リースバックにかかる税金・節税方法について解説!

リースバックにかかる税金・節税方法について解説!

リースバックとは、自宅の売却と同時に賃貸契約を結ぶことで、今の家に住みながらまとまった資金が得られる方法です。しかし、不動産関連の売買は税金の仕組みが複雑でよくわからないという方や、損をしないか心配という方もいるのではないでしょうか。今回は、リースバックの際に必要となる主な税金と、節税方法について解説します。よくある質問もあわせてご紹介しますので、リースバックを利用する際の参考にしてみてください。

リースバックの売却と譲渡所得税

譲渡所得税の計算方法

リースバック時に必要な税金のなかで、気を付けなければならないのは「譲渡所得税」です。譲渡所得税とは、資産を売却して得た利益に対して課税される税金です。課税対象となる課税譲渡所得金額は下記の計算式で算出します。

課税譲渡所得金額=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

計算式に登場する譲渡費用の詳細は以下の通りです。特別控除については、「リースバックにおける節税方法」でご紹介します。

  • 課税譲渡所得金額:譲渡所得税の税率をかける前の金額
  • 譲渡収入金額:不動産売却時に、リースバックをした売主が受け取る金額
  • 取得費:不動産購入時代金や建築費、家をリフォームした際の費用の合計から減価償却費相当額を控除した合計金額
  • 譲渡費用:不動産売却時にかかった費用の総額*

※仲介手数料や売買契約書作成時に貼る印紙税なども含む

上記の方法で算出した課税譲渡所得金額に、それぞれの家に応じた税率をかけることで譲渡所得税の金額を算出することができます。

所得税、住民税を計算する時の注意点

譲渡所得税として課される所得税、住民税は、リースバックする家に何年所有していたかによって税率が変わります。

・売却年の1月1日現在で所有期間が5年を超える土地建物の売却時

所得税* 住民税
15.315% 5%

・売却年の1月1日現在で所有期間が5年以下の土地建物の売却時

所得税* 住民税
30.63% 9%

※平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間は、復興特別所得税の2.1%を含む

リースバックをする際は、マイホームを所有してから何年経っているかを前もって確認するようにしましょう。

参考)
国税庁HP No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
国税庁HP No.3208 長期譲渡所得の税額の計算

リースバックに関するその他の税金

譲渡所得税の他にも、リースバックにかかる税金は3つあります。

印紙税

印紙税は領収書や契約書の作成時に必要な税金です。リースバックの場合は、不動産売却時に作成する売買契約書にかかります。契約書の金額が1,000万円超~5,000万円以下の場合は1万円、5,000万円超~1億円以下の場合は3万円……と、契約書の金額に応じて変わります。納付を忘れると過怠税の徴収対象となり、納付を忘れた印紙税額の2倍相当が上乗せされてしまうので注意しましょう。

固定資産税

土地、建物を、1月1日現在で所有する人が支払う税金です。売主は売却年分の負担をしなければならず、固定資産税は1年分の支払いが必要なため、売却年は1年分の金額を日割りで計算し、売主と買主双方で負担をする場合が多くあります。

登録免許税

リースバックをする際は、家のローンを組んだ時に設定した抵当権の抹消や、所有権の移転のために登記情報を申請します。ここで必要となる税金が登録免許税です。通常、所有権移転は買主が行いますが、その際、住宅用家屋は軽減税率の対象になるため、自宅のある市区町村などの証明書も提出しましょう。

リースバックにおける節税方法

リースバックにはさまざまな税金が必要となりますが、控除や特例を使用することで課税を免除・減額することができます。これが、特別控除です。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

マイホーム売却の場合、所有した期間に関係なく、譲渡所得から3,000万円以下まで控除されます。ただし、同族会社、親族間の売買では適用されないので注意しましょう。また、確定申告も必要となります。

マイホーム売却時の軽減税率の特例

家を所有していた期間が売却年の1月1日現在で10年を超える場合、3,000万円控除後のうちの金額が6,000万円以下の部分は所得税、住民税が通常より低い税率(14.21%)となります。3,000万円の特別控除と一緒に使用できるので、あわせて利用しましょう。
また、リースバックで損失が発生する場合でも、確定申告をすることでメリットが生まれることもあります。

損益通算

課税譲渡所得でマイナスになった分の金額を、売却した年の給与所得など、他の所得の控除にあてることができます

繰越控除

損益通算をした年で控除しきれなかった分の金額を、最大3年間の所得の控除に使うことができます。

居住用不動産譲渡損失が発生した場合、他の所得(給与所得など)と損益通算できる特定居住用財産の買換えなどの損益通算、繰越控除制度を利用できます。
その際は要件として下記のいずれかが必要です。

  1. 買換え取得資産をローン付きで取得すること
  2. 売却資産について、売却金額を上回るローンが残っていること

ただし、現実的にはほとんどが1のケースであり、リースバックの形態ではありません。2についてもオーバーローンで売る方は少ないため、損益通算も繰越控除も適用されるケースは少ないのが現状です。

リースバックにかかる税金についてのよくある質問

リースバック検討時のお問い合わせとして多い質問を、4つご紹介します。

Q.リースバックをする際、消費税はかかりますか?

サラリーマンなどの会社員の場合は、事業を行っているわけではないため、消費税は課税されません。法人や個人事業者が会社の事業に関わる資産を譲渡する場合は、取引した建物について課税の対象になります。

Q.リースバックで権利を譲渡した後も何か税金はかかりますか?

リースバック後のマイホームは賃貸物件となるため、固定資産税が課税されることはありません。つまり、売却年の1月1日から売却までの固定資産税は売主負担、売却後の固定資産税は買主負担となります。

Q.将来売却した家を買い戻したいのですが、その際も税金はかかりますか?

物件の購入と同じ扱いになるため、不動産の取得時に必要な以下3種類の税金が課税されます。

  • 登録免許税:所有権の移転などに必要な税金です。
  • 不動産取得税:不動産を取得する時に課税される税金で、不動産の価格×税率で計算します。税率は数年ごとに更新されるので、最新の情報を確認してから買い戻しましょう。
  • 印紙税:売却した時と同じく、売買契約書を作成する際に貼付が必要となります。

Q.相続時にリースバックした住宅の扱いはどうなりますか?

リースバックした住宅は所有権を買主へ移転しているので、所有財産としては扱われません。リースバックを利用して得た資金が相続の対象になります。

よくある質問をご紹介いたしましたが、実際、税金の心配を過度にする必要はありません。解説してきたように、個人の売却なら消費税はかかりませんし、譲渡所得税についても居住用財産であれば3,000万円の特別控除が適用されます。

まとめ

リースバックは、もとの家に住みながらまとまった資金を得られたり、家を所有することでかかるコストが不要になったりと、メリットの多い売却方法です。売却時に必要な税金を正しく理解して、損のないリースバックを行いましょう。

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執筆者紹介

菊地 則夫(Norio Kikuchi)/税理士法人スマートシンク代表税理士
成城大学経済学部卒、日本大学大学院法学研究科税法松澤智研究室卒。
得意分野は相続税や不動産税務。「不動産所得」と「住まいと暮らしの税金」のプロフェッショナル集団、税理士法人スマートシンクの代表として日々、土地・建物の税金問題に取り組む。
<主な著書>
「住宅ローン&マイホームの税金がスラスラわかる本2021」エクスナレッジ、「相続の手続と節税が全部わかる本」あさ出版、「不動産税務の手引別巻」大成出版、「不動産実業の手引き別巻」清文社、その他雑誌「家主と地主」、「賃貸Life」新聞など著書多数

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