2022.05.18

住宅の瑕疵保険とは?必要性や種類、メリット・デメリットを解説

マイホームを購入するときは、住宅に欠陥や不具合がないか気になるのではないでしょうか。安心して住宅を売買するために、「瑕疵(かし)保険」という仕組みがあります。

瑕疵とは、本来あるべき性能や品質を持っていないことです。住宅の場合、建築基準法に定められた基準を満たしておらず、重大な欠陥がある状態をいいます。瑕疵保険に加入している住宅なら、購入後に欠陥が見つかっても無償で直してもらえます。

今回は、瑕疵保険の必要性や種類、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

瑕疵保険とは

瑕疵保険とは、住宅の検査と保証がセットになった保険制度です。国土交通大臣が指定した住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を引き受けます。

■住宅瑕疵担保責任保険法人一覧

  • 株式会社住宅あんしん保証
  • 住宅保証機構株式会社
  • 株式会社日本住宅保証検査機構
  • 株式会社ハウスジーメン
  • ハウスプラス住宅保証株式会社
  • (一財)住宅保証支援機構

※2022年5月現在
出典)国土交通省 住宅瑕疵担保責任保険法人

住宅の購入者ではなく、事業者が加入する仕組みで、購入した住宅に欠陥が見つかった場合は、補修等を行った事業者に保険金が支払われます。

新築住宅と中古住宅のどちらも瑕疵保険の加入対象です。新築住宅は、建設工事完了日から1年以内に引き渡しまたは売買契約の締結が行われた住宅です。中古住宅は、新耐震基準を満たすことが要件です。新築と中古ともに、建築士による検査に合格する必要があります。

瑕疵保険の必要性

住宅の瑕疵保険はなぜ必要なのでしょうか。ここでは、新築住宅と中古住宅それぞれについて瑕疵保険の必要性を解説します。

新築の場合

新築住宅の売主は、住宅の主要構造部分の瑕疵について10年間の瑕疵担保責任を負う義務があります。しかし、売主の倒産などによって瑕疵担保責任を十分に果たせない場合、住宅購入者に大きな費用負担が生じます。

そのため、住宅購入者の利益保護を目的に、2007年に住宅瑕疵担保履行法が成立・公布されました。瑕疵担保責任の履行が確保されるように、新築住宅等の売主等に対して「保証金の供託」または「保険加入」が義務付けられました。事業者が倒産して補修を行えない場合、住宅購入者は保険法人に保険金を直接請求できます。

中古の場合

中古住宅の瑕疵保険は、新築とは異なり「任意加入」です。中古は築年数や使用状況によって品質に差が生じます。そのため、物件購入後に欠陥や不具合が見つかるかもしれません。

中古住宅の売買契約は、売主が「宅建業者」と「一般の方(個人間売買)」の2種類です。
売主が宅建業者の場合は、宅建業法上の瑕疵担保責任の義務に対応するため、2年間の保証が付くのが一般的です。一方、個人間売買の場合、保証なしで売買されることも多いです。そのため、中古住宅市場では、特に個人間売買において瑕疵保険の必要性が高まっているといえるでしょう。

瑕疵保険の種類

瑕疵保険は「新築住宅」と「既存住宅」の大きく2種類に分かれます。ここでは、それぞれの概要を確認してきましょう。

新築住宅

新築住宅の瑕疵保険を「住宅瑕疵担保責任保険」といい、「住宅瑕疵担保責任保険(1号保険)」と「住宅瑕疵担保責任任意保険(2号保険)」の2種類に分かれます。1号保険は、住宅瑕疵担保履行法に定める建設業者・宅建業者の資力確保義務に対応する保険、2号保険は、売主に資力確保義務がない場合に加入する保険です。

いずれも保険加入にあたり、事業者は住宅の工事中に建築士の検査を受けて合格する必要があります。新築住宅に瑕疵があった場合、補修等を行った事業者に対して保険金が支払われるため、購入者は無償で直してもらえます。請負契約や売買契約の際に業者から説明が行われるので、内容を確認しておきましょう。

既存住宅

既存住宅の瑕疵保険は下記の4種類に分かれます。

  • 既存住宅売買瑕疵保険
  • リフォーム瑕疵保険
  • 大規模修繕工事瑕疵保険
  • 延長保証保険

既存住宅売買瑕疵保険は中古住宅の売買における瑕疵保険で、売主が「宅建業者の場合」と「宅建業者以外の場合」に分かれ、宅建業者以外の場合では、さらに「検査事業者保証」と「仲介事業者保証」に分かれます。

つまり、宅建業者が売主の場合は、宅建業者が保険に加入し、一般の方が売主の場合は、仲介業者や検査事業者が保険に加入する仕組みです。新築と同じく、保険に加入するには専門の建築士による検査を受けて合格しなくてはなりません。

リフォーム瑕疵保険は、リフォーム時の検査と保証がセットになった保険です。リフォーム工事中や工事完了後に、第三者である建築士の現場検査が行われます。工事後に欠陥が見つかった場合、補修等を行った事業者に対して保険金が支払われる仕組みです。

大規模修繕工事瑕疵保険はマンションの大規模修繕における瑕疵保険であるため、一般の方が利用する機会はないでしょう。延長保証保険は、新築住宅の引き渡し後10年間の瑕疵担保責任期間が経過後に検査・補修した場合の保険です。延長保険契約時の現況検査やメンテナンス工事の実施が加入要件となります。

参考)国土交通省「住宅瑕疵担保制度ポータルサイト」

瑕疵保険のメリット・デメリット

住宅購入後に欠陥が見つかった場合に無償で直してもらえるのがメリットです。また、瑕疵保険の加入にあたり専門の建築士による検査を受けるため、売主は購入希望者に物件の安全性をアピールでき、買主は瑕疵保険に加入している物件なら安心して購入できるでしょう。

一方で、保険料負担が生じることがデメリットです。さらに、売主は検査を受けて欠陥が見つかった場合、瑕疵保険の加入基準を満たすために追加工事が必要になる可能性もあります。また、中古住宅の保険期間は1~5年であるため、保険内容によっては短期間しか保証されない可能性があります。

瑕疵保険の利用方法

売主が宅建業者の場合は、事業者が加入するため購入者は手続き不要です。売買契約時などに瑕疵保険の説明や書類への記載があります。また、引き渡しの際に保険の証明書を受け取る必要があるので、忘れないようにしましょう。

住宅に瑕疵が見つかった場合は、売主(事業者)に補修依頼をします。売主が倒産している場合は、保険法人に補修費用(保険金)の直接請求が可能です。保険の証明書を確認して連絡をとりましょう。

売主が一般の方(個人間売買)の場合は、検査事業者に補修依頼をします。売主が事業者の場合と同じく、検査事業者が倒産している場合は保険法人に補修費用を直接請求できます。

売主との間でトラブルが発生した場合は、「住宅紛争処理支援センター」に相談できます。「住宅紛争審査会」に申請して、「あっせん」「調停」「仲裁」を受けることも可能です(申請手数料1万円)。

まとめ

マイホームを購入する場合、瑕疵保険に加入している住宅なら欠陥が見つかっても無償で直してもらえます。特に個人間売買で中古住宅を取得する場合は、瑕疵保険の有無を確認してから購入しましょう。

執筆者紹介

大西 勝士(Katsushi Onishi)
金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。
<運営ブログ>
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