リースバックのトラブル事例とその回避方法

リースバックは、不動産の売買契約と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅を売却してまとまった資金を確保しながら、引き続き同じ家に住むことができます。リースバックは自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金を確保したい高齢者を中心に利用されています。ただし、リースバックは通常の不動産売買とは仕組みが異なるので、内容をよく理解しておかないと、トラブルに巻き込まれるかもしれません。そのため、契約してから後悔しないように、トラブル事例を把握しておくことが大切です。そこで今回は、リースバックのトラブル事例とその回避方法を紹介します。

トラブル事例1:家賃(リース料)が払えない

リースバックは、自宅を売却した後に家賃(リース料)を支払うことになりますが、売買価格を重視して契約した場合、その家賃は相場に比べて割高に設定 されることが多いです。家賃の設定が自身の家計に対して適切でないと、支払いが徐々に厳しくなり、最終的には手元資金が枯渇して家賃が払えなくなるかもしれません。また、契約内容によっては、再契約のタイミングで家賃の引き上げを要求されるケースもあります。

このような家賃が払えないトラブルを回避するために、契約前に売却価格と賃料設定のバランスが適切かどうか、複数の運営会社で確認することが大切です。運営会社によって不動産の評価方法や賃料設定は異なるので、一社だけで判断せず、必ず複数の会社を比較して判断しましょう。また、賃料を問題なく払い続けられるように、長期間の収支シミュレーションを作成するのも有効です。

トラブル事例2:リースバック中に無断で物件を売却された

リースバックにおいて、売買契約の中に買戻し特約を付ける場合や、売買予約契約を締結している場合、運営会社は買戻しに応じなくてはならないため、基本的にはリースバック中に無断で物件を売却されることはありません。

しかし、業績不振で倒産リスクが高いなど、与信に問題がある一部の運営会社を利用した場合に、賃貸借契約期間中に無断で物件を売却される可能性があります。また、運営会社によっては、売買代金の一部を預け入れることで、家賃を下げるサービスを提供している会社もありますが、家賃を安くするために売買代金の一部を預け入れている状態で運営会社が倒産すると、その代金は戻ってこない可能性があります。

リースバックは多額の資金を必要とする事業なので、トラブルを回避するために、運営会社の買取実績や業績などを確認し、信頼のできる運営会社を選ぶことが大切です

トラブル事例3:買戻しができない

リースバックでは、運営会社のサービスによって、売却した自宅の買戻しが可能なケースが多いです。そのため、将来的に自宅を買い戻すことを想定して、リースバックを利用することを検討する方もいるでしょう。しかし、リースバックの買戻し価格は、運営会社への売却価格より高くなることが多いです。そのため、提示された買戻し価格が想定より高く、資金不足で買戻しができない事例が発生しています。

買戻しのトラブルを回避するために、売買契約や賃貸借契約と併せて買戻し条件を書面化しておくことが有効です。リースバックを契約する際に、売買契約書に特約として明記する方法や、売買予約契約を同時に契約することにより、買戻しのトラブルを回避できます。ただし、買戻し価格が高くなりすぎないよう、複数の会社を比較したうえで契約することが大切です。

また、買戻し時に住宅ローンが組める可能性もありますが、年齢や収入によっては、買戻しのために新たな住宅ローンを組むのは難しいかもしれません。買戻しを想定してリースバックを利用する場合は、住宅ローンが使えない前提で資金計画を立てましょう。

トラブル事例4:退去を求められた

リースバックは、売却後も同じ家に住み続けられるのがメリットですが、運営会社から退去を求められる可能性もあります。リースバックの多くは、賃貸借契約期間が定められている「定期借家契約」です。「再契約によって住み続けることは可能」と説明されていても、運営会社の事情で再契約されなければ退去しなくてはなりません。

リースバックで退去に関するトラブルを回避するために、事前に賃貸借契約が「普通借家契約」であるかを確認しておきましょう。「普通借家契約」であれば、正当な事由がない限り、貸主都合による一方的な賃貸借契約の解除はできません。なお、定期借家契約であっても、期間満了前の正当な事由がない退去命令は不可です。そのため、契約期間の途中に貸主から退去を求められたとしても、基本的に応じる必要はありません。とはいえ、「定期借家契約」で賃貸借契約を締結する場合には、賃借期間が満了した際に再契約が出来ないことを前提にサービスを利用するか検討しましょう。

トラブル事例5:相続人ともめてしまう

リースバックで自宅を売却する場合は、そのことを相続人に話しておかないと、相続でもめる原因になる可能性があります。リースバックは売却後も同じ家に住み続けられるので、自宅を売却したことを第三者に知られることは少ないでしょう。たとえ子どもであっても、離れて暮らしていて何も聞いていなければ、気づかないケースがほとんどです。

そのため、子どもは将来自宅を相続するつもりだったにもかかわらず、知らぬ間に自宅がリースバックで売却されていたとなれば、親族といえどもトラブルになる可能性があります。リースバックはリバースモーゲージと異なり、サービスの利用要件に推定相続人からの同意を必要としませんが 、相続トラブルを回避するために、リースバックを利用する場合は、事前に推定相続人にも話を通しておきましょう

まとめ

リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットですが、うまく利用しないと、このページで紹介したようなトラブルが発生してしまう可能性があります。不動産を活用した資金調達としては、リースバックのほかに「不動産担保ローン」「リバースモーゲージ」「不動産売却」といった手段もあります。まずはご自身の状況から、そもそもリースバックが最善の選択肢なのかをよく検討しましょう。そして、実際にリースバックを利用する場合は、紹介した事例を参考に、トラブル回避の対策をしっかり立てることが大切です。

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