公開日:2025.07.16
住宅ローンに限らず、融資の審査過程では、申込者の勤務先に対して在籍確認が行われることがあります。在籍確認の目的やタイミング、電話で確認される内容について、気になる人がいるかもしれません。この記事では、在籍確認の目的や行われるタイミング、電話で確認される内容について解説します。
在籍確認とは、金融機関が融資等の審査の際に、申込者が勤務先に本当に在籍しているかを確認するための手続きのことです。会社員は、住宅ローンを申し込む場合、金融機関に勤務先を申告します。金融機関の担当者が、申込者が申告した勤務先に電話をかけるなどして、本当にその勤務先に在籍しているかを確認します。
在籍確認は、申込者の返済能力を適切に評価するために行われます。会社員の場合、住宅ローンを借りるための必要書類として、源泉徴収票を金融機関へ提出します。
源泉徴収票には、勤務先から1年間に支払われた給与や賞与の総額、源泉徴収された所得税額などが記載されており、これにより金融機関は申込者の収入状況を正確に把握できます。
ただし、源泉徴収票は年に1回しか発行されないため、申込者が申し込み時点ですでに転職している場合があります。そのため、金融機関は、「勤務先が実在しているか」「申込者が現在その勤務先に在籍しているか」を確認するために在籍確認を行います。
住宅ローンの在籍確認が行われるタイミングは、金融機関によって異なります。本審査の最終段階で行われることもあれば、事前審査後に行われることもあります。
どのタイミングで在籍確認が行なわれるかは金融機関によって異なるため、事前に申込先の金融機関に確認しておくことが重要です。
住宅ローンの在籍確認は、必ず実施されるとは限りません。例えば、申込者が申込先の金融機関で給与振込口座を保有している場合、金融機関はその取引履歴を確認することで、勤務先への在籍を把握できるため、あらためて電話で在籍確認を行う必要がないと判断することもあります。ただし、「在籍確認が不要」と明記している金融機関はないため、在籍確認が省略されるかどうかは、事前に申込先の金融機関へ確認しておくとよいでしょう。
住宅ローンの在籍確認は、一般的に金融機関の担当者が申込者の勤務先に電話をする形で行われます。主な確認項目は以下のとおりです。
電話の内容は非常に簡潔で、在籍の事実が確認できればすぐに終了します。金融機関によっては、上記以外の情報についても確認する場合がありますが、事前に調べないと答えられないような難しい質問はされないため特別な準備は不要です。
住宅ローンの在籍確認を円滑に進めるには、いくつかの注意点があります。金融機関の確認方法を把握し、必要な対応を整えておきましょう。
在籍確認では、金融機関の担当者は金融機関名を名乗らず、個人名で電話をかけることがあります。最近では、個人情報保護の観点から、個人名での電話を本人に取り次がない企業も増えているため、注意が必要です。
そのため、住宅ローンの申込時に勤務先の代表電話を申告すると、在籍確認の電話を取り次いでもらえない場合があります。勤務先に事情を伝えたうえで、所属部署の直通番号を申告するなどの対策を取ると良いでしょう。
営業などで外出が多く、勤務先の電話に出るのが難しい人は、事前に金融機関へ相談し、別の方法を検討してもらうことが重要です。
例えば、金融機関によっては、申込者本人が電話に出られなくても、同僚が「席を外しております」などの対応をした場合でも在籍確認が済むことがあります。また、前述のとおり、給与振込口座の取引履歴や健康保険組合への連絡で在籍確認が可能な場合もあります。
金融機関に相談せず、電話に出られない状況が続くと審査に影響する可能性があるため、必ず事前に相談しましょう。
住宅ローンの在籍確認は、金融機関が申込者の返済能力を適切に判断するための重要な手続きです。一般的には本審査の最終段階で行われ、氏名や勤務先の確認など簡単な受け答えで終了します。
在籍確認を円滑に進めるには、「事前に勤務先へ連絡があることを伝えておく」「電話に出られない場合は金融機関へ相談する」などの事前準備が大切です。安心して住宅ローンを利用するためにも、在籍確認の流れを理解しておきましょう。
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