更新日: / 公開日:2019.11.12
マイホームの夢を前に、審査の壁に直面して戸惑う方は決して少なくありません。しかし、一般的な銀行の住宅ローンで希望通りの結果が出なかったからといって、すぐに諦める必要はありません。
視点を変え、「不動産担保ローン」という選択肢を知ることで、資金調達の道が開ける可能性があります。この記事では、不動産担保ローンと住宅ローンの具体的な違いを比較し、それぞれどのようなケースで活用すべきかをわかりやすく解説します。

不動産担保ローンとは、不動産を担保にしてお金を借り入れることができるローン商品のことです。すでに所有している不動産のほか、これから購入する不動産を担保にすることも可能で、まとまった資金をさまざまな用途に利用できるのが特徴です。
一般的には「住宅ローン」の方が広く知られていますが、実は住宅ローンも不動産を担保に融資を受けるローン商品であり、不動産担保ローンの一種と言えます。
つまり、「購入予定の不動産を担保にし、資金の使い道を『自宅の購入・建築』に限定した不動産担保ローン」のことを、特別に「住宅ローン」と呼んでいるのです。
「不動産担保ローン」と「住宅ローン」の主な違いは、資金の使い道、担保にできる不動産の種類、そして金利水準にあります。それぞれの違いは下表のとおりです。
| 比較項目 | 住宅ローン | 不動産担保ローン |
|---|---|---|
| 資金使途 | 自宅の購入、建築、改築など | 生活資金、事業資金、納税資金など |
| 担保不動産 | 購入予定の自宅のみ | 購入予定の不動産のほか、自身や親族が所有する不動産など |
| 金利の目安* | 低い(0.50%〜0.90%程度) | 高い(1.00%〜7.00%程度) |
| 利用者 | 個人のみ | 個人・法人 |
| 団体信用生命保険 | 原則加入必須 | 加入任意、または不要なケースあり |
※金利やその他の条件は2026年3月時点の一般的な目安であり、取扱金融機関によって異なります。住宅ローン金利は銀行の変動金利、不動産担保ローン金利は銀行・ノンバンクを想定しています。詳しくは各金融機関にお問い合わせください。
自宅購入のための資金調達であれば、金利の低い住宅ローンを優先すべきです。一方で、以下のようなシチュエーションでは、柔軟性の高い不動産担保ローンが有力な選択肢となります。
住宅ローンは「契約者本人が住む家の購入・建築」に資金使途が厳しく限定されています。一方で、不動産担保ローンは資金の使い道が原則自由な「フリーローン」の性質を持っています。
生活資金や教育資金をはじめ、個人事業主・法人代表者の事業資金、あるいは複数の借り入れをまとめる「おまとめローン(借り換え)」など、多目的な資金調達に活用できるのが強みです。
一般的な住宅ローンでは、「契約者本人が居住する不動産」しか担保にできません。そのため、親名義の土地や、すでに所有している投資用アパートなどを担保にして融資を受けることは通常困難です。
しかし、不動産担保ローンであれば、金融機関の規定や審査次第で「親族が所有する不動産」や「投資用の不動産」も担保として認められるケースがあり、手持ちの資産を有効活用できます。
金融機関ごとに、融資の際に重視する項目や審査の基準は異なります。そのため、ある金融機関の住宅ローン審査を満たさなかった場合でも、金融機関の業態や商品の性質を変えることで、異なる視点から審査を受けられるケースがあります。
一般的な業態ごとの特徴の違いは下表のとおりです。
| 金融機関の業態・種類 | 審査の傾向・特徴 |
|---|---|
| ネット銀行・メガバンク | 一般的に金利が低めに設定される傾向がある反面、個人の属性(年収や勤続年数など)に関する審査基準が厳格に設けられていることが多いとされています。 |
| 地方銀行・信用金庫 | 地域密着型の営業態勢をとっており、対面での面談などを通じて、個別の事情や背景をふまえた相談に乗ってもらいやすい傾向があります。 |
| フラット35(住宅金融支援機構提携) | 個人の属性審査に加え、対象となる物件が所定の技術基準を満たしているかどうかが重要な審査要件となるなど、独自の基準が設けられています。 |
| ノンバンク(保証会社付など) | 一般的な銀行の住宅ローンと比較して金利は高めに設定される傾向があるものの、金融機関ごとに独自の多様な審査基準を持っている場合があります。 |
| ノンバンクの不動産担保ローン | 貸金業法などに基づく個人の返済能力の調査は必須となりますが、個人の属性だけでなく「不動産の担保価値」も重要な評価項目として総合的に審査されます。 |
金融機関によって、審査において「個人の属性」と「物件の担保価値」のどちらに重きを置くかの比重は異なります。
したがって、一部の金融機関で希望通りの回答が得られなかった場合でも、物件の担保価値を含めて総合的に判断する「不動産担保ローン」など、異なる基準を持つ金融機関へ相談することで、融資の可能性を探ることができます。
また、団体信用生命保険の加入が任意となっている商品を選べば、健康状態に不安がある方にとっても一つの選択肢となるでしょう。
自己居住用のマイホーム購入において、金利の低さを重視するのであれば、まずは住宅ローンの利用を検討するのが基本です。しかし、不動産担保ローンは金利が高めに設定される傾向がある一方で、以下のようなメリットがあり、資金調達の強力な選択肢となり得ます。
「自営業だから」「一度審査に落ちてしまったから」とマイホームを諦める前に、ご自身の状況や所有する(あるいは購入予定の)不動産の価値を活かせる不動産担保ローンを検討してみてはいかがでしょうか。ぜひ、最適なローン選びの参考にしてください。
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