2022.05.04

建物状況調査とは?診断項目やメリット・デメリット、利用方法を解説

中古住宅は新築より割安な価格で購入できるのが魅力ですが、元の所有者の維持管理や築年数などによって品質に差があります。中古住宅の購入を検討する場合、性能や品質に問題がないか不安を感じるのではないでしょうか。

建物状況調査を利用すれば、購入前に建物の状況や不具合を確認することができます。今回は、建物状況調査の概要や診断項目、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

建物状況調査とは

建物状況調査とは、宅建業法で定められた基準をもとに実施する検査のことです。一定以上の知識や技術力を有する「既存住宅状況調査技術者(国の定める講習を修了した建築士)」が実施します。

建物状況調査が生まれた背景

建物状況調査は2018年の宅建業法改正に伴い、従来の「ホームインスペクション」とは一線を画す形で生まれました。宅建業法改正により、中古住宅の売買に関する手続きについて宅建業者に義務付けられた内容は以下3つです。

  • 媒介契約締結時に建物状況調査のあっせんに関する書面を依頼者に交付する
  • 買主に対して建物状況調査の結果を重要事項として説明する
  • 売買契約成立時に売主と買主の双方が確認した事項を書面で交付する

宅建業者に義務付けられているのは、あくまでも説明やあっせんです。実施が義務付けられたわけではない点を理解しておきましょう。

建物状況調査の診断項目

建物状況調査の診断項目は、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」の2つに分かれます。木造戸建て住宅(2階建て)の場合は以下の通りです。

<構造耐力上主要な部分>

  • 基礎
  • 小屋組
  • 土台
  • 斜材
  • 床版
  • 屋根版
  • 横架材

<雨水の侵入を防止する部分>

  • 屋根
  • 外壁
  • 開口部

国土交通省の定める基準に従い、検査機器を使用して目視や非破壊検査を行います。物件の状態や規模によりますが、所要時間は3時間程度が一般的です。

建物状況調査とホームインスペクションの違い

「建物状況調査」と「ホームインスペクション」は、同義として扱われる場合もありますが、厳密には異なります。ホームインスペクションは、住宅に関する検査全般を意味する言葉です。さまざまな呼び名があり、業者によって検査員の資格の有無や検査内容が異なります。中古住宅を売買する前に建物の状況を確認したい場合は、建物状況調査とホームインスペクションの違いを理解しておくことが大切です。

建物状況調査のメリット

中古住宅の売買に建物状況調査を活用することには、売主と買主の双方にメリットがあります。

買主のメリット

買主のメリットは以下の通りです。

  • 安心して購入できる
  • 購入後のメンテナンスの予定が立てやすい
  • 専門家からアドバイスを受けられる

専門家の調査によって建物の状況や不具合の有無を確認できるので、安心して物件を購入できます。あらかじめ修繕の必要性を把握することで、購入後のリフォームや修繕といったメンテナンスや費用の見積もりが立てやすくなるでしょう。調査結果に応じて、専門家からアドバイスを受けることも可能です。

売主のメリット

売主のメリットは以下の通りです。

  • 引渡し後のトラブル回避が期待できる
  • 競合物件との差別化につながる

建物状況調査の結果を買主に伝えてから売却できるので、引渡し後のトラブルを回避しやすくなります。建物状況調査を実施したことをアピールすれば、(調査を受けていない)競合物件との差別化にもつながるでしょう。

建物状況調査のデメリット

一方で、建物状況調査には以下のようなデメリットもあります。

買主のデメリット

調査費用を買主が負担する場合は、コストがかかるのがデメリットです。また、建物状況調査は瑕疵の有無を判定するものではありません。調査結果に問題がなくても、瑕疵がないことが保証されるわけではない点に注意が必要です。

売主のデメリット

調査費用を売主が負担する場合は、物件売却で得られる収益が減少します。また、建物状況調査を実施すると、物件に不具合が見つかるかもしれません。調査結果によっては、補修費用の負担や値下げの必要性が生じる可能性があります。

建物状況調査の利用方法

建物状況調査を利用する場合は、「既存住宅状況調査技術者検索サイト」で調査実施者を探します。不動産業者が提携している調査実施者がいる場合は、あっせんを希望する旨を伝えて対応してもらう方法もあります。

調査実施者を選定したら、見積もりをとって診断内容や料金を確認しましょう。見積もりの内容に問題がなければ、診断日時を決定します。検査当日までに準備が必要な書類の具体例は以下の通りです。

  • 間取り図
  • 販売図面
  • 確認済証
  • 検査済証
  • 住宅性能評価証
  • 新耐震基準適合証明書

マンションの場合は、上記に加えて管理規約や長期修繕計画の写しなども必要です。調査を依頼する業者に確認して準備を進めましょう。

当日は基本的に依頼者も調査に立ち合い、その場で説明を受けます。後日報告書が送られてくるので、不明点があれば問い合わせて確認しましょう。

参考)住宅リフォーム推進協議会「既存住宅状況調査技術者検索サイト」

まとめ

建物状況調査を活用すれば、取引前に建物の状況を把握できるので、中古住宅を安心して売買できます。広義のホームインスペクションとの違いを理解したうえで、依頼する調査実施者を探しましょう。

執筆者紹介

「金融/不動産知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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