更新日: / 公開日:2020.08.12
不動産担保ローンは、担保を活用することで高額な融資を低金利で受けられるメリットがあり、資金調達の手段として有効です。とはいえ、金融機関ごとに条件や対応が異なるため、どこを選べばよいか迷う人も多いのではないでしょうか。特に初心者の人にとっては、金利や審査、融資スピードなど、比較すべきポイントが多く、判断が難しく感じられることもあります。
この記事では、不動産担保ローンを安心して選ぶために、初心者向けのおすすめの選び方と比較ポイントをわかりやすく解説します。
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りるローンのことです。担保がある分、無担保ローンと比べて高額な融資が受けられる可能性があり、事業資金や生活資金、借り換えなど幅広い目的で利用されています。
一方で、担保の評価や審査の基準が金融機関によって異なるため、初心者にとっては仕組みが少し複雑に感じられるかもしれません。
不動産担保ローンを提供する金融機関は、「銀行系」と「ノンバンク系」に大きく分けられます。それぞれの特徴や違いについては、選び方に大きく関わる重要なポイントですが、詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
初心者の方は、まずこの2つの違いを理解したうえで、自分の目的や状況に合った金融機関のタイプを選ぶことが大切です。
不動産担保ローンを選ぶ際には、複数の金融機関を比較することが重要です。特に初心者の人は、金利や審査の通りやすさだけでなく、融資までのスピードや担当者の対応など、さまざまな観点から総合的に判断する必要があります。ここでは、安心してローンを選ぶために押さえておきたい6つの比較ポイントを詳しく解説します。
不動産担保ローンの融資金額は、担保となる不動産の評価額に基づいて決定されます。一般的には評価額の60〜80%程度が融資上限の目安とされ、そこに借り手の与信(年収、勤務先、勤続年数など)を加味して最終的な融資額が決まります。金融機関ごとに評価方法や掛目(かけめ)が異なるため、同じ物件でも融資可能額に差が出ることがあります。
担保評価の考え方や掛目の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
融資を希望する際は、複数の金融機関に相談し、自分の不動産がどのように評価されるかを事前に確認しておくことが大切です。
ローンを選ぶ際には、金利だけでなく、事務手数料や登記費用、印紙代などの諸費用も含めて総返済額を比較することが重要です。金利が低くても、手数料が高ければ結果的に負担が増えることもあるため、表面金利だけで判断するのは危険です。
特に事務手数料は「融資金額の○%」といった形で設定されることが多く、金額が大きくなるほど差が出やすいポイントです。また、借り換えを検討している場合は、既存ローンの繰上返済手数料も考慮する必要があります。費用面は見落とされがちですが、長期的な返済計画を立てるうえで非常に重要な要素です。
不動産担保ローンの審査基準は金融機関によって大きく異なります。銀行系は信用情報や収入状況を厳しくチェックする傾向があり、安定した職業や高い年収が求められることもあります。一方、ノンバンク系は比較的柔軟な審査を行っており、開業間もない個人事業主や赤字決算の法人でも融資を受けられる可能性があります。
審査の考え方や審査基準の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
また、審査に必要な書類や提出方法も金融機関によって異なるため、事前に確認しておくことで手続きをスムーズに進めることができます。収入に不安がある人や過去に審査で落ちた経験がある人は、柔軟な対応をしてくれる金融機関を選ぶと安心です。
急に資金が必要となった際は、融資までのスピードも重要な比較ポイントです。金融機関によっては「最短即日融資」や「1週間程度で融資可能」といった対応をしているところもありますが、これはあくまで必要書類がすべて揃っている場合や、既存の借り入れがある場合など、審査が迅速に完了する場合に限られます。
実際には、物件の現地調査や書類の不備などで時間がかかるケースもあるため、余裕を持ったスケジュールで検討することが大切です。急ぎの場合は、事前に「いつまでに資金が必要か」を明確に伝えることで、優先的に対応してもらえる可能性もあります。
不動産担保ローンは手続きが複雑で、専門用語も多く登場するため、金融機関の担当者の対応は比較ポイントとして非常に重要です。丁寧な説明や迅速な対応があるかどうかは、契約のスムーズさや安心感に直結します。
金融機関によっては、専任の担当者がつくケースや、電話・メール・対面など多様なサポート体制を整えているところもあります。金利や融資条件だけでなく、「人の対応」も含めて比較することで、より満足度の高い選択につながります。
不動産担保ローンは長期にわたる契約になるため、金融機関の信頼性も非常に重要です。営業年数が長く、融資実績が豊富な金融機関であれば、安心して取引を進めることができます。また、万が一のトラブル時にも、しっかりとした対応が期待できるでしょう。
金融機関の信頼性を見極めるには、公式サイトでの情報だけでなく、口コミや第三者の評価も参考になります。ブランド力や提案内容の質なども含めて、総合的に判断することが、後悔しないローン選びにつながります。
不動産担保ローンは、資金使途や時期、審査への不安など、個人の状況によって最適な選び方が異なります。ここでは、初心者の人が自分に合ったローンを選ぶためのヒントとして、代表的な4つのタイプ別におすすめの選び方をご紹介します。
事業の立ち上げや急な資金繰りなど、短期間でまとまった資金が必要な場合は、融資までのスピードを重視して金融機関を選ぶのがおすすめです。ノンバンク系の金融機関は、審査が柔軟で申し込みから数日での融資が可能なケースもあり、スピード感を求める人には適しています。
ただし、スピード重視のローンは、金利が高めに設定されていることもあるため、総返済額とのバランスを見て判断することが大切です。必要書類を事前に揃えておくことで、審査や担保評価がスムーズに進み、希望するタイミングで資金を受け取れる可能性が高まります。
返済負担をできるだけ軽くしたい人は、金利の低さを重視して金融機関を選びましょう。一般的に銀行系の不動産担保ローンは、ノンバンク系に比べて金利が低く設定されている傾向があります。長期で借り入れをする場合は、金利の差が総返済額に大きく影響するため、慎重な比較が必要です。
ただし、銀行系は審査が厳しく、融資までに時間がかかることもあるため、資金が必要時期や審査通過の可能性も考慮する必要があります。金利だけでなく、事務手数料や登記費用などの諸費用も含めて、トータルコストで判断するのが賢い選び方です。
収入が不安定だったり、過去にローン審査で落ちた経験がある人は、審査の柔軟性を重視して金融機関を選ぶと安心です。ノンバンク系の金融機関は、開業間もない個人事業主や赤字決算の法人など、一般的に審査が通りにくい属性でも相談に乗ってくれるケースが多くあります。
また、担保不動産の評価が高ければ、与信に不安があっても希望額に近い融資が受けられる可能性もあります。事前に相談して、どのような条件で審査が進められるかを確認することで、無理のない借り入れが実現しやすくなります。
初めてローンを利用する人や、手続きに不安がある人は、担当者の対応やサポート体制を重視して金融機関を選ぶのがおすすめです。特に、専門用語や書類の準備に不安がある場合は、親身になって説明してくれる担当者がいるかどうかが安心材料になります。
「人の対応」を重視する人は、相談時の印象や説明のわかりやすさを確認しながら、信頼できる金融機関を選ぶと良いでしょう。サポート体制が整っているかどうかは、初心者にとって大きな安心につながります。
不動産担保ローンを初めて利用する人にとっては、金融機関選びそのものが不安の種になりがちです。そんな初心者におすすめなのは、以下のような特徴を持つ金融機関です。
これらの条件を満たす金融機関は、初心者でも安心して相談・契約ができる可能性が高く、「おすすめ」と言える存在です。まずは仮審査を通じて、自分の条件に合うかどうかを確認してみることをおすすめします。
不動産担保ローンは、資金調達の選択肢として非常に有効ですが、金融機関によって条件や対応が大きく異なります。初心者の人は、金利・審査・サポート体制などを総合的に比較し、自分に合ったローンを選ぶことが大切です。
まずは「おすすめの条件」に合う金融機関を見極め、仮審査を通じて融資可能額を確認してみましょう。
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