを先延ばしにできます。あくまでも支払いの先延ばしであり、税金が免除されるわけではありません。 「生前贈与をしておきたいが、納税を先延ばしにしたい」という希望がある場合であれば、2,500万円までなら贈与税がかからないため、生前贈与を行いやすいでしょう。子どもがまとまったお金が必要なタイミングで生前贈与を行い、税金の支払いを先延ばしにすれば、財産を有効活用できるかもしれません。 収益性のある資産の生前贈与は相続税の節税につながる 相続時精算課税制度で収益を生み出す資産を生前贈与すると、相続税対策につながる可能性があります。たとえば、親が収益不動産を贈与せずに所有し続けると、収益不動産と生前得た家賃収入が相続税の課税対象となります。しかし、相続時精算課税制度で収益不動産を子に生前贈与すれば、贈与後に生じる家賃収入は子に継承できるため、相続税の課税対象に含まれず、収益不動産のみが相続税の課税対象となります。そのため、相続時の収益不動産の時価が贈与時を下回らなければ節税につながります。* ただし、経年劣化によって贈与後に収益不動産の価値が下がると、価値減少分だけ相続税の負担が増えてしまうので、相続時精算課税制度の選択は慎重に判断する必要があるでしょう。 ※家賃収入に対する税金については勘案していません。 将来価値が上がる資産の贈与は相続税対策になる 相続時精算課税制度の贈与財産は、贈与時の時価が相続税評価額となります。そのため、将来価値が上がる資産を贈与すれば、「相続時の時価-贈与時の時価」について相続税の負担が軽減されます。「ほぼ確実に価値が上がる」と見込める資産がある場合は、相続税の節税につながる可能性があります。 そのため、一時的に評価が下がっている自社株など「今後は確実に値上がりする」と判断できる資産がある場合にはメリットがあります。ただし、不動産などは基本的に経年劣化で資産価値が下がります。そもそも必ず値上がりするといえる資産は存在しないため、暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利かを判断するのは難しいでしょう。 相続時精算課税制度のデメリット 一方で、相続時精算課税制度には以下のデメリットもあります。 年110万円以下の贈与でも贈与税の申告が必要 暦年課税には基礎控除額が設定されており、贈与額が年110万円以下であれば贈与税はかかりません。また、贈与税の申告も不要です。しかし、相続時精算課税制度を選択すると、年110万円以下の贈与であっても、贈与を受けた翌年に贈与税の申告をしなくてはなりません。少額で複数回の贈与を受ける場合は、贈与税申告の手間がかかります。 一度選択すると暦年課税に戻すことはできない 相続時精算課税制度を選択すると、選択した年分以降は永久的に適用され、暦年課税に戻すことができなくなります。暦年課税では、年間110万円までの基礎控除額があるため、計画的に利用することで大きなメリットとなるケースもあるため、相続時精算課税制度の選択は慎重に判断する必要があるでしょう。 小規模宅地等の特例が利用できなくなる 小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす土地を相続した場合に、相続税評価額が最大80%減額される制度です。相続時精算課税制度を選択すると、小規模宅地等の特例を利用できなくなります。状況によっては、小規模宅地等の特例の適用を受けることで相続税の節税につながる可能性があります。 国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 まとめ 相続時精算課税制度のメリットがあるケースは限定され、ほとんどのケースでは、暦年課税で少しずつ贈与をするほうが税制メリットは大きいと考えられます。しかし、どうしても生前贈与したいが税金を先延ばしにしたい時などにはメリットがあるでしょう。ただし、一度選択すると暦年課税には戻せないので、相続時精算課税制度の選択は慎重に判断しましょう。 終活とは?いつから始める?老後資金が足りないと気づいたら? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことなどから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、...記事を読む 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2021.01.27相続
  • 相続争いを生まないためのリースバックという選択肢

    リースバックの概要についてはこちら 自宅を所有していると、老後も住み続けられる安心感がある一方で、相続に不安を感じることもあるのではないでしょうか。不動産は実物資産であるため、相続人が複数いると簡単に分けられません。また、相続財産の大部分を不動産が占める場合は、財産をどう分けるか折り合いがつかず、相続争いが生まれる可能性があります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、同じ家に住み続けながら相続争いを回避できます。今回は、リースバックで相続問題を解決できる理由について説明します。 なぜ相続争いが生まれるのか 相続争いが生まれる理由はさまざまですが、不動産(自宅)が関係しているケースが多いです。たとえば、相続財産が不動産と預貯金のみで、不動産が占める割合が大きいと相続争いが生まれやすくなります。なぜなら、複数の相続人がいる場合、相続人全員が納得する形で財産を分けるのが難しいからです。 均等に財産を分けるという観点で考えれば、不動産は持分相続ができるので、1つの不動産を複数人で相続することも可能です。しかし、相続後にその不動産を1人の使用者が専有した場合には、相続人の間に不平等が生まれることになります。親族間で賃貸借契約を結んで適正な家賃を支払うことで平等に近い形に是正することは可能ですが、あまり現実的な方法とは思えません。 相続争いの具体例を紹介 不動産の相続の難しさがイメージできるように、具体例を1つ紹介します。相続財産が不動産(4,000万円)と預貯金(2,000万円)の合計6,000万円、相続人が配偶者と子2人のケースについて確認しましょう。法定相続分は配偶者が1/2、子はそれぞれ1/4です。相続財産は合計6,000万円なので、法定相続割合で分けると以下のようになります。 配偶者:3,000万円(6,000万円×1/2) 子(A):1,500万円(6,000万円×1/4) 子(B):1,500万円(6,000万円×1/4) また、法定相続割合で不動産と預貯金を均等に分割する場合、相続財産は以下のように分けられます。 配偶者:不動産2,000万円、預貯金1,000万円(合計3,000万円) 子(A):不動産1,000万円、預貯金500万円(合計1,500万円) 子(B):不動産1,000万円、預貯金500万円(合計1,500万円) 不動産に持分を設定することで、上記のように資産を均等に分けることができます。しかし、その不動産を配偶者のみが占有して利用する場合には、当然平等であるとは言えないでしょう。 リースバックで相続問題を解決できる理由 先程紹介したようなケースの場合、リースバックを利用することで相続問題を解決できます。リースバックとは、自宅を売却したうえで賃貸借契約を結び、家賃を払うことで売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。 相続争いを避けるために自宅を売却すると、通常は別の住居を探さなくてはなりません。しかし、リースバックなら家賃を払うことで、売却後も同じ家に住み続けられます。また、不動産を現金化することで、相続財産は預貯金のみとなるため、相続財産を均等に分配できます。 先ほどのケースで、リースバックを利用しており、不動産を2,800万円*で売却していた場合には下記のような遺産分割となります。 ※一般的にリースバックの買取価格は評価額の7割程度とされているため、4,000万円×70%=2,800万円としています。 配偶者:預貯金2,400万円 子(A):預貯金1,200万円 子(B):預貯金1,200万円 上記の通り、相続財産が預貯金のみであれば、相続人同士でもめることなくスムーズに遺産分割が出来るでしょう。リースバックの利用は相続争いを無くすという点からは、生前に行うことが理想ですが、相続発生後であっても可能です。しかし、相続発生後に手続きをすると、相続税や所得税などの税金面で複雑化することや、持分相続の場合に共有者全員の同意が必要などの制限が発生します。 このような点から相続発生後のリースバック利用にも争いが生まれる可能性があり、相続発生後にリースバックを利用するのであれば、生前にリースバックを利用しておいた方が良いと言えるでしょう。 もう一つの選択肢としての不動産担保ローン 相続する不動産に長期的な視点で資産価値がある場合やその不動産への愛着が強いなどの理由で所有権を手放したくない場合には、不動産担保ローンを利用するといいでしょう。不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を金融機関に担保として差し入れるかわりにお金を借りられる融資方法の一つです。 そのため、相続財産である不動産を担保に融資を受けることで、相続人同士の金銭的な不平等を解決するための資金を用意することが出来ます。 参考)不動産担保ローンとは? まとめ 相続財産の大部分を不動産が占める場合、複数の相続人がいると相続争いが生まれるケースがあります。しかし、リースバックを利用すれば、住む家を確保しながら財産を均等に分配できない問題を解決できます。自宅の相続に不安を感じているなら、リースバックを活用した相続対策を検討しましょう。 リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは、自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れることができる資金調達方法で、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。ただし、リースバックにはデメリットもあるので、...記事を読む リースバックの仮査定を申込む ご自宅をリースバックすることでいくら資金調達可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 配偶者居住権とは?概要やメリット・デメリット、成立要件について解説

    約40年ぶりに民法(相続法)が改正され、2020年4月から「配偶者居住権」が施行されました。配偶者居住権という言葉を聞いたことはある方でも、その内容まではよくわからないのではないでしょうか。配偶者居住権は、夫婦で暮らす自宅の相続や売却に関わってきます。そのため、現在夫婦で持ち家に暮らしているのであれば、相続が発生する時のために配偶者居住権について理解しておくことが大切です。今回は、配偶者居住権の概要やメリット・デメリット、成立要件について詳しく解説します。 配偶者居住権とは 配偶者居住権とは、配偶者が被相続人所有の不動産に居住していた場合に、相続開始後も引き続きその不動産に無償で居住できる権利のことです。通常、被相続人が死亡すると、被相続人が所有していた居住建物や預貯金などは、配偶者や子といった相続人が取得します。原則として、配偶者がすべての財産を相続できるわけではありません。そのため、配偶者が引き続き自宅に居住するために、自宅を相続すると他の預貯金などの財産を受け取れなくなり、「住む場所はあっても生活費が不足する」といった問題が発生していました。 今回の配偶者居住権の施行により、被相続人が亡くなった後も、配偶者は夫婦で暮らしていた自宅での居住を続けながら、預貯金などの財産も取得できるようになりました。具体的には、自宅を「配偶者居住権」と「負担付所有権」に分けて評価し、配偶者は配偶者居住権、子は負担付所有権を取得することになります。 配偶者居住権のメリット 配偶者居住権のメリットは以下2つです。 被相続人が亡くなった後も自宅に住み続けられる 配偶者居住権は、被相続人が亡くなった後も引き続き自宅に無償で居住できる権利です。これまでは、全体の相続財産よって、残された配偶者が夫婦で暮らしていた自宅を相続できず、自宅に住み続けられない可能性がありました。しかし、配偶者居住権を利用すれば、被相続人が亡くなった後も自宅に住み続けられます。 不動産以外の財産が受け取りやすくなる 配偶者居住権は、不動産以外の財産が受け取りやすくなるのもメリットです。たとえば、被相続人が夫、相続人が妻と子の場合、法定相続分は「妻:子=1:1」となります。相続財産が自宅と預貯金のみで、それぞれの価値が全く同じであれば、妻は自宅を相続すると預貯金は取得できなくなってしまいます。 しかし、配偶者居住権を利用すれば、自宅を配偶者居住権と負担付所有権に分けることになるので、妻は自宅に住み続けながら、預貯金の一部を受け取ることも可能になります。 配偶者居住権のデメリット 配偶者居住権には先程紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。 住まなくなっても自宅を売却できない 配偶者居住権にも価値はありますが、相続開始時に自宅に住んでいた配偶者だけに認められる権利であるため、第三者に売却できません。たとえば、介護が必要になって介護施設に入居することになっても、配偶者居住権が設定されたままの状態だと、自宅を売却して現金化できなくなります。対処法として、配偶者居住権を合意解除や放棄する事はできますが、自宅を売却する可能性があるなら、配偶者居住権の設定は慎重に判断したほうがいいでしょう。 設定手続きが複雑で税負担もある 配偶者居住権は、設定手続きが複雑でわかりにくいのもデメリットです。配偶者居住権の価値評価については、法務省が以下の「簡易な評価方法の考え方」を提示していいます。 配偶者居住権の価値=建物敷地の現在価値-負担付所有権の価値 一方で、日本不動産鑑定士協会連合会は、配偶者居住権の鑑定評価について「実務指針」を公表する予定でしたが、考え方の確立や実務の蓄積が待たれるとして、今のところは研究報告の公表にとどめています。このように、配偶者居住権の価値評価については、まだ不透明な部分が多いのが現状です。 固定資産税は不動産の所有者が負担するのが基本ですが、配偶者居住権を取得した者は「通常の必要費を負担する必要がある」とされており、固定資産税や修繕費を負担しなくてはなりません。また、配偶者居住権を第三者に主張するためには、登記も必要になります。このように、施行から日が浅く、専門的な知識がなければ一般の方には難しい内容となっています。 参考) ・法務省|配偶者居住権の価値評価について(簡易な評価方法)【PDF】 ・公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会|「配偶者居住権等の鑑定評価に関する研究報告」の公表について 配偶者居住権の成立要件 配偶者居住権が成立するには、以下3つの要件を満たす必要があります。 相続開始時に被相続人の所有する建物に居住していたこと 相続開始時に被相続人が配偶者以外の者と建物を共有していないこと 以下のいずれかに該当(ア) 遺産の分割により配偶者居住権を取得するものとされたこと(イ) 配偶者居住権が遺贈の目的とされたこと 被相続人が配偶者以外の者と自宅を共有していた場合、配偶者居住権は取得できないので注意が必要です。また、配偶者居住権は、遺産の分割や遺贈(遺言による贈与)により取得できます。 配偶者居住権を検討する場合は専門家に相談を ここまで書いてきたように、配偶者居住権を設定すると、子が自宅の所有権を取得しても残された配偶者は自宅に住み続けられるメリットがありますが、子は相続できる現預金などの財産が少なくなる上、第三者に売却するのは難しくなります。そのため、配偶者居住権の設定は配偶者と子の折り合いが悪い場合などに限られるでしょう。 配偶者居住権は、まだ始まったばかりの制度です。配偶者居住権を設定すれば、被相続人がなくなった後も自宅に住み続けられますが、その成立要件や評価方法は複雑で、まだ不透明な部分が多いのが現状です。配偶者居住権を検討する場合は、相続税に強い税理士などの専門家に相談しましょう。 執筆者紹介 「金融/不動産知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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