2024.01.03

登記情報提供サービスとは?概要と利用料金を解説

公開日:2024.01.03

登記情報提供サービスは、インターネット上で登記情報を確認できるサービスです。法務局に行かなくても登記の内容を把握できるため、情報取得にかかる時間や手間を省けます。この記事では、登記情報提供サービスの概要と使い方、利用料金について解説します。

登記情報提供サービスとは

登記情報提供サービスとは、登記所が保有する登記情報を、インターネットを使用してパソコンの画面上で確認できる有料サービスです。提供される登記情報は以下のとおりです。

  • 不動産登記情報(全部事項)
  • 不動産登記情報(所有者事項)
  • 地図情報
  • 図面情報
  • 商業・法人登記情報
  • 動産譲渡登記事項概要ファイル情報及び債権譲渡登記事項概要ファイル情報

請求した時点における登記情報を、リアルタイムで表示、保存できます。さらに、照会番号の発行も行っています。照会番号とは、登記事項証明書の代わりに添付できる番号のことです。行政機関等へのオンライン申請等の際に照会番号を添付することで、登記情報提供サービスで取得した登記情報を登記事項証明書に代えて申請できます。

登記情報提供サービスを利用するには

登記情報提供サービスを利用するには、パソコンを用意して、ネットを利用できる環境を整えることが前提となります。スマートフォンやタブレットは動作が保証されておらず、非推奨となっているので注意が必要です。そのうえで、以下3つの利用方法があります。それぞれの概要について解説します。

①一時利用

一時利用とは、申込手続(登記情報提供契約の締結)をすることなく、一時的に利用する方法です。一時利用者登録を行うと、クレジットカードの即時決済ですぐに利用できます。登記情報を請求できるのは、初回ログインを行った当日のみです。翌日以降のログインは、マイページの利用に限られます。マイページでは、利用実績や利用明細の確認ができます。

②登録利用

登録利用とは、あらかじめ申込手続を行い、利用登録をしたうえで利用する方法です。個人と法人で、利用方法は異なります。

個人は、申込単位にひとつの利用者ID(登記情報を請求できるID)が交付されます。同一IDで同時に複数ログインはできないため、複数名で利用する場合は、利用する口数分の申し込みが必要です。申込手続は約1週間で、手続完了後は「登録完了通知書(利用者ID)」が交付されます。料金の支払いは、登記情報を請求する都度、クレジットカードで決済されます。

法人は、申込単位にひとつの「管理者ID」が交付されます。管理者IDでは、登記上の請求はできません。管理者IDでログインし、利用人数分(最大200名分)の利用者IDの登録を行います。申込手続は約1ヵ月で、手続完了後は「登録完了通知書(管理者ID)」が交付されます。料金の支払いは、月ごとに預金口座からの引き落としです。

③公共電子確認

照会番号の提供を受けた公共機関が、オンライン申請等の確認時に使用する方法です。法人の利用登録と同じく、発行された管理者IDでログインし、利用者ID(最大200名分)の登録を行います。

登記情報提供サービスにかかる費用

登記情報提供サービスでは、「登録手数料」と「利用料金」がかかります。それぞれの内容と料金を紹介します。

登録手数料

登録利用の場合、利用区分に応じて以下の登録手数料がかかります。

  • 個人登録利用…300円(273円)
  • 法人登録利用…740円(673円)
  • 国、地方公共団体等…560円(510円)

※登録費用の()内の料金は、消費税不課税対象者(利用者の住所等が日本国外にある場合に、消費税法の課税対象外となり消費税が課されない方)の登録費用です。

出典)登記情報提供サービス「サービス概要」

一時利用と公共電子確認の場合、登録手数料はかかりません。

利用料金

利用料金は、確認する登記情報や内容に応じて以下の利用料金がかかります。

利用料金

出典)登記情報提供サービス「サービス概要」

公共電子確認の場合、利用料金はかかりません。

登記情報提供サービス利用上の注意点

登記情報提供サービスを利用する際の注意点は以下のとおりです。

受付時間に制限がある

登記情報提供サービスはインターネット上で手続きを行いますが、以下の受付時間内しか利用できません。

<登記情報提供サービスの利用時間>

  • 平日:8:30~23:00
  • 土日祝日:8:30~18:00

※地図及び図面情報については平日の8:30~21:00

また、年末年始(12月29日~1月3日)は休業日となります。利用終了時間になると途中で送受信が切断されることがあるので、時間に余裕をもって利用しましょう。

法的な証明書にはならない

登記情報提供サービスでは、利用者が請求した時点において登記所が保有する登記情報を確認できますが、あくまで「閲覧」と同等のサービスです。登記事項証明書とは異なり、証明文や公印等は付加されないため、PDF形式で受領したデータを印刷しても法的な証明書にはなりません。

ただし、行政機関等へのオンライン申請等は、登録事項証明書を添付する代わりに照会番号を利用できることもあります。詳細は、申請先の行政機関等へご確認ください。

まとめ

登記情報提供サービスは、インターネット上で登記情報を確認できる便利なサービスです。法務局で書面請求するよりも費用が安く済むのもメリットです。

ただし、データを印刷しても法的な証明書として認められず、契約時などには利用できません。「登記情報の確認に限定する」「行政機関等への申請には照会番号を添付する」など、状況に応じてうまく使い分けましょう。

執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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