「不動産担保ローン」の審査基準と審査通過のためのポイント

不動産担保ローンを活用して資金調達するには、金融機関の審査を通過する必要があります。不動産担保ローンを利用した経験がないと、どのように行動すれば審査にたどり着き、審査を通過することができるかイメージできないのではないでしょうか。金融機関にローンを申し込むと、金融機関はお金を貸す相手の審査をします。その審査の結果によって、「お金を貸してもよいか?」、「融資できる金額はどのくらいか?」といった判断をすることになります。

不動産担保ローンの場合、審査の対象は大きく分けて2つあります。融資をする相手の「信用力」と、担保となる「不動産の価値」です。審査のポイントを理解し、必要書類などをしっかり準備して面談に臨むことで審査に通りやすくなります。今回は、不動産担保ローンの審査基準と審査通過するためのポイントを説明していきましょう。

審査を受けるための準備

実際に不動産担保ローンの審査を受けるには、まず金融機関のホームページから仮審査に申し込みます。仮審査の結果をもとに担当者と面談後、本申込を行うと担保不動産の実地調査や属性の審査が行われ、審査に通れば契約、融資実行という流れになります。本申込の際は、以下の書類が必要です。

● 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
● 印鑑証明書(実印も)
● 納税証明書、固定資産税納付書
● 収入証明書
● 不動産登記簿謄本
● ローン残高証明書
● 商業登記謄本、決算書類、事業計画書など(法人の場合)

印鑑証明書、納税証明書、収入証明書は、自治体の窓口で即日発行されます。印鑑証明書については、マイナンバーカードがあれば全国のコンビニでも発行できます。固定資産税納付書は手元に保管しているかを確認し、見つからない場合は自治体の窓口で相談しましょう。不動産登記簿謄本は法務局の窓口のほか、郵送やオンラインによる交付請求も可能です。ローンが残っている不動産を担保にする場合は、ローンを組んでいる金融機関にローン残高証明書の発行を依頼します。法人の場合は商業登記謄本や決算書類、事業計画書なども提出しなくてはなりません。

すべての必要書類を準備するには時間がかかるので、余裕を持って対応することが大切です。金融機関によっては、上記以外の書類も必要になることがあるので、担当者に確認して対応しましょう。

「信用力」の審査基準とは?

審査対象の1つ目は融資をする相手の信用力です。これはあらゆるローンで審査をされるもので、担保となる不動産がある不動産担保ローンであっても、その重要性は変わりません。その信用力を計る条件としては、まず収入が挙げられます。融資先が個人であれば年収、企業であれば利益ということになります。

収入

当然、収入は多ければ多いほど信用力はアップしますが、金額だけで評価されるわけではありません。毎月の収入に対するローンの返済額の割合を表す「返済負担率」がポイントとなります。例えば、毎月の収入が50万円で、返済額が15万円というケースでは、返済負担率は30%になります。返済負担率が高いほど評価は悪くなり、融資が実行される可能性も低くなっていくといえます。

過去の返済状況

次は、過去の返済状況です。過去にローンを借りたことがあれば、その返済状況が審査されます。そして、ローンの返済が滞ったことがあると信用力は低くなります。1回や2回程度の返済の遅れであれば、「不注意による引き落とし口座の残高不足」と見なされ、審査に通ることはありますが、それ以上の延滞が重なると融資は厳しくなります。なお、そうした個人や企業の返済情報は、国内の信用情報機関に記録されているので、金融機関であればいつでも参照することが可能です。

勤続年数

個人の信用力では勤続年数も重要です。勤続年数が長くなるほど、安定した収入が継続的に得られている、と見なされるからです。法人の場合は、事業年数ということになります。設立したばかり、あるいは事業年数が短い法人は、信用力があるという判断はされにくくなります。

年齢

さらに、不動産担保ローンは、10年、20年と長期にわたることもあるため、借りる人の年齢も評価の対象になります。ローンを完済したときに何歳になっているかという「完済時年齢」がポイントで、完済時年齢は、高齢になるほど収入が不安定になると見なされてしまいます。

他の金融機関からの借入状況

また、他の金融機関からのローンの有無、ローンがある場合は、その借入金額や何社からの借り入れがあるのか、といったことも信用力の判断基準になります。やはり、借入金額が多くなるほど、そして、借り入れている金融機関の数が多いほど、審査には通りにくくなってきます。

「不動産の価値」を審査する方法は?

不動産担保ローンの2つ目の主な審査対象となる不動産について説明をしましょう。ローンの担保となる不動産の価値が高い、すなわち、不動産の価格が高いほど審査に通りやすく、大きな金額のローンが組めることになります。では、不動産の価格はどうやって測定するのでしょうか。

土地の評価方法

不動産には土地と建物の2つの資産があります。そこで、まずは土地の評価の方法について。日本の土地の価格(=地価)には、いくつかの基準があります。国土交通省が発表している「公示地価」、都道府県による「基準地価」、国税庁の「路線価」、市町村の「固定資産税評価額」の4つです。したがって、同じ土地であっても4種類の価格が存在することになります。

金融機関によって評価の手法はさまざまで、重視する基準も変わってきますが、比較的よく用いられるのは国税庁の路線価のようです。路線価の正式名称は「相続税路線価」といい、相続税を算定するときに使う地価のことです。一般的な不動産取引は、取引時の売買価格は公示地価や基準地価に基づいて行われており、路線価は公示地価、基準地価よりも低く、その8割程度とされています。つまり、路線価は、公示地価、基準地価より2割程度は割安に評価されているわけです。

では、なぜ金融機関は路線価で評価するケースが多いのでしょうか? 金融機関は、融資したローンの回収が不可能となった場合、担保としている不動産を処分することになります。その際、地価が値下がりをしていたら、融資した金額をすべて回収することが困難になります。そのリスクに備えるために、路線価で地価を〝厳しめ〟に評価するわけです(ちなみに、固定資産税評価額は路線価よりもさらに低く設定されています)。

建物の評価方法

土地に比べて建物の評価の方法は、少し複雑になります。まず、建物の「再調達価格」を算定するところから始まります。再調達価格とは、その建物を新たに建築、購入した場合に必要となる金額のことです。そして、建物の「延べ床面積」や「法定耐用年数」などを用いて、価格を決定します。

ただし、建物の築年月が法定耐用年数を超えていると、建物の価格は0円になってしまう点には注意が必要です。住宅用の戸建ての場合、国税庁が定める法定耐用年数は22年です。すると、築22年を超えた戸建ての建物価格は0円になってしまいます。したがって、不動産価格は土地だけを評価すればいいことになります。

実際の不動産担保ローンの審査では、融資先の信用力と担保とする不動産の価格の両方を考慮して、融資の実行および融資額を決定します。

審査通過のためのポイント

不動産担保ローンの審査に通過するために、必要書類を早く集め、担当者からの質問には嘘をつかずに回答して、なるべく多くの情報を提供することを心掛けましょう。担保不動産の評価や属性も大切ですが、担当者への対応も審査結果に影響を与えます。金融機関の担当者は日々多くのローン利用希望者と面談しており、担保とする不動産や属性については徹底的に調査を行うため、嘘をつくのは逆効果です。仮にローンを借りることができたとしても、融資実行後に嘘が発覚した場合は一括返済を求められてしまいます。不利になることも正直に伝えるなど真摯に対応することで、金融機関から信頼を得ることができ、結果として審査に通りやすくなります。

また、個人事業主の方や法人の場合は、事業計画書の内容も非常に重要になります。金融機関の信頼を得られるように、客観的な事業計画を作成することも審査通過のポイントです。内容がわかりやすく、しっかりとした根拠をもとに作られた事業計画であれば、金融機関は審査しやすくなります。事業計画書を提出する前に、顧問税理士などの専門家に確認してもらうといいでしょう。自分ひとりで事業計画書を作成すると、金融機関の印象を少しでも良くしたいという思いから、売上などの見通しが甘くなってしまう可能性があります。専門家の視点を取り入れることで、実現可能性が高い、説得力のある事業計画を作成できます。

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