【2026年6月】フラット35金利予想:3.02~3.12%|公認会計士・千日太郎が5月21日の機構債から分析

公開日:2026.05.25

こんにちは、公認会計士の千日太郎です。前回の記事(【フラット35】2026年5月金利は2.71%に決定|公認会計士の予測と機構債分析)では、【フラット35】の2026年5月金利を2.67%~2.77%と予想し、2.71%となり予想レンジ内に収まりました。

まずは、最新の機構債と市場動向から分析した、2026年6月の【フラット35】金利予想の結論からお伝えします。

【2026年6月 フラット35金利予想】

  • 予想レンジ:3.02%~3.12%
  • 傾向:上昇
  • 要因:新発10年国債利回りの上昇

中東情勢の不確実性や物価上昇、日銀の利上げ観測を背景に、新発10年国債利回りは上昇傾向で推移しています。これに伴い、固定金利タイプの住宅ローンにも上昇圧力がかかっています。

この記事では、金利上昇の根拠となる国債・機構債の動きと、借り手にとって重要な「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の現状について解説します。

【フラット35】2026年5月金利予想の結果と検証

【2026年6月】フラット35金利予想:3.02~3.12%|公認会計士・千日太郎が5月21日の機構債から分析

2026年5月の金利決定結果(2.71%)

2026年5月の【フラット35】金利は前月から0.22ポイント上昇の2.71%に決定し、4月下旬での予想レンジ(2.67%~2.77%)の中央あたりの結果となりました。この予想は、機構債表面利率の0.18ポイント上昇に加え、直近の「逆ザヤ(機構による金利抑制)」の縮小傾向を加味したものでした。

なお、【フラット35】の金利は、以下の簡易式で説明できます。

・予測ロジック(簡易式)
予測金利 ≒新発10年国債利回り + ローンチスプレッド – 調整幅(機構裁量)

このうち「新発10年国債利回り + ローンチスプレッド」は、機構債の表面利率として発表されます。つまり、金利予想において最も重要なのは、機構の裁量による調整幅(逆ザヤ)の動向です。

金利上昇に加えて縮小する逆ザヤ

市場金利の上昇傾向は続いていますが、国債利回りの上昇幅に比べると【フラット35】の金利上昇は緩やかです。これは、過去11か月連続で【フラット35】の金利が機構債の表面利率を下回る「逆ザヤ」状態が維持されているためです。

2025年6月に0.05ポイントから始まった逆ザヤは毎月拡大し、2026年2月には0.52ポイントに達しました。しかし、3月以降は縮小に転じ、5月時点では0.26ポイントまで縮小しています。

住宅金融支援機構が、自身の収益を圧迫してでもどこまでこの「逆ザヤ」を許容し、貸付金利の上昇を抑制するかが今後の予想の焦点となります。

2月から5月までの推移を踏まえ、次のようなシナリオが想定されます。

  • 2月の逆ザヤ「0.52ポイント」で機構の許容上限を超えた
  • 2026年3月以降、新たな許容上限を模索している段階

機構債表面利率 vs フラット35金利の推移(2025年4月以降)
機構債表面利率vsフラット35金利の推移

※出典)
・住宅金融支援機構「既発債情報
・住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)

※上記出典を基に「住まいとお金の知恵袋編集部」作成

逆ザヤの推移(2025年4月以降)
逆ザヤの推移

※上記出典を基に「住まいとお金の知恵袋編集部」作成

【フラット35】2026年6月金利予想

2026年5月から6月にかけて、新発10年国債利回りは2.42%から2.74%(※)へ、0.32ポイントの大幅な上昇となりました。これに伴い、機構債の表面利率は2.97%から3.32%へと0.35ポイント上昇しています。これまでの数値を踏まえた、6月の【フラット35】金利予想の詳細は以下のとおりです。

※10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。

【フラット35】金利推移(直近3ヶ月)と2026年6月予想

2026年3月2026年4月2026年5月2026年6月
千日太郎の予想
【フラット35】の金利(※)2.25%2.49%2.71%3.02%~3.12%

※出典)住宅金融支援機構【フラット35】「借入金利の推移(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)

シナリオ①:激変緩和措置を織り込んだ想定下限(3.02%)

下限の3.02%は、機構債の上昇幅(0.35ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを0.26ポイントから0.30ポイントに再拡大する想定のシナリオです。

融資実行の3ヵ月前に住宅ローンの契約を行うケースもあり、2026年3月時点の金利(2.25%)を前提に計画を立てていた借り手も存在します。契約時からの金利上昇幅が大きいほど、毎月の返済負担は当初の想定を超えて増加する恐れがあります。

国民の住生活を支える公的使命を持つ住宅金融支援機構としては、このような局面において、逆ザヤを再拡大させて金利上昇を抑制する激変緩和措置を取る可能性が考えられます。

シナリオ②:逆ザヤ縮小ペースの継続(3.12%)

上限の3.12%は、機構債の上昇幅(0.35ポイント)を反映しつつ、逆ザヤを0.20ポイントへと縮小する想定のシナリオです。

2月から4月までは毎月0.10ポイント程度ずつ逆ザヤが縮小してきましたが、5月は0.04ポイントの縮小(逆ザヤ0.26ポイント)に留まりました。6月の逆ザヤの縮小幅が2026年2月以降の平均(0.09ポイント)と同等となれば、0.17ポイントに縮小となりますが、激変緩和措置を織り込み、0.20ポイントまでの縮小を想定します。逆ザヤが0.20ポイントに縮小する場合、6月の【フラット35】金利は3.12%となります。

機構債の表面利率・新発10年国債利回り・ローンチスプレッドの推移(直近4ヶ月)

主要データ(2026年5月21日時点)

機構債発表日2026年2月18日2026年3月18日2026年4月17日2026年5月21日
機構債の表面利率(※1)2.65%2.79%2.97%3.32%
新発10年国債利回り(※2)2.12%2.24%2.42%2.74%
ローンチスプレッド(※1)0.53%0.55%0.55%0.58%

※1:出典)住宅金融支援機構「既発債情報

※2:10年国債利回りは便宜上、機構債表面利率からローンチスプレッドを差し引いた率としています。

まとめ

今回の機構債表面利率は大幅な上昇となりました。ただし、住宅金融支援機構は依然として逆ザヤを維持しており、市場の金利上昇分をそのまま利用者に転嫁しているわけではありません。今回も一定の激変緩和措置が講じられる可能性はあると考えられます。

住宅購入を検討するにあたり、目先の金利動向だけで焦って判断する必要はありません。変動金利と固定金利の双方にメリットとリスクが存在します。重要なのは最終的な損得ではなく、金利が変動しても生活を安定して維持できるかどうかです。金利の低さだけでなく、自身のライフプランに合ったリスクの取り方で住宅ローンを選ぶ視点が求められます。

※この記事は2026年5月21日時点の公開情報に基づき、筆者の個人的な見解として執筆したものです。将来の金利動向を保証するものではありません。最終的な借り入れや投資の判断は、ご自身の責任において行ってください。

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執筆者紹介

千日太郎(Sennichi Taro)
公認会計士としての専門知識を活かし、YouTubeなどを通じて住宅ローンの仕組みや金利動向についての情報を発信。住宅購入を検討する人に向けた実務的な内容を中心に、金融に関する知識をわかりやすく解説している。
著書『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』では、住宅ローンの選び方や返済計画に関する基本的な考え方を丁寧に紹介しており、実用的な入門書として一定の評価を得ている。
住宅ローンに関する独自の視点や分析は、利用者や一部の業界関係者からも注目されており、継続的に情報提供を行っている点が特徴。

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