住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

持ち家に住んでいても、ライフスタイルの変化や金銭的な問題で「住み替え」を検討することがあるでしょう。しかし、住み替えたいと思っても、どのような手順で住み替えを進めたらよいかわからないのではないでしょうか。

住み替えには費用がかかりますし、売却によって利益が出れば税金がかかるケースもあります。スムーズに住み替えを進めるには、活動を始める前に全体の流れや費用を把握することが大切です。

今回は住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例について詳しく解説します。

住み替えの流れは?

住み替えには、「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。まずは売却と購入それぞれの流れを確認しておきましょう。

自宅を売却するまでの流れ

自宅を売却するまでの流れは以下の通りです。

  1. 不動産査定
  2. 売却活動
  3. 売買契約
  4. 決済
  5. 引き渡し

まずは不動産会社(仲介業者)に自宅の査定を依頼し、いくらで売れそうかを確認します。査定金額に納得できたら、不動産会社と媒介契約を締結して売却活動を進めます。

買主が見つかって売却金額や引渡日などの条件が決定したら、売買契約を締結し、決済後に物件の引き渡しを行います。一連の手続きは、不動産会社がサポートしてくれます。

新居を購入するまでの流れ

一方、新居を購入するまでの流れは以下の通りです。

  1. 物件探し
  2. 物件見学
  3. 売買契約
  4. 決済
  5. 引き渡し

不動産会社に訪問したり、インターネットの物件情報を確認したりして、新居の候補となる物件を探しましょう。良さそうな物件が見つかったら、実際に物件を見学して自身の希望通りの条件かどうかなど確認します。

購入する物件が決まったら売主と売買契約を締結し、決済完了後に物件が引き渡されます。なお、住宅ローンを利用する場合は、契約前後にローンの申し込みが必要です。

住み替えにかかる費用

住み替えでは、自宅の売却と新居の購入それぞれで費用がかかります。

自宅の売却でかかる費用

自宅の売却でかかる費用をまとめました。

  • 仲介手数料 ※不動産仲介による売却の場合
  • 印紙税
  • 一括繰上返済手数料・登記費用 ※住宅ローンが残っている場合
  • 所得税・住民税 ※譲渡益が出た場合
  • 引っ越し費用、仮住まいの賃料など ※売り先行の場合

仲介手数料と印紙税は不動産の売買価格によって変化します。たとえば、売買価格が3,000万円なら、仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」がかかるので「96万円+消費税」、印紙税は「本則税率:2万円、軽減税率:1万円」となります。

住宅ローンを組んでいる場合には完済の手数料や抵当権抹消の登記費用が掛かります。また、譲渡益が出た場合は所得税・住民税がかかりますが、税制上の特例を利用することで税金がかからないケースもあります。

その他、住み替えを売り先行で行う場合には新居購入までの仮住まいが必要なので、賃貸住宅への引っ越し費用や賃料なども必要です。

新居の購入でかかる費用

新居の購入でかかる費用は以下の通りです。

  • 仲介手数料 ※不動産仲介による購入の場合
  • 印紙税
  • 登記費用
  • 融資事務手数料、保証料など ※住宅ローンを組む場合
  • 保険料
  • 引っ越し費用、不動産取得税、固定資産税など

新居の購入でかかる仲介手数料や印紙税も、自宅の売却と同じく売買価格によって変動します。

新たに住宅ローンを組む場合は、事務手数料や保証料のほか、司法書士に依頼する抵当権設定費用なども必要です。

その他、火災保険や固定資産税などまとまった費用がかかります。不動産は高額のため諸費用も多くかかります。そのため、資金が不足しないように、住み替えをする前に必ず費用を見積もっておきましょう。

(参考)
公益社団法人 全日本不動産協会「仲介手数料について」
不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

住み替えの際に利用できる特例

住み替えの際は、税制上の特例を利用することで税負担の軽減が可能です。

譲渡益が出た場合

自宅の売却で譲渡益が出た場合は、以下2つの特例が利用できます。

  • 3,000万円の特別控除
  • 買い替え特例

3,000万円の特別控除とは、マイホームを売却したときに、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。譲渡益が3,000万円以下の場合、3,000万円の特別控除が適用されれば所得税・住民税はかかりません。

買い替え特例とは、マイホームを買い替えたときに、一定の要件を満たすと譲渡益にかかる税金を将来に繰り延べることができる特例です。自宅を売却した年には譲渡益への課税は行われず、将来新居を売却するときに課税されます。

3,000万円の特別控除と買い替え特例は併用できないため、どちらかを選択する必要があります。どちらが有利かは譲渡所得の金額などによって変わってくるため、判断できない場合は税理士などの専門家に相談しましょう。

(参考)
国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

譲渡損失が出た場合

自宅の売却で譲渡損失が出た場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。

本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。

損益通算を行っても所得から控除しきれなかった譲渡損失は、マイホームを売却した年の翌年から最長3年間繰り越して、各年の所得から控除できます。本特例を利用すれば、給与所得などにかかる所得税・住民税が軽減されます。

特例が適用されるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。

国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」

まとめ

住み替えをスムーズに行うには、流れや費用を確認した上で、自分に合った方法で手続きを進めることが大切です。不動産会社や税理士などと相談しながら、新居への住み替えを成功させましょう。

執筆者紹介

「金融/不動産知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。
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